JP2012149658A - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

断熱材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012149658A
JP2012149658A JP2011006475A JP2011006475A JP2012149658A JP 2012149658 A JP2012149658 A JP 2012149658A JP 2011006475 A JP2011006475 A JP 2011006475A JP 2011006475 A JP2011006475 A JP 2011006475A JP 2012149658 A JP2012149658 A JP 2012149658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat insulating
mass
insulating material
molded body
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011006475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5438695B2 (ja
JP2012149658A5 (ja
Inventor
Akishi Sakamoto
晃史 坂本
Yoshihiko Goto
嘉彦 後藤
Yasuo Ito
泰男 伊藤
Takeshi Maeda
健 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichias Corp
Original Assignee
Nichias Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichias Corp filed Critical Nichias Corp
Priority to JP2011006475A priority Critical patent/JP5438695B2/ja
Priority to PCT/JP2011/079567 priority patent/WO2012096110A1/ja
Publication of JP2012149658A publication Critical patent/JP2012149658A/ja
Publication of JP2012149658A5 publication Critical patent/JP2012149658A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5438695B2 publication Critical patent/JP5438695B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/62Insulation or other protection; Elements or use of specified material therefor
    • E04B1/74Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls
    • E04B1/76Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls specifically with respect to heat only
    • E04B1/78Heat insulating elements
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/62Insulation or other protection; Elements or use of specified material therefor
    • E04B1/74Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls
    • E04B2001/742Use of special materials; Materials having special structures or shape
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/62Insulation or other protection; Elements or use of specified material therefor
    • E04B1/74Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls
    • E04B1/76Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls specifically with respect to heat only
    • E04B2001/7691Heat reflecting layers or coatings

Abstract

【課題】変形させた場合における不具合の発生が効果的に抑制された断熱材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る断熱材1は、平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を3質量%以上、20質量%以下含む板状の乾式加圧成形体10と、繊維製の被覆材20で形成され前記乾式加圧成形体10を収容する外装袋30と、を有する。前記外装袋30は、前記被覆材20の外周端部21を折返して縫合することにより形成された折返し部31と、前記被覆材20の前記乾式加圧成形体10と前記折返し部31との間の部分を縫合して形成された中間部32と、を有することとしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材及びその製造方法に関し、特に、乾式加圧成形体と当該乾式加圧成形体を収容する外装袋とを有する断熱材の特性の向上に関する。
従来、例えば、特許文献1において、多孔性のエンベロープに収容されて固められた微粒子からなる微孔性絶縁材料のブロックを含むパネル状の断熱材が開示されている。
特開平9−217890号公報
しかしながら、従来、特許文献1に記載されているような断熱材を湾曲した表面に沿って変形させて施工した場合には、内部のブロックが崩壊する等の不具合が発生することがあった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、変形させた場合における不具合の発生が効果的に抑制された断熱材及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る断熱材は、平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を2質量%以上、20質量%以下含む板状の乾式加圧成形体と、繊維製の被覆材で形成され前記乾式加圧成形体を収容する外装袋と、を有することを特徴とする。本発明によれば、変形させた場合における不具合の発生が効果的に抑制された断熱材を提供することができる。
また、前記外装袋は、前記被覆材の外周端部を折返して縫合することにより形成された折返し部と、前記被覆材の前記乾式加圧成形体と前記折返し部との間の部分を縫合して形成された中間部と、を有することとしてもよい。また、この場合、前記被覆材は無機繊維糸で縫合されていることとしてもよい。さらに、前記無機繊維糸は、ガラス繊維糸、セラミックス繊維糸及び金属繊維糸からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
また、前記被覆材は、無機繊維製であることとしてもよい。また、前記金属酸化物微粒子は、シリカ微粒子及び/又はアルミナ微粒子であることとしてもよい。また、前記輻射散乱材は、炭化珪素であることとしてもよい。また、前記断熱材は、結合剤を含まないこととしてもよい。また、前記断熱材は、厚さが30mm以下であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る断熱材の製造方法は、乾式加圧成形体と、前記乾式加圧成形体を収容する外装袋と、を有する断熱材を製造する方法であって、平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を2質量%以上、20質量%以下含む原料粉体を、繊維製の被覆材で形成された前記外装袋に充填し、前記外装袋内の前記原料粉体を乾式加圧成形して前記乾式加圧成形体を形成することを含むことを特徴とする。本発明によれば、変形させた場合における不具合の発生が効果的に抑制された断熱材の製造方法を提供することができる。
また、前記方法は、前記被覆材の外周端部を折返して縫合することにより前記外装袋の折返し部を形成するとともに、前記被覆材の前記乾式加圧成形体と前記折返し部との間の部分を縫合することをさらに含むこととしてもよい。
本発明によれば、変形させた場合における不具合の発生が効果的に抑制された断熱材及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る断熱材の一例を平面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る断熱材の一例を側面視で示す説明図である。 図1に示すIII−III線で切断した断熱材の断面を示す説明図である。 図1に示すIV−IV線で切断した断熱材の断面を示す説明図である。 図1に示すV−V線で切断した断熱材の断面を示す説明図である。 図1に示すVI−VI線で切断した断熱材の断面を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、断熱材を円筒体の外周に巻き付けた状態を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、乾式加圧成形体の組成が異なる断熱材の特性を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、厚さの異なる断熱材の巻き付け施工試験を行った結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、本実施形態に限られるものではない。
図1及び図2は、本実施形態に係る断熱材1の一例をそれぞれ平面視及び側面視で示す説明図である。図3、図4、図5及び図6は、図1に示すIII−III線、IV−IV線、V−V線及びVI−VI線で切断した断熱材1の断面をそれぞれ示す説明図である。なお、図1〜図6において、同一の数字に異なる小文字のアルファベットを付している部分については、以下の説明において、これらを特に区別する必要がない場合には当該小文字のアルファベットを省略することがある。
断熱材1は、平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を2質量%以上、20質量%以下含む板状の乾式加圧成形体10と、繊維製の被覆材20で形成され当該乾式加圧成形体10を収容する外装袋30と、を有している。
乾式加圧成形体10は、金属酸化物微粒子、輻射散乱材及び補強繊維を含む原料粉体を、外装袋30内で乾式加圧成形することにより形成される断熱性成形体である。
金属酸化物微粒子は、平均粒径(より具体的には、当該金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒径)が50nm以下のものであれば特に限られず、任意の1種を単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
金属酸化物微粒子の平均粒径は、50nm以下であれば特に限られず、例えば、2nm以上、50nm以下とすることができ、2nm以上、30nm以下とすることもできる。
このような金属酸化物微粒子は、その一次粒子が、分子間力等により会合して二次粒子を形成する。乾式加圧成形体10は、この金属酸化物微粒子の二次粒子が集合して形成された多孔構造を有する。すなわち、乾式加圧成形体10は、例えば、金属酸化物微粒子を含むことにより、その内部に、空気分子の平均自由行程よりも小さい(径がナノメートルオーダーの)孔が形成された多孔構造を有する。その結果、乾式加圧成形体10は、低温域から高温域までの幅広い温度範囲で優れた断熱性を発揮する。
金属酸化物微粒子は、例えば、シリカ微粒子及び/又はアルミナ微粒子であることが好ましく、シリカ微粒子であることが特に好ましい。乾式加圧成形体10がシリカ微粒子を含む場合、当該乾式加圧成形体10は、さらにアルミナ微粒子を含むこととしてもよい。また、乾式加圧成形体10がアルミナ微粒子を含む場合、当該乾式加圧成形体10は、さらにシリカ微粒子を含むこととしてもよい。シリカ微粒子のシリカ(SiO)含有量及びアルミナ微粒子のアルミナ(Al)含有量は、例えば、95質量%以上であることが好ましい。
シリカ微粒子及び/又はアルミナ微粒子としては、気相法で製造されたもの又は湿式法で製造されたものの一方又は両方を使用することができ、気相法で製造されたシリカ微粒子及び/又はアルミナ微粒子を好ましく使用することができる。
すなわち、シリカ微粒子及び/又はアルミナ微粒子としては、気相法で製造された乾式シリカ微粒子(無水シリカ微粒子)及び/又は乾式アルミナ微粒子(無水アルミナ微粒子)を使用することができ、湿式法で製造された湿式シリカ微粒子及び/又は湿式アルミナ微粒子を使用することもでき、中でも乾式シリカ微粒子及び/又は乾式アルミナ微粒子を好ましく使用することができる。
より具体的に、例えば、気相法で製造されたフュームドシリカ微粒子及び/又はフュームドアルミナ微粒子を好ましく使用することができ、中でも親水性フュームドシリカ微粒子及び/又は親水性フュームドアルミナ微粒子を好ましく使用することができる。
金属酸化物微粒子のBET法による比表面積は、例えば、50m/g以上であることが好ましい。より具体的に、この比表面積は、例えば、50〜400m/gであることが好ましく、100〜400m/gであることがより好ましい。
輻射散乱材は、輻射による伝熱を低減することのできるものであれば特に限られず、任意の1種を単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
輻射散乱材としては、例えば、炭化珪素、ジルコニア及びチタニアからなる群より選択される1種以上を使用することができ、特に炭化珪素を好ましく使用することができる。炭化珪素は、チタニアやジルコニアに比べて輻射散乱能が優れている。このため、輻射散乱材として炭化珪素を使用する場合には、当該輻射散乱材の含有量を低く抑えることができる。その結果、金属酸化物微粒子の含有量を効果的に高めて、乾式加圧成形体10の特性を特に優れたものとすることができる。
輻射散乱材の平均粒径は、例えば、1μm以上、50μm以下であることが好ましく、1μm以上、20μm以下であることがより好ましい。輻射散乱材としては、遠赤外線反射性を有するものを好ましく使用することができ、例えば、1μm以上の波長の光に対する比屈折率が1.25以上であるものを特に好ましく使用することができる。
補強繊維は、乾式加圧成形体を補強できるものであれば特に限られず、任意の1種を単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。補強繊維としては、無機繊維及び/又は有機繊維を使用することができ、無機繊維を好ましく使用することができる。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア繊維、ケイ酸アルカリ土類金属塩繊維、ロックウール及びバサルト繊維からなる群より選択される1種以上を使用することができ、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維等のシリカ系繊維を好ましく使用することができる。なお、ケイ酸アルカリ土類金属塩繊維は、生体溶解性の無機繊維である。すなわち、無機繊維としては、非生体溶解性無機繊維及び生体溶解性無機繊維の一方又は両方を使用することができる。
有機繊維としては、合成樹脂繊維を使用することができ、例えば、アラミド繊維や、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維その他のポリオレフィン繊維を好ましく使用することができる。
補強繊維の繊維長は、例えば、1〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることがより好ましい。補強繊維の平均繊維径は、例えば、2〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。したがって、補強繊維としては、例えば、繊維長が1〜20mmであって、且つ平均繊維径が2〜20μmであるものを好ましく使用することができる。
乾式加圧成形体10における金属酸化物微粒子、輻射散乱材及び補強繊維の含有量は、金属酸化物微粒子65質量%超(例えば、66質量%以上)、90質量%未満(例えば、89質量%以下)、輻射散乱材5質量%超(例えば、6質量%以上)、30質量%未満(例えば、29質量%以下)及び補強繊維2質量%以上、20質量%以下の範囲内であれば特に限られない。
ここで、本発明において特徴的なことの一つは、乾式加圧成形体10における金属酸化物微粒子の含有量を上記の比較的高い特定の範囲内とし、且つ輻射散乱材及び補強繊維の含有量を上記の特定の範囲内とすることによって、断熱材1の断熱性を十分に維持しつつ、当該断熱材1を変形させた場合においても、当該乾式加圧成形体10の崩壊等の不具合の発生を効果的に抑制できる点にある。
なお、金属酸化物微粒子の含有量が65質量%以下の場合には、乾式加圧成形体10の強度及び柔軟性が不十分となる。輻射散乱材の含有量が5質量%以下の場合には、乾式加圧成形体10の断熱性が不十分となる。補強繊維の含有量が2質量%未満の場合には、乾式加圧成形体10の強度が不十分となる。
すなわち、本発明の発明者らは、独自に鋭意検討を重ねた結果、断熱材1の断熱性を十分に維持しつつ、当該断熱材1を変形させた場合における不具合の発生を回避するためには、乾式加圧成形体10における金属酸化物微粒子、輻射散乱材及び補強繊維の含有量を、それぞれ上述した特定の範囲内とすることが有効であることを独自に見出し、本発明を完成するに至ったのである。
乾式加圧成形体10は、結合剤を含まないこととしてもよい。この場合、乾式加圧成形体10は、水ガラス接着剤等の無機結合剤や、樹脂等の有機結合剤といった、従来使用されていた結合剤を実質的に含有しない。
結合剤を使用する場合には、例えば、脱脂を行う必要があり、この脱脂によって、製造に要する工程数、所要時間及びエネルギーの増大といった問題に加えて、断熱性成形体の強度が低下するという問題が生じる。また、結合剤の使用によって環境への負荷が増大する。これに対し、乾式加圧成形体10が結合剤を含まないことにより、上述したような結合剤の使用に伴う問題を確実に回避することができる。
乾式加圧成形体10は、例えば、150kg/m以上の嵩密度を有する断熱性成形体とすることができる。より具体的に、乾式加圧成形体10の嵩密度は、例えば、150〜400kg/mとすることができ、170〜400kg/mとすることが好ましく、200〜300kg/mとすることがより好ましい。
乾式加圧成形体10は、例えば、600℃における熱伝導率が0.08W/(m・K)以下の断熱性成形体とすることができる。乾式加圧成形体10の600℃における熱伝導率は、さらに、例えば、0.05W/(m・K)以下であることが好ましく、0.04W/(m・K)以下であることがより好ましい。
乾式加圧成形体10の600℃における熱伝導率の下限値は特に限られないが、例えば、0.02W/(m・K)である。すなわち、乾式加圧成形体10の600℃における熱伝導率は、例えば、0.02〜0.08W/(m・K)である。
乾式加圧成形体10は、例えば、0.08MPa以上の圧縮強度を有する断熱性成形体とすることができる。乾式加圧成形体10の圧縮強度の上限値は特に限られないが、例えば、1.10MPaである。すなわち、乾式加圧成形体10の圧縮強度は、例えば、0.08〜1.10MPaである。
なお、乾式加圧成形体10の圧縮強度は、その乾式加圧成形面(例えば、当該乾式加圧成形体10の製造時における乾式プレス面)に対して垂直方向に荷重をかけたときの破断強度(MPa)である。
外装袋30を構成する被覆材20は、例えば、無機繊維及び/又は有機繊維製とすることができ、無機繊維製であることが好ましい。被覆材20が無機繊維製であることにより、断熱材1は優れた耐熱性を有することができる。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維及び/又はセラミックス繊維を好ましく使用することができる。セラミックス繊維としては、例えば、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミノシリケート繊維及びムライト繊維からなる群より選択される1種以上を好ましく使用することができる。有機繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等の合成樹脂繊維を好ましく使用することができる。
また、被覆材20は、織布又は不織布とすることができ、織布であることが好ましい。織布は、それ自身の発塵性が低い。このため、被覆材20が織布である場合には、断熱材1の発塵を効果的に抑制することができる。また、織布は縫合に適している点でも好ましい。
したがって、被覆材20は、無機繊維及び/又は有機繊維の織布であることが好ましく、特に無機繊維製の織布(例えば、いわゆるガラスクロス)であることが好ましい。また、無機繊維製の織布としては、フッ素樹脂コーティングが施されたものを好ましく使用することができる。
外装袋30は、上述したような被覆材20から形成された袋状体である。外装袋30は、その内部に充填された原料粉末の乾式加圧成形を可能とする通気性を有し、当該乾式加圧成形体に由来する金属酸化物微粒子の漏洩を防止できるものであれば特に限られない。
また、図1〜図6に示す例において、外装袋30は、被覆材20の外周端部21を折返して縫合することにより形成された折返し部31(第一折返し部31a、第二折返し部31b及び第三折返し部31c)と、当該乾式加圧成形体10と当該折返し部31との間で当該被覆材20を縫合して形成された中間部32(第一中間部32a、第二中間部32b及び第三中間部32c)と、を有している。
折返し部31は、被覆材20の折返された外周端部21を縫合することにより形成される。また、中間部32は、被覆材20のうち、外装袋30に収容された乾式加圧成形体10と、折返し部31と、の間で当該乾式加圧成形体10を囲む部分を縫合することにより形成されている。
図1〜図6に示す例において、折返し部31は、1枚の被覆材20を折り畳むことで重ね合わされる外周端部21を折返して縫合することにより形成されている。すなわち、第一折返し部31a、第二折返し部31b及び第三折返し部31cは、1枚の四角形の被覆材20を折り畳むことで外周端部21が重ね合わされる3辺に形成されている。
図4に示す第一折返し部31aは、被覆材20の重ね合わされる上外周端部21a及び下外周端部21bのそれぞれを折り返し、且つ当該上外周端部21a及び下外周端部21bのそれぞれを縫合することにより形成されている。
図5に示す第二折返し部31bは、被覆材20の重ね合わされる上外周端部21a及び下外周端部21bのそれぞれを折り返し、且つ当該上外周端部21a及び下外周端部21bをまとめて縫合することにより形成されている。
図6に示す第三折返し部31cは、被覆材20の重ね合わされる上外周端部21a及び下外周端部21bをまとめて折り返し、且つ当該上外周端部21a及び下外周端部21bをまとめて縫合することにより形成されている。
なお、上外周端部21a及び下外周端部21bをまとめて折り返す場合、2回以上折り返すことが好ましい。図6に示す例において、上外周端部21a及び下外周端部21bはまとめて2回折り返されている。
また、図1〜図6に示す例において、第一中間部32a、第二中間部32b及び第三中間部32cは、乾式加圧成形体10と、第一折返し部31a、第二折返し部31b及び第三折返し部31cと、の間にそれぞれ形成されている。
折返し部31及び中間部32を有する外装袋30は、当該折返し部31及び中間部32に対応して、乾式加圧成形体10を囲む二重の縫目40,41を有している。
すなわち、図1〜図6に示すように、外装袋30は、折返し部31及び中間部32にそれぞれ対応する外側縫目40及び内側縫目41を有している。具体的に、外装袋30は、第一折返し部31a、第二折返し部31b及び第三折返し部31cにそれぞれ形成された第一外側縫目40a、第二外側縫目40b及び第三外側縫目40cと、第一中間部32a、第二中間部32b及び第三中間部32cにそれぞれ形成された第一内側縫目41a、第二内側縫目41b及び第三内側縫目41cとを有している。なお、図4に示す第一折返し部31aにおいては、上外周端部21a及び下外周端部21bのそれぞれに第一外側縫目40bが形成されている。
被覆材20の縫合に使用される縫合糸は、折返し部31及び中間部32を形成できるものであれば特に限られず、無機繊維糸及び/又は有機繊維糸を使用することができ、特に無機繊維糸を好ましく使用することができる。
無機繊維糸としては、例えば、ガラス繊維糸、セラミックス繊維糸及び金属繊維糸からなる群より選択される1種以上を好ましく使用することができる。セラミックス繊維糸としては、例えば、シリカ繊維糸、アルミナ繊維糸、シリカアルミナ繊維糸、アルミノシリケート繊維糸、ムライト繊維糸及び炭素繊維糸からなる群より選択される1種以上を好ましく使用することができる。有機繊維糸としては、例えば、ナイロン糸、レーヨン糸、ポリエステル糸、綿糸及び絹糸からなる群より選択される1種以上を好ましく使用することができる。金属繊維糸としては、例えば、ステンレス糸(より具体的には、例えば、ナスロン(登録商標))、アルミニウム糸、金糸、銀糸及び銅糸からなる群より選択される1種以上を好ましく使用することができる。
なお、外装袋30は、1枚の被覆材20から形成されるものに限られず、2枚以上の被覆材20から形成されてもよい。すなわち、例えば、外装袋30が2枚の被覆材20から形成される場合、折返し部31は、当該2枚の被覆材20を重ね合わせることで重ね合わされる外周端部21を折返して縫合することにより形成される。より具体的に、折返し部31は、例えば、2枚の四角形の被覆材20を重ね合わせることで外周端部21が重ね合わされる4辺に形成される。ただし、外装袋30の形状は四角形に限られず、例えば、他の多角形であってもよい。
また、外装袋30の3辺又は4辺のそれぞれにおいては、図4、図5及び図6に示す折返し方法のいずれを採用してもよい。すなわち、例えば、第二折返し部31b及び第三折返し部31cにおいて、図5及び図6に示す折返し方法を任意に組み合わせて採用してもよい。また、折返し部31における外周端部21の折返し方法は、図4〜図6に示す例に限られない。
また、図1に示す例において、中間部32の内側縫目41は、外装袋30の一方端から他方端まで形成されているが、乾式加圧成形体10を囲むように形成されれば、これに限られず、例えば、その少なくとも一部が外装袋30の端部まで到達しないこととしてもよい。
外装袋30に折返し部31及び中間部32を形成することによって、被覆材20の外周端部21に繊維のほつれが生じることを効果的に回避することができるとともに、乾式加圧成形体10に由来する粉塵が当該外装袋30から外部に漏洩することを効果的に防止することができる。
このような乾式加圧成形体10及び外装袋30を有する断熱材1の形状及びサイズは、当該断熱材1を施工すべき表面(例えば、湾曲した表面)の形状等、その施工条件に応じて適宜決定することができる。すなわち、断熱材1は、例えば、図1〜図6に示すように、乾式加圧成形体10の形状に対応した板状体(いわゆるパネル型製品)とすることができる。
断熱材1の厚さは、特に限られないが、例えば、30mm以下とすることができる。より具体的に、断熱材1の厚さは、例えば、2mm以上、30mm以下とすることができ、5mm以上、25mm以下とすることが好ましい。断熱材1の厚さがこれらの範囲であることにより、当該断熱材1を変形させた場合における不具合の発生を特に効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る断熱材1の製造方法(以下、「本方法」という。)は、乾式加圧成形体10と、当該乾式加圧成形体10を収容する外装袋30と、を有する断熱材1を製造する方法であって、平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を2質量%以上、20質量%以下含む原料粉体を、繊維製の被覆材20で形成された当該外装袋30に充填し、当該外装袋30内の当該原料粉体を乾式加圧成形して当該乾式加圧成形体10を形成することを含む。
すなわち、本方法においては、まず、金属酸化物微粒子、輻射散乱材及び補強繊維を上述の特定の配合比率で乾式にて混合することにより、原料粉体を調製する。具体的に、例えば、金属酸化物微粒子の乾燥粉体と、輻射散乱材の乾燥粉体と、補強繊維の乾燥粉体とを、所定の混合装置を使用して乾式混合する。
一方、被覆材20の外周端部21を縫合することにより、一部が開口した外装袋30を形成する。すなわち、図1〜図6に示す例においては、第一折返し部31aが形成される1辺が開口し、他の3辺が封止された外装袋30を形成する。
次いで、この外装袋30の開口部分から、当該外装袋30内に上述の原料粉体を入れる。そして、乾式のプレス成形により、外装袋30内に充填された原料粉体を圧縮成形することで、当該外装袋30内において所定の形状及びサイズを有する板状の乾式加圧成形体10を形成する。その後、外装袋30の開口部分を封止して、断熱材1を得る。
なお、乾式加圧成形を行う温度は、特に制限はないが、例えば、5℃以上、60℃以下の温度で行うことができる。また、原料粉体の混合及び成形を乾式で行うことにより、湿式の場合に比べて、当該原料粉体の管理が容易となり、また、断熱材1の製造に要する時間を効果的に短縮することができる。
また、本実施形態に係る本方法は、被覆材20の外周端部21を折返して縫合することにより外装袋30の折返し部31を形成するとともに、当該被覆材20の当該乾式加圧成形体10と当該折返し部31との間の部分を縫合することをさらに含む。すなわち、本方法においては、乾式加圧成形体10を囲む二重の縫目40,41を形成するように、被覆材20の折返された外周端部21と、当該被覆材20の当該乾式加圧成形体10を囲む部分と、を縫合する。
具体的に、図1〜図6に示す例においては、外装袋30に原料粉体を充填する前に、封止された第二折返し部31b及び第三折返し部31cと、開口した第一折返し部31aと、を有する外装袋30を形成する。すなわち、例えば、まず1枚の被覆材20を折り畳み、次いで、乾式加圧成形体10が形成されるべき範囲の外周の一部を縫合して第二中間部32b及び第三中間部32cを形成する。さらに、第二中間部32b及び第三中間部32cに対応する被覆材20の外周端部21を折返すとともに縫合して、第二折返し部31b及び第三折返し部31cを形成する。また、残りの外周端部21において、図4に示すように上外周端部21a及び下外周端部21bをそれぞれ縫合し、外装袋30の開口部として第一折返し部31aを形成する。
そして、外装袋30の開口する第一折返し部31aから、当該外装袋30に原料粉体を充填するとともに、当該外装袋30内の原料粉体に乾式加圧成形を施して、乾式加圧成形体10を形成する。その後、乾式加圧成形体10と第一折返し部31aとの間を縫合して第一中間部32aを形成することにより、外装袋30の開口部を封止する。この結果、外装袋30内に封入された乾式加圧成形体10を有する断熱材1が得られる。
本発明によれば、変形させた場合における不具合の発生が効果的に抑制された断熱材1及びその製造方法を提供することができる。すなわち、上述した断熱材1は、優れた断熱性と、変形させて使用した場合(例えば、湾曲した表面に沿った施工した場合)であっても不具合(例えば、乾式加圧成形体10の崩壊や、これに伴う発塵)を生じない優れた強度及び柔軟性と、を兼ね備えている。
具体的に、例えば、断熱材1の乾式加圧成形体10は、上述した特定の配合比率で金属酸化物微粒子、輻射散乱材及び補強繊維を含むことにより、優れた断熱性を維持しつつ、変形した場合においても、崩壊等の不具合を生じにくい。
このため、断熱材1は、例えば、いわゆるキルティング製品とする必要がない。すなわち、断熱材1においては、乾式加圧成形体10及び外装袋30を貫通する縫合(キルティング加工)を行う必要がない。また、断熱材1は、いわゆるスラット製品とする必要がない。すなわち、断熱材1においては、乾式加圧成形体10を離隔して配置される複数の部分に分割する必要がない。
また、例えば、外装袋30が折返し部31及び中間部32を有することにより、被覆材20の外周端部21における繊維のほつれを効果的に回避できるとともに、変形した乾式加圧成形体10に由来する粉塵が外装袋30外に漏洩することを効果的に防止することができる。
したがって、断熱材1は、一般工業炉や燃料電池の改質器等、様々な構造物の湾曲した表面や凹凸の形成された表面において、不具合の発生を効果的に回避しつつ優れた断熱性を発揮することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[断熱材の製造]
金属酸化物微粒子として、一次粒子の平均粒径が約13nmの無水シリカ微粒子(親水性フュームドシリカ微粒子)を使用した。輻射散乱材として、平均粒径1.8μmの炭化珪素(SiC)を使用した。補強繊維として、平均繊維径11μm、平均繊維長6mmのEガラス繊維を使用した。被覆材20として、サイズが885mm×1640mm、厚さ0.27mm、坪量が314g/mのEガラス繊維製の織布(ガラスクロス)を使用した。縫合糸として、平均径が約1mmのガラス繊維糸を使用した。
これらの材料を使用して、断熱材1を製造した。すなわち、上述したシリカ微粒子、炭化珪素及びガラス繊維を混合装置に投入し、乾式混合することにより、当該シリカ微粒子、炭化珪素及びガラス繊維を所定の比率で含み、結合剤を含まない原料粉体を得た。
一方、ガラスクロスから、開口部を有する外装袋30を形成した。すなわち、1枚のガラスクロスを折り畳むことにより重ね合わされる3辺の外周端部21の全てを折返し、これらのうち2辺においては、折返された外周端部21を縫合糸で縫合して折返し部31及び中間部32を形成し、他の1辺においては、原料粉体を入れるための開口部を形成するように上外周端部21a及び下外周端部21bのそれぞれを縫合糸で縫合した(図4参照)。
そして、この外装袋30内に適量の原料粉体を充填した。次いで、外装袋30内の原料粉体に乾式プレスを施すことにより、当該外装袋30内に収容された板状の乾式加圧成形体10(サイズは、約800mm×約850mm、厚さ約10mm)を形成した。なお、乾式プレス成形においては、乾式加圧成形体10の嵩密度が250kg/mとなるようにプレス圧を調節した。
その後、開口部を構成する1辺において、乾式加圧成形体10と折返し部31との間を縫合して中間部32を形成することにより、外装袋30を封止した。こうして、シリカ微粒子、炭化珪素及びガラス繊維を含む板状の乾式加圧成形体10と、ガラス繊維糸で縫合された折返し部31及び中間部32を有するガラス繊維製の外装袋30と、を有する厚さ10mmの断熱材1を得た。
なお、断熱材1としては、乾式加圧成形体10におけるシリカ微粒子及び炭化珪素の含有量が異なる(シリカ微粒子の含有量が65〜95質量%、炭化珪素の含有量が0〜30質量%、ガラス繊維の含有量が5質量%)7種類を製造した。
[熱伝導率の評価]
乾式加圧成形体10の600℃における熱伝導率を周期加熱法にて測定した。すなわち、上述のように外装袋30内で乾式加圧成形体10を形成した後、当該外装袋30から当該乾式加圧成形体10を取り出し、当該乾式加圧成形体10の熱伝導率を測定した。
具体的に、乾式加圧成形体10から切り出した所定サイズの試験体内に温度波を伝播させ、その伝播時間から熱拡散率を測定した。そして、この熱拡散率と、別途測定した比熱及び密度と、から熱伝導率を算出した。なお、温度波としては、温度振幅が約4℃、周期が約1時間である温度の波を使用した。また、試験体内の2つの地点を温度波が通過するのに要する時間を伝播時間とした。
[圧縮強度の評価]
乾式加圧成形体10の圧縮強度を、万能試験装置(テンシロン RTC−1150A、株式会社オリエンテック)を用いて測定した。すなわち、まず、上述の熱伝導率の測定と同様に、乾式プレス成形後に乾式加圧成形体10を外装袋30から取り出し、当該乾式加圧成形体10から寸法30mm×15mm×厚さ25mmの試験体を切り出した。次いで、この試験体のプレス面(30mm×15mm)に対して垂直方向に(すなわち、当該試験体の当該プレス面に垂直な表面(15mm×25mm)に対して)荷重を負荷した。
そして、試験体が破断したときの荷重(最大荷重)(N)を、荷重を負荷した表面(プレス面に垂直な表面)の面積(m)で除した値を圧縮強度(MPa)として評価した。
[巻き付け施工試験]
湾曲した表面への施工における断熱材1の適性を評価するため、図7に示すような巻き付け施工試験を行った。すなわち、まず、断熱材1を施工する構造物として、直径が500mmの鉄製の円筒体50を準備した。
次いで、図7に示すように、断熱材1を、その長手方向に湾曲させながら、円筒体50の外周面51(円筒側面)に巻き付けた。巻き付けられた断熱材1は、不図示のポリプロピレン製バンドで締め付けて固定した。
そして、円筒体50の外周面51に対する断熱材1の巻き付け性(フィッティング性)を目視で評価した。
[評価結果]
図8には、7種類の断熱材1のそれぞれについて、乾式加圧成形体10におけるシリカ微粒子、炭化珪素及びガラス繊維の含有量(質量%)と、当該乾式加圧成形体10の熱伝導率(W/(m・K))及び圧縮強度(MPa)と、当該断熱材1の巻き付け性及び総合評価と、を示す。
なお、図8の「熱伝導率」欄、「圧縮強度」欄及び「巻き付け性」欄において、二重丸印(◎)は特性が極めて優れていたことを示し、丸印(○)は特性が優れていたことを示し、三角印(△)は特性が実用上は十分であったことを示し、バツ印(×)は特性が不十分であったことを示している。
また、「総合評価」欄において、丸印(○)は断熱材1の特性が総合的に優れていたことを示し、三角印(△)は断熱材1の特性が総合的に実用上は十分であったことを示し、バツ印(×)は断熱材1の特性が総合的に不十分であったことを示している。
図8に示すように、乾式加圧成形体10におけるシリカ微粒子の含有量が65質量%の場合には、圧縮強度が不十分で、且つ断熱材1と円筒体50との間に隙間が形成される等、巻き付け性も不十分であり、その結果、総合的に特性が不十分と評価された。
また、乾式加圧成形体10における炭化珪素の含有量が0質量%及び5質量%の場合には、当該乾式加圧成形体10の熱伝導率が大きく断熱性が不十分であり、その結果、総合的に特性が不十分と評価された。
これらに対し、乾式加圧成形体10におけるシリカ微粒子の含有量が70〜85質量%及び炭化珪素の含有量が10〜25質量%の場合には、当該乾式加圧成形体10の熱伝導率が小さく断熱性は十分であり、且つ圧縮強度が大きく強度も十分である上に、断熱材1と円筒体50との間にはほとんど隙間が形成されず、巻き付け性も良好であった。その結果、この場合の断熱材1の特性は総合的に実用上、十分なものと評価された。
このように、乾式加圧成形体10におけるシリカ微粒子、炭化珪素及び補強繊維の含有量を特定の範囲とすることによって、断熱性、強度及び柔軟性の全てを十分に兼ね備えた断熱材1を実現できることが確認された。
[断熱材の製造]
上述の実施例1と同様に、シリカ微粒子75質量%、炭化珪素20質量%及びガラス繊維5質量%を含み結合剤を含まない板状の乾式加圧成形体10からなる基材と、ガラス繊維糸で縫合された折返し部31及び中間部32を有するガラス繊維製の外装袋30と、を有し、厚さが10mm、15mm又は20mmの3種類の断熱材1を製造した。
[巻き付け施工試験]
上述の実施例1と同様に、直径が400mm、500mm又は600mmの3種類の鉄製の円筒体50のそれぞれに、断熱材1を巻き付けた。そして、上述の実施例1と同様に、円筒体50の外周面51に対する断熱材1の巻き付け性(フィッティング性)を目視で評価した。
さらに、断熱材1を円筒体50から取り外し、その外装袋30をカッターで切断して基材(乾式加圧成形体10)を露出させ、当該基材の状態を目視で観察した。
また、比較の対象として、シリカ微粒子60〜65質量%、チタニア30〜35質量%及びアルミナ繊維2〜3質量%を含む板状の成形体からなる基材と、当該成形体を収容するガラス繊維製の外装袋と、を有し、厚さが10mm、15mm又は20mmの3種類の市販の断熱材(マイクロサームパネル、日本マイクロサーム株式会社製)についても、同様の巻き付け施工試験を行った。なお、この市販の断熱材の外装袋の外周端部は折返されることなく縫合され、当該外周端部には成形体を囲むように一重の縫目のみが形成されていた。
[評価結果]
図9には、3種類の断熱材1(図9に示す「実施例」)及び3種類の市販断熱材(図9に示す「比較例」)のそれぞれについて、3種類の円筒体50を使用した巻き付け施工試験において、当該断熱材の巻き付け性と、取り外し後の基材の状態と、を評価した結果を示す。
なお、図9の「巻き付け性(フィッティング性)」欄において、二重丸印(◎)は、断熱材が円筒体50の外周面51に沿って隙間なく配置され、巻き付け性が極めて優れていたことを示し、丸印(○)は、断熱材と円筒体50の外周面51との間に僅かな隙間が形成されていたが巻き付け性は優れていたことを示し、三角印(△)は、断熱材と円筒体50の外周面51との間に隙間は形成されていたが巻き付け性は実用上は十分であったことを示し、バツ印(×)は、断熱材と円筒体50の外周面51との間に大きな隙間が形成されて巻き付け性は不十分であったことを示している。
また、「取り外し後の基材の状態」欄において、二重丸印(◎)は、基材に亀裂等の不具合は全く生じておらず、巻き付け施工後の状態は極めて良好であったことを示し、丸印(○)は、基材に僅かな亀裂は認められたものの、巻き付け施工後の状態は良好であったことを示し、三角印(△)は、基材の一部が崩壊しており、巻き付け施工後の状態は不良であったことを示し、バツ印(×)は、基材の大部分が崩壊しており、巻き付け施工後の状態は極めて不良であったことを示している。
図9に示すように、比較例に係る3種類の市販の断熱材は、いずれも巻き付け施工後の基材の一部又は大部分が崩壊していた。このような基材の崩壊は、断熱性の著しい低下や発塵等の不具合をもたらすものである。
これに対し、実施例に係る3種類の断熱材1は、いずれも巻き付け性及び巻き付け施工後の基材の状態が良好であった。すなわち、これらの断熱材1は、構造物の表面に沿って湾曲して施工された場合であっても、断熱性の低下や発塵等の不具合を生じることなく、優れた断熱性を発揮できることが確認された。
1 断熱材、10 乾式加圧成形体、20 被覆材、21 外周端部、21a 上外周端部、21b 下外周端部、30 外装袋、31 折返し部、31a 第一折返し部、31b 第二折返し部、31c 第三折返し部、32 中間部、32a 第一中間部、32b 第二中間部、32c 第三中間部、40 外側縫目、40a 第一外側縫目、40b 第二外側縫目、40c 第三外側縫目、41 内側縫目、41a 第一内側縫目、41b 第二内側縫目、41c 第三内側縫目、50 円筒体 51 外周面。

Claims (11)

  1. 平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を2質量%以上、20質量%以下含む板状の乾式加圧成形体と、
    繊維製の被覆材で形成され前記乾式加圧成形体を収容する外装袋と、
    を有する
    ことを特徴とする断熱材。
  2. 前記外装袋は、
    前記被覆材の外周端部を折返して縫合することにより形成された折返し部と、
    前記被覆材の前記乾式加圧成形体と前記折返し部との間の部分を縫合して形成された中間部と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載された断熱材。
  3. 前記被覆材は無機繊維糸で縫合されている
    ことを特徴とする請求項2に記載された断熱材。
  4. 前記無機繊維糸は、ガラス繊維糸、セラミックス繊維糸及び金属繊維糸からなる群より選択される1種以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載された断熱材。
  5. 前記被覆材は、無機繊維製である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載された断熱材。
  6. 前記金属酸化物微粒子は、シリカ微粒子及び/又はアルミナ微粒子である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された断熱材。
  7. 前記輻射散乱材は、炭化珪素である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載された断熱材。
  8. 結合剤を含まない
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載された断熱材。
  9. 厚さが30mm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載された断熱材。
  10. 乾式加圧成形体と、前記乾式加圧成形体を収容する外装袋と、を有する断熱材を製造する方法であって、
    平均粒径が50nm以下の金属酸化物微粒子を65質量%超、90質量%未満、輻射散乱材を5質量%超、30質量%未満及び補強繊維を2質量%以上、20質量%以下含む原料粉体を、繊維製の被覆材で形成された前記外装袋に充填し、前記外装袋内の前記原料粉体を乾式加圧成形して前記乾式加圧成形体を形成することを含む
    ことを特徴とする断熱材の製造方法。
  11. 前記被覆材の外周端部を折返して縫合することにより前記外装袋の折返し部を形成するとともに、前記被覆材の前記乾式加圧成形体と前記折返し部との間の部分を縫合することをさらに含む
    ことを特徴とする請求項10に記載された断熱材の製造方法。
JP2011006475A 2011-01-14 2011-01-14 断熱材及びその製造方法 Active JP5438695B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006475A JP5438695B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 断熱材及びその製造方法
PCT/JP2011/079567 WO2012096110A1 (ja) 2011-01-14 2011-12-20 断熱材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006475A JP5438695B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 断熱材及びその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012149658A true JP2012149658A (ja) 2012-08-09
JP2012149658A5 JP2012149658A5 (ja) 2013-02-07
JP5438695B2 JP5438695B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=46507022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011006475A Active JP5438695B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 断熱材及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5438695B2 (ja)
WO (1) WO2012096110A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014091665A1 (ja) * 2012-12-11 2014-06-19 ニチアス株式会社 断熱材及びその製造方法
JP2015143532A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 ニチアス株式会社 断熱材及びその製造方法
JP5863917B1 (ja) * 2014-09-22 2016-02-17 ニチアス株式会社 耐火構造及びその使用方法
CN109973760A (zh) * 2018-05-11 2019-07-05 上海邦季新材料有限公司 真空隔热板用玻璃纤维芯材的制备方法
JP2022066243A (ja) * 2019-08-27 2022-04-28 イビデン株式会社 組電池用断熱シート及び組電池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5140088B1 (ja) * 1970-06-10 1976-11-01
JPH09217890A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Micropore Internatl Ltd フレキシブル熱絶縁パネル及びその製造方法
US20040123905A1 (en) * 2002-12-30 2004-07-01 Petschek Eric Bradley Thermal cover for backflow prevention assemblies
JP2008164078A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Nichias Corp 改質器用断熱材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5140088B1 (ja) * 1970-06-10 1976-11-01
JPH09217890A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Micropore Internatl Ltd フレキシブル熱絶縁パネル及びその製造方法
US20040123905A1 (en) * 2002-12-30 2004-07-01 Petschek Eric Bradley Thermal cover for backflow prevention assemblies
JP2008164078A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Nichias Corp 改質器用断熱材

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014091665A1 (ja) * 2012-12-11 2014-06-19 ニチアス株式会社 断熱材及びその製造方法
US10253917B2 (en) 2012-12-11 2019-04-09 Nichias Corporation Insulation material and method of manufacturing same
JP2015143532A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 ニチアス株式会社 断熱材及びその製造方法
JP5863917B1 (ja) * 2014-09-22 2016-02-17 ニチアス株式会社 耐火構造及びその使用方法
WO2016047041A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 ニチアス株式会社 耐火構造及びその使用方法
US11077641B2 (en) 2014-09-22 2021-08-03 Nichias Corporation Fireproof construction and method for using same
CN109973760A (zh) * 2018-05-11 2019-07-05 上海邦季新材料有限公司 真空隔热板用玻璃纤维芯材的制备方法
JP2022066243A (ja) * 2019-08-27 2022-04-28 イビデン株式会社 組電池用断熱シート及び組電池
JP7164742B2 (ja) 2019-08-27 2022-11-01 イビデン株式会社 組電池用断熱シート及び組電池
JP7414928B2 (ja) 2019-08-27 2024-01-16 イビデン株式会社 組電池用断熱シートの製造方法及び組電池の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5438695B2 (ja) 2014-03-12
WO2012096110A1 (ja) 2012-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5438695B2 (ja) 断熱材及びその製造方法
CN101910702B (zh) 真空隔热材料用芯部材料、真空隔热材料以及制造方法
US9321243B2 (en) Multi-layer thermal insulation composite
JP6018307B2 (ja) 膨張パーライトを用いた無機質パウダー断熱材の製造方法
WO2016047041A1 (ja) 耐火構造及びその使用方法
JP2012182135A (ja) エーロゲルと繊維バットの複合材料
JP5169531B2 (ja) 真空断熱材
KR20090017645A (ko) 진공 단열재
US20020058451A1 (en) Bedding mat for supporting an exhaust gas catalyst
CN109455316B (zh) 一种柔性热防护结构
US20090269254A1 (en) Holding sealing material, method for manufacturing holding sealing material, and exhaust gas purifying apparatus
JP6014759B2 (ja) アニール処理されたバインダレスガラス繊維を含む真空断熱材
JP2009249780A (ja) 耐熱性断熱材
WO2010109894A1 (ja) 真空断熱材用芯材、真空断熱材、および、これらの製造方法
JP6057515B2 (ja) 筒状断熱材及びこれを装着した機器
JP2011241820A (ja) 保持シール材、該保持シール材を用いた被巻着体への巻き付け方法及び排ガス浄化装置
JP6355790B1 (ja) 耐火断熱シート
JP2009264187A (ja) 保持シール材、保持シール材の製造方法及び排ガス浄化装置
JP6418733B2 (ja) 断熱ユニット、断熱ユニットの製造方法および加熱炉
KR102408138B1 (ko) 세라믹 페이퍼 및 이의 제조방법
JP5794619B2 (ja) 筒状断熱材およびこれを用いた熱機器
RU2611942C2 (ru) Многослойный комбинированный теплоизоляционный пожарозащитный материал
CN206067083U (zh) 一种石英玻璃纤维保温毯
CN105342040B (zh) 一种用于电力设备检修的防静电手套
JP6444375B2 (ja) 有機合成繊維を含む真空断熱材用芯材、およびそれを含む真空断熱材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5438695

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250