JP2012154844A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2012154844A5
JP2012154844A5 JP2011015281A JP2011015281A JP2012154844A5 JP 2012154844 A5 JP2012154844 A5 JP 2012154844A5 JP 2011015281 A JP2011015281 A JP 2011015281A JP 2011015281 A JP2011015281 A JP 2011015281A JP 2012154844 A5 JP2012154844 A5 JP 2012154844A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
motor
electromotive force
back electromotive
angle range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011015281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012154844A (ja
JP5656671B2 (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority claimed from JP2011015281A external-priority patent/JP5656671B2/ja
Priority to JP2011015281A priority Critical patent/JP5656671B2/ja
Priority to US13/358,060 priority patent/US8918301B2/en
Priority to KR1020120007720A priority patent/KR20120087088A/ko
Priority to EP12275005.2A priority patent/EP2482091B1/en
Priority to CN201210026916.5A priority patent/CN102621490B/zh
Publication of JP2012154844A publication Critical patent/JP2012154844A/ja
Publication of JP2012154844A5 publication Critical patent/JP2012154844A5/ja
Publication of JP5656671B2 publication Critical patent/JP5656671B2/ja
Application granted granted Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

モータの状況検査方法及びモータ特性検査装置
本発明は、外力で可動子が動いたときに逆起電力(逆起電圧)を発生するモータの状況検査方法及びモータ特性検査装置に関するものである。
従来のモータの状況検査方法及びモータ特性検査装置では、トルク等の検査を行うために、モータに電力を供給して、モータを一定の回転数で動作させ、そのときの動作出力を検査している。そのため検査用の電圧計、回転計や速度センサなどを用いて必要な計測をする必要があった。このようなことから、従来は、設備に組み込まれた状態のモータを直接検査することはせず、検査対象のモータの特性を検査するために、設備からモータを取り外して専用の検査装置と組み合わせて検査を行う必要があった。そのため定期点検や検査のたびに、設備からモータを取り外す必要があり、検査に要する手間と時間をかなり必要としていた。また設備からモータを取り外すと、設置状況の不具合を見ることはできなかった。
特に、リニアモータの場合、可動と固定の設置状況(いわゆるエアギャップの良否)がモータの出力に影響する。従来は、設置状況を検査するために、可動子と固定子との間に形成される隙間に隙間ゲージを挿入して、機械的寸法検査を行っていた。しかしながら、この場合には、モータを設備から外して検査を行っても、検査後のモータを設備に設置する際に機械的な誤差を生じやすく、また可動子と固定子との間に形成される隙間が、全体的に均一になっているかどうかの検査が困難であった。
そこで、本願発明者らは、モータが外力で動いたときに発生する逆起電力波形の周波数と振幅値とに基づいて逆起電力定数を求めることでモータの特性を検査するモータの状況検査方法及びモータ特性検査装置を発明している(特願2009−177091号・特許文献1)。
特願2009−177091号
特許文献1の手法では、逆起電圧の半周期(電気角180°)に基づいて周波数を検出している。しかし、加速時や減速時において、逆起電圧の半周期内において急激な変化(リニアモータであれば急激な速度変化、回転モータであれば急激な回転数の変化)があった場合、電圧のピーク値を境にして周波数のデューティー比が大きく変化してしまい、検査結果に誤差が生じやすいという問題があった。例えば、図7に示すように、区間(A)では、周波数のデューティー比(f1A:f1B)が大きく変化しており、周波数のデューティー比(f2A:f2B)の変化が小さい区間(B)を用いる場合に比べて、誤差が生じやすい。
本発明の目的は、設備に組み込まれたモータを、設備から取り外すことなく検査をすることが可能であり、且つ、検査結果に誤差が生じにくいモータの状況検査方法及びモータ特性検査装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、モータの設置状況の良否を簡便な方法で検査することが可能なモータの状況検査方法及びモータ特性検査装置を提供することにある。
本発明は、設備に組み込まれた三相モータの状況を設備から三相モータ取り外すことなく検査するモータの状況検査方法及びモータ特性検査装置を対象とする。
モータに発電作用があることは周知のことであり、外力を加えて三相モータの可動部を動かすと、三相モータの入力端子には、三相の逆起電力(逆起電圧)が発生する。本発明では、モータの特性を示す定数の1つである逆起電力定数Kを求め、モータの特性の良否を判定する。
本発明のモータ特性検査装置は、給電されていない状態で三相モータの可動子が動いているときに電機子巻線に発生する三相の逆起電力中の一相の逆起電力のピーク値を含む電気角で180°よりも小さい所定の角度範囲を特定する角度範囲検出部と、一相の逆起電力がα軸になるように三相の逆起電力をαβ変換により三相の逆起電力に等価な二相交流に変換する三相二相変換部と、所定の角度範囲におけるα成分の変化量及びβ成分の変化量から所定の角度範囲における電圧ベクトルの変化量を演算する電圧ベクトル変化量演算部と、所定の角度範囲における可動子の速度の変化量を検出する速度変化量検出部と、速度変化量及び電圧ベクトルの変化量に基づいて逆起電力定数を演算する逆起電力定数演算部と、逆起電力定数の演算結果または予想される演算結果に対して予め用意した判定結果を表示する結果表示部とを備えている。したがって、モータ特性検査装置に三相の逆起電力を入力すると、電気角で180°よりも小さい所定の角度範囲における可動子が外力により移動したときに変化する速度の変化と、速度の変化に伴って変化する逆起電力の増加量を電圧ベクトルの変化量として求めることができる。このように求める電圧ベクトルの変化量から求める逆起電力定数は、逆起電力の電圧の変化量から求める逆起電力定数と比べて、加速時や減速時においても、誤差が少ない。したがって、従来よりもモータの特性の良否を精度良く判定できる。なお、本発明において「電圧ベクトル」とは、三相の逆起電力の成分を三相二相変換して得られるα成分及びβ成分を有するベクトルのことである。
角度範囲検出部によって所定の角度範囲を決定する方法としては、様々な方法が考えられる。例えば、三相の逆起電力がそれぞれゼロになるゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点に基づいて所定の角度範囲を決定する方法がある。この場合には、所定の角度範囲として、60°の角度範囲を決定することができる。また、三相の逆起電力及び二相交流がそれぞれゼロになるゼロクロス点を検出し、これらのゼロクロス点に基づいて所定の角度範囲を決定する方法もある。この場合には、所定の角度範囲として、30°の角度範囲を決定することができる。なお、電気角の角度範囲が180°よりも小さい方が、電圧ベクトルの変化量が小さくなるため、逆起電力定数の誤差を小さくすることができる。そのため、60°の角度範囲で逆起電力定数を決定する場合よりも、30°の角度範囲で逆起電力定数を決定する場合の方が、逆起電力定数の誤差を小さくすることができる。
所定の角度範囲における電圧ベクトルの変化量ΔVvecは、例えば、所定の角度範囲の始点における第1の電圧ベクトルのα成分をVα1、β成分をVβ1とし、所定の角度範囲の終点における第2の電圧ベクトルのα成分をVα2、β成分をVβ2とし、次の式により求めることができる。
Figure 2012154844
したがって、電圧ベクトルの変化量ΔVvecは、第1の電圧ベクトルと第2の電圧ベクトルの差の大きさ、と言い換えることもできる。
なお、本発明によれば、急激な速度の変化がある場合でも演算する逆起電力定数の誤差を小さくすることができる。しかし、さらに誤差を少なくするために、所定の角度範囲を二等分した2つの分割角度範囲における2つの電圧ベクトルの変化量の差が予め定めた許容値以下であるときに、演算結果または判定結果を表示するように結果表示部を構成してもよい。2つの電圧ベクトルの変化量の差が予め定めた許容値よりも大きい場合には、特に急激な速度変化が生じているために、演算する逆起電力定数の誤差が大きくなりやすい。そこで、許容値以下の場合にのみ結果表示部に演算結果または判定結果を表示するようにすれば、本発明による検査結果の信頼性を向上させることができる。
本発明が検査対象としているモータは、三相モータで、逆起電力を検出することができるものであればよく、回転型三相モータやリニアモータなどの形態は問わない。三相モータが可動子が回転する回転型三相モータである場合、速度変化量検出部は、速度を可動子の単位時間当たりの回転数として検出し、回転数の変化量を速度の変化量として検出するように構成することができる。
三相モータが設備の固定部に固定された固定子と設備の可動部に設けられた可動子とを備えたリニアモータである場合、逆起電力定数演算部の演算結果に基づいて固定子の固定子側磁極と可動子の可動子側磁極との間のギャップの大きさを判定し、判定結果から設置状況の良否を判定する設置状況判定部を更に備えるようにしてもよい。ギャップと逆起電力定数が比例関係にあるため、この関係を利用すれば、設置されているリニアモータのギャップの状況を知ることができ、モータの設置状況が判定できる。
リニアモータは、別々になっている固定子と可動子を使用場所において組み合わせて使用するのが一般的である。すなわちモータの設置及びギャップ調整は使用者の方で行うことが多い。そのため、隙間ゲージを用いたギャップ調整が不十分であることが原因で、リニアモータの十分な出力を得ることができないことがある。本発明によるモータ特性検査装置を使用すれば、簡易にギャップ調整が可能となる。
リニアモータのための設置状況判定部は、逆起電力定数が予め定めた閾値範囲よりも小さいときには、ギャップが適正範囲よりも広いと判定し、逆起電力定数が予め定めた閾値範囲よりも大きいときには、ギャップが適正範囲よりも狭いと判定し、いずれの判定の場合も設置状況が悪いと判定するように構成しておくことが望ましい。このようにしておけば、ギャップの調整が更に容易になる。
本発明のモータの状況検査方法では、本発明によるモータ特性検査装置を用意し、設備に組み込まれた三相モータから給電線を外した状態で、三相モータの電機子巻線とモータ特性検査装置とを電気的に接続し、三相モータの可動子に外力を加えて電機子巻線に逆起電力を発生させ、モータ特性検査装置の結果表示部に表示された演算結果に基づいて、モータの状況を判定する。結果表示部は、逆起電力定数の演算結果(数値)を表示し、測定者は、該モータの本来の逆起電力定数が得られているか否かを判定する。本来の逆起電力定数が得られない場合には、モータに異常があることがわかる。結果表示部に、予想される演算結果に対して予め用意した判定結果を表示するようにしてもよい。このようにすると、モータの逆起電力定数から良否が直ちにわからない場合にも、容易にモータの良否を判定することができる。
本発明のモータ特性検査装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。 (A)は、本実施の形態で、モータに外力を与えてモータを駆動した場合に、出力される逆起電力の波形を示す図であり、(B)乃至(D)は、U相、V相及びW相に取り付けられたゼロクロス検出部が出力する信号波形であり、(E)は、角度範囲検出部が出力する信号波形である。 (A)は、本実施の形態で、モータに外力を与えてモータを駆動した場合に、出力される逆起電力の波形を示す図であり、(B)は、図3(A)の三相の逆起電力を三相二相変換して得られる二相交流(Vα、Vβ)の波形であり、(C)は、図3(A)に対応して角度範囲検出部が出力する信号波形である。 本発明で用いる電圧ベクトルの概念を示す図である。 本発明の実施の形態で、逆起電力定数及び判定結果を表示するために用いるソフトウェアのアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明による第2の実施の形態の逆起電力定数及び判定結果を表示するために用いるソフトウェアのアルゴリズムを示すフローチャートである。 従来の方法で逆起電力定数を演算する場合の概念を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明のモータ特性検査装置の実施の形態の一例のブロック図である。
図1に示した実施の形態では、モータ特性検査装置1は、検査対象である回転型三相モータ3に接続されている。回転型三相モータ3は、設備に固定された固定子3aと回転する回転子からなる可動子3bとを備え、U相、V相及びW相の三相を有する回転型三相モータである。モータ特性検査装置1は、給電線を外した回転型三相モータ3の固定子3aの電機子巻線に接続された給電線5にケーブル7を介して接続されている。
モータ特性検査装置1は、大きく分けて、電圧測定部11、三相二相変換部13、電気角取得部14、演算部20及び結果表示部27とから構成されている。
〔電圧測定部〕
電圧測定部11は、回転型三相モータ3が外力によって動かされた場合に発生する三相の逆起電力を受信し、U相、V相及びW相(Keu、Kev及びKew)の電圧値を測定し、記憶している。
〔三相二相変換部〕
三相二相変換部13は、電圧測定部11から後述する時間t1及びt2のタイミングにおけるU相電圧値Keu及びV相電圧値Kevを読み出し三相二相変換を行う。三相二相変換は、U相の逆起電力がα軸になるように三相の逆起電力をαβ変換して三相の逆起電力に等価な二相交流に変換するものである。本明細書においては、三相二相変換して得られる電圧のベクトルを「電圧ベクトル(Vvec)」と定義し、電圧ベクトルのα成分をVα、β成分をVβとしている。三相二相変換部13は、電圧ベクトルのα成分Vα及びβ成分Vβを後述する電圧ベクトル変化量演算部23に出力する。なお、本実施の形態では、後述のように、三相のうち、U相電圧値Keu及びV相電圧値Kevのみを用いて三相二相変換を行うことができるため、W相電圧値Kewは、読み出していない。
〔電気角取得部〕
電気角取得部14は、ゼロクロス検出部15、角度範囲検出部17及び一定周期パルス発生部19とから構成されている。
ゼロクロス検出部15は、U相ゼロクロス検出部15a、V相ゼロクロス検出部15b及びW相ゼロクロス検出部15cを備えており、各相ごとに逆起電力の波形がゼロ点をクロスした点(ゼロクロス点)において、出力電圧が0V→5V(すなわち、信号“1”)、5V→0V(すなわち、信号“0”)に切り替わるように構成されている。例えば、回転型三相モータ3が外力によって動かされた場合、図2(A)の三相の逆起電力波形が発生したとすると、ゼロクロス検出部15は、電圧測定部11からU相、V相及びW相(Keu、Kev及びKew)の電圧値を読み出し、図2(B)乃至(D)の波形の信号を出力する。ゼロクロス検出部15からの信号を受信した角度範囲検出部17は、ゼロクロス検出部15の3つの出力信号の論理和を演算し、電気角の角度範囲を定める信号を出力する。本実施の態様では、U相ゼロクロス検出部15aの信号が“1”(図2(B)参照)、V相ゼロクロス検出部15bの信号が“0”(図2(C)参照)、W相ゼロクロス検出部15cの信号が“0”(図2(D)参照)の期間だけ信号を出力するように構成されている。これにより、図2(E)に示すような角度範囲60°の角度範囲を示すパルス信号(角度範囲信号)を出力することができる。なお、角度範囲信号の始点の時間tをt1とし、角度範囲信号の終点の時間tをt2とする。
〔演算部〕
演算部20は、速度変化量検出部21、電圧ベクトル変化量演算部23及び逆起電力定数演算部25とから構成されている。
速度変化量検出部21は、角度範囲検出部17が出力する角度範囲信号と、一定周期パルス発生部19が出力する一定周期のパルスにより、電気角で60°の角度範囲を可動子が移動するのにかかった時間Δtを求める。一定周期パルス発生部19は、周波数(またはパルス幅)が既知であり、一定周期パルス発生部19から出力されるパルスが角度範囲検出部17の出力する角度範囲信号の始点から終点までの間に何パルス入力されるかをカウントすることにより、電気角で60°の角度範囲を可動子が移動するのにかかった時間Δtを求めることができる。なお、Δtは、Δt=t2-t1を表している。速度変化量検出部21は、さらに、Δt区間の周波数及びΔt区間に変化する回転数を演算する。
電圧ベクトル変化量演算部23は、Δtの間、すなわち電気角で60°の角度範囲の間の電圧ベクトルの変化量ΔVvecを演算する。
逆起電力定数演算部25は、速度変化量検出部21及び電圧ベクトル変化量演算部23からの演算結果に基づいて、逆起電力定数Kを演算し、結果表示部27に演算結果を表示する。
〔電圧ベクトル〕
電圧ベクトルVvecと電圧ベクトルの変化量ΔVvecの物理的な意味を、図3及び図4により説明する。
図3(A)は三相の逆起電力の波形であり、図3(B)は図3(A)の三相の逆起電力を三相二相変換して得られる二相交流(Vα、Vβ)の波形であり、図3(C)は、図3(A)に対応したパルス幅が電気角で60°の角度範囲信号である。電圧ベクトルVvecは、α成分Vα及びβ成分Vβを有するベクトルで表される。時間応答を描くと、図3(B)に描いた波形、すなわち、Vα、Vβの漸近線が電圧ベクトルVvecの軌跡である。そして、図示した区間1を例にとると、Vvec1からVvec2への電圧ベクトルの変化量がΔVvecである。
図4は、区間1における電圧ベクトルをαβ座標で示した図である。図示した通り、Vvec1とVvec2との間の角度が電気角で60°であり、この間の変化を示すVvec2とVvec1の差が、ベクトルVdifである。本発明においては、このベクトルVdifの大きさを「電圧ベクトルの変化量ΔVvec」として利用している。なお、ベクトルVdifがβ軸と平行に近ければ近いほど、逆起電力の波形のピークを境にした周波数のデューティー比が近くなり、検出誤差は小さくなる。例えば、図3の区間2における電圧ベクトルを描いた場合には、ベクトルVdifはほぼβ軸と平行になるため、区間1を利用する場合よりも、さらに誤差を小さくすることができる。
〔測定から結果表示までの流れ〕
次に、図5のフローチャートを用いて、測定から結果表示までの流れを詳述する。
回転型三相モータ3の可動子3bが外力により動かされると、電圧測定部11は、モータが発生する三相の逆起電力波形を受信して、U相、V相及びW相(Keu、Kev及びKew)の電圧値を測定・記憶し、ゼロクロス検出部15に対して信号を送る。前述の方法で角度範囲検出部17から角度範囲信号が出力されると(ステップST1)、三相二相変換部13は、角度範囲信号の始点の時間t1におけるU相電圧値Keu1及びV相電圧値Kev1並びに角度範囲信号の終点における時間t2のU相電圧値Keu2及びV相電圧値Kev2を電圧測定部11から読み出す(ステップST2)。そして、式(1)による三相二相変換により、Vα1及びVβ1並びにVα2及びVβ2を算出し、電圧ベクトル変化量演算部23に送る(ステップST3)。
Figure 2012154844
なお、式(1)より明らかなように、本実施の形態では、三相のうち、U相電圧値Keu及びV相電圧値Kevのみを用いて三相二相変換を行うことができるため、W相電圧値Kewは、読み出していない。
電圧ベクトル変化量演算部23は、受信したVα1及びVβ1並びにVα2及びVβ2に基づいて、式(2)により、電圧ベクトルの変化量ΔVvecを演算する(ステップST4)。
Figure 2012154844
速度変化量検出部21は、求めた時間Δt及び電気角60°(Δθ=1.047[rad])とから、式(3)により角度範囲60°(Δt)の間の周波数Δf[Hz]を演算する(ステップST5)。また、周波数Δfから式(4)により角度範囲60°(Δt)の間の速度の変化量(回転数)ΔN[rpm]を演算する(ステップST6)。
Figure 2012154844
(ただし、Po:回転の極数)
逆起電力定数演算部25は、式(5)により、逆起電力定数K[Vrms/rpm]を演算する(ステップST7)。
Figure 2012154844
逆起電力定数演算部25は、演算した逆起電力定数Kと予め定められている閾値とを比較し、逆起電力定数Kが予め定められた閾値の範囲内にあるか否かの判定を行う(ステップST8)。逆起電力定数Kが閾値の範囲内にある場合には、モータが正常であると判定し(ステップST9)、閾値範囲内におさまっていない場合には、モータに異常があると判定する(ステップST10)。判定結果を結果表示部27に表示する(ステップST11)。なお、本実施の形態においては、閾値を、Kの理論値の±10%としている。
本実施の形態によれば、急激な速度の変化がある場合でも演算する逆起電力定数の誤差を小さくすることができる。しかし、さらに誤差を少なくするために、所定の角度範囲を二等分した2つの分割角度範囲における2つの電圧ベクトルの変化量の差が予め定めた許容値以下であるときに、演算結果または判定結果を表示するように結果表示部を構成してもよい。2つの電圧ベクトルの変化量ΔVvecの差が予め定めた許容値よりも大きい場合には、特に急激な速度変化が生じているために、演算する逆起電力定数の誤差が大きくなりやすい。そこで、許容値以下の場合にのみ結果表示部27に演算結果または判定結果を表示するようにすれば、検査結果の信頼性を向上させることができる。
また、本発明において、1つの角度範囲信号に基づくだけでなく、複数発生する角度範囲信号に基づいて逆起電力定数Kを複数回演算し、平均を求めて、判定を行ってもよい。このようにすれば、より誤差を小さくすることができる。
さらに、ゼロクロス検出部15でVα及びVβのゼロクロス点も含めて検出するようにすれば、U相、V相、W相、Vα、Vβのゼロクロス波形の組み合わせにより、30°の角度範囲を検出することも可能である。30°の角度範囲の方が60°の角度範囲の場合よりも誤差を小さくすることが可能である。
なお、本発明は三相モータを対象としており、U相及びV相の二相分を測定すれば残りのW相を計算で求めることができるため、電圧測定部11は、U相及びV相の電圧値のみを測定し、W相の電圧を計算で求めるようにしてもよいのはもちろんである。
〔リニアモータを検査する場合〕
図6は、本発明によるモータの状況検査方法を三相の逆起電力を発生するリニアモータに適用する場合(第2の実施の形態)のフローチャートを示したものである。図6において、第1の実施の形態と共通する部分には、図5に示した符号に100の数を加えた数の符号を付してある。検査対象がリニアモータの場合には、ステップST106で、周波数Δfから式(6)により電気角で角度範囲60°(Δt)の間の速度の変化量ΔV[m/s]を演算する。
Figure 2012154844
(ただし、τp:リニアモータの極ピッチ[m])
ステップ107では、式(7)により、逆起電力定数K[Vrms/m/s]を演算する。
Figure 2012154844
そして、逆起電力定数K一定の閾値範囲内におさまっているか否かの判定を行い(ステップST108)、逆起電力定数Kが閾値範囲内の場合には、ギャップは適正と判定する(ステップST109)。逆起電力定数Kが閾値範囲内におさまっていない場合には、閾値範囲よりも大きいか否かを判定し(ステップST110)、閾値範囲よりも大きい場合には、ギャップが狭いと判定し、(ステップST111)、閾値範囲よりも小さい場合には、ギャップが広いと判定する(ステップST112)。最終的に、逆起電力定数を含む判定結果を結果表示部に表示する(ステップST113)。
本発明によれば、三相の逆起電力波形に基づいて、モータの特性を検査することで、設備からモータを取り外すことなく、また、回転計や速度センサを必要とせずに、精度良くモータの特性を検査することができる。
1 モータ特性検査装置
3 回転型三相モータ
5 給電線
7 ケーブル
11 電圧測定部
13 三相二相変換部
14 電気角取得部
15 ゼロクロス検出部
17 角度範囲検出部
19 一定周期パルス発生部
20 演算部
21 速度変化量検出部
23 電圧ベクトル変化量演算部
25 逆起電力定数演算部
27 結果表示部
JP2011015281A 2011-01-27 2011-01-27 モータの状況検査方法及びモータ特性検査装置 Expired - Fee Related JP5656671B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011015281A JP5656671B2 (ja) 2011-01-27 2011-01-27 モータの状況検査方法及びモータ特性検査装置
US13/358,060 US8918301B2 (en) 2011-01-27 2012-01-25 Motor condition inspection method and motor characteristic inspecting device
KR1020120007720A KR20120087088A (ko) 2011-01-27 2012-01-26 모터의 상황 검사 방법 및 모터 특성 검사 장치
EP12275005.2A EP2482091B1 (en) 2011-01-27 2012-01-27 Motor condition inspection method and motor characteristic inspecting device
CN201210026916.5A CN102621490B (zh) 2011-01-27 2012-01-29 电动机的状况检查方法及电动机特性检查装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011015281A JP5656671B2 (ja) 2011-01-27 2011-01-27 モータの状況検査方法及びモータ特性検査装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012154844A JP2012154844A (ja) 2012-08-16
JP2012154844A5 true JP2012154844A5 (ja) 2014-02-27
JP5656671B2 JP5656671B2 (ja) 2015-01-21

Family

ID=45656757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011015281A Expired - Fee Related JP5656671B2 (ja) 2011-01-27 2011-01-27 モータの状況検査方法及びモータ特性検査装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8918301B2 (ja)
EP (1) EP2482091B1 (ja)
JP (1) JP5656671B2 (ja)
KR (1) KR20120087088A (ja)
CN (1) CN102621490B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104765002B (zh) * 2014-01-03 2017-09-19 广东美的制冷设备有限公司 空调器室内风机电机转速影响因素自检的方法和装置
CN104345274A (zh) * 2014-10-29 2015-02-11 上海电机学院 一种电机转子缺相故障模拟方法及装置
JP6870555B2 (ja) * 2017-09-29 2021-05-12 ブラザー工業株式会社 監視装置
KR102064815B1 (ko) 2018-05-14 2020-01-10 한성중공업 주식회사 산업용 전동기의 업사이클링 방법
JP2021056072A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 日置電機株式会社 検査方法、検査システムおよび検査プログラム
KR20220148978A (ko) 2021-04-29 2022-11-08 주식회사 오더스팟 모바일 키오스크형 주문 제공, 간편결제 시스템 및 방법

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3006A (en) * 1843-03-17 Improvement in cotton-presses
JPS61124256A (ja) 1984-11-21 1986-06-12 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd ボイスコイル型リニアモ−タの動的推力測定法
JP3099681B2 (ja) * 1995-06-02 2000-10-16 富士電機株式会社 交流電動機の可変速制御装置
US6208497B1 (en) * 1997-06-26 2001-03-27 Venture Scientifics, Llc System and method for servo control of nonlinear electromagnetic actuators
JP2001171533A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Toyoda Mach Works Ltd 電動パワーステアリング装置
US6686761B2 (en) * 2000-06-27 2004-02-03 Industrial Technology Research Institute Method for determining whether a rotor is good in magnetic induction by measuring the EMF of a motor
JP2002267727A (ja) 2001-03-09 2002-09-18 Meidensha Corp Pmモータの特性試験装置と方法
US7340968B2 (en) * 2002-05-21 2008-03-11 Thermo Fisher Scientific (Asheville) Llc Back EMF measurement to overcome the effects of motor temperature change
TWI227331B (en) * 2003-12-26 2005-02-01 Ind Tech Res Inst Measuring method of induced electromotive force constant of motor
JP2006220650A (ja) * 2005-01-13 2006-08-24 Nippon Densan Corp モータの検査方法
JP2006280158A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Toyota Motor Corp 多相モータの偏心測定方法およびその装置
CN101383575A (zh) * 2007-09-05 2009-03-11 晶致半导体股份有限公司 步进电机停转状态的判断装置及判断方法
JP4985432B2 (ja) 2008-01-28 2012-07-25 Necインフロンティア株式会社 増設プリント基板、積層プリント基板および電子機器
US8836257B2 (en) * 2008-10-09 2014-09-16 Bsh Home Appliances Corporation Household appliance including a fan speed controller
JP4988796B2 (ja) 2009-07-29 2012-08-01 山洋電気株式会社 モータの状況検査方法
JP5183594B2 (ja) * 2009-07-31 2013-04-17 日立オートモティブシステムズ株式会社 モータの制御装置及びそれを備えたモータシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5656671B2 (ja) モータの状況検査方法及びモータ特性検査装置
JP5932022B2 (ja) 電気機械システムの状態を監視する方法及び装置
US10267860B2 (en) Fault detection in induction machines
JP2012154844A5 (ja)
JP6333772B2 (ja) 同期電動機の温度推定装置
JP4988796B2 (ja) モータの状況検査方法
Alwodai et al. A comparison of different techniques for induction motor rotor fault diagnosis
KR101169796B1 (ko) 유도 전동기의 회전자바 고장 진단시스템
DK2761315T3 (en) METHOD FOR DETERMINING STATIONARY SIGNALS FOR DIAGNOSTICATION OF AN ELECTROMECHANICAL SYSTEM
Silva et al. A method for measuring torque of squirrel-cage induction motors without any mechanical sensor
EP4109721B1 (en) Diagnostic device of permanent magnet synchronous motor, and inverter comprising said diagnostic device
KR100911722B1 (ko) 홀소자를 이용한 회전자의 속도 및 각도 측정 장치
JP2019002785A (ja) 高調波解析装置
Roque et al. Sensorless speed estimation for inductions motors using slot harmonics and time-based frequency estimation
RU2542596C1 (ru) Способ диагностирования электрической машины
KR200266147Y1 (ko) 직류모터의 회전속도측정장치
Afrizal et al. Leakage error compensation in induction motor current measurements for rotor fault diagnosis
Nandi Fault Diagnosis of Electric Machines Using Techniques Based on Frequency Domain
JP6699241B2 (ja) インバータ装置
Silva et al. Torque estimation using rotor slots harmonics on a three-phase induction motor
Hwang et al. A study on dynamic simulation and detection of air-gap eccentricity in induction machines
CN117083793A (zh) 磁隙长度推定装置、磁隙长度推定方法以及旋转电机的驱动装置
Li et al. Operating limits for drive condition monitoring using supply current signature analysis
KR20030042856A (ko) 직류모터의 회전속도측정방법 및 그 장치