JP2012136795A - セリシンナノファイバーおよびその製造方法、金属イオン吸着材、染色機能増強材、耐薬品増強材、ならびにセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シルクセリシンからなるセリシンナノファイバーであって、シルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層由来のセリシン、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンである。得られた水溶解性ナノファイバーを水不溶化処理および化学加工処理し、この水不溶化ナノファイバーからなる染色増強材、金属イオン吸着材および耐薬品性増強材。シルクセリシンとシルクフィブロインとからなる複合ナノファイバー。
【選択図】図1
Description
上記(1)〜(3)における3種類のカイコの特性は、蚕糸学用語辞典、Page244、日本蚕糸学会、1979に基づく。
蚕品種セリシンホープは、中国品種「CS83」系統に品種「Nd系統」を交配し、さらに戻し交配等を行い、作製した品種である(特許文献3:特開2001−245550)。蚕品種セリシンホープは、フィブロイン合成能が退化しており、セリシンを多量に生産する((4)の文言は特許文献4:特開2006−111667号公報より引用)。セリシンホープは、独立行政法人農業生物資源研究所が開発し、蚕品種として特許されており、この蚕の特徴は、セリシンを合成する絹糸腺が大部分で、フィブロインを合成する部分がほとんど発達していない。そのため、セリシンホープが作る繭は通常の品種より繭層が薄く小さい(高原社HPより)。
(1)フィブロインをほとんど合成せず、セリシンのみ(含量99%以上)を合成する裸蛹系統(「Nd系統」)。
(2)フィブロイン約30%、セリシン約70%の組成から成るタンパク質を生産するセリシン蚕系統「Nd−s系統」(特許文献3:特開2001−245550参照)。
セリシン溶液を用い、エレクトロスピニングして製造できるセリシンナノファイバーは水に溶解してしまうが、水不溶化処理した後に二塩基酸無水物等で化学加工処理してカルボキシル基を導入した水不溶化セリシンナノファイバーは金属イオンを吸着するための基材やその他の基材として利用できる。これは、セリシンを構成するグルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸側鎖が金属イオンを配位する拠点となるためである。
セリシンナノファイバーの耐薬品性を向上させるためには、まずセリシンナノファイバーを水不溶化処理した後、エポキシ化合物で化学加工処理するとよい。エポキシ化合物でセリシンナノファイバーを化学加工処理する方法は次の通りである。
セリシンナノファイバーの染色性を増強するための化学加工処理は次のようにする。まず、セリシンナノファイバーを、アルコールで水不溶化処理した後またはアルデヒド化合物で水不溶化処理した後、この水不溶化した試料にエポキシ化合物もしくは二塩基酸無水物で化学加工処理することで染料が吸着する拠点となるカルボキシル基やエポキシ基を予め導入しておく。この場合、水不溶化した試料に対して、エポキシ化合物で処理した後にさらに二塩基酸無水物で化学加工処理しても、染色性増強効果は得られる。
セリシンナノファイバーに第二物質としてカイコ由来の絹フィブロイン(単に、フィブロインということもある)を複合してセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーを提供することができる。この絹フィブロインの原料としては、絹糸を溶解して製造できるフィブロインスポンジを原料として用いることができる。このフィブロインスポンジは、次のようにして製造できる。
(1)酸溶解度(Acid)およびアルカリ溶解度(Alkali):
65℃の4M塩酸水溶液および0.1M水酸化ナトリウム水溶液のそれぞれにサンプルを1時間浸漬処理し、処理前後の重量変化から酸溶解度とアルカリ溶解度とを評価した。
上式において、Mbは、薬品処理前のサンプル重量(105℃で1時間30分乾燥)であり、Maは、薬品処理後のサンプル重量(105℃で1時間30分乾燥)である。
アルコール処理により水不溶化したセリシンナノファイバーを、更にEDTA二塩基酸無水物を含み加熱した有機溶媒で処理することで金属イオンの配位基となるEDTAをセリシンナノファイバーに導入して金属イオン吸着用の試料を製造した。これを0.5mMの硝酸銀水溶液あるいは0.5mMの硝酸銅水溶液に浸漬することで、銀イオンあるいは銅イオンを吸着させた。セリシンに吸着した金属イオン量はパーキンエルマー社製のプラズマ原子吸光スペクトロメーター(Inductive Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometer(ICP−AES))を用いて定量した。5〜10mgの試料を、ミクロウェーブ加水分解炉(MDS−81DCCEM)を用いて2mLの65%硝酸で完全に加水分解し、実験時にさらに10mLの水を加え、ICP−AES分析を行った。金属イオンの吸着量は、試料重量(g)あたりの金属イオン量をmmolで表示した。
加熱溶解後55℃に保持した半合成脇本培地またはキングB培地25mLと、トマトかいよう病細菌(濃度109/mL)2mLとを混合し、この混合物をシャーレに流し込んで平板状に固めた。この菌液混合平板培地上に約1cm四方の試料膜(水不溶化セリシンナノファイバー)を置き、試料全体を培地に密着させた。これを20〜25℃に保ち、所定の経過時間毎に検定試料付近の培地での菌増殖阻害程度を、試料の周囲に現れる阻止円の大きさをmm単位で実測し、阻止円のサイズ変化から抗菌活性の有無、優劣を評価した。
水不溶化セリシンナノファイバーの染色には、エタノール・水の混合水溶液系を染色浴にした「溶媒染色法」によることが最適である。溶媒染色法によると、未加工・未処理のセリシンナノファイバーは、酸性染料で効率的に染まるが、化学加工処理によりカルボキシル基等を導入した水不溶化セリシンナノファイバーは、塩基性染料で特異的に染色できるようになる。
Ethyl Violet(東京化成工業株式会社製、MW=560、C.I.N.:C.I.Basic Violet 4 C.I.= 42600)。
Methylene Blue(純正化学株式会社製、MW=320、C.I.N.:C.I.Basic Blue 9 C.I.= 52015)。
Acid Red 18(日本化薬株製、商品名:Acid Scarlet 3B)
但し、MWは分子量、 C.I.はColor Index組成番号、 C.I.N.は Color Index Generic名を意味する。
染着率(%)は、水不溶化セリシンナノファイバーの染着前および染着後における染色浴中の染料濃度変化から求めた。染着前、染着後における染色浴に対して、最大吸収波長662nmあるいは染料に特有な296nmにおける吸光度を島津自記分光光度計(MPC−3100/UV−3100S)を用いて求め、予め作成した既知濃度−吸光度関係の検量線にあてはめて染色浴濃度を求めた。染着率は下記の式から計算した。
染着率(%)=[(染着前の染色浴濃度−染着後の染色浴濃度)/(染色前の染色浴濃度)]×100
(1)セリシンパウダー(粉末状態を呈するもの):
本発明で比較のために使用するセリシンパウダーは、和光純薬工業株製の商品名:セリシンパウダー(167−22681、Lot CDR4258、1g)である。本発明では、セリシンパウダーとはこの商品を意味するが、明細書の一部の個所では、セリシンパウダー以外の粉末状セリシンをいう場合もある。
セリシン繭層は、高原社市販の商品であり、商品名はセリシンホープ・コクーン、企画番号は、SHC−1−150であり、250g単位で購入できる。この試料には無機物、脂質(0.16%)、尿酸(0.006%)が含まれる(高原社HP:http://www.kougensha.com/hanbai/sericin.html参照)
家蚕から得られた生糸を、濃度0.07%炭酸ナトリウム溶液を用いて1時間煮沸してシルクセリシンを除去した後の精練絹(絹フィブロイン繊維)6.5gを温度75℃、9.5モルの臭化リチウム水溶液に溶解し、5℃の蒸留水で4日間透析し、LiイオンとBrイオンを除去して、濃度1.8%の絹フィブロイン水溶液を得た。この濃度1.8%の絹フィブロイン水溶液300mLに99%メタノール20mLを加え、室温で静置するとフィブロイン水溶液がゲル化して沈殿を生じた。これを凍結乾燥装置に入れて減圧下で乾燥することによりシルクスポンジを製造した。
セリシン溶液を用い、カトーテック株式会社(カトーテツク)製のエレクトロスピニング装置によりセリシンナノファイバー(またはセリシンとフィブロインとからなるセリシン・フィブロイン複合ナノファイバー)を製造した。所定濃度のセリシン溶液(またはセリシン溶液とフィブロイン溶液との複合溶液)をポリマー溶液貯蔵タンクに充填した。ポリマー溶液貯蔵タンクに陽極電極を付けた紡糸口から陰極板間に印加電圧を加えた。陽極・陰極間の距離は自由に変化させることが可能である。
エレクトロスピニングで製造したセリシンナノファイバー(またはセリシン・フィブロイン複合ナノファイバー)にイオンコーターで厚さ300Åの金のコーティングを施した。走査型電子顕微鏡(SEM)により異なる視野10箇所のナノファイバー画像を撮影し、画像をプリンターで印刷した。画像に記載されたスケールを基に各視野につき10ヶ所の繊維径を計測した。このようにして合計100個所の繊維径から、平均繊維径と標準偏差(SD)を計測した。
酸性水溶液またはアルカリ性水溶液の作用を受けるとエレクトロスピニングにより製造されたセリシンナノファイバーは溶解する。このセリシンナノファイバーの耐薬品性を向上させるには、エポキシ化合物で予めセリシンを化学修飾するとよい。エポキシ化合物の中で化学反応性が高く、安定して化学加工処理ができるのはエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)であり、エポキシ化合物の中で最も使いやすい。EGDGEは2官能性エポキシ化合物であるため、セリシン分子間を架橋結合し、セリシンの塩基性アミノ酸であるTyr、Serなどのフェニル基のOHと化学結合し、その結果、アルカリや酸の水溶液に対する耐薬品性が向上する。セリシン・フィブロイン複合ナノファイバーの場合も同様である。
被測定試料を、硝酸カリウムを含む0.5mMの硝酸銀水溶液および硝酸銅水溶液(アンモニア水を加えてpHを11.4に調整)のそれぞれに室温で30時間浸漬することで金属イオンを吸着させた。
◎:完全に溶解した。
△:試料の一部が溶解しゲル状態になったが、膜としては使用可能である。
×:試料は全く溶解しなかった。
形状:
◎:良好な透明膜状態。
○:透明膜状態。
△:送風乾燥後のセリシン膜はポリスチレン基材から容易に剥離できる。
▲:送風乾燥後のセリシン膜はポリスチレン基材に強固に付着し、剥離は容易ではない。
形状:
◎:良好な透明膜状態。
×:暗茶褐色。
所見:
△:送風乾燥後のセリシン膜はポリスチレン基材から容易に剥離できる。
◎:超微細なナノファイバー
○:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が極わずか存在する。
FA15、FA39、FA65:セリシン繭層をFA中、室温で、それぞれ、15、39、65時間浸漬した。
FA20D:セリシン繭層をFA中、室温で20日間浸漬した。
TFAおよびHFIPの場合は、FAに準ずる。
−:溶解しない。
±:試料は部分的に溶解する。
+:溶解する。
◎:超微細なナノファイバー
○:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が極わずか存在する。
◎:超微細なナノファイバー
○:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が極わずか存在する。
●:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が少し多めに存在する。
◎:超微細なナノファイバー
○:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が極わずか存在する。
●:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が少し多めに存在する。
◎:超微細なナノファイバー
◎:超微細なナノファイバー
◎:超微細なナノファイバー
本比較例では、セリシンパウダーを用い、セリシンTFA溶液濃度を変えて、セリシンナノファイバーを製造した。
速度は0.060cm/minとして、セリシンナノファイバーを製造した。得られたセリシン集積物とセリシンナノファイバーの形態をSEM観察し、セリシンナノファイバーの繊維径(平均繊維径)、その標準偏差、セリシンナノファイバー繊維径の最大値と最小値、およびセリシンナノファイバーの形状を表14に集約する。
△:超微細なナノファイバー
▲:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が極わずか存在する。
▽:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が少し多めに存在する。
▼:集積物の殆どがビーズ状の形態である。
本比較例では、セリシンパウダーを用い、セリシンTFA溶液の濃度を変えて、セリシンナノファイバーを製造した。
△:超微細なナノファイバー
▽:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が少し多めに存在する。
△:超微細なナノファイバー。
▲:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が極わずか存在する。
▽:超微細なナノファイバーにビーズ状の形態が少し多めに存在する。
本参考例では、セリシンホープ繭層(以下の表20では「セリシン繭層」と略記する。)を用いて、染色性について検討した。
セリシンホープ繭層を次の方法で染色した。塩基性染料であるEthyl Violetを濃度の異なるエタノール水溶液に溶解した系でセリシンホープ繭層を染色することによりセリシンホープ繭層の染色挙動を調べた。すなわち、 塩基性染料のEthyl Violet(C.I.Basic Violet 4)(C.I.Constitution No.42600,C.I.: Colour Index)あるいは酸性染料Azophloxine(C.I.Acid Red 1)を、その濃度が0.2g/Lとなるように0〜100%エタノールに完全に溶解したものを染色浴とした。0.5gのセリシンホープ繭層を染料濃度が0.2g/Lの0〜100%エタノール水溶液20mLに浸漬し、室温で1時間静置することで染色を行った。得られた結果を表20に示す。
+:シルクセリシンが濃い紫色に染まり、染まり方が良好である。
−:シルクセリシンは淡い紫色しか染まらず、染色状態は良くない。
±:染色状態は、良いとも悪いとも言えない。
実施例4に記載したように、6wt%のセリシンTFA溶液(6wt%−4d)を用い、エレクトロスピニングして製造した水溶解性のセリシンナノファイバーを実施例14の方法で第1工程のメタノールで前処理を実施し、または上記したパラホルムアルデヒド試薬で前処理(c)を実施して水不溶性のセリシンナノファイバーを作製し、得られたセリシンナノファイバーへの染色を行った。
+:染料による染着程度がやや薄い。
++:染料による染着程度が普通。
+++:染料による染着が著しく濃い。
Claims (18)
- シルクセリシンからなるセリシンナノファイバーであって、該シルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層由来のセリシン、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンであることを特徴とするセリシンナノファイバー。
- 前記シルクセリシンが、セリシン分子内にエポキシ化合物による処理でエポキシ化合物が導入されてなるセリシンか、二塩基酸無水物による処理で二塩基酸無水物がセリシンの塩基性アミノ酸側鎖と結合し、カルボキシル基が導入されてなるセリシンか、またはアルデヒド化合物による処理でセリシン分子間が架橋されてなるセリシンであることを特徴とする請求項1に記載のセリシンナノファイバー。
- シルクセリシンを有機溶媒で溶解してなるセリシン溶液を用い、エレクトロスピニングしてなることを特徴とするセリシンナノファイバーの製造方法。
- 前記シルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンであることを特徴とする請求項3に記載のセリシンナノファイバーの製造方法。
- 前記エレクトロスピニングした後、得られたセリシンナノファイバーを水不溶化処理してなることを特徴とする請求項3または4に記載のセリシンナノファイバーの製造方法。
- 前記水不溶化処理が、アルコールと間接的に接触させるかまたはアルデヒド化合物を作用させる第1工程と、エポキシ化合物または二塩基酸無水物を作用させる第2工程とからなることを特徴とする請求項5に記載のセリシンナノファイバーの製造方法。
- シルクセリシンの分子内に二塩基酸無水物による処理でカルボキシル基が導入されてなる水不溶性のセリシンナノファイバーからなることを特徴とする金属イオン吸着材。
- 前記セリシンナノファイバーを構成するシルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層由来のセリシン、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンであることを特徴とする請求項7に記載の金属イオン吸着材。
- シルクセリシンの分子内にエポキシ化合物による処理でエポキシ化合物が導入されてなるかまたは二塩基酸無水物による処理でカルボキシル基が導入されてなる水不溶性のセリシンナノファイバーからなることを特徴とする染色機能増強材。
- 前記水不溶性のセリシンナノファイバーを構成するシルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層由来のセリシン、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンであることを特徴とする請求項9に記載の染色機能増強材。
- シルクセリシンの分子内にエポキシ化合物による処理でエポキシ化合物が導入されてなる水不溶性のセリシンナノファイバーからなることを特徴とする耐薬品性増強材。
- 前記水不溶性のセリシンナノファイバーを構成するシルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層由来のセリシン、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンであることを特徴とする請求項11に記載の耐薬品性増強材。
- シルクセリシンとシルクフィブロインとの複合体からなることを特徴とするセリシン・フィブロイン複合ナノファイバー。
- 前記シルクセリシンが、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層由来のセリシン、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンであることを特徴とする請求項13に記載のセリシン・フィブロイン複合ナノファイバー。
- シルクセリシンを有機溶媒で溶解してなるセリシン溶液と、シルクフィブロインを有機溶媒で溶解してなるフィブロインスポンジとからなる複合溶液を用い、エレクトロスピニングしてなることを特徴とするセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーの製造方法。
- 前記複合溶液が、裸蛹(遺伝子記号Nd)、セリシン蚕(遺伝子記号Nd−s)もしくはセリシンホープの繭層、またはこれらカイコの幼虫体内から取り出した絹糸腺内の液状セリシンもしくはこの液状セリシンを凝固させたセリシンを有機溶媒で溶解してなるセリシン溶液と、シルクフィブロインを有機溶媒で溶解してなるフィブロインスポンジとからなる複合溶液であることを特徴とする請求項15に記載のセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーの製造方法。
- 前記エレクトロスピニングした後、得られたセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーを水不溶化処理してなることを特徴とする請求項15または16に記載のセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーの製造方法。
- 前記水不溶化処理が、アルコールと間接的に接触させるまたはアルデヒド化合物を作用させる第1工程と、エポキシ化合物または二塩基酸無水物を作用させる第2工程とからなることを特徴とする請求項17に記載のセリシン・フィブロイン複合ナノファイバーの製造方法。
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