JP2012143977A - 複合ヒンジキャップの成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頂板部及びスカート部から成り、頂板部にはスコアで区画された開口予定部が形成され、該開口予定部を取り囲むと共に注出方向の反対側に切欠きを有する注出用ノズルが形成されてなるキャップ本体、及び前記スカート部を外側から覆う筒状側壁及び該筒状側壁の上部の一端にヒンジ連結された上蓋から成る外側部材を、前記注出用ノズルの切欠きとヒンジが同じ位置になるように組み合わせて成る複合ヒンジキャップの成形方法において、前記キャップ本体及び上蓋を開いた状態の外側部材を射出成形するに際して、キャップ本体と筒状側壁が、金型の型開き方向に離隔して並列に位置し、注出用ノズルの切欠きとヒンジが一致する位置になる同一金型内で成形し、射出成形後型抜きの際にキャップ本体及び外側部材を組み合わせることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
調味料等に用いられるヒンジキャップは、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、キャップ本体に開閉可能にヒンジ連結された上蓋とから成っているため、使用済みの容器からキャップを除去するには、キャップ本体を破壊して容器口部から取り除く必要があり、その除去作業が極めて面倒であることから、分別廃棄が未だ不十分であるという問題を有している。
また、スカート部に軸線方向の切り欠きを有するキャップ本体と、キャップ本体スカート部と切断面を介して分離しているが、切断面よりも上側或いは下側の複数個の破断可能な橋絡部を介して一体に形成されている外筒から成り、外筒のヒンジ連結部の一方にスコアを設けたキャップが提案されている(特許文献2)。このヒンジキャップにおいては、上蓋を斜め下方に引っ張って外筒のスコアを破断してから、外筒とキャップ本体スカート部の間の橋絡部を破断することにより、切り欠きが設けられたキャップ本体スカート部が半径方向に広がることが可能となって、キャップ本体が容器口部から簡単に取り外すことができるというものである。上記特許文献1及び2のような筒状側壁が周状スリットにより二重壁とされたキャップは、優れた分別廃棄性を有しているばかりか、スカート部が外筒によってタガ締めされる構造となっているため、容器口部はスカート部とインナーリングとの間にがっちりと嵌め込まれ、密封性も良好である。
また、特許文献2では、熱間充填におけるキャップの保持力を弱めないために、キャップ本体スカート部と筒状側壁の間の隙間をできる限り小さく形成することが望ましく、このため、二重壁を成形するために後加工により切り込みを入れて、キャップ本体スカート部及び外筒を形成していた。
しかしながら、このような後加工はツールのセッティングが難しく、また成形性に劣ると共に、生産性の点でも十分満足するものではなかった。
更に、ヒンジキャップにおいては、開封性或いは分別廃棄のためにはキャップが容易に破断できることが必要である一方、ヒンジ部は繰り返しの開閉操作にも耐え得る強度が必要であり、これらの相反する要求を一体成形による同一の樹脂で実現することは困難である。
また、2つの部材を組み合わせるためは、位置決めを配慮した形状にする必要があり、成形性の点でも十分満足するものではなかった。
従って本発明の目的は、キャップ本体及び上蓋がヒンジ連結された筒状側壁を組み合わせてなる複合ヒンジキャップを、生産性及び成形性よく提供可能な成形方法を提供することである。
1.金型が、キャップ本体外面、筒状側壁の上端及び上蓋内面を規定する第一の金型、及び筒状側壁の外側面及び上蓋外面を規定する第二の金型、並びにキャップ本体内面及び筒状側壁内面を規定するコア金型から成り、第一の金型及び第二の金型を型開し、コア金型を取り除いた後、外側部材をキャップ本体方向に移動させることにより、キャップ本体と外側部材を組み合わせること、
2.金型が、キャップ本体外面、筒状側壁の上端及び上蓋内面を規定する第一の金型、及び筒状側壁の外側面及び上蓋外面を規定する第二の金型、並びにキャップ本体内面及び筒状側壁内面を規定するコア金型から成り、第一の金型及び第二の金型を型開きし、コア金型を取り除いた後、外側部材をキャップ本体方向に移動させることにより、キャップ本体と外側部材を組み合わせること、
3.ヒンジ形成部分を除くキャップ本体スカート部下端に、凹部が形成されていると共に、筒状側壁内面に該凹部に対応する凸部が形成されていること、
が好適である。
また従来、後加工により形成されていた筒状側壁部を、後加工を施すことなく形成することが可能であり、生産性に優れている。
更に、キャップ本体をスコアの切り裂き性に優れた熱可塑性樹脂で成形し、ヒンジ部を有する筒状側壁を耐折曲性に優れた熱可塑性樹脂で成形することにより、2つの相反する性能に優れた複合ヒンジキャップを容易に成形することが可能となる。
図1は、本発明の成形方法により成形される複合ヒンジキャップの一例を示す側断面図であり、図1に示すヒンジキャップは、概略的に言って、容器口部(図示せず)に嵌合固定されるキャップ本体1、及び該キャップ本体1のスカート部を外側から覆う、上蓋30がヒンジ連結された筒状側壁20(筒状側壁及び上蓋を合わせて「外側部材」ということがある)の2ピースからなっている。
キャップ本体1は頂板部2及び頂板部2の外周から垂下するスカート部3から成っている。頂板部2の中央には、スコア4で区画される開口予定部5が形成されており、スコアを引き裂き、開口を形成するための把持部6が支柱を介して開口予定部に形成されている。
更にこの開口予定部5を取り囲むように注出用ノズル7が形成されている。この注出用ノズル7は、注出方向の反対側において、上蓋30の開閉の妨げにならないように、注出方向側の部分7aよりも高さの低い部分7bが形成されている。
一方、頂板部2の内面側には、容器口部の内側面と密着し、スカート部3と共にキャップを容器口部に強固に固定し、開口形成前の液密性を確保するインナーリング8が形成されている。また頂板部2の外周縁には、後述する上蓋30を嵌合固定するための係合部9が形成されている。
筒状側壁20は、キャップ本体1のスカート部3を外側からタガ締めするように位置している。この筒状側壁20の内面には、上述したスカート部3の外面に形成された突起11と係合する凹部21が形成されており、また筒状側壁の上端にはヒンジ部22を介して上蓋30が一体に形成されている。
上蓋30は天面31及び環状側壁32から成っており、天面31の内面にキャップ本体1に形成された注出用ノズル7と嵌合して開口形成後の液密性を確保するための環状突起33、及び上述した注出用ノズル7の低い部分7bに対応する箇所には、円弧状の突起34が形成され、複合ヒンジキャップを容器に打栓する際、或いは上方から外力が加わった際に、スコア4が破断するのを防止している。また環状側壁32の下端内面には、キャップ本体の係合部9と係合するための係合用突起35と環状側壁32のヒンジと反対側には上蓋開閉のための摘み36が形成されている。
図3に示すように、図1に示す複合ヒンジキャップは、キャップ本体部外面、筒状側壁上端及び上蓋30内面を規定する第一の金型40、筒状側壁外面及び上蓋外面を規定する第二の金型41、インナーリングで区画されるキャップ本体頂板部及びインナーリング内面を規定する第一のコア金型42、インナーリング外面及びスカート部内面を規定する第二のコア金型43、筒状側壁内面及びスカート部下端を規定する第三のコア金型44及び筒状側壁の下端を規定するリング状押し具45によって、キャップ本体1を形成する空間50、筒状側壁20を形成する空間51、上蓋30を形成する空間52が形成される。これらの空間内に溶融樹脂を射出することにより、キャップ本体1、筒状側壁20、筒状側壁20にヒンジ連結された上蓋30をそれぞれ同時に成形することができる。
尚、図示していないが、溶融樹脂が射出されるゲートは、キャップ本体を形成する空間50、及び筒状側壁及び上蓋を形成する空間51及び52に対応して2箇所に設けられている。
すなわち、まず、第一の金型40を軸方向上方に移動した後(図4)、第二の金型41を軸方向下方に移動して、型を開く(図5)。次いで第一のコア金型42を軸方向下方に移動して取外す(図6)。次いで第三のコア金型44の外側に併設され、筒状側壁20の下端に位置するリング状押し具45により、筒状側壁20の下端を上方に押し上げる(図7)。これにより、筒状側壁20はスカート部3の外側にセッティングされると共に、スカート部外面に形成された突起11と筒状側壁内面に形成された凹部21が係合して、キャップ本体と筒状側壁は一体化される(図8)。
この状態で、第三のコア金型44及びリング状押し具45が軸方向上方に移動することによって(図9)、図10に示すように第二のコア金型43がキャップ本体から取り除かれ、複合ヒンジキャップが型から取り出され、図1に示した複合ヒンジキャップが完成される。
例えば、図3乃至9に示した成形型においては、筒状側壁及び上蓋を形成する空間が、キャップ本体を形成する空間の軸方向下方に並列に位置していたが、これに限定されず、キャップ本体を形成する空間の軸方向上方に位置し、筒状側壁を軸方向下方に移動するようにして組み立てることもできるし、或いはキャップ本体を軸方向上方に移動させて組み立てることもできる。
同様に、図3乃至9に示した成形方法では、筒状側壁を移動させて筒状側壁をスカート部にセッティングしていたが、キャップ本体を軸方向下方に移動させて組立することもできる。
また、成形型も図に示した具体例では、キャップ本体部外面、筒状側壁上端及び上蓋内面を規定する第一の金型、筒状側壁外面及び上蓋外面を規定する第二の金型の組み合わせが用いられていたが、キャップ本体外面、少なくともヒンジ形成部分を除く筒状側壁の外側面及び上蓋内面を規定する第一の金型、及び筒状側壁下端、ヒンジ形成部分の筒状側壁の外側面及び上蓋外面を規定する第二の金型を用いることもできる。
更に、キャップ本体スカート部外面に形成される突起、及び筒状側壁内面に形成される凹部は、環状であることが位置合せの点から望ましいが、凹部のみが環状或いは弧状であってもよいし、またキャップ本体スカート部外面に凹部、筒状側壁内面に突起でもよい。
更にまた開口予定部は、スコアで区画されたもののみならず、既に形成された開口を密封シールで覆うものであってもよい。
また本発明方法においては、キャップ本体と、上蓋をヒンジ連結してなる筒状側壁を、異なる樹脂で成形することができ、開封性、密封性、ヒンジの耐久性、機械的強度、耐熱性、等の特性に優れた複合ヒンジキャップを提供することができるため、調味料や油等の食品、飲料等の用途に用いられる複合キャップの製造に好適に利用できる。
Claims (4)
- 頂板部及びスカート部から成り、頂板部にはスコアで区画された開口予定部が形成され、該開口予定部を取り囲むと共に注出方向の反対側に切欠きを有する注出用ノズルが形成されてなるキャップ本体、及び前記スカート部を外側から覆う筒状側壁及び該筒状側壁の上部の一端にヒンジ連結された上蓋から成る外側部材を、前記注出用ノズルの切欠きとヒンジが同じ位置になるように組み合わせて成る複合ヒンジキャップの成形方法において、
前記キャップ本体及び上蓋を開いた状態の外側部材を射出成形するに際して、キャップ本体と筒状側壁が、金型の型開き方向に離隔して並列に位置し、注出用ノズルの切欠きとヒンジが一致する位置になる同一金型内で成形し、射出成形後型抜きの際にキャップ本体及び外側部材を組み合わせることを特徴とする複合ヒンジキャップの成形方法。 - 前記金型が、キャップ本体外面、筒状側壁の上端及び上蓋内面を規定する第一の金型、及び筒状側壁の外側面及び上蓋外面を規定する第二の金型、並びにキャップ本体内面及び筒状側壁内面を規定するコア金型から成り、第一の金型及び第二の金型を型開きし、コア金型を取り除いた後、外側部材をキャップ本体方向に移動させることにより、キャップ本体と外側部材を組み合わせる請求項1記載の複合ヒンジキャップの成形方法。
- 前記金型が、キャップ本体外面、少なくともヒンジ形成部分を除く筒状側壁の外側面及び上蓋内面を規定する第一の金型、及び筒状側壁の外側面及び上蓋外面を規定する第二の金型、並びにキャップ本体内面及び筒状側壁内面を規定するコア金型から成り、第一の金型及び第二の金型を型開きし、コア金型を取り除いた後、外側部材をキャップ本体方向に移動させることにより、キャップ本体と外側部材を組み合わせる請求項1記載の複合ヒンジキャップの成形方法。
- 前記ヒンジ形成部分を除くキャップ本体スカート部下端に、凹部が形成されていると共に、筒状側壁内面に該凹部に対応する凸部が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の複合ヒンジキャップの成形方法。
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