JP2012145538A - 金属材料の寿命評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下で使用される金属材料について簡易的に寿命を評価可能な金属材料の寿命評価方法を提供する。
【解決手段】
種々の使用温度及び使用時間における金属組織の画像データからなる高温長時間加熱試験データに基づいて、画像データの各々についてLMPを算出する工程と、高温長時間加熱試験データに含まれる画像データから、実機の金属組織と最も類似するものを特定し、該特定された画像データから算出されたLMPを実機のLMPとして推定する工程と、寿命消費率をクリープマスターカーブ及び前記推定されたLMPに基づいて算出する工程とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、高温環境下で使用される金属材料、例えばボイラ配管などに使用されるクロム―モリブデン鋼の寿命評価方法の技術分野に関する。
例えば火力発電プラントなどに使用されるボイラ配管はクロム―モリブデン鋼などの金属材料から形成されている。この種のボイラ配管は、長時間に亘って高温環境下で使用されるため、金属材料には使用時間の経過に伴ってクリープ損傷が生じる。クリープ損傷の進行度は金属材料が曝される温度、使用時間に依存するため、この種のボイラ配管はその運用条件(曝される温度や稼働時間など)に基づいて、十分長い寿命が得られるように仕様が設計されている。しかしながら、実際の運用時には金属配管が想定以上の高温に曝されたり、稼働ペースの変動に起因してクリープ損傷が進行し、設計寿命より早期に寿命を迎える場合がある。そのため、実機の金属材料に基づいて余寿命を的確に予測し、部材の交換や修復などの適切なメンテナンスを施すことが重要である。
実機の金属材料に基づいて余寿命を予測する方法として、実機から金属材料を採取し、その金属組織変化を観察し、寿命評価を行う方法が知られている。例えば特許文献1には、実機から取得した金属組織サンプルにおける結晶粒の形状を定量的に測定し、その形状変化量に基づいて余寿命を予測する方法が開示されている。特に特許文献1では、クリープ損傷率と結晶粒の形状変化量との依存関係に着目して、結晶粒の最大長径の軸方向と応力方向との角度の分布について標準偏差を求めることにより、形状変化量を算出し、余寿命の評価を行っている。
特公平6−35971号公報
しかしながら、上記特許文献1に係る方法では、余寿命を定量的に評価するためには、金属組織の多数の測定ポイントにおいて結晶粒の形状変化量を算出する必要がある(特許文献1によれば少なくとも80個以上の測定個数が必要とされている)。そのため、必要なデータを取りそろえるために、結晶粒の形状測定作業を繰り返し行う必要があり、多大な時間や労力を要するという問題点がある。また、実機において金属材料が使用される箇所によっては、応力方向が予め明確でない場合もある。このような場合には、応力方向についても、結晶粒の形状変化量に基づいて定量的な算出が必要となり、それに要する時間や労力はより一層増大してしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、高温環境下で使用される金属材料について簡易的に寿命を評価可能な金属材料の寿命評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属材料の寿命評価方法は上記課題を解決するために、高温環境下で使用される金属材料の寿命評価方法であって、前記金属材料の種々の使用温度及び使用時間における金属組織の画像データからなる高温長時間加熱試験データを予め用意し、該高温長時間加熱試験データに基づいて、前記画像データの各々についてラーソンミラーパラメータ(以下、LMP)を算出するLMP算出工程と、前記高温長時間加熱試験データに含まれる前記画像データから、実機から取得した金属組織と最も類似するものを特定し、該特定された画像データから算出されたLMPを前記実機から取得した金属組織のLMPとして推定するLMP推定工程と、前記金属材料に印加される応力と該金属材料のクリープ破断時のLMPとを関係付けるマスターカーブを予め用意し、前記金属材料に所定の応力が印加された場合の寿命消費率を前記クリープマスターカーブ及び前記推定されたLMPに基づいて算出する寿命消費率算出工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、まずLMP算出工程において、予め用意した高温長時間試験データから、金属材料を使用温度及び使用時間で使用した場合の金属組織の画像データについて、クリープ損傷の進行度の指標となるLMPを算出しておく。そして、LMP推定工程において、高温長時間加熱試験データから実機から取得した金属組織と最も類似する画像データを特定することによって、実機におけるLMPを該特定された画像データから算出されたLMPとして推定する。このように、高温長時間加熱試験データに基づいて実機におけるLMPを推定することによって、クリープ進行度を予測することができる。一方で、予め用意したクリープマスターカーブからクリープ破断時(寿命到達時)におけるLMPを特定することができるので、前記推定されたLMPが占める割合を算出することにより、金属材料の寿命消費率を求めることができる。
本発明の一態様としては、前記LMP算出工程において前記画像データ算出毎にされたLMPと、該算出されたLMPの各々に対応する画像データに含まれるパーライト領域の平均寸法及び標準偏差とを対応付けるマップを作成するマップ作成工程を更に備え、前記LMP推定工程は、前記実機から取得した金属組織に含まれるパーライト領域の平均寸法及び標準偏差を取得し、該取得したパーライト領域の平均寸法及び標準偏差から前記マップに基づいてLMPを推定するとよい。
この態様によれば、高温長時間加熱試験データから金属材料におけるLMPと、パーライト領域の平均寸法及び標準偏差とのマップを作成する。そして、実機から取得した金属組織において画像解析によってパーライト領域の平均寸法及び標準偏差を求めることで、前記マップに基づいて、高温長時間加熱試験データに含まれる画像データから、実機から取得した金属組織と最も類似するものを特定し、当該金属組織におけるLMPを推定することができる。
また本発明の他の態様では、前記LMP算出工程において前記画像データ算出毎にされたLMPと、該算出されたLMPの各々に対応する画像データを所定面積で分割し、該分割された各領域について最大面積を有するパーライト領域を特定し、各領域について該特定された最大面積の平均値及び標準偏差とを対応付けるマップを作成するマップ作成工程を更に備え、前記LMP推定工程は、前記実機から取得した金属組織の画像データを所定面積で分割し、該分割された各領域について最大面積を有するパーライト領域を特定し、各領域について該特定された最大面積の平均値及び標準偏差から前記マップに基づいてLMPを推定してもよい。
この態様によれば、高温長時間加熱試験データから金属材料におけるLMPと、分割された各領域について特定されたパーライト領域の最大面積の平均値及び標準偏差とのマップを作成する。そして、実機から取得した金属組織において画像解析によって、分割された各領域について特定されたパーライト領域の最大面積の平均値及び標準偏差を求めることで、前記マップに基づいて、高温長時間加熱試験データに含まれる画像データから、実機から取得した金属組織と最も類似するものを特定し、当該金属組織におけるLMPを推定することができる。
前記金属材料は、例えばモリブデン―クロム鋼である。モリブデン―クロム鋼では使用温度及び使用時間においてパーライト領域の分解が進行する。そのため、上述したようなパーライト領域のサイズ等によって高温長時間加熱試験データに含まれる画像データから、実機から取得した金属組織と最も類似するものを特定することができるので、本発明の適用に特に適している。
本発明によれば、まずLMP算出工程において、予め用意した高温長時間加熱試験データから、金属材料を使用温度及び使用時間で使用した場合の金属組織の画像データについて、クリープ損傷の進行度の指標となるLMPを算出しておく。そして、LMP推定工程において、高温長時間加熱試験データから実機から取得した金属組織と最も類似する画像データを特定することによって、実機におけるLMPを該特定された画像データから算出されたLMPとして推定する。このように、高温長時間加熱試験データに基づいて実機におけるLMPを推定することによって、クリープ進行度を予測することができる。一方で、予め用意したクリープマスターカーブからクリープ破断時(寿命到達時)におけるLMPを特定することができるので、前記推定されたLMPが占める割合を算出することにより、金属材料の寿命消費率を求めることができる。
本発明に係る金属材料の寿命評価方法において使用される高温長時間加熱試験データの一例である。 図1に示す高温長時間加熱試験データに含まれる画像データの一例を拡大して示したものである。 クリープマスターカーブの算出に用いられるクリープ破断試験データの一例を示すグラフ図である。 本発明に係る金属材料の寿命評価方法において使用されるクリープマスターカーブの一例である。 本発明に係る金属材料の寿命評価方法を手順毎に示すフローチャート図である。 金属材料に所定の応力が印加された場合のクリープ破断時のLMPと、推定された実機におけるLMPをクリープマスターカーブと共に表すグラフ図である。 画像処理におけるパーライト領域を走査スキャンする方法を示す模式図である。 パーライト領域の平均寸法、標準偏差及びLMPの対応マップの一例を示すグラフ図である。 画像処理におけるパーライト領域を走査スキャンする他の方法を示す模式図である。 パーライト領域の各領域における最大面積の平均値、標準偏差及びLMPの対応マップの一例を示すグラフ図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施例では、金属材料であるクロム―モリブデン鋼からなる実機(ボイラ配管)から破壊的手法によりサンプルを取得して金属組織を取得する、又はレプリカ法などによって非破壊的手法により金属組織のレプリカを取得することによって、金属材料の寿命を評価する場合を例に説明する。
まず図1を参照して本発明の実施において使用される高温長時間加熱試験データについて説明する。図1は本発明に係る金属材料の寿命評価方法において使用される高温長時間加熱試験データの一例である。
高温長時間加熱試験データは、寿命評価対象である金属材料と同種材料(クロム―モリブデン鋼)について予め実験室的に用意されたデータである。図1に示すように、高温長時間加熱試験データは種々の使用温度及び使用時間における金属組織について、光学顕微鏡や透過型電子顕微鏡などを用いて取得した画像データがマトリクス状に配列されてなる。尚、このような画像データは、例えば公的機関などにおいて標準試験結果に基づいて収集して構成するとよい。
図2は、図1に示す高温長時間加熱試験データに含まれる画像データの一例を拡大して示したものである。クロム―モリブデン鋼では使用温度及び使用時間が大きくなるに従い、金属組織に含まれているパーライト領域の分解が進行する。例えば図2(a)は、使用温度及び使用時間が小さい場合に対応する画像データであり、ここでは黒色で示されるパーライト領域が大きいサイズで所々にまとまって存在している。一方、図2(b)は使用温度及び使用時間が大きい場合に対応する画像データであり、パーライト領域は小さなサイズに分解されて全体的に分散するように存在している。このようなパーライト領域の分解は、使用温度及び使用時間が大きくなるに従って、クリープ損傷と共に進行する。
本発明では、このような高温長時間加熱試験データに含まれる各画像データについて、LMPの算出を行う。LMPは使用温度をT(K)、使用時間をtとすると、次式
LMP=T×(C+logt) (1)
にて算出される。(1)式に示すように、LMPは使用温度Tと使用時間tから一義的に決定されるパラメータである。高温長時間加熱試験データに含まれる各画像データは、図1に示すように使用温度T、使用時間tに従ってマトリクス状に分類されている。そのため、各画像データの金属組織のLMPは、対応する使用温度T、使用時間tから算出される。図1には、各画像データについて算出したLMPの値をカッコ内に示してある。
続いて本発明に係る金属材料の寿命評価方法を実施する際に使用されるクリープマスターカーブについて説明する。クリープマスターカーブは、所定温度下にて金属組織に応力σを印加することによって、クリープ破断が生じるまでの時間(クリープ破断時間tr)を測定するクリープ破断試験における、実験データに基づいて算出される。
図3は、クリープマスターカーブの算出に用いられるクリープ破断試験データの一例を示すグラフ図である。図3に示すように、クリープ破断試験では、金属組織に印加する応力σとクリープ破断時間trとの関係が、各使用温度Tにおいて得られる。そして、図3に示すクリープ破断時間trと対応する各使用温度Tとを、上記(1)式に代入することによって、クリープ破断時のLMPが算出される。
LMP=T×(C+logtr) (2)
クリープマスターカーブは、このように算出されたクリープ破断時のLMPと、金属組織に印加する応力σとの関数として得られる。図4は本発明に係る金属材料の寿命評価方法において使用されるクリープマスターカーブの一例である。
次に、上述した高温長時間加熱試験データとクリープマスターカーブを使用して、本発明に係る金属材料の寿命評価方法を実施する際の具体的な手順について説明する。図5は、本発明に係る金属材料の寿命評価方法を手順毎に示すフローチャート図である。
まず、図1に示したような高温長時間加熱試験データを予め用意し(ステップS101)、該高温長時間加熱試験データに基づいて、画像データの各々についてLMP(図1のカッコを参照)を算出する(ステップS102)。LMPの算出方法については、上述の通りである。
続いて寿命評価の対象となるサンプルを実機から取得し、その金属組織を光学顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて取得する(ステップS103)。そして、当該取得した金属組織を、高温長時間加熱試験データに含まれる各画像データと比較することにより(ステップS104)、実機から取得した金属組織と最も類似するものを特定する(ステップS105)。
そして、該最も類似すると特定された画像データについてステップS102において算出されたLMPを、実機から取得した金属組織のLMPとして推定する(ステップS106)。このように、高温長時間加熱試験データに基づいて実機におけるLMPを推定することによって、クリープ進行度を予測することができる。
そして、図4に示すクリープマスターカーブと、ステップS106において推定されたLMPとに基づいて、金属材料に所定の応力が印加された場合の寿命消費率を算出する(ステップS107)。ここで、金属材料に印加される応力がσ1、当該応力σ1に対応するクリープ破断時のLMPをLMP1とする。図6は、金属材料に所定の応力が印加された場合のクリープ破断時のLMP1と、推定された実機におけるLMPをクリープマスターカーブと共に表すグラフ図である。
金属材料に印加される応力がσ1である場合、寿命消費率は、次式
寿命消費率=(LMP1―LMP)/LMP1 (3)
により算出される。この寿命消費率は、金属材料を仮に応力σ1が印加されるような温度下において使用し続けたと仮定した場合に、寿命全体のうち現時点で寿命がどれだけ消費されたかを百分率で示す指標である。このように算出された寿命消費率は、実機の余寿命を簡易的に把握するに際して非常に有意義な指標である。
尚、上記説明では、金属組織に印加される応力をσ1と仮定した場合の寿命消費率について述べたが、当該σ1は実機に今後実機に想定される使用温度や使用時間などの種々の使用条件に基づいて適宜設定するとよい。これにより、実機を様々な条件下で使用した場合の寿命消費率を算出及び比較することにより、当該金属材料が使用されたボイラ配管の交換や修繕時期を予め計画立てることができる。
次に図5のステップS104からS106にかけて、実機から取得した金属組織と最も類似する画像データを高温長時間加熱試験データから特定し、実機から取得した金属組織のLMPを推定する方法について、より具体的に説明する。ここでは特に、高温長時間加熱試験データに基づいて各画像データに含まれるパーライト領域の特徴パラメータとLMPとを対応付ける対応マップを作成することによって、実機から取得した金属組織のLMPを推定する方法について説明する。
まず、高温長時間加熱試験データに含まれる各画像データを画像解析することによって、各画像データの金属組織におけるパーライト領域の平均寸法及び標準偏差の算出を行う。パーライト領域は、図2を参照して説明したように、使用温度T及び使用時間tが大きくなるに従って分散する(つまり、パーライト領域の平均寸法及び標準偏差が小さくなる)性質を有している。
ここで、パーライト領域の平均寸法及び標準偏差の算出は、例えば図7に示すように、画像データを所定方向に沿って走査スキャンすることによって行われる。このような走査スキャンを所定回数繰り返すことによって、各画像データに含まれるパーライト領域のサイズ及び分布を測定することができる。そして、得られた測定結果を統計処理することによって、パーライト領域の平均寸法及び標準偏差が算出される。
そして、算出されたパーライト領域の平均寸法及び標準偏差と、図1においてカッコ内に示したように算出されたLMPとを対応付けることにより、対応マップを作成する。図8はパーライト領域の平均寸法、標準偏差及びLMPの対応マップの一例を示すグラフ図であり、LMPが等しいラインを等高線的に示してある。
このように作成された対応マップでは、LMPはパーライト領域の平均寸法及び標準偏差が小さくなるに従い大きく傾向を有している。即ち、このマップには、図2を参照して説明したように、使用温度が高くなるに従い、又は、使用時間が長くなるに従って、パーライト領域の分解が進行する傾向が反映されている。
続いて、寿命の評価対象である実機の金属組織についても、高温長時間加熱試験データの画像データと同様に、スキャニングによって画像解析を行い、パーライト領域の平均寸法及び標準偏差を算出する。そして、前記作成した対応マップ上において、得られたパーライト領域の平均寸法及び標準偏差に対応するポイントを特定することによって、実機のLMPが推定される。即ち、この手法では使用温度や使用時間に従ってクリープ損傷が進行すると共に、パーライト領域の分解が進むという特性に着目することによって、高温長時間加熱試験データの画像データのうち最も類似するパーライトの平均寸法及び標準偏差を有するものを、最も類似する画像データとして特定することができる。
実機から取得した金属組織と最も類似する画像データを高温長時間加熱試験データから特定し、実機から取得した金属組織のLMPを推定する他の方法としては、以下のような方法も有効である。
まず、図9に示すように、高温長時間加熱試験データに含まれる各画像データを所定面積A0に分割し、当該分割された領域の各々において最も大きいパーライト領域を特定し、その面積(最大面積)を取得する。そして、取得した各領域における面積の平均値と標準偏差を算出する。同様の測定を高温長時間加熱試験データに含まれる各画像データについて行い、得られた平均値と標準偏差を図1のカッコ内に示すLMPと対応付けて対応マップを作成する。図10はパーライト領域の各領域における最大面積の平均値、標準偏差及びLMPの対応マップの一例を示すグラフ図であり、LMPが等しいラインを等高線的に示してある。
続いて、寿命の評価対象である実機の金属組織についても、高温長時間加熱試験データの画像データと同様に、スキャニングによって画像解析を行い、パーライト領域の分割領域の各々について最大面積の平均値及び標準偏差を算出する。そして、対応マップ上において、得られたパーライト領域の分割領域の各々について最大面積の平均寸法及び標準偏差に対応するポイントを特定することによって、実機のLMPが推定される。即ち、この手法では、使用温度や使用時間に従ってクリープ損傷が進行すると共に、パーライト領域の分解が進んで面積が小さくなるという特性に着目することによって、高温長時間加熱試験データの画像データのうち最も類似するパーライトの平均寸法及び標準偏差を有するものを、最も類似する画像データとして特定することができる。
本発明は、高温環境下で使用される金属材料、例えばボイラ配管などに使用されるクロム―モリブデン鋼の寿命評価方法に利用可能である。
LMP ラーソンミラーパラメータ
σ 応力
T 使用温度
t 使用時間
tr クリープ破断時間

Claims (4)

  1. 高温環境下で使用される金属材料の寿命評価方法であって、
    前記金属材料の種々の使用温度及び使用時間における金属組織の画像データからなる高温長時間加熱試験データを予め用意し、該高温長時間加熱試験データに基づいて、前記画像データの各々についてラーソンミラーパラメータ(以下、LMP)を算出するLMP算出工程と、前記高温長時間加熱試験データに含まれる前記画像データから、実機から取得した金属組織と最も類似するものを特定し、該特定された画像データから算出されたLMPを前記実機から取得した金属組織のLMPとして推定するLMP推定工程と、
    前記金属材料に印加される応力と該金属材料のクリープ破断時のLMPとを関係付けるマスターカーブを予め用意し、前記金属材料に所定の応力が印加された場合の寿命消費率を前記クリープマスターカーブ及び前記推定されたLMPに基づいて算出する寿命消費率算出工程とを備えたことを特徴とする金属材料の寿命評価方法。
  2. 前記LMP算出工程において前記画像データ算出毎にされたLMPと、該算出されたLMPの各々に対応する画像データに含まれるパーライト領域の平均寸法及び標準偏差とを対応付けるマップを作成するマップ作成工程を更に備え、
    前記LMP推定工程は、前記実機から取得した金属組織に含まれるパーライト領域の平均寸法及び標準偏差を取得し、該取得したパーライト領域の平均寸法及び標準偏差から前記マップに基づいてLMPを推定することを特徴とする請求項1に記載の金属材料の寿命評価方法。
  3. 前記LMP算出工程において前記画像データ算出毎にされたLMPと、該算出されたLMPの各々に対応する画像データを所定面積で分割し、該分割された各領域について最大面積を有するパーライト領域を特定し、各領域について該特定された最大面積の平均値及び標準偏差とを対応付けるマップを作成するマップ作成工程を更に備え、
    前記LMP推定工程は、前記実機から取得した金属組織の画像データを所定面積で分割し、該分割された各領域について最大面積を有するパーライト領域を特定し、各領域について該特定された最大面積の平均値及び標準偏差から前記マップに基づいてLMPを推定することを特徴とする請求項1に記載の金属材料の寿命評価方法。
  4. 前記金属材料はクロム―モリブデン鋼であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の金属材料の寿命評価方法。
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