JP2012148912A - ヘリウムガスの精製方法および精製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不純物として少なくとも水素、一酸化炭素、および空気由来の窒素と酸素を含有するヘリウムガスを精製する際に、ヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和が酸素モル濃度の2倍以下である場合は、2倍を超えるように水素濃度調節装置3により水素を添加する。反応器4において、不純物の中の水素および一酸化炭素を金属酸化物触媒と反応させることで二酸化炭素、水および金属を生成すると共に、その生成された金属を不純物の中の酸素と反応させることで金属酸化物触媒を再生する。しかる後に、ヘリウムガスにおける少なくとも二酸化炭素、水、および窒素を、吸着装置7によりゼオライト系吸着剤を用いて圧力スイング吸着法によって吸着する。
【選択図】図1
Description
本発明によれば、ヘリウムガスに不純物として含まれる一酸化炭素および水素を、高価な白金族元素や金を触媒として用いることなく、安価な金属酸化物触媒と反応させることで除去できる。また、ヘリウムガスに不純物として含まれる酸素を、金属酸化物触媒を再生するために用いることで除去できる。この際、ヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和が酸素モル濃度の2倍以下である場合は、2倍を超えるように水素を添加すれば酸素が残留することは実質的にない。これにより、ヘリウムガスにおける主な不純物は窒素、二酸化炭素および水となるので、圧力スイング吸着法によりゼオライト系吸着剤に吸着できる。
本発明装置によれば本発明方法を実施できる。
精製対象のヘリウムガスは、ヘリウム(He)の他に不純物として少なくも水素(H2 )、一酸化炭素(CO)、および空気由来の窒素(N2 )と酸素(O2 )を含有するが、さらに他の微量の不純物を含有していてもよい。例えば、光ファイバーの線引き工程での使用後に大気中に放散されたヘリウムガスを回収した場合、線引き工程において混入する水素および一酸化炭素と、回収時に混入する空気由来の窒素および酸素以外に、その空気由来の二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素、水素、炭化水素等の無視できる程の微量の不純物がヘリウムガスに含有される。
なお、精製対象のヘリウムガスは、空気が混入した場合はアルゴン(Ar)を含有するが、空気中のアルゴンの含有率は酸素と窒素に比べて低く、また、精製されたヘリウムガスの用途が不活性ガスとしての特性を利用するものである場合はアルゴンにより代替えできることから、アルゴンは不純物として捉えることなく無視してよい。精製されるヘリウムガスにおける不純物の濃度は特に限定されず、例えば1モル%〜60モル%程度とされる。
濃度測定器3aは、反応器4に導入されるヘリウムガスにおける酸素モル濃度、水素モル濃度、一酸化炭素モル濃度を測定し、その測定信号をコントローラ3dに送る。コントローラ3dは、ヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和が酸素モル濃度の2倍を超えるようにするのに必要な水素量に対応する制御信号を水素量調整器3cに送る。水素量調整器3cは、水素供給源3bから反応器4へ到る流路を、制御信号に応じた量の水素が供給されるように開度調整する。
水素を添加する必要がない場合、水素供給源3bから反応器4へ到る流路は閉じられる。
これにより、反応器4における精製対象のヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和は酸素モル濃度の2倍を超える値とされる。
水素濃度調節装置5によるヘリウムガスへの水素の添加により、ヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和を酸素モル濃度の2.05倍〜2.10倍の値にするのが好ましく、2.05倍以上とすることで酸素を確実に低減でき、2.10倍以下とすることでヘリウムガスにおける水素濃度が必要以上に高くなることはない。
なお、ヘリウムガスに可燃成分として炭化水素が含まれる場合、酸素と反応して二酸化炭素と水を生成するが、炭化水素のモル濃度は通常は数モルppm程度と無視できる程に微量であるので、一酸化炭素モル濃度と水素モル濃度との和が酸素モル濃度の2倍を超えるように水素添加量を調整すればよい。
H2 +CuO→Cu+H2 O…(1)
CO+CuO→Cu+CO2 …(2)
O2 +2Cu→2CuO…(3)
圧縮機12は、各吸着塔13の入口13aに切替バルブ13bを介して接続される。吸着塔13の入口13aそれぞれは、切替バルブ13eおよびサイレンサー13fを介して大気中に接続される。
吸着塔13の出口13kそれぞれは、切替バルブ13lを介して流出配管13mに接続され、切替バルブ13nを介して昇圧配管13oに接続され、切替バルブ13pを介して均圧・洗浄出側配管13qに接続され、流量制御バルブ13rを介して均圧・洗浄入側配管13sに接続される。
流出配管13mは、圧力調節バルブ13tを介してTSAユニット20に接続され、TSAユニット20に導入されるヘリウムガスの圧力が一定とされる。
昇圧配管13oは、流量制御バルブ13u、流量指示調節計13vを介して流出配管13mに接続され、昇圧配管13oでの流量が一定に調節されることにより、TSAユニット20に導入されるヘリウムガスの流量変動が防止される。
均圧・洗浄出側配管13qと均圧・洗浄入側配管13sは、一対の連結配管13wを介して互いに接続され、各連結配管13wに切替バルブ13xが設けられている。
すなわち、第1吸着塔13において切替バルブ13bと切替バルブ13lのみが開かれ、導入されたヘリウムガスは圧縮機12から切替バルブ13bを介して第1吸着塔13に導入される。これにより、第1吸着塔13において導入されたヘリウムガス中の少なくとも二酸化炭素、水分および窒素の大半が吸着剤に吸着されることで吸着工程が行われ、不純物の含有率が低減されたヘリウムガスが第1吸着塔13から流出配管13mを介してTSAユニット20に送られる。この際、流出配管13mに送られたヘリウムガスの一部は、昇圧配管13o、流量制御バルブ13uを介して別の吸着塔(本実施形態では第2吸着塔13)に送られ、第2吸着塔13において昇圧II工程が行われる。
次に、第1吸着塔13の切替バルブ13b、13lを閉じ、切替バルブ13pを開き、別の吸着塔(本実施形態では第4吸着塔13)の流量制御バルブ13rを開き、切替バルブ13xの中の1つを開く。これにより、第1吸着塔13の上部の比較的不純物含有率の少ないヘリウムガスが、均圧・洗浄入側配管13sを介して第4吸着塔13に送られ、第1吸着塔13において減圧I工程が行われる。この際、第4吸着塔13においては切替バルブ13eが開かれ、洗浄工程が行われる。
次に、第1吸着塔13の切替バルブ13pと第4吸着塔13の流量制御バルブ13rを開いたまま、第4吸着塔13の切替バルブ13eを閉じることで、第1吸着塔13と第4吸着塔13の間において内部圧力が相互に均一、またはほぼ均一になるまで第4吸着塔13にガスの回収を実施する減圧II工程が行われる。この際、切替バルブ13xは場合に応じ2つとも開けてもよい。
次に、第1吸着塔13の切替バルブ13eを開き、切替バルブ13pを閉じることにより、吸着剤から不純物を脱着する脱着工程が行われ、不純物はガスと共にサイレンサー13fを介して大気中に放出される。
次に、第1吸着塔13の流量制御バルブ13rを開き、吸着工程を終わった状態の第2吸着塔13の切替バルブ13b、13lを閉じ、切替バルブ13pを開く。これにより、第2吸着塔13の上部の比較的不純物含有率の少ないヘリウムガスが、均圧・洗浄入側配管13sを介して第1吸着塔13に送られ、第1吸着塔13において洗浄工程が行われる。第1吸着塔13において洗浄工程で用いられたガスは、切替バルブ13e、サイレンサー13fを介して大気中に放出される。この際、第2吸着塔13では減圧I工程が行われる。次に第2吸着塔13の切替バルブ13pと第1吸着塔13の流量制御バルブ13rを開いたまま第1吸着塔13の切替バルブ13eを閉じることで昇圧I工程が行われる。この際、切替バルブ13xは場合に応じ2つとも開いてもよい。
しかる後に、第1吸着塔13の流量制御バルブ13rを閉じて一旦、工程の無い待機状態になる。これは、第4吸着塔13の昇圧II工程が完了するまで持続する。第4吸着塔13の昇圧が完了して、吸着工程が第3吸着塔13から第4吸着塔13に切り替わると、第1吸着塔の切替バルブ13nを開き、吸着工程にある別の吸着塔(本実施形態では第4吸着塔13)から流出配管13mに送られたヘリウムガスの一部が、昇圧配管13o、流量制御バルブ13uを介して第1吸着塔13に送られることで、第1吸着塔13において昇圧II工程が行われる。
上記の各工程が第1〜第4吸着塔13それぞれにおいて順次繰り返されることで、不純物含有率を低減されたヘリウムガスがTSAユニット20に連続して送られる。
なお、PSAユニット10は図2に示すものに限定されず、例えば塔数は4以外、例えば2でも3でもよい。
冷却器22は、各吸着塔23の入口23aに開閉バルブ23bを介して接続される。
吸着塔23の入口23aそれぞれは、開閉バルブ23cを介して大気中に通じる。
吸着塔23の出口23eそれぞれは、開閉バルブ23fを介して流出配管23gに接続され、開閉バルブ23hを介して冷却・昇圧用配管23iに接続され、開閉バルブ23jを介して第2洗浄用配管23kに接続される。
流出配管23gは予冷器21の一部を構成し、流出配管23gから流出する精製されたヘリウムガスによりPSAユニット10から送られてくるヘリウムガスが冷却される。流出配管23gから精製されたヘリウムガスが一次側圧力制御バルブ23lを介し流出される。
冷却・昇圧用配管23i、洗浄用配管23kは、流量計23m、流量制御バルブ23o、開閉バルブ23nを介して流出配管23gに接続される。
熱交換部24は多管式とされ、吸着塔23を構成する多数の内管を囲む外管24a、冷媒供給源24b、冷媒用ラジエタ24c、熱媒供給源24d、熱媒用ラジエタ24eで構成される。また、冷媒供給源24bから供給される冷媒を外管24a、冷媒用ラジエタ24cを介して循環させる状態と、熱媒供給源24dから供給される熱媒を外管24a、熱媒用ラジエタ24eを介して循環させる状態とに切り換えるための複数の開閉バルブ24fが設けられている。さらに、冷媒用ラジエタ24cから分岐する配管により冷却器22の一部が構成され、冷媒供給源24bから供給される冷媒によりヘリウムガスが冷却器22において冷却され、その冷媒はタンク24gに還流される。
すなわち、TSAユニット20において、PSAユニット10から供給されるヘリウムガスは予冷器21、冷却器22において冷却された後に、開閉バルブ23bを介して第1吸着塔23に導入される。この際、第1吸着塔23は熱交換部24において冷媒が循環することで−10℃〜−50℃に冷却される状態とされ、開閉バルブ23c、23h、23jは閉じられ、開閉バルブ23fは開かれ、ヘリウムガスに含有される少なくとも窒素は吸着剤に吸着される。これにより、第1吸着塔23において吸着工程が行われ、不純物の含有率が低減された精製ヘリウムガスが第1吸着塔23から一次側圧力制御バルブ23lを介して流出される。
第1吸着塔23において吸着工程が行われている間に、第2吸着塔23において脱着工程、洗浄工程、冷却工程、昇圧工程が進行する。
すなわち第2吸着塔23においては、吸着工程が終了した後、脱着工程を実施するため、開閉バルブ23b、23fが閉じられ、開閉バルブ23cが開かれる。これにより第2吸着塔23においては、不純物を含んだヘリウムガスが大気中に放出され、圧力がほぼ大気圧まで低下される。この脱着工程においては、第2吸着塔23で吸着工程時に冷媒を循環させていた熱交換部24の開閉バルブ24fを閉状態に切り替えて冷媒の循環を停止させ、冷媒を熱交換部24から抜き出して冷媒供給源24bに戻す開閉バルブ24fを開状態に切り替える。
次に、第2吸着塔23において洗浄工程を実施するため、第2吸着塔23の開閉バルブ23c、23jと洗浄用配管23kの開閉バルブ23nが開状態とされ、熱交換型予冷器21における熱交換により加熱された精製ヘリウムガスの一部が、洗浄用配管23kを介して第2吸着塔23に導入される。これにより第2吸着塔23においては、吸着剤からの不純物の脱着と精製ヘリウムガスによる洗浄が実施され、その洗浄に用いられたヘリウムガスは開閉バルブ23cから不純物と共に大気中に放出される。この洗浄工程においては、第2吸着塔23で熱媒を循環させるための熱交換部24の開閉バルブ24fを開状態に切り替える。
次に、第2吸着塔23において冷却工程を実施するため、第2吸着塔23の開閉バルブ23jと洗浄用配管23kの開閉バルブ23nが閉状態とされ、第2吸着塔23の開閉バルブ23hと冷却・昇圧用配管23iの開閉バルブ23nが開状態とされ、第1吸着塔23から流出する精製ヘリウムガスの一部が冷却・昇圧用配管23iを介して第2吸着塔23に導入される。これにより、第2吸着塔23内を冷却した精製ヘリウムガスは開閉バルブ23cを介して大気中に放出される。この冷却工程においては、熱媒を循環させるための開閉バルブを24fを閉じ状態に切り替えて熱媒循環を停止させ、熱媒を熱交換部24から抜き出して熱媒供給源24dに戻す開閉バルブ24fを開状態に切り替える。熱媒の抜き出しの終了後に、第2吸着塔23で冷媒を循環させるための熱交換部24の開閉バルブ24fを開状態に切り替え、冷媒循環状態とする。この冷媒循環状態は、次の昇圧工程、それに続く吸着工程の終了まで継続する。
次に、第2吸着塔23において昇圧工程を実施するため、第2吸着塔23の開閉バルブ23cが閉じられ、第1吸着塔23から流出する精製ヘリウムガスの一部が導入されることで第2吸着塔23の内部が昇圧される。この昇圧工程は、第2吸着塔23の内圧が第1吸着塔23の内圧とほぼ等しくなるまで継続される。昇圧工程が終了すれば、第2吸着塔23の開閉バルブ23hと冷却・昇圧用配管23iの開閉バルブ23nが閉じられ、これによって第2吸着塔23の全ての開閉バルブ23b、23c、23f、23h、23jが閉じた状態となり、第2吸着塔23は次の吸着工程まで待機状態になる。
第2吸着塔23の吸着工程は第1吸着塔23の吸着工程と同様に実施される。第2吸着塔23において吸着工程が行われている間に、第1吸着塔23において脱着工程、洗浄工程、冷却工程、昇圧工程が第2吸着塔23におけると同様に進行される。
なお、TSAユニット20は図3に示すものに限定されず、例えば塔数は2以上、例えば3でも4でもよい。
そのヘリウムガスを標準状態で3.75L/minの流量で反応器4に導入した。反応器4には、アルミナ担持の酸化銅- 酸化亜鉛触媒(ズードケミー触媒(株)のMDC−3)を45mL充填し、反応条件は温度280℃、大気圧、空間速度3000/hとした。
ヘリウムガスへの添加水素は標準状態で0. 456L/ minの流量で反応器4に導入した。
脱水装置5として加熱再生式脱水装置を用い、反応器4から流出するヘリウムガスから水分を除去する脱水操作を行い、ヘリウムガスの水分含有率を90モルppmまで低減した。
脱水装置5から流出するヘリウムガスを冷却器6で冷却後に、吸着装置7により不純物の含有率を低減した。
PSAユニット10は4塔式とし、各塔に吸着剤としてゼオライトモレキュラシーブ(UOP製のCaA)を1.25L充填した。吸着圧力は0.9MPa、脱着圧力は0.1MPaとした。サイクルタイムは100秒とした。
PSAユニット10により精製されたヘリウムガスをTSAユニット20に導入した。TSAユニット20は2塔式とし、各塔に吸着剤としてCaX型ゼオライトを1.5L充填し、吸着圧力は0.8MPa、吸着温度は−35℃、脱着圧力は0.1MPa、脱着温度は40℃とした。
TSAユニット20から流出する精製されたヘリウムガスの組成を以下の表1に示す。精製対象のヘリウムガスが含有するアルゴンを無視することから、表1におけるヘリウム純度はアルゴンを除いて求めた純度である。
精製されたヘリウムガスの酸素濃度はTeledyne社製微量酸素濃度計型式311を用いて測定した。メタン濃度は島津製作所製GC−FIDを用いて測定し、一酸化炭素および二酸化炭素の濃度は同じく島津製作所製をGC−FID用いてメタナイザーを介して測定した。水素濃度についてはGLscience社製GC−PIDを用いて測定し、窒素濃度は島津製作所製GC−PDDを用いて測定した。水分は、GEセンシング・ジャパン社製の露点計DEWMET−2を用いて測定した。
なお、PSAユニット10の出口でのヘリウムガスにおける不純物の組成は、酸素1モルppm未満、窒素110モルppm、水素1モルppm未満、一酸化炭素1モルppm未満、二酸化炭素1モルppm未満、メタン1モルppm未満、水1モルppm未満であった。
なお、精製対象のヘリウムガスが多量で長時間に渡り吸着を行う場合、PSAユニット10の水分吸着負荷が高いと吸着剤の再生に支障をきたす。例えば、脱水装置5を無くした以外は実施例1と同様とした条件下においては、吸着時間が短かければヘリウムガスの精製に問題はないが、吸着時間が20時間になるとPSAユニット10の出口ガスにおけるCO2 が280モルppm、水分露点計による計測温度が20℃以上(水分0.6%)となり、PSAユニット10の出口での水分過多によりTSAユニット20での精製が不能となった。よって、精製対象のヘリウムガスが多量で長時間に渡り吸着を行う場合は、上記実施形態のように脱水装置による脱水を行い、及び/又は、PSAユニット10においてゼオライト系吸着剤よりも水分吸着能が高い吸着剤を、圧力スイング吸着法による吸着に際してゼオライト系吸着剤と共に用いるのが好ましい。
Claims (5)
- 不純物として少なくとも水素、一酸化炭素、および空気由来の窒素と酸素を含有するヘリウムガスを精製するに際し、
前記ヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和が酸素モル濃度の2倍以下である場合は、2倍を超えるように水素を添加し、
次に、前記ヘリウムガスにおける水素および一酸化炭素を金属酸化物触媒と反応させることで二酸化炭素、水および金属を生成すると共に、その生成された金属を前記ヘリウムガスにおける酸素と反応させることで金属酸化物触媒を再生し、
しかる後に、前記ヘリウムガスにおける少なくとも二酸化炭素、水、および窒素を、ゼオライト系吸着剤を用いて圧力スイング吸着法によって吸着するヘリウムガスの精製方法。 - 二酸化炭素と水を生成する前記反応後であって、圧力スイング吸着法による前記吸着前に、前記ヘリウムガスの水分含有率を脱水操作により低減する請求項1に記載のヘリウムガスの精製方法。
- 前記ゼオライト系吸着剤よりも水分吸着能が高い吸着剤を、前記圧力スイング吸着法による吸着に際して前記ゼオライト系吸着剤と共に用いる請求項1または2に記載のヘリウムガスの精製方法。
- 前記圧力スイング吸着法による吸着後に、前記ヘリウムガスにおける少なくとも窒素を、吸着剤を用いて−10℃〜−50℃でのサーマルスイング吸着法により吸着する請求項1〜3の中の何れか1項に記載のヘリウムガスの精製方法。
- 不純物として少なくとも水素、一酸化炭素、および空気由来の窒素と酸素を含有するヘリウムガスを精製する装置であって、
前記ヘリウムガスが導入される反応器と、
前記反応器に導入される前記ヘリウムガスにおける水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度との和が酸素モル濃度の2倍以下である場合は、2倍を超えるように水素を添加する水素濃度調節装置と、
前記反応器に接続される吸着装置とを備え、
前記ヘリウムガスにおける水素および一酸化炭素と反応して二酸化炭素、水、および金属を生成すると共に、その生成された金属が前記ヘリウムガスにおける酸素と反応することで再生する金属酸化物触媒が、前記反応器に充填され、
前記吸着装置は、前記ヘリウムガスにおける少なくとも二酸化炭素、水、および窒素を、ゼオライト系吸着剤を用いた圧力スイング吸着法により吸着するPSAユニットを有することを特徴とするヘリウムガスの精製装置。
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