図1において、実施例1の通帳印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2と、イメージスキャナ3およびプリンタ4とで構成される。パーソナルコンピュータ2は金融機関により管理維持され、処理すべき情報の入力を行うためのキーボード部5、情報を表示する液晶カラーディスプレイである表示部6および本体部7から構成される。
本体部7は外部装置との接続口を有し、イメージスキャナ3およびプリンタ4とインタフェースケーブル8、9によりそれぞれ接続されている。また本体部7は情報記録媒体としてのUSB(ユニバーサルシリアルバス)メモリ10、光ディスク11あるいはディジタルカメラ12が接続可能であり、これらの記録媒体が接続されるとこれらの媒体に電子的に格納されている情報を読み出すことが可能である。
イメージスキャナ3は、写真13に対してカラーイメージの読み取りを行うものである。読取ったイメージ画像はパーソナルコンピュータ2の本体部7に送信される。写真13の画像は、例えば顧客の子供あるいは孫の顔画像や上半身または全身の画像で、成長の証として残しておきたいと顧客が望んだものが使用される。メモリ10、光ディスク11あるいはディジタルカメラ12に記録されている画像も同様である。
プリンタ4は所定の操作により文字情報およびイメージ情報を印刷出力する。印刷方式としてはインクジェット方式または熱転写方式を採用するが、印刷媒体の搬送方式は、光ディスクへの印刷が可能な水平搬送方式を採る。プリンタ4の前面側部には、印刷媒体の装着が可能なように装着口15が設けられている。装着口15にはアダプタ16が装着可能となっており、アダプタ16には凹部17が形成されており、この凹部17に印刷を行おうとする通帳Pがセットされる。
本実施の形態ではイメージスキャナ3とプリンタ4を動作させるためのプログラム等はプリンタ4内およびパーソナルコンピュータ2の本体部7内に予めローディングしてある。本実施の形態では上述のようにパーソナルコンピュータ2、イメージスキャナ3およびプリンタ4を別々の装置として設けているが、イメージスキャナ機能、プリンタ機能および情報記録媒体から直接的に情報を取り込み可能な機能を備えた多機能プリンタを設けるようにしてもよい。
図2はパーソナルコンピュータを示す制御ブロック図である。図2において、パーソナルコンピュータ2には、画像編集部21、表示部6、キーボード部5、制御部22、外部インタフェース部23、メモリ部24および電源部25が設けられている。これらのうち表示部6およびキーボード部5以外は本体部7に設けられている。
画像編集部21は、例えば、顧客が持参した写真13をイメージスキャナ3で走査して画像データを取得し、取得した画像データの切り出し、拡大、縮小、合成等の編集を行い、編集したデータを印刷画像データとしてメモリ部24に格納する。表示部6およびキーボード部5は上述した。制御部22はパーソナルコンピュータ2、イメージスキャナ3およびプリンタ4の動作全体を制御するもので、上記の各部とは内部バス26により接続され、イメージスキャナ3およびプリンタ4とは外部インタフェース23を介して接続されている。メモリ部24は、上述したように、写真13からイメージスキャナ3で画像を読み取り、さらに画像編集部21で処理した画像データ等を格納するものである。また電源部25はパーソナルコンピュータ2内の各部に電源を供給する。
図3は実施例のアダプタを示す説明図であり、図3(a)は通帳が装着された状態のアダプタの平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図、図3(c)は図3(a)のB−B断面図である。図3において、アダプタ16は表面部(上層部)31、通帳保持部(中層部)32、台紙(下層部)33を重ねて固着した状態で構成される。
表面部31には、見開き状態の通帳Pのほぼ半分の大きさの切欠き31aが形成され、切欠き31aの角部には通帳規制部31bが形成されている。また表面部31の装着方向先端側には、アダプタ16のプリンタ4への装着方向を示す矢印マーク31cが表示されている。切欠き31aの内部に印刷領域34が設定される。
通帳保持部32には、見開き状態の通帳Pが入る大きさの孔部32aが形成されており、この孔部32aに見開き状態の通帳Pがセットされる。孔部32aの半分(図3(a)における上側半分)は上述の切欠き31aと対向しており、孔部32aにセットされた通帳Pは切欠き31aを通して表面部31側に露出している。孔部32aの図3(a)における下側半分に対向する表面部31は、通帳Pの規制部31dを構成する。台紙33には印刷領域34に対向する位置に2個の抜孔33aが形成されている。
次に実施例1の動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。図4は実施例1の動作を示すフローチャートである。本実施例では、顧客が持参した個人画像が通帳に印刷される場合を説明する。顧客が個人画像を持ち込む方法としては、例えばリムーバブル媒体として図1に示すUSBメモリ10、光ディスク11あるいはディジタルカメラ12などがあるが、ここでは通帳Pに印刷する個人画像情報としてカラーの写真13が持ち込まれた場合について説明する。
まず銀行のテラーは本システムのパーソナルコンピュータ2、イメージスキャナ3およびプリンタ4に電源を投入する(ステップ1)。銀行の窓口に顧客が現れると、テラーは顧客に対して、新規に通帳を発行するのかあるいは持参した通帳に個人画像の印刷を行うのかを尋ねる。新規に通帳を発行する場合は、テラーは別途の通帳発行装置により新通帳を発行する(ステップ2、3)。
新通帳の発行処理が行われると、テラーが通帳Pを手にして顧客を呼び出す。そして新通帳の表紙に顧客が持参した写真の個人画像を印刷する表紙印刷処理を行う(ステップ4)。この表紙印刷処理については後に詳述する。表紙印刷処理が終了すると、個人画像が印刷された新通帳を顧客に渡す。
一方、持参した通帳に個人画像の印刷を行う場合は、ステップ6へ移行し、見返し印刷処理を行う。この見返し印刷処理についても詳細は後述する。通帳が顧客に返却されると、テラーがキーボード部5により処理終了を意味する入力を行い、パーソナルコンピュータ2を待機状態にして通帳印刷システムを終了する(ステップ5)。
〈表紙印刷処理〉
次に上記ステップ4の表紙印刷処理について図5のフローチャートに従って説明する。図5は表紙印刷処理動作を示すフローチャートである。新規に発行された通帳Pを手にしたテラーは、呼び出された顧客に対し、写真等の個人画像を持参したかどうか、持参しない場合にはシステムに予め登録してある画像を使用するかどうかを問い合わせる。システムに予め登録してある画像を使用する場合には、テラーはパーソナルコンピュータ2を操作し(ステップ11)、表紙印刷画像を生成する(ステップ12)。
顧客が個人画像の写真13を持参した場合、テラーは、まずイメージスキャナ3により顧客の持参した写真13の個人画像を読み取り、読取った画像データをパーソナルコンピュータ2に取り込む(ステップ13)。このように本実施の形態ではイメージ画像の取り込みはパーソナルコンピュータ2からの指示で行うが、イメージスキャナ3を操作して画像を取り込むようにしてもよい。
写真13の画像が取り込まれると、画像編集部21により写真13の個人画像が表示部6にカラー表示される(ステップ14)。表示された画像の例を図6に示す。図6は取込み画像の表示例を示す説明図である。表示されたイメージ画像36について、テラーは顧客に修正の希望があるか否かを訊く。即ち、画像の拡大や部分切り出し、あるいは配色(色相、色彩等)を修正するか、さらには似顔絵に書き換えるかなどを顧客に問う。顧客から修正希望の回答があった場合、テラー操作により顧客の希望する画像になるようにイメージ画像に修正を加える(ステップ15、16)。これらの画像修正は画像編集部21で行われ、修正後の画像は表示部6に表示されて顧客により確認された後、メモリ部24に格納される。
次にテラーは印刷準備指示を行う。これにより制御部22は、表示部6に対して、通帳Pをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する(ステップ17)。ここで、通帳の表表紙が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Pをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部34に発行された通帳Pを嵌め込む。
テラーは通帳Pが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ18)。次にテラーは、プリンタ4に対して写真13の個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ19)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた個人画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ20)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納された個人画像情報の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Pの表表紙に対して個人画像のカラー印刷を行う(ステップ21)。
通帳Pへの個人画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ22)。
排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Pを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。印刷状態が良好であれば顧客に通帳Pを手渡す。図7は個人画像を印刷した通帳を示す説明図である。図7は通帳Pの表表紙を示しており、表表紙P1の所定の位置に個人画像36がカラー印刷されている。以上により新通帳Pの表表紙への個人画像の印刷を終了する。
〈見返し印刷処理〉
次に図4のフローチャートのステップ7における見返し印刷処理を図8乃至図10に示すフローチャートにしたがって説明する。顧客が通帳Pを持参した場合、テラーは顧客に対して通帳への個人画像の印刷を希望するか否かを口頭にて確認する。以下では顧客が個人画像の印刷を希望した場合について説明するが、ここで顧客が印刷は不要である旨の回答をした場合、または写真や他の画像記録媒体を持参していなかった場合には、後日でも個人画像の印刷は可能である旨を顧客に告げ、通帳Pへの個人画像の印刷は行われない。
次にテラーは、通帳Pに繰越処理が必要なのか否か確認する(ステップ31)。通帳繰越が必要な場合は図9、図10のフローチャートに示すステップへ移行し、新通帳発行処理および新通帳の表紙への個人画像の印刷および表紙の見返し部への個人画像の印刷を行う。繰越処理が不要な場合はステップ32に移行する。
ステップ32において、テラーは、まずイメージスキャナ3により顧客の持参した写真13の個人画像を読み取り、読取った個人画像データをパーソナルコンピュータ2に取り込む。写真13の個人画像が取り込まれると、画像編集部21により写真13の個人画像が表示部6にカラー表示される(ステップ33)。表示されたイメージ画像について、テラーは顧客に修正の希望があるか否かを訊く。即ち、画像の拡大や部分切り出し、あるいは配色(色相、色彩等)を修正するか、さらには似顔絵に書き換えるかなどを顧客に問う。
顧客から修正希望の回答があった場合、テラー操作により顧客の希望する画像になるようにイメージ画像に修正を加える(ステップ34、35)。これらの画像修正は画像編集部21で行われ、修正後の画像は表示部6に表示されて顧客により確認された後、メモリ部24に格納される。
次にテラーは印刷準備指示を行う。これにより制御部22は、表示部6に対して、通帳Pをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する(ステップ36)。この場合、通帳の表紙の見返し部が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Pをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部32aに発行された通帳Pを嵌め込む。
テラーは通帳Pが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ37)。次にテラーは、プリンタ4に対して写真13の個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ38)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた個人画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ39)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納された個人画像の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Pの表表紙の見返し部に対して個人画像のカラー印刷を行う(ステップ40)。
通帳Pの見返し部への画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ41)。
排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Pを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。印刷状態が良好であれば顧客に通帳Pを手渡す。図11は個人画像を印刷した通帳の見返し部を示す説明図である。図11において、表表紙P1の見返し部P11には、複数の縮小された個人画像36が整列状態でカラー印刷されている。今回印刷した個人画像36aは列の最後に印刷される。以上により新通帳Pの表表紙の見返し部への個人画像の印刷を終了する。
図9において、上記ステップ31において通帳の繰越処理が必要とされた場合、新通帳を発行する処理を行う(ステップ42)。次にテラーは、繰越前の通帳(旧通帳)の表表紙に印刷されている個人画像をイメージスキャナ3によりパーソナルコンピュータ2に取り込む操作を行う(ステップ43)。さらにテラーは、イメージスキャナ3により顧客の持参した写真13の個人画像を読み取り、読取った画像データをパーソナルコンピュータ2に取り込む(ステップ44)。
旧通帳の個人画像および写真13の個人画像が取り込まれると、画像編集部21により写真13の個人画像が表示部6にカラー表示される(ステップ45)。表示されたイメージ画像について、テラーは顧客に修正の希望があるか否かを訊く。即ち、画像の拡大や部分切り出し、あるいは配色(色相、色彩等)を修正するか、さらには似顔絵に書き換えるかなどを顧客に問う。
顧客から修正希望の回答があった場合、テラー操作により顧客の希望する画像になるようにイメージ画像に修正を加える(ステップ46、47)。これらの画像修正は画像編集部21で行われ、修正後の画像は表示部6に表示されて顧客により確認された後、メモリ部24に格納される。
ここでテラーは、旧通帳の表表紙の個人画像と持参した写真13の個人画像のどちらを新通帳の表表紙に印刷するかを顧客に問い合わせ、顧客の希望する方の個人画像を新通帳の表表紙に印刷する指示を行う。同時に新通帳の表表紙に印刷しない方の個人画像を新通帳の表表紙の見返し部にある複数の印刷エリアのうちのどのエリアに印刷するかを指示する(ステップ48)。
次にテラーは印刷準備指示を行う。これにより制御部22は、表示部6に対して、通帳Pをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する。この場合、通帳の表表紙が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Pをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される(ステップ49)。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部32aに発行された通帳Pを嵌め込む。
テラーは通帳Pが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ50)。次にテラーは、プリンタ4に対して顧客の希望した個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ51)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ52)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納された個人画像の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Pの表表紙に対して個人画像のカラー印刷を行う(ステップ53)。
通帳Pの表表紙への個人画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ54)。排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Pを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。
通帳Pの表表紙への個人画像の印刷が終了すると、つぎに表示部6に、通帳Pをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する。この場合は、通帳の表表紙の見返し部が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Pをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される(ステップ55)。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部32aに発行された通帳Pを嵌め込む。
テラーは通帳Pが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ56)。次にテラーは、プリンタ4に対して顧客の希望した個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ57)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ58)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納された個人画像の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Pの表表紙の見返し部に対して個人画像のカラー印刷を行う(ステップ59)。
通帳Pの表表紙の見返し部への個人画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ60)。排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Pを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。
以上のように本実施例によれば、通帳繰越時に、繰越前の旧通帳の表紙に印刷されていた顧客の子供や孫の個人画像を新通帳の表紙の見返し部に印刷することができるとともに、新たに顧客が持参した個人画像を新通帳の表紙に印刷できるようにしたので、ひとつの通帳で古い個人画像と新しい個人画像の両方を参照することが可能となる。
また通帳繰越時に限らず、顧客が個人画像を持参すれば通帳の見返し部に個人画像を印刷することができるので、通帳の個人画像を追加するために銀行の店舗に顧客が来店する機会が増えることが期待され、また顧客に対するサービスの向上につながる。
また通帳繰越時に新通帳に印刷される個人画像は、顧客が持参した記録媒体または旧通帳からイメージスキャナ3で読取るようにしているので、システム自体に個人画像情報を保持しておらず、個人情報である個人画像がシステム内に残ることはないので、情報管理に特に配慮する必要がないという利点もある。
次に実施例2の形態を説明する。図12は実施例2の通帳印刷システムを示す概略構成図である。図12において、実施例2の通帳印刷システム41は、実施例1のそれと同様に、パーソナルコンピュータ2、イメージスキャナ3およびプリンタ4で構成されている。パーソナルコンピュータ2には、ICチップの情報を読み書きするリーダライタ装置42が接続されている。また本実施例では、図13に示すように、通帳Piの表紙Pi1にICチップ43が具備されており、したがってアダプタ16にセットされる通帳PiはICチップ43を具備したものである。その他の構成は実施例1と同様である。
次に図14に示すフローチャートに従って実施例2の動作を説明する。図14は実施例2の動作を示すフローチャートである。本実施例でも、顧客が持参した個人画像が通帳に印刷されるものとする。まず銀行のテラーは本システムのパーソナルコンピュータ2、イメージスキャナ3およびプリンタ4に電源を投入する(ステップ61)。銀行の窓口に顧客が現れると、テラーは顧客に対して、新規に通帳を発行するのかあるいは持参した通帳に個人画像の印刷を行うのかを尋ねる。新規に通帳を発行する場合は、テラーは別途の通帳発行装置により新通帳を発行する(ステップ62、63)。
新通帳の発行処理が行われると、テラーが通帳Piを手にして顧客を呼び出す。そして新通帳の表紙に顧客が持参した写真の個人画像を印刷する表紙印刷処理を行う(ステップ64)。表紙印刷処理が終了すると、リーダライタ装置42により通帳Piに具備されるICチップ43に通帳Piの表表紙および見返し部に印刷した個人画像情報を保存する(ステップ65)。そして個人画像が印刷された新通帳を顧客に渡す。
一方、持参した通帳に個人画像の印刷を行う場合は、ステップ67へ移行し、見返し印刷処理を行う。この見返し印刷処理については詳細は後述する。通帳が顧客に返却されると、テラーがキーボード部5により処理終了を意味する入力を行い、パーソナルコンピュータ2を待機状態にして通帳印刷システムを終了する(ステップ66)。
上記ステップ64における表紙印刷処理については実施例1と同様であるのでその説明は省略する。
〈見返し印刷処理〉
次に図14のフローチャートのステップ67における見返し印刷処理を図15乃至図17に示すフローチャートにしたがって説明する。顧客が通帳Piを持参した場合、テラーは顧客に対して通帳への個人画像の印刷を希望するか否かを口頭にて確認する。以下では顧客が個人画像の印刷を希望した場合について説明するが、ここで顧客が印刷は不要である旨の回答をした場合、または写真や画像記録媒体を持参していなかった場合には、後日でも個人画像の印刷は可能である旨を顧客に告げ、通帳Piへの個人画像の印刷は行われない。
次にテラーは、通帳Piに繰越処理が必要なのか否か確認する(ステップ71)。通帳繰越が必要な場合は図16、図17のフローチャートに示すステップへ移行し、新通帳発行処理および新通帳の表紙への個人画像の印刷および表紙の見返し部への個人画像の印刷を行う。繰越処理が不要な場合はステップ72に移行する。
ステップ72において、テラーは、まずイメージスキャナ3により顧客の持参した写真13の個人画像を読み取り、読取った個人画像データをパーソナルコンピュータ2に取り込む。写真13の個人画像が取り込まれると、画像編集部21により写真13の個人画像が表示部6にカラー表示される(ステップ73)。表示されたイメージ画像について、テラーは顧客に修正の希望があるか否かを訊く。即ち、画像の拡大や部分切り出し、あるいは配色(色相、色彩等)を修正するか、さらには似顔絵に書き換えるかなどを顧客に問う。
顧客から修正希望の回答があった場合、テラー操作により顧客の希望する画像になるようにイメージ画像に修正を加える(ステップ74、75)。これらの画像修正は画像編集部21で行われ、修正後の画像は表示部6に表示されて顧客により確認された後、メモリ部24に格納される。
次にテラーは印刷準備指示を行う。これにより制御部22は、表示部6に対して、通帳Piをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する(ステップ76)。この場合、表の表紙の見返し部が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Piをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部32aに発行された通帳Piを嵌め込む。
テラーは通帳Piが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ77)。次にテラーは、プリンタ4に対して写真13の個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ78)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた個人画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ79)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納された個人画像の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Piの表表紙の見返し部に対して個人画像のカラー印刷を行う(ステップ80)。
通帳Piの見返し部への画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ81)。
排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Piを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。印刷状態が良好であれば顧客に通帳Piを手渡す。印刷結果は図11に示す実施例1の場合と同様に、複数の縮小された個人画像36が整列状態でカラー印刷されたその列の最後に、今回印刷した個人画像36aが印刷される。以上により新通帳Piの表表紙の見返し部への個人画像の印刷を終了する。
図16において、上記ステップ71において通帳の繰越処理が必要とされた場合、新通帳を発行する処理を行う(ステップ82)。次にテラーは、リーダライタ装置42により、繰越前の通帳(旧通帳)に搭載されるICチップ43に保存されている個人画像情報を読み出す(ステップ83)。読み出された個人画像情報は制御部22によりメモリ部24に格納される。個人画像は複数ある場合があり、ICチップ43に保存されていた全ての個人画像が読み出されてメモリ部24に格納される。
次にテラーは、イメージスキャナ3により顧客の持参した写真13の個人画像を読み取り、読取った画像データをパーソナルコンピュータ2に取り込む(ステップ84)。
旧通帳の個人画像および写真13の個人画像が取り込まれると、画像編集部21により写真13の個人画像が表示部6にカラー表示される(ステップ85)。表示されたイメージ画像について、テラーは顧客に修正の希望があるか否かを訊く。即ち、画像の拡大や部分切り出し、あるいは配色(色相、色彩等)を修正するか、さらには似顔絵に書き換えるかなどを顧客に問う。
顧客から修正希望の回答があった場合、テラー操作により顧客の希望する画像になるようにイメージ画像に修正を加える(ステップ86、87)。これらの画像修正は画像編集部21で行われ、修正後の画像は表示部6に表示されて顧客により確認された後、メモリ部24に格納される。
ここでテラーは、旧通帳のICチップ43に保存されていた個人画像と持参した写真13の個人画像のうちどれを新通帳の表表紙に印刷するかを顧客に問い合わせ、顧客の希望する個人画像を新通帳の表表紙に印刷する指示を行う。同時に新通帳の表表紙に印刷しない個人画像を新通帳の表表紙の見返し部にある複数の印刷エリアのうちのどのエリアに印刷するかを指示する(ステップ88)。
次にテラーは印刷準備指示を行う。これにより制御部22は、表示部6に対して、通帳Piをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する。この場合、通帳の表表紙が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Piをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される(ステップ89)。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部32aに発行された通帳Piを嵌め込む。
テラーは通帳Piが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ90)。次にテラーは、プリンタ4に対して顧客の希望した個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ91)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ92)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納され、顧客の希望により表紙へ印刷するとされた個人画像情報の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Piの表表紙の見返し部に対して個人画像のカラー印刷を行う(ステップ93)。
通帳Piの表表紙への個人画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ94)。排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Pを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。
通帳Piの表表紙への個人画像の印刷が終了すると、つぎに表示部6に、通帳Piをアダプタ16にセットする仕方を表示するよう指示する。この場合は、通帳の表表紙の見返し部が印刷領域34でかつ上側になるように通帳Piをアダプタ16の孔部32aにセットする模様が表示部6に表示される(ステップ95)。テラーはアダプタ16を取り出し、表示部6を見ながらアダプタ16の孔部32aに発行された通帳Piを嵌め込む。
テラーは通帳Piが嵌め込まれたアダプタ16をプリンタ4の装着口15に装着する。プリンタ4は図示しない検知センサによりアダプタ16の装着を検知する(ステップ96)。次にテラーは、プリンタ4に対して顧客の希望した個人画像を印刷する指示を発信する(ステップ97)。
プリンタ4は個人画像の印刷指示を受信すると、送られてきた画像情報をプリンタ4内の図示しないメモリに格納するとともに、装着されたアダプタ16の吸入搬送を開始する(ステップ98)。この吸入搬送は、アダプタ16の先端部を図示しない光学センサで検出することにより搬送管理され、アダプタ16は印刷位置へ搬送される。
アダプタ16が印刷開始位置へ搬送されると、図示しないメモリに格納された個人画像の出力を開始する。プリンタ4は所定のカラーレベルに応じて図示しない印刷ヘッドに配してあるカラーインクノズルを制御し、通帳Piの表表紙の見返し部に対して、ひとつまたは複数の個人画像のカラー印刷を行う(ステップ99)。
通帳Piの表表紙の見返し部への個人画像の印刷が終了すると、プリンタ4はパーソナルコンピュータ2に対して印刷終了信号を送信する。印刷終了信号を受信した制御部22は、メモリ部24から排出時間情報を読み出し、この排出時間が経過したらアダプタ16の排出指示を出す。プリンタ4はこの排出指示を受け取ると、アダプタ16を排出する(ステップ100)。排出されたアダプタ16はプリンタ4から取り外され、テラーはアダプタ16から通帳Piを抜き出して個人画像の印刷状態を目視確認する。
以上のように実施例2によれば、通帳の個人画像情報を通帳に設けられたICチップに保存しておき、通帳繰越時に旧通帳のICチップから個人画像情報を読み出して新通帳に印刷するようにしたので、表紙の見返し部には複数の個人画像の印刷が可能になり、ひとつの通帳に印刷される個人画像を増やすことができる効果が得られる。
上記各実施例では、独立した装置であるプリンタ4で個人画像を印刷する例を説明したが、通帳への印刷を例えば自動取引装置の通帳処理部で行うようにしてもよい。即ち、自動取引装置に画像読取部を設け、画像読取部で写真などから個人画像を取り込み、取り込んだ個人画像を、通帳処理部に挿入された通帳に印刷するようにし、また通帳繰越の場合には、旧通帳から個人画像を取り込み、取り込んだ個人画像を新通帳に印刷するようにしてもよい。
また上記実施例では、パーソナルコンピュータ2、イメージスキャナ3およびプリンタ4から成るシステムとして説明したが、イメージスキャナ機能、プリンタ機能および情報記録媒体から直接的に情報を取り込み可能な機能を備えた多機能プリンタで通帳への個人画像の印刷を行うようにしてもよい。
また上記各実施例では、通帳に印刷する個人画像として子供や孫の顔写真など顧客にとって思い出となるものを印刷して通帳を一種のアルバムとして使用できるようにしているが、通帳の表紙または見返し部に、顧客本人の顔写真または代理として通帳の許可を許された代理人の顔写真を印刷し、銀行の窓口における本人確認として使用することも可能である。