JP2012143171A - 加熱加工用風味付与剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱加工食品に対して香ばしい風味を付与することができ、且つ、付与された香ばしい風味が低温保存後の再加熱によっても失われない加熱加工用風味付与剤、該風味付与剤を含有するバッター、該風味付与剤を用いてなる加熱加工食品、及び加熱加工食品の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の加熱加工用風味付与剤は、フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油からなる。フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油によれば、食品に対して直接又は間接的に付着させた後、加熱加工することで、香ばしい風味を有する加熱加工食品を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、加熱加工食品に対して香ばしい風味を付与するための加熱加工用風味付与剤、該風味付与剤を含有するバッター、該風味付与剤を用いてなる加熱加工食品、及び加熱加工食品の製造方法に関する。
従来より、加熱調理品に対して香ばしい風味を付与するために、油脂に香味成分を含有させた香味油が利用されている。例えば、特許文献1には、畜肉や畜肉の骨に油脂を加えて加熱し、これにアミノ酸及びカルボニル化合物を添加した香味油が開示されている。この香味油によれば、加熱調理に用いることで、畜肉の旨味と、アミノ酸とカルボニル化合物とのメイラード反応により畜肉を焼成したときの香ばしいロースト風味と、を加熱調理品に付与することができる。一般に、香味油は、香りを発散させて食欲を促す効果を奏する。しかし、従来の香味油によって付与される香りは、調理後に再加熱すると失われるため、再加熱調理品では香ばしい風味を楽しむことができなかった。
特許第2902980号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱加工食品に対して香ばしい風味を付与することができ、且つ、付与された香ばしい風味が低温保存後の再加熱によっても失われない加熱加工用風味付与剤、該風味付与剤を含有するバッター、該風味付与剤を用いてなる加熱加工食品、及び加熱加工食品の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、加熱加工食品の製造に際し、食品に対して、ある強さ以上の焙煎強度で焙煎した焙煎菜種油を直接又は間接的に付着させた後、加熱加工を施すことで、香ばしい風味を有する加熱加工食品が得られることを見出した。また、本発明者らは、焙煎菜種油の焙煎強度と、焙煎菜種油に含まれるフルフラールの量との間に相関関係があることも見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では以下のようなものを提供する。
(1) フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油からなることを特徴とする加熱加工用風味付与剤。
(2) 上記焙煎菜種油は、フルフラールを3ppm以上含有する(1)に記載の風味付与剤。
(3) 上記風味付与剤は、練り込みによって使用される(1)又は(2)に記載の風味付与剤。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の風味付与剤を含有することを特徴とするバッター。
(5) (1)〜(3)のいずれかに記載の風味付与剤を用いてなることを特徴とする加熱加工食品。
(6) 冷蔵食品又は冷凍食品である(5)に記載の加熱加工食品。
(7) フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油を、食品に対して直接又は間接的に付着させた後、加熱加工することを特徴とする、加熱加工食品の製造方法。
(8) 前記加熱加工した食品を冷凍した後、再加熱する(7)に記載の加熱加工食品の製造方法。
本発明の加熱加工用風味付与剤によれば、加熱加工食品の製造に際し、食品に対して直接又は間接的に付着させた後、加熱加工するだけで、加熱加工食品に対して香ばしい風味を付与することができる。そして、本発明の加熱加工用風味付与剤によって、加熱加工食品に付与された香ばしい風味は、低温保存後の再加熱によっても失われない。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本発明の加熱加工用風味付与剤(以下、風味付与剤という。)は、フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油からなることを特徴とする。本発明の風味付与剤は、食品に対して、ある強さ以上の焙煎強度で焙煎された焙煎菜種油を直接又は間接的に付着させた後、加熱加工するだけで、加熱加工食品に対して香ばしい風味を付与することができること、また、この加熱加工食品に付与された香ばしい風味は、低温保存後の再加熱によっても失われないことを見出し、なされたものである。
焙煎油の焙煎強度を直接規定することは困難であり、また、焙煎強度は焙煎温度、焙煎時間、焙煎機の大きさ等の要因によって複雑に変化するため、製法によって一概に規定することも難しい。そこで、フルフラールを焙煎菜種油の焙煎強度を示す指標として用いることにした。フルフラールは、焙煎していない菜種から搾油した油には含まれていないが、焙煎された菜種油には含まれている成分である。焙煎強度が高い焙煎菜種油ほど、フルフラールを多く含み、焙煎菜種油の焙煎強度と、該焙煎菜種油中のフルフラール含有量との間には相関関係がある。なお、フルフラールは、あくまでも焙煎強度の指標となるものであって、本発明の効果を奏する成分ではないものと考えられる。
焙煎菜種油に含まれるフルフラールの量は、フルフラールを外部標準に用いるヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定する。具体的には、以下の方法にて測定することができる。まず、ヘッドスペースGC用のバイアル瓶に、外部標準であるフルフラールを添加した菜種油を入れ、これを外部標準試料とする。また、別のヘッドスペースGC用のバイアル瓶に、焙煎菜種油を入れ、これを測定試料とする。それぞれの試料について、バイアル瓶を加温した後、ヘッドスペースの気体をガスクロマトグラフ質量分析装置にて分析する。そして、得られた外部標準試料のクロマトグラムにおけるフルフラールのピーク面積と、測定試料のクロマトグラムにおけるフルフラールのピーク面積とを比較し、外部標準試料のフルフラールの濃度に基づいて、測定試料に含まれるフルフラール量を算出する。ガスクロマトグラフ質量分析法の条件としては、フルフラールのピークが良好に分離し、再現性良く測定できる方法であれば、特に限定されるものではなく、例えば、後述する実施例にて記載の方法が好適である。
本発明の風味付与剤は、上記測定方法により算出されたフルフラール含有量が0.7ppm以上である焙煎菜種油からなることを特徴とし、3ppm以上である焙煎菜種油からなることが好ましく、6ppm以上である焙煎菜種油からなることがより好ましい。焙煎菜種油のフルフラール含有量が上記であれば、加熱加工により食品に香ばしい風味を付与することができる。なお、フルフラール量が多くなると、香ばしい風味に焦げ臭が混じる場合がある。そのため、良好な香ばしさが感じられる点において、フルフラール含有量が100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、最も好ましくは17ppm以下である。
本発明の風味付与剤である焙煎菜種油は、例えば、菜種を焙煎した後、圧搾により搾油することにより製造することができる。一般に、焙煎油は、それ自体の風味や芳香を生かすため精製を行わず、圧搾により搾油された粗油をそのまま使用するが、本発明では、該粗油に対して脱臭処理以外の一般的な油脂の精製を行ってもよい。一般的な油脂の精製方法としては、例えば、沈殿物の除去、脱ガム処理、脱酸処理、水洗、脱色処理等が挙げられる。リン脂質が多い場合には、脱ガム処理を行うとよい。
本発明の風味付与剤である焙煎菜種油を製造するための菜種の焙煎条件は、焙煎菜種油中のフルフラール含有量が、0.7ppm以上となるような条件であれば、特に限定されるものではないが、例えば、焙煎温度は、品温が180〜240℃となるような温度であることが好ましく、190〜230℃となるような温度であることがより好ましい。また、焙煎時間は、菜種の品温が室温から上記焙煎温度に達するまで1〜40分間焙煎することが好ましく、2〜30分間焙煎することがより好ましい。
菜種油の焙煎方法は、特に限定されるものではなく、例えば、電熱、熱風、バーナー、マイクロ波等を用いて菜種を加熱する方法が挙げられる。また、焙煎の際に使用する焙煎機も、特に限定されるものではなく、例えば、回転流動床式、回転ドラム式等が挙げられる。
圧搾の際に使用する圧搾機は、特に型式を問わないが、例えば、円筒状に形成されたケーシングと、その内部に回転自在に設けられたスクリューとからなるエキスペラー式圧搾機が好適である。なお、回転数や処理量は、適宜調整すればよい。
焙煎菜種油の粗油に対して、沈殿物の除去を行う場合には、搾油後にろ過又は室温にて1〜7日間程度静置し、上澄みを分取又はろ過するとよいが、これらの方法に限定されるものではない。
リン脂質を除去する脱ガム処理の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、油に対して3%程度の水を加え、必要に応じて0.02〜1.0質量%のリン酸や有機酸等の酸を加え、70〜90℃にて加熱撹拌し、遠心分離等によりリン脂質を分離させ、除去する。
本発明の風味付与剤は、食品に対して直接又は間接的に付着させた後、加熱加工することで、香ばしい風味を加熱加工後の食品にもたらすことができる。本発明の風味付与剤は、液状であっても粉末状であってもよく、その形態は特に問わない。例えば、本発明の風味付与剤が液状である場合には、塗布、噴霧、漬け込み等により、直接、食品に付着させることができる。また、バッターへの練り込み、衣液への添加等により、間接的に食品に付着させることができる。例えば、本発明の風味付与剤が粉末状である場合には、食品にまぶすことにより直接、食品に付着させることができる。また、バッター粉への添加等により、間接的に食品に付着させることができる。本発明の風味付与剤は、風味の持続性という観点から、バッター等へ練り込み等、食品に対して間接的に付着させることが好ましい。なお、本発明の風味付与剤である焙煎菜種油は、フライ油や炒め油として用いても食品に風味を付与することができるが、フライ油や炒め油として用いる場合には、多量に必要となる上、調理時の加熱臭が酷くなり、作業環境の悪化をもたらすという問題が生じる。しかし、風味付与剤として、上記のように食品に対して直接又は間接的に付着させれば、少ない量で香ばしい風味を食品に付与することができ、また、作業環境が悪くなるという懸念は生じない。本発明の風味付与剤の食品に対する使用量は、特に限定されるものではなく、食品の種類や加熱加工方法等により適宜、選択すればよい。加熱加工の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、オーブンやグリル等で焼く、揚げる、炒める、スプレー加熱する(油を食材にスプレーしてオーブンや電子レンジで加熱する調理)等が挙げられる。
本発明の風味付与剤は、食品を加熱加工する際に、該食品に直接又は間接的に付着させるバッター粉、バッター、調味料、漬けだれ、パン粉、香味油等に含有させて用いてもよい。
本発明の風味付与剤は、香ばしい風味を有することが好ましく感じられる加熱加工食品に用いることが好ましい。このような加熱加工食品としては、例えば、から揚げ、コロッケ、とんかつ、フライドポテト、ドーナツ、揚げせんべい、焼肉、焼き豚、焼き鳥、焼き魚、鳥の照り焼き、魚の照り焼き、餃子、スナック菓子、クッキー、パンケーキ等の油で揚げたり、焼いたりといった加工を施す食品が挙げられる。本発明の風味付与剤によって、加熱加工食品に付与された香ばしい風味は、低温保存後の再加熱によっても失われないことから、加工後に冷蔵又は冷凍保存され、食する際に電子レンジ等で再加熱される冷蔵(チルド)食品又は冷凍食品に用いることが好ましい。なお、本発明の風味付与剤によって付与された香ばしい風味は、低温保存後に再加熱したものが更に冷えた場合であっても、感じられる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
[焙煎菜種油の製造方法]
<製造例1>
菜種2kgを熱風循環型焙煎機(製品名:全自動焙煎機RFB−6,NEUHAUS NEOTEC社製)に投入し、330℃の熱風で60秒間加熱(菜種の品温:175℃)することにより焙煎した後、圧搾機(製品名:一軸エキスペラーV−01,株式会社スエヒロEPM社製)を用いて搾油し、焙煎菜種油の粗油を得た。得られた粗油を室温にて2日間静置し、沈殿物を分離除去した。次いで、沈殿物を除去した後の粗油に、該粗油に対して3質量%の水を添加し、80℃にて加熱撹拌し、遠心分離により親水性成分を分離させた後、除去し、焙煎菜種油を得た。
<製造例2>
菜種2kgを熱風循環型焙煎機(製品名:全自動焙煎機RFB−6,NEUHAUS NEOTEC社製)に投入し、330℃の熱風で80秒間加熱(菜種の品温:195℃)することにより焙煎した後、圧搾機(製品名:一軸エキスペラーV−01,株式会社スエヒロEPM社製)を用いて搾油し、焙煎菜種油の粗油を得た。得られた粗油を室温にて2日間静置し、沈殿物を分離除去した。次いで、沈殿物を除去した後の粗油に、該粗油に対して3質量%の水を添加し、80℃にて加熱撹拌し、遠心分離により親水性成分を分離させた後、除去し、焙煎菜種油を得た。
<製造例3>
菜種2kgを熱風循環型焙煎機(製品名:全自動焙煎機RFB−6,NEUHAUS NEOTEC社製)に投入し、330℃の熱風で120秒間加熱(菜種の品温:235℃)することにより焙煎した後、圧搾機(製品名:一軸エキスペラーV−01,株式会社スエヒロEPM社製)を用いて搾油し、焙煎菜種油の粗油を得た。得られた粗油を室温にて2日間静置し、沈殿物を分離除去した。次いで、沈殿物を除去した後の粗油に、該粗油に対して3質量%の水を添加し、80℃にて加熱撹拌し、遠心分離により親水性成分を分離させた後、除去し、焙煎菜種油を得た。
<製造例4>
菜種2kgを熱風循環型焙煎機(製品名:全自動焙煎機RFB−6,NEUHAUS NEOTEC社製)に投入し、330℃の熱風で100秒間加熱(菜種の品温:210℃)することにより焙煎した後、圧搾機(製品名:一軸エキスペラーV−01,株式会社スエヒロEPM社製)を用いて搾油し、焙煎菜種油の粗油を得た。得られた粗油を室温にて2日間静置し、沈殿物を分離除去した。次いで、沈殿物を除去した後の粗油に、該粗油に対して3質量%の水を添加し、80℃にて加熱撹拌し、遠心分離により親水性成分を分離させた後、除去し、焙煎菜種油を得た。
[フルフラールの定量方法]
<外部標準試料>
外部標準物質であるフルフラール(東京化成工業株式会社製)が10ppmになるように添加した菜種サラダ油(商品名:日清キャノーラ,日清オイリオグループ株式会社製)2gを外部標準試料として用いた。
<試験試料>
上記製造例1〜3にて得た各焙煎菜種油2gを試験試料として用いた。
<試験方法>
上記の外部標準試料及び試験試料を、それぞれ20ml容量のヘッドスペースGC用バイアル瓶に入れ、180℃にて10分間加温振とうした後、バイアル瓶のヘッドスペースの気体について、GC/MS分析を行った。そして、得られた外部標準試料のクロマトグラムにおけるフルフラールのピーク面積と、試験試料のクロマトグラムにおけるフルフラールのピーク面積とを比較し、外部標準試料のフルフラールの濃度に基づいて、焙煎菜種油中のフルフラール量を算出した。なお、GC/MSの分析条件は下記の通りである。
<GC/MS条件>
分析装置:MSD5973/GC6890,Agilent社製
カラム:J&W DB−WAX(60m×φ0.25mm×0.5μm),Agilent社製
カラム温度:35℃(5分間保持)→昇温速度5℃/分→240℃(10分間保持)
注入:パルスドスプリット注入(3ml)
スプリット比:15:1
キャリアガス:He
検出器:EIモード
スキャン範囲:m/z=29〜500
エミッション電圧:70eV
[試験例1]
(から揚げ衣用ミックス粉への焙煎菜種油の配合)
市販のから揚げ衣用ミックス粉(商品名:から揚げの素No.1,日本食研株式会社製)100質量部と、水100質量部とを混ぜ合わせ、から揚げ用バッター液を調製した。次いで、このから揚げ用バッター液に製造例1〜3にて得た焙煎菜種油を添加し、かき混ぜて、表1に示す組成の試験用バッター液を調製した。そして、調製した試験用バッター液を鶏肉に付け、菜種サラダ油(商品名:日清キャノーラ,日清オイリオグループ株式会社製)を用いて180℃で4.5分間油ちょうした(実施例1〜3、比較例1)。さらに、焙煎菜種油を配合していないから揚げ用バッター液(対照試料)を付けて同様に油ちょうした(対照例1)。
Figure 2012143171
上記方法にて得られた油ちょう済みのから揚げは、−20℃にて3日間冷凍した後、電子レンジで温めて(600W,4分間)から、風味(香ばしさ)の評価を行った。評価は、電子レンジで温めた直後のから揚げと、温めた後に放冷させたから揚げとについて、4名の専門パネラーが各から揚げを1口食し、鶏肉に焙煎菜種油を配合していないから揚げ用バッター液(対照試料)を付けて油ちょうしたから揚げ(対照例1)の風味と比較した。評価基準は下記の通りである。結果を表2に示す。
<評価基準>
◎:対照例1のから揚げよりも香ばしい風味を強く感じる
○:対照例1のから揚げよりも香ばしい風味を感じる
×:対照例1のから揚げと同等の風味である
Figure 2012143171
表2に示すように、ある特定の量以上のフルフラールを含有する焙煎菜種油を配合したバッター液を付けて油ちょうしたから揚げ(実施例1〜3)は、焙煎菜種油を配合していないバッター液を付けて油ちょうしたから揚げ(対照例1)よりも香ばしい風味を有していた。また、実施例1〜3のから揚げは、油ちょう後に冷凍保存し、電子レンジで再加熱した場合であっても、香ばしさが感じられ、この風味は、再加熱後に放冷させても失われなかった。
これに対して、少量のフルフラールを含有する焙煎菜種油を配合したバッター液を付けて油ちょうしたから揚げ(比較例1)は、焙煎菜種油を配合していないバッター液を付けて油ちょうしたから揚げ(対照例1)と同等の風味を有し、特に香ばしさは感じられなかった。
[試験例2]
(バッター用ミックス粉への焙煎菜種油の配合)
市販のバッター用ミックス粉(商品名:パン粉が良くつく粉,日清フーズ株式会社製)100質量部と、水200質量部とを混ぜ合わせ、ポテトコロッケ用バッター液を調製した。次いで、このポテトコロッケ用バッター液に製造例1〜4にて得た焙煎菜種油を添加し、かき混ぜて、表3に示す組成の試験用バッター液を調製した。そして、調製した試験用バッター液を常法により調製したポテトコロッケの中種に付け、さらにパン粉を付けた後、菜種サラダ油(商品名:日清キャノーラ,日清オイリオグループ株式会社製)を用いて180℃で4.5分間油ちょうした(実施例4〜7、比較例2)。また、焙煎菜種油を配合していないバッター液(対照試料)を付けて同様に油ちょうした(対照例2)。さらに、焙煎菜種油を配合していないバッター液(対照試料)をつけて、上記菜種サラダ油の代わりに焙煎菜種油(235℃)を用いて同様に油ちょうした(対照例3)。
Figure 2012143171
上記方法にて得られた油ちょう済みのポテトコロッケは、−20℃にて3日間冷凍した後、電子レンジで温めて(600W,4分間)から、風味(香ばしさ)の評価を行った。評価は、電子レンジで温めた直後のポテトコロッケと、温めた後に放冷させたポテトコロッケとについて、4名の専門パネラーが各ポテトコロッケを1口食し、焙煎菜種油を配合していないバッター液(対照試料)を付けて油ちょうしたポテトコロッケ(対照例2)の風味と比較した。評価基準は下記の通りである。結果を表4に示す。
<評価基準>
◎:対照例2のポテトコロッケよりも香ばしい風味を強く感じる
○:対照例2のポテトコロッケよりも香ばしい風味を感じる
×:対照例2のポテトコロッケと同等の風味である
Figure 2012143171
表4に示すように、ある特定の量以上のフルフラールを含有する焙煎菜種油を配合したバッター液を付けて油ちょうしたポテトコロッケ(実施例4〜7)は、焙煎菜種油を配合していないバッター液を付けて油ちょうしたポテトコロッケ(対照例2)よりも香ばしい風味を有していた。また、実施例4〜7のポテトコロッケは、油ちょう後に冷凍保存し、電子レンジで再加熱した場合であっても、香ばしさが感じられ、この風味は、再加熱後に放冷させても失われなかった。
これに対して、少量のフルフラールを含有する焙煎菜種油を配合したバッター液を付けて油ちょうしたポテトコロッケ(比較例2)は、焙煎菜種油を配合していないバッター液を付けて油ちょうしたポテトコロッケ(対照例2)と同等の風味を有し、特に香ばしさは感じられなかった。
以上の試験例1,2の結果より、ある特定の量以上のフルフラールを含有する焙煎菜種油によれば、加熱加工食品に対して香ばしい風味を付与できることが明らかとなった。また、焙煎菜種油によって付与された風味は、冷凍保存後の再加熱によっても失われず、さらに、再加熱後の放冷によっても失われないことから、特に、冷蔵食品や冷凍食品への利用が期待できる。

Claims (8)

  1. フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油からなることを特徴とする加熱加工用風味付与剤。
  2. 前記焙煎菜種油は、フルフラールを3ppm以上含有する請求項1に記載の風味付与剤。
  3. 前記風味付与剤は、練り込みによって使用される請求項1又は2に記載の風味付与剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の風味付与剤を含有することを特徴とするバッター。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の風味付与剤を用いてなることを特徴とする加熱加工食品。
  6. 冷蔵食品又は冷凍食品である請求項5に記載の加熱加工食品。
  7. フルフラールを0.7ppm以上含有する焙煎菜種油を、食品に対して直接又は間接的に付着させた後、加熱加工することを特徴とする、加熱加工食品の製造方法。
  8. 前記加熱加工した食品を冷凍した後、再加熱する請求項7に記載の加熱加工食品の製造方法。
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