JP2012141497A - 印刷装置、その制御方法、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 原稿画像データと、地紋画像データを合成して1枚の画像として出力する際、現像剤濃度を一定に保つために必要となるビデオカウント値を算出していなかった。
【解決手段】 原稿画像から求められたビデオカウント値に対して、前記地紋画像を構成するドットが配置されない割合をかけ、前記地紋画像から求められたビデオカウント値に足す。
【選択図】 図6

Description

本発明は、原稿画像に地紋画像を合成する時のビデオカウント値を求める印刷装置、その制御方法、プログラムに関する。
一般に、画像形成装置の現像剤濃度制御装置では、原稿画像データのビデオカウント数を積算し、消費量を予測して現像剤の補給を行っている(例えば、特許文献1参照)。また、近年、偽造防止用紙と同様の効果を得ることができる画像データを生成するために、原稿画像データに地紋(複写牽制地紋と呼ばれることもある)画像データを合成し、画像データを生成するという技術がある(例えば、特許文献2参照)。従来、上述したような原稿画像データと地紋画像データを合成した際のビデオカウント数の積算を行うことなく、現像剤の消費量を予測して補給を行っていた。
ところで、この地紋画像データは複写物上で「残る」領域、及び「消える」(あるいは「残る」領域に比べて薄くなる)領域から構成される。なお、これら2つの領域における反射濃度は原本上ではほぼ同じとなっている。そのため、人間の目には「COPY」などの文字列が埋め込まれていることが分かりづらい。ここで「残る」とは、原本における画像が複写物上で再現されることを意味する。また「消える」とは、原本における画像が複写物上では薄く再現されるまたは再現されないことを意味する。
以降、複写物上で「残る」領域を「潜像部」と称し、複写物上で「消える」(あるいは「残る」領域に比べて薄くなる)領域を「背景部」と称する。
図7は、地紋画像データにおけるドットの状態を示す図である。同図でドットが集中して配置されている領域が潜像部であり、ドットが分散して配置されている領域が背景部である。この2つの領域におけるドットは、それぞれ異なる網点処理や異なるディザ処理により生成されている。例えば、潜像部のドットは低い線数の網点処理により、また背景部のドットは高い線数の網点処理により生成されている。あるいは、潜像部のドットはドット集中型ディザマトリクスを用いて、また背景部のドットは、ドット分散型のディザマトリクスを用いて生成されている。
ところで、複写機の再現能力は、複写機がもつ入力解像度や出力解像度に依存する。そのため、複写機の再現能力には限界が存在する。地紋画像データの潜像部におけるドットが複写機で再現可能なドットより大きく形成され、かつ背景部におけるドットが再現可能なドットより小さく形成されている場合を想定する。このような場合には、一般的に複写物上では潜像部におけるドットは再現されるが、背景部におけるドットは再現されにくい。結果として、複写物上では、潜像部が背景部に比べてより濃く再現される。以後、複写物上で潜像部が背景部より濃く再現されることで、埋め込まれていた文字列などが浮び上がったように見えることを顕像化と称する。
図8(a)および(b)は、この顕像化を示す図である。集中したドット(大きなドット)は複写物上で再現され、分散したドット(小さなドット)は複写物上で正確に再現されないことを同図は概念的に示している。
なお、地紋画像データは上記構成に限定されるものではなく、複写物上で人間が認識可能に「COPY」などの文字列や記号あるいは模様などが現れる(顕像化する)ように構成されていればよい。また、複写物上で「COPY」などの文字列が白抜き状態で示されても、その地紋画像データは目的を達成しているといえる。この場合「COPY」の領域を背景部と呼ぶことは言うまでもない。
地紋の構成要素は、背景部と潜像部であり、この2種類の領域がほぼ同じ反射濃度で原本上に表現されることが重要である。
特開平4−221981号公報 特開発2001−197297号公報
しかしながら、従来の技術では、原稿画像データと地紋画像データを合成した画像データを出力すると、現像剤の消費系と補給系に微小誤差が生まれることは避けられない。この微小誤差の蓄積により現像剤、つまりトナーとキャリアの混合比が除々に崩れ、最適な濃度の画像を出力できなくなるという課題があった。
したがって、本発明の目的は、原稿画像データと地紋画像データを合成した画像データのビデオカウント数を容易に算出する所にある。
原稿画像から求められたビデオカウント値に対して、前記地紋画像を構成するドットが配置されない割合をかけ、前記地紋画像から求められたビデオカウント値に足す。
本発明によれば、原稿画像データと地紋画像データの合成後の画像データのビデオカウント値を算出することにより、最適な濃度の画像を出力することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る印刷システム全体構成を示す図である。 同画像形成装置のコントローラブロック図である。 同画像形成装置のプリンタ画像処理のブロック図である。 原稿画像データと地紋画像データの合成処理を説明するためのフローチャートである。 原稿画像データと地紋画像データの合成後のビデオカウント値算出処理を説明するためのフローチャートである。 原稿画像データと地紋画像データの合成後のビデオカウント値算出処理の際の概念図である。 地紋画像データにおけるドットの状態を示す図である。 顕像化を示す図である。
以下では、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について発明する。
なお、以下の実施形態においては、任意のコンテンツ画像と地紋画像を合成して原本(オリジナルの印刷物)を出力するものとする。また、複写物において背景部が潜像部に対して薄くなることで、潜像文字列や潜像記号が浮かび上がって見えるものとして説明を行う。しかしながら、本発明における地紋画像はこれに限られるものではない。例えば、上述したように、潜像文字列や潜像記号を背景部として設定し、かつ、背景部の周囲の領域を潜像部として設定することで、複写物上で潜像文字列や潜像記号が白抜き表現される形態であってもよい。
[第1の実施形態]
<印刷システム>
図1は本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
このシステムでは、ホストコンピュータ20及び画像形成装置10がLAN30に接続されているが、本発明における印刷システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。また、本実施形態では各装置の接続手段としてLANを用いているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)20は、いわゆるパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC20は、LAN30やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。また、PC20から画像形成装置10に対して、プリンタドライバを介した印字命令を行うことが可能となっている。
<画像形成装置10>
画像形成装置10は、画像入力デバイスのスキャナ部13、画像出力デバイスのプリンタ部14、画像形成装置10全体の動作制御を司るコントローラ(Controller Unit)11、ユーザーインターフェース(UI)である操作部12から構成される。
<コントローラ11>
次に、コントローラ11の構成を、図2を用いて詳細に説明する。
図2は、画像形成装置10のコントローラ11のブロック図である。
コントローラ11はスキャナ部13やプリンタ部14と電気的に接続されており、一方ではLAN30やWANを介してPC20や外部装置などと接続されている。これにより画像データやデバイス情報の入出力が可能となっている。
CPU201は、ROM203に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ11内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。このPAM202は、記憶した内容を電源OFF後も保持しておく不揮発性SRAM及び電源OFF後には記憶した内容が消去されてしまうDRAMにより構成されている。ROM203には、装置のブートプログラムなどが格納されている。HDD204はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することが可能となっている。
操作部I/F205は、システムバス215と操作部12とを接続するためのインターフェース部である。この操作部I/F205は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス215から受け取り操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス215へと出力する。
ネットワークI/F206はLAN30及びシステムバス215に接続し、情報の入出力を行う。
画像バス214は画像データのやり取りをするための伝送路であり、PCIバスまたはIEEE1394で構成されている。
スキャナ画像処理部207は、スキャナ部13からスキャナI/F208を介して受け取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。
プリンタ画像処理部212は、スキャナ画像処理部207で処理された画像データや、PC20から受信した画像データを受け取り、画像処理を施す。画像処理後の画像データは、プリンタI/F213を介してプリンタ部14に出力される。このプリンタ画像処理部212で行われる処理の詳細については後述する。
合成部211は、原稿画像データと地紋画像データ等の受け取った2つの画像データを合成し1枚の画像データを生成する画像合成部209と、原稿画像データと地紋画像データを合成した画像データのビデオカウント算出部210から構成される。なお、2つの画像データを合成する際には、合成対象の画素同士が持つ輝度値の平均値を合成輝度値とする方法や、輝度レベルで明るい方の画素の輝度値を合成後の画素の輝度値とする方法が適用される。また、暗い方を合成後の画素とする方法の利用も可能である。さらに合成対象の画素同士の論理和演算、排他的論理和演算などで合成後の輝度値を決定する方法なども適用可能である。これらの合成方法はいずれも周知の手法である。
上述したように、ビデオカウント算出部210は、画像合成部209で合成された画像のビデオカウント値を算出する。ここで行われる処理の詳細については後述する。
<プリンタ画像処理部212>
次に、図3を用いてプリンタ画像処理部212における処理の詳細について説明する。
図3は、プリンタ画像処理212においてなされる処理の流れを示す図である。
色空間変換部301では、RGB入力された画像データをCMYKの画像データに変換する。
出力色補正部302は出力色補正を行う。例えばCMYK入力された画像データを、所定の変換用テーブルやマトリクスを用いて、CMYKの画像データに変換する。原稿画像データのビデオカウント算出部303は、入力されるCMYKの画像データに対し、それぞれの色ごとの信号値をビデオカウント値として算出し、さらにビデオカウント値をトナー消費量に変える処理を行っている。算出されたビデオカウント値はRAM202に送られる。出力ガンマ補正部304は、この出力ガンマ補正部304に入力される信号値と、出力後の反射濃度値とが比例するように補正を行う。中間調補正部305は、出力するプリンタ部の階調数に合わせて任意の中間調処理を行う。この中間調補正部305は、例えば、受け取った画像データ(多値の画像データ)に対し、2値化などを行う。
なお、スキャナ画像処理部207やプリンタ画像処理部212における各処理では、受け取った画像データに各処理を施さずに出力させることも可能となっている。このような、ある処理部において処理を施さずにデータを通過させることは、「処理部をスルーさせる」とも表現される。
なお、全ての動作はRAM上にロードされているコントローラ11を制御するためのプログラムをCPU201が解釈し、実行することによって行っている。そのプログラムによる制御状態は、操作部12、LAN30の入力や、スキャナ13、プリンタ14の状態によって変化する。
<地紋付き画像データの画像形成処理>
以下では、原稿画像データを地紋画像データと合成し、出力用紙上に画像形成するまでの処理について図4を用いて説明する。
S401:原稿画像データ処理
原稿画像データ処理部では、上述したプリンタ画像処理部212の処理によって、各処理が施される。
S402:地紋画像データ生成処理
地紋画像データは、圧縮されていない画像データとしてRAM202に格納される。ここで、地紋画像データは、C(Cyan)の画像データかM(Magenta)の画像データかK(blacK)の画像データのうちいずれかの画像データとなっている。
S403:地紋合成処理
RAM202に格納されている原稿画像データは、画像合成部209に送られる。同様にして地紋画像データも画像合成部209におくられる。ここでは、上述したように周知の手法によって、これら2つの受け取った画像を合成する。
S404:地紋合成後のビデオカウント値算出
画像合成部209で合成された画像についての、ビデオカウント値を算出し、トナー消費量に変換する処理を行う。この処理の詳細については後述する。
S405:プリント処理
合成部211で合成された画像データは、プリンタI/F213を介して、プリンタ部14に送られる。プリンタ部14は、この合成画像データを出力用紙上に画像形成する。
以上が、地紋付き画像(合成画像)データをシート状に形成する際の画像形成処理の手順である。
<地紋合成後のビデオカウント値算出処理>
以下では、地紋合成後のビデオカウント値算出処理について図5と図6を用いて説明する。
S501:原稿画像データのビデオカウント値取得
プリンタ画像処理部212で算出されたビデオカウント値を、RAM202から取得する。具体的には、プリント画像処理部212で処理された出力色補正302の後の画像データ601から算出されるビデオカウント値である。
S502:地紋画像データのビデオカウント値算出
ビデオカウント部210において、地紋画像データ602のビデオカウント値を算出する。具体的には、合成部211に入力される地紋画像データ602のビデオカウント値である。
S503:原稿画像データ内の地紋ドットが付加されない画素の存在割合算出
初めに、合成部211に入力される地紋画像データ602のうち、ページ内に存在する地紋のドットの数を算出する。算出した、ページ内に存在する地紋のドット数を使用して、原稿画像データ601内の地紋ドットが配置(付加)されない画素の割合を算出する。具体的には、以下の式で表すことができる。
Figure 2012141497
S504:原稿画像データ内の地紋ドットが付加されない画素のビデオカウント値算出
S503で求めた、原稿画像データ601内の地紋ドットが付加されない画素の存在割合と、S501で取得した原稿画像データ601のビデオカウント値を使用して、原稿画像データ内601の地紋ドットが付加されない画素のビデオカウント値を算出する。具体的には、以下の式で表される。
Figure 2012141497
概念的には、図6の603の画像のビデオカウント値を求めている。
S505:合成後のビデオカウント値算出
S504で求められた、原稿画像データ601内の地紋ドットが付加されない画素のビデオカウント値と、S502で算出された地紋画像データ602のビデオカウント値を足し合わせることで求める。具体的には、以下の式で表現できる。
Figure 2012141497
概念的には、図6の604の画像データのビデオカウント値を算出していることになる。
なお、原稿画像データのビデオカウント値を、中間調処理後の2値化された画像から算出しない理由として、2値化された後の画像は、デバイスの出力ガンマ補正の影響を受けているためである。デバイスの出力ガンマ補正の影響というのは、本来の原稿画像データの濃度を出力濃度と一致させるために、出力ガンマによる潜像時のレーザーパワーの強弱を考慮した信号値に変換されることを意味する。したがって、原稿画像データのビデオカウント値は、中間調処理前に算出した結果を使用する。
以上の処理により、原稿画像データと地紋画像データを合成した場合のビデオカウント値を算出することができる。
これにより、現像剤の消費系と補給系に微小誤差が軽減し、現像剤、つまりトナーとキャリアの混合比を保つことが可能となり、簡単に最適な濃度の画像を出力できるようになる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
10 画像形成装置
11 コントローラ(Controller Unit)
12 操作部
13 スキャナ部
14 プリンタ部
20 PC
601 2値化前の原稿画像データの概念図
602 地紋画像データの概念図
603 地紋データが付加される画素を除いた原稿画像データの概念図
604 2値化された原稿画像データと地紋画像データを合成した画像データの概念図

Claims (4)

  1. 原稿画像と地紋画像を合成して印刷する印刷装置であって、
    前記原稿画像からビデオカウント値を求める手段と、
    前記地紋画像からビデオカウント値を求める手段と、を有し、
    前記原稿画像から求められたビデオカウント値に対して、前記地紋画像を構成するドットが配置されない割合をかける手段と、を有し、
    かけた結果に、前記地紋画像から求められたビデオカウント値を足すことにより、前記印刷のためのビデオカウント値を求めることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記原稿画像は多値の画像であり、2値化されてから前記地紋画像と合成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 原稿画像と地紋画像を合成して印刷する印刷装置の制御方法であって、
    前記原稿画像からビデオカウント値を求める工程と、
    前記地紋画像からビデオカウント値を求める工程と、を有し、
    前記原稿画像から求められたビデオカウント値に対して、前記地紋画像を構成するドットが配置されない割合をかける工程と、を有し、
    かけた結果に、前記地紋画像から求められたビデオカウント値を足すことにより、前記印刷のためのビデオカウント値を求めることを特徴とする印刷装置の制御方法。
  4. 請求項3に記載の印刷装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータよみとり可能なプログラム。
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