JP2019002785A - 高調波解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータに出力される交流信号の高調波解析を、ばらつきの少ない状態で、かつより高い精度で行う。【解決手段】インバータ装置53から出力される交流信号(相間電圧Vuv〜Vwuおよび相電流Iu〜Iw)についての各検出信号を入力し高周波ノイズを除去するフィルタリング処理およびサンプリングして波形データD1uv〜D1wuおよび波形データD2u〜D2wに変換する処理を実行する入力部11と、波形データD1uv,D2uなどを高調波解析する高調波解析処理を実行する処理部12とを備え、処理部12は、回転検出器6からの相パルスSa,Szに基づき交流信号の交流周波数f0およびモータ54の機械角1周期を検出すると共に、交流周波数f0に基づいてフィルタリング処理での高周波ノイズの除去範囲を入力部11に設定し、検出した機械角1周期を単位解析区間として波形データD1uvなどの高調波解析処理を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータを駆動するための交流信号を生成するインバータ装置のこの交流信号についての高調波を解析する高調波解析装置に関するものである。
この種の高調波解析装置として、下記の非特許文献1に開示された高調波解析機能を備えた電力測定装置が知られている。まず、この電力測定装置の測定対象であるインバータ装置およびモータを含むモータ駆動システムの構成について、図3を参照して説明する。このモータ駆動システム51は、電源52、インバータ装置53、モータ(同期モータ)54、トルク計55および回転検出器(回転計またはロータリーエンコーダ。この例ではロータリーエンコーダ)56を備え、モータ54の出力軸に連結された負荷61を駆動可能に構成されている。この場合、例えば、モータ54が3相モータのときには、インバータ装置53は、電源52から入力される入力電力Pinに基づき、互いの位相差が120度となる3相の交流電圧(u相電圧Vu、v相電圧Vvおよびw相電圧Vwからなる3相の交流電圧)を生成してモータ54に出力することで、モータ54を駆動する。
非特許文献1に開示された電力測定装置71は、図3に示すように、例えば、チャンネルCH1〜CH4の4チャンネル分の電力測定機能および高調波解析機能と、モータ解析機能とを備えている。この場合、電力測定装置71は、電力測定機能で、インバータ装置53への入力電力Pinを測定すると共に、インバータ装置53からモータ54に出力される出力電力Poutを測定する。また、電力測定装置71は、高調波解析機能で、インバータ装置53からモータ54に出力される3相の交流信号(上記した3相の交流電圧および後述する3相の交流電流)のそれぞれについて高速フーリエ変換(FFT処理)を行うことで、それぞれの高調波を解析する。また、電力測定装置71は、モータ解析機能で、モータ54のモータ出力(モータパワー)Pmを測定する。また、電力測定装置71は、測定した入力電力Pin、出力電力Poutおよびモータ出力Pmに基づいてインバータ装置53およびモータ54の各効率などを測定する。
具体的には、電力測定装置71は、図3に示すように、1つのチャンネルCH1で検出されるインバータ装置53への入力電圧Vinおよび入力電流Iinに基づいて入力電力Pinを測定する。また、電力測定装置71は、1つのチャンネルCH2で検出されるモータ54へのuv相間電圧Vuvおよびu相電流Iuと、1つのチャンネルCH3で検出されるモータ54へのvw相間電圧Vvwおよびv相電流Ivと、1つのチャンネルCH4で検出されるモータ54へのwu相間電圧Vwuおよびw相電流Iwとに基づいて出力電力Poutを測定する。また、電力測定装置71は、各チャンネルCH2〜CH4で検出される上記した3相の相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび3相の相電流Iu,Iv,Iwの各交流信号について高調波解析する。また、電力測定装置71は、トルク計55から出力されるトルク信号Stに基づいて測定されるトルクT[N・m]と、回転検出器56から出力される回転パルス信号としてのA相パルスSaまたはB相パルスSbに基づいて測定される回転数N[rpm]とに基づいてモータ出力Pmを測定する。
また、電力測定装置71は、上記の入力電力Pin、出力電力Pout、モータ出力Pm、インバータ装置53の効率およびモータ54の効率を正確に測定すると共に、上記の3相の各交流信号の高調波を正確に解析するために、例えば、1つの入力波形(基準波形)のゼロクロス点を検出し、検出したゼロクロス点に基づいて測定する区間(測定区間)を決定する。例えば、電力測定装置71は、u相電流Iu、v相電流Ivおよびw相電流Iwのいずれか1つを基準波形としてそのゼロクロス点を検出しつつ、新たなゼロクロス点の検出タイミングから次の新たなゼロクロス点の検出タイミングまでの区間(つまり、モータ54の電気角1周期)を1つの共通の測定区間(高調波解析では解析区間)として決定して、この測定区間毎に入力電力Pin、出力電力Pout、モータ出力Pm、および3相の各交流信号を高調波解析する。
SiCインバータの高精度な電力測定(UG_PW6001_SiCInv_J2-6ZM-1.pdf)、日置電機株式会社ホームページ、[平成29年5月11日検索]、インターネット<https://www.hioki.co.jp/hdfile.jsp?id=31531>
ところが、上記した電力測定装置71には、以下のような改善すべき課題が存在している。具体的には、モータ54を構成する固定子の各磁極に生じる磁力を完全に揃えたり、回転子の各磁極の磁力を完全に揃えたりすることや、回転子の回転方向(周方向)に沿ったこの回転子の各磁極の位置や回転方向に沿った固定子の各磁極の位置を完全に等角度間隔に形成することは難しい。このため、モータ54には電気角1周期で回転ムラが必ず発生することから、電気角1周期毎に測定されるモータ出力Pmがばらつき、これにより、インバータ装置53の出力電力Poutおよび3相の交流信号(相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび3相の相電流Iu,Iv,Iw)も電気角1周期毎にばらつくことから、3相の各交流信号を高調波解析して得られる高調波解析データも電気角1周期毎にばらつくという課題が存在している。
そこで、本願出願人は、電力測定装置71において、モータ54の電気角1周期を共通の測定区間とする構成に代えて、例えば、回転パルス信号としてZ相パルス(モータ54の回転子が1回転する度に(機械角1周期毎に)出力されるパルス)を出力する回転検出器56を使用し、この機械角1周期を1つの共通の測定区間として、この測定区間毎に入力電力Pin、出力電力Poutおよびモータ出力Pmなどを測定すると共に、3相の各交流信号を高調波解析する構成を採用することを考えた。4極や6極などの2極を超える数の磁極が形成された回転子を備えた通常のモータ54(同期モータ)では、機械角1周期は複数の電気角で構成されていることから、機械角1周期を共通の測定区間(または解析区間)とすることで、モータ出力Pmのばらつき、インバータ装置53の出力電力Poutのばらつき(つまり、3相の各交流信号(相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび3相の相電流Iu,Iv,Iw)のばらつき)、ひいては3相の各交流信号についての高調波解析データのばらつきが大幅に軽減されることになる。
ところで、各チャンネルCH2〜CH4を介して入力される上記した3相の各交流信号(3相の相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび3相の相電流Iu,Iv,Iw)には高周波ノイズ(インバータ装置53でのスイッチング動作に起因した高周波ノイズ)が含まれており、3相の各交流信号そのものの高調波解析の精度向上のためにはこの高周波ノイズを除去する必要がある。そこで、本願出願人は、この3相の各交流信号のそれぞれに対してフィルタ回路(ローパスフィルタ回路)を配置して、この高周波ノイズを除去する構成を採用することを考えた。一方、この構成では、インバータ装置53から出力される3相の交流信号の周波数を変更することでモータ54の回転制御が実施されるため、カットオフ周波数を固定とするフィルタ回路を採用する場合には、インバータ装置53から出力される3相の交流信号の最高周波数を考慮してこのカットオフ周波数をこの最高周波数よりも高く規定することになる。しかしながら、高調波解析のさらなる精度向上のためには、3相の交流信号の現在の周波数に応じてフィルタ回路のカットオフ周波数を変更して、より多くの周波数帯域の高周波ノイズを除去し得るようにするのが望ましい。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、モータに出力される交流信号についての高調波解析を、ばらつきの少ない状態で、かつより高い精度で実行し得る高調波解析装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の高調波解析装置は、モータを駆動するための交流信号を生成するインバータ装置の当該交流信号についての検出信号を入力すると共に高周波ノイズを除去するフィルタリング処理およびサンプリングして波形データに変換するサンプリング処理を実行する入力部と、前記波形データを高調波解析する高調波解析処理を実行する処理部とを備えた高調波解析装置であって、前記処理部は、前記モータに装着された回転検出器から出力される回転信号に基づいて前記交流信号の交流周波数および前記モータの機械角1周期を検出する検出処理、並びに前記交流周波数に基づいて前記フィルタリング処理での前記高周波ノイズの除去範囲を前記入力部に対して設定する設定処理を実行すると共に、前記検出した機械角1周期を前記高調波解析の単位解析区間として当該機械角1周期に含まれる前記波形データを特定して前記高調波解析処理を実行する。
請求項2記載の高調波解析装置は、請求項1記載の高調波解析装置において、前記処理部は、前記高調波解析処理において、前記機械角1周期に含まれる前記波形データに対して当該機械角1周期の長さに応じて予め規定されたデータ数の新たな波形データに変換するリサンプリング処理を実行すると共に、当該新たな波形データを高調波解析する。
請求項3記載の高調波解析装置は、請求項1または2記載の高調波解析装置において、前記回転検出器は、少なくともZ相パルスを前記回転信号として出力するロータリーエンコーダで構成され、前記処理部は、前記検出処理において前記Z相パルスに基づいて前記機械角1周期を検出すると共に、当該機械角1周期に含まれる前記波形データを特定する。
請求項4記載の高調波解析装置は、請求項3記載の高調波解析装置において、前記ロータリーエンコーダは、前記Z相パルスと共にA相パルスおよびB相パルスの少なくとも一方の相パルスを前記回転信号として出力し、前記処理部は、前記検出処理において、前記一方の相パルスの第1周波数を測定すると共に当該第1周波数および前記モータの仕様に基づいて前記交流周波数を検出し、かつ前記Z相パルスの第2周波数を測定すると共に当該第2周波数に基づいて前記機械角1周期の長さに応じた前記予め規定されたデータ数を特定する。
請求項5記載の高調波解析装置は、請求項3記載の高調波解析装置において、前記ロータリーエンコーダは、前記Z相パルスと共にA相パルスおよびB相パルスの少なくとも一方の相パルスを前記回転信号として出力し、前記処理部は、前記検出処理において、前記一方の相パルスの第1周波数を測定すると共に当該第1周波数および前記モータの仕様に基づいて前記交流周波数を検出し、かつ当該第1周波数および当該モータの仕様に基づいて前記モータの回転数を検出すると共に当該回転数に基づいて前記機械角1周期の長さに応じた前記予め規定されたデータ数を特定する。
請求項6記載の高調波解析装置は、請求項4記載の高調波解析装置において、前記処理部は、前記機械角1周期に含まれる前記波形データに基づいて前記インバータ装置から前記モータに出力される出力電力を測定すると共に、前記モータに装着されたトルク計から出力されるトルク信号と前記機械角1周期の長さとに基づいて当該モータのモータ出力を測定するモータ解析処理を実行する。
請求項7記載の高調波解析装置は、請求項5記載の高調波解析装置において、前記処理部は、前記機械角1周期に含まれる前記波形データに基づいて前記インバータ装置から前記モータに出力される出力電力を測定すると共に、前記モータに装着されたトルク計から出力されるトルク信号と前記回転数とに基づいて当該モータのモータ出力を測定するモータ解析処理を実行する。
請求項1記載の高調波解析装置では、機械角1周期が電気角の複数周期分で構成されるモータおよびインバータ装置を含むモータ駆動システムでのインバータ装置からモータに出力される3相の交流信号についての波形データを、処理部が検出処理で検出したこの交流信号の交流周波数に基づいてフィルタリング処理での高周波ノイズの除去範囲を入力部に対して設定した状態で機械角1周期分特定(取得)し、この機械角1周期分の波形データに対して高調波解析処理を実行する。したがって、この高調波解析装置によれば、機械角1周期に含まれる電気角1周期毎の高調波解析データにおいて生じるばらつきを相殺でき、これにより機械角1周期(解析区間)毎に測定される高調波解析データについてのばらつきを大幅に低減することができる。また、この高調波解析装置によれば、検出された交流周波数に基づいてフィルタリング処理での高周波ノイズの除去範囲を入力部に対して設定し、この状態で入力部から出力される波形データ(つまり、交流周波数に応じて適切に高周波ノイズが除去された状態の波形データ)を使用する構成のため、より高い精度で高調波解析データを測定することができる。
請求項2記載の高調波解析装置によれば、機械角1周期に含まれる波形データに対して、機械角1周期の長さに応じて予め規定されたデータ数の新たな波形データに変換するリサンプリング処理を実行し、この新たな波形データを高調波解析する構成のため、機械角1周期の長さに拘わらず同じデータ数とするリサンプリング処理を実行する構成と比較して、機械角1周期がより長いときのデータ数を、機械角1周期がより短いときのデータ数よりも多くすることができる。この場合、FFT処理において算出可能な次数はデータ数に比例することから、機械角1周期がより長いときの交流信号についての高調波成分を、より高い周波数の高調波成分まで算出することができる。
請求項3記載の高調波解析装置によれば、Z相パルスに基づいて機械角1周期を検出すると共に、この機械角1周期に含まれる波形データを特定するため、常にモータの回転子の同じ位置からの1回転(機械角1周期)分の波形データを特定することができる。これにより、この高調波解析装置によれば、交流信号の位相と単位解析区間の関係を常に一定に維持しつつ、高調波解析を実行することができる。
請求項4記載の高調波解析装置によれば、Z相パルスを、機械角1周期の検出(機械角1周期の開始タイミングおよび終了タイミングの検出)以外に有効に利用してその周波数を第2周波数として測定し、この測定した第2周波数に基づいてデータ数を特定することができる。
請求項5記載の高調波解析装置によれば、一方の相パルスの周波数を第1周波数として測定し、この第1周波数およびモータの仕様に基づいてモータの回転数を算出すると共にこの算出した回転数に基づいてデータ数を特定する構成のため、処理部での周波数測定を第1周波数の測定だけにすることができる(上記の第2周波数を測定する構成と比較して、この第2周波数の測定を省くことができる)ことから、その分、周波数測定に要する処理部の負荷を軽減することができる。
請求項6,7記載の高調波解析装置によれば、出力電力およびモータ出力を機械角1周期毎に測定する構成のため、機械角1周期に含まれる電気角1周期毎の出力電力およびモータ出力に生じるばらつきを相殺でき、これにより機械角1周期毎に測定される出力電力およびモータ出力についてのばらつきを大幅に低減することができる。したがって、この高調波解析装置によれば、出力電力およびモータ出力、ひいてはこれらから算出されるモータの効率や損失についても高い精度で測定することができる。
インバータ装置53およびモータ54を含むモータ駆動システムMDSと、高調波解析装置1との接続関係を説明するための説明図である。 高調波解析装置1での各高調波レンジの周波数範囲とポイント数Npとの対応関係を示す参照テーブルDtlの説明図である。 インバータ装置53およびモータ54を含むモータ駆動システム51と、高調波解析機能を備えた電力測定装置71との接続関係を説明するための説明図である。
以下、高調波解析装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、解析対象となるインバータ装置53およびモータ(例えば同期モータ)54を含むモータ駆動システムMDSの構成について、図1を参照して説明する。
モータ駆動システムMDSは、一例として図1に示すように、インバータ装置53、モータ54、トルク計55および回転検出器(アナログの回転信号を出力する回転計または回転パルス信号を出力するロータリーエンコーダ)6を備え、モータ54の出力軸に連結された負荷61を駆動可能に構成されている。
インバータ装置53は、不図示の電源から供給される入力電力Pin(直流入力電力)に基づいて、モータ54に出力する交流信号(本例では、交流電圧)を生成する。本例のモータ54は、後述するように、3相6極18スロットの同期モータで構成されているため、インバータ装置53は、互いの位相が120°ずつずれた3相電圧(u相電圧Vu、v相電圧Vvおよびw相電圧Vw)を、モータ54を駆動するための交流電圧として生成する。
モータ54は、一例として、同期モータとしての3相6極18スロットモータで構成されている。具体的には、モータ54は、外周面にN極およびS極の2極をもつ永久磁石3個が周方向に沿って60°の角度間隔で形成されて構成された6極の回転子(図示せず)と、内周面に18個の歯部が周方向に沿って20°の角度間隔で形成されて構成された固定子(図示せず)とを有して構成されて、回転子の一端側が出力軸(図示せず)として機能する。
以上の構成を備えたモータ54では、回転子が一回転する周期(機械角1周期)が、電気角の3周期分で構成される。本例において測定対象となるモータ54は、このように機械角1周期が電気角の複数周期分で構成されるものとする。
トルク計55は、モータ54の出力軸に装着されて、出力軸のトルクT[N・m]をリアルタイムで検出しつつ、検出したトルクTを示すトルク信号Stを出力する。回転検出器6は、モータ54の出力軸に装着されて、出力軸の回転数N[rpm]を示す回転パルス信号を出力する。本例では一例として、回転検出器6は、ロータリーエンコーダで構成されて、相互間の位相差が90°となるA相パルスSaおよびB相パルスSbと、Z相パルスSzとをそれぞれ回転パルス信号として出力する。各パルスSa,Sb,Szは、モータ54の出力軸、つまりモータ54の回転子の回転変位量に応じて出力されるパルス列であり、このうちのA相パルスSaおよびB相パルスSbは、回転子の1回転につき、予め規定された複数個(例えば、数百個)のパルスで構成されるパルス列として出力され、Z相パルスSzは、回転子の1回転につき、1個のパルスで構成されるパルス列として出力される。
次に、高調波解析装置1の構成について、図1を参照して説明する。
高調波解析装置1は、例えば、入力部11、処理部12、記憶部13および表示部14を備えて構成されて、少なくとも3チャンネル分の交流測定機能と、モータ解析機能と、各チャンネルで測定された交流信号の波形データを高調波解析する解析機能(高調波解析機能)とを備えている。
本例の高調波解析装置1は、一例として図1に示すように、チャンネルCH1〜チャンネルCH3の3チャンネル分の一対の電圧検出端子および電流検出端子(いずれも図示せず)を備え、各チャンネルCH1〜チャンネルCH3の一対の電圧検出端子に接続された不図示の電圧検出プローブを介して交流信号としての電圧検出信号を入力すると共に、各チャンネルCH1〜チャンネルCH3の電流検出端子に接続された不図示の電流検出プローブを介して他の交流信号としての電流検出信号を入力する。
本例の高調波解析装置1では、チャンネルCH1には、インバータ装置53からモータ54に出力されるu相電圧Vuとv相電圧Vvとの間のuv相間電圧Vuvについての電圧検出信号とu相電流Iuについての電流検出信号とが入力され、チャンネルCH2には、インバータ装置53からモータ54に出力されるv相電圧Vvとw相電圧Vwとの間のvw相間電圧Vvwについての電圧検出信号とv相電流Ivについての電流検出信号とが入力され、チャンネルCH3には、インバータ装置53からモータ54に出力されるw相電圧Vwとu相電圧Vuとの間のwu相間電圧Vwuについての電圧検出信号とw相電流Iwについての電流検出信号とが入力される。
また、高調波解析装置1は、一例として図1に示すように、トルク信号Stを入力するトルク検出端子Pt1を備えている。また、高調波解析装置1は、一例として同図に示すように、A相パルスSaおよびB相パルスSbのうちの少なくとも一方の相パルス(本例では一例としてA相パルスSaであるが、B相パルスSbであってもよい)を入力するパルス検出端子Pt2を備えている。また、高調波解析装置1は、一例として図1に示すように、Z相パルスSzを入力するパルス検出端子Pt3を備えている。
入力部11は、図1に示すように、各チャンネルCH1〜チャンネルCH3の電圧検出信号および電流検出信号に個別に対応する低域通過型フィルタ部11a(以下、LPF11aともいう)およびA/D変換部11b(以下、A/D11bともいう)の組を備えて、各チャンネルCH1〜チャンネルCH3の電圧検出信号および電流検出信号を測定する機能、つまり、各電圧検出信号および各電流検出信号のそれぞれに対応する交流信号としての各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iwを測定する交流測定機能を有している。
具体的には、入力部11は、入力される各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuについての電圧検出信号および各相電流Iu,Iv,Iwについての電流検出信号のそれぞれについて、対応するLPF11aにおいて高周波ノイズを除去する(フィルタリング処理する)と共に、対応するA/D11bでサンプリングすることで波形データD1uv,D1vw,D1wu(各電圧検出信号、ひいては各電圧検出信号に対応する相間電圧の瞬時値を示すデータ)および波形データD2u,D2v,D2w(各電流検出信号、ひいては各電流検出信号に対応する相電流の瞬時値を示すデータ)に変換して出力する(サンプリング処理する)。なお、各LPF11aは、例えばデジタルフィルタなどのフィルタ特性(高周波ノイズの除去範囲を規定するカットオフ周波数)を変更可能なフィルタで構成されて、処理部12による設定処理によってこのフィルタ特性が設定される。一方、A/D変換部11bは、予め規定された一定のサンプリング周波数(解析する最高次数の高調波の少なくとも2倍の周波数。例えば、数MHz〜十数MHzの周波数)でサンプリングする。
処理部12は、例えばCPUを用いて構成されて、交流信号としての各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iwの交流周波数(共通の周波数)を検出すると共にモータ54の機械角1周期を検出する検出処理、検出した交流周波数に基づいて入力部11の各LPF11aのフィルタ特性(高周波ノイズの除去範囲を規定するカットオフ周波数)を設定する設定処理、入力部11から出力される各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを取得して記憶部13に記憶させる記憶処理、並びにFFT処理により各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを高調波解析する高調波解析処理を実行する。また、処理部12は、モータ解析機能としてモータ解析処理を実行する。
具体的には、処理部12は、検出処理では、パルス検出端子Pt2を介して入力される相パルス(本例では上記したようにA相パルスSa)の周波数f1(第1周波数)を測定すると共に、この周波数f1、モータ54の既知の仕様および回転検出器6(ロータリーエンコーダ)の既知の仕様に基づいてインバータ装置53から出力される3相の交流信号(各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iw)の交流周波数f0を検出(算出)する。また、処理部12は、検出処理では、パルス検出端子Pt3を介して入力されるZ相パルスSzを検出することにより、モータ54の機械角1周期を検出(具体的には、機械角1周期のタイミング、すなわち、機械角1周期の開始タイミングおよび終了タイミングを検出)する。また、処理部12は、Z相パルスSzの周波数f2(第2周波数)を測定すると共に、この周波数f2(機械角1周期の逆数でもある)と記憶部13に記憶されている後述の参照テーブルDtl(図2参照)とに基づいて高調波解析処理でのFFT処理のためのポイント数Npを特定する。なお、処理部12は、この検出処理での周波数f1,f2の各測定においては、相パルスSa,Szの各入力間隔(つまり、各相パルスSa,Szの周期)を計測し、この計測した各入力間隔から周波数f1,f2を算出することで、各周波数f1,f2を測定する。
また、処理部12は、設定処理では、検出した交流周波数f0に基づいて、入力部11の各LPF11aのカットオフ周波数fcを交流周波数f0の予め規定された倍数(例えば、50倍など)に規定する。これにより、交流周波数f0の高低に応じて各LPF11aでの共通なカットオフ周波数fcも高低に変更されることで、入力部11は、交流周波数f0に応じて適切に高周波ノイズが除去された状態で各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを出力することが可能となっている。また、処理部12は、記憶処理では、入力部11から出力される各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wについて、例えば、検出した機械角1周期単位で特定(取得)して記憶部13に記憶させる。
また、処理部12は、高調波解析処理では、記憶部13に記憶されている各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wのそれぞれについて、機械角1周期を単位解析区間として、この機械角1周期に含まれる各波形データ(本例では一例として、記憶部13には、機械角1周期単位で各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wが記憶されるため、記憶部13に記憶されている波形データ全て)に対してFFT処理を実行することで、相間電圧Vuv,Vvw,Vwuについての各電圧検出信号および相電流Iu,Iv,Iwについての各電流検出信号の各次数の高調波成分(結果として、相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび相電流Iu,Iv,Iwの各次数の高調波成分)を示す高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3を算出する高調波解析を実行する(解析機能)。
このFFT処理において、まず、処理部12は、記憶部13に記憶されている機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wをリサンプリングすることで、機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wの数を特定したポイント数Npに置き換える(合わせる)リサンプリング処理を実行する。一例として、この参照テーブルDtlで示されるように、機械角1周期(1/f2)に対応するZ相パルスSzの周波数f2が、0.1Hz〜100Hz(0.1Hzを超え100Hz以下)の高調波レンジ(第1高調波レンジ)に含まれるものであるときにはポイント数Npを2のべき乗個の一例として「4096」と特定し、100Hz〜20kHz(100Hzを超え20kHz以下)の高調波レンジ(第2高調波レンジ)に含まれるものであるときにはポイント数Npを2のべき乗個の一例として「2048」と特定し、20kHz〜300kHz(20kHzを超え300kHz以下)の高調波レンジ(第3高調波レンジ)に含まれるものであるときにはポイント数Npを2のべき乗個の一例として「1024」と特定して、FFT処理で使用する機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wのデータ数をこの特定したポイント数Npにリサンプリングする。また、処理部12は、図示はしないが、この周波数f2が上記の第1高調波レンジ〜第3高調波レンジのいずれに含まれるかに基づいて、FFTで算出する上限の次数やその他のパラメータについても、各高調波レンジに予め対応付けられた値に特定する。例えば、第1高調波レンジ、第2高調波レンジおよび第3高調波レンジには、FFTで算出する上限の次数として、「100」、「50」および「5」などの値が対応付けられている。
また、処理部12は、モータ解析処理では、記憶部13に記憶されている各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2w(機械角1周期分の各波形データ)に基づいて、つまり、上記の高調波解析処理のときと同じ機械角1周期を単位解析区間として、インバータ装置53からモータ54への出力電力Poutを測定する。また、処理部12は、同じ機械角1周期単位で、機械角1周期においてトルク検出端子Pt1に入力されるトルク信号Stに基づいてトルクTを測定すると共に、この同じ機械角1周期においてパルス検出端子Pt2に入力されるA相パルスSaに基づいて回転数Nを測定し、かつこのようにして測定したトルクTと回転数Nとに基づいて、この機械角1周期でのモータ54のモータ出力(モータパワー)Pmを測定する。また、処理部12は、このようにして機械角1周期単位で測定した出力電力Poutおよびモータ出力Pmに基づいて、同じ機械角1周期でのモータ54の効率や損失などを測定する(モータ解析機能)。
また、処理部12は、記憶部13に記憶されている各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wのうちのいずれかの波形データを使用して、この波形データで示される検出信号(電圧検出信号または電流検出信号)についてのゼロクロス点を検出することで、この検出信号の周波数、つまり交流信号としての相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび相電流Iu,Iv,Iwについての交流周波数f0’を直接的に検出する。このようにして検出した交流周波数f0’は、上記したようにしてA相パルスSaの周波数f1、モータ54の既知の仕様および回転検出器6の既知の仕様に基づいて計算で求めた(換算した)交流周波数f0と比較して、相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび相電流Iu,Iv,Iwの実際の周波数をより正確に表したものとなっている。
また、処理部12は、上記の高調波解析処理で算出した高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3、上記のモータ解析処理で算出したモータ出力Pmおよびモータ54の効率や損失、並びに上記のようにして検出した交流周波数f0’を記憶部13に記憶させると共に、表示部14に出力して表示させる。また、処理部12は、上記の検出処理で測定した各周波数f0,f1,f2、および上記のモータ解析処理で測定した出力電力Poutおよびモータ出力Pmを記憶部13に記憶させる。
記憶部13は、例えば不揮発性メモリで構成されて、処理部12の動作を規定するための動作プログラムが予め記憶されると共に、図2に示す参照テーブルDtlが予め記憶されている。また、記憶部13には、回転検出器6およびモータ54の既知の仕様が予め記憶されている。表示部14は、例えば液晶表示装置などで構成されて、処理部12から出力された高調波解析処理やモータ解析処理での結果を画面に表示する。
続いて、高調波解析装置1の動作について説明する。
高調波解析装置1では、処理部12は、上記の検出処理を実行してA相パルスSaの周波数f1を測定すると共に、この周波数f1などに基づいて3相の交流信号(各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iw)の交流周波数f0を検出し、かつ上記の設定処理を実行して入力部11の各LPF11aについてのフィルタ特性をこの交流周波数f0に基づいて設定する。また、処理部12は、パルス検出端子Pt3を介して新たなZ相パルスSzの入力を検出したときには、入力部11から出力される各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wについての記憶処理を開始すると共に、次の新たなZ相パルスSzの入力を検出するまで継続する。
また、処理部12は、この記憶処理と併せて検出処理を実行して、例えば連続する2つのZ相パルスSzの検出タイミング(例えば、上記の新たなZ相パルスSzの検出タイミングと上記の次の新たなZ相パルスSzの検出タイミング)に基づいて、Z相パルスSzの周波数f2を測定し、この周波数f2と記憶部13に記憶されている図2に示す参照テーブルDtlとに基づいて、FFT処理のためのポイント数Np(検出した機械角1周期に対応するポイント数Np)を特定する。また、FFT処理において算出する上限の次数についても特定する。
次いで、処理部12は、高調波解析処理を実行する。この高調波解析処理では、処理部12は、まず、記憶処理を実行することで記憶部13に記憶させた機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wのそれぞれのデータ数を共通のポイント数Np(2のべき乗個)に合わせるリサンプリング処理を実行する。次いで、処理部12は、リサンプリングされた各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wのそれぞれを高調波解析して、ポイント数Npに対応する上限の次数の高調波成分までを含む高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3を算出する。
続いて、処理部12は、モータ解析処理を実行する。このモータ解析処理では、処理部12は、記憶部13に記憶されている機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2w(リサンプリングされていない波形データ)に基づいて、高調波解析処理のときと同じ機械角1周期での出力電力Poutおよびモータ出力Pmを測定すると共に、測定した出力電力Poutおよびモータ出力Pmに基づいてこの機械角1周期でのモータ54の効率や損失などを測定する。
また、処理部12は、記憶部13に記憶されている機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2w(リサンプリングされていない波形データ)に基づいて、相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび相電流Iu,Iv,Iwについての交流周波数f0’を直接的に検出する。
また、処理部12は、算出した高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3や、測定した出力電力Poutや、測定したモータ54についてのモータ出力Pm、効率および損失や、交流周波数f0’を表示部14に表示させる。
この高調波解析装置1では、処理部12が、Z相パルスSzの検出タイミングに同期して、上記した動作を繰り返す。これにより、高調波解析装置1では、Z相パルスSzの検出タイミングに同期して測定された(つまり、モータ54の機械角1周期単位で測定された)高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3や、測定した出力電力Poutや、測定したモータ54についてのモータ出力Pm、効率および損失や、交流周波数f0’が表示部14に更新表示される。
この場合、モータ54の機械角1周期に含まれる複数の電気角1周期毎に、モータ54に回転ムラが必ず発生し、これによりモータ出力Pmがばらつき、これに起因してインバータ装置53についての出力電力Pout、つまり各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iwにもばらつきが生じることから、高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3や、モータ54の効率および損失や、交流周波数f0’にもばらつきが生じるが、この高調波解析装置1では、電気角1周期を複数(本例では2周期分)を含む機械角1周期分の区間(期間)を1つの解析区間(解析期間)として、高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3などを測定する。このため、この解析区間に含まれる電気角1周期毎の高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3などに生じるばらつきが相殺される。これにより、解析区間毎に測定される高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3、出力電力Pout、モータ出力Pm、モータ54の効率および損失、並びに交流周波数f0’についてのばらつきが大幅に低減されている。
このように、この高調波解析装置1では、機械角1周期が電気角の複数周期分で構成されるモータ54およびインバータ装置53を含むモータ駆動システムMDSでのインバータ装置53からモータ54に出力される3相の交流信号(各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iw)についての各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを、処理部12が検出処理で検出したこの交流信号の交流周波数f0に基づいて各LPF11aでの高周波ノイズの除去範囲(カットオフ周波数fc)を入力部11に対して設定した状態で機械角1周期分取得して記憶部13に記憶させ、この機械角1周期分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wに対して高調波解析処理を実行して、高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3を測定する。
したがって、この高調波解析装置1によれば、この1つの解析区間(機械角1周期)に含まれる電気角1周期毎の高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3のそれぞれにおいて生じるばらつきが相殺されるため、これにより解析区間毎に測定される高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3についてのばらつきを大幅に低減することができる。また、この高調波解析装置1によれば、出力電力Pout、モータ出力Pm、モータ54の効率および損失、並びに交流周波数f0’についても、この1つの解析区間(機械角1周期)単位で測定する構成のため、この1つの解析区間に含まれる電気角1周期毎の出力電力Pout、モータ出力Pm、モータ54の効率および損失、並びに交流周波数f0’のそれぞれにおいて生じるばらつきについても相殺される結果、解析区間毎に測定される出力電力Pout、モータ出力Pm、モータ54の効率および損失、並びに交流周波数f0’についてのばらつきを大幅に低減することができる。また、この高調波解析装置1によれば、検出された交流周波数f0に基づいて各LPF11aでの高周波ノイズの除去範囲(カットオフ周波数fc)が設定された入力部11から出力される各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2w(つまり、交流周波数f0に応じて適切に高周波ノイズが除去された状態の波形データ)を使用する構成のため、高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3、出力電力Pout、モータ出力Pm、モータ54の効率および損失、並びに交流周波数f0’を、より高い精度で測定することができる。
また、この高調波解析装置1によれば、処理部12が高調波解析処理において、機械角1周期に含まれる各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wに対して、機械角1周期(1/f2)の長さに応じて(本例ではこれと等価なZ相パルスSzの周波数f2に応じて)予め規定されたデータ数(ポイント数Np)の新たな波形データに変換するリサンプリング処理を実行し、この新たな波形データを高調波解析する構成のため、機械角1周期(1/f2)の長さに拘わらず(言い換えれば、周波数f2に拘わらず)同じデータ数(ポイント数Np)とするリサンプリング処理を実行する構成と比較して、より低い高調波レンジにZ相パルスSzの周波数f2が含まれるときのポイント数Npを、より高い高調波レンジにZ相パルスSzの周波数f2が含まれるときのポイント数Npよりも多くすることができる。この場合、FFT処理において算出可能な次数はポイント数Npに比例する(ポイント数Npの1/2となる)ことから、この高調波解析装置1では、低い高調波レンジにZ相パルスSzの周波数f2が含まれるときの交流信号(各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iw)についての高調波成分を、より高い周波数の高調波成分まで算出することができる。
例えば、すべての高調波レンジでのポイント数Npを同じ1024にしたときには、各高調波レンジにおけるFFT処理で算出される最高次数は512次までとなり、その結果、例えば、0.1Hz〜100Hzの高調波レンジ(第1高調波レンジ)での最も高い高調波成分は、100Hz×512=51.2kHzとなるが、本例のようにポイント数Npを4096にしたときには、最高次数は2048次までとなり、その結果、最も高い高調波成分を、100Hz×2048=204.8kHzまで高くすることができる。
なお、上記の高調波解析装置1では、処理部12が回転検出器6から出力されるZ相パルスSzを、機械角1周期の検出(具体的には、機械角1周期の開始タイミングおよび終了タイミングの検出)以外に有効に利用してその周波数f2を測定し、この測定した周波数f2に基づいてポイント数Npを特定するという構成を採用しているが、測定したA相パルスSaの周波数f1とモータ54の既知の仕様と回転検出器6(ロータリーエンコーダ)の既知の仕様とに基づいて、モータ54の1秒間での回転数(これは上記の周波数f2に相当する)を算出すると共にこの回転数に基づいて機械角1周期の長さに応じたポイント数Np(予め規定されたデータ数)を特定する構成を採用することもできる。この構成によれば、処理部12での周波数f2の測定を省くことができることから、その分、周波数測定に要する処理部12の負荷を軽減することができる。
また、上記の高調波解析装置1では、処理部12がモータ解析処理においてA相パルスSaに基づいて測定した回転数Nを用いてモータ出力Pmを測定する構成を採用しているが、Z相パルスSzに基づいて検出される機械角1周期の長さは回転数Nと対応するパラメータである。このことから、回転数Nを機械角1周期(の長さ)に置き換えたモータ出力Pmの算出式を予め記憶部13に記憶しておくことにより、処理部12がモータ解析処理において機械角1周期を用いてモータ出力Pmを測定する構成を採用することもできる。
また、上記の高調波解析装置1では、各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iwについての高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3の測定(高調波解析)と共に、出力電力Pout、モータ出力Pm、モータ54の効率および損失、並びに交流周波数f0’のそれぞれについても機械角1周期を1つの解析区間として測定することで、電気角1周期毎にそれぞれに生じるばらつきを低減する好ましい構成を採用しているが、各相間電圧Vuv,Vvw,Vwuおよび各相電流Iu,Iv,Iwについての高調波解析データDv1,Dv2,Dv3および高調波解析データDi1,Di2,Di3の測定(高調波解析)だけを機械角1周期単位で測定する構成とすることもできる。
また、上記の高調波解析装置1では、Z相パルスSzを出力するロータリーエンコーダで回転検出器6を構成し、処理部12がこのZ相パルスSzに基づいて機械角1周期を検出すると共に、この機械角1周期単位で各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを特定(取得)する構成、つまり、常にモータ54の回転子の同じ位置からの1回転(機械角1周期)分の各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを特定(取得)するようにして、交流信号としての相間電圧Vuvや相電流Iuなどの位相と単位解析区間の関係を常に一定に維持しつつ、高調波解析を実行するという好ましい構成を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、機械角1周期の長さは、上記したようにして算出し得るモータ54の1秒間での回転数に対応するため、Z相パルスSzに代えて、この算出した回転数に基づいて機械角1周期を検出して、この機械角1周期単位で各波形データD1uv,D1vw,D1wuおよび各波形データD2u,D2v,D2wを特定(取得)する構成を採用することもできる。
1 高調波解析装置
6 回転検出器
11 入力部
12 処理部
53 インバータ装置
54 モータ
55 トルク計
D1uv,D1vw,D1wu,D2u,D2v,D2w 波形データ
f0 交流周波数
f1 第1周波数
f2 第2周波数
Np ポイント数(データ数)
Pin 入力電力
Pm モータ出力
Pout 出力電力
Sa A相パルス
Sb B相パルス
St トルク信号
Sz Z相パルス
Vu,Vv,Vw u相電圧,v相電圧,w相電圧

Claims (7)

  1. モータを駆動するための交流信号を生成するインバータ装置の当該交流信号についての検出信号を入力すると共に高周波ノイズを除去するフィルタリング処理およびサンプリングして波形データに変換するサンプリング処理を実行する入力部と、
    前記波形データを高調波解析する高調波解析処理を実行する処理部とを備えた高調波解析装置であって、
    前記処理部は、前記モータに装着された回転検出器から出力される回転信号に基づいて前記交流信号の交流周波数および前記モータの機械角1周期を検出する検出処理、並びに前記交流周波数に基づいて前記フィルタリング処理での前記高周波ノイズの除去範囲を前記入力部に対して設定する設定処理を実行すると共に、前記検出した機械角1周期を前記高調波解析の単位解析区間として当該機械角1周期に含まれる前記波形データを特定して前記高調波解析処理を実行する高調波解析装置。
  2. 前記処理部は、前記高調波解析処理において、前記機械角1周期に含まれる前記波形データに対して当該機械角1周期の長さに応じて予め規定されたデータ数の新たな波形データに変換するリサンプリング処理を実行すると共に、当該新たな波形データを高調波解析する請求項1記載の高調波解析装置。
  3. 前記回転検出器は、少なくともZ相パルスを前記回転信号として出力するロータリーエンコーダで構成され、
    前記処理部は、前記検出処理において前記Z相パルスに基づいて前記機械角1周期を検出すると共に、当該機械角1周期に含まれる前記波形データを特定する請求項1または2記載の高調波解析装置。
  4. 前記ロータリーエンコーダは、前記Z相パルスと共にA相パルスおよびB相パルスの少なくとも一方の相パルスを前記回転信号として出力し、
    前記処理部は、前記検出処理において、前記一方の相パルスの第1周波数を測定すると共に当該第1周波数および前記モータの仕様に基づいて前記交流周波数を検出し、かつ前記Z相パルスの第2周波数を測定すると共に当該第2周波数に基づいて前記機械角1周期の長さに応じた前記予め規定されたデータ数を特定する請求項3記載の高調波解析装置。
  5. 前記ロータリーエンコーダは、前記Z相パルスと共にA相パルスおよびB相パルスの少なくとも一方の相パルスを前記回転信号として出力し、
    前記処理部は、前記検出処理において、前記一方の相パルスの第1周波数を測定すると共に当該第1周波数および前記モータの仕様に基づいて前記交流周波数を検出し、かつ当該第1周波数および当該モータの仕様に基づいて前記モータの回転数を検出すると共に当該回転数に基づいて前記機械角1周期の長さに応じた前記予め規定されたデータ数を特定する請求項3記載の高調波解析装置。
  6. 前記処理部は、前記機械角1周期に含まれる前記波形データに基づいて前記インバータ装置から前記モータに出力される出力電力を測定すると共に、前記モータに装着されたトルク計から出力されるトルク信号と前記機械角1周期の長さとに基づいて当該モータのモータ出力を測定するモータ解析処理を実行する請求項4記載の高調波解析装置。
  7. 前記処理部は、前記機械角1周期に含まれる前記波形データに基づいて前記インバータ装置から前記モータに出力される出力電力を測定すると共に、前記モータに装着されたトルク計から出力されるトルク信号と前記回転数とに基づいて当該モータのモータ出力を測定するモータ解析処理を実行する請求項5記載の高調波解析装置。
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