JP2012146759A - 冷却器及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱体を冷却する部位ごとに冷媒の流速を制御することにより、発熱体を効率よく冷却することができる冷却器、及びそれを用いた電力変換装置を提供すること。
【解決手段】インバータ装置10の筐体15に一体化された冷却器30において、冷媒を流すための冷媒流路34a,35aと、パワーモジュール11,12,13により開口が封止され、パワーモジュール11,12,13と冷媒との間で熱交換を行うための凹部31,32,33と、凹部31,32,33と冷媒通路34a,35aとを接続する接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oとを有し、接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口面積及び形状が、冷媒通路34aの入口からの距離に対応して変化している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電力変換装置に備わる発熱体を冷却するための冷却器、及びその冷却器を用いた電力変換装置に関する。
近年、電動機を駆動源として搭載したハイブリッド車両や電気自動車等の電動車両が普及してきた。このような電動車両には、電動機の他に、充放電可能なバッテリ、バッテリの直流電力を電動機駆動用の三相交流電力に変換等する電力変換装置などが搭載されている。電力変換装置は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等の半導体素子のスイッチング動作によって電力変換を行うものであり、スイッチング動作によって半導体素子が発熱する。
そのため、電力変換装置には、この熱を除去して半導体素子(発熱体)の過熱を防止するために冷却器を備えている。そして、電力変換装置は、より高出力が求められる一方で小型化や軽量化の要求が厳しくなってきている。このため、冷却器には、高い冷却性能を確保しつつ小型化及び軽量化が求められている。
そこで、電力変換装置の筐体に一体化された冷却器を備えた電力変換装置が実用化されている。そして、このような電力変換装置において、高い(良好な)冷却性能を得るために、例えば、フィン間通路の並設方向に延在して設けられ、フィン間通路の一端側に連通する流入側冷媒溜を備え、フィン間通路と流入側冷媒溜とが、少なくともフィン間通路の並設領域に亘って延在する絞り部により連通連結されるとともに、絞り部が、流入側冷媒溜よりも大きな流通抵抗を有するようにされたものがある(特許文献1)。
このような構成により、流入側冷媒溜に冷媒が流入するとその冷媒が流入側冷媒溜の延在方向の略全体に均等に分配され、絞り部の全領域でフィン間通路に向けて冷媒が流入することとなり、各フィン間通路に略均一に冷媒を流入させることができるようになっている。その結果、各フィン間通路における冷媒の流通状態が略均一になり、効率よく発熱体を冷却することができる。
特開2008−172024号公報
しかしながら、上記した電力変換装置では、流入側冷媒溜における配管抵抗の影響により、流入側冷媒溜の冷媒入口から遠くなるに従い、冷媒の圧力損失が大きくなるため、フィン間通路においては、流入側冷媒溜の冷媒入口から遠くなるに従って冷媒の流入量が減少してしまう。そのため、各フィン間通路における冷媒の流速を均一にすることができないおそれがあった。
また、フィン間通路と冷媒溜との連通部分に絞り部を設けているため、冷媒の圧力損失が増大して冷媒の循環量が低減し、冷却性能が悪化してしまうおそれもあった。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、発熱体を冷却する部位ごとに冷媒の流速を制御することにより、発熱体を効率よく冷却することができる冷却器、及びそれを用いた電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、電力変換器の筐体に一体化された冷却器において、冷媒を流すための冷媒流路と、発熱体により開口が封止され、その発熱体と冷媒の間で熱交換を行うための凹部と、前記凹部と前記冷媒通路とを接続する接続部とを有し、前記接続部の開口面積及び形状が、前記冷媒通路の入口からの距離に対応して変化していることを特徴とする。
この冷却器では、冷媒流路(流入側)から接続部(流入側)を介して凹部へと冷媒が供給される。そして、凹部にて、発熱体と冷媒との間で熱交換が行われる。熱交換を終えた冷媒は、凹部から別の接続部(流出側)から別の冷媒流路(流出側)へと排出され、冷却された後、再度、冷媒流路(流入側)に供給されて循環する。ここで、接続部の開口面積及び形状が、冷媒通路(流入側)の入口からの距離に対応して変化しているため、凹部において部位ごとに冷媒の流速を任意に可変することができる。これにより、例えば、冷媒通路(流入側)の入口からの距離に関わらず、凹部全域で冷媒の流量を均一にすることができ、発熱体を効率よく冷却することができる。
そして、凹部が複数設けられている場合には、各凹部において冷媒の流速を任意に可変することができる。これにより、冷媒通路(流入側)の入口からの距離に関わらず、各凹部ごとに最適な流速で冷媒を供給することができる。また、各凹部においては、上記したように、それぞれの凹部全域で冷媒の流量を均一にすることができる。従って、各発熱体からの発熱量に応じて各発熱体を効率よく冷却することができる。
このように、この冷却器では、発熱体を冷却する部位ごとに冷媒の流速を制御することができ、発熱体を効率よく冷却することができる。そして、接続部には、従来技術のように絞りを設けていないため、冷媒の圧力損失が増大することがない。従って、冷媒の循環量が低減して、冷却性能が悪化することはない。
上記した冷却器において、前記接続部の開口形状は、前記冷媒通路の入口から遠くなるに従って徐々に大きくなっていることが望ましい。
このような構成にすることにより、凹部全域で冷媒の流量を均一にすることができる。従って、凹部全域において均一に熱交換を行うことができるので、発熱体からの均一な放熱を実現することができる。
上記した冷却器において、前記冷媒流路は、流路断面積が除々に変化するように内周面がテーパ状に形成されていることが望ましい。
このような構成にすることにより、冷媒流路内において冷媒の流速を変化させることができるため、凹部へ供給する冷媒の流量をより精度良く制御することができる。また、接続部における開口面積の調整が容易になる。従って、発熱体を一層効率よく冷却することができる。
上記した冷却器において、前記冷媒流路は、前記筐体に設けた中空リブの内部空間により形成されていることが望ましい。
このような構成にすることにより、凹部の両端に中空リブが配置されるため、冷却器に備わる凹部の強度を向上させることができる。これにより、凹部の封止面に対して発熱体を加圧して密着させることができるので、凹部の封止面における熱抵抗を低減することができ、発熱体の放熱性を高めることができる。すなわち、発熱体をより一層効率よく冷却することができる。
また、中空リブにより冷却器自体の強度も向上しているため、部材を薄肉化することができ、冷却器の小型化・軽量化を図ることもできる。
そして、上記したいずれか1つの冷却器を用いた電力変換装置においては、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う半導体素子と、前記半導体素子から発生する熱を放熱する放熱部とを備え、前記冷却器の凹部を覆うように前記放熱部が配置されて前記凹部の開口が封止されるパワーモジュールと、前記開口部の反対側にて前記冷却器に接触して配置されるリアクトルと、を有することを特徴とする。
この電力変換装置では、上記したいずれか1つの冷却器を有しているため、発熱体である半導体素子を効率よく冷却することができる。また、別の発熱体であるリアクトルが、凹部の開口側とは反対側にて冷却器に接触して配置されているため、リアクトルも効率よく冷却することができる。
上記した電力変換装置において、前記開口部の封止面は、前記筐体のうち前記パワーモジュールが配置される側の端面から突出していることが望ましい。
このように、開口部の封止面を、筐体のうち前記パワーモジュールが配置される側の端面より外側に突出させることにより、凹部の封止面の加工性を高めることができるため、冷却器とパワーモジュールとの密着性を向上させることができる。その結果として、半導体素子の放熱性を向上させることができるとともに、凹部の封止面におけるシール性も向上させることができる。
本発明に係る冷却器及び電力変換装置によれば、上記した通り、発熱体を冷却する部位ごとに冷媒の流速を制御することにより、発熱体を効率よく冷却することができる。
実施の形態に係るインバータ装置の概略構成を示す分解斜視図である。 インバータ装置に備わる冷却器の斜視図である。図1に示す熱交換器の分解斜視図である。 冷却器の概略構成を示す平面図である。 筐体の外枠上端面と凹部の封止面との位置関係を説明する図である。 第1変形例に係る冷却器の概略構成を示す平面図である。 第1変形例に係る冷却器の概略構成を示す平面図である。 第2変形例に係る冷却器の概略構成を示す断面図である。 第2変形例に係る冷却器の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の冷却器及びそれを用いた電力変換装置を具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、電動車両に搭載される車両駆動用のインバータ装置を例に挙げて説明する。実施の形態に係るインバータ装置は、3相交流モータジェネレータの駆動を制御する制御装置として車両駆動用電機システムに備えられ、車載電源を構成するバッテリから供給された直流電力を所定の交流電力に変換し、得られた交流電力を3相交流モータジェネレータに供給して3相交流モータジェネレータの駆動を制御する。また、3相交流モータジェネレータは発電機としての機能も有しているので、インバータ装置は、運転モードに応じ、3相交流モータジェネレータの発生する交流電力を直流電力に変換する機能も有している。
このような実施の形態に係るインバータ装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係るインバータ装置の概略構成を示す分解斜視図である。図2は、インバータ装置に備わる冷却器の斜視図である。図3は、冷却器の概略構成を示す平面図である。図4は、筐体の外枠上端面と凹部の封止面との位置関係を説明する図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るインバータ装置10は、3つの3相交流モータジェネレータそれぞれの駆動を制御するパワーモジュール11,12,13と、昇圧用のリアクトル14と、パワーモジュール11〜13及びリアクトル14が取り付けられる筐体15と、パワーモジュール11〜13及びリアクトル14を冷却する冷却器30と、筐体15の上面に配置されパワーモジュール11〜13を覆う上蓋16と、筐体15の下面に配置されリアクトル14を覆う下蓋17とを備えている。
パワーモジュール11,12,13は、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う半導体素子21,22,23と、半導体素子21,22,23から発生する熱を放熱する放熱部24,25,26とを備えている。各放熱部24,25,26は、それぞれ平板状のフィンベース24a,25a,26aと、フィンベース24a,25a,26aから突出して設けられた放熱フィン24b,25b,26bとを備えている。そして、各半導体素子21,22,23は、それぞれ絶縁部材27,28,29を介して各フィンベース24a,25a,26aに対し放熱フィン24b,25b,26bとは反対側に接合されている。これにより、後述する冷却器30の凹部31,32,33に、放熱フィン24b,25b,26bがそれぞれ配置されるようになっている。
冷却器30は、図2及び図3に示すように、上端面に形成された凹部31,32,33を備えており、インバータ装置10の筐体15に一体化されている。各凹部31,32,33の周囲には、パワーモジュール11,12,13を取り付けるためのパワーモジュール取付面31a,32a,33aが設けられている。そして、凹部31,32,33の各開口は、例えばOリングなどのシール部材36(図4参照)を介して各パワーモジュール11,12,13が冷却器30のパワーモジュール取付面31a,32a,33aに固定されることにより液密に封止される。なお、本実施の形態では、冷却器に3つの凹部(開口面積は同じ)を設けているが、凹部の数はこれに制限されることなく、パワーモジュールの数に応じた数だけ設ければよい。
筐体15は、外枠18と、筐体長手方向に並列に設けられた2本の中空リブ34,35とを備えている。外枠18の上端には、上蓋16を取り付けるための上蓋取付面18aが形成され、外枠18の下端には、下蓋17を取り付けるための下蓋取付面18bが形成されている。
各中空リブ34,35は、筐体15の高さ方向の中央に配置され、それぞれの両端部が外枠18に接合されている。中空リブ34,35の一端部は筐体外部に開口し、他端部は埋栓されている。これら中空リブ34,35は、冷却器30の両端近傍に配置され、中空リブ34,35の内部空間が冷却器30の冷媒通路34a,35aとなっている。詳細には、中空リブ34の内部空間が流入側冷媒通路34aとなり、中空リブ35の内部空間が流出側冷媒通路35aとなっている。これら冷媒通路34a,35aは不図示のラジエターに接続されており、冷媒通路34a,35aとラジエターとの間で冷媒が循環するようになっている。
このようにして、冷却器30が筐体15に一体化されており、中空リブ34,35により冷却器30の強度が向上している。また、凹部31,32,33の封止面(パワーモジュール取付面31a,32a,33a)は、図4に示すように、上蓋取付面18aから上方へ突出して形成されている。そのため、パワーモジュール取付面31a,32a,33aの加工性を高めることができるため、冷却器30とパワーモジュール11,12,13との密着性を向上させることができる。そして、冷却器30の強度が向上しているため、凹部31,32,33の封止面、つまりパワーモジュール取付面31a,32a,33aにパワーモジュール11,12,13を加圧して取り付けることができる。これらのことにより、パワーモジュール11,12,13のパワーモジュール取付面31a,32a,33aに対する密着性が高められるため、パワーモジュール取付面31a,32a,33aにおける熱抵抗を低減することができる。従って、パワーモジュール11,12,13の放熱性を高めることができるとともに、凹部31,32,33に各開口におけるシール性も向上させることができる。
また、冷却器30の強度向上により、冷却器30の構成部材を薄肉化することができ、冷却器30の小型化・軽量化を図ることもできる。さらに、凹部31〜33の開口側とは反対側に配置されているリアクトル14を冷却器30に対し加圧して密着させることができる。これにより、リアクトル14の放熱性を高めることができる。
そして、図3及び図4に示すように、凹部31〜33の底部両端には接続部37i〜39oが設けられており、これらの接続部37i〜39oを介して凹部31〜33が冷媒通路34a,35aの上部に連通している。具体的には、流入側接続部37i,38i,39iを介して、凹部31,32,33と流入側冷媒通路34aとが連通している。また、流出側接続部37o,38o,39oを介して、凹部31,32,33と流出側冷媒通路35aとが連通している。これにより、流入側冷媒通路34aを流れる冷媒が、各流入側接続部37i,38i,39iを介して、凹部31,32,33にそれぞれ供給され、凹部31,32,33に供給された冷媒が、それぞれ流出側接続部37o,38o,39oを介して、流出側冷媒通路35aに流出するようになっている。
ここで、各接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口面積(流路断面積)及び形状は、流入側冷媒通路34aの入口からの距離に対応して変化している。これにより、凹部31,32,33へ供給する冷媒の流速及び流量を任意に可変することができる。なお、接続部37iと37o、38iと38o、39iと39oは、それぞれ凹部31,32,33の中心線(2本の中空リブの中間位置)において対称な形状をなしており、それぞれの開口面積が等しい。
本実施の形態では、流入側冷媒通路34aの入口から遠くなるに従って、各接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oにおいて、開口面積が徐々に大きくなっている。つまり、各接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口形状は、略台形となっている。そして、接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口面積は、この順に大きくなっている。これにより、流入側冷媒通路34aの入口からの距離に関わらず、つまり流入側冷媒通路34aの配管抵抗に影響されずに、すべての凹部31,32,33における冷媒の流量を等しくするとともに、各凹部31,32,33において全域で冷媒の流側を均一にすることができるようになっている。
そして、筐体15に一体化された冷却器30の上面にパワーモジュール11,12,13が固定され、冷却器30の下面にリアクトル14が固定された状態で、上蓋取付面18aに上蓋16が取り付けられ、下蓋取付面18bに下蓋17が取り付けられる。これにより、筐体15の外枠18、上蓋16及び下蓋17によって、冷却器30、パワーモジュール11,12,13、及びリアクトル14が雨水や埃から保護されている。
続いて、上記した構成を有するインバータ装置10及び冷却器30の動作について簡単に説明する。インバータ装置10は、バッテリから供給された直流電力の電圧をリアクトル14により昇圧した後、各パワーモジュール11,12,13で所定の交流電力に変換してそれぞれ3相交流モータジェネレータに供給する。また、インバータ装置10は、3相交流モータジェネレータが発電機として機能する場合には、その3相交流モータジェネレータの発生する交流電力を直流電力に変換してバッテリに供給する。
一方、冷却器30においては、流入側冷媒通路34aを流れる冷媒が、各流入側接続部37i,38i,39iを介して、凹部31,32,33にそれぞれ供給される。そして、凹部31に導入された冷媒は放熱フィン24b間を流れていき、流出側接続部37oから流出側冷媒通路35aへと排出される。同様に、凹部32に導入された冷媒は放熱フィン25b間を流れていき、流出側接続部38oから流出側冷媒通路35aへと排出される。同様に、凹部33に導入された冷媒は放熱フィン26b間を流れていき、流出側接続部39oから流出側冷媒通路35aへと排出される。このとき、各凹部31,32,33は、シール部材36を介して各パワーモジュール11,12,13によって液密に封止されているため、各凹部31,32,33内を流れる冷媒が外部に漏れることはない。
ここで、流入側冷媒通路34aを流れる冷媒は、配管抵抗の影響により入口から遠くなるに従って徐々に流速が減少するが、各接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口形状は、流入側冷媒通路34aの入口から遠くなるに従って徐々に大きくなる略台形をなしているので、凹部31,32,33のそれぞれにおいて全域で冷媒の流速が等しくなっている。また、接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口面積はこの順に大きくなっており、すべての凹部31,32,33における冷媒の流量が等しくなっている。このように、冷却器30では、流入側冷媒通路34aの入口からの距離に関わらず、各凹部31,32,33において全域で冷媒の流量が均一になっている。これにより、凹部31,32,33のそれぞれにおいて全域で均一に熱交換を行うことができるので、パワーモジュール11,12,13からは均一に放熱が行われる。従って、冷却器30により、パワーモジュール11,12,13を効率よく冷却することができる。
また、冷却器30では、中空リブ34,35による強度向上と、パワーモジュール取付面31a,32a,33aの加工性向上との結果、パワーモジュール取付面31a,32a,33aにおける熱抵抗が低減されている。そのため、パワーモジュール11,12,13の放熱性がより高められており、パワーモジュール11,12,13をより一層効率よく冷却することができる。
さらに、冷却器30の強度向上により、リアクトル14が冷却器30に対し加圧されて密着している。そのため、リアクトル14も効率よく冷却することができる。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るインバータ装置10によれば、冷却器30における各接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口形状が、流入側冷媒通路34aの入口から遠くなるに従って徐々に大きくなる台形となっているとともに、接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口面積はこの順に大きくなっている。これにより、インバータ装置10では、流入側冷媒通路34aの入口からの距離に関わらず、各凹部31,32,33において全域で冷媒の流量を均一にすることができるので、冷却器30によりパワーモジュール11,12,13を効率よく冷却することができる。
ここで、インバータ装置に備わる冷却器の変形例について、図5〜図8を参照しながら説明する。図5、図6は、第1変形例に係る冷却器の概略構成を示す平面図である。図7、図8は、第2変形例に係る冷却器の概略構成を示す断面図である。
第1変形例に係る冷却器では、基本的な構成を冷却器30とほぼ同じくするが、各接続部における開口面積が異なっている。これにより、凹部ごとに冷媒の流量を変えることができる。従って、パワーモジュール11,12,13の発熱量に応じて、各凹31,32,33における冷媒の流量を調整することができる。その結果、冷媒の循環量を抑えつつ、パワーモジュール11,12,13を効率よく冷却することができる。このように、冷媒の循環量を抑えることができることから、冷却器の小型化・軽量化をさらに図ることができる。
例えば、パワーモジュール31,32,33の順で発熱量が大きい場合であれば、図5に示すように、接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oの開口面積を、この順で大きくすればよい。
また、パワーモジュール32の発熱量が最も大きい場合であれば、図6に示すように、38i・38oの開口面積を最も大きくすればよい。なお、接続部37i・37oの開口面積と39i・39oの開口面積の大きさは、パワーモジュール11と13の発熱量に応じて決定すればよい。なお、図6では、パワーモジュール11と13の発熱量がほぼ等しいため、接続部37i・37oの開口面積が39i・39oの開口面積より小さくなっている。
第2変形例に係る冷却器も、基本的な構成を冷却器30とほぼ同じくするが、流入側冷媒通路の形状が異なっている。具体的には、流入側冷媒流路34aの流路断面積が除々に変化するように内周面がテーパ状に形成されている。これにより、流入側冷媒流路34a内において冷媒の流速を変化させることができるため、凹部31,32,33へ供給する冷媒の流量をより精度良く制御することができる。また、接続部37i・37o,38i・38o,39i・39oにおける開口面積の調整が容易になる。
例えば、パワーモジュール31,32,33の順で発熱量が大きい場合であれば、図7に示すように、流入側冷媒流路34aを、下流側に向かって内径が徐々に小さくなるテーパ形状とすればよい。
また、パワーモジュール32の発熱量が最も大きい場合であれば、図8に示すように、流入側冷媒流路34aを、下流側に向かって内径が徐々に小さくなっていき、凹部32において内径が最小となり、その後内径が徐々に大きくなるテーパ形状とすればよい。
ここでは、第1変形例と第2変形例とを別々に説明したが、もちろん、第1変形例と第2変形例とを組み合わせることもできる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、各凹部31,32,33の開口面積が等しい場合を例示したが、各凹部の開口面積はパワーモジュールの大きさに合わせて異なっていてもよい。凹部31,32,33ごとに開口面積を変化させることによっても、上記した変形例のように、凹部31,32,33ごとに冷媒の流量を変えることができる。
また、上記した実施の形態では、電動車両の車両駆動用インバータ装置を例示したが、本発明はこれ以外の電力変換装置、例えば電車や船舶、航空機などの電力変換装置、さらに工場の設備を駆動する電動機の制御装置として用いられる産業用電力変換装置、あるいは家庭の太陽光発電システムや家庭の電化製品を駆動する電動機の制御装置に用いられたりする家庭用電力変換装置に対しても適用することができる。
10 インバータ装置
11 パワーモジュール
12 パワーモジュール
13 パワーモジュール
14 リアクトル
15 筐体
21 半導体素子
22 半導体素子
23 半導体素子
24 放熱部
25 放熱部
26 放熱部
30 冷却器
31 凹部
32 凹部
33 凹部
34 中空リブ
34a 流入側冷媒通路
35 中空リブ
35a 流出側冷媒通路
37i 流入側接続部
37o 流出側接続部
38i 流入側接続部
38o 流出側接続部
39i 流入側接続部
39o 流出側接続部

Claims (6)

  1. 電力変換器の筐体に一体化された冷却器において、
    冷媒を流すための冷媒流路と、
    発熱体により開口が封止され、その発熱体と冷媒との間で熱交換を行うための凹部と、
    前記凹部と前記冷媒通路とを接続する接続部とを有し、
    前記接続部の開口面積及び形状が、前記冷媒通路の入口からの距離に対応して変化している
    ことを特徴とする冷却器。
  2. 請求項1に記載する冷却器において、
    前記接続部の開口形状は、前記冷媒通路の入口から遠くなるに従って徐々に大きくなっている
    ことを特徴とする冷却器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する冷却器において、
    前記冷媒流路は、流路断面積が除々に変化するように内周面がテーパ状に形成されている
    ことを特徴とする冷却器。
  4. 請求項1に記載する冷却器において、
    前記冷媒流路は、前記筐体に設けられた中空リブの内部空間により形成されている
    ことを特徴とする冷却器。
  5. 請求項1から請求項4に記載するいずれか1つの冷却器と、
    直流電力と交流電力との間で電力変換を行う半導体素子と、前記半導体素子から発生する熱を放熱する放熱部とを備え、前記冷却器の凹部を覆うように前記放熱部が配置されて前記凹部の開口が封止されるパワーモジュールと、
    前記開口部の反対側にて前記冷却器に接触して配置されるリアクトルと、
    を有することを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項5に記載する電力変換装置において、
    前記開口の封止面は、前記筐体のうち前記パワーモジュールが配置される側の端面から突出している
    ことを特徴とする電力変換装置。
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