JP2012148020A - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘッド部2の植毛面20に、複数の用毛を束ねた毛束32が植設された歯ブラシ1において、前記ヘッド部2には、前記植毛面20に立設された台座部12と、該台座部12上に形成された複数の突起部14とを備える弾性部材10が設けられていることよりなる。前記植毛面20には、複数の毛束32からなる毛束群30が形成され、前記弾性部材10は、前記ヘッド部2の幅方向で、前記毛束群30を挟んで設けられていることが好ましく、前記弾性部材10は、前記毛束32よりも、植毛面20上の高さが低いことが好ましい。
【選択図】図1
Description
マッサージャーを設けた歯ブラシとしては、例えば、植毛の一番外側の両横に弾力性を有するゴム質性の円柱形棒状を設けた歯ぐき磨き棒付歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、毛束で口腔内を清掃する際に、ゴム質性の円柱形棒状の部材で歯肉をマッサージできる。
このように、従来の技術では、歯肉のマッサージ効果と口腔内の清掃効果とを両立するのは困難であった。
そこで、清掃効果を損なうことなく、歯肉を効果的にマッサージできる歯ブラシを目的とする。
前記植毛面には、複数の毛束からなる毛束群が形成され、前記弾性部材は、前記ヘッド部の幅方向で、前記毛束群を挟んで設けられていることが好ましく、前記弾性部材は、前記毛束よりも、植毛面上の高さが低いことが好ましい。
本発明の歯ブラシによれば、前記植毛面には、複数の毛束からなる毛束群が形成され、前記弾性部材は、前記ヘッド部の幅方向で、前記毛束群を挟んで設けられているため、清掃効果をより高められる。
本発明の歯ブラシによれば、前記弾性部材は、前記毛束よりも、植毛面上の高さが低いため、清掃効果とマッサージ効果とをより高められる。
本発明の第一の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図1を参照して説明する。
図1に示す歯ブラシ1は、ヘッド部2と、ヘッド部2に延設された長尺状のハンドル部3とを備え、ヘッド部2の植毛面20に、毛束32と弾性部材10とが設けられたものである。
ハンドル体を構成する樹脂は、歯ブラシ1に求める剛性や機械特性等を勘案して決定でき、例えば、曲げ弾性率(JIS K7203)が500〜3000MPaの範囲にある高硬度樹脂が挙げられる。このような高硬度樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、ハンドル部3は、例えばエラストマー等の柔軟な樹脂が部分的又は全体に被覆されていてもよい。
これらの樹脂材料は、複数組み合わせて用いてもよく、中でも、容易にコシを強くでき、歯垢の掻き取り性がより高くなる点で、複数のポリエステルの混合物が好ましい。
また、用毛としては、芯部と該芯部の外側に設けられた少なくとも1層以上の鞘部とを有する多重芯構造を有するポリエステル製用毛が挙げられる。多重芯構造を有すると、芯部と鞘部とで異なるポリエステルを用いることができるため、機械的物性の調整が容易になる。このため、コシの強く、歯垢の掻き取り性がより高い用毛を容易に得ることができる。
また、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性等考慮して、太さの異なる複数本の用毛を任意に組み合わせて用いてもよい。
弾性部材10を構成する樹脂は、清掃時に適度に撓むものであればよく、例えば、軟質樹脂が挙げられる。軟質樹脂としては、硬さ(JISK6253硬さ試験、試験条件JIS A)が5〜100のものが好ましく、20〜60のものがより好ましい。硬さが5以上であれば、十分な弾性を有し、十分なマッサージ効果が得られ、硬さが100以下であれば、歯肉を傷つけることなく、かつ十分なマッサージ効果を得られるためである。
軟質樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、天然ゴム系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、トランス−ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
台座部12の長さl1、即ち平面視における台座部12の長手方向の長さは、弾性部材10に求める硬さや柔軟性を勘案して決定でき、例えば、5〜10mmが好ましく、6〜8mmがより好ましい。
台座部12の幅w1、即ち平面視における台座部12の短手方向の長さは、弾性部材10に求める硬さや柔軟性を勘案して決定でき、例えば、1〜5mmが好ましく、2〜4mmがより好ましい。
突起部14の幅r1、即ち、突起部14の基端の直径は、突起部14の材質等を勘案して決定でき、例えば、0.5〜1.2mmが好ましく、0.6〜1mmがより好ましい。上記範囲内であれば、強度と柔軟性とのバランスが良好である。
毛束32の先端を歯面に当接させ、歯ブラシ1を軸線O1方向に往復動させる。この際、毛束32が歯面又は歯間部の汚れを掻きとると共に、突起部14が歯肉に摺動する。突起部14が歯肉に摺動すると、その抵抗により突起部14又は台座部12が撓んだり、弾性復帰したりする。こうして、歯ブラシ1は、弾性部材10が適度な圧力で歯肉を押圧して、歯肉へのマッサージ効果を発揮すると共に、毛束32が歯面又は歯頸部を擦掃する。
本実施形態の弾性部材は、台座部上に突起部が形成されたものであるため、口腔内の清掃時には、主に突起部が歯肉に当接する。突起部は、直径が、台座部の幅及び長さより小さいため、突端に集中した力を歯肉に伝えると共に、しなやかに撓む。このため、歯肉に対し、ソフトな当たり心地で、マッサージ効果を与えることができる。
本実施形態によれば、毛束32は、弾性部材10で挟まれているため、ヘッド部2の幅方向への撓み具合が制限される。このため、毛束32は、数量が少なくても、強い毛腰を備え、清掃効果をより向上できる。
本発明の第二の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図2を参照して説明する。なお、第一の実施形態の歯ブラシ1と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
図2に示す歯ブラシ100は、ヘッド部2の植毛面20に毛束群30が形成され、毛束群30の両側に弾性部材110が設けられたものである。
本発明の第三の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図3を参照して説明する。なお、第一の実施形態の歯ブラシ1と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
図3に示す歯ブラシ200は、ヘッド部2の植毛面20に毛束群30が形成され、毛束群30の両側に弾性部材210が設けられたものである。
弾性部材210は、植毛面20上に立設された台座部212と、台座部212の天面に形成された複数の突起部14とを備えるものである。本実施形態において、台座部212は、軸線O1方向を長手とする平面視略楕円形の円柱形とされている。突起部14は、台座212の短手方向に2個、台座部212の長手方向に4個並んで形成されている。
本発明の第四の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図4を参照して説明する。なお、第一の実施形態の歯ブラシ1と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
図4に示す歯ブラシ300は、4個の弾性部材10と、この弾性部材10を囲むように18個の毛束32が設けられたものである。
毛束32は、4個の弾性部材10を囲むように、ヘッド部2の周縁に沿って設けられている。
本発明の第五の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図5を参照して説明する。なお、第一の実施形態の歯ブラシ1と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
本発明の第六の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図6を参照して説明する。
なお、第一の実施形態の歯ブラシ1と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
図6に示す歯ブラシ500は、ヘッド部2に、毛束群30と、弾性部材510とが設けられたものである。
弾性部材510は、平面視略真円形の円柱形の台座部512と、台座部512の天面に形成された突起部14とを備えるものであり、各台座部512には3個の突起部14が形成されている。
台座部512の直径R1は、ヘッド部2の大きさ等を勘案して決定され、例えば、1〜3mmとされる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
第一〜第六の実施形態では、台座部が平面視略楕円形又は平面視略真円形の略円柱形とされているが、本発明は、これに限定されず、台座部が平面視略四角形等の角柱形とされていてもよい。
第五の実施形態では、第二の毛束連が、2個の毛束により形成されているが、本発明はこれに限定されず、第二の毛束連が1個の毛束で形成されていてもよいし、3個以上の毛束で形成されていてもよい。
表1に記載の仕様に従い、図1の歯ブラシ1と同様の歯ブラシを作製した。この歯ブラシは、ハンドル体がPP製、弾性部材がスチレン系エラストマー製、用毛がナイロン製とされたものである。得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「楕円柱」、弾性部材の配置を「両側各2」と記載した。
図2の歯ブラシ100と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「楕円柱」、弾性部材の配置を「両側各1」と記載した。
図3の歯ブラシ200と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「楕円柱」、弾性部材の配置を「両側各3」と記載した。
図4の歯ブラシ300と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「楕円柱」、弾性部材の配置を「中央縦列」と記載した。
図5の歯ブラシ400と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「楕円柱」、弾性部材の配置を「中央並列」と記載した。
図6の歯ブラシ500と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「真円柱」、弾性部材の配置を「両側各5」と記載した。
図7に示す歯ブラシ600と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。歯ブラシ600は、歯ブラシ1(図1)の弾性部材10が、突起部が形成されていない弾性部材610に換えられたものである。弾性部材610の高さh6は、植毛面20から弾性部材610の上端までの高さであり、弾性部材610の長さl4は、弾性部材610の長手方向の長さである。弾性部材610の幅w2は、弾性部材610の短手方向の長さである。
得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「楕円柱」、弾性部材の配置を「両側各2」と記載した。
図8に示す歯ブラシ700と同様の歯ブラシとした以外は、実施例6と同様にして歯ブラシを得た。歯ブラシ700は、歯ブラシ500(図6)の弾性部材510が、上端に向かうに従い縮径する略円柱形の弾性部材710に換えられたものである。弾性部材710の高さh7は、植毛面20から弾性部材710の上端までの高さであり、弾性部材710の幅R2は、弾性部材710の基端の直径である。
得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「真円柱」、弾性部材の配置を「両側各5」と記載した。
図9に示す歯ブラシ800と同様の歯ブラシとした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。歯ブラシ800は、歯ブラシ500(図6)の弾性部材510が、毛束32に換えられたものである。即ち、歯ブラシ800は、弾性部材が設けられていないものである。
得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。
表1の仕様に従い、実施例1と同様にして図10に示す歯ブラシ900と同様の歯ブラシを得た。歯ブラシ900は、歯ブラシ800(図9)の毛束32の全てが、上端に向かうに従い縮径する略円柱形の弾性部材710に換えられたものである。即ち、歯ブラシ900は、植毛面20に毛束が設けられていないものである。
得られた歯ブラシについて、清掃効果、当たり心地、マッサージ効果を評価し、その結果を表に示す。なお、表中には、台座部の形状を「真円柱」、弾性部材の配置を「全面」と記載した。
<清掃効果>
10人のモニターが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯頸部と歯面の清掃効果を下記評価基準で評価した。モニター10人の平均点が4.0点以上を「◎」、平均点3.0点以上4.0点未満を「○」、平均点2.0点以上3.0点未満を「△」、平均点2.0点未満を「×」とした。
5点:歯頸部及び歯面の汚れが落ちた感触を非常に感じる。
4点:歯頸部及び歯面の汚れが落ちた感触を強く感じる。
3点:歯頸部及び歯面の汚れが落ちた感触を感じる。
2点:歯頸部及び歯面の汚れが落ちた感触をあまり感じない。
1点:歯頸部及び歯面の汚れが落ちた感触を感じない。
10人のモニターが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯肉への当たり心地を下記評価基準で評価した。モニター10人の平均点が4.0点以上を「◎」、平均点3.0点以上4.0点未満を「○」、平均点2.0点以上3.0点未満を「△」、平均点2.0点未満を「×」とした。
5点:歯肉の痛みがなく、当たり心地が非常によい。
4点:歯肉の痛みがなく、当たり心地がとてもよい。
3点:歯肉の痛みがなく、当たり心地がよい。
2点:歯肉に弱い痛みを感じる。
1点:歯肉に強い痛みを感じる。
10人のモニターが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯肉へのマッサージ感を下記評価基準で評価した。モニター10人の平均点が4.0点以上を「◎」、平均点3.0点以上4.0点未満を「○」、平均点2.0点以上3.0点未満を「△」、平均点2.0点未満を「×」とした。
5点:マッサージ感を非常に感じる。
4点:マッサージ感を強く感じる。
3点:マッサージ感を感じる。
2点:マッサージ感をあまり感じない。
1点:マッサージ感を感じない。
一方、突起部が形成されていない楕円柱形の弾性部材を設けた比較例1は、当たり心地及びマッサージ効果が「△」であった。加えて、突起部が形成されていない略真円柱の弾性部材を設けた比較例2は、清掃効果及びマッサージ効果が「△」であった。
以上の結果から、本発明を適用した歯ブラシは、清掃効果を損なうことなく、歯肉を効果的にマッサージできることが判った。
2 ヘッド部
10、110、210、510 弾性部材
12、112、212、512 台座部
14 突起部
20 植毛面
21 先端
22 基端
30 毛束群
32 毛束
Claims (3)
- ヘッド部の植毛面に、複数の用毛を束ねた毛束が植設された歯ブラシにおいて、
前記ヘッド部には、前記植毛面に立設された台座部と、該台座部上に形成された複数の突起部とを備える弾性部材が設けられていることを特徴とする歯ブラシ。 - 前記植毛面には、複数の毛束からなる毛束群が形成され、
前記弾性部材は、前記ヘッド部の幅方向で、前記毛束群を挟んで設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の歯ブラシ。 - 前記弾性部材は、前記毛束よりも、植毛面上の高さが低いことを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
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