JP2012144389A - SiC/Si複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高剛性でかつ高熱伝導率のSiC/Si複合材料を支障なく提供する。
【解決手段】SiC粒子の間にSiが充填された構造を有するSiC/Si複合材料において、SiC粒子が、粒度が異なる粗粉及び微粉により構成され、SiCの充填率が、86〜94体積%となるようにする。この場合、SiC粒子の結晶相は、粗粉においてはα相のみであり、微粉においてはβ相のみであるか又はβ相及びα相が混在しており、α相及びβ相の結晶の含有率をそれぞれα体積%及びβ体積%とすれば、64≦β/(100−α)≦86が成立する。
【選択図】なし

Description

本発明は、SiC粒子の隙間にSiが充填された構造を有するSiC/Si複合材料に関する。
従来、液晶製造装置や半導体製造装置におけるステージやチャック等の構成部材として、軽量で剛性が高く、熱膨張が小さいSiC/Si(炭化ケイ素−シリコン)複合材料が好ましく用いられている。
このような複合材料の製造方法として、特許文献1には、SiC粉末にフェノール樹脂(10質量%)を添加し、これに金型による熱プレスを施してSiC含有率が70体積%の成形体を作製し、これをプリフォームとしてSiC/Si複合材料を製造する方法が記載されている。この方法では、プリフォームをSiとともに炉内に設置して真空1200℃で12時間保持することにより脱脂してフェノール樹脂を炭化させ、その後、1550℃に昇温させて溶融Siを含浸させ、SiC/Si複合材料を得るようにしている。
一方、特許文献2には、反応焼結法を用いたSiC/Si複合材料の製造方法が、記載されている。この方法においては、中心粒径が1.1μmのSiCを、水、カーボンブラック、及びPVAとともに混合してスラリー状の混合粉体を調整し、この混合粉体を石膏型に鋳込んで得たグリーン体を仮焼してSiCとカーボンからなる多孔体を作製し、そして該多孔体中にレゾール型のフェノール樹脂をCIP処理により含浸させた後、再度仮焼して得られたSiC多孔体に溶融Siを含浸させてSiC/Si複合材料を得るようにしている。
特開2008−50181号公報 特許第4260629号公報
しかしながら、上述の反応焼結法を用いたSiC/Si複合材料の製造方法によれば、得られるSiC/Si複合材料は、高剛性ではあるが、SiCの微粉を使用しているため、熱伝導率が低い。
そこで、SiC/Si複合材料の高剛性化を図るためには、上述のようなプリフォームを介してSiC/Si複合材料を製造する方法において、プリフォームにSiを含浸させる際に生成されるSiCを増大させることが考えられる。このためには、Siと反応するカーボン源を増大させるべく、プリフォームに含まれるフェノール樹脂又はカーボンを増やす必要がある。
しかし、フェノール樹脂を増やすと、プリフォームの開気孔率が低下し、プリフォームに変形や亀裂が生じたり、プリフォームにSiを含浸させたときにメタルベインといわれる層状又は亀裂状のSi相が生じたりするおそれがある。
また、カーボンを増やすと、Siの含浸時にSiと化合してSiCが生じることに伴う体積膨張によって、変形や亀裂が生じるおそれがある。また、カーボンの粒径によっては、SiCの生成に伴う発熱反応により、亀裂を生じるおそれがある。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、高剛性でかつ高熱伝導率のSiC/Si複合材料を支障なく提供することにある。
本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究した結果、SiC/Si複合材料中のSiC粒子が粒度の異なるものを含み、SiC/Si複合材料におけるSiCの充填率が所定の高い範囲の値であれば、SiC/Si複合材料が、従来にない高い剛性及び熱伝導率を同時に達成することを知見し、本発明をなすに至った。
すなわち、第1の発明に係るSiC/Si複合材料は、SiC粒子の間にSiが充填された構造を有するSiC/Si複合材料であって、SiC粒子は粒度が異なる粗粉及び微粉により構成され、SiCの充填率が86〜94%であることを特徴とする。
これによれば、SiC/Si複合材料のヤング率及び熱伝導率を、従来達成できなかった380GPa及び190W/m・K以上とすることができる。SiCの充填率が86%に満たない場合には、このヤング率及び熱伝導率を達成することができない。一方、SiCの充填率が94を超える場合には、Siの含浸時に生じたSiの未含浸部分が発生し、SiC/Si複合材料中にポアや未反応カーボンとして存在するので好ましくない。
第2の発明に係るSiC/Si複合材料は、第1発明において、前記SiC粒子の結晶相は、前記粗粉においてはα相のみであり、前記微粉においてはβ相のみであるか又はβ相及びα相が混在しており、該α相及びβ相の結晶の含有率をそれぞれα体積%及びβ体積%とすれば、64≦β/(100−α)≦86が成立することを特徴とする。
ここで、(100−α)は、SiC/Si複合材料を製造する際に使用されるプリフォームにおけるSiC粒子間の隙間の体積を示している。また、β/(100−α)は、このSiC粒子間の隙間をβ−SiCがどの程度充填しているかを表している。β/(100−α)の値と、SiC/Si複合材料におけるSiCの充填率とは相関関係にあり、64≦β/(100−α)≦86は、上述のSiCの充填率86〜94%に対応する。
したがって、β/(100−α)が64未満であれば、上述の380GPa以上のヤング率及び190W/m・K以上の熱伝導率を達成することができず、86を超える場合には、Siの含浸時に生じたSiの未含浸部分が存在するので好ましくない。
第3の発明に係るSiC/Si複合材料は、第1又は第2発明において、SiC/Si複合材料の断面組織におけるSiスポットの平均直径が1〜20μmであることを特徴とする。
ここで、Siスポットの平均直径は、Si含浸経路の断面の平均直径に相当する。Siスポットの平均直径が1μm未満の場合、SiC/Si複合材料を製造する際のSi含浸工程において、炭素とSiとの結合により生成するβ−SiCは炭素の約2倍の体積を有するため、生成したβ−SiCによりSiの含浸経路が閉塞され、Siの未含浸が発生するので好ましくない。また、Siスポットの平均直径が20μmを超える場合には、プリフォーム強度が低下し、ハンドリングに十分な強度を確保できないため好ましくない。
第4の発明に係るSiC/Si複合材料は、第1〜第3のいずれかの発明において、ヤング率が380〜413GPaであり、かつ熱伝導率が190〜214W/m・Kであることを特徴とする。これによれば、従来達成できなかったヤング率及び熱伝導率を達成し、SiC/Si複合材料の適用範囲を広げることができる。
本発明に係るSiC/Si複合材料は、SiC粒子の間にSiが充填された構造を有するSiC/Si複合材料である。そして、SiC粒子は粒度が大きい粗粉及び粒度が粗粉よりも小さい微粉により構成され、SiCの充填率は86〜94体積%である。粗粉及び微粉の平均粒径は、たとえば200μm及び20μm程度である。
これにより、SiC/Si複合材料は、380〜413GPaのヤング率、190〜214W/m・Kの熱伝導率を達成している。
SiCの充填率のより好ましい範囲は、90〜94体積%である。この場合、400GPa以上のヤング率、及び200W/m・K以上の熱伝導率を達成することができる。
また、本発明に係るSiC/Si複合材料では、SiC粒子の結晶相は、粗粉においてはα相のみであり、微粉においてはβ相のみであるか又はβ相及びα相が混在している。
ここでαは、SiC/Si複合材料を製造する際に用いたプリフォームにおけるα−SiCによる充填率である。プリフォームにおいてはα−SiCのみが存在する。(100−α)は、該プリフォームにおけるα−SiC粒子間の隙間の割合に相当する。また、βは該プリフォームに対するSiの含浸時に生じたβ−SiCによる充填率に相当する。すなわち、β/(100−α)は、α−SiC粒子の隙間を、β−SiCがどの程度充填しているかを表す。
α−SiCの充填率αは、プリフォームを構成する原料の密度とその体積割合、及びプリフォームについて測定した嵩密度から求めることができる。なお、プリフォームにおける充填率αはすべてα−SiC結晶によるものである。また、SiC/Si複合材料についてのSiC充填率α+βは、SiC/Si複合材料について測定した嵩密度から複合則に基づいて求めることができる。
なお、微粉においてβ相のみが存在する場合は、プリフォームの形成が、粗粉のα−SiCのみを用いて行われたことを意味する。また、微粉においてβ相及びα相が混在している場合は、プリフォームの形成に使用された微粉のα−SiCと、プリフォーム中に添加された炭素とSiとが反応して生成した微粉のβ−SiCとが混在していることを意味する。
本発明に係るSiC/Si複合材料においては、SiC/Si複合材料の断面組織におけるSiスポットの平均直径は、1〜20μmが好ましい。
Siスポットの平均直径は、電子顕微鏡で観察したSiC/Si複合材料の断面組織像から画像処理ソフトでSiスポット部の面積を読み取り、等価な円の直径に換算した値を用いて算出することができる。
ここで、Siスポットの平均直径は、SiC/Si複合材料の製造に使用したプリフォームにSiを含浸させたときの含浸経路における断面の平均直径に相当する。Siスポットの平均直径が1μm未満であると、Siの含浸時に生成したβ−SiCによりSiの含浸経路が閉塞され、Siの未含浸が発生した可能性がある。Siの未含浸部分が発生した場合、ポアや未反応カーボンが残留してSiC/Si複合材料の機械的特性を劣化させるおそれがあるので、好ましくない。
また、Siスポットの平均直径が20μmを超える場合には、プリフォーム強度が低下し、ハンドリングに十分な強度を確保できないため好ましくない。
本発明に係るSiC/Si複合材料は、以上のようにして、支障なく、380〜413GPaのヤング率、及び190〜214W/m・Kの熱伝導率を、同時に達成している。さらに、より好ましい範囲のものとして、400〜413GPaのヤング率及び200〜214W/m・Kの熱伝導率を達成することができる。このような、従来達成できなかったヤング率及び熱伝導率により、SiC/Si複合材料の適用範囲を広げることができる。
本発明に係るSiC/Si複合材料の製造に際しては、まず、SiC粉末、熱硬化性樹脂、及びカーボン粉末を含む混合物を熱プレス機により成形し、多孔質SiC成形体であるプリフォームを得る。次に、このプリフォームを所定雰囲気下で脱脂し、Siを含浸させることによりSiC/Si複合材料を得る。
ここで、SiC粉末としては、研磨剤等として使用される比較的粒の粗い市販品を用いることができる。その場合、粒度の異なるSiC粉末を組み合わせて用いるのが好ましい。たとえば、平均粒径が2.0〜40μmの微粉と、平均粒径が40〜300μmの粗粉とを組み合わせることによりSiC粉末の充填を高めることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、たとえばフェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレ−ト樹脂、ケイ素樹脂等を用いることができる。フェノール樹脂は、脱脂後の残炭率が高いので好ましい。また、粉末状のものを用いるのが好ましい。たとえば、平均粒径1〜100μmの粉末状の樹脂を用いることができる。
SiC粉末及び熱硬化性樹脂の混合は、乾式、湿式を問わず、種々の方法を採用することができる。十分に混合することで両者が分散し、均質なプリフォームを得ることができる。
SiC/Si複合材料の高剛性化を図るために、Siを含浸させるときの反応SiCの生成量をさらに増やしたい場合は、熱硬化性樹脂にカ−ボン粉末を添加することもできる。カーボン粉末としては、カーボンブラック、カーボンビーズ、コークス粉等を用いることができる。カーボン粉末の形態は、無定形、針状、球状を用いることができるが、高充填させるためには特に球状が好ましい。また、カーボン粉末の平均粒径は2〜20μmが好ましい。2μmより細かい場合はプリフォーム作製時にα−SiCの充填を阻害し、20μmより大きい場合は炭素とSiが反応してβ−SiCが生成する際の発熱により割れが発生するからである。
混合物の成形方法としては、プレス成形、CIP成形、湿式成形等を用いることができる。なかでも加熱しながら圧力を加える熱プレス成形が好ましい。熱プレスは、0.5〜30MPaの圧力で、1〜12時間プレスすることが好ましい。また、熱硬化樹脂の硬化反応により生成する縮合水の蒸気の抜けを妨げないように、上記圧力でプレスを加えた後に、又はプレスを加えながら加熱することが好ましい。このように熱プレスの条件を制御することで、SiC粉末の充填を高めることができる。
上記のように成形しプリフォームを得た後、有機バインダーを脱脂する。脱脂工程の雰囲気は非酸化雰囲気が好ましく、真空中、アルゴン若しくは窒素雰囲気中、又は減圧下でのアルゴン若しくは窒素のパーシャル圧気流中を採用することができる。なかでも真空雰囲気中又は減圧下でのArガスのパーシャル圧気流中が好ましい。真空圧は1〜100Pa、パーシャル圧は10〜1000Paとすることが好ましい。脱脂温度は、800〜1200℃が好ましい。また、脱脂工程中の昇温速度は30℃/hr以下が好ましい。
プリフォ−ムにSiを浸透させる方法としては、たとえば、融点以上の温度に加熱され溶融したSiをプリフォームと接触させる方法を採用することができる。溶融したSiとプリフォーム中の炭素が反応してβ−SiCを生成する。浸透工程の雰囲気は、非酸化雰囲気が好ましく、真空中、またはアルゴン雰囲気を採用することができる。真空雰囲気の場合圧力は1〜100Paが好ましい。
浸透温度は、1450〜1600℃とすることができる。このような範囲であれば、Siが十分に溶融するので浸透が進行し、またSiの揮発による不良も生じ難い。
このようなSiC/Si複合材料の製造方法により、上述のSiCの充填率86〜94%を達成し、並びにα−SiC及びβ−SiCの充填率に関する関係式64≦β/(100−α)≦86を成立させるためには、プリフォームを得るために使用するSiC粉末、熱可塑性樹脂、カーボン粉末、プレス圧が適宜選択される。
たとえば、SiC粉末として、平均粒径が208μmの粗粉と、平均粒径が18μmの微粉とを65/35の重量比で配合したものを用い、熱硬化性樹脂として所定量のフェノール樹脂を用い、カーボン粉末として所定量のカーボンビーズを用い、3MPaのプレス圧を付加し、150℃で3時間熱プレス成形することによりプリフォームを得ることが必要とされる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。
[実施例1]
平均粒径が208μmのα−SiC及び平均粒径が18μmのα−SiCを65:35の配合比で混合したSiC粉末に対して、脱脂後の不揮発分が50%であるフェノール樹脂と、平均粒径が6μmのカーボンビーズとを、フェノール樹脂の含有量が8wt%、カーボンビーズの含有量が7wt%となるように混合し、原料粉末を作製した。
次に、この原料粉末に熱プレス成形を施して多孔質SiC成形体としてのプリフォームを得た。熱プレス成形は、原料粉末を金型に充填し、150℃に加熱しながら3MPaのプレス圧を付加し3時間を費やして行った。
次に、得られたプリフォ−ムについて、10Paの真空雰囲気中1000℃で脱脂し、その後、Siと共に10Paの真空雰囲気中で1600℃の温度で3時間保持し、Siを含侵させることによりSiC/Si複合材料を得た。
次に、このプリフォームにおけるα−SiCの充填率α、及びSiC/Si複合材料におけるSiCの充填率α+βを求め、β/(100−α)を算出した。α及びα+βはそれぞれ次の数1式及び数2式により求めた。
Figure 2012144389
Figure 2012144389
ただし、数1式中のaはプリフォームの嵩密度、bは空隙が無い場合のプリフォームの論理密度、cはプリフォーム中のα−SiCの体積分率である。数2式中のdはSiC/Si複合材料の密度、eはSiC/Si複合材料におけるSiの密度、そしてfはSiC/Si複合材料におけるSiCの密度である。
なお、密度の値としては、SiCについては3.2g/cm、Siは2.3g/cm、フェノール樹脂は1.2g/cm、カーボンビーズは2.0g/cmを用いて計算した。
この結果をそれぞれ、表1における実施例1の「SiC充填率 プリフォーム」、「SiC充填率 MMC」、及び「β−SiC/空隙」の欄に示す。β/(100−α)は、プリフォームにおけるSiC粒子間の空隙をSiの含浸により生じた生成SiCがどの程度充填しているかを示している。
なお、本実施例で使用した原料粉末におけるα−SiCの粒径と配合比、フェノール樹脂及びカーボンビーズの添加量を、併せて表1における実施例1の「α−SiC 粒径」、「α−SiC 配合比」、「フェノール樹脂」、及び「カーボンビーズ」の欄に示す。
次に、得られたSiC/Si複合材料について、Siスポットの平均直径とヤング率及び熱伝導率を測定した。この結果を表1における実施例1の「Si直径」、「ヤング率」及び「熱伝導率」の欄に示す。
[実施例2〜19]
フェノール樹脂及びカーボンビーズの添加量をそれぞれ、実施例2〜19の「フェノール樹脂」、及び「カーボンビーズ」の欄に示す各値とした以外は、実施例1の場合と同様にして、SiC/Si複合材料を取得し、β/(100−α)を算出し、Siスポットの平均直径、ヤング率及び熱伝導率を測定した。この結果を、実施例1の場合と同様にして、表1の実施例2〜19の欄に示す。
[実施例20、21]
SiC粉末として、平均粒径が88μmのα−SiC及び平均粒径が13μmのα−SiCを70:30の配合比で混合したものを用い、フェノール樹脂及びカーボンビーズの添加量をそれぞれ、実施例20及び21の「フェノール樹脂」及び「カーボンビーズ」欄に示す各値としたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、SiC/Si複合材料を取得し、β/(100−α)を算出し、Siスポットの平均直径、ヤング率及び熱伝導率を測定した。この結果を、実施例1の場合と同様にして、表1の実施例20及び21の欄に示す。
[実施例22、23]
SiC粉末として、平均粒径が60μmのα−SiC及び平均粒径が9μmのα−SiCを70:30の配合比で混合したものを用い、フェノール樹脂及びカーボンビーズの添加量をそれぞれ、実施例22及び23の「フェノール樹脂」及び「カーボンビーズ」欄に示す各値としたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、SiC/Si複合材料を取得し、β/(100−α)を算出し、Siスポットの平均直径、ヤング率及び熱伝導率を測定した。この結果を、実施例1の場合と同様にして、表1の実施例22及び23の欄に示す。
[実施例24〜26]
SiC粉末として平均粒径が208μm、88μm、60μmのα−SiCを単粒で用いて、フェノール樹脂及びカーボンビーズの添加量をそれぞれ、実施例24〜26の「フェノール樹脂」及び「カーボンビーズ」欄に示す各値としたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、SiC/Si複合材料を取得し、β/(100−α)を算出し、Siスポットの平均直径、ヤング率及び熱伝導率を測定した。この結果を、実施例1の場合と同様にして、表1の実施例24〜26の欄に示す。
Figure 2012144389
[比較例1〜10]
使用したα−SiCの粒径と配合比、フェノール樹脂及びカーボンビーズの添加量をそれぞれ、表2の比較例1〜10の「α−SiC 粒径」、「α−SiC 配合比」、「フェノール樹脂」、「カーボンビーズ」の欄に示す各値としてプリフォームを形成したこと以外は、実施例1の場合と同様にしてSiC/Si複合材料を取得し、β/(100−α)を算出し、Siスポットの平均直径、ヤング率及び熱伝導率を測定した。この結果を、表2の比較例1〜10の欄に示す。
Figure 2012144389
表1及び表2から、SiC/Si複合材料は、SiCの充填率α+βが、86%(実施例2)〜94%(実施例8、19)の範囲内において、380GPa(実施例10、20、26)〜413GPa(実施例8)の範囲内のヤング率を達成できることがわかる。また、この充填率α+βの範囲においては、64(実施例10)≦β/(100−α)≦86(実施例8)が成立することがわかる。
一方、SiCの充填率α+βが、86%を下回る(比較例5〜8)場合には、ヤング率が380GPaを下回ることがわかる。また、この充填率α+βの範囲においてはβ/(100−α)の値は64を下回ることがわかる。
また、SiCの充填率α+βが、90%(実施例24)〜94%(実施例8)の範囲内においては、400GPa(実施例24)〜413GPa(実施例8)の範囲内のヤング率を達成できることがわかる。また、この充填率α+βの範囲においては、76≦β/(100−α)≦86が成立することがわかる。
Siスポットの平均直径が1μmを下回っている比較例1〜4、及び10では未含浸が発生し、SiC/Si複合材料組織中にポアや未反応カーボンが存在した。
Siスポットの平均直径が20μmを上回っている比較例9ではプリフォーム強度が弱く、保形できずに割れた。

Claims (4)

  1. SiC粒子の間にSiが充填された構造を有するSiC/Si複合材料であって、SiC粒子は粒度が異なる粗粉及び微粉により構成され、SiCの充填率が86〜94体積%であることを特徴とするSiC/Si複合材料。
  2. 前記SiC粒子の結晶相は、前記粗粉においてはα相のみであり、前記微粉においてはβ相のみであるか又はβ相及びα相が混在しており、該α相及びβ相の結晶の含有率をそれぞれα体積%及びβ体積%とすれば、64≦β/(100−α)≦86が成立することを特徴とする請求項1に記載のSiC/Si複合材料。
  3. 断面組織におけるSiスポットの平均直径が1〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のSiC/Si複合材料。
  4. ヤング率が380〜413GPaであり、かつ熱伝導率が190〜214W/m・Kであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のSiC/Si複合材料。
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