JP2012153048A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、プリントヘッド直下の記録媒体の吸引に伴う空気の流れを加速させないで、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止することができ、更にプリントヘッド直下の記録媒体の浮きを防止することができるインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタ10において、ノズル面2Sにインク吐出ノズル21及び22が配列されたプリントヘッド2と、ノズル面2Sに重複しない領域において表面に規則的に配列された複数の凹部41及び吸引孔42を有し、ノズル面2Sに重複する領域43において吸引孔42が配設されていないプラテンプレート4とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に画像形成部において吸着して搬送された記録媒体にプリントヘッドからインクを吐出してプリントを行うインクジェットプリンタに関する。
低価格で高速カラー印刷が可能なインクジェットプリンタの普及が目覚ましい。インクジェットプリンタは、パーソナルコンピュータ等の端末に接続され、この端末において製作された文字、イラスト、記号等の画像データを取り込み、用紙に印刷を行う。また、スキャナやファクシミリと一体化された複合型のインクジェットプリンタにおいては、スキャナユニットから取り込んだ画像データの印刷を行うことができ、或いはファクシミリにより転送された画像データの印刷を行うことができる。
この種のインクジェットプリンタは、画像形成部のプリントヘッドと対向する位置のプラテンプレート上に記録用紙を吸着させて搬送する機構を備えている。記録用紙は、プラテンプレート上を摺動する搬送ベルトにより搬送され、この搬送ベルトを介してプラテンプレート上に吸引力を用いて吸着されるようになっている。このような機構を備えることによって、画像形成部において、記録用紙の皺寄せや波打ち現象(コックリング)を防止することができ、又記録用紙のカールを防止することができるので、記録用紙の浮きを無くすことができる。結果的に、記録用紙とプリントヘッドとの干渉(例えば、記録用紙詰まり)を防止することができ、又プリントヘッドと記録用紙との距離(ヘッドギャップ)を安定して確保することができるので、安定したプリント並びにプリント画質を得ることができる。
更に安定したプリント並びにプリント画質を得るためには記録用紙の吸引力を高めればよい。ところが、プリントヘッド近傍の吸引力の増加に伴い空気の流れが速くなり、この空気の流れはプリントヘッドから吐出されるインク滴の軌道に影響を及ぼしプリント画質に劣化を生じさせる。また、空気の流れが速くなるとインク滴からミストを誘発し易く、このミストによって記録用紙に汚れが生じ、インクジェットプリンタ内に汚染(装置内汚染)が生じる。
下記特許文献1には、インクジェットヘッド直下近傍に発生する用紙搬送方向の空気流を減ずるように制御する空気流制御手段を備え、前述のインクミストの発生を抑制することができる、インクジェット方式のプリンタに用いられる用紙搬送機構が開示されている。この用紙搬送機構の空気流制御手段としては、プラテン上の空気流通孔を塞ぐ例、空気流通孔の形成密度を小さくする例、空気流通孔を小径にする例が開示されており、この空気流制御手段を備えることによって、用紙の先端部分に発生するインクミストによる用紙汚染を防止することができる。
特開2007−31007号公報
しかしながら、前述の特許文献1に開示された用紙搬送機構においては、インクジェットヘッド直下近傍に発生する用紙搬送方向の下流側の空気流を減ずることができるが、プリント画質に最も影響するインクジェットヘッド直下に空気流通孔が配設されておらず、この領域に用紙の浮きが生じる点について配慮がなされていなかった。このインクジェットヘッド直下において用紙の浮きが生じると、インク吐出ノズルとその直下に搬送される用紙との間のヘッドギャップを安定に確保することが難しく、又用紙がインク吐出ノズルに接触する場合がある。このため、プリント画質の劣化が懸念される。
そこで、インクジェットヘッド直下に空気流通孔を配設する試みがなされた。ところが、インクジェットヘッドの周囲からインクジェットヘッドと用紙との狭いヘッドギャップの間を抜けて空気流通孔に空気が流れ込み、インクジェットヘッド直下の空気の流れが加速される。このため、インク滴からミストを生じ、このミストによって用紙に汚れを生じ、インクジェットプリンタ内に汚染を生じることが避けられなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明は、プリントヘッド直下の記録媒体の吸引に伴う空気の流れを加速させないで、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止することができ、更にプリントヘッド直下の記録媒体の浮きを防止することができるインクジェットプリンタを提供することである。
更に、本発明は、プリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつプリント画質の向上することができるインクジェットプリンタを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、ノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、ノズル面に重複しない領域においてノズル面側の表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔を有し、ノズル面に重複する領域において吸引孔が配設されていないプラテンプレートとを備える。
本発明に係る第2の特徴は、第1の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、プラテンプレートは、ノズル面の輪郭からその周囲にノズル面とプラテンプレートの表面上に搬送される記録媒体とのヘッドギャップ寸法分を加算した位置までの領域において、吸引孔を配設していないことである。
本発明に係る第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、プラテンプレートのノズル面に重複する領域において凹部が配設されていないことである。
本発明に係る第4の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、プラテンプレートのノズル面に重複する領域において凹部が配設されていることである。
本発明に係る第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴に係るいずれかのインクジェットプリンタにおいて、プラテンプレートのノズル面に重複する領域において吸引孔の開口面積に比べて小さい開口面積を有し、表面から裏面に貫通する補助吸引孔が配設されていることである。
本発明に係る第6の特徴は、第5の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、補助吸引孔は、ノズル面の搬送方向の最も前端とインク吐出ノズルとの間と、ノズル面の搬送方向の最も後端とインク吐出ノズルとの間とにそれぞれ配設されていることである。
本発明に係る第7の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、ノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、ノズル面側の表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔を有するプラテンプレートと、プラテンプレートの裏面に沿って摺動し、ノズル面に重複する領域に配設された吸引孔の開閉を行うシャッタ機構と、シャッタ機構の開閉動作の制御を行う制御部とを備える。
本発明に係る第8の特徴は、第7の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、シャッタ機構は、印字率が低い場合に吸引孔の開動作を行い、印字率が高い場合に吸引孔の閉動作を行うことである。
本発明に係る第1の特徴によれば、プリントヘッド直下のノズル面に重複する領域おいてプラテンプレートに吸引孔を配設していないので、ノズル面と記録媒体との間の吸引に伴う空気の流れを加速することがないので、インク滴の軌跡への影響を抑制することができる。更に、インク滴のミストの発生を抑制することができる。従って、印刷品質を向上することができるとともに、記録媒体や装置内の汚染を防止することができる。更に、プリントヘッドの周囲であってノズル面に重複しない領域においてプラテンプレートには凹部及び吸引孔が配設されているので、記録媒体がプリントヘッド直下に搬送される直前まで記録媒体をプラテンプレート側に確実に吸引し、プリントヘッド直下の記録媒体の浮きを防止することができる。
本発明に係る第2の特徴によれば、第1の特徴に係るインクジェットプリンタにより得られる効果に加えて、ノズル面の輪郭からヘッドギャップ寸法分を加算した位置までの領域においては吸引孔を配設していないので、ノズル面の周囲の吸引に伴う空気の流れによってプリントヘッド直下の空気の流れを加速させることがなく、プリントヘッド直下のインク滴の軌跡の影響を抑制することができ、又インク滴のミストの発生を防止することができる。
本発明に係る第3の特徴によれば、第1の特徴又は第2の特徴に係るインクジェットプリンタにより得られる効果に加えて、プラテンプレートのノズル面に重複する領域の表面を凹部及び吸引孔が存在しないフラット面にすることができる。この結果、プラテンプレートの製作において、プラテンプレートの樹脂射出成形用金型を容易に製作することができる。
本発明に係る第4の特徴によれば、第1の特徴又は第2の特徴に係るインクジェットプリンタにより得られる効果に加えて、プラテンプレートのノズル面に重複する領域とノズル面に重複しない領域との凹部の配列パターンを揃えることができる。この結果、プラテンプレートの製作において樹脂射出成形法を用いる場合、樹脂流動の均一化と樹脂硬化速度の均一化とを実現することができ、内部に巣が生じにくく、樹脂表面にヒケに伴う凹凸が発生しない、品質の高いプラテンプレートを製作することができる。
本発明に係る第5の特徴によれば、第1の特徴乃至第4の特徴に係るいずれかのインクジェットプリンタにより得られる効果に加えて、プリントヘッド直下のノズル面に重複する領域においてプラテンプレートに補助吸引孔を配設したので、プリントヘッド直下の記録媒体をプラテンプレート側に確実に吸引し、プリントヘッド直下の記録媒体の浮きを防止することができる。
本発明に係る第6の特徴によれば、第5の特徴に係るインクジェットプリンタにより得られる効果に加えて、プリントヘッド直下においてインク吐出ノズルを中心として搬送方向に対称の位置に補助吸引孔が配設されているので、プリントヘッド直下の空気の流れる方向を安定に保ち、インク滴の軌跡に生じる乱れを減少することができる。
本発明に係る第7の特徴によれば、シャッタ機構及び制御部を備え、制御部からの制御に基づきシャッタ機構によってノズル面に重複する領域に配設された吸引孔を開閉することができる。この結果、プラテンプレートのノズル面に重複する領域に吸引孔が配設されていないことと等価になるので、第1の特徴に係るインクジェットプリンタにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。更に、シャッタ機構によってプラテンプレートのノズル面に重複する領域に配設された吸引孔を開ければ、プリントヘッド直下において記録媒体の吸引効果を高めることができる。カール用紙等、浮きやすく、プリントヘッドに干渉し易い記録媒体の搬送には有効である。
本発明に係る第8の特徴によれば、シャッタ機構の開閉動作を印字率に基づき自動的に行うことができる。
本発明の実施例1に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 (A)は実施例1に係るインクジェットプリンタの画像形成部の基本構造の要部拡大断面図、(B)は画像形成部の同一箇所の要部拡大平面図である。 図1に示すインクジェットプリンタの画像形成部の平面図である。 (A)は実施例1に係るインクジェットプリンタの画像形成部の押さえローラを含む具体的な構造の要部拡大断面図、(B)は押さえローラの駆動機構を示す要部拡大断面図である。 (A)乃至(D)は実施例1に係るインクジェットプリンタにおいてプリントヘッドのノズル面に対するプラテンプレートの吸引孔の位置の変化と空気の流れの状態との関係を示す模式図である。 (A)及び(B)は実施例1に係るインクジェットプリンタにおいてプリントヘッドのノズル面−プラテンプレート間距離と空気の流速との関係を示す図である。 (A)は実施例1の変形例1に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図、(B)は画像形成部の同一箇所の要部拡大平面図である。 (A)は実施例1の変形例2に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図、(B)は画像形成部の同一箇所の要部拡大平面図である。 (A)は本発明の実施例2に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図、(B)は画像形成部の同一箇所の要部拡大平面図である。 (A)及び(B)は本発明の実施例3に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大底面図であり、(A)はシャッタ機構を閉じた状態を示し、(B)はシャッタ機構を開いた状態を示す。 実施例3に係るシャッタ機構及びその駆動システムを示す模式図である。 実施例3に係るインクジェットプリンタの画像形成部の底面図である。 (A)及び(B)は実施例3の変形例に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大底面図であり、(A)はシャッタ機構を閉じた状態を示し、(B)はシャッタ機構を開いた状態を示す。
次に、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。
また、以下に示す実施例はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(実施例1)
本発明の実施例1は、シアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインクを用いてプリントを行うカラーインクジェットプリンタに本発明を適用した例を説明するものである。なお、本発明は、必ずしもカラーインクジェットプリンタにのみ適用されるのではなく、グレースケールを含むモノクロインクジェットプリンタにも適用可能である。
[インクジェットプリンタの装置構成]
図1に示すように、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、プリントする記録媒体100を供給し、この記録媒体100にプリントを行い、このプリントされた記録媒体100を排出する搬送機構を有する。インクジェットプリンタ10において、符号を付けていない筐体の左側側面にはこの筐体から外側に突出する着脱自在の給紙台101が配設され、筐体内部には複数の給紙トレイ102、103、104及び105が配設されている。これらの給紙台101及び給紙トレイ102〜105には未プリント(印刷前)の記録媒体100が格納されている。また、インクジェットプリンタ10の筐体の左側上部には排紙台110が配設されている。排紙台110にはプリント済み(印刷後)の記録媒体100が排出される。ここで、記録媒体100には記録用紙が使用される。また、記録媒体100は、この記録用紙に限定されるものではなく、記録フィルムがコーティングされた用紙、オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)に使用されるOHPフィルム(OHPシート)、樹脂製ディスク等であってもよい。
インクジェットプリンタ10は、給紙台101等から供給される記録媒体100の搬送方向に対して交差する方向(ここでは直交する方向)に多数のインク吐出ノズル(図2(A)及び図2(B)において符号21、22を付して示す。)が配列されたインクジェット型プリントヘッド2を複数備えている。これらのプリントヘッド2はインク供給系7に接続されている。必ずしもこの方式に限定されるものではないが、又その構成を図示していないが、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、プリントヘッド2にインクを供給し、プリントに使用されなかった余剰のインクを回収し、この回収されたインクを再び循環させるインク循環方式を採用している。インク供給系7は制御部6に接続され、インク供給系7及びプリントヘッド2の動作は制御部6によって制御を行っている。それぞれのプリントヘッド2は、ブラックインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクを吐出し、ライン単位においてプリントを行う。つまり、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、ラインプリント方式を採用するカラーインクジェットプリンタである。
インクジェットプリンタ10の画像形成部において、プリントヘッド2(のノズル面2S)に対向する位置には搬送ベルト3を介在してプラテンプレート4が配設されている(図2(A)、図3等参照。)。搬送ベルト3は、終端のない巡回ベルトであり、プラテンプレート4上を摺動し(表面上を走行し)、プラテンプレート4上に記録媒体100を搬送し(供給し)、プリント後にプラテンプレート4上から記録媒体100を搬送(排出)する。なお、搬送ベルト3並びにプラテンプレート4の詳細な構成は後述する。
プラテンプレート4下つまりプリントヘッド2とは反対側(図2(A)中、下側の裏面)には吸引装置5が配設されている。吸引装置5は、画像形成部に搬送されプリントされる記録媒体100を搬送ベルト3を介在してプラテンプレート4に吸着させる機能を有する。実施例1において、吸引装置5にはエア吸引ファンが使用される。また、実施例1において、吸引装置5は、インクジェットプリンタ10の筐体内部に内蔵されているが、インクジェットプリンタ10の筐体外部に外付け装置として設置し、吸引ダクトを用いてプラテンプレート5下に配管してもよい。吸引装置5は制御部6に接続され、この制御部6によって吸引装置5の吸引動作が制御されている。
なお、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、ライン単位においてプリントを行う方式だけに限定されるものではなく、ライン方向に走査してプリントを行うシリアル方式に適用してもよい。
[インクジェットプリンタのプリント動作]
前述の図1に示すインクジェットプリンタ10のプリント動作は以下の通りである。まず最初に、給紙台101、給紙トレイ102〜105のいずれかから供給された未プリント状態の記録媒体100は、特に符号を付していないが、ローラ等により構築される駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路に沿って搬送され、レジスト部121に導かれる。レジスト部121は、搬送された記録媒体100の供給方向先端の位置合わせ、斜行修正等を行う機能を有し、給紙系搬送路に対して垂直方向に配設された一対のレジストローラを備えている。レジスト部121に搬送された記録媒体100はここで一旦停止され後、所定のタイミングにおいてプリントヘッド2が配列された画像形成部(印刷部)の方向に搬送される。
プリントヘッド2に給紙系搬送路を介して対向する領域には環状の搬送ベルト3が配設され、この搬送ベルト3はプリント条件により定められる速度において記録媒体100の搬送を行う。この搬送ベルト3を用いてプラテンプレート4上に搬送される記録媒体100に対してプリントヘッド2は各色インクを吐出し、カラープリント、モノクロプリント又はグレースケールプリントが行われる。
プリント済みの記録媒体100は、駆動機構によって排紙系搬送路に沿って搬送され、片面プリントの場合にはそのまま排紙台110に導かれて排紙される。また、両面プリントの場合には、片面プリント済みの記録媒体100が排紙系搬送路から切換機構122を通してスイッチバック経路111に導かれ、この記録媒体100はプリント面を反転させて再び給紙系搬送路に戻される。片面プリントの場合と同様に、給紙系搬送路に戻された記録媒体100は、レジスト部121から画像形成部に搬送され、ここでプリントを行った後、排紙系経路を通して排紙台110に排出される。
[画像形成部の基本的構成]
実施例1に係るインクジェットプリンタ10の画像形成部は、図1、図2(A)、図2(B)及び図3に示すように、ノズル面2Sにインク吐出ノズル21及び22が配列されたインクジェット型プリントヘッド2と、ノズル面2Sに重複しない領域においてノズル面2S側の表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部41及びこの凹部41の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔42を有し、ノズル面2Sに重複する領域43において吸引孔42が配設されていないプラテンプレート4とを備えている。
ここで、プラテンプレート4の表面とは、図1中及び図2(A)中、前述の通りノズル面2S側の表面(同図中、上側表面)であり、プリントヘッド2側の表面である。また、プラテンプレート4の裏面とは、図1中及び図2(A)中、前述の通りプラテンプレート4の表面に対向する表面(同図中、下側表面)であり、吸引装置5側の表面である。
プラテンプレート4は実施例1において射出成形法を用いて製作された樹脂製プレートである。樹脂製プレートは、加工し易く、材料費が易く、結果的に製作費用を大幅に削減可能である。また、プラテンプレート4は金属製プレートを使用してもよい。
図2(A)に示すプラテンプレート4の厚さ(表面から裏面までの寸法)は例えば2.5mm−7.0mmに設定される。このプラテンプレート4の表面に配設された凹部41の平面形状(開口形状)はここでは記録媒体100の搬送方向に沿って細長い長方形形状により構成されている。図2(A)及び図2(B)に示す凹部41の搬送方向の長さ(一方の端部41E1から他方の端部41E2までの溝長)は例えば16mm−68mmに設定されている。この凹部41の長さは、搬送方向(図2(A)中及び図2(B)中、左から右に向かう方向)に配列されたプリントヘッド2の間隔又はその倍数に設定されている。図2(B)に示す凹部41の搬送方向と交差する方向の長さ(溝幅)は例えば3mm−10mmに設定されている。図2(A)に示す凹部41の深さ(プラテンプレート4の表面から凹部41の底面までの寸法)は、プラテンプレート4の厚さに対して1/3.5−1/4程度小さい例えば0.5mm−2.0mmに設定されている。ここで、図2(A)中及び図2(B)中、プリントヘッド2を中心として搬送方向の左側は、未プリント状態の記録媒体100を供給する側であって、搬送方向の上流側である。プリントヘッド2を中心として搬送方向の右側は、プリント済み状態の記録媒体100を排出する側であって、搬送方向の下流側である。
図2(B)及び図3に示すように、プリントヘッド2のノズル面2Sに重複する領域43(ノズル面2Sをその面から垂直に投影した領域)及びノズル面2Sの外縁から所定範囲内(ここでは、ノズル面2Sとプラテンプレート4の表面上に搬送される記録媒体100の表面とのヘッドギャップ寸法Gに相当する範囲内)の領域を除き、凹部41は搬送方向に一定のピッチにより規則的に配列されている。搬送方向と交差する(直交する)方向に隣り合う次段の凹部41はその前段ピッチに対して半ピッチずれて搬送方向に同一の一定ピッチにより規則的に配列されている。つまり、凹部41はプラテンプレート4の表面に千鳥模様に配列されている。
吸引孔42は凹部41の掘り下げた底面の中央部(一部)に配設され、吸引孔42はプラテンプレート4下に配設された吸引装置5に連接されるようになっている。吸引孔42の平面形状(開口形状)はここでは搬送方向に細長く搬送方向の両端に円弧形状を有する長円形状により構成されている。図2(A)及び図2(B)に示す吸引孔42の搬送方向の長さ(一方の端部42E1から他方の端部42E2までの溝長)は凹部41の同一搬送方向の長さに比べて短い例えば4mm−30mmに設定されている。図2(B)に示す吸引孔42の搬送方向と交差する方向の長さ(溝幅)は凹部41の同一方向の溝幅に比べて短い例えば3mm−8mmに設定されている。図2(A)に示す吸引孔42の深さ(凹部41の底面からプラテンプレート4の裏面までの寸法)は、プラテンプレート4の全体の厚さの大半を占める例えば2mm−5mmに設定されている。
実施例1に係るプラテンプレート4は、図2(B)及び図3に示すように、プリントヘッド2のノズル面2Sに重複しない領域において凹部41及び吸引孔42を配設し、搬送ベルト3の表面上に搬送される記録媒体100に凹部41及び吸引孔42並びに搬送ベルト3のベルト穴31を通して作用する吸引装置5からの吸引力(図2(A)において、符号A1を付けて吸引空気の流れを表記している)を用い、記録媒体100の浮きを防止している。つまり、プラテンプレート4の凹部41及び吸引孔42並びに吸引装置5においては、プリントヘッド2と記録媒体100との干渉に伴う搬送不良(ジャムの発生)を防止することができ、更にノズル面2Sとその直下に搬送される記録媒体100の表面とのヘッドギャップGを適正に確保することができるので、印刷品質を向上することができる。
更に、実施例1に係るプラテンプレート4は、図2(A)及び図2(B)に示すように、プリントヘッド2のノズル面2Sに重複する領域43において凹部41及び吸引孔42を配設せず、ノズル面2Sとその直下に搬送される記録媒体100との間のヘッドギャップGの隙間に吸引に伴い生じる空気の流れ(図2(A)中、符号は付けていないが矢印を用いて表記している)を加速しないようにしている。空気の流れを加速しない結果、インク吐出ノズル21及び22から吐き出されるインクの軌跡に影響を与えることを減少することができ、又ミストの発生を防止することができるので、印刷品質を向上することができる。
プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43とは、実行的なノズル面2Sをその垂直方向に平行に投影したプラテンプレート4の表面上の領域であって、プリントヘッド2の真上から見てノズル面2Sが重なるプラテンプレート4の表面上の領域である。実行的なノズル面2Sは、ここでは、プラテンプレート4の表面に対向し、その表面と実質的に平行な面をなす、インク吐出ノズル21及び22が配設されたプリントヘッド2の表面である。
実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、ノズル面2Sに重複する領域43には凹部41及び吸引孔42を配設していないが、その領域43の近傍であってその領域43の外周領域にも凹部41及び吸引孔42は配設されていない。詳細には、図2(A)に示すように、ノズル面2Sの輪郭(外縁)2Eからその周囲に寸法L1を加算した位置までの領域(プリントヘッド2を中心として搬送方向の上流及び下流において同様)には凹部41及び吸引孔42が配設されていない。このノズル面2Sの周囲の領域(寸法L1の領域)に吸引孔42が存在した場合、この吸引孔42を通してノズル面2Sの周囲の空気の大半が吸引され、ノズル面2S直下の空気の流れを加速させてしまい、インクの軌跡に影響を与え、ミストの発生を誘発する。従って、ノズル面2Sの輪郭から寸法L1の領域には吸引孔42を配設せずに、ノズル面2S直下の空気の流れに影響を与えない必要がある。寸法L1は実施例1においてノズル面2Sとプラテンプレート4の表面上に搬送される記録媒体100とのヘッドギャップGの寸法に設定されている。ノズル面2Sの輪郭からヘッドギャップGを越える寸法の領域に吸引孔42を配設した場合には、ノズル面2S直下の空気の流れを加速させないことが実験的に確認されている。
なお、実施例1において、プリントヘッド2の位置はプラテンプレート4に対して垂直方向に変えることができるので、ヘッドギャップGを変更することができるが、ノズル面2Sの輪郭からの寸法L1を変更することができないので、寸法L1は最小寸法のヘッドギャップGに設定する。
更に、実施例1に係るプラテンプレート4においては、プリントヘッド2のノズル面2Sに重複する領域43(及びその周囲の寸法L1分の一部の領域)には、吸引孔42は勿論のこと、重複しない領域に規則的に配列された凹部41が配設されていない。つまり、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43の表面をプラテンプレート4の表面に一致する凹部41及び吸引孔42が存在しないフラット面に構成することができる。このように構成されるプラテンプレート4はノズル面2Sに重複する領域43の表面形状を特に複雑化することを必要としないので、プラテンプレート4の樹脂射出成形用金型を容易に製作することができる。なお、プラテンプレート4は、樹脂製プレートにおいて製作する場合に限らず、金属製プレートにおいて製作する場合も簡易な機械加工を用いて製作可能である。
また、実施例1に係るプラテンプレート4においては、ノズル面2Sに重複しない領域に千鳥模様において凹部41及び吸引孔42を配列しつつ、ノズル面2Sに重複する領域43に凹部41及び吸引孔42を配設しないために、図2(B)に示すように、本来、レイアウト上、ノズル面2Sに重複する凹部41の搬送方向の長さを短縮した凹部41Sが配列されている。この凹部41Sは、凹部41の搬送方向の長さに対して同一方向の長さを半分(2分の1)に設定し、搬送方向においてノズル面2S(プリントヘッド2)に重複する直前(上流側)及び直後(下流側)に配列されている。凹部41S内には凹部41に配設した吸引孔42と同一平面形状(開口形状)並びに同一断面形状を有する、同一の吸引孔42Sが配設されている。ここでは、吸引孔42Sの中心位置は凹部41Sの中心位置に一致させている。
このように構成されるプラテンプレート4においては、特に搬送方向のノズル面2Sに重複する直前に長さが短い凹部41Sを配列したことによって、プリントヘッド2直下に記録媒体100が搬送される直前の単位面積当たりの吸引孔42Sの配列密度がその他の領域の単位面積当たりの吸引孔42の配列密度に比べて高くなる。つまり、記録媒体100の搬送方向先端がプリントヘッド2に搬送される直前において吸引力を高めることができ、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉を防止することができる。別の見方をすれば、記録媒体100の搬送方向先端がプリントヘッド2に搬送される直前において吸引力を高めることができるので、吸引装置5の小型化を図ることができる。
搬送ベルト3は、可塑性を有し、記録媒体100と適度な摩擦力を発生させるゴム、樹脂等の材料により構成されている。搬送ベルト3には図2(A)及び図3に示すようにベルト穴31が配設され、このベルト穴31を通して吸引装置5の負圧による空気の流れ(吸引力)A1によって搬送ベルト3の表面に記録媒体100を吸着することができる。搬送ベルト3のベルト穴31の平面形状は例えば円形状により構成され、図2(A)に示すベルト穴31の直径(開口径)は例えば1mm−3mmに設定されている。ベルト穴31の搬送方向のピッチは、プラテンプレート4の凹部41の同一方向のピッチに比べて小さく設定され、例えば6mm−18mmに設定されている。また、ベルト穴31の搬送方向と交差する方向のピッチは、図3に示すように、凹部41の同一方向のピッチと同一に設定されている。更に、ベルト穴31の搬送方向の配列ピッチに対して、搬送方向と交差する方向に隣り合う次段のベルト穴31の搬送方向の配列ピッチは前段に対して半ピッチずれている。つまり、ベルト穴31はプラテンプレート4の凹部41の配列と同様に千鳥模様に配列されている。
図2(A)及び図2(B)に示すように、プリントヘッド2はプラテンプレート4の表面に対向しヘッドギャップGを生成するノズル面2Sを有し、このノズル面2Sにインク吐出ノズル21及び22が配設されている。実施例1において、1つのプリントヘッド2のノズル面2Sには搬送方向に2列のインク吐出ノズル21及び22が配列されおり、インク吐出ノズル21、22のそれぞれには搬送方向と交差する方向に各々複数個のノズルが一定間隔を持って配設されている。また、インク吐出ノズル21及び22はノズル面2Sに配設されていることから、インク吐出ノズル21及び22の直下には凹部41及び吸引孔42は配設されていない。
[画像形成部の具体的構成]
実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、画像形成部の基本的構成は前述の図2(A)、図2(B)及び図3に示す通りであるが、画像形成部の具体的構成は、図4(A)及び図4(B)に示すように、プリントヘッド2に搬送される直前の記録媒体100の浮きをより一層減少するために更に押さえローラ401を備えている。
押さえローラ401は、プリントヘッド2に対して、記録媒体100の搬送方向(同図中、左側から右側に向かう方向。前述の図3も参照。)の上流側に配列されている。この押さえローラ401は、プリントヘッド2に搬送される直前の記録媒体100の浮きを搬送ベルト3の表面上に押さえ込みながら回転する。押さえローラ401の最もプラテンプレート4側の表面(ローラ面)は、搬送ベルト3の表面との間に一定のギャップを持って配設されている。このギャップを適宜設定することにより、押さえローラ401と搬送ベルト3との間に記録媒体100をスムースに通過させることができる。また、カール等によって記録媒体100に生じる浮きは押さえローラ401を用いて押さえ込み、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉を防止することができる。ここで、ギャップは例えば0.3mm−0.7mm、好ましくは0.5mmに設定されている。
押さえローラ401は、図4(A)に示すように真円形状の断面形状を有し、図4(B)に示すように搬送方向と交差する方向に細長く同方向に渡って一定の直径を有する円柱形状により構成されている。押さえローラ401の直径は例えば3.5mm−5.0mmの範囲内に設定され、押さえローラ401は小径化されている。実施例1において、3.8mm又は4.8mmの直径を有する押さえローラ401が使用されている。ここでは、搬送方向に交差する方向に配列された複数のプリントヘッド2に沿って、つまりプラテンプレート4の幅方向の一端から他端に渡って一本の押さえローラ401が配設され、この押さえローラ401は搬送方向に複数本配列されている。前述の図3に示すように、搬送方向と交差する方向にジグザクに一列の1色分のインクを吐出するプリントヘッド2が配列され、シアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインクの4色分のインクを吐出するプリントヘッド2が配列されている場合、平面的に見てプリントヘッド2はジグザクに4列、直線的に8列配列されているので、それらの搬送方向の直前に合計8本の押さえローラ401が配列されている。
図4(B)に示すように、押さえローラ401の一端(図中、左側)、他端(図示していないが、一端と同様に構成されている。)の少なくとも一方には従属回転ローラ402が取り付けられ、押さえローラ401及び従属回転ローラ402は回転自在にインクジェットプリンタ10の筐体130に取り付けられている。押さえローラ401は例えば金属製円柱、樹脂製円柱等により製作されている。従属回転ローラ402は、例えばゴム製ローラ、樹脂製ローラ等により製作され、押さえローラ401にねじ等を用いて機械的に固定されるか、押さえローラ401に自身の弾力性を利用して締め付けて取り付けられている。従属回転ローラ402は、搬送ベルト3の幅方向の一端、他端の少なくとも一方において、搬送ベルト3の表面に適度な圧力(摩擦力)を持って接触し、搬送ベルト3の搬送方向の移動に従い回転する。この従属回転ローラ402の回転は押さえローラ401に伝達され、従属回転ローラ402の回転に従い押さえローラ401の回転が行われる。押さえローラ401のローラ面の回転速度は搬送ベルト3の摺動速度と同一である。
[プリントヘッド下の吸引孔位置と空気の流速との関係]
次に、実施例1に係るインクジェットプリンタ10の効果を実証するために実施したシミュレーション結果は以下の通りである。図5(A)乃至図5(D)は、凹部41及び吸引孔42を有するプラテンプレート4と、ヘッドギャップGを作り出すプリントヘッド2の形状を有し、かつ流入空気A1及びA2が一定になるようにプラテンプレート4の表面との間に一定の間隔を設定したヘッド模型450との断面を示している。符号Aは、プラテンプレート4とヘッド模型450との間から流入した流入空気A1及びA2が凹部41及び吸引孔42を通して吸引装置5側に流れる流出空気(吸引空気)Aである。図中、縞状の細線は流入空気A1、A2、流出空気Aの流れの状態を表している。なお、ここでは、吸引の影響のみを明確にするために、ベルト搬送に伴う空気の流れの要素については考慮していない。
図5(A)は、プラテンプレート4の吸引孔42の搬送方向の一端(42E1に相当する位置)からヘッド模型450のインク吐出ノズル21及び22の中心位置(プリントヘッド2の搬送方向の中心に相当する位置)に3mmずれた場合の流入空気A1、A2、流出空気Aの流れの状態を表している。図5(B)は、プラテンプレート4の吸引孔42の搬送方向の一端からヘッド模型450のインク吐出ノズル21及び22の中心位置に8mmずれた場合の流入空気A1、A2、流出空気Aの流れの状態を表している。この図5(A)及び図5(B)に示す状態は、いずれもプリントヘッド2のノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42を配設した状態である。
図5(C)は、プラテンプレート4の吸引孔42の搬送方向の一端からヘッド模型450のインク吐出ノズル21及び22の中心位置に13mmずれた場合の流入空気A1、A2、流出空気Aの流れの状態を表している。この図5(C)に示す状態は、プリントヘッド2のノズル面2Sの輪郭の位置と吸引孔42の一端の位置とを一致させた状態である。
図5(D)は、プラテンプレート4の吸引孔42の搬送方向の一端からヘッド模型450のインク吐出ノズル21及び22の中心位置に18mmずれた場合の流入空気A1、A2、流出空気Aの流れの状態を表している。この図5(D)に示す状態は、プリントヘッド2のノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42を配設していない状態である。
図6(A)は、上記図5(A)乃至図5(D)においてプリントヘッド2のノズル面2Sとプラテンプレート4との間のヘッドギャップGにおける空気の流速を算出した結果である。ヘッドギャップGは1.5mmに設定されている。
図6(A)から明らかなように、図5(A)及び図5(B)に示すノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42が配設されている状態においては、ヘッドギャップGにおける空気の流速がかなり速く、最速値は約870mm/s〜1640mm/sに達する。これに対して、図5(C)に示すノズル面2Sの輪郭の位置と吸引孔42の一端の位置とが一致した状態においては、ヘッドギャップGにおける空気の流速が大幅に減少し、最速値は約320mm/s〜330mm/sになる。図5(C)に示す状態の流速は、図5(A)に示す状態の流速に対して約19%〜20%まで大幅に減少し、図5(B)に示す状態の流速に対しても約36%〜37%まで大幅に減少する。
更に、図5(D)に示すノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42を配設しない状態においては、ヘッドギャップGにおける空気の流速が激減し、最速値は約32mm/s〜33mm/sになる。図5(D)に示す状態の流速は、図5(A)に示す状態の流速に対して約1.9%〜2.0%まで大幅に減少し、図5(B)に示す状態の流速に対しても約3.6%〜3.7%まで激減し、ゼロに近づく。
図6(B)は、ヘッドギャップGを3.0mmに設定した場合において、同様にヘッドギャップGにおける空気の流速を算出した結果である。図6(B)から明らかなように、図5(A)及び図5(B)に示すノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42が配設されている状態においては、ヘッドギャップGにおける空気の流速の最速値は約640mm/s〜1075mm/sに達する。これに対して、図5(C)に示すノズル面2Sの輪郭の位置と吸引孔42の一端の位置とが一致した状態においては、ヘッドギャップGにおける空気の流速は約310mm/s〜320mm/sになる。図5(C)に示す状態の流速は、図5(A)に示す状態の流速に対して約28%〜29%まで大幅に減少し、図5(B)に示す状態の流速に対しても約49%〜50%まで大幅に減少する。
更に、図5(D)に示すノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42を配設しない状態においては、ヘッドギャップGにおける空気の流速が約7.4mm/s〜7.7mm/sになる。図5(D)に示す状態の流速は、図5(A)に示す状態の流速に対して約0.6%〜0.7%まで大幅に減少し、図5(B)に示す状態の流速に対しても約1.1%〜1.2%まで激減し、より一層ゼロに近づく。
[実施例1の特徴]
以上説明したように、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、プリントヘッド2直下のノズル面2Sに重複する領域43おいてプラテンプレート4に吸引孔42を配設していないので、ノズル面2Sと記録媒体100との間の吸引に伴う空気の流れを加速することがなく、インク滴の軌跡への影響を抑制することができる。更に、インク滴のミストの発生を抑制することができる。従って、印刷品質を向上することができるとともに、記録媒体100や装置内の汚染を防止することができる。更に、プリントヘッド2の周囲であってノズル面2Sに重複しない領域においてプラテンプレート4には凹部41及び吸引孔42が配設されているので、記録媒体100がプリントヘッド2直下に搬送される直前まで記録媒体100をプラテンプレート4側に確実に吸引し、プリントヘッド2直下の記録媒体100の浮きを防止することができる。この記録媒体100の浮きを防止することによって、ジャム等の搬送不良を防止することができる。
更に、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、ノズル面2Sの輪郭からヘッドギャップG寸法分(L1)を加算した領域においてプリントヘッド2直下と同様に空気の流れが速いので、このヘッドギャップG寸法分を加算した領域に吸引孔42を配設しないことによって、この部分での空気の流れを加速することがない(空気の流れを一定にすることができる)。
更に、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43の表面を凹部41及び吸引孔42が存在しないフラット面にすることができる。この結果、プラテンプレート4の製作において、プラテンプレート4の樹脂射出成形用金型を容易に製作することができる。
[変形例1]
変形例1は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、画像形成部のプラテンプレート4の形状を変えた例を説明するものである。図7(A)及び図7(B)に示すように、実施例1の変形例1に係るインクジェットプリンタ10は、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43において、前述の実施例1に係るプラテンプレート4と同様に吸引孔42を配設していないが、凹部41Dが配設されている。凹部41Dは基本的にはノズル面2Sに重複しない領域に配設された凹部41と同様の形状を有している。
このように構成される変形例1に係るインクジェットプリンタ10においては、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10によって得られる効果に加えて、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43の凹部41Dとノズル面2Sに重複しない領域の凹部41との配列パターンを均一に揃えることができる。この結果、プラテンプレート4の製作において樹脂射出成形法を用いる場合、樹脂流動の均一化と樹脂硬化速度の均一化とを実現することができるので、内部に巣が生じにくく、樹脂表面にヒケ(sink mark)に伴う凹凸が発生しない、品質の高いプラテンプレート4を製作することができる。
[変形例2]
変形例2は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、画像形成部のプラテンプレート4の形状を変えた別の例を説明するものである。図8(A)及び図8(B)に示すように、実施例1の変形例2に係るインクジェットプリンタ10は、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43において、前述の実施例1に係るプラテンプレート4と同様に吸引孔42を配設していないが、裏面に凹部41BDが配設されている。凹部41BDは、基本的にはノズル面2Sに重複しない領域に配設された凹部41におけるプラテンプレート4の厚さ(凹部41の底面から裏面までの肉厚)に対して、ノズル面2Sに重複する領域43におけるプラテンプレート4の厚さを均一化するように形成されている。
このように構成される変形例1に係るインクジェットプリンタ10においては、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10のプラテンプレート4と同様に、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複した領域43をフラット面にすることができるとともに、前述の変形例1に係るインクジェットプリンタ10のプラテンプレート4と同様に、プラテンプレート4を容易に製作することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、画像形成部のプリントヘッド2とそれに搬送される記録媒体100との干渉をより一層防止した例を説明するものである。
[画像形成部の構成]
図9(A)及び図9(B)に示すように、実施例2に係るインクジェットプリンタ10は、画像形成部において、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複した領域43に、凹部41及び吸引孔42を配設しないが、吸引孔42の開口面積に比べて小さい開口面積を有し、表面から裏面に貫通する補助吸引孔42SHを備えている。この補助吸引孔42SHは、吸引装置5に連接されており、吸引孔42において発生する吸引力よりも小さい吸引力を発生させ、プリントヘッド2直下において空気の流速を抑えつつ、記録媒体100をプラテンプレート4側に吸着させる機能を有する。
プリントヘッド2のノズル面2Sとプラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43との間のヘッドギャップGにおいて、空気の流速を抑えるために、補助吸引孔42SHの開口面積は、吸引孔42の開口面積に比べて半分以下に設定されている。つまり、2以上の補助吸引孔42SHの加算された開口面積は1つの吸引孔42の開口面積に比べて小さく設定されている。補助吸引孔42SHは、例えば真円形状の平面形状(開口形状)を有し、例えば0.5mm−4.0mmに設定されている。
補助吸引孔42SHは、ノズル面2Sの搬送方向の最も前端とインク吐出ノズル21との間と、ノズル面2Sの搬送方向の最も後端とインク吐出ノズル22との間とにそれぞれ配設されている。つまり、補助吸引孔42SHは、インク吐出ノズル21及び22を中心として、このインク吐出ノズル21及び22の直下を避け、ノズル面2Sの搬送方向の前端及び後端に2カ所配設されている。補助吸引孔42SHがインク吐出ノズル21及び22直下を避けて配設されているので、インク吐出ノズル21及び22から吐出されるインクの軌跡に影響を与えることがない。更に、補助吸引孔42SHがインク吐出ノズル21及び22を中心としてノズル面2Sの搬送方向の前端及び後端の2カ所に配設されているので、両端付近の空気の流速が均一になり、空気の流れが安定する。
なお、実施例2に係る補助吸引孔42SHの平面形状は、真円形状に限定されるものではなく、凹部41の幅寸法の範囲内において、搬送方向と交差する方向に長い寸法を有する楕円形状、スリット形状等であってもよい。また、実施例2に係る補助吸引孔42SHは、前述の実施例1の変形例1又は変形例2に係るインクジェットプリンタ10においてプラテンプレート4に配設してもよい。
[実施例2の特徴]
以上説明したように、実施例2に係るインクジェットプリンタ10においては、実施例1に係るインクジェットプリンタ10によって得られる効果に加えて、プリントヘッド2直下のノズル面2Sに重複する領域43においてプラテンプレート4に補助吸引孔42SHを配設したので、プリントヘッド2直下の記録媒体100をプラテンプレート4側に確実に吸引し、プリントヘッド2直下の記録媒体100の浮きを防止することができる。この結果、プリントヘッド2と記録媒体100との干渉を防止することができるので、搬送不良を防止することができる。
更に、実施例2に係るインクジェットプリンタ10においては、プリントヘッド2直下においてインク吐出ノズル21及び22を中心として搬送方向に対称の位置に補助吸引孔42SHが配設されているので、プリントヘッド2直下の空気の流れる方向を安定に保ち、インク滴の軌跡に生じる乱れを減少することができる。この結果、印刷品質を向上することができる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、画像形成部に吸引力を調整するシャッタ機構を備えた例を説明するものである。
[画像形成部の第1の構成(第1のシャッタ機構)]
図10(A)、図10(B)、図11及び図12に示すように、実施例3に係るインクジェットプリンタ10は、画像形成部において、ノズル面2Sにインク吐出ノズル21及び22が配列されたインクジェット型プリントヘッド2と、ノズル面2S側の表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部41及びこの凹部41の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔42を有するプラテンプレート4と、プラテンプレート4の裏面に沿って摺動し、ノズル面2Sに重複する領域43に配設された吸引孔42の開閉を行うシャッタ機構と、シャッタ機構の開閉動作の制御を行う制御部6とを備える。実施例3に係るインクジェットプリンタ10は、実施例1に係るインクジェットプリンタ10のプラテンプレート4の形状とは若干異なり、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43には重複しない領域と同様に凹部41及び吸引孔42を配設している。シャッタ機構は、実施例3において、図10(A)、図10(B)及び図12に示すシャッタ460と、図11に示す駆動機構602及び駆動源601とを備えている。
シャッタ機構のシャッタ460は、ノズル面2Sに重複する領域43に配設されたすべての吸引孔42に対応し、プラテンプレート4の裏面に摺動自在に配設されている。シャッタ460の摺動方向はここでは記録媒体100の搬送方向と交差する方向である。シャッタ460は、この搬送方向と交差する方向において、吸引孔42の1つの配列ピッチ分に相当する距離の往復摺動を行う。シャッタ460は、図10(B)に示す閉動作時に吸引孔42を塞ぎ、図10(A)に示す開動作時に吸引孔42に連通する開口を有する、例えば樹脂製プレート又は金属製プレートにより構成されている。図12に示すように、複数のプリントヘッド2下に配設されたシャッタ460は隣接同士を相互に連結し、一体化がなされている。
駆動機構602は、シャッタ460に機械的に連接され、シャッタ460の開閉動作を行う。実施例3において、駆動機構602は、図示していないが、シャッタ460を搬送方向と交差する方向に押圧移動(摺動)を行う偏心カムと、この偏心カムによって移動がなされたシャッタ460を元の位置に戻す弾性部材(例えば、引張ぱね又は圧縮ばね)と、必要に応じてシャッタ460の摺動をガイドするガイド部材とを備えている。
駆動源601は制御部6からの制御信号に基づき駆動機構602を駆動する。駆動源601には、例えば、前述の駆動機構602の偏心カムを回転させる電導モータ、電磁ソレノイド等を実用的使用することができる。
[シャッタ機構の動作]
実施例3に係るインクジェットプリンタ10のシャッタ機構の動作は以下の通りである。実施例3に係るインクジェットプリンタ10は、制御部6の図示しないプリンタドライバにおいて、印刷ジョブの画像情報に基づき印刷する記録媒体(例えば普通紙)100の搬送方向の先端領域又は全域の印字率を算出する。印字率が低い場合、制御部6は駆動源601にシャッタ460の開動作を実行する制御信号を出力し、駆動源601はこの制御信号を受信し駆動機構602の駆動を行いシャッタ406の開動作を行う。プリントヘッド2のノズル面2Sに重複した領域43において、吸引孔42とシャッタ460の開口とが連通し、吸引装置5からの吸引力が働くので、記録媒体100は搬送ベルト3の表面に吸着された状態においてプリントヘッド2下に搬送される。そして、プリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22からインクが吐出され、記録媒体100に印刷が行われる。
印字率が低い場合には、インク吐出ノズル21及び22から吐出されるインク量が根本的に少ないので、インク滴のミストの発生が少なく、印刷品質に影響を及ぼすことが少ない。また、記録媒体100にカールが生じている場合には、プリントヘッド2に至る直前からプリントヘッド2下に至るまで記録媒体100には吸引力が働いているので、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉が無くなり、搬送不良を減少することができる。
一方、印字率が高い場合、制御部6は駆動源601にシャッタ460の閉動作を実行する制御信号を出力し、駆動源601はこの制御信号を受信し駆動機構602の駆動を行いシャッタ406の閉動作を行う。プリントヘッド2のノズル面2Sに重複した領域43において、吸引孔42がシャッタ460により塞がれ、吸引装置5からの吸引力が働かなくなる。記録媒体100は搬送ベルト3の表面に吸着された状態においてプリントヘッド2の直前まで搬送される。そして、プリントヘッド2下に記録媒体100が搬送され、吸引力が働かない状態つまり空気の流速を加速させない状態においてインク吐出ノズル21及び22からインクが吐出され、記録媒体100に印刷が行われる。
印字率が高い場合には、インク吐出ノズル21及び22から吐出されるインク量が根本的に多くなり、インク滴のミストの発生が誘発されるが、プリントヘッド2下つまりノズル面2Sに重複する領域43において空気の流れを加速させないので、ミストの発生を防止し、印刷品質を向上することができる。また、記録媒体100にはプリントヘッド2に至る直前まで吸引力が働いているので、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉が無く、搬送不良が生じない。
[実施例3の特徴]
以上説明したように、実施例3に係るインクジェットプリンタ10においては、シャッタ機構及び制御部6を備え、制御部6からの制御信号に基づきシャッタ機構によってノズル面2Sに重複する領域43に配設された吸引孔42を開閉することができる。この結果、プラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43に吸引孔42が配設されていないことと等価になるので、実施例1に係るインクジェットプリンタ10により得られる効果と同様の効果を得ることができる。更に、シャッタ機構によってプラテンプレート4のノズル面2Sに重複する領域43に配設された吸引孔42を開ければ、プリントヘッド2直下において記録媒体100の吸引効果を高めることができる。カール用紙等、浮きやすく、プリントヘッド2に干渉し易い記録媒体100の搬送には有効である。シャッタ機構の開閉動作は印字率に基づき自動的に行うことができる。
[変形例]
実施例3の変形例は、前述の実施例3に係るインクジェットプリンタ10において、画像形成部のプリントヘッド2とそれに搬送される記録媒体100との干渉をより一層防止することができるシャッタ機構の例を説明するものである。
[画像形成部の第2の構成(第2のシャッタ機構)]
図13(A)及び図13(B)に示すように、変形例に係るインクジェットプリンタ10の画像形成部において、シャッタ機構のシャッタ460は、ノズル面2Sに重複する領域43の一部の、インク吐出ノズル21及び22の直下に配設された吸引孔42の開閉動作を行う開口を備えている。インク吐出ノズル21及び22直下の吸引孔42を通じて空気が流れると、インク吐出ノズル21及び22から吐出されるインクの軌跡に影響を及ぼし、インク滴のミストが生じやすい。従って、この印字品質に影響が生じる領域の吸引孔42のみシャッタ460によって開閉を行い、ノズル面2Sに重複する領域43の他の一部の、インク吐出ノズル21及び22の直下に配設されていない吸引孔42は常時吸引力が働くようにしている。この結果、プリントヘッド2下であってインク吐出ノズル21及び22に至る直前までは記録媒体100に吸引力が働いているので、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉が無くなり、搬送不良を減少することができる。特に、初期カール状態、印刷搬送によって生じるカール状態のいずれも問わず、記録媒体100にカールが生じている場合、記録媒体100が厚手の封筒である場合に、変形例に係るシャッタ機構は有効である。
なお、シャッタ機構の動作は前述の実施例3に係るインクジェットプリンタ10のシャッタ機構の動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(その他の実施例)
上記のように、本発明を実施例1乃至実施例3によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。例えば、前述の実施例1乃至実施例3はプリントヘッド2に2列のインク吐出ノズル21及び22を備えたインクジェットプリンタ10について説明したが、本発明は、1列又は3列以上のインク吐出ノズルを有するプリントヘッドを備えたインクジェットプリンタに適用可能である。
更に、本発明は、プリンタ機能単独ではなく、スキャナ機能やファクシミリ機能を備えた複合型のインクジェットプリンタに適用可能である。
本発明は、プリントヘッド直下の記録媒体の吸引に伴う空気の流れを加速しないので、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止することができ、更にプリントヘッド直下の記録媒体の浮きを防止することができるインクジェットプリンタに広く適用可能である。
2…プリントヘッド、2S…ノズル面、21、22…インク吐出ノズル、3…搬送ベルト、31…ベルト穴、4…プラテンプレート、41、41S、41D、41BD…凹部、42、42S…吸引孔、42SH…補助吸引孔、43…ノズル面に重複する領域、401…押さえローラ、41E1、41E2、42E1、42E2…開口端、5…吸引装置、6…制御部、601…駆動源、602…駆動機構、7…インク供給系、10…インクジェットプリンタ。

Claims (6)

  1. ノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、
    前記ノズル面に重複しない領域において前記ノズル面側の表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ前記表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から前記裏面に貫通する吸引孔を有し、前記ノズル面に重複する領域において前記吸引孔が配設されていないプラテンプレートと、
    を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記プラテンプレートは、前記ノズル面の輪郭からその周囲に前記ノズル面と前記プラテンプレートの表面上に搬送される記録媒体とのヘッドギャップ寸法分を加算した位置までの領域において、前記吸引孔を配設していないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記プラテンプレートの前記ノズル面に重複する領域において、前記吸引孔の開口面積に比べて小さい開口面積を有し、前記表面から前記裏面に貫通する補助吸引孔が配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記補助吸引孔は、前記ノズル面の前記搬送方向の最も前端と前記インク吐出ノズルとの間と、前記ノズル面の前記搬送方向の最も後端と前記インク吐出ノズルとの間とにそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. ノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、
    前記ノズル面側の表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ前記表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から前記裏面に貫通する吸引孔を有するプラテンプレートと、
    前記プラテンプレートの裏面に沿って摺動し、前記ノズル面に重複する領域に配設された前記吸引孔の開閉を行うシャッタ機構と、
    前記シャッタ機構の開閉動作の制御を行う制御部と、
    を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 前記シャッタ機構は、印字率が低い場合に前記吸引孔の開動作を行い、印字率が高い場合に前記吸引孔の閉動作を行うことを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
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