以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
図1に示す駆動システム10は、例えば電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)、燃料電池車などの車両に搭載されている。駆動システム10は、バッテリ11、モータ12、電力変換装置13を有している。駆動システム10は、モータ12を駆動して車両の駆動輪を駆動するシステムである。
バッテリ11は、充放電可能な2次電池で構成された直流電圧源であり、電力変換装置13を介してモータ12に電力を供給する電源部に相当する。2次電池は、たとえばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池である。バッテリ11は、インバータ30に高電圧(たとえば数100V)を供給する。
モータ12は、3相交流方式の回転電機である。モータ12は、3相としてU相、V相、W相を有している。モータ12は、車両の走行駆動源である電動機として機能する。モータ12は、回生時に発電機として機能する。モータ12は、固定子41、回転子42を有している。このモータ12では、固定子41が巻線を含んで構成されており、この巻線が電機子を形成している。また、回転子42が永久磁石を含んで構成されており、この永久磁石が界磁を形成している。回転子42は、固定子41の径方向内側に設けられており、固定子41に対して回転する。なお、モータ12をモータジェネレータや電動モータと称することもできる。
電力変換装置13は、バッテリ11とモータ12との間で電力変換を行う。ここでは、電力変換装置13の回路構成について図1を参照しつつ説明する。電力変換装置13は、平滑コンデンサ21、インバータ30、制御装置35を有している。
平滑コンデンサ21は、バッテリ11から供給される直流電圧を平滑化するコンデンサである。平滑コンデンサ21は、高電位側の電力ラインであるPライン25と低電位側の電力ラインであるNライン26とに接続されている。Pライン25はバッテリ11の正極に接続され、Nライン26はバッテリ11の負極に接続されている。平滑コンデンサ21の正極は、バッテリ11とインバータ30との間において、Pライン25に接続されている。また、平滑コンデンサ21の負極は、バッテリ11とインバータ30との間において、Nライン26に接続されている。平滑コンデンサ21は、バッテリ11に並列に接続されている。
インバータ30は、DC-AC変換回路である。インバータ30は、3相分のアーム回路31を備えて構成されている。アーム回路31は、レグと称されることがある。アーム回路31は、上アーム31aと、下アーム31bをそれぞれ有している。上アーム31aと下アーム31bは、上アーム31aをPライン25側として、Pライン25とNライン26との間で直列接続されている。上アーム31aと下アーム31bとの接続点は、モータ12における対応する相の巻線に出力ライン27を介して接続されている。アーム回路31及び出力ライン27は、モータ12のU相、V相、W相のそれぞれに対して設けられている。インバータ30は、上アーム31a及び下アーム31bを3つずつ有している。
アーム31a,31bは、アームスイッチ32及びダイオード33を有している。アームスイッチ32は半導体素子等のスイッチング素子により形成されている。このスイッチング素子としては、例えばnチャネル型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBTがある。アーム31a,31bは、それぞれアームスイッチ32とダイオード33とを1つずつ有している。アーム31a,31bにおいては、ダイオード33が還流用としてアームスイッチ32に逆並列に接続されている。上アーム31aにおいては、アームスイッチ32のコレクタがPライン25に接続されている。下アーム31bにおいては、アームスイッチ32のエミッタがNライン26に接続されている。そして、上アーム31aにおけるアームスイッチ32のエミッタと、下アーム31bにおけるアームスイッチ32のコレクタが相互に接続されている。ダイオード33のアノードは対応するアームスイッチ32のエミッタに接続され、カソードはコレクタに接続されている。なお、アームスイッチ32を半導体スイッチと称することもできる。
インバータ30は、制御装置35によるスイッチング制御にしたがって直流電圧を交流電圧に変換し、モータ12へ出力する。これにより、モータ12は所定の回転トルクを発生するように動作する。インバータ30は、バッテリ11からの直流電力を3相交流電力に変換し、電力変換部に相当する。インバータ30は、車両の回生制動時、駆動輪からの回転力を受けてモータ12が発電した交流電圧を、制御装置35によるスイッチング制御にしたがって直流電圧に変換し、Pライン25へ出力する。このように、インバータ30は、バッテリ11とモータ12との間で双方向の電力変換を行う。なお、アームスイッチ32は、電力変換を行うためのスイッチング素子に相当する。
制御装置35は、例えばECUであり、インバータ30の駆動を制御する。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。制御装置35は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータ(以下、マイコン)を主体として構成される。制御装置35は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで、インバータ30の駆動に関する各種の処理を実行する。
制御装置35は、車両に搭載された統合ECUなどの上位ECUから入力される信号や、電流センサなどの各種センサから入力される信号を用いて駆動指令を生成し、この駆動指令に応じてIGBT32にオン駆動やオフ駆動を行わせる。
次に、モータ12の構造について、図2を参照しつつ説明する。図2においては、固定子41及び回転子42の図示を省略する。
図2に示すモータ12は、固定子41及び回転子42に加えて、モータケース45、モータ軸部43を有している。モータケース45は、固定子41及び回転子42を収容しており、電機筐体に相当する。固定子41及び回転子42はモータケース45の内部空間45aに設けられている。固定子41はモータケース45に固定されている。モータケース45は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。モータケース45は、例えばアルミダイカストによる成形体であり、熱伝導性を有している。モータケース45は全体として筒状に形成されている。モータケース45の内面には内周面46が含まれており、外面には外周面47が含まれている。内周面46及び外周面47はいずれも、回転子42が有する回転軸42aの周方向CDに沿って環状に延びている。モータケース45の内周面46は、回転軸42aの径方向RDにおいて固定子41の外周面に対向している。なお、回転軸42aは、回転子42の中心線に一致している。
回転子42の回転軸42aが延びた方向を軸方向ADと称すると、回転軸42aについては、周方向CDと軸方向ADと径方向RDとが互いに直交している。また、互いに直交した方向をX方向、Y方向、Z方向と称すると、回転軸42aはZ方向に延びており、軸方向ADとZ方向とが一致している。X方向、Y方向、Z方向を、モータ12にとっての幅方向、上下方向、奥行き方向と称することができる。モータ12は、回転軸42aがY方向に直交する方向に延びる向きで設けられている。この場合、回転軸42aは、水平方向に延びており、上下方向に交差している。Z方向が上下方向に交差する方向に相当する。なお、回転軸42aは水平方向に対して傾いていてもよい。回転軸42aが水平方向に延びた構成、回転軸42aが水平方向に対して傾いた構成のいずれも、回転軸42aが上下方向に交差していることには変わりない。
モータ軸部43は、回転子42に固定されており、回転子42と共に回転する。回転子42に対して同軸に設けられている。モータ軸部43の中心線は、回転子42の回転軸42aに一致している。モータ軸部43は、軸方向ADにおいてモータケース45の外側に突出している。
なお、モータケース45は、筒部と一対の対向部とを有している。筒部は内周面46及び外周面47を形成している。一対の対向部は、互いに対向した状態で筒部を介して軸方向ADに並べられている。モータ軸部43は、一対の対向部の少なくとも一方を軸方向ADに貫通している。モータケース45は複数の部材を互いに組み付けることで形成されている。これら部材には、例えば、筒部を形成するケース本体と、対向部を形成しケース本体の開口部を覆うカバーと、ケース本体に取り付けられた配管部材と、が含まれている。
モータケース45は、水等の冷媒により固定子41及び回転子42を冷却する機能を有しており、モータ12での冷却器になっている。モータケース45をモータ冷却器や電機冷却部と称することもできる。モータケース45は、冷媒が流れる流路としてモータ流路51を有している。モータケース45はモータ流路51を形成しており、モータ12での流路形成部になっている。モータ流路51においては、全体として冷媒が周方向CDに流れるようになっている。モータ流路51は、径方向RDにおいて固定子41及び回転子42の外側に設けられている。なお、モータケース45を電機流路部と称することもできる。
モータ流路51は、モータ冷却路52、モータ上流路55、モータ下流路56を有している。モータ冷却路52は、モータケース45において内周面46と外周面47との間に設けられている。モータ冷却路52は、これら内周面46及び外周面47に沿って径方向RDに延びており、略環状になっている。モータ冷却路52においては、周方向CDに並んだ一対の端部を有している。モータ冷却路52においては、冷媒が固定子41の外周面に沿って流れる。モータ流路51においては、モータ冷却路52を流れる冷媒により固定子41及び回転子42が冷却される。なお、モータ冷却路52が電機冷却路に相当する。
モータ冷却路52には、モータ流入口52a及びモータ流出口52bが設けられている。モータ冷却路52においては、一対の端部のうち一方にモータ流入口52aが設けられており、他方にモータ流出口52bが設けられている。モータ上流路55は、モータ流路51においてモータ冷却路52の上流側に設けられており、モータ流入口52aに接続されている。モータ下流路56は、モータ流路51においてモータ冷却路52の下流側に設けられており、モータ流出口52bに接続されている。モータ冷却路52においては、モータ上流路55からモータ流入口52aを通じて流入してきた冷媒が、周方向CDに流れてモータ流出口52bを通じてモータ下流路56に流出していく。なお、モータ流入口52aが電機流入口に相当し、モータ流出口52bが電機流出口に相当する。
モータ上流路55及びモータ下流路56はいずれも、モータ冷却路52から径方向RDに延びている。具体的には、モータ上流路55及びモータ下流路56はいずれも、モータ冷却路52から上方に向けて延びている。モータ上流路55は、モータ流路51の上流端部を形成している。モータ下流路56は、モータ流路51の下流端部を形成している。なお、モータケース45において、モータ冷却路52を形成する部位は、全体として筒状の部位になっている。また、モータ上流路55及びモータ下流路56を形成する部位は、径方向RDに延びたパイプ状の部位になっている。
モータ冷却路52においては、モータ流入口52aとモータ流出口52bとがX方向に横並びに設けられている。モータ12について、回転軸42aを通ってX方向に延びる仮想線をモータ横線Cxと称し、回転軸42aを通ってY方向に延びる仮想線をモータ縦線Cyと称する。この場合、モータ流入口52aは、X方向においてモータ縦線Cyを介してモータ流出口52bとは反対側に設けられている。モータ流入口52a及びモータ流出口52bはいずれも、Y方向においてモータ横線Cxよりも上方位置に設けられている。
モータ流入口52aとモータ流出口52bとは、X方向において内頂部46a及び外頂部47aを介して横並びであって、Y方向において内頂部46aと外頂部47aとの間に設けられている。内頂部46aは、モータケース45の内周面46においてモータ縦線Cyに交差する上下一対の部位のうち上側の部位である。外頂部47aは、モータケース45の外周面47においてモータ縦線Cyに交差する上下一対の部位のうち上側の部位である。モータ上流路55及びモータ下流路56は、Y方向において外頂部47aよりも上方に突出している。なお、外頂部47aがモータ12の頂部に相当する。
モータケース45の外周面47には、上側面47b、下側面47cが含まれている。上側面47bは、外周面47のうちモータ横線Cxよりも上側の部分であり、上方を向いている。外頂部47aは上側面47bの一部である。下側面47cは、外周面47のうちモータ横線Cxよりも下側の部分であり、下方を向いている。
次に、電力変換装置13の構造について、図2~図5を参照しつつ説明する。
図2~図5に示す電力変換装置13は、パワーモジュール61、制御基板62、装置ケース70を有している。装置ケース70は、パワーモジュール61及び制御基板62を収容しており、装置筐体に相当する。パワーモジュール61及び制御基板62は、装置ケース70に固定されている。装置ケース70は箱状に形成されており、全体として直方体形状になっている。装置ケース70は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。装置ケース70は、例えばアルミダイカストによる成形体であり、熱伝導性を有している。
装置ケース70は、厚さが薄くなるように全体として扁平状になっている。装置ケース70について、互いに直交した方向をα方向、β方向、γ方向と称すると、装置ケース70の厚さ方向がγ方向になっている。装置ケース70の外面のうち、厚さ方向に直交する方向に延びた面を扁平面と称すると、この扁平面は、γ方向に直交する方向α,βに延びている。α方向、β方向、γ方向を、インバータ30にとっての幅方向、上下方向、奥行き方向と称することができる。
装置ケース70は、天井部71、床部72、外壁73、傾斜部74を有している。天井部71と床部72とは、β方向に並んでおり、装置ケース70の内部空間75を介して互いに対向している。天井部71及び床部72は、β方向に直交する方向に延びている。装置ケース70の内面には、天井部71が形成する天井面と、床部72が形成する床面とが含まれている。装置ケース70の外面には、天井部71が形成する上面と、床部72が形成する下面とが含まれている。装置ケース70においては、上面及び下面が扁平面になっている。なお、天井部71及び床部72は、β方向に直交していなくても交差していればよい。
図4、図5に示すように、外壁73は矩形筒状に形成されている。外壁73は、天井部71と床部72との間に設けられており、β方向に延びた状態で天井部71と床部72とを接続している。外壁73は、複数の壁部として、第1壁部73a、第2壁部73b、側壁部73c,73dを有している。これら壁部73a~73dは、天井部71及び床部72の外周縁に沿って並んでいる。第1壁部73aと第2壁部73bとは、α方向に並んでおり、内部空間75を介して互いに対向している。第1壁部73a及び第2壁部73bは、α方向に直交する方向に延びている。側壁部73c,73dは、γ方向に並んでおり、第1壁部73a、第2壁部73b及び内部空間75を介して互いに対向している。側壁部73c,73dは、第1壁部73aと第2壁部73bとを接続しており、γ方向に直交する方向に延びている。なお、第1壁部73a及び第2壁部73bはα方向に直交していなくても交差していればよい。側壁部73c,73dは、γ方向に直交していなくても交差していればよい。
図3、図4に示すように、傾斜部74は、天井部71と第1壁部73aとにかけ渡されている。傾斜部74は、天井部71及び第1壁部73aのいずれに対しても傾斜している。傾斜部74は、天井部71における第1壁部73a側の端部と、第1壁部73aにおける天井部71側の端部とを接続している。傾斜部74は、天井部71と第1壁部73aとの角部を落として面取りした状態になっている。傾斜部74の外面及び内面はいずれも、傾斜部74の厚さ方向に直交する方向に真っすぐに延びている。傾斜部74は、天井部71及び第1壁部73aと共に、側壁部73c,73dにかけ渡されている。傾斜部74は、γ方向に延びた状態で側壁部73c,73dを接続している。β方向においては、第1壁部73aの高さ寸法が第2壁部73bの高さ寸法よりも傾斜部74の高さ寸法の分だけ小さくなっている。α方向においては、天井部71の長さ寸法が床部72の長さ寸法よりも傾斜部74の長さ寸法の分だけ小さくなっている。このため、天井面の面積は床面の面積よりも小さくなっている。
なお、装置ケース70は複数の部材を互いに組み付けることで形成されている。これら部材には、例えば、外壁73を形成するケース本体と、天井部71及び床部72の少なくとも一方を形成しケース体の開口部を覆うカバーと、ケース本体に取り付けられた配管部材と、が含まれている。
図3~図5に示すように、パワーモジュール61は、装置ケース70の内部空間75に設けられている。本実施形態では、1つのパワーモジュール61が装置ケース70に収容されている。パワーモジュール61は、全体として扁平状に形成されており、β方向に直交する方向に延びている。パワーモジュール61は、装置ケース70の天井部71及び床部72に沿って延びている。パワーモジュール61の外面のうち、天井部71側を向いた上面61aと、床部72側を向いた下面61bとは、いずれもパワーモジュール61の厚さ方向に直交した扁平面であり、β方向に直交する方向に延びている。
図5に示すように、パワーモジュール61は、γ方向に延びた横長形状になっている。パワーモジュール61においては、γ方向の長さ寸法がα方向の長さ寸法よりも大きくなっている。パワーモジュール61では、長辺部がγ方向に延びており、短辺部がα方向に延びている。パワーモジュール61は、α方向において装置ケース70の第2壁部73bよりも第1壁部73aに近い位置に設けられている。装置ケース70の中心を通ってγ方向に延びる仮想線を装置横線Cγと称すると、パワーモジュール61は、装置横線Cγをα方向に跨ぐ位置にある。パワーモジュール61は、γ方向において装置ケース70の第1側壁部73cと第2側壁部73dとのほぼ中央の位置にある。
パワーモジュール61は、インバータ30の少なくとも一部を構成している。例えば、パワーモジュール61は3相分のアーム回路31を構成している。パワーモジュール61は、電力を変換するための部品であり、電気部品に相当する。なお、パワーモジュール61を半導体モジュールと称することもできる。
パワーモジュール61は、3相分のアームスイッチ32を構成するスイッチング素子と、スイッチング素子を保護するモジュール本体とを有している。モジュール本体は、スイッチング素子を封止した封止樹脂体を有している。モジュール本体には、スイッチング素子に電気的に接続された端子が複数設けられている。これら端子には、電力端子と信号端子とが含まれている。電力端子としては、Pライン25に接続されたP端子と、Nライン26に接続されたN端子と、出力ライン27に接続された出力端子とがある。信号端子は、挿入実装等により制御基板62に接続されている。
図3、図4に示すように、制御基板62は、全体として矩形板状に形成されており、制御装置35を構成している。制御基板62は、β方向に直交する方向に延びる向きで、装置ケース70の内部空間75に設置されている。制御基板62は、β方向においてパワーモジュール61と床部72との間に設けられている。制御基板62は、β方向において天井部71よりも床部72に近い位置にある。制御基板62は、パワーモジュール61及び床部72に沿って延びている。制御基板62の板面は、β方向に直交する方向に延びている。
図3に示すように、制御基板62は、第1搭載部品63a、第2搭載部品63bを搭載している。これら搭載部品63a,63bは、電子部品やコネクタである。第2搭載部品63bは、第1搭載部品63aに比べて通電により発熱しやすいという特性、及び第1搭載部品63aに比べて耐熱性が低いという特性の少なくとも一方を有している。例えば、通電に伴う発熱量が第1搭載部品63aよりも大きい発熱部品や、耐熱性が第1搭載部品63aよりも低い低耐熱部品、発熱部品及び低耐熱部品の両方の特性を有する特定部品が、第2搭載部品63bとして制御基板62に搭載されている。第2搭載部品63bは、α方向において第1搭載部品63aを介して第1壁部73aとは反対側に設けられている。第2搭載部品63bは、α方向において第1壁部73aよりも第2壁部73bに近い位置に設けられている。第1搭載部品63aとしては例えばチップ抵抗やチップコンデンサがある。第2搭載部品63bとしては、トランスやマイコンチップ、ドライバICなどの発熱部品や、フォトカプラなどの低耐熱部品がある。
なお、制御基板62は、母材としての基板部と、基板部に実装された複数の実装部品とを有している。制御基板62においては、基板部に設けられた配線と、この配線に電気的に接続された実装部品とにより、制御装置35を構成する制御回路が形成されている。複数の実装部品に搭載部品63a,63bが含まれている。
図2~図5に示すように、電力変換装置13には装置冷却器80が設けられている。装置冷却器80は、水等の冷媒により装置ケース70の内部を冷却する機能を有しており、装置冷却部に相当する。装置冷却器80は、水等の冷媒が流れる装置流路81を有している。装置冷却器80は、装置流路81を形成しており、電力変換装置13での流路形成部になっている。装置冷却器80は、装置ケース70や、電力変換装置13において装置ケース70に取り付けられた配管部材等の部材により形成されている。装置流路81においては、全体として冷媒がγ方向に流れるようになっている。
なお、図2、図4、図5では、制御基板62や装置ケース70、装置冷却器80について肉厚を無視して簡略化して図示している。例えば、装置冷却器80については装置冷却路82の外形を図示している。図5では、制御基板62の図示を省略し、天井部71及び傾斜部74を仮想線で図示している。
図3~図5に示すように、装置流路81は、装置冷却路82、装置上流路85、装置下流路86を有している。装置冷却路82は、装置ケース70の内部空間75に設けられている。換言すれば、装置冷却器80は、装置冷却路82を装置ケース70の内部に形成している。装置冷却路82は、全体として扁平状に形成されており、β方向に直交する方向に延びている。
図3に示すように、装置冷却路82は、β方向において天井部71とパワーモジュール61との間に設けられている。装置冷却路82は、β方向においてパワーモジュール61を介して制御基板62とは反対側に設けられている。装置冷却路82は、β方向において床部72よりも天井部71に近い位置にある。モータ冷却路52は、パワーモジュール61の上面61aに重なった状態になっており、上面61aに沿って延びている。装置冷却路82においては、冷媒がパワーモジュール61の上面61aに沿って流れる。装置流路81においては、装置冷却路82を流れる冷媒によりパワーモジュール61が冷却される。
図5に示すように、装置冷却路82の端部には、第1端部83a、第2端部83b、側端部83c,83dが含まれている。これら端部83a~83dは、装置冷却路82の外周縁に沿って並んでいる。第1端部83aと第2端部83bとは、装置冷却路82においてα方向に並んでおり、いずれもγ方向に延びている。第1端部83aは、装置冷却路82において装置ケース70の第1壁部73a側の端部であり、第1壁部73aに沿って延びている。第2端部83bは、装置冷却路82において装置ケース70の第2壁部73b側の端部であり、第2壁部73bに沿って延びている。
側端部83c,83dは、装置冷却路82においてγ方向に並んでおり、いずれもα方向に延びている。側端部83c,83dは、第1端部83aと第2端部83bとにかけ渡されており、装置ケース70の側壁部73c,73dに沿って延びている。側端部83c,83dのうち第1側端部83cは、側壁部73c,73dのうち第1側壁部73c側に設けられている。第2側端部83dは第2側壁部73d側に設けられている。
装置冷却路82には、装置流入口82a及び装置流出口82bが設けられている。装置流入口82aは、装置冷却路82の第1側端部83cに設けられている。装置流出口82bは、装置冷却路82の第2側端部83dに設けられている。装置冷却路82においては、装置流入口82aが上流端部に設けられており、装置流出口82bが下流端部に設けられている。装置流入口82aと装置流出口82bとは、互いに対向した状態でγ方向に並べられている。装置流入口82a及び装置流出口82bは、γ方向において装置冷却路82を互いに反対の向きに開放している。
なお、装置冷却路82においては、装置流入口82aの少なくとも一部が第1側端部83cに形成されていれば、この装置流入口82aは第1側端部83cに設けられているとする。装置流出口82bについても同様に、装置流出口82bの少なくとも一部が第2側端部83dに形成されていれば、この装置流出口82bは第2側端部83dに設けられているとする。本実施形態では、装置流入口82aの全てが第1側端部83cに形成されており、装置流出口82bの全てが第2側端部83dに形成されている。
装置上流路85は、装置流路81において装置冷却路82の上流側に設けられており、装置流入口82aに接続されている。装置下流路86は、装置流路81において装置冷却路82の下流側に設けられており、装置流出口82bに接続されている。装置冷却路82においては、装置上流路85から装置流入口82aを通じて流入してきた冷媒が、γ方向に流れて装置流出口82bを通じて装置下流路86に流出していく。この冷媒は、装置冷却路82において第1端部83a及び第2端部83bに沿ってγ方向に流れる。
装置上流路85は、γ方向において装置流入口82aから装置流出口82bとは反対側に向けて延びている。装置下流路86は、γ方向において装置流出口82bから装置流入口82aとは反対側に向けて延びている。装置上流路85と装置下流路86とは、γ方向において装置冷却路82を介して横並びに設けられている。装置上流路85は、装置流路81の上流端部を形成している。装置下流路86は、装置流路81の下流端部を形成している。
なお、装置冷却器80において、装置冷却路82を形成する部位は全体として扁平状になっている。例えば、装置ケース70は、内部空間75をβ方向に仕切る扁平状のケース仕切部を有しており、ケース仕切部の少なくとも一部が装置冷却路82を形成している。ケース仕切部は、装置ケース70において天井部71と床部72との間に設けられており、天井部71及び床部72に沿って延びている。また、装置上流路85及び装置下流路86を形成する各部位は、γ方向に延びたパイプ状の部位になっている。例えば、このパイプ状の部位の少なくとも一部が、装置ケース70に含まれる配管部材や、電力変換装置13において装置ケース70に取り付けられた配管部材により形成されている。装置上流路85及び装置下流路86を形成する各部位は、装置ケース70の側壁部73c,73dからケース外側に突出している。
装置冷却路82は、γ方向に延びた横長形状になっている。装置冷却路82においては、第1端部83a及び第2端部83bの長さ寸法が、側端部83c,83dの長さ寸法よりも大きくなっている。第1端部83a及び第2端部83bは、側端部83c,83dよりも長い長辺部になっており、側端部83c,83dは短辺部になっている。装置冷却路82は、γ方向において装置ケース70の第1壁部73aと第2壁部73bとのほぼ中央の位置に設けられている。
装置冷却路82は、α方向において装置ケース70の第2壁部73bよりも第1壁部73aに近い位置に設けられている。装置流入口82a及び装置流出口82bは、α方向において装置冷却路82の第1端部83aと第2端部83bとのほぼ中央の位置に設けられている。これにより、装置流入口82a及び装置流出口82bは、α方向において装置ケース70の第2壁部73bよりも第1壁部73aに近い位置にある。図5に示すように、装置冷却路82は装置横線Cγをα方向に跨ぐ位置にある。一方、装置流入口82a及び装置流出口82bは、装置ケース70の装置横線Cγよりも第1壁部73a側の位置にある。すなわち、装置流入口82a及び装置流出口82bは、装置横線Cγと第1壁部73aとの間にある。
装置冷却路82は、パワーモジュール61の上面61a全体に重なっている。装置冷却路82は、β方向に直交する方向において、パワーモジュール61よりも外側に延出している。この延出した部分には、第1延出部84a、第2延出部84b、第1側延出部84c、第2側延出部84dが含まれている。第1延出部84aは、装置冷却路82においてパワーモジュール61よりも第1壁部73a側に延出した部分であり、第1端部83aの少なくとも一部を形成している。第2延出部84bは、装置冷却路82においてパワーモジュール61よりも第2壁部73b側に延出した部分であり、第2端部83bの少なくとも一部を形成している。
第1側延出部84cは、装置冷却路82においてパワーモジュール61よりも第1側壁部73c側に延出した部分であり、第1側端部83cの少なくとも一部を形成している。第1側延出部84cには装置流入口82aが設けられている。第2側延出部84dは、装置冷却路82においてパワーモジュール61よりも第2側壁部73d側に延出した部分であり、第2側端部83dの少なくとも一部を形成している。第2側延出部84dには装置流出口82bが設けられている。
図1に示す駆動システム10は、モータユニット100を有している。図2に示すように、モータユニット100は、モータ12及び電力変換装置13を有している。モータユニット100においては、モータ12に電力変換装置13が取り付けられている。具体的には、モータケース45に装置ケース70が取り付けられている。モータユニット100は、モータ12と電力変換装置13とが互いに一体化されたユニットである。なお、モータユニット100が回転電機ユニットに相当する。
ここまでの電力変換装置13に関する説明では、電力変換装置13にとってのα方向、β方向、γ方向を基準にしていた。ここでは、電力変換装置13について、モータ12にとってのX方向、Y方向、Z方向、軸方向AD、周方向CD、径方向RDを基準にして、図2~図4を参照しつつ説明する。
図2~図4に示すように、電力変換装置13は、モータケース45の外周面47に対して固定されている。電力変換装置13は、外周面47のうち上側面47bに設けられており、上側面47bに載った状態になっている。電力変換装置13は、周方向CD及びY方向のいずれにおいても、外頂部47aとモータ横線Cxとの間に配置されている。電力変換装置13は、外頂部47aから周方向CDに離間した位置にあり、外頂部47aよりも上方には突出していない。電力変換装置13は、周方向CDにおいて外頂部47aから離間した位置にある。電力変換装置13の上端部は、Y方向において外頂部47aと内頂部46aとの間にある。本実施形態では、電力変換装置13の上端部が外頂部47aと同じ高さ位置にある。
図2に示すように、電力変換装置13は、径方向RDにおいてモータ冷却路52に重なる位置のうち、モータ流出口52bよりもモータ流入口52aに近い位置にある。電力変換装置13は、周方向CD及びX方向のいずれにおいても、モータ流入口52aを介してモータ流出口52bの反対側に設けられている。モータ流入口52aは、周方向CD及びX方向のいずれにおいても、電力変換装置13よりもモータ流出口52bに近い位置にある。
電力変換装置13は、Y方向に対して角度θだけ傾いた状態になっている。電力変換装置13は、モータケース45の外周面47に沿って周方向CDに延びた状態になっている。モータユニット100においては、電力変換装置13にとってのβ方向とモータケース45にとっての径方向RDとが一致している。同様に、α方向と周方向CDとが一致しており、γ方向と軸方向ADとが一致している。径方向RDに延びる仮想線のうち、モータ縦線Cyに対して角度θだけ傾斜した仮想線をモータ傾斜線Crdと称すると、電力変換装置13は、モータ傾斜線Crdが通過する位置に配置されている。モータ傾斜線Crdは、電力変換装置13にとってのβ方向に延びている。なお、角度θは、0度より大きく且つ90度以下の範囲に含まれており、例えば45度に設定されている。
図2、図3に示すように、電力変換装置13においては、装置ケース70の上端部70aが傾斜部74になっている。装置ケース70の下端部70bは、第2壁部73bと床部72との接続部分になっている。モータユニット100では、装置ケース70の傾斜部74が、Y方向においてモータケース45の外周面47の外頂部47aと内周面46の内頂部46aとの間にある。装置ケース70の下端部70bは、Y方向において内周面46の内頂部46aよりも低い位置にある。なお、装置ケース70の上端部70aが電力変換装置13の上端部になっており、下端部70bが電力変換装置13の下端部になっている。
周方向CDにおいては、第1壁部73aと第2壁部73bとが並んでいる。これら第1壁部73a及び第2壁部73bは、いずれも周方向CDに直交する方向に延びている。周方向CDにおいては、第1壁部73aが第2壁部73bよりもモータ流入口52aに近い位置にある。Y方向においては、第1壁部73aが第2壁部73bよりも上方の位置にある。なお、第1壁部73aが径方向RDに延びた壁部に相当する。
軸方向ADにおいては、第1側壁部73cと第2側壁部73dとが並んでいる。これら側壁部73c,73dは、いずれも軸方向ADに直交する方向に延びている。径方向RDにおいては、天井部71と床部72とが並んでいる。これら天井部71と床部72とは、いずれも径方向RDに直交する方向に延びている。径方向RDにおいては、床部72が天井部71よりもモータケース45に近い位置にあり、床部72がモータケース45の上側面47bに固定された状態になっている。傾斜部74は、Y方向に直交する方向に延びている。なお、天井部71及び床部72は、径方向RDに直交する方向に延びていなくても、径方向RDに交差する方向に延びていればよい。
装置ケース70では、天井部71の上端部と第1壁部73aの上端部とが傾斜部74を介して接続されている。ここで、図2に示すように、傾斜部74を有していない装置ケース70として、仮想ケース70Xを想定する。仮想ケース70Xでは、天井部71の上端部と第1壁部73aの上端部とが傾斜部74を介さずに直接的に接続されている。このため、仮想ケース70Xは、Y方向の高さ寸法が装置ケース70よりも大きくなり、Y方向においてモータケース45よりも上方に突出した状態になる。換言すれば、傾斜部74を有する装置ケース70は、傾斜部74を有していない仮想ケース70Xに比べて、モータケース45よりも上方に突出しにくい形状になっている。
図2、図3に示すように、装置冷却器80においては、装置冷却路82の第1端部83aが上端部になり、第2端部83bが下端部になる向きでY方向に対して傾いている。第1端部83aは、装置ケース70において傾斜部74の下方に設けられている。第1端部83aと傾斜部74とはY方向において上下に並んでいる。第1端部83aと傾斜部74とは、径方向RD及び周方向CDにおいても互いに並んだ位置関係になっている。
上述したように、Y方向において装置ケース70の高さ寸法は、仮想ケース70Xの高さ寸法よりも小さくなっている。このため、装置ケース70の上端部70aと装置冷却路82の第1端部83aとの離間距離が、仮想ケース70Xの上端部と第1端部83aとの離間距離に比べて小さい。すなわち、Y方向において、装置冷却路82の第1端部83aは傾斜部74に極力近い位置に配置されている。
パワーモジュール61及び装置冷却路82はいずれも、径方向RDに直交する方向に延びている。パワーモジュール61の上面61aは、径方向RDにおいて外側を向いているとともに、Y方向において上側を向いている。下面61bは、径方向RDにおいて内側を向いているとともに、Y方向において下側を向いている。
パワーモジュール61及び装置冷却路82はいずれも、装置ケース70の内部空間75において上寄りの位置に設けられている。パワーモジュール61及び装置冷却路82は、Y方向において装置ケース70の下端部70bよりも上端部70aに近い位置にある。パワーモジュール61及び装置冷却路82と上端部70aとの最短距離は、パワーモジュール61及び装置冷却路82と下端部70bとの最短距離よりも小さくなっている。
図3に示すように、装置ケース70の内部空間75のうち、上端部70a側の空間を上側空間75aと称し、下端部70b側の空間を下側空間75bと称すると、装置冷却路82の第1端部83aは、上側空間75aに配置されている。装置冷却路82の第2端部83bは、下側空間75bに配置されている。装置冷却路82は、上側空間75aと下側空間75bとの境界部75cをY方向において上下に跨いだ状態になっている。第1端部83aは、Y方向において境界部75cよりも上端部70aに近い位置にある。上側空間75aと下側空間75bとは、同じ容積を有する空間になっている。境界部75cは、Y方向に直交する方向である水平方向に延びている。なお、内部空間75については、容積の他にも、装置ケース70の体積や重心などに応じて上側空間75aと下側空間75bとを設定してもよい。
装置冷却路82において第1延出部84aは、周方向CD及びY方向のいずれにおいても、パワーモジュール61よりも上側に延出している。すなわち、第1端部83aは、周方向CDにおいてモータケース45の外頂部47a側に向けて突出している。第2延出部84bは、周方向CD及びY方向のいずれにおいても、パワーモジュール61よりも下側に延出している。すなわち、第2端部83bは、周方向CDにおいてモータケース45の内頂部46aとは反対側に向けて突出している。
図4、図5に示すように、装置冷却路82においては、装置流入口82aと装置流出口82bとが軸方向ADに並んでいる。このため、装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が軸方向ADに流れて装置流出口82bから流出していく。装置流入口82a及び装置流出口82bは、いずれも軸方向ADに開放されている。このため、装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が軸方向ADに流れやすくなっている。モータケース45と装置ケース70とが径方向RDに重なった部分では、モータ冷却路52を周方向CDに流れる冷媒は下方に向けて流れる。このため、モータケース45と装置ケース70とが径方向RDに重なった部分では、装置冷却路82を軸方向ADに流れる冷媒と、モータ冷却路52を流れる冷媒とが、互いに交差するように流れる状態になる。
図3に示すように、制御基板62は、第2搭載部品63bが第1搭載部品63aよりも低い位置に配置される向きでY方向に対して傾斜している。第2搭載部品63bは、Y方向において第1搭載部品63aよりも低い位置にある。これら搭載部品63a,63bはいずれも、装置ケース70の上端部70aよりも低い位置にある。第2搭載部品63bは、第1搭載部品63aに比べて装置ケース70の上端部70aから遠い位置にある。第1搭載部品63aは上側空間75aに配置されており、第2搭載部品63bは下側空間75bに配置されている。第1搭載部品63aは、Y方向に直交する方向において装置冷却路82に横並びに配置されている。第2搭載部品63bは、Y方向において装置冷却路82よりも低い位置に配置されている。
次に、モータユニット100の製造方法について説明する。
まず、電力変換装置13の製造方法について説明する。作業者は、装置ケース70を製造するための部材として、少なくともケース本体とカバーとを準備する。そして、ケース本体の開口部を通じて、ケース本体の内部にパワーモジュール61及び制御基板62を設置する。その後、ケース本体の開口部にカバーを取り付けて装置ケース70を作る。このカバーは、装置ケース70の床部72を形成する部材である。電力変換装置13の製造時においては、装置ケース70の天井部71を下にした状態で、上方に向けて開放された開口部を通じて上から制御基板62等を装置ケース70の内部に設置し、開口部に対しても上からカバーを取り付ける。この場合、装置ケース70の内部に対して、パワーモジュール61を設置した後に制御基板62を設置する。これにより、パワーモジュール61を介して天井部71とは反対側の位置に制御基板62を配置する作業を容易化できる。
そして、電力変換装置13の製造時とは上下が逆になるように電力変換装置13をひっくり返して、装置ケース70の床部72を下にした状態で、装置ケース70をモータケース45に取り付ける。このように、電力変換装置13の製造時に、装置ケース70の床部72が上方を向いた状態で制御基板62を装置ケース70に設置することで、制御基板62をパワーモジュール61と床部72との間に配置する作業を容易化できる。この結果、モータユニット100の製造時に、制御基板62を径方向RDにおいてモータ冷却路52と装置冷却路82との間に配置する作業を容易化できる。
なお、本実施形態とは異なる製造方法として、例えば、電力変換装置13を製造する場合に、装置ケース70の床部72を下にした状態で、上方に向けて開放された開口部を通じて制御基板62等を装置ケース70の内部に設置する、という製造方法が考えられる。この製造方法では、装置ケース70の内部に対して、パワーモジュール61よりも先に制御基板62を設置する必要が生じてしまう。この場合、制御基板62をパワーモジュール61等の機器に電気的に接続する作業について、困難性が高くなることが懸念される。すなわち、制御基板62をパワーモジュール61と床部72との間に配置する作業や、制御基板62を径方向RDにおいてモータ冷却路52と装置冷却路82との間に配置する作業について、の困難性が高くなることが懸念される。
駆動システム10が搭載された車両には、モータ12及び電力変換装置13を冷却するための冷却システムが搭載されている。この冷却システムは、冷媒の放熱を行う放熱部と、冷媒を循環させる駆動部とを有している。放熱部は、冷媒を冷却するラジエータ等の装置により形成されている。駆動部は、冷媒が流れる循環流路に対して設けられたポンプ等の装置により形成されている。循環流路には、モータ流路51や装置流路81が含まれている。例えば、装置冷却器80には、循環流路を形成する外部配管が装置上流路85や装置下流路86を介して装置流入口82aや装置流出口82bに通じるように接続されている。
本実施形態では、冷却システムがモータ冷却システムと装置冷却システムとを有している。モータ冷却システムは、モータ冷却器としてのモータケース45を流れる冷媒を冷却するシステムである。装置冷却システムは、装置冷却器80を流れる冷媒を冷却するシステムである。モータ冷却システムと装置冷却システムとは互いに独立したシステムである。冷媒、放熱部、駆動部及び循環経路については、モータ冷却システムと装置冷却システムとで共通化せずに、モータ冷却システムと装置冷却システムのそれぞれが独立して有している。このため、モータ冷却システムと装置冷却システムとで、冷媒の種類や、放熱部の放熱方法、駆動部の種類などを共通化する必要がない。したがって、モータ冷却システム及び装置冷却システムのそれぞれについて設計自由度を高めることができる。
なお、冷却システムにおいては、冷媒、放熱部、駆動部及び循環経路の少なくとも1つがモータ冷却システムと装置冷却システムとで共通化されていてもよい。例えば、1つの放熱部がモータ冷却システムの冷媒と装置冷却システムの冷媒との両方を冷却する構成になっていてもよい。また、冷媒、放熱部、駆動部及び循環経路の全てがモータ冷却システムと装置冷却システムとで共通化された構成とする。この構成では、例えば循環経路において、モータ流路51と装置流路81とが、一方が他方の上流側に配置された状態で互いに直列に接続されている。
ここまで説明した本実施形態によれば、電力変換装置13の装置ケース70がモータ12の外頂部47aから周方向CDに離間した位置に設けられている。このため、仮にモータ12の内部において外頂部47a付近に熱が溜まったとしても、この熱が装置ケース70に付与されるということが生じにくくなっている。
例えば、図2に示すように、モータケース45においては、モータ12の駆動に伴って発生した熱が内部空間45aに溜まることが考えられる。内部空間45aにおいて、特に多くの熱が溜まった領域を熱溜まりHp1と称すると、この熱溜まりHp1は、モータケース45の内頂部46aに近い上部領域に生じやすい。熱溜まりHp1が生じると、モータケース45の内周面46では特に内頂部46a付近の温度が高くなり、外周面47では特に外頂部47a付近の温度が高くなる、ということが懸念される。例えば、本実施形態とは異なり、電力変換装置13が周方向CDにおいて外頂部47aに重なる位置に設けられた構成では、熱溜まりHp1の熱が外頂部47aを介して電力変換装置13に伝わることが懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、電力変換装置13が外頂部47aから周方向CDに離間している。このため、仮に、熱溜まりHp1の熱によりモータケース45の外周面47のうち特に外頂部47aの温度が上昇したとしても、外頂部47aの温度上昇に伴って電力変換装置13の温度も上昇するということが生じにくくなっている。
本実施形態によれば、電力変換装置13においては、装置冷却路82の上端部である第1端部83aが装置ケース70の上側空間75aに設けられている。この構成では、装置冷却路82の冷却効果をパワーモジュール61と装置ケース70の上側空間75aの両方に付与できる。このため、装置ケース70の上側空間75aに熱が溜まるということを装置冷却路82により装置ケース70の内側から抑制できる。
例えば、図2に示すように、装置ケース70においては、パワーモジュール61の駆動に伴って発生した熱が内部空間75に溜まることが考えられる。内部空間75において、特に多くの熱が溜まった領域を熱溜まりHp2と称すると、この熱溜まりHp2は、装置ケース70の上側空間75aに生じやすい。熱溜まりHp2は、例えば装置ケース70の上端部70aである傾斜部74に沿って延びるような状態になりやすい。上側空間75aに熱溜まりHp2が生じると、パワーモジュール61や制御基板62の温度が上昇しやすくなることが懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、装置冷却路82の第1端部83aが上側空間75aに配置されている。この構成では、装置ケース70において熱溜まりHp2が発生しやすい上側空間75aに装置冷却路82の第1端部83aが配置されるため、装置ケース70の内部空間75に熱溜まりHp2が生じることを装置冷却路82の冷却効果により抑制できる。仮に熱溜まりHp2が発生したとしても、装置冷却路82の冷却効果により熱溜まりHp2の温度を低下させることができる。したがって、電力変換装置13の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、装置冷却路82全体が上寄りの位置に設けられている。この構成では、装置冷却路82のうち上側空間75aに配置される部位を極力大きくなっているため、上側空間75aに対する装置冷却路82の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、電力変換装置13において、装置冷却路82の装置流入口82aと装置流出口82bとが軸方向ADに並べられている。この構成では、冷媒が装置冷却路82を軸方向ADに流れやすいため、第1端部83aを軸方向ADに流れる冷媒は、装置流出口82bから流出するまで上側空間75aの冷却を継続しやすくなっている。このため、第1端部83aを軸方向ADに流れる冷媒については、パワーモジュール61を冷却した後に上側空間75aを冷却することや、上側空間75aを冷却した後にパワーモジュール61を冷却すること、が生じにくくなっている。例えば、パワーモジュール61から受け取った熱が大きい冷媒について、上側空間75aに付与する冷却効果が不足する、ということが生じにくくなっている。また、上側空間75aから受け取った熱が大きい冷媒について、パワーモジュール61に付与する冷却効果が不足する、ということが生じにくくなっている。したがって、上側空間75aに付与される冷媒の冷却効果と、パワーモジュール61に付与される冷媒の冷却効果とのうち一方が不足するということを抑制できる。
本実施形態によれば、装置冷却路82においては、軸方向ADに延びる第1端部83a及び第2端部83bが、周方向CDに延びる側端部83c,83dよりも長くなっている。この構成では、第1端部83aが軸方向ADに極力長くなっているため、上側空間75aにおいて第1端部83aからの冷却効果を軸方向ADについて広範囲に付与できる。これにより、装置冷却路82の第1端部83aによる上側空間75aの冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、装置冷却路82の第1端部83aは、周方向CDにおいてパワーモジュール61よりもモータケース45の外頂部47a側に延出している。すなわち、装置冷却路82が第1延出部84aを有している。この構成では、第1延出部84aから径方向RDの外側及び内側のそれぞれについて上側空間75aに対して冷却効果を付与できる。このため、上側空間75aに対して付与される装置冷却路82の冷却効果を高めることができる。なお、例えば本実施形態とは異なり、装置冷却路82の第1端部83aがパワーモジュール61から延出していない構成では、第1端部83aから径方向内側については上側空間75aに対して付与される冷却効果が非常に低くなることが懸念される。
本実施形態によれば、装置冷却路82においては、軸方向ADでの一方の端部である第1側端部83cに装置流入口82aが設けられ、他方の端部である第2側端部83dに装置流出口82bが設けられている。この構成では、装置冷却路82において、装置流入口82aと装置流出口82bとが軸方向ADに極力離間しているため、冷媒が第1端部83aを軸方向ADに流れる範囲を軸方向ADについて極力長くできる。換言すれば、装置冷却路82において冷媒の流れが乱れる範囲を軸方向ADについて極力短くできる。このため、上側空間75aに付与される冷媒の冷却効果と、パワーモジュール61に付与される冷媒の冷却効果とのうち一方が不足するということをより確実に抑制できる。
図2に示すように、装置ケース70の内部空間75では、上側空間75aのうち上端部70aである傾斜部74の下側が特に熱溜まりHp2が発生しやすい領域になっている。一方、本実施形態とは異なる仮想ケース70Xでは、装置ケース70と同様に上端部の下側に熱溜まりが発生しても、傾斜部74がない分だけ装置ケース70よりも熱溜まりが高い位置に存在することになる。このため、仮想ケース70Xでは、装置冷却路82が熱溜まりに届かないことが懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、装置ケース70の上端部70aである傾斜部74の下方に装置冷却路82の第1端部83aが設けられている。この構成では、装置ケース70の上側空間75aのうち、特に熱溜まりHp2が発生しやすい領域が、傾斜部74がある分だけ低い位置に存在することになる。このため、装置冷却路82の第1端部83aが熱溜まりHp2の発生しやすい領域に届きやすくなっている。したがって、傾斜部74の下側に熱溜まりHp2が発生することを装置冷却路82により抑制できる。仮に、傾斜部74の下側に熱溜まりHp2が発生したとしても、装置冷却路82の冷却効果により熱溜まりHp2の温度を低下させることができる。
本実施形態によれば、装置冷却路82の第1端部83aが、傾斜部74の下方位置のうち、特に、径方向RD及び周方向CDの両方について傾斜部74に並ぶ位置にある。この構成では、Y方向において、装置冷却路82の第1端部83aを傾斜部74に極力近い位置に配置することができる。これにより、装置ケース70において熱溜まりHp2が発生しやすい領域により確実に装置冷却路82の第1端部83aが届く構成を実現できる。
図3に示すように、装置流路81ではボイドVが発生することが考えられる。ボイドVは、冷媒の温度上昇などに伴って冷媒にて発生する空気等の気泡であり、特に、冷媒の熱交換が行われる装置冷却路82にて生じやすい。ボイドVは、冷媒に比べて熱伝導率が低い。このため、例えば、冷媒とパワーモジュール61との間にボイドVが存在すると、冷媒とパワーモジュール61との間の熱伝達率や熱交換率が低下することが懸念される。すなわち、パワーモジュール61に対する冷媒の冷却効果がボイドVにより低下することが懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、装置冷却路82がパワーモジュール61の上面61aに沿って延びている。すなわち、装置冷却路82の下側にパワーモジュール61がある。この構成では、仮に装置冷却路82にてボイドVが発生したとしても、このボイドVは、浮力でパワーモジュール61から離れるように上方に移動しやすい。このため、冷媒とパワーモジュール61との間にボイドVが存在するという状況が生じにくく、装置冷却路82においては、パワーモジュール61に対する冷媒の冷却効果がボイドVにより低下するということを抑制できる。
本実施形態の電力変換装置13では、発熱部品や低耐熱部品、特定部品が第2搭載部品63bとして、第1搭載部品63aと共に制御基板62に搭載されている。このため、装置ケース70において内部空間75の温度が上昇すると、制御基板62では、第2搭載部品63bの方が第1搭載部品63aよりも異常発生しやすいと考えられる。特に、装置ケース70の内部空間75では、熱が上端部70aに向けて上方に移動しやすいため、第2搭載部品63bの設置位置が上端部70aに近いほど第2搭載部品63bの異常発生が懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、装置ケース70の内部空間75において、第2搭載部品63bが第1搭載部品63aよりも低い位置に設けられている。この構成では、装置ケース70の内部空間75において、第2搭載部品63bを熱溜まりHp2が発生しやすい領域から極力離すことができるため、第2搭載部品63bの異常発生を抑制できる。
また、装置ケース70の内部にて熱溜まりHp2が発生した場合には、第1搭載部品63aは、第2搭載部品63bよりも熱溜まりHp2からの熱を受けやすいと考えられる。この場合、第2搭載部品63bに比べて熱による異常が発生しにくい第1搭載部品63aであっても、熱溜まりHp2からの熱により異常発生することが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、装置ケース70において熱溜まりHp2が発生することが装置冷却路82により抑制されるため、第1搭載部品63aの異常発生を抑制することができる。
本実施形態によれば、モータケース45の外周面47において、モータ冷却路52に対して径方向RDに重なる位置に電力変換装置13が設けられている。このため、モータ冷却路52を流れる冷媒の冷却効果を、モータケース45から電力変換装置13に付与できる。しかも、電力変換装置13は、モータ流出口52bよりもモータ流入口52aに近い位置に設けられている。この構成では、モータ冷却路52を流れる冷媒のうち、固定子41や回転子42から熱を受け取る前であって冷却効果が高い状態の冷媒により、電力変換装置13に冷却効果を付与できる。このため、モータ冷却路52から電力変換装置13に対して付与される冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、電力変換装置13はモータケース45の上側面47bに設けられている。このため、車両の製造時やメンテナンス時において、作業者が電力変換装置13に対する作業を電力変換装置13の上方から行う場合に、その作業を行いやすくなっている。しかも、電力変換装置13がモータケース45の外頂部47aよりも上方に突出しないようになっている。このため、電力変換装置13とモータ12とがモータユニット100として搭載された車両において、ボンネット等の車体に電力変換装置13が接触しにくい構成を実現できる。したがって、車体や電力変換装置13を適正に保護することができる。
本実施形態によれば、電力変換装置13では、制御基板62がパワーモジュール61と床部72との間に設けられている。すなわち、モータユニット100では、径方向RDにおいて制御基板62がモータ冷却路52と装置冷却路82との間に設けられている。この構成では、モータ冷却路52が制御基板62の径方向内側部分に対して冷却効果を付与しやすくなっている。一方、装置冷却路82は制御基板62の径方向外側部分に対して冷却効果を付与しやすくなっている。このように、制御基板62の径方向内側部分及び径方向外側部分の両方に対して冷媒の冷却効果が付与されるため、制御基板62に対する冷却効果を高めることができる。
例えば、本実施形態とは異なり、電力変換装置13において制御基板62がパワーモジュール61と天井部71との間に設けられた構成を想定する。この構成では、モータユニット100において、径方向RDにおいて制御基板62が装置冷却路82を介してモータ冷却路52とは反対側に設けられている。このため、モータ冷却路52の冷却効果及び装置冷却路82の冷却効果の両方が、制御基板62の径方向内側部分に対して付与されやすくなっている。換言すれば、制御基板62の径方向外側部分に対しては、モータ冷却路52の冷却効果及び装置冷却路82の冷却効果のいずれも付与されにくくなっている。このため、制御基板62に対する冷却効果が低下することが懸念される。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aと装置流出口82bとが軸方向ADに並べて設けられていた。これに対して、第2実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置に設けられている。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、電力変換装置13の構成について、電力変換装置13にとってのα方向、β方向、γ方向を基準にして、図6、図7を参照しつつ説明する。
図6、図7に示すように、パワーモジュール61は、α方向に延びた縦長形状になっている。パワーモジュール61においては、α方向の長さ寸法がγ方向の長さ寸法よりも大きくなっている。パワーモジュール61では、長辺部がα方向に延びており、短辺部がγ方向に延びている。パワーモジュール61は、α方向において装置ケース70の第1壁部73aと第2壁部73bとのほぼ中央の位置にある。パワーモジュール61は、γ方向において装置ケース70の第2側壁部73dよりも第1側壁部73cに近い位置にある。
電力変換装置13において、装置流入口82aは、装置冷却路82の第2端部83bに設けられている。装置流出口82bは、装置冷却路82の第1端部83aに設けられている。装置流入口82aと装置流出口82bとは、互いに対向した状態でα方向に並べられている。装置流入口82a及び装置流出口82bは、α方向において装置冷却路82を互いに反対の向きに開放している。
なお、装置冷却路82においては、装置流入口82aの少なくとも一部が第2端部83bに形成されていれば、この装置流入口82aは第2端部83bに設けられているとする。装置流出口82bについても同様に、装置流出口82bの少なくとも一部が第1端部83aに形成されていれば、この装置流出口82bは第1端部83aに設けられているとする。第2実施形態では、装置流入口82aの全てが第2端部83bに形成されており、装置流出口82bの全てが第1端部83aに形成されている。
装置冷却路82においては、装置上流路85から装置流入口82aを通じて流入してきた冷媒が、上方に向けてα方向に流れて装置流出口82bを通じて装置下流路86に流出していく。この冷媒は、装置冷却路82において側端部83c,83d沿ってα方向に流れる。装置上流路85は、α方向において装置流入口82aから装置流出口82bとは反対側に向けてα方向に延びている。装置下流路86は、α方向において装置流出口82bから装置流入口82aとは反対側に向けて延びている。装置上流路85と装置下流路86とは、α方向において装置冷却路82を介して縦並びに設けられている。
装置冷却路82は、α方向に延びた縦長形状になっている。装置冷却路82においては、側端部83c,83dの長さ寸法が、第1端部83a及び第2端部83bの長さ寸法よりも大きくなっている。側端部83c,83dは第1端部83a及び第2端部83bよりも長い長辺部になっており、第1端部83a及び第2端部83bは短辺部になっている。
装置冷却路82は、γ方向において装置ケース70の第2側壁部73dよりも第1側壁部73cに近い位置に設けられている。装置流入口82a及び装置流出口82bは、γ方向において装置冷却路82の第1側端部83cと第2側端部83dとのほぼ中央の位置に設けられている。これにより、装置流入口82a及び装置流出口82bは、γ方向において装置ケース70の第2側壁部73dよりも第1側壁部73cに近い位置にある。なお、装置冷却路82、装置流入口82a及び装置流出口82bは、第1側壁部73cと第2側壁部73dとの間にあれば、第2側壁部73dよりも第1側壁部73cに近い位置になくてもよい。
装置冷却路82は、α方向において装置ケース70の第1壁部73aと第2壁部73bとのほぼ中央の位置に設けられている。装置冷却路82において、装置流入口82aは、装置横線Cγと装置ケース70の第1壁部73aとの間において、装置横線Cγよりも第1壁部73aに近い位置にある。装置流出口82bは、装置横線Cγと装置ケース70の第2壁部73bとの間において、装置横線Cγよりも第2壁部73bに近い位置にある。
装置冷却路82においては、装置流入口82aが第2延出部84bに設けられており、装置流出口82bが第1延出部84aに設けられている。
次に、電力変換装置13の構成について、モータ12にとってのX方向、Y方向、Z方向、軸方向AD、周方向CD、径方向RDを基準にして説明する。
パワーモジュール61においては、周方向CDの長さ寸法が軸方向ADの長さ寸法よりも大きくなっている。パワーモジュール61は、Y方向において装置ケース70の上端部70aと下端部70bとのほぼ中央の位置にある。装置冷却路82は、装置ケース70の下端部70bよりも上端部70aに近い位置にある。装置冷却路82の第1端部83aは、装置ケース70の上側空間75aに設けられており、Y方向において境界部75cよりも装置ケース70の上端部70aに近い位置にある。装置冷却路82の第2端部83bは、装置ケース70の下側空間75bに設けられており、Y方向において境界部75cよりも装置ケース70の下端部70bに近い位置にある。
装置流出口82bは、装置冷却路82の上端部である第1端部83aに設けられていることで、装置ケース70においては上端部70aである傾斜部74の下方にある。装置流出口82bと傾斜部74とはY方向において互いに並ぶ位置に配置されている。装置下流路86は、周方向CDにおいて装置流出口82bからモータ12の外頂部47aに向けて延びている。装置流入口82aは、装置冷却路82の下端部である第2端部83bに設けられている。なお、装置冷却器80において装置下流路86を形成する部位は、装置ケース70の傾斜部74や第1壁部73aからケース外側に突出している。装置上流路85を形成する部位は、装置ケース70の第2壁部73bからケース外側に突出している。
装置冷却路82においては、周方向CDの長さ寸法が軸方向ADの長さ寸法よりも大きくなっている。装置冷却路82においては、装置流入口82aと装置流出口82bとが周方向CDに並んでいる。また、装置流入口82aは、Y方向において装置流出口82bよりも低い位置にある。したがって、装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が上方に向けて周方向CDに流れて装置流出口82bから流出していく。装置流入口82a及び装置流出口82bは、いずれも周方向CDに開放されている。このため、装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が上方に向けて周方向CDに流れやすくなっている。モータケース45と装置ケース70とが径方向RDに重なった部分では、装置冷却路82を上方に向けて周方向CDに流れる冷媒と、モータ冷却路52を下方に向けて周方向CDに流れる冷媒とが、互いに反対向きに流れる状態になる。
ここまで説明した第2実施形態によれば、電力変換装置13の装置ケース70がモータ12の外頂部47aから周方向CDに離間した位置に設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
第2実施形態によれば、電力変換装置13の装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が上方に向けて流れて装置流出口82bから流出していく。このため、図6に示すように装置冷却路82にてボイドVが発生したとしても、気泡であるボイドVが上方に移動しやすいという事象に起因して、ボイドVは冷媒と共に上方に移動して装置流出口82bから流出しやすくなっている。このように、ボイドVが装置冷却路82に滞留するということが生じにくいため、装置冷却路82において冷媒の冷却効果がボイドVにより低下するということを抑制できる。したがって、上記第1実施形態と同様に、電力変換装置13の冷却効果を高めることができる。
なお、仮に装置冷却路82にボイドVが滞留したとすると、ボイドVが滞留した分だけ装置冷却路82内の冷媒が減少すると考えられる。この場合、装置冷却路82を流れる冷媒により発揮される冷却効果が低下することが懸念される。
第2実施形態によれば、電力変換装置13では、装置冷却路82の装置流入口82aと装置流出口82bとが周方向CDに並べられている。この構成では、冷媒が装置冷却路82を上方に向けて周方向CDに流れやすくなる。このため、仮に装置冷却路82にてボイドVが発生したとしても、このボイドVが冷媒と共に上方に向けて周方向CDに流れやすくなる。このため、装置冷却路82に生じたボイドVが冷媒と共に装置流出口82bから流出することを促進できる。
第2実施形態によれば、装置冷却路82において、周方向CDの長さ寸法は軸方向ADの長さ寸法よりも大きい。この構成では、装置流入口82aと装置流出口82bとを周方向CDに極力離間させることができる。このため、仮に、装置流入口82aから装置冷却路82に流入することで冷媒の流れが乱れたとしても、冷媒が装置流出口82bに到達するまでに周方向CDに十分に長い距離を流れる間に、冷媒の流れの乱れが小さくなりやすい。したがって、装置冷却路82において、冷媒の流れの乱れによりボイドVが装置流出口82bから流出しにくくなる、ということを抑制できる。すなわち、冷媒の流れの乱れによりボイドVが装置冷却路82に滞留する、ということを抑制できる。
装置冷却路82では、冷媒が流出していく装置流出口82bの周辺において冷媒の流れに乱れが生じることが考えられる。この場合、装置流出口82b周辺においては、冷媒の流れと共にボイドVの流れも乱れ、ボイドVが滞留することが懸念される。
これに対して、第2実施形態によれば、装置冷却路82の第1延出部84aに装置流出口82bが設けられている。この装置冷却路82では、冷媒の流れが乱れることで装置流出口82b周辺の領域にボイドVが滞留したとしても、ボイドVの滞留位置が第1延出部84aに含まれやすい。このように、径方向RDにおいてパワーモジュール61に重複していない第1延出部84aの装置流出口82b周辺にボイドVが滞留したとしても、パワーモジュール61に対する冷媒の冷却効果がボイドVにより低下するということを抑制できる。しかも、装置流出口82bが設けられた第1延出部84aは、径方向RDの外側及び内側のそれぞれについて上側空間75aに対して冷却効果を付与できる。
第2実施形態によれば、装置冷却路82の下端部である第2端部83bに装置流入口82aが設けられている。また、装置冷却路82の上端部である第1端部83aに装置流出口82bが設けられている。この構成では、装置冷却路82において、周方向CDにおいて装置流入口82aと装置流出口82bとを互いに最も離れた位置に配置できる。このため、仮に、装置流入口82aから装置冷却路82に流入することで冷媒の流れが乱れたとしても、冷媒が装置流出口82bに到達するまでに周方向CDに最大限に長い距離を流れることで、冷媒の流れの乱れをより確実に低減できる。
第2実施形態によれば、装置ケース70の上端部70aである傾斜部74の下方に装置冷却路82の第1端部83aがあるため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第2実施形態では、第1端部83aにある装置流出口82bから装置下流路86が延びている。このため、装置ケース70の内部空間75のうち傾斜部74の下方位置では、装置冷却路82に加えて装置下流路86により冷却効果が発揮される。したがって、装置ケース70において熱溜まりHp2が生じることを、装置冷却路82に加えて装置下流路86によっても抑制できる。
第2実施形態によれば、装置冷却路82の第1端部83aが、傾斜部74の下方位置のうち、特に、径方向RD及び周方向CDの両方について傾斜部74に並ぶ位置にあるため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第2実施形態では、第1端部83aに加えて装置下流路86の少なくとも一部が、径方向RD及び周方向CDの両方について傾斜部74に並ぶ位置にある。このため、装置下流路86の冷却効果によって装置ケース70での熱溜まりHp2の発生をより確実に抑制できる。
第2実施形態によれば、装置冷却路82がパワーモジュール61の上面61aに沿って延びているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第2実施形態では、装置冷却路82において、装置流入口82aから流入してきた冷媒が装置流出口82bに向けて上方に流れる。このため、装置冷却路82においてボイドVがパワーモジュール61に近い位置を通ることはあっても、このボイドVがパワーモジュール61に近い位置に滞留するということが生じにくくなっている。したがって、装置冷却路82においては、パワーモジュール61に対する冷媒の冷却効果がボイドVにより低下するということをより確実に抑制できる。
第2実施形態によれば、装置ケース70の内部空間75では、第2搭載部品63bが第1搭載部品63aよりも低い位置にあるため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第2実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置に設けられている。このため、装置冷却路82において、冷却能力が低下して装置流出口82bから流出する冷媒ではなく、装置流入口82aから流入してきた冷却能力が高い状態の冷媒により、第2搭載部品63bに対する冷却効果が付与されやすくなっている。したがって、熱により第2搭載部品63bに異常が発生するということをより確実に抑制できる。
第2実施形態によれば、モータケース45の外周面47において、モータ冷却路52に対して径方向RDに重なる位置に電力変換装置13が設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第2実施形態では、装置冷却路82において冷媒が上方に向けて流れることでボイドVによる冷媒の冷却効果低下を抑制している。このため、モータ冷却路52を流れる冷媒から装置冷却路82を流れる冷媒に付与される冷却効果が、装置冷却路82内のボイドVにより低下するということを抑制できる。
第2実施形態によれば、電力変換装置13はモータケース45の上側面47bに設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。第2実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置にある。このため、例えば装置流入口82aに通じる外部配管について、装置流出口82bに通じる外部配管に比べて、メンテナンス等の作業の難易度が高くなることが考えられる。これに対して、電力変換装置13がモータケース45の上側面47bに設けられているため、装置流入口82aに通じる外部配管について作業の難易度を下げることができる。
<第3実施形態>
上記第2実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置に設けられていた。これに対して、第3実施形態では、装置流入口82aと装置流出口82bとの上下関係が上記第2実施形態とは逆になっている。すなわち、第3実施形態では、装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置に設けられている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1、第2実施形態と同様である。第3実施形態では、上記第1、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、電力変換装置13の構成について、電力変換装置13にとってのα方向、β方向、γ方向を基準にして、図8、図9を参照しつつ説明する。
図8、図9に示すように、パワーモジュール61は、上記第2実施形態と同様の構成になっている。例えば、パワーモジュール61はα方向に延びた縦長形状になっている。
第3実施形態では、装置流入口82aと装置流出口82bとが、α方向において上記第2実施形態とは逆の配置になっている。装置流入口82aは、装置冷却路82の第1端部83aに設けられている。また、装置流入口82aは第1延出部84aに設けられている。装置流出口82bは、装置冷却路82の第2端部83bに設けられている。また、装置流出口82bは第2延出部84bに設けられている。第3実施形態でも、装置流入口82aと装置流出口82bとは、互いに対向した状態でα方向に並べられ、α方向において装置冷却路82を互いに反対の向きに開放している。
なお、装置冷却路82においては、装置流入口82aの少なくとも一部が第1端部83aに形成されていれば、この装置流入口82aは第1端部83aに設けられているとする。装置流出口82bについても同様に、装置流出口82bの少なくとも一部が第2端部83bに形成されていれば、この装置流出口82bは第2端部83bに設けられているとする。第3実施形態では、装置流入口82aの全てが第1端部83aに形成されており、装置流出口82bの全てが第2端部83bに形成されている。
第3実施形態では、装置上流路85と装置下流路86とが、α方向において上記第2実施形態とは逆の配置になっている。この構成でも、装置上流路85と装置下流路86とは、α方向において装置冷却路82を介して縦並びに設けられている。
次に、電力変換装置13の構成について、モータ12にとってのX方向、Y方向、Z方向、軸方向AD、周方向CD、径方向RDを基準にして説明する。
第3実施形態では、上記第2実施形態とは異なり、Y方向において装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にある。したがって、装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が下方に向けて周方向CDに流れて装置流出口82bから流出していく。第3実施形態でも、上記第2実施形態と同様に、装置流入口82a及び装置流出口82bは、いずれも周方向CDに開放されている。また、装置流入口82aと装置流出口82bとは周方向CDに並べられている。したがって、装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が下方に向けて周方向CDに流れやすくなっている。モータケース45と装置ケース70とが径方向RDに重なった部分では、装置冷却路82を下方に向けて周方向CDに流れる冷媒と、モータ冷却路52を下方に向けて周方向CDに流れる冷媒とが、互いに同じ向きに流れる状態になる。
装置流入口82aは、装置冷却路82の上端部である第1端部83aに設けられていることで、装置ケース70においては上端部70aである傾斜部74の下方にある。装置流入口82aと傾斜部74とはY方向において互いに並ぶ位置に配置されている。装置上流路85は、周方向CDにおいて装置流入口82aからモータ12の外頂部47aに向けて延びている。装置流出口82bは、装置冷却路82の下端部である第2端部83bに設けられている。なお、装置冷却器80において装置上流路85を形成する部位は、装置ケース70の傾斜部74や第1壁部73aからケース外側に突出している。装置下流路86を形成する部位は、装置ケース70の第2壁部73bからケース外側に突出している。
ここまで説明した第3実施形態によれば、電力変換装置13の装置ケース70がモータ12の外頂部47aから周方向CDに離間した位置に設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
第3実施形態によれば、電力変換装置13の装置冷却路82においては、装置流入口82aから流入してきた冷媒が下方に向けて流れて装置流出口82bから流出していく。この冷媒は、装置流入口82aから装置冷却路82に流入した後にパワーモジュール61に冷却効果を付与する。したがって、装置ケース70の内部空間75においては、パワーモジュール61の冷却によって冷却能力が低下した状態の冷媒ではなく、冷却能力が高い状態の冷媒により内部空間75において装置流入口82a周辺の空気を冷却することができる。このため、装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にあることで、装置ケース70の内部空間75において上方の位置ほど温度が上昇するということを抑制できる。すなわち、装置ケース70の内部空間75に熱溜まりHp2が生じることを冷却能力が高い状態の冷媒により抑制できる。これにより、上記第1実施形態と同様に、電力変換装置13の冷却効果を高めることができる。
第3実施形態によれば、装置冷却路82の装置流入口82aと装置流出口82bとが周方向CDに並べられている。この構成では、冷媒が装置冷却路82を下方に向けて周方向CDに流れやすくなる。このため、仮に装置冷却路82にてボイドVが発生したとしても、ボイドVの浮力に抗して冷媒がボイドVを装置流出口82bに向けて下方に押し流しやすくなっている。したがって、装置冷却路82にボイドVが滞留して、パワーモジュール61や内部空間75に対する冷媒の冷却効果がボイドVにより低下する、ということを抑制できる。
第3実施形態によれば、装置冷却路82において、周方向CDの長さ寸法は軸方向ADの長さ寸法よりも大きい。この構成では、上記第2実施形態と同様に、冷媒の流れの乱れによりボイドVが装置冷却路82に滞留するということを抑制できる。特に、第3実施形態では、ボイドVが浮力によって装置流入口82aに戻りやすいため、冷媒の流れの乱れを小さくすることは、ボイドVが装置流出口82bから流出することを促進する上で効果的である。
装置冷却路82では、冷媒が流入してくる装置流入口82aの周辺において冷媒の流れの乱れが生じることが考えられる。この場合、装置流入口82a周辺においては、冷媒の流れと共にボイドVの流れも乱れ、ボイドVが滞留することが懸念される。
これに対して、第3実施形態によれば、装置冷却路82の第1延出部84aに装置流入口82aが設けられている。この装置冷却路82では、冷媒の流れが乱れることで装置流入口82a周辺にボイドVが滞留したとしても、ボイドVの滞留位置が第1延出部84aに含まれやすい。このように、径方向RDにおいてパワーモジュール61に重複していない第1延出部84aの装置流入口82a周辺にボイドVが滞留したとしても、パワーモジュール61に対する冷媒の冷却効果がボイドVにより低下するということを抑制できる。しかも、装置流入口82aが設けられた第1延出部84aは、径方向RDの外側及び内側のそれぞれについて上側空間75aに対して冷却効果を付与できる。
第3実施形態によれば、装置冷却路82の上端部である第1端部83aに装置流入口82aが設けられ、装置冷却路82の下端部である第2端部83bに装置流出口82bが設けられている。この構成では、上記第2実施形態と同様に、装置冷却路82において、周方向CDにおいて装置流入口82aと装置流出口82bとを互いに最も離れた位置に配置できる。このため、冷媒の流れの乱れをより確実に低減できる。
第3実施形態によれば、装置ケース70の傾斜部74の下方に装置冷却路82の第1端部83aが設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第3実施形態では、第1端部83aにある装置流入口82aから装置上流路85が延びている。このため、装置ケース70の内部空間75のうち傾斜部74の下方位置では、装置冷却路82に加えて装置上流路85により冷却効果が発揮される。したがって、装置ケース70において熱溜まりHp2が生じることを、装置冷却路82に加えて装置上流路85によっても抑制できる。
第3実施形態によれば、装置冷却路82の第1端部83aが、傾斜部74の下方位置のうち、特に、径方向RD及び周方向CDの両方について傾斜部74に並ぶ位置に設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第3実施形態では、第1端部83aに加えて装置上流路85の少なくとも一部が、径方向RD及び周方向CDの両方について傾斜部74に並ぶ位置にある。このため、装置上流路85の冷却効果によって装置ケース70での熱溜まりHp2の発生をより確実に抑制できる。
第3実施形態によれば、装置冷却路82がパワーモジュール61の上面61aに沿って延びているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第3実施形態では、装置冷却路82において、装置流入口82aから流入してきた冷媒が装置流出口82bに向けて下方に流れる。このため、装置流入口82aから流入してきた冷媒のうちまだ冷却能力が高い冷媒が、装置冷却路82において低い位置を流れることで、パワーモジュール61に対して冷却効果を付与しやすくなる。
第3実施形態によれば、装置ケース70の内部空間75では、第2搭載部品63bが第1搭載部品63aよりも低い位置にあるため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第3実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置に設けられている。このため、仮に、装置ケース70に熱溜まりHp2が発生したとしても、この熱溜まりHp2からの熱により第1搭載部品63aに異常が発生するということを、装置流入口82aから流入してきた冷却能力が高い状態の冷媒により抑制できる。
第3実施形態によれば、モータケース45の外周面47において、モータ冷却路52に対して径方向RDに重なる位置に電力変換装置13が設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第3実施形態では、装置冷却路82において装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にあることで、装置ケース70に熱溜まりHp2が生じることを冷却能力が高い状態の冷媒により抑制している。このため、モータ冷却路52を流れる冷媒から装置ケース70に付与される冷却能力により、装置ケース70に熱溜まりHp2が生じることに対する装置冷却路82の抑制力を高めることができる。
第3実施形態によれば、電力変換装置13はモータケース45の上側面47bに設けられているため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。第3実施形態では、装置冷却路82において装置流出口82bが装置流入口82aよりも低い位置にある。このため、例えば装置流出口82bに通じる外部配管について、装置流入口82aに通じる外部配管に比べて、メンテナンス等の作業の難易度が高くなることが考えられる。これに対して、電力変換装置13がモータケース45の上側面47bに設けられているため、装置流出口82bに通じる外部配管について作業の難易度を下げることができる。
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、電力変換装置13の装置冷却器80が装置冷却路82を1つ有していた。これに対して、第4実施形態では、装置冷却器80が3種類の装置冷却路82を有している。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1~第3実施形態と同様である。第4実施形態では、上記第1~第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
第4実施形態では、電力変換装置13の構成について、モータ12にとってのX方向、Y方向、Z方向、軸方向AD、周方向CD、径方向RDを基準にして説明する。
図10に示すように、装置冷却器80は、第1装置冷却路821、第2装置冷却路822及び第3装置冷却路823を有している。これら装置冷却路821~823が3種類の装置冷却路82である。第1装置冷却路821は、装置流入口82aと装置流出口82bとの位置関係が、上記第1実施形態の装置冷却路82と同じになっている。第1装置冷却路821においては、装置流入口82aと装置流出口82bとが軸方向ADに並べられている。第2装置冷却路822は、装置流入口82aと装置流出口82bとの位置関係が、上記第2実施形態の装置冷却路82と同じになっている。第2装置冷却路822においては、装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置に設けられている。第3装置冷却路823は、装置流入口82aと装置流出口82bとの位置関係が、上記第3実施形態の装置冷却路82と同じになっている。第3装置冷却路823においては、装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置に設けられている。
装置冷却路821~823は、装置流路81に含まれており、装置流路81において上下流方向に直列に配置されている。上下流方向は、装置流路81の上流端と下流端とが並んだ方向であり、装置流路81においては、全体として上下流方向に冷媒が流れる。装置流路81においては、装置冷却路821~823のうち、第2装置冷却路822が最も上流側に設けられ、第3装置冷却路823が最も下流側に設けられている。第2装置冷却路822には装置上流路85が接続され、第3装置冷却路823には装置下流路86が接続されている。第1装置冷却路821は、上下流方向において第2装置冷却路822と第3装置冷却路823との間に設けられている。
装置冷却器80は、装置冷却路821~823を接続する接続路87を有している。接続路87は、装置流路81に含まれており、装置冷却路821~823のうち上下流方向に隣り合う装置冷却路を接続している。接続路87は、上下流方向において第2装置冷却路822と第1装置冷却路821との間に設けられており、これら装置冷却路822,821を接続している。また、接続路87は、上下流方向において第1装置冷却路821と第3装置冷却路823との間に設けられており、これら装置冷却路821,823を接続している。
装置ケース70の内部においては、第1装置冷却路821が上寄りの位置に設けられ、第2装置冷却路822及び第3装置冷却路823が下寄りの位置に設けられている。第1装置冷却路821は、上記第1実施形態と同様に、周方向CDにおいて第2壁部73bよりも第1壁部73aに近い位置に設けられている。第1装置冷却路821は、第1壁部73aと装置横線Cγとの間にある。第1装置冷却路821においては、上記第1実施形態と同様に、少なくとも第1端部83aが装置ケース70の上側空間75a(図3参照)にある。
第1装置冷却路821においては、上記第1実施形態と同様に、側端部83c,83dのうち一方に装置流入口82aが設けられ、他方に装置流出口82bが設けられている。これら装置流入口82a及び装置流出口82bは、上記第1実施形態とは異なり、いずれも周方向CDに開放されている。第1装置冷却路821においては、上記第1実施形態の装置冷却路82と同じ構成について、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
第2装置冷却路822及び第3装置冷却路823はいずれも、周方向CDにおいて第1装置冷却路821と第2壁部73bとの間に設けられている。これら装置冷却路822,823は、装置横線Cγを周方向CDに跨ぐ位置にある。これら装置冷却路822,823においては、上記第2、第3実施形態と同様に、少なくとも第1端部83aが装置ケース70の上側空間75a(図6、図8参照)にある。
第2装置冷却路822においては、上記第2実施形態と同様に、下端部である第2端部83bに装置流入口82aが設けられ、上端部である第1端部83aに装置流出口82bが設けられている。これら装置流入口82a及び装置流出口82bは、上記第2実施形態と同様に、周方向CDに開放されている。第2装置冷却路822においては、上記第2実施形態の装置冷却路82と同じ構成について、上記第2実施形態と同様の効果を奏する。
第3装置冷却路823においては、上記第3実施形態と同様に、上端部である第1端部83aに装置流入口82aが設けられ、下端部である第2端部83bに装置流出口82bが設けられている。これら装置流入口82a及び装置流出口82bは、上記第3実施形態と同様に、周方向CDに開放されている。第3装置冷却路823においては、上記第3実施形態の装置冷却路82と同じ構成について、上記第3実施形態と同様の効果を奏する。
第4実施形態では、電力変換装置13がパワーモジュール61を複数有している。例えば、装置ケース70にはパワーモジュール61が3つ収容されている。これらパワーモジュール61は、それぞれ1相分のアーム回路31を構成している。装置冷却路821~823は、それぞれ1つのパワーモジュール61に重ねられた状態で設けられている。
なお、装置冷却器80が3種類の装置冷却路821~823を有していれば、これら装置冷却路821~823について、装置ケース70内部での配置や、上下流方向での配置、数などが、第4実施形態でのここまでの説明とは異なっていてもよい。例えば、装置ケース70の内部において、装置冷却路821~823が軸方向ADに横並びに設けられていてもよい。また、装置流路81の上下流方向に対して、装置冷却路821~823が直列ではなく並列に配置されていてもよい。さらに、装置冷却路821~823の少なくとも1種類が複数設けられていてもよい。
<第5実施形態>
上記第4実施形態では、装置冷却器80が3種類の装置冷却路82を有していた。これに対して、第5実施形態では、装置冷却器80が2種類の装置冷却路82を有している。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1~第4実施形態と同様である。第5実施形態では、上記第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11に示すように、装置冷却器80は、上記第4実施形態で例示された装置冷却路821~823のうち、第2装置冷却路822及び第3装置冷却路823を有している。これら装置冷却路822,823が2種類の装置冷却路82である。装置冷却器80は、装置冷却路82を3つ有している。3つの装置冷却路82は、装置流路81において上下流方向に直列に配置されている。例えば、装置冷却器80は、1つの第2装置冷却路822と、2つの第3装置冷却路823とを有している。装置流路81においては、2つの第3装置冷却路823のうち、一方が最も上流側に設けられ、他方が最も下流側に設けられている。第2装置冷却路822は、上下流方向において、2つの第3装置冷却路823の間に設けられている。最上流の第3装置冷却路823には装置上流路85が接続されており、最下流の第3装置冷却路823には装置下流路86が接続されている。第2装置冷却路822と第3装置冷却路823とは接続路87により接続されている。
装置ケース70の内部においては、装置冷却路822,823が軸方向ADに並べられている。例えば、2つの第3装置冷却路823が軸方向ADに並べられており、これら第3装置冷却路823の間に1つの第2装置冷却路822が設けられている。これら装置冷却路822,823はいずれも上寄りの位置に設けられている。
2つの第3装置冷却路823はいずれも、上記第3、第4実施形態と同様に、上端部である第1端部83aに装置流入口82aが設けられ、下端部である第2端部83bに装置流出口82bが設けられている。2つの第3装置冷却路823のうち、最上流の第3装置冷却路823においては、装置流入口82aが周方向CDに開放されている一方で、装置流出口82bは軸方向ADに開放されている。最下流の第3装置冷却路823においては、装置流出口82bが周方向CDに開放されている一方で、装置流入口82aは軸方向ADに開放されている。第3装置冷却路823においては、上記第3実施形態の装置冷却路82と同じ構成について、上記第3実施形態と同様の効果を奏する。
1つの第2装置冷却路822においては、上記第2、第4実施形態と同様に、下端部である第2端部83bに装置流入口82aが設けられ、上端部である第1端部83aに装置流出口82bが設けられている。この第2装置冷却路822においては、上記第2、第4実施形態とは異なり、装置流入口82a及び装置流出口82bがいずれも軸方向ADに開放されている。第2装置冷却路822においては、上記第2実施形態の装置冷却路82と同じ構成について、上記第2実施形態と同様の効果を奏する。
なお、装置冷却器80が装置冷却路821~823のうち2種類の装置冷却路82を有していれば、2種類の装置冷却路82について、装置ケース70内部での配置や上下流方向での配置、数などが、第5実施形態でのここまでの説明とは異なっていてもよい。例えば、装置ケース70の内部において、2種類の装置冷却路82が周方向CDに並べて設けられていてもよい。また、装置流路81の上下流方向に対して、2種類の装置冷却路82が直列ではなく並列に配置されていてもよい。さらに、2種類の装置冷却路82が合計で2つや4つ以上設けられていてもよい。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記第1実施形態において、装置流入口82a及び装置流出口82bは軸方向ADに開放されていなくてもよい。例えば、装置流入口82a及び装置流出口82bの少なくとも一方が、軸方向ADではなく周方向CDや径方向RDに開放されていてもよい。
上記第1実施形態において、装置流入口82aと装置流出口82bとは、互いに軸方向ADに並んでいれば、少なくとも一方が装置冷却路82の端部に設けられていなくてもよい。すなわち、装置流入口82aは、第1側端部83cから第2側端部83d側に離間した位置に設けられていてもよい。装置流出口82bは、第2側端部83dから第1側端部83c側に離間した位置に設けられていてもよい。また、装置流入口82aと装置流出口82bとは、軸方向ADに並んでいれば、周方向CDや径方向RDにずれた位置に設けられていてもよい。
上記第1実施形態において、装置冷却路82は、第1端部83aが装置ケース70の上側空間75aに配置されていれば、装置ケース70において上寄りの位置になくてもよい。例えば、装置ケース70において装置冷却路82と上端部70aとの離間距離が、装置冷却路82と下端部70bとの離間距離よりも大きくなっていてもよい。また、装置冷却路82は、上側空間75aと下側空間75bとの境界部75cよりも上方に配置されていてもよい。すなわち、装置冷却路82全体が上側空間75aに配置されていてもよい。
上記第1実施形態において、装置冷却路82は横長形状でなくてもよい。例えば、装置冷却路82において、第1端部83a及び第2端部83bが、側端部83c,83dよりも短い短辺部になっており、側端部83c,83dが長辺部になっていてもよい。
上記第1実施形態において、装置冷却器80は装置冷却路82を複数有していてもよい。例えば、電力変換装置13が複数のパワーモジュール61を有しており、これらパワーモジュール61のそれぞれに対して1つずつ装置冷却路82が設けられていてもよい。なお、上記第1実施形態において装置冷却路82が複数設けられた構成は、上記第4実施形態の第1装置冷却路821が複数設けられた構成と同じである。
例えば、図12に示すように、上記第1実施形態の装置冷却器80において、複数の装置冷却路82が複数のパワーモジュール61と共に軸方向ADに並べられた構成とする。図12では、装置流路81の上下流方向において隣り合う装置冷却路82が接続路87により接続されている。複数の装置冷却路82のうち、最も上流側の装置冷却路82には装置上流路85が接続されており、最も下流側の装置冷却路82には装置下流路86が接続されている。これら装置冷却路82のいずれにおいても、側端部83c,83dのうち一方に装置流入口82aが設けられ、他方に装置流出口82bが設けられている。このため、複数の装置冷却路82のいずれにおいても軸方向ADの同じ向きに冷媒が流れる。
また、図13に示すように、複数の装置冷却路82が周方向CDに並べられた構成とする。図13では、複数の装置冷却路82に、装置流入口82aが第1側壁部73cに設けられた装置冷却路82と、装置流入口82aが第1側壁部73cではなく第2側壁部73dに設けられた装置冷却路82と、の両方が含まれている。例えば、装置流路81の上下流方向において隣り合う装置冷却路82のうち、一方は第1側壁部73cから第2側壁部73dに向けて冷媒が流れ、他方は第2側壁部73dから第1側壁部73cに向けて冷媒が流れる。複数の装置冷却路82の少なくとも1つの装置冷却路82においては、上端部である第1端部83aが装置ケース70の上側空間75aに設けられている。
上記第2実施形態において、装置流入口82a及び装置流出口82bの少なくとも一方が、周方向CDではなく軸方向ADや径方向RDに開放されていてもよい。
例えば図14に示すように、装置流入口82a及び装置流出口82bがいずれも、径方向RDに開放された構成とする。図14では、装置上流路85は、装置流入口82aから径方向RDの外側に向けて延びた部分と、周方向CDにおいて第2壁部73bに向けて延びた部分とを有している。装置下流路86は、装置流出口82bから径方向RDの外側に向けて延びた部分と、周方向CDにおいて第1壁部73aに向けて延びた部分とを有している。例えば装置ケース70には傾斜部74が設けられておらず、装置下流路86は第1壁部73aを通じて装置ケース70から上方に延びている。装置上流路85は第2壁部73bを通じて装置ケース70から下方に延びている。
上記第2実施形態において、装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置にあれば、装置流入口82a及び装置流出口82bの少なくとも一方が、装置冷却路82の第1端部83aと第2端部83bとの間に設けられていてもよい。すなわち、装置流入口82aは、第2端部83bから第1端部83a側に離間した位置に設けられていてもよい。装置流出口82bは、第1端部83aから第2端部83b側に離間した位置に設けられていてもよい。また、装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置にあれば、これら装置流入口82aと装置流出口82bとは軸方向ADや径方向RDにずれた位置にあってもよい。
上記第2実施形態において、装置流入口82aが装置流出口82bよりも低い位置にあれば、装置冷却路82は縦長形状でなくてもよい。例えば、装置冷却路82において、第1端部83a及び第2端部83bが、側端部83c,83dよりも長い長辺部になっており、側端部83c,83dが短辺部になっていてもよい。
上記第2実施形態において、装置冷却器80は装置冷却路82を複数有していてもよい。なお、上記第2実施形態において装置冷却路82が複数設けられた構成は、上記第4、第5実施形態の第2装置冷却路822が複数設けられた構成と同じである。
例えば、図15に示すように、上記第2実施形態の装置冷却器80において、複数の装置冷却路82が複数のパワーモジュール61と共に周方向CDに並べられた構成とする。図15では、装置流路81の上下流方向において隣り合う装置冷却路82が接続路87により接続されている。複数の装置冷却路82のうち、最も上流側の装置冷却路82は、装置ケース70において第2壁部73bに最も近い位置にあり、装置上流路85に接続されている。一方、最も下流側の装置冷却路82は、装置ケース70において第1壁部73aに最も近い位置にあり、装置下流路86に接続されている。これら装置冷却路82のいずれにおいても、第2端部83bに装置流入口82aが設けられ、第1端部83aに装置流出口82bが設けられている。このため、複数の装置冷却路82のいずれにおいても、全体として上方に向けて冷媒が流れる。
上記第3実施形態において、装置流入口82a及び装置流出口82bの少なくとも一方が、周方向CDではなく軸方向ADや径方向RDに開放されていてもよい。
例えば図16に示すように、装置流入口82a及び装置流出口82bがいずれも、径方向RDに開放された構成とする。図16では、装置上流路85は、装置流入口82aから径方向RDの外側に向けて延びた部分と、周方向CDにおいて第1壁部73aに向けて延びた部分とを有している。装置下流路86は、装置流出口82bから径方向RDの外側に向けて延びた部分と、周方向CDにおいて第2壁部73bに向けて延びた部分とを有している。例えば装置ケース70には傾斜部74が設けられておらず、装置上流路85は第1壁部73aを通じて装置ケース70から上方に延びている。装置下流路86は第2壁部73bを通じて装置ケース70から下方に延びている。
上記第3実施形態において、装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にあれば、装置流入口82a及び装置流出口82bの少なくとも一方が、装置冷却路82の第1端部83aと第2端部83bとの間に設けられていてもよい。すなわち、装置流入口82aは、第1端部83aから第2端部83b側に離間した位置に設けられていてもよい。装置流出口82bは、第2端部83bから第1端部83a側に離間した位置に設けられていてもよい。また、装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にあれば、これら装置流入口82aと装置流出口82bとは軸方向ADや径方向RDにずれた位置にあってもよい。
上記第3実施形態において、装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にあれば、装置冷却路82は縦長形状でなくてもよい。
上記第3実施形態において、装置冷却器80は装置冷却路82を複数有していてもよい。なお、上記第3実施形態において装置冷却路82が複数設けられた構成は、上記第4、第5実施形態の第3装置冷却路823が複数設けられた構成と同じである。
例えば、図17に示すように、上記第3実施形態の装置冷却器80において、複数の装置冷却路82が複数のパワーモジュール61と共に周方向CDに並べられた構成とする。図17では、装置流路81の上下流方向において隣り合う装置冷却路82が接続路87により接続されている。複数の装置冷却路82のうち、最も上流側の装置冷却路82は、装置ケース70において第1壁部73aに最も近い位置にあり、装置上流路85に接続されている。一方、最も下流側の装置冷却路82は、装置ケース70において第2壁部73bに最も近い位置にあり、装置下流路86に接続されている。これら装置冷却路82のいずれにおいても、第1端部83aに装置流入口82aが設けられ、第2端部83bに装置流出口82bが設けられている。このため、複数の装置冷却路82のいずれにおいても、全体として下方に向けて冷媒が流れる。
上記各実施形態において、パワーモジュール61からの第1延出部84aの延出寸法は、パワーモジュール61からの第2延出部84bの延出寸法より大きくなっていてもよい。上記第1実施形態では、第1延出部84aから装置ケース70の上側空間75aに冷却効果が付与されるため、第1延出部84aの延出寸法が極力大きくされることで、上側空間75aに対する第1延出部84aの冷却効果を高めることができる。
上記各実施形態において、径方向RDに直交する方向において、装置冷却路82の一部だけがパワーモジュール61よりも外側に延出していてもよい。また、径方向RDに直交する方向において、装置冷却路82はパワーモジュール61よりも外側に延出していなくてもよい。例えば、径方向RDに直交する方向において、パワーモジュール61の少なくとも一部が装置冷却路82よりも外側に延出していてもよい。
上記各実施形態において、装置ケース70の傾斜部74は、Y方向に直交する方向に延びていなくてもよい。例えば、傾斜部74は、水平方向に対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、傾斜部74は、真っすぐに延びているのではなく、Y方向において上方や下方に向けて膨らむように湾曲していてもよい。さらに、装置ケース70には傾斜部74が設けられていなくてもよい。例えば、傾斜部74を有していない仮想ケース70X(図2参照)が装置ケース70としてモータケース45に取り付けられていてもよい。
上記各実施形態において、装置冷却路82は、パワーモジュール61及び制御基板62の少なくとも一方よりも径方向RDの内側に設けられていてもよい。例えば、装置冷却路82がパワーモジュール61の下面61bに重ねられた構成とする。この構成では、装置冷却路82が下面61bに沿って延びている。また、装置冷却路82は、径方向RDにおいてパワーモジュール61と制御基板62との間に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、装置ケース70での装置冷却路82の設置態様は、パワーモジュール61に対して冷却効果を付与できる設置態様であればよい。例えば、装置冷却路82は、装置ケース70において上側空間75a及び下側空間75bのうち一方だけに収容されていてもよい。また、装置冷却路82は、径方向RDに直交する方向に延びているのではなく、周方向CDや軸方向ADに直交する方向に延びていてもよい。
上記各実施形態において、パワーモジュール61と装置冷却路82との数が異なっていてもよい。例えば、1つのパワーモジュール61に対して複数の装置冷却路82が設けられた構成とする。この構成では、1つのパワーモジュール61が複数の装置冷却路82にかけ渡された状態になっている。また、1つの装置冷却路82に対して複数のパワーモジュール61が設けられた構成とする。この構成では、1つの装置冷却路82が複数のパワーモジュール61にかけ渡された状態になっている。
上記各実施形態において、装置冷却器80は、図18~図20に示すように、パワーモジュール61を介して装置冷却路82に対向する対向冷却路91を有していてもよい。対向冷却路91は、装置冷却路82と共に装置流路81に含まれており、装置冷却路82と共に径方向RDに直交する方向に延びている。対向冷却路91は、パワーモジュール61の上面61a及び下面61bのうち、装置冷却路82とは反対側の面に重ねられている。例えば、装置冷却路82がパワーモジュール61の上面61aに重ねられていれば、対向冷却路91はパワーモジュール61の下面61bに重ねられている。装置冷却器80では、装置冷却路82及び対向冷却路91がパワーモジュール61の上面61a及び下面61bという両面に対して冷却効果を発揮する両面冷却が行われる。
例えば、図18~図20に示すように、対向冷却路91は、径方向RDにおいてパワーモジュール61と制御基板62との間に設けられている。対向冷却路91は、パワーモジュール61及び制御基板62の両方に対して冷却効果を付与することが可能になっている。図18に示すように、対向冷却路91は、上記第1実施形態においてパワーモジュール61と制御基板62との間に設けられていてもよい。図19に示すように、対向冷却路91は、上記第2実施形態においてパワーモジュール61と制御基板62との間に設けられていてもよい。図20に示すように、対向冷却路91は、上記第3実施形態においてパワーモジュール61と制御基板62との間に設けられていてもよい。
装置冷却器80においては、装置冷却路82と対向冷却路91とを接続する部位が装置ケース70の内部に設けられていてもよく、外部に設けられていてもよい。また、装置冷却器80においては、装置流路81の上下流方向において装置冷却路82と対向冷却路91とが直列に配置されていてもよく、並列に配置されていてもよい。
例えば、図19に示すように、上記第2実施形態において、装置冷却路82と対向冷却路91とが並列に接続された構成とする。この構成では、装置冷却器80が、対向冷却路91に加えて対向上流路92及び対向下流路93を有している。対向上流路92は、装置流路81において装置冷却路82の上流側に設けられており、装置上流路85から分岐している。装置上流路85からの対向上流路92の分岐部分は、装置ケース70の内部に設けられている。対向下流路93は、装置流路81において装置冷却路82の下流側に設けられており、装置下流路86に合流している。装置下流路86に対する対向下流路93の合流部分は、装置ケース70の内部に設けられている。装置冷却器80においては、装置上流路85を流れる冷媒が、装置冷却路82と対向冷却路91とに分岐して、装置下流路86にて再び合流する。
例えば、図20に示すように、上記第3実施形態において、装置冷却路82と対向冷却路91とが直列に接続された構成とする。この構成では、装置流路81において、装置冷却路82及び対向冷却路91のうち一方が他方の下流側に配置されている。例えば、装置流路81において、対向冷却路91が装置冷却路82の下流側に配置されている。装置冷却路82が装置下流路86を介して対向冷却路91に接続されている。装置下流路86は、装置冷却路82と対向冷却路91とを接続する部分であり、装置ケース70の内部に設けられている。装置流路81においては、対向冷却路91の下流側に対向下流路93が設けられている。装置冷却器80においては、装置上流路85から装置冷却路82に流入した冷媒が、装置下流路86を通って対向冷却路91から対向下流路93に流出する。
装置冷却路82と対向冷却路91とで、全体的な冷媒の流れの向きが同じでもよく異なっていてもよい。装置冷却路82と対向冷却路91とで、冷媒の流れの向きが異なる構成としては、冷媒の流れの向きが逆である構成や、冷媒の流れの向きが交差する構成がある。
例えば、図19に示すように、上記第2実施形態において、装置冷却路82と対向冷却路91とで全体的な冷媒の流れの向きが同じになっている構成とする。この構成では、対向冷却路91において、冷媒を流入させる流入口が、冷媒を流出させる流出口よりも低い位置に設けられている。このように、対向冷却路91での流入口と流出口との上下関係は、装置冷却路82での装置流入口82aと装置流出口82bとの上下関係と同じになっている。
例えば、図20に示すように、上記第3実施形態において、装置冷却路82と対向冷却路91とで全体的な冷媒の流れの向きが逆になっている構成とする。この構成では、装置冷却路82の装置流入口82aが装置流出口82bよりも高い位置にあるのに対して、対向冷却路91の流入口は流出口よりも低い位置にある。このように、対向冷却路91での流入口と流出口との上下関係は、装置冷却路82での装置流入口82aと装置流出口82bとの上下関係と逆になっている。
上記各実施形態において、図18~図20に示すように、装置ケース70は床部72を有していなくてもよい。この構成では、径方向RDにおいてパワーモジュール61や制御基板62とモータ冷却路52との間に床部72が設けられていないことに起因して、モータ冷却路52の冷却効果がパワーモジュール61や制御基板62に付与されやすくなっている。このため、パワーモジュール61や制御基板62に対するモータ冷却路52の冷却効果を高めることができる。
上記各実施形態において、電力変換装置13では、パワーモジュール61の他にコンデンサユニットや端子部、バスバーなどが、電力を変換するための電気部品として装置冷却路82により冷却されてもよい。例えば、コンデンサユニットは、アームスイッチ32等のスイッチング素子に通電可能に接続された平滑コンデンサ21等のコンデンサを含んで構成されている。端子部としては、入力端子部や出力端子部がある。入力端子部は、バスバー等を介してバッテリ11に電気的に接続された端子部である。出力端子部は、バスバー等を介してモータ12に電気的に接続された端子部である。また、制御基板62が電気部品として装置冷却路82により冷却されてもよい。
上記各実施形態において、アームスイッチ32を構成するスイッチング素子は、IGBTに限定されない。例えばMOSFETなどを用いてもよい。
上記各実施形態において、装置ケース70は、金属材料ではなく、樹脂材料などにより形成されていてもよい。モータケース45についても同様に、金属材料ではなく、樹脂材料などにより形成されていてもよい。
上記各実施形態において、装置ケース70とモータケース45とは、それぞれ独立して製造された後に互いに組み付けられるのではなく、一体成形などにより一体的に製造されていてもよい。
上記各実施形態において、モータケース45の一部が装置ケース70の少なくとも一部を兼ねていてもよい。例えば、図21、図22に示すように、モータケース45が本体部111及び兼用部112を有した構成とする。本体部111は、モータケース45において内周面46及び外周面47を形成しており、固定子41及び回転子42を収容している。本体部111は、モータ流路51を形成しており、電機冷却部に相当する。兼用部112は、装置ケース70の一部を形成しており、装置ケース70の一部を兼ねている部位である。例えば、図21に示すように、兼用部112は装置ケース70の床部72及び外壁73を形成していてもよい。図22に示すように、兼用部112は装置ケース70の床部72を形成していてもよい。
兼用部112の一部は、径方向RDにおいてモータ冷却路52と装置ケース70の内部空間75との間に設けられている。兼用部112の一部は、モータ冷却路52と装置ケース70の内部空間75との両方を形成している。
モータケース45が本体部111及び兼用部112を有した構成では、モータユニット100が装置カバー105を有している。装置カバー105は、モータケース45に取り付けられており、モータケース45の兼用部112と共に装置ケース70を形成している。モータケース45の兼用部112が装置ケース70の一部を形成した構成では、装置カバー105が装置ケース70の残りの部位を形成している。図21に示すように、兼用部112が装置ケース70の床部72及び外壁73を形成した構成では、装置カバー105が残りの天井部71及び傾斜部74を形成している。図22に示すように、兼用部112が装置ケース70の床部72を形成した構成では、装置カバー105が残りの天井部71、外壁73及び傾斜部74を形成している。
モータユニット100の製造方法としては、パワーモジュール61、制御基板62及び装置冷却器80の少なくとも1つを装置カバー105に取り付けておいてもよい。例えば、図22に示すように、パワーモジュール61、制御基板62及び装置冷却器80の全てについて、装置カバー105に取り付けておいてもよい。この製造方法では、パワーモジュール61、制御基板62及び装置冷却器80を、装置カバー105と共にモータケース45に取り付ける。また、パワーモジュール61、制御基板62及び装置冷却器80をいずれもモータケース45に取り付けておいてもよい。この製造方法では、装置カバー105がパワーモジュール61、制御基板62及び装置冷却器80を覆うように、装置カバー105をモータケース45に取り付ける。いずれの製造方法でも、モータケース45に装置カバー105を取り付けることで、兼用部112と装置カバー105とにより装置ケース70を製造することになる。
なお、モータユニット100は、装置カバー105を有していなくてもよい。この構成では、電力変換装置13の装置ケース70が装置カバー105を含まずに、モータケース45の兼用部112により形成されている。このため、モータケース45の兼用部112が、装置ケース70の全体を兼ねることになる。
モータケース45の兼用部112が装置ケース70の少なくとも一部を兼ねた構成では、兼用部112を介してモータ冷却路52の冷却効果が電力変換装置13に付与される。このため、兼用部112の形状や大きさを、モータ冷却路52の冷却効果が装置ケース70の内部空間75に付与されやすい態様にすることで、電力変換装置13に対するモータ冷却路52の冷却効果を高めることができる。
上記各実施形態において、モータケース45がモータ流路51を形成しているのではなく、モータケース45とは別の部材が、モータ流路51の少なくとも一部を形成していてもよい。なお、モータケース45に取り付けられるなどしてモータケース45に一体的に設けられた別の部材は、モータケース45と共に装置筐体に相当する。
上記各実施形態において、装置ケース70が装置流路81の全てを形成していてもよく、装置ケース70とは別の部材が、装置流路81の全てを形成していてもよい。
上記各実施形態において、電力変換装置13は、モータケース45よりも側方に突出しない位置に設けられていてもよい。例えば、図23に示すように、電力変換装置13がモータケース45よりも上方及び側方の両方について突出しない位置に設けられた構成とする。この構成では、電力変換装置13の装置ケース70が、天井部71と第2壁部73bとにかけ渡された傾斜部74aを有している。この傾斜部74aは、天井部71と第2壁部73bとの角部を落として面取りした状態になっている。装置ケース70においては、天井部71と第2壁部73bとが直接的に接続された構成に比べて、傾斜部74aを介して間接的に接続された構成の方が、モータケース45よりも側方に突出しにくい形状になっている。
傾斜部74aは、天井部71を介して傾斜部74の下側に設けられている。下側の傾斜部74aは、周方向CDにおいて天井部71を介して上側の傾斜部74とは反対側に配置されている。下側の傾斜部74aの少なくとも一部は上側の傾斜部74よりも低い位置にある。下側の傾斜部74aは、例えばX方向に直交する方向に延びている。
上記各実施形態において、電力変換装置13は、モータケース45の外頂部47aから周方向CDに離間した位置であれば、外頂部47aから上方に突出する位置に設けられていてもよい。例えば、装置ケース70の傾斜部74がモータケース45の外頂部47aよりも高い位置に設けられていてもよい。また、傾斜部74は、モータケース45の内頂部46aよりも低い位置に設けられていてもよい。さらに、電力変換装置13は、モータケース45の下側面47cに設けられていてもよい。
上記各実施形態において、電力変換装置13は、モータ横線CxをY方向に跨ぐ位置に設けられていてもよい。例えば、図24に示すように、Y方向に対して電力変換装置13が傾いた角度θが90度になった構成とする。この構成では、モータ傾斜線Crdがモータ横線Cxに一致している。また、電力変換装置13にとってのβ方向、α方向及びγ方向が、モータユニット100にとってのX方向、Y方向及びZ方向に一致している。電力変換装置13の装置ケース70においては、第1壁部73aが上端部70aになっており、第2壁部73bが下端部70bになっている。
装置ケース70の内部空間75にて熱溜まりHp2が発生した場合、この熱溜まりHp2は、例えば装置ケース70の上端部70aである第1壁部73aに沿って延びるような状態になりやすい。また、装置ケース70においては、Y方向において第1壁部73aに近いほど床部72と傾斜部74との離間距離が小さくなっている。このため、例えば傾斜部74がない構成に比べて、熱溜まりHp2がY方向において下方に広がりやすくなっている。この結果、角度θが90度になっている電力変換装置13でも、傾斜部74により、装置冷却路82の第1端部83aが熱溜まりHp2の発生しやすい領域に届きやすくなっている。
上記各実施形態において、電力変換装置13は、モータケース45の外周面47に沿って周方向CDに延びた状態になっていなくてもよい。例えば、電力変換装置13の傾き角度θと同じ傾き角度θを有するモータ傾斜線Crdが電力変換装置13よりも上方や下方を通るように、電力変換装置13がY方向に対して傾斜した構成とする。
上記各実施形態において、電力変換装置13の設置位置は、周方向CDにおいてモータ流出口52bよりもモータ流入口52aに近い位置でなくてもよい。例えば、電力変換装置13が、周方向CDにおいてモータ流入口52aよりもモータ流出口52bに近い位置に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、電力変換装置13は、モータ縦線CyをX方向に跨ぐ位置に設けられていてもよい。また、電力変換装置13は、Y方向に対して傾いていない状態で設けられていてもよい。例えば、図25に示すように、電力変換装置13がY方向に対して傾いていない状態でモータケース45の外頂部47aに設けられた構成とする。この構成では、Y方向に対する電力変換装置13の傾き角度θが0度であり、モータ傾斜線Crdがモータ縦線Cyに一致している。また、電力変換装置13にとってのα方向、β方向及びγ方向が、モータユニット100にとってのX方向、Y方向、Z方向に一致している。電力変換装置13の装置ケース70においては、天井部71が上端部70aになっており、床部72が下端部70bになっている。モータ12においては、モータ上流路55及びモータ下流路56が電力変換装置13から周方向CDに離間した位置にある。
上記各実施形態においては、冷却システムについて、モータ冷却システムと装置冷却システムとで冷媒及び循環経路が共通化されていてもよい。例えば、循環経路において、装置流路81がモータ流路51の上流側に設けられた構成とする。この構成を上記第2実施形態に採用すると、装置流路81の装置下流路86が周方向CDにおいてモータケース45のモータ上流路55に向けて延びた状態になる。このため、上記第2実施形態では、冷却システムの循環経路において、装置下流路86とモータ上流路55とを接続するという観点で都合の良い構成になっている。
上記各実施形態において、モータユニット100が搭載された車両としては、乗用車やバス、建設作業車、農業機械車両などがある。また、車両は移動体の1つであり、モータユニット100が搭載される移動体としては、車両の他に電車や飛行機などがある。電力変換装置13としては、インバータ装置やコンバータ装置などがある。このコンバータ装置としては、交流入力直流出力の電源装置、直流入力直流出力の電源装置、交流入力交流出力の電源装置などがある。