JP2012136171A - 車載制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現するために車両の状態量の目標値を出力する要素と、当該目標値を実現するためにアクチュエータについての制御指示値を出力する要素とを備えた車載制御装置において、目標値を出力する要素が、アクチュエータで実現不能な目標値を出力してしまう可能性を低減する。
【解決手段】ユーザの意図を実現するため車両の状態量の目標値を出力する意図−状態変換手段12と、意図−状態変換手段12が出力した状態量の目標値を実現するためアクチュエータについての制御指示値を出力する状態−装備変換手段13、14とを備え、状態−装備変換手段13、14はアクチュエータの能力に応じた車両の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した状態量の制御可能範囲を意図−状態変換手段12に出力し、意図−状態変換手段12は状態−装備変換手段13、14が出力した制御可能範囲の範囲内に入るよう状態量の目標値を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車載制御装置に関するものである。
従来、特許文献1には、アクセルペダル、ブレーキペダルの操作に応じたドライバの意図(アクセル操作量、ブレーキ操作量)を出力する要素10と、出力されたドライバの意図を実現するため、車両の状態量の目標値(目標加速度)を出力する要素12と、出力された状態量の目標値を実現するために、アクチュエータ(エンジン、トランスミッション)についての制御指示値を出力する要素18と、出力された制御指示値に従ってアクチュエータを制御する要素24、26が記載されている(特許文献1の図1参照)。
特開平5−85228号公報
上記のような技術では、車両の状態量の目標値(目標加速度)を出力する要素12は、ユーザの意図を実現する目標値を決定するだけなので、車両に搭載されたアクチュエータの構成や性能に無関係に設計することができる。その場合、例えば、要素12は、車種によらず汎用的に使用される一方、要素18、24、26が車種毎に異なったものが搭載される可能性がある。
しかし、そのようにすると、アクチュエータの構成や性能によっては、要素12がアクチュエータで実現不能な目標値を出力してしまう可能性もある。
本発明は上記点に鑑み、ユーザの意図を実現するために車両の状態量の目標値を出力する要素と、当該目標値を実現するためにアクチュエータについて制御指示値を出力する要素と、を備えた車載制御装置において、目標値を出力する要素が、アクチュエータで実現不能な目標値を出力してしまう可能性を低減することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した信号に基づいて、車両に搭載された第1のアクチュエータ(5〜9)を制御する車載制御装置であって、前記センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した前記信号に応じてユーザの意図を示す情報を出力するユーザ意図出力手段(11、31)と、前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現するため、前記車両の第1の状態量の目標値を出力する意図−状態変換手段(12、32)と、前記意図−状態変換手段(12、32)が出力した前記第1の状態量の目標値を実現するために、前記第1のアクチュエータ(5〜9)についての制御指示値を出力する第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)と、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した制御指示値に従って、前記第1のアクチュエータ(5〜9)を制御する第1の装備制御手段(15、16、17、19、20、35、36)と、を備え、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、前記第1のアクチュエータ(5〜9)の能力に応じた前記車両の前記第1の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した前記第1の状態量の前記制御可能範囲を前記意図−状態変換手段(12、32)に出力し、前記意図−状態変換手段(12、32)は、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した前記第1の状態量の前記制御可能範囲の範囲内に入るよう、前記第1の状態量の目標値を算出することを特徴とする車載制御装置である。
このように、状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、アクチュエータ(5〜9)の能力に応じた車両の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した制御可能範囲を意図−状態変換手段(12、32)に出力し、意図−状態変換手段(12、32)は、当該状態量の制御可能範囲の範囲内に入るよう、状態量の目標値を算出するので、意図−状態変換手段が、アクチュエータの構成の具体的な差違を意図−状態変換手段に対して隠蔽し、それでいて、アクチュエータで実現不能な目標値を出力してしまう可能性を低減することができる。
また、請求項2に記載の発明は、センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した信号に基づいて、車両に搭載された第1のアクチュエータ(5〜9)および第2のアクチュエータ(5〜9)を制御する車載制御装置であって、前記センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した前記信号に応じてユーザの意図を示す情報を出力するユーザ意図出力手段(11、31)と、前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現するため、前記車両の第1の状態量の目標値と前記車両の第2の状態量の目標値を出力する意図−状態変換手段(12、32)と、前記意図−状態変換手段(12、32)が出力した前記第1の状態量の目標値を実現するために、前記第1のアクチュエータ(5〜9)についての制御指示値を出力する第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)と、前記意図−状態変換手段(12、32)が出力した前記第2の状態量の目標値を実現するために、前記第2のアクチュエータ(5〜9)についての制御指示値を出力する第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)と、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した制御指示値に従って、前記第1のアクチュエータ(5〜9)を制御する第1の装備制御手段(15、16、17、19、20、35、36)と、前記第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した制御指示値に従って、前記第2のアクチュエータ(5〜9)を制御する第2の装備制御手段(15、16、17、19、20、35、36)と、を備え、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、前記第1のアクチュエータ(5〜9)の能力に応じた前記車両の前記第1の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した前記第1の状態量の前記制御可能範囲を前記意図−状態変換手段(12、32)に出力し、前記第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、前記第2のアクチュエータ(5〜9)の能力に応じた前記車両の前記第2の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した前記第2の状態量の前記制御可能範囲を前記意図−状態変換手段(12、32)に出力し、前記意図−状態変換手段(12、32)は、前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内で、前記第1の状態量の仮目標値および前記第2の状態量の仮目標値を算出し、前記第1の状態量の仮目標値が、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した前記第1の状態量の前記制御可能範囲の範囲内に入っておらず、かつ、前記第2の状態量の仮目標値が、前記第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した前記第2の状態量の前記制御可能範囲の範囲内に入っているとき、前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内で、前記第1の状態量の前記制御可能範囲に入るよう前記第1の状態量の仮目標値を補正すると共に、前記第2の状態量の前記制御可能範囲に入るよう前記第2の状態量の仮目標値を補正し、補正後の前記第1の状態量の仮目標値および前記第2の状態量の仮目標値を、前記第1の状態量の目標値および前記第2の状態量の目標値として出力することを特徴とする車載制御装置である。
このように、第1の状態量の仮目標値および第2の状態量の仮目標値のうち第1の状態量の仮目標値のみが制御可能範囲から外れていたとしても、第1の状態量の仮目標値および第2の状態量の仮目標値の両方を補正することで、より早く効率的にユーザの意図に応じた車両内の制御を実現することができる。このようなことができるのは、複数の状態−装備変換手段に対してそれぞれ異なる状態量の目標値を出力する意図−状態変換手段に対して制御可能範囲をフィードバックするからこそである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車載制御装置において、第1ECUと、前記第1ECUと通信可能な第2ECUと、を備え、前記第1ECUは、前記ユーザ意図出力手段を有し、前記第2ECUは、前記意図−状態変換手段と、前記第1の状態−装備変換手段と、前記第1の装備制御手段と、を有することを特徴とする。
このような構成にすることで、ユーザの意図を示すためのセンサまたは操作入力装置の変更、交換が簡単にできる。ユーザの意図を伝達するセンサまたは操作入力装置としては、種々のもの(例えば、個別のハードスイッチが備えられた操作パネル、ディスプレイ上に描画されるソフトスイッチをタッチするタッチパネル、ステアリングについたスイッチと遠方のディスプレイの組み合わせで操作する遠隔操作装置、音声認識デバイス、車室内温度センサ、車室内湿度センサ)を適宜使用可能である。
したがって、それらセンサまたは操作入力装置が出力した信号に応じてユーザの意図を示す情報を出力するユーザ意図出力手段を第1ECUに搭載し、他の意図−状態変換手段、第1の状態−装備変換手段、第1の装備制御手段を第2ECUに搭載することにより、センサまたは操作入力装置を取り替えても、第1ECUのみを取り替えるのみで、第2ECUを取り替える必要がなくなる。複数の車両において、センサまたは操作入力装置のバリエーションを用意したい場合、このような構成が有利になる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の車載制御装置において、第1ECUと、前記第1ECUと通信可能な第2ECUと、を備え、前記第1ECUは、前記意図−状態変換手段(12)と、前記第2の状態−装備変換手段(18)と、前記第2の装備制御手段(19)とを有し、前記第2ECUは、前記ユーザ意図出力手段(11)と、前記第1の状態−装備変換手段(14)と、前記第1の装備制御手段(16)と、を有することを特徴とする。
このようにすることで、ユーザの意図をどのように反映して状態量の目標値を算出するかが変更可能となっている場合に、変更が簡単である。例えば、不快指数という観点を用いてユーザの意図を状態量の目標値に変換する意図−状態変換手段と、体感温度という観点を用いてユーザの意図を状態量の目標値に変換する意図−状態変換手段の2種類が用意されている場合に、意図−状態変換手段を切り出して、ユーザ意図出力手段(11)、第1の状態−装備変換手段(14)、第1の装備制御手段(16)とは別のECU(第1ECU)に搭載することで、第2ECUを入れ替える必要なく、第1ECUを入れ替えるのみで、ユーザの意図をどのように反映して状態量の目標値を算出するかの制御の入れ替えを容易に実現することができる。
また、複数種類の意図−状態変換手段のうち、一方が、第2の状態−装備変換手段(18)と、第2の装備制御手段(19)の使用を前提としているのに対し、他方が、第2の状態−装備変換手段(18)と、第2の装備制御手段(19)の不使用を前提としている場合は、前者の意図−状態変換手段と共に第2の状態−装備変換手段(18)と第2の装備制御手段(19)を同じECU(第1ECU)に入れ、後者の場合は、意図−状態変換手段を同じECU(第1ECU)に入れれば、第2ECUはすべての車両において共用することができ、第2ECUを適宜変更すればよい。このような構成は、例えば、普及車と高級車など、グレードの異なる車両において第2ECUを共用する場合に便利である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の車載制御装置において、第1ECUと、前記第1ECUと通信可能な第2ECUと、を備え、前記第1ECUは、前記第2の状態−装備変換手段(13)と、前記第2の装備制御手段(15、20)とを有し、前記第2ECUは、前記ユーザ意図出力手段(11)と、前記意図−状態変換手段(12)と、前記第1の状態−装備変換手段(14)と、前記第1の装備制御手段(16)と、を有することを特徴とする。
このような構成にすることで、アクチュエータについて複数種類の装備構成が可能なときの開発が容易になる。例えば、第2のアクチュエータの構成として2種類(例えば、フロントエアコンのみ搭載されている構成とフロントエアコン、リヤエアコンの両方が搭載される構成)用意されている場合、第2の状態−装備変換手段およびその1つ下位の第2の装備制御手段を切り出して、ユーザ意図出力手段、意図−状態変換手段、第1の状態−装備変換手段、第1の装備制御手段と別のECUに搭載することで、どちらの構成を使用しても、それに応じて第1ECUのみを替えればよく、第2の状態量の演算部分(意図−状態変換手段)のECU、すなわち第2ECUは共通で利用することができる。
つまり、装備のバリエーションがある部分を第1ECUに、バリエーションがない部分を第2ECUとしてまとめることにより、第2ECUはすべての車両において共用することができ、第1ECUは装備の設置状況に応じて開発することができる。
例えば、同一車種における、グレードや仕様(寒冷地仕様か否か)などにより装着される装備が異なる場合、このような構成が有利になる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2、4および5のいずれか1つに記載の車載制御装置において、前記第1のアクチュエータは車室内温度を制御するエアコン(5)であり、前記第2のアクチュエータは車室内を除湿する除湿器(6)であり、前記第1の状態量は車室内温度であり、前記第2の状態量は車室内湿度であることを特徴とする。このように、車載制御装置の適用として、エアコン(5)および除湿器(6)を制御することで車室内温度および車室内湿度を制御する車載制御装置を実現することができる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る車載制御装置の構成図である。 各部11〜16の階層構成を例示する図である。 ユーザの体感と、ユーザの意図に沿うであろう不快指数との対応関係を示す対応表である。 室内温度制御部13および室内湿度制御部14が実行するフィードバック処理のフローチャートである。 快適制御部12が実行する処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る車載制御装置の構成図である。 第2実施形態における各部11〜17の階層構成を例示する図である。 第3実施形態に係る車載制御装置の構成図である。 第3実施形態における各部11〜19の階層構成を例示する図である。 第3実施形態において快適制御部12が実行する処理のフローチャートである。 第3実施形態における車載制御装置の他の構成例である。 第4実施形態に係る車載制御装置の構成図である。 第4実施形態における各部11〜20の階層構成を例示する図である。 第4実施形態における車載制御装置の他の構成例である。 他の実施形態における各部31〜36の階層構成を例示する図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車載制御装置の構成を示す。この車載制御装置は車両に搭載され、第1ECU1および第2ECU2を備えている。これら第1ECU1および第2ECU2は、通信回線(例えば、車内LAN)を介して互いに通信可能となっている。また、第1ECU1および第2ECU2は、センサ3および操作入力装置4が出力した信号を当該通信回線(あるいは1対1に接続する信号線であってもよい)を介して取得することができるようになっており、また、当該通信回線(あるいは1対1に接続する信号線であってもよい)を介してアクチュエータ5、6を制御することができるようになっている。
センサ3は、車両の車室内の温度を検出して出力する車室内温度センサ、車室内の湿度を検出して出力する車室内湿度センサ、車両の周囲の温度である外気温度を検出して出力する外気温度センサを備えている。
操作入力装置4は、車両に搭乗しているユーザが操作可能な装置であり、その操作内容に応じた信号を出力する。より具体的には、操作入力装置4は、車両のダッシュボードに取り付けられた複数個の体感ボタンを有しており、これら体感ボタンは、それぞれが、寒暖に関するユーザの意図する(望む)体感として、「寒い」、「肌寒い」、「何も感じない」、「快い」、「暑くない」、「やや暑い」、「暑くて汗が出る」、「暑くてたまらない」という体感のうち1つを入力するためのボタンとなっている。
エアコン5は、車室内の温度を制御する周知の装置である。除湿機6は、車室内の湿度を制御するために除湿を行う周知の装置である。
このような構成により、第1ECU1および第2ECU2を備えた車載制御装置は、センサ3および操作入力装置4が出力した信号に基づいて、エアコン5、除湿機6を制御するようになっている。
以下、第1ECU1および第2ECU2について説明する。第1ECU1および第2ECU2は、いずれも、制御回路(例えば周知のマイクロコンピュータ)、通信インターフェース、フラッシュメモリ(あるいは他の不揮発性の記憶媒体でもよい)等を備えている。通信インターフェースは、通信回線等を介してセンサ3、操作入力装置4、アクチュエータ5、6、および相手のECU(第1ECU1なら第2ECU2、第2ECU2なら第1ECU1)と信号を授受するための周知のインターフェース回路である。
また、第1ECU1の制御回路は、当該制御回路中のROMに記録された所定のプログラムを実行することで、快適要求判定部11として機能する。つまり、第1ECU1は、快適要求判定部11を有している。
また、第2ECU2の制御回路は、当該制御回路中のROMに記録された所定の快適制御部用プログラム、室内温度制御部用プログラム、室内湿度制御部用プログラム、エアコン制御部用プログラム、除湿機制御部用プログラムを、それぞれ並列的に実行することで、快適制御部12、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、および除湿機制御部16として機能する。つまり、第2ECU2は、快適制御部12、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、および除湿機制御部16を有している。
図2に、上記快適要求判定部11、快適制御部12、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16の機能の階層構成を示す。この図2を参照しながら、各部11〜16の処理内容について説明する。
快適要求判定部11(ユーザ意図出力手段の一例に相当する)は、センサ3および操作入力装置4が出力した上記信号に応じてユーザの意図を示す信号を出力する。
例えば、車室内のユーザが、車室内を肌寒く感じる程度にしたいと思い、操作入力装置4の体感ボタンのうち、「肌寒い」を示すボタンを操作したとすると、操作入力装置4から、当該ボタンが操作された旨の信号が第1ECU1に出力される。そして、第1ECU1の快適要求判定部11は、この信号を取得すると共に、この信号に応じたユーザの意図として、目標の不快指数の範囲を、快適制御部12に出力する。
具体的には、第1ECU1のフラッシュメモリ(あるいは制御回路のROMでもよい)には、図3に示すような、ユーザが意図する体感(例えば、「車室内を肌寒く感じる程度にしたい」)と、そのユーザの意図に沿うであろう不快指数の範囲との対応関係を示す対応表のデータが記録されており、快適要求判定部11は、操作入力装置4が出力した上記信号を取得し、取得した信号が示す体感に対応する不快指数(ユーザの意図に沿うであろう不快指数)の範囲を特定する。例えば、「肌寒い」に対応する不快指数の範囲としては、55から60までの範囲を特定し、特定した範囲を、目標の不快指数の範囲として出力する。
あるいは、快適要求判定部11は、操作入力装置4から受けた上記信号に加え、センサ3の車室内温度センサおよび車室内湿度センサから出力された信号を取得し、取得したこれら操作入力装置4からの信号に基づいて、現在の車室内温度および車室内湿度を算出し、算出した車室内温度と車室内湿度に応じて、操作入力装置4から受けた上記信号が示すユーザの体感(例えば、「肌寒い」)を補正するようになっていてもよい。
あるいは、快適要求判定部11は、センサ3の車室内温度センサおよび車室内湿度センサから出力された信号を取得し、取得したこれら操作入力装置4からの信号のみに基づいて、車室内の寒暖に関するユーザの意図する体感として、不快指数の範囲を算出(推定)するようになっていてもよい。
快適制御部12(意図−状態変換手段の一例に相当する)は、快適要求判定部11が出力した信号中の目標の不快指数の範囲(ユーザの意図の一例に相当する)に応じた車両内の制御を実現するため、車室内湿度(第1の状態量の一例に相当する)の目標値と、車室内温度(第2の状態量の一例に相当する)の目標値と、を算出する。そして、算出した車室内温度を室内温度制御部13に出力し、算出した車室内湿度を室内湿度制御部14に出力する。この際、目標温度および目標湿度の出力は、制御回路に含まれるRAMへ目標温度および目標湿度を書き込むことで実現する。快適制御部12の詳細な処理内容については後述する。
室内温度制御部13(第2の状態−装備変換手段の一例に相当する)は、RAMに記録された目標温度(第2の状態量の目標値の一例に相当する)を定期的に読み出すことで取得し、取得した目標温度を実現するために、エアコン5についての制御指示値を出力する。
具体的には、センサ3の車室内温度センサの出力した信号に基づいて、現在の車室内温度を特定し、この現在の車室内温度と、読み出した目標温度とを比較する。
そして、冷房時には(すなわち、目標温度が現在の車室内温度よりも低い場合は)、目標温度よりも所定のオフセット温度だけ低下させた温度を制御指示値の温度(すなわち、制御温度)とする。そして、このオフセット温度は、目標温度と現在の車室内温度との差の絶対値が大きいほど大きくすることで、より早く車室内を目標温度に到達させることができる。
また同様に、暖房時には(すなわち、目標温度が現在の車室内温度よりも高い場合は)、目標温度よりも所定のオフセット温度だけ上昇させた温度を制御指示値の温度(すなわち、制御温度)とする。そして、このオフセット温度は、目標温度と現在の車室内温度との差の絶対値が大きいほど大きくすることで、より早く車室内を目標温度に到達させることができる。
そして、算出した制御温度を制御指示値としてエアコン制御部15に出力する。この際、制御温度の出力は、制御回路に含まれるRAMへ制御温度を書き込むことで実現する。なお、上記のように現在の車室内温度に基づいた制御ではなく、目標温度と同じ値の制御温度をを出力するようになっていてもよい。
エアコン制御部15(第2の装備制御手段の一例に相当する)は、室内温度制御部13によって出力された(RAMに書き込まれた)エアコン5の制御温度(制御指示値)を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した制御温度に従って、取得した制御温度を実現するよう、種々の周知の方法で、エアコン5を制御する。
室内湿度制御部14(第1の状態−装備変換手段の一例に相当する)は、RAMに記録された目標湿度(第1の状態量の目標値の一例に相当する)を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した目標湿度を実現するために、除湿機6についての制御指示値を出力する。
具体的には、センサ3の車室内湿度センサの出力した信号に基づいて、現在の車室内湿度を特定し、この現在の車室内湿度と、目標湿度とを比較し、目標湿度の方が低ければ、除湿機6を作動させる旨の制御指示値(除湿要求)を除湿機制御部16に出力し、目標湿度が現在の車室内湿度以上であれば、除湿機6を停止させる旨の制御指示値を除湿機制御部16に出力する。この際、制御指示値の出力は、制御回路に含まれるRAMへ制御指示値を書き込むことで実現する。
除湿機制御部16(第1の装備制御手段の一例に相当する)は、室内湿度制御部14によって出力された(RAMに書き込まれた)除湿機6の制御指示値を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した制御指示値に従って、除湿機6を制御する。
具体的には、除湿機6を作動させているときに、除湿機6を作動させる旨の制御指示値を取得した場合は、そのまま除湿機6の作動を継続させ、除湿機6を停止させる旨の制御指示値を取得した場合は、除湿機6の作動を停止させる。また、除湿機6を作動停止させているときに、除湿機6を作動させる旨の制御指示値を取得した場合は、除湿機6の作動を開始させ、除湿機6を停止させる旨の制御指示値を取得した場合は、除湿機6を作動停止のままにする。
以上説明した通り、快適要求判定部11、快適制御部12、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16、加湿制御部17は、階層構造となっている。具体的には、最上位の快適要求判定部11が、1つ下位の快適制御部12にユーザの意図を出力し、快適制御部12が、更に1つ下位の室内温度制御部13および室内湿度制御部14のそれぞれに目標温度および目標湿度を出力し、室内温度制御部13が、更に1つ下位のエアコン制御部15に制御温度を出力し、室内湿度制御部14が、更に1つ下位の除湿機制御部16に制御指示値を出力する。
ここで、このような階層構成において、室内温度制御部13から快適制御部12への温度制御可能範囲のフィードバックについて説明する。
室内温度制御部13は、上記のような作動と並列的に、エアコン5の能力に応じた車室内温度(第2の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を繰り返し定期的に(例えば1秒に1回)特定し、特定した車室内温度の制御可能範囲(すなわち、温度制御可能範囲)を快適制御部12に出力するフィードバック処理を行うようになっている。
このようなフィードバック処理のため、室内温度制御部13は、図4に示すような処理を実行するようになっている。室内温度制御部13は、第2ECU2の起動時にこのフィードバック処理を開始するようになっており、まずステップ110で、初期設定として、調整能力判定を行う。具体的には、どのような車室内温度制御用のアクチュエータが通信回線に接続されているかを示す接続機器情報、および、接続されているアクチュエータ(エアコン5)がどのような冷暖房能力を有しているかを示す能力情報を取得する。
接続機器情報および能力情報の具体的な取得方法としては、第2ECU2のフラッシュメモリ(または制御回路のROM)にあらかじめ記録しておいたものを読み出す方法を採用してもよい。この場合は、車両に搭載するエアコン5の種類が決まった時点で、その種類に応じた接続機器情報および能力情報をフラッシュメモリ(または制御回路のROM)に記録する。このとき記録される当該接続機器情報には、当該種類のエアコン5の種類名が含まれる。
また、記録される当該能力情報には、外気温度(車両の周囲の温度)に応じた当該種類のエアコン5の冷暖房能力の情報が含まれる。例えば、−20℃から50℃までの外気温度について、5℃刻みで、各外気温度においてエアコン5が実現可能な車室内温度の範囲(温度制御可能範囲)の情報が含まれる。
なお、エアコン5の接続機器情報および能力情報は、あらかじめ室内温度制御部13を実現するプログラムに含まれていてもよい。この場合、エアコン5の種類毎に、室内温度制御部13およびエアコン制御部15を実現するプログラムが用意され、車両に搭載するエアコン5の種類が決まると、その種類に対応した室内温度制御部13およびエアコン制御部15用のプログラムを第2ECU2の制御回路のROMに記録する。
あるいは、室内温度制御部13は、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内温度制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類のエアコン5が接続されていることを検出するようになっていてもよい。
具体的には室内温度制御部13は、インターフェース回路を介して、通信回線に、室内温度制御を示すデータを含む問い合わせ信号を送信し、エアコン5は、その問い合わせ信号に室内温度制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。すると室内温度制御部13は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報に基づいて、当該種類のエアコン5が接続されていることを検出する。
そして、フラッシュメモリ(または制御回路のROM)に、エアコン5の種類毎に、上述の外気温度に応じた冷暖房能力の情報があらかじめ記録されており、室内温度制御部13は、上記のように検出したエアコン5に対応する、外気温度に応じた冷暖房能力の情報を読み出すことで、当該種類のエアコン5の能力情報を取得することができる。
あるいは、室内温度制御部13は、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内温度制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類のエアコン5が接続されていることを検出すると共に、当該種類のエアコン5の能力情報(制御可能温度範囲)を取得するようになっていてもよい。
具体的には、室内温度制御部13は、インターフェース回路を介して、通信回線に、室内温度制御を示すデータを含む問い合わせ信号を送信し、エアコン5は、その問い合わせ信号に室内温度制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。この際、当該応答には、自機の外気温度に応じた冷暖房能力の情報も含める。すると室内温度制御部13は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報および冷暖房能力の情報に基づいて、当該種類のエアコン5が接続されていることを検出し、さらに、当該種類のエアコン5の能力情報(制御可能温度範囲)を特定する。
このように、接続機器情報および能力情報の具体的な取得方法は、最初から室内温度制御部13のプログラム内または別途データとしてフラッシュメモリ(または制御回路のROM)に書き込んでおく方法もあれば、起動時にどのような種類の機器が通信回線に接続されているかを読み込み、機器の種類に応じた能力の情報(参照テーブル)から判定する方法もあれば、第2ECU2の起動時に繋がっている機器に能力情報を通知してもらう方法もある。
ステップ110に続いては、ステップ160で制御可能範囲判定条件が成立中でなくなるまで、ステップ120〜160のループを(例えば1秒周期で)繰り返す。まずステップ120では、現在の車両内外の状態を確認する。具体的には、センサ3の外気温センサが出力した信号に基づいて、現在の外気温を特定する。
続いてステップ130では、ステップ110で取得した能力情報とステップ120で取得した現在状態(外気温)に基づいて、車室内温度(第2の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を決定する。具体的には、ステップ120で取得した外気温をステップ110で取得した能力情報に適用することで、当該外気温においてエアコン5が実現可能な車室内温度の制御可能範囲を決定する。
続いてステップ140では、通知条件が成立したか否かを判定する。通知条件としては、例えば、(1)第2ECU2が起動した、(2)快適制御部12から制御可能範囲の要求があった、(3)直前のステップ130で決定した制御可能範囲がそれよりも1回前のステップ130で決定した制御可能範囲から変化した、という3つの条件のうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、2つ以上を採用してもよい。
例えば、上記(1)〜(3)の3つの条件をすべて採用した場合は、第2ECU2の起動の度に通知条件が成立し、また、快適制御部12から制御可能範囲の要求がある度に通知条件が成立し、また、上記のように制御可能範囲が変化する度に通知条件が成立する。
通知条件が成立したと判定した場合は、ステップ150に進み、直前のステップ130で特定した最新の制御可能範囲(温度制御可能範囲)を、快適制御部12に出力する。この際、制御可能範囲の出力は、制御回路に含まれるRAMへ当該制御可能範囲を書き込むことで実現する。ステップ150に続いては、ステップ160に進む。ステップ140で通知条件が成立していないと判定した場合は、ステップ150をバイパスしてステップ160に進む。
ステップ160では、制御可能範囲判定条件が成立中であるか否かを判定する。制御可能範囲判定条件は、制御可能範囲の判定を継続するか否かを判定するための条件であり、例えば、電源状態の遷移に基づいた条件を採用する。
例えば、車両の主電源(IG)がオンである間は制御可能範囲判定条件が成立し、主電源がオフとなったときに制御可能範囲判定条件が成立しなくなる。この例では、車両の主電源がオンである間、ステップ120〜160の処理が繰り返される。
このように、室内温度制御部13は、通信回線に接続されているエアコン5の能力に応じた車室内温度の制御可能範囲を繰り返し特定し(ステップ130)、通知条件の成立時に(ステップ140)、特定した制御可能範囲を快適制御部12に出力する(ステップ160)。
次に、室内湿度制御部14から快適制御部12への湿度制御可能範囲のフィードバックについて説明する。
室内湿度制御部14は、上記のような作動と並列的に、湿度制御用のアクチュエータ(除湿機6)の能力に応じた車室内湿度(第1の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を繰り返し定期的に(例えば1秒に1回)特定し、特定した車室内湿度の制御可能範囲(すなわち、湿度制御可能範囲)を快適制御部12に出力するフィードバック処理を行うようになっている。
このようなフィードバック処理のため、室内湿度制御部14が実行する処理は、室内温度制御部13と同様に図4に示すようなものとなる。
具体的には、室内湿度制御部14は、第2ECU2の起動時にこのフィードバック処理を開始するようになっており、まずステップ110で、初期設定として、調整能力判定を行う。具体的には、どのような車室内湿度制御用のアクチュエータが通信回線に接続されているかを示す接続機器情報、および、接続されているアクチュエータ(除湿機6)がどのような能力を有しているかを示す能力情報を取得する。
接続機器情報および能力情報の具体的な取得方法は、第2ECU2のフラッシュメモリ(または制御回路のROM)にあらかじめ記録しておいたものを読み出す方法を採用してもよい。この場合は、車両に搭載する車室内湿度制御用のアクチュエータの種類が決まった時点で、その種類に応じた接続機器情報および能力情報をフラッシュメモリ(または制御回路のROM)に記録する。このとき記録される当該接続機器情報には、当該種類の車室内湿度制御用のアクチュエータ(除湿機6)の種類名が含まれる。
また、記録される当該能力情報には、車室内湿度等に応じた当該種類の除湿機6の湿度調整能力の情報が含まれる。例えば、0%から100%までの車室内湿度について、5%刻みで、各車室内湿度において除湿機6が実現可能な車室内湿度の範囲(湿度制御可能範囲)の情報が含まれる。除湿機6は、車室内湿度を現在値よりも上昇させることはできないので、実現可能な車室内湿度は、現在の車室内湿度を上限とする湿度範囲(例えば現在の車室内湿度が50%なら、50%から40%までの範囲)となる。
なお、除湿機6の接続機器情報および能力情報は、あらかじめ室内湿度制御部14を実現するプログラムに含まれていてもよい。
あるいは、室内湿度制御部14は、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内湿度制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類のエアコン5が接続されていることを検出するようになっていてもよい。
具体的には室内湿度制御部14は、インターフェース回路を介して、通信回線に、室内湿度制御を示すデータを含む問い合わせ信号を送信し、除湿機6は、その問い合わせ信号に室内湿度制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。すると室内湿度制御部14は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報に基づいて、当該種類の除湿機6が接続されていることを検出する。
そして、フラッシュメモリ(または制御回路のROM)に、除湿機6の種類毎に、上述の車室内湿度に応じた湿度調整能力の情報が記録されており、室内湿度制御部14は、上記のように検出した除湿機6に対応する、車室内湿度に応じた湿度調整能力の情報を読み出すことで、当該種類の除湿機6の能力情報を取得することができる。
あるいは、室内湿度制御部14は、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内湿度制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類の除湿機6が接続されていることを検出すると共に、当該種類のエアコン5の能力情報を取得するようになっていてもよい。
具体的には、室内湿度制御部14は、インターフェース回路を介して、通信回線に、室内湿度制御を示すデータを含む問い合わせ信号を送信し、除湿機6は、その問い合わせ信号に室内湿度制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。この際、当該応答には、自機の車室内湿度に応じた湿度制御能力の情報も含める。すると室内湿度制御部14は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報および湿度調整能力の情報に基づいて、当該種類の除湿機6が接続されていることを検出すると共に、当該種類の除湿機6の能力情報を特定する。
このように、接続機器情報および能力情報の具体的な取得方法は、最初から室内湿度制御部14のプログラム内または別途データとしてフラッシュメモリ(または制御回路のROM)に書き込んでおく方法もあれば、起動時にどのような種類の機器がつながっているかを読み込み、機器の種類に応じた冷暖房能力の情報(参照テーブル)から判定する方法もあれば、第2ECU2の起動時に繋がっている機器に能力情報を通知してもらう方法もある。
ステップ110に続いては、ステップ160で制御可能範囲判定条件が成立中でなくなるまで、ステップ120〜160のループを(例えば1秒周期で)繰り返す。まずステップ120では、現在の車両内外の状態を確認する。具体的には、センサ3の車室内湿度センサが出力した信号に基づいて、現在の車室内湿度を特定する。
続いてステップ130では、ステップ110で取得した能力情報とステップ120で取得した現在状態(車室内湿度)に基づいて、車室内湿度(第1の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を決定する。具体的には、ステップ120で取得した車室内湿度をステップ110で取得した能力情報に適用することで、当該車室内湿度において除湿機6が実現可能な車室内湿度の制御可能範囲を決定する。続くステップ140〜160の処理内容は、室内温度制御部13と同じであるので説明を省略する。ただし、ステップ150で出力するのは、ステップ130で特定した車室内湿度の制御可能範囲(湿度制御可能範囲)である。
このように、室内湿度制御部14は、通信回線に接続されている車室内湿度制御を行うアクチュエータ(除湿機6)の能力に応じた車室内湿度の制御可能範囲を繰り返し特定し(ステップ130)、通知条件の成立時に(ステップ140)、特定した制御可能範囲を快適制御部12に出力する(ステップ160)。
次に、室内温度制御部13および室内湿度制御部14からフィードバックを受ける快適制御部12の処理内容について説明する。快適制御部12は、フィードバック結果に基づいて目標温度および目標湿度を決定するために、図5に示す処理を繰り返し(例えば1秒周期で)実行する。
そして、まずステップ205で、快適要求判定部11から出力された信号を取得することで、この信号によって示される不快指数の範囲(ユーザの意図の一例に相当する)を取得する。
続いてステップ210では、ステップ205で取得した体感に応じた車両内の車室内温度および車室内湿度の制御を実現するため、車室内湿度(第1の状態量の一例に相当する)の暫定的な目標値と、車室内温度(第2の状態量の一例に相当する)の暫定的な目標値とを算出し、算出した車室内湿度の暫定的な目標値を仮湿度目標値とし、算出した車室内温度の暫定的な目標値を仮温度目標値とする。
具体的には、あらかじめ定められた不快指数と車室内湿度hと車室内温度tの関係を示すデータに基づいて、ステップ205で取得した不快指数の範囲内で不快指数が実現するよう、車室内湿度hの仮湿度目標値および車室内温度tの仮温度度目標値を算出する。
具体的には、不快指数と車室内湿度hおよび車室内温度tの関係を示すデータとして、
(不快指数)=0.81+0.01h×(0.99t−14.3)+46.3
という関係式のデータが、第2ECU2のフラッシュメモリ(あるいは制御回路のROMでもよい)にあらかじめ記録されており、快適制御部12は、この関係式のデータに基づいて、特定した範囲内の不快指数が実現するよう、車室内湿度hの仮湿度目標値および車室内温度tの仮温度目標値を決定する。
より具体的には、特定した不快指数の範囲の代表値(中央値でもよいし、上限値でもよいし、下限値でもよい)を算出し、当該代表値を上記関係式の左辺に代入し、代入後の上記関係式を満たすよう車室内湿度hおよび車室内温度tを決定し、当該車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とし、当該車室内温度tを車室内温度の仮温度目標値とする。
例えば、現在のセンサ3の車室内温度センサが出力した信号に基づいて現在の車室内温度を特定し、特定した車室内温度から所定のオフセット温度だけオフセットした値を車室内温度tとして上記関係式に代入し、上記関係式を満たすように車室内湿度hを決定する。そして、代入した車室内温度tを車室内温度の仮温度目標値とし、算出した車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とする。なお、オフセット温度は、取得した不快指数の範囲が、60以下の範囲に含まれている場合は正の値(例えば2℃)とし、60から75までの範囲に含まれている場合はゼロとし、75以上の範囲に含まれている場合は負の値(例えば−2℃)としてもよい。
このようにして、ステップ210では、仮湿度目標値(第1の状態量の仮目標値の一例に相当する)および仮温度目標値(第2の状態量の仮目標値の一例に相当する)を算出する。
続いてステップ215では、室内温度制御部13が出力した最新の温度制御可能範囲を確認する。具体的には、室内温度制御部13がRAMに記録した最新の温度制御可能範囲を読み出す。続いてステップ220では、室内湿度制御部14が出力した最新の湿度制御可能範囲を確認する。具体的には、室内湿度制御部14がRAMに記録した最新の湿度制御可能範囲を読み出す。
続いてステップ225では、ステップ210で算出した仮目標値(仮温度目標値および仮湿度目標値)のそれぞれが、ステップ215、220で取得した制御可能範囲内に入っているか否かを判定する。
より具体的には、仮温度目標値が温度制御可能範囲内に入っており、かつ、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲内に入っている場合に、ステップ225の判定結果が肯定(YES)となりステップ230に進み、仮温度目標値が温度制御可能範囲内に入っていないか、または、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲内に入っていない場合、ステップ225の判定結果が否定(NO)となりステップ235に進む。
両方の仮目標値が各制御可能範囲内に入っている場合のステップ230では、仮温度目標値を車室内温度の目標値(以下、目標温度ともいう)として決定し、また、仮湿度目標値を車室内湿度の目標値(以下、目標湿度ともいう)として決定する。
続いてステップ240では、ステップ230で決定した目標値を通知する。具体的には、目標温度を室内温度制御部13に出力し、目標湿度を室内湿度制御部14に出力する。
仮目標値のいずれかが対応する制御可能範囲内に入っていない場合のステップ235では、仮温度目標値および仮湿度目標値を再計算する。再計算の方法としては、以下の(A)〜(E)のような方法を採用してもよい。
(A)仮温度目標値が温度制御可能範囲内に入っており、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲(例えば、50%〜60%)の下限値よりも下になっている場合、仮湿度目標値を当該湿度制御可能範囲の下限値(50%)と同じ値となるよう変更し、変更後の仮湿度目標値(50%)を既述の関係式
(不快指数)=0.81+0.01h×(0.99t−14.3)+46.3
の車室内湿度hに代入し、ステップ210で特定した不快指数の範囲の代表値を当該関係式の不快指数に代入し、当該関係式を満たすよう、車室内温度tを温度制御可能範囲内で決定し、当該車室内温度tを車室内温度の仮温度目標値とする。
(B)仮温度目標値が温度制御可能範囲内に入っており、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲(例えば、50%〜60%)の上限値よりも上になっている場合、仮湿度目標値を当該湿度制御可能範囲の上限値(60%)と同じ値となるよう変更し、変更後の仮湿度目標値(60%)を上記関係式の車室内湿度hに代入し、ステップ210で特定した不快指数の範囲の代表値を当該関係式の不快指数に代入し、当該関係式を満たすよう、車室内温度tを温度制御可能範囲内で決定し、当該車室内温度tを車室内温度の仮温度目標値とする。
(C)仮湿度目標値が湿度制御可能範囲内に入っており、仮温度目標値が温度制御可能範囲(例えば、22℃〜28℃)の下限値よりも下になっている場合、仮温度目標値を当該温度制御可能範囲の下限値(22℃)と同じ値となるよう変更し、変更後の仮温度目標値(22℃)を上記関係式の車室内温度tに代入し、ステップ210で特定した不快指数の範囲の代表値を当該関係式の不快指数に代入し、当該関係式を満たすよう、車室内湿度hを湿度制御可能範囲内で決定し、当該車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とする。
(D)仮湿度目標値が湿度制御可能範囲内に入っており、仮温度目標値が温度制御可能範囲(例えば、22℃〜28℃)の上限値よりも上になっている場合、仮温度目標値を当該温度制御可能範囲の上限値(28℃)と同じ値となるよう変更し、変更後の仮温度目標値(28℃)を上記関係式の車室内温度tに代入し、ステップ210で特定した不快指数の範囲の代表値を当該関係式の不快指数に代入し、当該関係式を満たすよう、車室内湿度hを湿度制御可能範囲内で決定し、当該車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とする。
(E)仮湿度目標値が湿度制御可能範囲から外れており、仮温度目標値も温度制御可能範囲から外れている場合、上記の(A)〜(D)のいずれの方法を採用してもよい。
なお、上記(A)、(B)において、上記関係式を満たすような車室内温度tが温度制御可能範囲内にない場合は、不快指数の値を、ステップ205で取得した不快指数の範囲内で変更し、変更後の不快指数を上記関係式に代入し、当該関係式を満たすよう、車室内温度tを温度制御可能範囲内で決定し、当該車室内温度tを車室内温度の仮温度目標値とするようになっていてもよい。
また、上記(C)、(D)において、上記関係式を満たすような車室内湿度hが湿度制御可能範囲内にない場合は、不快指数の値を、ステップ205で取得した不快指数の範囲内で変更し、変更後の不快指数を上記関係式に代入し、当該関係式を満たすよう、車室内湿度hを湿度制御可能範囲内で決定し、当該車車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とするようになっていてもよい。
上記(A)、(B)のようにすることで、仮温度目標値が温度制御可能範囲内に入っており、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲から外れている場合でも、ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内(「肌寒い」に応じた不快指数55〜60の範囲内)で、制御可能範囲から外れている仮湿度目標値のみならず外れていない仮温度度目標値までも修正することになる。
また、上記(C)、(D)のようにすることで、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲内に入っており、仮温度目標値が温度制御可能範囲から外れている場合でも、ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内(例えば、「肌寒い」に応じた不快指数55〜60の範囲内)で、制御可能範囲から外れている仮温度目標値のみならず外れていない仮湿度目標値までも修正することになる。
したがって、室内温度制御部13および室内湿度制御部14のうち一方のフィードバック結果が、他方の制御にも影響を与えることになる。
ステップ235に続いては、ステップ230に進み、既に説明した通り、仮温度目標値を目標温度として決定し、また、仮湿度目標値を目標湿度として決定し、ステップ240で、当該目標温度を室内温度制御部13に出力し、当該目標湿度を室内湿度制御部14に出力する。
このように、室内温度制御部13、室内湿度制御部14は、アクチュエータ5、6の能力に応じた車両の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した制御可能範囲を快適制御部12に出力し、快適制御部12は、当該状態量(車室内温度、車室内湿度)の制御可能範囲の範囲内に入るよう、状態量の目標値を算出するので、室内温度制御部13、室内湿度制御部14が、アクチュエータ5、6の構成の具体的な差違を快適制御部12に対して隠蔽し、それでいて、アクチュエータ5、6で実現不能な目標値を出力してしまう可能性を低減することができる。
また、2つの仮目標値(仮温度目標値および仮湿度目標値)のうち一方のみが制御可能範囲から外れていたとしても、仮目標値の両方を補正することで、より早く効率的にユーザの意図に応じた車両内の制御を実現することができる。このようなことができるのは、複数の状態−装備変換手段(室内温度制御部13、室内湿度制御部14)に対してそれぞれ異なる状態量の目標値を出力する快適制御部12に対して制御可能範囲をフィードバックするからこそである。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、図6に示すように、車両に加湿器7が搭載され、第2ECU2の制御回路は、ROM中の所定のプログラムを実行することで加湿制御部17(第1の装備制御手段の一例に相当する)として機能する。なお、図6と図1で同じ符号が付された要素は、互いに同等の機能を有している。
加湿器7(第1のアクチュエータの一例に相当する)は、車室内の湿度を制御するために加湿を行う周知の装置である。車両内に除湿機6と加湿器7の両方があることで、車室内湿度を上げるように制御することも、下げるように制御することも可能となる。
図7に、上記快適要求判定部11、快適制御部12、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16、加湿制御部17の機能の階層構成を示す。快適要求判定部11、快適制御部12、室内温度制御部13、エアコン制御部15、除湿機制御部16の機能は、第1実施形態と同じである。
室内湿度制御部14(第1の状態−装備変換手段の一例に相当する)は、快適制御部12が出力してRAMに記録された目標湿度(第1の状態量の目標値の一例に相当する)を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した目標湿度を実現するために、除湿機6についての制御指示値を除湿機制御部16に出力するのに加え、加湿器7についての制御指示値を加湿制御部17に出力する。
具体的には、センサ3の車室内湿度センサの出力した信号に基づいて、現在の車室内湿度を特定し、この現在の車室内湿度と、目標湿度とを比較する。そして、目標湿度の方が低ければ、除湿機6を作動させる旨の制御指示値(除湿要求)を除湿機制御部16に出力すると共に、加湿器7を停止させる旨の制御指示値を加湿制御部17に出力する。また、目標湿度が現在の車室内湿度以上であれば、除湿機6を停止させる旨の制御指示値を除湿機制御部16に出力すると共に、加湿器7を作動させる旨の制御指示値(加湿要求)を加湿制御部17に出力する。この際、制御指示値の出力は、制御回路に含まれるRAMへ制御指示値を書き込むことで実現する。
加湿制御部17は、室内湿度制御部14によって出力された(RAMに書き込まれた)加湿器7の制御指示値を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した制御指示値に従って、加湿器7を制御する。
具体的には、加湿器7を作動させているときに、加湿器7を作動させる旨の制御指示値を取得した場合は、そのまま加湿器7の作動を継続させ、加湿器7を停止させる旨の制御指示値を取得した場合は、加湿器7の作動を停止させる。また、加湿器7を作動停止させているときに、加湿器7を作動させる旨の制御指示値を取得した場合は、加湿器7の作動を開始させ、加湿器7を停止させる旨の制御指示値を取得した場合は、加湿器7を作動停止のままにする。
また、室内湿度制御部14における、快適制御部12への湿度制御可能範囲のフィードバックの処理内容は、第1実施形態と同じである。すなわち、湿度制御用のアクチュエータ(除湿機6、加湿器7)の能力に応じた車室内湿度(第1の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を繰り返し定期的に(例えば1秒に1回)特定し、特定した車室内湿度の制御可能範囲を快適制御部12に出力する。
ただし、室内湿度制御部14が図4のステップ130で決定する湿度制御可能範囲は、第1実施形態では、現在の車室内湿度を上限とするものであったが、本実施形態で決定する湿度制御可能範囲は、現在の車室内湿度よりも高い上限を有するようになっている。例えば、現在の車室内湿度を中心とする20%分の幅の範囲が湿度制御可能範囲となるようになっていてもよい。
また、ステップ110の調整能力判定において、室内湿度制御部14が、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内湿度制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類のエアコン5が接続されていることを検出するようになっている場合、加湿器7は、その問い合わせ信号に室内湿度制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。すると室内湿度制御部14は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報に基づいて、当該種類の加湿器7が接続されていることを検出する。
このようになっていれば、室内湿度制御部14は、車室内湿度制御用のアクチュエータとして、除湿機6と加湿器7が接続されている場合も、除湿機6のみが接続されている場合も、加湿器7のみが接続されている場合も、その接続状況に応じて、あらかじめフラッシュメモリ(またはROM)に記録されている種類毎の能力情報に基づいて、または、車室内湿度制御用のアクチュエータから出力される当該アクチュエータの能力情報に基づいて、湿度制御可能範囲を変化させることができる。
なお、第1、第2実施形態においては、第1ECU1は、ユーザ意図出力手段の一例である快適要求判定部11を有し、第2ECU2は、意図−状態変換手段の一例である快適制御部12と、第1の状態−装備変換手段の一例である室内湿度制御部14と、第2の状態−装備変換手段の一例である室内温度制御部13と、第1の装備制御手段の一例である除湿機制御部16(および第2実施形態では加湿制御部17)と、第2の装備制御手段の一例であるエアコン制御部15と、を備えている。
このような構成にすることで、ユーザの意図を示すためのセンサまたは操作入力装置の変更、交換が簡単にできる。ユーザの意図を伝達するセンサまたは操作入力装置としては、種々のもの(例えば、個別のハードスイッチが備えられた操作パネル、ディスプレイ上に描画されるソフトスイッチをタッチするタッチパネル、ステアリングについたスイッチと遠方のディスプレイの組み合わせで操作する遠隔操作装置、音声認識デバイス、車室内温度センサ、車室内湿度センサ)を適宜使用可能である。
したがって、それらセンサまたは操作入力装置が出力した信号に応じてユーザの意図を示す信号を出力するユーザ意図出力手段を第1ECU1に搭載し、他の意図−状態変換手段、第1の状態−装備変換手段、第1の装備制御手段を第2ECU2に搭載することにより、センサまたは操作入力装置を取り替えても、第1ECU1のみを取り替えるのみで、第2ECU2を取り替える必要がなくなる。複数の車両において、センサまたは操作入力装置のバリエーションを用意したい場合、このような構成が有利になる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、図8に示すように、車両に室内ファン8が搭載され、第1ECU1の制御回路は、ROM中の所定のプログラムを実行することで気流制御部18、室内ファン制御部19として機能する。
更に、第1ECU1と第2ECU2における各部11〜16の配置も第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態の第1ECU1は、快適制御部12を有し、第2ECU2は、快適要求判定部11、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、および除湿機制御部16を有している。
室内ファン8(第2のアクチュエータの一例に相当する)は、ファンの回転により車室内に気流を発生させる周知の装置である。
図9に、上記快適要求判定部11、快適制御部12、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16、加湿制御部17、気流制御部18、室内ファン制御部19の機能の階層構成を示す。室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16の機能は、第1実施形態と同じである。
快適要求判定部11は、センサ3および操作入力装置4が出力した上記信号に応じてユーザの意図を示す信号を出力する点は第1実施形態と同じだが、より具体的な点で第1実施形態と異なる。具体的には、快適要求判定部11は、操作入力装置4から出力された信号(例えば、「肌寒い」ボタンが操作された旨の信号)を取得すると共に、この信号に応じたユーザの意図として、目標の体感温度の範囲を、快適制御部12に出力する。
具体的には、第1ECU1のフラッシュメモリ(あるいは制御回路のROMでもよい)には、ユーザが意図する体感(例えば、「車室内を肌寒く感じる程度にしたい」)と、そのユーザの意図に沿うであろう体感温度の範囲との対応関係を示す対応表のデータが記録されており、快適要求判定部11は、操作入力装置4が出力した上記信号を取得し、取得した信号が示す体感に対応する体感温度(ユーザの意図に沿うであろう体感温度)の範囲を特定する。
快適制御部12は、快適要求判定部11が出力した信号によって示されるユーザの意図に応じた車両内の制御を実現するため、車両の状態量(車室内温度および車室内湿度)の目標値を算出してそれぞれ室内温度制御部13、室内湿度制御部14に出力する点は、第1実施形態と同じである。ただし、ユーザの意図が、目標の不快指数の範囲ではなく、目標の体感温度の範囲である点が、第1実施形態と異なる。
また、車両の状態量の目標値としては、快適要求判定部11が出力した信号によって示される目標の体感温度の範囲に応じた車両内の制御を実現するため、車室内の風速(第2の状態量の一例に相当する)の目標値(以下、目標風速ともいう)も算出して気流制御部18に出力する点が、第1実施形態と異なる。本実施形態の快適制御部12の詳細については後述する。
また、本実施形態の気流制御部18(第2の状態−装備変換手段の一例に相当する)は、快適制御部12が出力してRAMに記録された目標風速(第2の状態量の目標値の一例に相当する)を定期的に読み出すことで取得し、取得した目標風速を実現するために、室内ファン8についての制御指示値(送風要求)を室内ファン制御部19に出力する。具体的には、目標風速に所定の比例係数を乗算することでファン回転数(室内ファン8のファンの1分間当たりの回転数)を特定し、特定したファン回転数を制御指示値として室内ファン制御部19に出力する。この際、ファン回転数の出力は、制御回路に含まれるRAMへファン回転数を書き込むことで実現する。
室内ファン制御部19(第2の装備制御手段の一例に相当する)は、気流制御部18によって出力された(RAMに書き込まれた)ファン回転数(制御指示値)を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得したファン回転数を実現するよう、室内ファン8の出力を制御する。
ここで、気流制御部18から快適制御部12へのフィードバックについて説明する。気流制御部18は、上記のような作動と並列的に、室内ファン8の能力に応じた車室内風速(第2の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を繰り返し定期的に(例えば1秒に1回)特定し、特定した車室内温度の制御可能範囲を快適制御部12に出力するフィードバック処理を行うようになっている。
このようなフィードバック処理のため、気流制御部18も、室内温度制御部13、室内湿度制御部14と同様、図4に示すような処理を実行するようになっている。気流制御部18は、第2ECU2の起動時にこのフィードバック処理を開始するようになっており、まずステップ110で、初期設定として、調整能力判定を行う。具体的には、どのような車室内風速制御用のアクチュエータが通信回線に接続されているかを示す接続機器情報、および、接続されている車室内風速制御用のアクチュエータ(室内ファン8)がどのような送風能力を有しているかを示す能力情報を取得する。
接続機器情報および能力情報の具体的な取得方法としては、第2ECU2のフラッシュメモリ(または制御回路のROM)にあらかじめ記録しておいたものを読み出す方法を採用してもよい。この場合は、車両に搭載する室内ファン8の種類が決まった時点で、その種類に応じた接続機器情報および能力情報をフラッシュメモリ(または制御回路のROM)に記録する。このとき記録される当該接続機器情報には、当該種類の室内ファン8の種類名が含まれる。また、記録される当該能力情報には、室内ファン8が実現可能な車室内風速の情報が含まれる。なお、室内ファン8の接続機器情報および能力情報は、あらかじめ気流制御部18を実現するプログラムに含まれていてもよい。
あるいは、気流制御部18は、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内風速制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類の室内ファン8が接続されていることを検出するようになっていてもよい。
具体的には気流制御部18は、インターフェース回路を介して、通信回線に、室内風速制御を示すデータを含む問い合わせ信号を送信し、室内ファン8は、その問い合わせ信号に室内風速制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。すると気流制御部18は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報に基づいて、当該種類の室内ファン8が接続されていることを検出する。
そして、フラッシュメモリ(または制御回路のROM)に、室内ファン8の種類毎に、上述の実現可能な車室内風速の範囲の情報が記録されており、気流制御部18は、上記のように検出した室内ファン8の能力情報を取得することができる。
あるいは、気流制御部18は、第2ECU2のインターフェース回路を介して、室内風速制御に関するアクチュエータとしてどのようなアクチュエータが通信回線に接続されているかを問い合わせ、その問い合わせの応答に基づいて、特定の種類の室内ファン8が接続されていることを検出すると共に、当該種類の室内ファン8の能力情報を取得するようになっていてもよい。
具体的には、気流制御部18は、インターフェース回路を介して、通信回線に、室内風速制御を示すデータを含む問い合わせ信号を送信し、室内ファン8は、その問い合わせ信号に室内風速制御を示すデータが含まれている場合に限り、自機の種類の情報を含む応答を第2ECU2に出力する。この際、当該応答には、自機の実現可能な車室内風速の範囲の情報も含める。すると気流制御部18は、インターフェース回路を介して当該応答を取得し、取得した応答に含まれる種類の情報および実現可能な車室内風速の範囲の情報に基づいて、当該種類の室内ファン8が接続されていることを検出すると共に、当該種類の室内ファン8の能力情報を特定する。
ステップ110に続いては、ステップ160で制御可能範囲判定条件が成立中でなくなるまで、ステップ120〜160のループを(例えば1秒周期で)繰り返す。ただし、本実施形態では、ステップ120の実行は省略して直ちにステップ130に進み、ステップ130では、続いてステップ130では、ステップ110で取得した能力情報に基づいて、車室内風速(第2の状態量の一例に相当する)の制御可能範囲を決定する。続くステップ140〜160の処理内容は、室内温度制御部13と同じであるので説明を省略する。ただし、ステップ150で出力するのは、ステップ130で特定した車室内風速の制御可能範囲(風速制御可能範囲)である。
このように、気流制御部18は、通信回線に接続されている車室内風速制御を行うアクチュエータ(室内ファン8)の能力に応じた車室内風速の制御可能範囲を繰り返し特定し(ステップ130)、通知条件の成立時に(ステップ140)、特定した制御可能範囲を快適制御部12に出力する(ステップ160)。
次に、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、および気流制御部18からフィードバックを受ける快適制御部12の処理内容について説明する。快適制御部12は、フィードバック結果に基づいて目標温度、目標湿度、および目標風速を決定するために、図10に示す処理を繰り返し(例えば1秒周期で)実行する。
そして、まずステップ305で、快適要求判定部11から出力された信号を取得することで、この信号によって示されるユーザの体感温度の範囲(ユーザの意図の一例に相当する)を取得する。
続いてステップ310では、ステップ305で取得した体感温度の範囲に応じた車両内の車室内温度、車室内湿度、車室内風速の制御を実現するため、車室内湿度の目標値の値と、車室内温度の暫定的な目標値と、車室内風速の暫定的な目標値とを算出し、算出した車室内湿度の暫定的な目標値を仮湿度目標値とし、算出した車室内温度の暫定的な目標値を仮温度目標値とし、算出した車室内風速の暫定的な目標値を仮風速目標値とする。
具体的には、快適制御部12は、あらかじめ定められた体感温度と車室内湿度hと車室内温度tと車室内風速vとの関係を示すデータに基づいて、快適要求判定部11から取得した範囲内で体感温度が実現するよう、車室内湿度hの仮湿度目標値および車室内温度tの仮温度度目標値および車室内風速vの仮風速目標値を算出する。
具体的には、体感温度と車室内湿度hと車室内温度tと車室内風速vとの関係を示すデータとして、
(体感温度)=37−(37−t)/(0.68−0.0014×h+1/A)−0.29×t×(1−h/100)、
A=1.76+1.4×v0.75
という関係式のデータが、第2ECU2のフラッシュメモリ(あるいは制御回路のROMでもよい)にあらかじめ記録されており、快適制御部12は、この関係式のデータに基づいて、快適要求判定部11から取得した範囲内の体感温度が実現するよう、車室内湿度hの仮湿度目標値、車室内温度tの仮温度目標値、および、車室内風速vの仮風速目標値を決定する。
より具体的には、快適要求判定部11から取得した体感温度の範囲の代表値(中央値でもよいし、上限値でもよいし、下限値でもよい)を算出し、当該代表値を上記関係式の左辺に代入し、代入後の上記関係式を満たすよう車室内湿度hおよび車室内温度tおよび車室内湿度hを決定し、当該車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とし、当該車室内風速vを車室内温度の仮温度目標値とし、当該車室内風速vを車室内風速の仮風速目標値とする。
例えば、現在のセンサ3の車室内温度センサが出力した信号に基づいて現在の車室内温度を特定し、特定した車室内温度から所定のオフセット温度だけオフセットした値を車室内温度tとして上記関係式に代入し、また、あらかじめ定められた3個(あるいは4個以上でもよい)の異なるプリセット風速値のうちいずれか1つを選択して車室内風速vとして上記関係式に代入し、また、上記関係式を満たすように車室内湿度hを決定する。
そして、代入した車室内温度tおよび車室内風速vをそれぞれ車室内温度の仮温度目標値および車室内風速の仮風速目標値とし、算出した車室内湿度hを車室内湿度の仮湿度目標値とする。なお、オフセット温度は、第1実施形態と同じものを用いればよい。また、プリセット風速値のうちどれを選択するかは、取得した体感温度が第1の閾値未満である場合は最小のプリセット風速値(例えば風速ゼロ)を選択し、第1の閾値以上第2の閾値未満である場合は中間のプリセット風速値を選択し、第2の閾値以上である場合は最大にプリセット風速値を選択するようになっていてもよい。なお、第2の閾値は第1の閾値よりも大きい。
このようにして、ステップ310では、仮湿度目標値、仮温度目標値、仮風速目標値を算出する。
続いてステップ315では、室内温度制御部13が出力した最新の温度制御可能範囲を確認する。具体的には、室内温度制御部13がRAMに記録した最新の温度制御可能範囲を読み出す。続いてステップ320では、室内湿度制御部14が出力した最新の湿度制御可能範囲を確認する。具体的には、室内湿度制御部14がRAMに記録した最新の湿度制御可能範囲を読み出す。続いてステップ322では、気流制御部18が出力した最新の風速制御可能範囲を確認する。具体的には気流制御部18がRAMに記録した最新の風速制御可能範囲を読み出す。
続いてステップ325では、ステップ310で算出した仮目標値(仮温度目標値、仮湿度目標値、および仮風速目標値)のそれぞれが、ステップ315、320、322で取得した制御可能範囲内に入っているか否かを判定する。
より具体的には、仮温度目標値が温度制御可能範囲内に入っており、かつ、仮湿度目標値が湿度制御可能範囲内に入っており、かつ、仮風速目標値が風速制御可能範囲内に入っている場合に、ステップ325の判定結果が肯定(YES)となりステップ330に進み、仮温度目標値、仮湿度目標値、および仮風速目標値のうちいずれか1つ以上が、対応する制御可能範囲(仮温度目標値なら温度制御可能範囲、仮湿度目標値なら湿度制御可能範囲、仮風速目標値なら風速制御可能範囲)の範囲内に入っていない場合、ステップ325の判定結果が否定(NO)となりステップ335に進む。
3つすべての仮目標値が各制御可能範囲内に入っている場合のステップ330では、仮温度目標値を車室内温度の目標値(以下、目標温度ともいう)として決定し、また、仮湿度目標値を車室内湿度の目標値(以下、目標湿度ともいう)として決定し、また、仮風速目標値を車室内風速の目標値(以下、目標風速ともいう)として決定する。
続いてステップ340では、ステップ330で決定した目標値を通知する。具体的には、目標温度を室内温度制御部13に出力し、目標湿度を室内湿度制御部14に出力し、目標風速を気流制御部18に出力する。
仮目標値のいずれかが対応する制御可能範囲内に入っていない場合のステップ335では、仮温度目標値、仮湿度目標値、仮風速目標値を再計算する。
再計算の方法としては、以下の(P)、(Q)のような方法を採用してもよい。
(P)3つの仮目標値(仮温度目標値、仮湿度目標値、仮風速目標値)のうち2つが対応する制御可能範囲内に入っており、残り1つが対応する制御可能範囲内に入っていない場合、当該1つの仮目標値を、対応する制御可能範囲の上限値および下限値のうち近い方と同じ値となるよう変更し、変更後の仮目標値を上述の関係式の対応する変数(例えば、仮温度目標値なら車室内温度t)に代入し、ステップ310で特定した体感温度の範囲の代表値を当該関係式の体感温度に代入し、当該関係式を満たすよう、残りの2つの変数(車室内温度t、車室内湿度h、車室内風速vのうち2つ)を対応する制御可能範囲内で決定し、当該残りの2つの変数の値を対応する仮目標値とする。この際、当該残りの2つの変数のうち1つは、対応する制御可能範囲内の中央値に設定してもよい。
(Q)3つの仮目標値(仮温度目標値、仮湿度目標値、仮風速目標値)のうち1つが対応する制御可能範囲内に入っており、残り2つが対応する制御可能範囲内に入っていない場合、当該2つの仮目標値を、対応する制御可能範囲の上限値および下限値のうち近い方と同じ値となるよう変更し、変更後の仮目標値を既述の関係式
(体感温度)=37−(37−t)/(0.68−0.0014×h+1/A)−0.29×t×(1−h/100)、
A=1.76+1.4×v0.75
の対応する変数(例えば、仮温度目標値なら車室内温度t)に代入し、ステップ310で特定した体感温度の範囲の代表値を当該関係式の体感温度に代入し、当該関係式を満たすよう、残りの1つの変数(車室内温度t、車室内湿度h、車室内風速vのうち1つ)を対応する制御可能範囲内で決定し、当該残りの1つの変数の値を対応する仮目標値とする。
上記(P)、(Q)のようにすることで、3つの仮目標値のうち1つまたは2つのみが対応する制御可能範囲から外れている場合でも、ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内(例えば、「肌寒い」に応じた体感温度の範囲内)で、外れている仮目標値のみならず外れていない仮目標値までも修正することになる。
したがって、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、気流制御部18のいずれかの制御部のフィードバック結果が、残りの2つの制御部の処理内容に影響を及ぼすことになる。
ステップ335に続いては、ステップ330に進み、既に説明した通り、仮温度目標値を目標温度として決定し、また、仮湿度目標値を目標湿度として決定し、仮風速目標値を目標風速として決定し、ステップ340で、当該目標温度を室内温度制御部13に出力し、当該目標湿度を室内湿度制御部14に出力し、当該目標風速を気流制御部18に出力する。このようにすることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、快適制御部12を快適要求判定部11、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16とは別のECU(第1ECU1)に配置することで、ユーザの意図をどのように反映して状態量の目標値を算出するか(すなわち、快適制御部12の機能)が変更可能となっている場合に、変更が簡単である。例えば、第1実施形態のように、不快指数という観点を用いてユーザの意図を状態量の目標値に変換する快適制御部12と、本実施形態のように、体感温度という観点を用いてユーザの意図を状態量の目標値に変換する快適制御部12の2種類が用意されている場合に、快適制御部12を切り出して、快適要求判定部11、室内温度制御部13、室内湿度制御部14、エアコン制御部15、除湿機制御部16とは別のECU(第1ECU1)に搭載することで、第2ECU2を入れ替える必要なく、第1ECU1を入れ替えるのみで、ユーザの意図をどのように反映して状態量の目標値を算出するかの制御の入れ替えを容易に実現することができる。
また、2つの種類の快適制御部12のうち、一方が、気流制御部18と室内ファン制御部19の使用を前提としているのに対し、他方が、気流制御部18と室内ファン制御部19の不使用を前提としている場合は、図8に示した通り、前者の快適制御部12と共に気流制御部18と室内ファン制御部19を同じECU(第1ECU1)に配置し、後者の場合、図11に示すように、快適制御部12のみを第1ECU1に配置すれば、第2ECU2はすべての車両において共用することができ、前者と後者の変更は、第2ECU2を適宜変更すればよい。このような構成は、例えば、普及車と高級車など、グレードの異なる車両において第2ECU2を共用する場合に便利である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の車載制御装置は、図12に示すように、第1実施形態の構成に加え、車室内温度の制御用のアクチュエータとして、エアコン5以外にも、リヤエアコン制御部20を有している。
リヤエアコン制御部20は、車室内の後部に取り付けられた空気吹き出し口から車室内に冷気および暖気を流入させることで、主に車室内後部の冷房および暖房を行うアクチュエータである。これに対し、エアコン5は、車室内の前部に取り付けられた空気吹き出し口から車室内に冷気および暖気を流入させることで、車室内の冷房および暖房を行うアクチュエータである。
また、本実施形態では、各部1〜16の第1ECU1および第2ECU2への配置が、第1実施形態とは異なっている。具体的には、第1ECU1が室内温度制御部13およびエアコン制御部15を有し、第2ECU2が快適要求判定部11、快適制御部12、室内湿度制御部14、除湿機制御部16を有している。
また、第1ECU1の制御回路は、ROM中の所定のプログラムを実行することで、リヤエアコン制御部20(第1の装備制御手段の一例に相当する)としても機能する。すなわち、第1ECU1は、リヤエアコン制御部20を有している。
図13に、本実施形態における各部11〜20の階層構成を示す。快適要求判定部11、快適制御部12、エアコン制御部15、室内湿度制御部14、除湿機制御部16の処理内容は第1実施形態と同じである。
室内温度制御部13は、快適制御部12が出力してRAMに記録された目標温度を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した目標温度を実現するために、エアコン制御部15についての制御指示値に加え、除湿機制御部16についての制御指示値を出力する
例えば、車室内温度センサとして、車室内前部の温度を検出する前部温度センサと、車室内後部の温度を検出する後部温度センサとを、センサ3が有している場合、室内温度制御部13は、前部温度センサの検出値と目標温度に基づいてエアコン制御部15用の制御温度を算出してエアコン制御部15に出力し、また、後部温度センサの検出値と目標温度に基づいてリヤエアコン制御部20用の制御温度を算出してリヤエアコン制御部20に出力する。
具体的には、エアコン制御部15用の制御温度については、まず、前部温度センサの出力した信号に基づいて、現在の車室内前部の温度を特定し、この現在の車室内前部の温度と、読み出した目標温度とを比較する。
そして、冷房時には(すなわち、目標温度が現在の車室内の前部の温度よりも低い場合は)、目標温度よりも所定のオフセット温度だけ低下させた温度をエアコン制御部15用の制御指示値の温度(すなわち、エアコン制御部15用の制御温度)とする。そして、このオフセット温度は、目標温度と現在の車室内の前部の温度との差の絶対値が大きいほど大きくすることで、より早く車室内を目標温度に到達させることができる。
また同様に、暖房時には(すなわち、目標温度が現在の車室内温度よりも高い場合は)、目標温度よりも所定のオフセット温度だけ上昇させた温度を制御指示値の温度(すなわち、制御温度)とする。そして、このオフセット温度は、目標温度と現在の車室内の前部の温度との差の絶対値が大きいほど大きくすることで、より早く車室内を目標温度に到達させることができる。そして、算出した制御温度を制御指示値としてエアコン制御部15に出力する。
また、リヤエアコン制御部20用の制御温度については、まず、後部温度センサの出力した信号に基づいて、現在の車室内後部の温度を特定し、この現在の車室内後部の温度と、読み出した目標温度とを比較する。
そして、冷房時には(すなわち、目標温度が現在の車室内の後部の温度よりも低い場合は)、目標温度よりも所定のオフセット温度だけ低下させた温度をリヤエアコン制御部20用の制御指示値の温度(すなわち、リヤエアコン制御部20用の制御温度)とする。そして、このオフセット温度は、目標温度と現在の車室内の後部の温度との差の絶対値が大きいほど大きくすることで、より早く車室内を目標温度に到達させることができる。
また同様に、暖房時には(すなわち、目標温度が現在の車室内温度よりも高い場合は)、目標温度よりも所定のオフセット温度だけ上昇させた温度を制御指示値の温度(すなわち、制御温度)とする。そして、このオフセット温度は、目標温度と現在の車室内の後部の温度との差の絶対値が大きいほど大きくすることで、より早く車室内を目標温度に到達させることができる。そして、算出した制御温度を制御指示値としてリヤエアコン制御部20に出力する。
この際、エアコン制御部15用およびリヤエアコン制御部20用の制御温度の出力は、制御回路に含まれるRAMへ制御温度を書き込むことで実現する。なお、上記のように現在の車室内前部および後部の温度に基づいた制御ではなく、目標温度と同じ値の角制御温度をを出力するようになっていてもよい。
リヤエアコン制御部20(第2の装備制御手段の一例に相当する)は、室内温度制御部13によって出力された(RAMに書き込まれた)リヤエアコン制御部20用の制御温度(制御指示値)を定期的に(例えば1秒に1回)読み出すことで取得し、取得した制御温度に従って、取得した制御温度を実現するよう、種々の周知の方法で、リヤエアコン制御部20を制御する。
このように、車室内前部を冷暖房するエアコン5と車室内後部を冷暖房するリヤエアコン制御部20とを併用する場合にも、本発明の階層構造による制御は適用可能である。
また、本実施形態では、第1ECU1が、室内温度制御部13、エアコン制御部15、およびリヤエアコン制御部20を有し、第2ECU2が、快適要求判定部11と、快適制御部12と、室内湿度制御部14と、除湿機制御部16と、を有する構成となっている。
このような構成にすることで、アクチュエータについて複数種類の装備構成が可能なときの開発が容易になる。例えば、車室内の温度制御用のアクチュエータの構成として、本実施形態のようにエアコン(フロントエアコン)5とリヤエアコン制御部20の両方を有する構成Aと、エアコン5のみを有する構成Bの2種類が用意されている場合を考える。
この場合、状室内温度制御部13およびその1つ下位のエアコン制御部15、リヤエアコン制御部20をを切り出して快適要求判定部11、快適制御部12、室内湿度制御部14、除湿機制御部16と別のECUに搭載することで、A、Bどちらの構成を使用しても、それに応じて第1ECUのみを替えればよく、目標温度(第2の状態量の一例に相当する)の演算部分(快適制御部12)のECU、すなわち第2ECU2は共通で利用することができる。
つまり、構成Aを用いる場合は、図12のように、室内温度制御部13、エアコン制御部15、リヤエアコン制御部20を有する第1ECU1を車載制御装置に組み込み、構成Bを用いる場合は、図14に示すように、室内温度制御部13(第1実施形態の室内温度制御部13と同じ機能を有する)とエアコン制御部15を有し、リヤエアコン制御部20を有さない第1ECU1を車載制御装置に組み込むことができる。
つまり、装備のバリエーションがある部分を第1ECU1に、バリエーションがない部分を第2ECU2としてまとめることにより、第2ECU2はすべての車両において共用することができ、第1ECU1は装備の設置状況に応じて開発することができる。
例えば、同一車種における、グレードや仕様(寒冷地仕様か否か)などにより装着される装備が異なる場合、このような構成が有利になる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
(1)上記実施形態では、各部11〜20は、2つのECU1、2に分けて搭載されているが、1つのECUにまとめて搭載されるようになっていてもよい。あるいは、3つ以上のECUに分けて搭載されていてもよい。
(2)また、上記実施形態では、ユーザ意図出力手段(快適要求判定部11)、意図−状態変換手段(快適制御部12)、状態−装備変換手段(各部13、14、18)、装備制御手段(各部15、16、17、19、20)の階層構成を、車室内の空調制御(温度、湿度、風速等の制御)を目的とするシステムに適用しているが、本発明の車載制御装置の階層構成は、空調システムに限らず、車両に関する制御なら、どのようなものに応用してもよい。
例えば、車両の旋回時に車両の車輪速およびステア角を制御することで、適切な旋回を実現するシステムに応用することもできる。図15に、このような応用例におけるユーザ意図出力手段、意図−状態変換手段、状態−装備変換手段、装備制御手段の階層構成例を示す。
図15の例では、旋回要求判定部31がユーザ意図出力手段に該当し、旋回制御部32が意図−状態変換手段に該当し、車輪速制御部33が第1の状態−装備変換手段に該当し、ステア角制御部34が第2の状態−装備変換手段に該当し、パワートレイン制御部35が第1の装備制御手段に該当し、ステア制御部36が第2の装備制御手段に該当する。
本例では、これら各部31〜36は、1つのECUの制御回路が所定のプログラムを実行することで実現するようになっていてもよい。すなわち、1つのECUに備えられていてもよい。あるいは、互いに通信可能な複数のECUに分散して備えられていてもよい。
以下、各部31〜36の作動について説明する。旋回要求判定部31は、操作入力手段としてのステアリングハンドルの操作量を検出して信号として出力するステア操作量センサ(センサの一例に相当する)から出力された当該信号に応じてユーザの意図(ステアリングハンドルの操作量)を示す信号を旋回制御部32に出力する。具体的には、ステアリングハンドルの操作量を示す信号を旋回制御部32に出力する。
そして、旋回制御部32は、旋回要求判定部31が出力した信号によって示されるユーザの意図(ステアリングハンドルの操作量)に応じた車両内の制御を実現するため、パワートレインに発生させる車両の車輪速(第1の状態量)の目標値を車輪速制御部33に出力し、車両の操舵輪のステア角(第2の状態量)の目標値をステア角制御部34に出力する。
また、車輪速制御部33は、旋回制御部32が出力した車輪速の目標値を実現するために、パワートレイン(第1のアクチュエータ)についての制御指示値(例えば駆動トルク)を算出してパワートレイン制御部35に出力する。また、パワートレイン制御部35は、車輪速制御部33が出力した制御指示値(駆動トルク)に従って、パワートレインを制御する。
また、ステア角制御部34は、旋回制御部32が出力したステア角の目標値を実現するために、ステア角を制御するアクチュエータ(第2のアクチュエータ)についての制御指示値(例えばステア角そのもの)を算出してステア制御部36に出力する。また、ステア制御部36は、ステア角制御部34が出力した制御指示値(ステア角)に従って、ステア角を制御するアクチュエータを制御する。
そして、車輪速制御部33は、パワートレインの能力に応じた車輪速の制御可能範囲を特定し、特定した車輪速の制御可能範囲を旋回制御部32に出力し、またステア角制御部34は、ステア角を制御するアクチュエータの能力に応じたステア角の制御可能範囲を特定し、特定したステア角の制御可能範囲を旋回制御部32に出力する。
そして、旋回制御部32は、これら車輪速およびステア角の制御可能範囲に入るよう、車輪速およびステア角の目標値をそれぞれ特定して出力する。例えば、ユーザの意図(ステアリングハンドルの操作量)に基づいて車輪速の仮目標値およびステア角の仮目標値を算出し、算出した車輪速の仮目標値が、車輪速の制御可能範囲の範囲内に入っておらず、かつ、ステア角の仮目標値が、ステア角の制御可能範囲内に入っているとき、ユーザのステアリングハンドルの操作量に応じた車両内の制御を実現する範囲内で、車輪速の制御可能範囲に入るよう車輪速の仮目標値を補正すると共に、ステア角の制御可能範囲に入るようステア角の仮目標値を補正し、補正後の車輪速の仮目標値およびステア角の仮目標値を、それぞれ、車輪速の目標値およびステア角の目標値として出力する。
(3)また、上記実施形態では、快適制御部12は、状態−装備変換手段13、14、18はに対して制御可能範囲の要求を定期的に出力するようになっていてもよい。
(4)また、第3、第4実施形態の車載制御装置も、第2実施形態のように、車室内湿度制御用のアクチュエータとして加湿器7を有し、さらに、加湿器7を制御する加湿制御部17を有していてもよい。この場合、加湿制御部17は、第2ECU2が有するようになっていればよい。
(5)また、上記実施形態では、操作入力装置4は、寒暖に関するユーザの意図する(望む)体感として、「寒い」、「肌寒い」、「何も感じない」、「快い」、「暑くない」、「やや暑い」、「暑くて汗が出る」、「暑くてたまらない」という体感のうち1つを入力するためのボタンとなっている。しかし、操作入力装置4は、寒暖に関するユーザの現状の体感として、「寒い」、「肌寒い」、「何も感じない」、「快い」、「暑くない」、「やや暑い」、「暑くて汗が出る」、「暑くてたまらない」という体感のうち1つを入力するためのボタンとなっていてもよい。
後者の場合、快適要求判定部11は、操作入力装置4から現状の体感を取得し、取得した現状の体感に基づいて、目標の不快指数の範囲または体感温度の範囲を特定し、特定した目標の不快指数の範囲または体感温度の範囲を、ユーザの意図として快適性制御部12に出力するようになっていてもよい。例えば、操作入力装置4から、「肌寒い」を示すボタンが操作された旨の信号を受けた場合、より車室内を暖かくするため、目標の不快指数の範囲を、現在の不快指数(車室内温度と車室内湿度の検出値から算出する)よりも高い範囲に設定するようになっていてもよいし、あるいは、目標の体感温度の範囲を現在の車室内温度の検出値よりも高い範囲に設定するようになっていてもよい。
(6)また、上記の実施形態において、第1ECU1、第2ECU2の制御回路がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
3 センサ
4 操作入力装置
5 エアコン
6 除湿機
7 加湿器
8 室内ファン
9 リヤエアコン
11 快適要求判定部(ユーザ意図出力手段)
12 快適制御部(意図−状態変換手段)
13 室内温度制御部(状態−装備変換手段)
14 室内湿度制御部(状態−装備変換手段)
15 エアコン制御部(状態−装備変換手段)
16 除湿機制御部(装備制御手段)
17 加湿制御部(装備制御手段)
18 気流制御部(装備制御手段)
19 室内ファン制御部(装備制御手段)
20 リヤエアコン制御部(装備制御手段)

Claims (6)

  1. センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した信号に基づいて、車両に搭載された第1のアクチュエータ(5〜9)を制御する車載制御装置であって、
    前記センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した前記信号に応じてユーザの意図を示す情報を出力するユーザ意図出力手段(11、31)と、
    前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現するため、前記車両の第1の状態量の目標値を出力する意図−状態変換手段(12、32)と、
    前記意図−状態変換手段(12、32)が出力した前記第1の状態量の目標値を実現するために、前記第1のアクチュエータ(5〜9)についての制御指示値を出力する第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)と、
    前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した制御指示値に従って、前記第1のアクチュエータ(5〜9)を制御する第1の装備制御手段(15、16、17、19、20、35、36)と、を備え、
    前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、前記第1のアクチュエータ(5〜9)の能力に応じた前記車両の前記第1の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した前記第1の状態量の前記制御可能範囲を前記意図−状態変換手段(12、32)に出力し、
    前記意図−状態変換手段(12、32)は、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した前記第1の状態量の前記制御可能範囲の範囲内に入るよう、前記第1の状態量の目標値を算出することを特徴とする車載制御装置。
  2. センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した信号に基づいて、車両に搭載された第1のアクチュエータ(5〜9)および第2のアクチュエータ(5〜9)を制御する車載制御装置であって、
    前記センサ(3)または操作入力装置(4)が出力した前記信号に応じてユーザの意図を示す情報を出力するユーザ意図出力手段(11、31)と、
    前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現するため、前記車両の第1の状態量の目標値と前記車両の第2の状態量の目標値を出力する意図−状態変換手段(12、32)と、
    前記意図−状態変換手段(12、32)が出力した前記第1の状態量の目標値を実現するために、前記第1のアクチュエータ(5〜9)についての制御指示値を出力する第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)と、
    前記意図−状態変換手段(12、32)が出力した前記第2の状態量の目標値を実現するために、前記第2のアクチュエータ(5〜9)についての制御指示値を出力する第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)と、
    前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した制御指示値に従って、前記第1のアクチュエータ(5〜9)を制御する第1の装備制御手段(15、16、17、19、20、35、36)と、
    前記第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した制御指示値に従って、前記第2のアクチュエータ(5〜9)を制御する第2の装備制御手段(15、16、17、19、20、35、36)と、を備え、
    前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、前記第1のアクチュエータ(5〜9)の能力に応じた前記車両の前記第1の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した前記第1の状態量の前記制御可能範囲を前記意図−状態変換手段(12、32)に出力し、
    前記第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)は、前記第2のアクチュエータ(5〜9)の能力に応じた前記車両の前記第2の状態量の制御可能範囲を特定し、特定した前記第2の状態量の前記制御可能範囲を前記意図−状態変換手段(12、32)に出力し、
    前記意図−状態変換手段(12、32)は、
    前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内で、前記第1の状態量の仮目標値および前記第2の状態量の仮目標値を算出し、
    前記第1の状態量の仮目標値が、前記第1の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した前記第1の状態量の前記制御可能範囲の範囲内に入っておらず、かつ、前記第2の状態量の仮目標値が、前記第2の状態−装備変換手段(13、14、18、33、34)が出力した前記第2の状態量の前記制御可能範囲の範囲内に入っているとき、前記ユーザ意図出力手段(11、31)が出力した情報によって示される前記ユーザの意図に応じた車両内の制御を実現する範囲内で、前記第1の状態量の前記制御可能範囲に入るよう前記第1の状態量の仮目標値を補正すると共に、前記第2の状態量の前記制御可能範囲に入るよう前記第2の状態量の仮目標値を補正し、
    補正後の前記第1の状態量の仮目標値および前記第2の状態量の仮目標値を、前記第1の状態量の目標値および前記第2の状態量の目標値として出力することを特徴とする車載制御装置。
  3. 第1ECUと、前記第1ECUと通信可能な第2ECUと、を備え、
    前記第1ECUは、前記ユーザ意図出力手段を有し、
    前記第2ECUは、前記意図−状態変換手段と、前記第1の状態−装備変換手段と、前記第1の装備制御手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車載制御装置。
  4. 第1ECUと、前記第1ECUと通信可能な第2ECUと、を備え、
    前記第1ECUは、前記意図−状態変換手段(12)と、前記第2の状態−装備変換手段(18)と、前記第2の装備制御手段(19)とを有し、
    前記第2ECUは、前記ユーザ意図出力手段(11)と、前記第1の状態−装備変換手段(14)と、前記第1の装備制御手段(16)と、を有することを特徴とする請求項2に記載の車載制御装置。
  5. 第1ECUと、前記第1ECUと通信可能な第2ECUと、を備え、
    前記第1ECUは、前記第2の状態−装備変換手段(13)と、前記第2の装備制御手段(15、20)とを有し、
    前記第2ECUは、前記ユーザ意図出力手段(11)と、前記意図−状態変換手段(12)と、前記第1の状態−装備変換手段(14)と、前記第1の装備制御手段(16)と、を有することを特徴とする請求項2に記載の車載制御装置。
  6. 前記第1のアクチュエータは車室内温度を制御するエアコン(5)であり、
    前記第2のアクチュエータは車室内を除湿する除湿器(6)であり、
    前記第1の状態量は車室内温度であり、
    前記第2の状態量は車室内湿度であることを特徴とする請求項2、4および5のいずれか1つに記載の車載制御装置。
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