JP2012151929A - ワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤハーネス1は、電線9と、留め具付きコネクタ20と、電線保護具20とを備える。留め具付きコネクタ20は、電線9の端部に取り付けられ、支持体9の取付孔81に挿入されることによって取付孔81の縁部に保持される留め具22が設けられたコネクタである。電線保護具10は、不織布が成形された部材からなり、電線9の一部を覆い、不織布に対するホットプレス成形によって不織布が板状に硬化した部分である板状硬化部12と電線の出口13とが形成されている。板状硬化部12における、電線9の出口13から伸び出た電線9の端部の留め具付きコネクタ20が届く部分に、支持体8の取付孔81と重ねられて留め具22が挿入される留め具用の貫通孔122が形成されている。
【選択図】図1
Description
まず、図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネス1の構成について説明する。図1は、ワイヤハーネス1の斜視図である。図1に示されるように、ワイヤハーネス1は、複数の電線9と、複数の電線9各々の端部に取り付けられた留め部付きコネクタ20と、電線保護具10とを備える。
電線保護具10による保護の対象となる電線9は、長尺な導体である芯線と、その芯線の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆とを有する。電線9の芯線は、例えば、銅又はアルミニウムを主成分とする金属の線材である。また、電線9の絶縁被覆は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フッ素樹脂又はポリエステルなどの合成樹脂からなる絶縁体である。
留め具付きコネクタ20は、電線9の端部に取り付けられ、コネクタ21と留め具22とが一体に形成された部材である。コネクタ21は、電線9の接続相手のコネクタに対して取り外し可能に装着される部分である。コネクタ21は、相手側端子と接触する接続端子を備え、その接続端子は、電線9の芯線と電気的に接続されている。
電線保護具10は、不織布が成形された部材からなり、電線9の一部を覆う保護具である。また、電線保護具10は、電線9の一部の周囲をその長手方向に沿って覆い、電線9の出口13が形成された筒状部11と、筒状部11から張り出して形成された薄い板状硬化部12とを有する。板状硬化部12の厚みは、例えば、約1mmから約2mm程度の範囲である。
以下、電線保護具10及び後述する電線保護具10Aの材料について説明する。電線保護具10の元となる不織布は、例えば、絡み合う基本繊維とバインダと称される接着樹脂とを含む不織布が採用される。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、約110[℃]から約150[℃]の融点)を有する樹脂である。このような不織布は、基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱されることにより、接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込む。その後、不織布の温度が、接着樹脂の融点よりも低い温度まで下がると、接着樹脂は、周囲に存在する基本繊維を結合した状態で硬化する。これにより、不織布の形状は、加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時に型枠によって成形された形状で維持される。
ワイヤハーネス1において、電線保護具10の板状硬化部12に形成された留め具用の貫通孔122は、電線9の出口13から伸び出た電線9の端部の第一留め具付きコネクタ20Aが届く位置に設けられている。そして、作業者は、第一留め具付きコネクタ20Aの留め具22を支持体8の取付孔81に挿入する際に、その取付孔81に重ねられた留め具用の貫通孔122にも同時に挿入する。その作業により、支持体8に対する電線保護具10の固定と、支持体8に対する第一留め具付きコネクタ20Aのコネクタ21の固定とが同時に完結する。
次に、図2から図5を参照しつつ、ワイヤハーネス1の製造に用いられるホットプレス成形装置30の一例について説明する。
続いて、ワイヤハーネス1の製造方法の一例について説明する。ワイヤハーネス1の製造工程では、まず、不織布囲繞工程が実行され、次に、ホットプレス成形工程が実行される。
不織布囲繞工程は、保護対象となる電線9の周囲を不織布100で覆う工程である。本工程により、シート状の不織布100は、図3に示されるように、下型部材40の溝41に嵌め入れられるとともに、電線9を挟む状態で二重に折り返される。
不織布囲繞工程の次に行われるホットプレス成形工程は、電線9を挟んで二重に重ねられた不織布100の一部を、第一下型部材40Aと上型部材50とによって形成される型枠内で加熱することにより、不織布100の一部を薄い板状に成形して硬化させる工程である。このホットプレス成形工程により、板状硬化部12が形成され、電線9の一部を覆う状態の電線保護具10が製造される。
次に、図6及び図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス1Aについて説明する。このワイヤハーネス1Aは、電線9と、電線9の端部に取り付けられた留め具付きコネクタ20と、電線9の一部の周囲を覆う電線保護具10Aとを備える。ワイヤハーネス1Aは、図1に示されたワイヤハーネス1と比較して、電線保護具の形状及び構造が異なる。
次に、図8及び図10を参照しつつ、ワイヤハーネス1Aの製造に用いられるホットプレス成形装置30Aの一例について説明する。なお、図8及び図10は、ワイヤハーネス1Aの製造工程における不織布囲繞工程が行われているときのホットプレス成形装置30Aの一部の断面図である。また、図8は、電線保護具10Aの筒状部11を成形する部分の断面図、図10は、電線保護具10Aの板状硬化部12を成形する部分の断面図である。
続いて、図7から図11を参照しつつ、ワイヤハーネス1Aの製造方法の一例について説明する。ワイヤハーネス1Aの製造工程では、まず、不織布囲繞工程が実行され、次に、ホットプレス成形工程が実行される。なお、図9及び図11は、ワイヤハーネス1Aの製造工程におけるホットプレス成形工程が行われているときのホットプレス成形装置30Aの一部の断面図である。また、また、図9は、電線保護具10Aの筒状部11を成形する部分の断面図、図11は、電線保護具10Aの板状硬化部12を成形する部分の断面図である。
不織布囲繞工程は、保護対象となる電線9の周囲を不織布100Aで覆う工程である。本工程により、シート状の不織布100Aは、図8及び図10に示されるように、下型部材40の溝41に嵌め入れられるとともに、電線9を挟む状態で二つ折りされる。
不織布囲繞工程の次に行われるホットプレス成形工程は、電線9を挟んで二つ折りにされた溝41内の不織布100Aを、下型部材40と上型部材50とによって形成される型枠内で加熱することにより、不織布100Aにおける筒状部11となる部分の一方の面(外側面)と、不織布100Aにおける板状硬化部12となる部分101とを成形して硬化させる工程である。
以上に例示されたワイヤハーネス1Aの電線保護具10Aは、筒状部11が直線状に形成されているが、曲線状に形成されることも考えられる。また、電線保護具10において、板状硬化部12及び留め具用の貫通孔122が、縁部ではない部分、例えば、複数の筒状部11の間の部分などに形成されることも考えられる。
8 支持体
9 電線
10,10A 電線保護具
11 電線保護具の筒状部
12 電線保護具の板状硬化部
13 電線の出口
20 留め具付きコネクタ
21 コネクタ
22 留め具
30,30A ホットプレス成形装置
40 下型部材
40A 第一下型部材
40B 第二下型部材
41 下型部材の溝
42 硬化部支持面
43 欠け部
50 上型部材
51 上型部材の基部
52 上型突起部
53 上型部材の凹み部
60 加熱装置
81 支持体の取付孔
100,100A 不織布
102 切れ目
122 留め具用の貫通孔
Claims (2)
- 電線と、
前記電線の端部に取り付けられ、支持体の取付孔に挿入されることによって前記取付孔の縁部に保持される留め具が設けられた留め具付きコネクタと、
不織布が成形された部材からなり、前記電線の一部を覆い、前記不織布に対するホットプレス成形によって前記不織布が板状に硬化した部分である板状硬化部と前記電線の出口とが形成され、前記板状硬化部における、前記電線の出口から伸び出た前記電線の端部の前記留め具付きコネクタが届く部分に、前記支持体の取付孔と重ねられて前記留め具が挿入される留め具用の貫通孔が形成されている電線保護具と、を備えることを特徴とするワイヤハーネス。 - 前記電線保護具は、
前記電線の一部の周囲をその長手方向に沿って覆い、前記電線の出口が形成された筒状部と、
前記筒状部から張り出して形成された前記板状硬化部と、を有する、請求項1に記載のワイヤハーネス。
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