JP2001112148A - 電気接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気接続箱に水、埃が入るのを防止し、車両
組み付け作業性を向上させ、取り付けたクリップを容易
に取り外せるようにしてワイヤーハーネス組み付け作業
性を向上させ、振動があってもワイヤーハーネスがロア
ケースの底面に当たって痛めることがないようにする。 【解決手段】 電子部品４を収納するリレーボックス３
と、該リレーボックス３に装着するロアケース２とによ
って構成し、前記リレーボックス３にコネクタ６を介し
て又はコネクタ６を介さないで接続されるワイヤーハー
ネス８の端部に、直接又はハーネス用コネクタ６０を介
して可撓性を有する袖部１２，６２を備え碇状に形成さ
れるクリップ９、６１を固着し、前記ロアケースケース
２の底面１６に台座２１を形成し、該台座２１に前記ク
リップ９，６１を嵌着する取付孔２５を設けて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気接続箱に係
り、特にワイヤーハーネスの装着をワンタッチで行うこ
とができ、電気接続箱内に水や埃が入るのを防止するこ
とができる電気接続箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の電気接続箱は、図１３に示す如き
構成を有している。すなわち、電気接続箱１は、直方体
状のケースとして形成されるロアケース２と、このロア
ケース２に組み付けられ、電子部品が収納されたリレー
ボックス３とによって構成されている。このロアケース
２は合成樹脂を用いた射出成形によって形成されてい
る。また、リレーボックス３の上面側にはヒューズ又は
リレー等の電子部品４が取り付けられている。また、リ
レーボックス３の下面側には被接続部５が設けられてお
り、この被接続部５にはコネクタ６が設けられている。
このコネクタ６には、複数の配線７を束ねたワイヤーハ
ーネス８が配設されている。また、ワイヤーハーネス８
には各配線７の分岐部近傍において合成樹脂を用いて碇
状に形成されるクリップ９が取り付けられている。この
クリップ９は、図１４に示す如く、ワイヤーハーネス８
の外側に嵌着固定される円筒状の嵌着部１０と、ほぼ直
方体状をなす基端部１１と、両側にその内側に撓むこと
により幅方向に変形可能な（可撓性を有する）袖部１２
を有する頭部１３と、基端部１１と頭部１３とを連結
し、前記基端部１１及び頭部１３よりも細い形状をなす
首部１４とにより一体形成されている。

【０００３】また、ロアケース２の壁面には、半円弧状
の切欠１５が形成されている。この切欠１５は、リレー
ボックス３をロアケース２に組み付けた状態でワイヤー
ハーネス８を外側に導出するためのものである。そし
て、ロアケース２の底面１６には、前記クリップ９の首
部１４よりもやや径が大きい取付孔１７が形成されてい
る。この取付孔１７は、リレーボックス３の取付時に、
クリップ９を嵌入しワイヤーハーネス８をロアケース２
に係止するためのものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の電気
接続箱にあっては、クリップ９を取り付ける取付孔１７
が、ロアケース２の底面１６に、貫通して設けられてい
るため、この取付孔１７から電気接続箱１内に、水や埃
が入り、電気接続箱１内の電子部品・電気部品に不導通
等の影響が出ることがある。また、従来の電気接続箱に
あっては、ロアケース２の底面１６に形成されている取
付孔１７に貫通して取り付けるようになっているため、
クリップ９の先端が電気接続箱１より突起することにな
り、電気接続箱１のロアケース２の下面に取り付け面が
あったり、電気接続箱１のロアケース２の下面側に干渉
物がある場合には、電気接続箱１より突起するクリップ
９が邪魔して、電気接続箱１が取付面に取り付けること
ができないという問題がある。

【０００５】さらに、従来の電気接続箱にあっては、ク
リップ９をロアケース２の底面１６に形成されている取
付孔１７に貫通させて、一度、電気接続箱１に組み付け
てしまうと、このクリップ９を何等かの必要から電気接
続箱１から外そうとした場合、電気接続箱１の外、すな
わち、ロアケース２の下面側からクリップ９の係止部
（広がった袖部１２の先端がアケース２の下面に当接し
て係止）の係止状態を外さないとクリップ９が外せない
ため、外すたびにロアケース２の下面側に手を入れて作
業しなければならず作業性が悪いという問題を有してい
る。また、従来の電気接続箱にあっては、ロアケース２
の底面１６に形成されている取付孔１７に貫通して取り
付けるようになっているため、クリップ９によってワイ
ヤーハーネス８を固定した場合、ワイヤーハーネス８と
ロアケース２の底面１６との隙間が少ないため、振動が
あるとワイヤーハーネス８とロアケース２の底面１６と
が当たりワイヤーハーネス８を痛めるという問題を有し
ている。

【０００６】本発明の目的は、電気接続箱に水、埃が入
るのを防止し、車両組み付け作業性を向上させ、取り付
けたクリップを容易に取り外せるようにしてワイヤーハ
ーネス組み付け作業性を向上させ、振動があってもワイ
ヤーハーネスがロアケースの底面に当たって痛めること
がないようにしようということにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項１に記載の電気接続箱は、電子部品を
収納するリレーボックスと、このリレーボックスに装着
するロアケースとによって構成し、リレーボックスにコ
ネクタを介して又はコネクタを介さないで接続されるワ
イヤーハーネスの端部に、直接又はハーネス用コネクタ
を介して可撓性を有する袖部を備え碇状に形成されるク
リップを固着し、ロアケースの底面に台座を形成し、こ
の台座にクリップを嵌着する取付孔を設けて構成したも
のである。このように構成することにより、請求項１に
記載の発明によると、電気接続箱に水、埃が入るのを防
止し、車両組み付け作業性を向上させ、取り付けたクリ
ップを容易に取り外せるようにしてワイヤーハーネス組
み付け作業性を向上させることができ、振動があっても
ワイヤーハーネスがロアケースの底面に当たって痛める
ことを防止することができる。

【０００８】本発明は上記目的を達成するため、請求項
２に記載の電気接続箱は、台座を、板材を矩形状に成形
し、ロアケースの底面に両端部を固着して構成したもの
である。このように構成することにより、請求項２に記
載の発明によると、ワイヤーハーネスをロアケースの底
面に当たらないように確実に装着することができる。

【０００９】本発明は上記目的を達成するため、請求項
３に記載の電気接続箱は、台座を、板材をＬ字状に成形
し、ロアケースの底面に一端部を固着して構成したもの
である。このように構成することにより、請求項３に記
載の発明によると、ワイヤーハーネスをロアケースの底
面に当たらないように確実に装着することができ、合成
樹脂を用いた射出成形によって形成することができる。

【００１０】本発明は上記目的を達成するため、請求項
４に記載の電気接続箱は、電子部品を収納するリレーボ
ックスと、このリレーボックスに装着するロアケースと
によって構成し、リレーボックスにコネクタを介して又
はコネクタを介さないで接続されるワイヤーハーネスの
端部に、直接又はハーネス用コネクタを介して可撓性を
有する袖部を備え碇状に形成されるクリップを固着し、
ロアケースの底面に板材を立設して装着部材を形成し、
この装着部材にクリップを嵌着する取付孔を設けて構成
したものである。

【００１１】このように構成することにより、請求項４
に記載の発明によると、電気接続箱に水、埃が入るのを
防止し、合成樹脂を用いた射出成形によって形成するこ
とができ、車両組み付け作業性を向上させ、取り付けた
クリップを容易に取り外せるようにしてワイヤーハーネ
ス組み付け作業性を向上させることができ、振動があっ
てもワイヤーハーネスがロアケースの底面に当たって痛
めることを防止することができる。

【００１２】本発明は上記目的を達成するため、請求項
５に記載の電気接続箱は、装着部材を、ワイヤーハーネ
ス装着方向と平行して立設せしめると共に、ワイヤーハ
ーネス装着方向両側壁面寄りに設けて構成したものであ
る。このように構成することにより、請求項５に記載の
発明によると、装着部材がワイヤーハーネス装着の際に
邪魔になることがなく、ロアケースの深さを大きく取ら
なくてもワイヤーハーネスをロアケースの底面に当たら
ないように確実に装着することができ、合成樹脂を用い
た射出成形によって形成することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気接続箱の
実施の形態について説明する。図１には、本発明に係る
電気接続箱の第１の実施の形態を示す、ロアケース２に
リレーボックス３を組み付けた電気接続箱１の断面図が
示されている。

【００１４】図において、電気接続箱１は、直方体状の
ケースとして形成されるロアケース２と、このロアケー
ス２に組み付けられ、上面側にヒューズ又はリレー等の
電子部品４が取り付けられたリレーボックス３と、リレ
ーボックス３を覆うカバー２０とによって構成されてい
る。このリレーボックス３の下面側には被接続部５が設
けられており、この被接続部５にはコネクタ６が設けら
れている。このコネクタ６には、複数の配線７を束ねた
ワイヤーハーネス８が配設されている。また、ワイヤー
ハーネス８には各配線７の分岐部近傍において合成樹脂
を用いて碇状に形成されるクリップ９が取り付けられて
いる。

【００１５】ロアケース２の底面１６には、図２に示す
如き板材を矩形状に形成する台座２１が設けられてい
る。この台座２１は、取付面２２と、この取付面２２の
両端部に同方向に折り曲がる脚部２３，２４とからな
り、取付面２２には、クリップ９の首部１４よりもやや
径が大きい取付孔２５が形成されている。この取付孔２
５は、リレーボックス３の取付時に、クリップ９を嵌入
しワイヤーハーネス８をロアケース２に係止するための
ものである。この台座２１は、合成樹脂を用い射出成形
によって、ロアケース２の製造で一体成型によって製造
することもできる。また、この台座２１を別体で製造
し、ロアケース２の底面１６に脚部２３，２４を接着剤
等で固着する方法でもよい。

【００１６】また、ロアケース２のワイヤーハーネス８
の配設側の壁面には、半円弧状の切欠１５が形成されて
いる。この切欠１５は、リレーボックス３をロアケース
２に組み付けた状態でワイヤーハーネス８を外側に導出
するためのものである。そして、この切欠１５には、ワ
イヤーハーネス８を覆いワイヤーハーネス８を保護する
グロメット２６が嵌着している。なお、２７は、カバー
２０とリレーボックス３の嵌着部をシールするカバー２
０に設けられたパッキンである。

【００１７】次に、リレーボックス３をロアケース２内
に組み付けるに際し、クリップ９の嵌着部１０を把持し
てその頭部１３から台座２１の取付孔２５に嵌入する。
このとき、袖部１２が内側方向に狭まった状態で嵌入さ
れる。そして、頭部１３が取付孔２５を通過した後は、
袖部１２は広がり、元の状態に戻ると共に、ワイヤーハ
ーネス８はクリップ９によってロアケース２に設けられ
た台座２１に確実に固定される。

【００１８】したがって、本実施の形態によれば、ワイ
ヤーハーネス８をクリップ９及びロアケース２に設けら
れた台座２１の取付孔２５によりロアケース２内で固定
するようにしてあり、ロアケース２の底面１６にクリッ
プ９嵌合用の貫通する穴を設けていないため、電気接続
箱１内に水、埃が入るのを防止することができる。ま
た、本実施の形態によれば、クリップ９の取付をロアケ
ース２に設けた台座２１の取付孔２５に嵌着するように
構成してあるため、クリップ９がロアケース２の底面１
６を貫通してロアケース２の外部に突出することがな
く、取付面等に干渉するのを防止することができる。

【００１９】本実施の形態においては、電気接続箱１の
リレーボックス３の下面側に被接続部５を設け、この被
接続部５にコネクタ６を設け、このコネクタ６に複数の
配線７を束ねたワイヤーハーネス８を配設する例が示さ
れているが、リレーボックス３の下面側に設けられた被
接続部５への接続は、図３に示す如く、各複数の配線７
の先端にタブ端子５０を固着し、このタブ端子５０を被
接続部５に接続する方法を採ることもできる。

【００２０】また、本実施の形態においては、各配線７
の分岐部近傍においてワイヤーハーネス８に、合成樹脂
を用いて碇状に形成されるクリップ９が取り付けられて
いる構成が示されているが、このクリップ９は、必ずし
も各配線７の分岐部近傍に設ける必要はなく、接続の仕
方によっては、図４に示す如き方法を採ることもでき
る。すなわち、リレーボックス３の下面側に被接続部５
が、この被接続部５にコネクタ６が設けられており、こ
のコネクタ６には、複数の配線７を束ねたワイヤーハー
ネス８が配設されている。そして、このワイヤーハーネ
ス８の各配線７の分岐部近傍にハーネス用コネクタ６０
が固着されており、このハーネス用コネクタ６０に合成
樹脂を用いて碇状に形成されるクリップ６１が取り付け
られている。このクリップ６１は、図５に示す如く、ワ
イヤーハーネス８の各配線７が接続されるハーネス用コ
ネクタ６０の外側に固定され、ほぼ直方体状をなす基端
部と、両側にその内側に撓むことにより幅方向に変形可
能な（可撓性を有する）袖部６２を有する頭部６３と、
基端部と頭部６３とを連結し、前記基端部及び頭部６３
よりも細い形状をなす首部６４とにより一体形成されて
いる。

【００２１】リレーボックス３をロアケース２内に組み
付けるに際しては、ハーネス用コネクタ６０を把持して
クリップ６１の頭部６３から台座２１の取付孔２５に嵌
入する。このとき、袖部６２が内側方向に狭まった状態
で嵌入される。そして、頭部６３が取付孔２５を通過し
た後は、袖部６２は広がり、元の状態に戻ると共に、ワ
イヤーハーネス８はクリップ６１によってロアケース２
に設けられた台座２１に確実に固定される。

【００２２】図６には、本発明に係る電気接続箱の第２
の実施の形態を示す、ロアケース２にリレーボックス３
を組み付けた電気接続箱１の断面図が示されている。

【００２３】図において、本実施の形態が、図１に図示
の実施の形態と異なる点は、ロアケース２に設けた台座
の点で、その他は、図１に図示の実施の形態と同一であ
る。すなわち、ロアケース２の底面１６には、図７に示
す如き板材をＬ字状に形成する台座３０が設けられてい
る。この台座３０は、取付面３１と、この取付面３１の
一端部にＬ字状に折り曲がる脚部３２とからなり、取付
面３１には、クリップ９の首部１４よりもやや径が大き
い取付孔３３が形成されている。この取付孔３３は、リ
レーボックス３の取付時に、クリップ９を嵌入しワイヤ
ーハーネス８をロアケース２に係止するためのものであ
る。この台座３０は、合成樹脂を用い射出成形によっ
て、ロアケース２の製造で一体成型によって製造するこ
ともできる。また、この台座３０を別体で製造し、ロア
ケース２の底面１６に脚部３２を接着剤等で固着する方
法でも良い。

【００２４】したがって、本実施の形態によれば、ワイ
ヤーハーネス８をクリップ９及びロアケース２に設けら
れた台座３０の取付孔３３によりロアケース２内で固定
するようにしてあり、ロアケース２の底面１６にクリッ
プ９嵌合用の貫通する穴を設けていないため、電気接続
箱１内に水、埃が入るのを防止することができる。ま
た、本実施の形態によれば、クリップ９の取付をロアケ
ース２に設けた台座３０の取付孔３３に嵌着するように
構成してあるため、クリップ９がロアケース２の底面１
６を貫通してロアケース２の外部に突出することがな
く、取付面等に干渉するのを防止することができる。

【００２５】図８には、本発明に係る電気接続箱の第３
の実施の形態が示されている。本実施の形態が、図１に
図示の実施の形態と異なる点は、図１に図示の実施の形
態がロアケース２の底面１６に台座を設けているのに対
し、本実施の形態が長方形状の板材で形成される装着部
材を設けている点で、その他は、図１に図示の実施の形
態と同一である。

【００２６】図において、電気接続箱１は、直方体状の
ケースとして形成されるロアケース２と、このロアケー
ス２に組み付けられ、上面側にヒューズ又はリレー等の
電子部品４が取り付けられたリレーボックス３とによっ
て構成されている（図示されていないが、リレーボック
ス３の上には、リレーボックス３を覆うカバーが設けら
れるようになっている）。このリレーボックス３の下面
側には被接続部５が設けられており、この被接続部５に
はコネクタ６が設けられている。このコネクタ６には、
複数の配線７を束ねたワイヤーハーネス８が配設されて
いる。また、ワイヤーハーネス８には各配線７の分岐部
近傍において合成樹脂を用いて碇状に形成されるクリッ
プ９がリレーボックス３の底面に平行して左右いずれか
の方向に向けて取り付けられている。

【００２７】ロアケース２の底面１６には、図８に示す
如き長方形状の板材で形成される装着部材４０が、ワイ
ヤーハーネス８の装着方向と平行に立設されている。こ
の装着部材４０には、クリップ９の首部１４よりもやや
径が大きい取付孔４１が形成されている。この取付孔４
１は、リレーボックス３の取付時に、クリップ９を嵌入
しワイヤーハーネス８をロアケース２に係止するための
ものである。この装着部材４０は、合成樹脂を用い射出
成形によって、ロアケース２の製造で一体成型によって
製造することもできる。また、この装着部材４０を別体
で製造し、ロアケース２の底面１６に接着剤等で固着す
る方法でもよい。クリップ９の装着部材４０への装着
は、図９，図１０に示す如く、リレーボックス３の底面
に平行して左右いずれかの方向（横方向）に向けて取り
付けられているクリップ９の嵌着部１０を把持してその
頭部１３からロアケース２の底面１６に立設する装着部
材４０の取付孔４１に横方向に嵌入する。このとき、袖
部１２が内側方向に狭まった状態で嵌入される。そし
て、頭部１３が取付孔４１を通過した後は、袖部１２は
広がり、元の状態に戻ると共に、ワイヤーハーネス８は
クリップ９によってロアケース２に設けられた装着部材
４０に確実に固定される。

【００２８】したがって、本実施の形態によれば、ワイ
ヤーハーネス８をクリップ９及びロアケース２に設けら
れた装着部材４０の取付孔４１によりロアケース２内で
固定するようにしてあり、ロアケース２の底面１６にク
リップ９嵌合用の貫通する穴を設けていないため、電気
接続箱１内に水、埃が入るのを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、クリップ９の取付をロア
ケース２に設けた装着部材４０の取付孔４１に嵌着する
ように構成してあるため、クリップ９がロアケース２の
底面１６を貫通してロアケース２の外部に突出すること
がなく、取付面等に干渉するのを防止することができ
る。

【００２９】図１１〜１２には、本発明に係る電気接続
箱の第４の実施の形態が示されている。本実施の形態
が、図８に図示の実施の形態と異なる点は、図８に図示
の実施の形態がロアケース２の底面１６設ける装着部材
の位置をワイヤーハーネス８が中央に配設されるように
設けているのに対し、本実施の形態がロアケース２の底
面１６設ける装着部材の位置をワイヤーハーネス８がワ
イヤーハーネス８の装着方向の両側壁面のいずれかの壁
面に寄った位置に設けている点である。その他は、図８
に図示の実施の形態と同一である。

【００３０】図において、装着部材４０は、ワイヤーハ
ーネス８の装着方向と平行して立設せしめるにあたっ
て、ロアケース２のワイヤーハーネス８の装着方向の両
側壁面のいずれかの壁面に寄った位置に設けられてい
る。また、ロアケース２のワイヤーハーネス８の配設側
の壁面には、半円弧状の切欠１５が形成されている。こ
の切欠１５の形成位置は、装着部材４０の取付位置に合
わせてワイヤーハーネス８の配設側から見て左右のいず
れかに寄った位置に形成されている。この切欠１５は、
リレーボックス３をロアケース２に組み付けた状態でワ
イヤーハーネス８を外側に導出するためのもので、この
切欠１５には、ワイヤーハーネス８を覆いワイヤーハー
ネス８を保護するグロメット２６で包囲されたワイヤー
ハーネス８が嵌着されている。

【００３１】このようにロアケース２のワイヤーハーネ
ス８の装着方向の両側壁面のいずれかの壁面に寄った位
置に設けることにより、装着部材４０がリレーボックス
３の下面側に設けられているコネクタ６に接続される複
数の配線７に当たるのを防げるため、図１２に示す如
く、ロアケース２の深さを浅くとることができ、全体と
してコンパクトにまとめることができる。

【００３２】したがって、本実施の形態によれば、ワイ
ヤーハーネス８をクリップ９及びロアケース２に設けら
れた装着部材４０の取付孔４１によりロアケース２内で
固定するようにしてあり、ロアケース２の底面１６にク
リップ９嵌合用の貫通する穴を設けていないため、電気
接続箱１内に水、埃が入るのを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、クリップ９の取付をロア
ケース２に設けた装着部材４０の取付孔４１に嵌着する
ように構成してあるため、クリップ９がロアケース２の
底面１６を貫通してロアケース２の外部に突出すること
がなく、取付面等に干渉するのを防止することができ
る。

【００３３】なお、既に説明したクリップ９には、ワイ
ヤーハーネス固定用のバンドクリップ、テープ巻クリッ
プとコネクタ固定用クリップがある。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００３５】請求項１に記載の発明によれば、電気接続
箱に水、埃が入るのを防止し、車両組み付け作業性を向
上させ、取り付けたクリップを容易に取り外せるように
してワイヤーハーネス組み付け作業性を向上させ、振動
があってもワイヤーハーネスがロアケースの底面に当た
って痛めることを防止することができる。

【００３６】請求項２に記載の発明によれば、ワイヤー
ハーネスをロアケースの底面に当たらないように確実に
装着することができる。

【００３７】請求項３に記載の発明によれば、ワイヤー
ハーネスをロアケースの底面に当たらないように確実に
装着することができ、合成樹脂を用いた射出成形によっ
て形成することができる。

【００３８】請求項４に記載の発明によれば、電気接続
箱に水、埃が入るのを防止し、合成樹脂を用いた射出成
形によって形成することができ、車両組み付け作業性を
向上させ、取り付けたクリップを容易に取り外せるよう
にしてワイヤーハーネス組み付け作業性を向上させ、振
動があってもワイヤーハーネスがロアケースの底面に当
たって痛めることを防止することができる。

【００３９】請求項５に記載の発明によれば、装着部材
がワイヤーハーネス装着の際に邪魔になることがなく、
ロアケースの深さを大きく取らなくてもワイヤーハーネ
スをロアケースの底面に当たらないように確実に装着す
ることができ、合成樹脂を用いた射出成形によって形成
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電気接続箱の第１の実施の形態を
示す全体断面図である。

【図２】図１に図示の台座の斜視図である。

【図３】図１に図示の配線の被接続部への接続方法の変
形例を示す電気接続箱の全体断面図である。

【図４】図１に図示のクリップの各配線の分岐部近傍に
おけるワイヤーハーネスへの取付方法の変形例を示す電
気接続箱の全体断面図である。

【図５】図４に図示のクリップと図１に図示の台座との
関係を示す図である。

【図６】本発明に係る電気接続箱の第２の実施の形態を
示す全体断面図である。

【図７】図６に図示の台座の斜視図である。

【図８】本発明に係る電気接続箱の第３の実施の形態を
示す全体斜視図である。

【図９】図８に図示の装着部材の斜視図である。

【図１０】図８に図示の電気接続箱のクリップの装着部
材への装着状態を示す断面図である。

【図１１】本発明に係る電気接続箱の第４の実施の形態
を示すロアケースの斜視図である。

【図１２】図１１に図示のロアケースの装着部材の電気
接続箱における位置関係を示す電気接続箱の断面図であ
る。

【図１３】従来の電気接続箱を示す全体斜視図である。

【図１４】図１３に図示の電気接続箱の断面図である。

【符号の説明】

１…………………………電気接続箱 ２…………………………ロアケース ３…………………………リレーボックス ４…………………………電子部品 ６…………………………コネクタ ８…………………………ワイヤーハーネス ９…………………………クリップ １２………………………袖部 １６………………………底面 ２１………………………台座 ２５………………………取付孔 ３０………………………台座 ３３………………………取付孔 ４０………………………装着部材 ４１………………………取付孔 ５０………………………タブ端子 ６０………………………ハーネス用コネクタ ６１………………………クリップ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子部品を収納するリレーボックスと、
   該リレーボックスに装着するロアケースとによって構成
   し、前記リレーボックスにコネクタを介して又はコネク
   タを介さないで接続されるワイヤーハーネスの端部に、
   直接又はハーネス用コネクタを介して可撓性を有する袖
   部を備え碇状に形成されるクリップを固着し、前記ロア
   ケースの底面に台座を形成し、該台座に前記クリップを
   嵌着する取付孔を設けてなる電気接続箱。
2. 【請求項２】 前記台座は、板材を矩形状に成形してな
   り、前記ロアケースの底面に両端部を固着して形成した
   ものである請求項１に記載の電気接続箱。
3. 【請求項３】 前記台座は、板材をＬ字状に成形してな
   り、前記ロアケースの底面に一端部を固着して形成した
   ものである請求項１に記載の電気接続箱。
4. 【請求項４】 電子部品を収納するリレーボックスと、
   該リレーボックスに装着するロアケースとによって構成
   し、前記リレーボックスにコネクタを介して又はコネク
   タを介さないで接続されるワイヤーハーネスの端部に、
   直接又はハーネス用コネクタを介して可撓性を有する袖
   部を備え碇状に形成されるクリップを固着し、前記ロア
   ケースの底面に板材を立設して装着部材を形成し、該装
   着部材に前記クリップを嵌着する取付孔を設けてなる電
   気接続箱。
5. 【請求項５】 前記装着部材は、前記ワイヤーハーネス
   装着方向と平行して立設せしめると共に、前記ワイヤー
   ハーネス装着方向両側壁面寄りに設けたものである請求
   項４に記載の電気接続箱。