JP5157368B2 - 制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両に搭載される制御装置に関する。
車両には、種々のアクチュエータを制御する車載装置が多数搭載されており、各車載装置は互いに連携してアクチュエータを制御し、様々な機能を実現している。近年、これら車載装置の性能は目覚しく向上しており、車両の低燃費化や安全性の向上等に寄与しているが、それに伴い、車載装置のプログラムは大規模化、複雑化しており、プログラム開発に必要な工数の増大化が問題となっている。
特許文献1には、プログラムを効率良く開発することが可能な運転制御装置についての発明が記載されている。特許文献1に記載の運転制御装置のプログラム構成は、車両の運転に関連する情報である運転関連情報に基づき、目標車両状態量を生成する指令部と、指令部が生成した目標車両状態量に基づきアクチュエータを制御する実行部とに階層化されている。そして、この指令部は、車両の動的挙動を考慮せずに、運転関連情報に基づき第一の目標車両状態量を生成する上位指令部と、上位指令部にて生成された第一の目標車両状態量に基づき、車両の動的挙動を考慮して第二の目標車両状態量を生成する下位指令部とに、更に階層化されている。ここで、車両の動的挙動を考慮して第二の目標車両状態量を生成するとは、具体的には、例えば、上位指令部において算出された目標加速度や目標舵角といった目標車両状態量に対し、車種固有の運動特性を考慮して補正を行い、より適切な目標車両状態量を算出することを意味している。
特許文献1に記載の運転制御装置のプログラム構成は、指令部と実行部が互いに独立しており、更に指令部は、互いに独立した上位指令部と下位指令部とから構成されている。したがって、各階層について単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各階層のプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
特開2003−191774号公報
しかしながら、技術の進歩等により運転制御装置に信号を入力するセンサや、運転制御装置の制御対象であるアクチュエータは変化していく。また、ある車種に特化した運転制御装置を他の車種に転用する場合、センサやアクチュエータは全面的に変更となる場合もある。センサやアクチュエータを変更する場合、特許文献1に記載の運転制御装置は、上位指令部と実行部とを改造しなければならないという問題点を有している。さらに、ある車種に特化した運転制御装置を他の車種に転用する場合であれば、車種の変更により車両の動的挙動までも変化するため、下位指令部も改造する必要が生じる。したがって、プログラムを全面的に改造しなれければならない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、制御装置に対し信号を入力するセンサや、制御装置の制御対象である車両装備の変更に応じてプログラムを改造する際の開発効率を更に向上させることが可能な制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の制御装置は、外部から1又は2以上の入力信号を取得し、取得した入力信号に基づき車両装備を制御する。また、制御装置が備えるコンピュータのプログラム構造は、複数の独立した階層から構成されている。この階層として、入力信号に基づき生成された外部入力情報を取得し、取得した外部入力情報を抽象化した情報である入力抽象化情報を生成する処理が行われる入力抽象化層と、入力抽象化層から予め定められた入力抽象化情報を取得し、取得した入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報を生成する処理が行われる目的層とを有する。また、この階層として、目的層から取得した目的情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量を、この目的情報が示すユーザの目的を達成可能となる値に設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成する状態量情報生成処理が行われる車両状態層を有する。
また、車両状態層にて行われる状態量情報生成処理とは、外部入力情報を更に取得し、取得した外部入力情報を加味して状態量を設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成する処理である。
ここで、独立した階層とは、この階層におけるプログラムが、他の処理単位におけるプログラムに依存することなくコンピュータにて実行可能であるということを意味する。請求項1に記載の制御装置では、入力抽象化層、目的層、及び車両状態層の各階層について単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各階層のプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、外部入力情報を抽象化した情報とは、外部入力情報が示す事象を上位概念化した事象を示す情報を意味する。より具体的には、外部入力情報が示す事象を、より一般化、より総称化、又は、より抽象化した事象を示す情報を意味する。
また、ユーザの目的とは、ユーザが自車両を用いて実現しようとする事柄のことである。
また、車両の状態とは、自車両そのものの状態、又は、自車両が影響を与える車内及び車外の環境のことであり、具体的には、車両の加速度や、車両のドアの開度や、車両の乗車許可状態や、車室内の明度や、車両前方の明度等のことである。車両の状態の状態量とは、このような車両の状態の状況を示すための値である。請求項1に記載の制御装置では、車両状態層にて生成された車両の状態の状態量に基づき車両装備の制御を行う。
ここで、車両状態層にて行われる処理について、具体的に説明する。例えば、車両の状態として“自車両周辺の明るさ”という状態が定義されており、車両状態層が目的層から“ドライバが自車両の前方の状態を視認するための支援を行う”というユーザの目的を示す目的情報を取得したと仮定する。ここで、“自車両周辺の明るさ”という車両の状態の状態量に相当するものの一例として、自車両周辺の明度分布データを挙げることができる。車両状態層では、“ドライバが自車両の前方の状態を視認するための支援を行う”というユーザの目的を達成できるよう、自車両の前方の明度を高い状態に設定された自車両周辺の明度分布データを生成し、出力する。そして、車両状態層にて生成された明度分布データに基づき、例えば車両のヘッドライトの光の強度、位置、及び角度等の制御を行えば良い。
制御装置が制御する車両装備は、技術の進歩等に応じて変化するため、それに応じて、制御装置のプログラムの対応する部分を改造する必要がある。しかし、車両装備等が変化したとしても、よほど革新的な変化でなければ、ユーザの目的、つまりユーザが車両を用いて実現しようとする事柄までもが変わってしまうということは無いと考えられる。したがって、通常は、車両装備等が変化に応じてユーザの目的を推定するアルゴリズムを変更する必要はない。
上述したように、請求項1に記載の制御装置では、車両状態層にて生成された車両の状態の状態量に基づき車両装備の制御を行うため、目的層にて車両装備を考慮する必要はない。したがって、請求項1の制御装置は、車両装備の変更に対処するためにプログラムの改造を行う際、目的層の変更を行う必要がない。
同様に、制御装置への入力信号を生成するセンサ等も、技術の進歩等に応じて変化するため、それに応じて、制御装置のプログラムの対応する部分を改造する必要がある。請求項1に記載の制御装置では、入力抽象化層にて入力信号に基づき生成された外部入力情報を抽象化して入力抽象化情報を生成しており、目的層に対し外部入力情報を隠蔽している。したがって、センサ等の変更が行われたとしても、入力抽象化層において変更前と同様の入力抽象化情報を生成可能であれば、目的層におけるユーザの目的の推定する処理を変更する必要が生じることはない。
このように、請求項1に記載の制御装置を制御するプログラムは、センサや車両装備を変更する場合、目的層をそのまま流用することが可能な構成となっている。したがって、センサや車両装備の変更に対処するためにプログラムを改造する際の開発効率を向上させることが可能となる。
また、車両状態層にて行われる状態量情報生成処理とは、外部入力情報を更に取得し、取得した外部入力情報を加味して状態量を設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成する処理である。このため、車両状態層は、制御装置の外部の正確な情報が反映された状態量情報を生成することが可能となり、より緻密な処理を行うことが可能となる。
なお、請求項2に記載されているように、車両状態層にて行われる状態量情報生成処理とは、入力抽象化情報を更に取得し、取得した入力抽象化情報を加味して状態量を設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成する処理であっても良い。
こうすることにより、車両状態層は、より柔軟な処理を行うことが可能となる。
また、請求項3に記載されているように、請求項1と同様に目的層と車両状態層とを有するプログラム構造の制御装置において、車両状態層にて行われる状態量情報生成処理とは、入力抽象化情報を更に取得し、取得した入力抽象化情報を加味して状態量を設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成する処理であっても良い。
このような構成によれば、請求項1に係る制御装置と同様の理由により、センサや車両装備の変更に対処するためにプログラムを改造する際の開発効率を向上させることが可能となる。また、車両状態層は、より柔軟な処理を行うことが可能となる。
また、車両装備を制御するための制御量を生成する階層として、以下のような階層を更に設けると良い。
請求項に記載の制御装置のプログラム構造は、階層として、制御装置が制御する車両装備の制御量を示す制御量情報を生成する制御量情報生成処理が行われる装備状態層を更に有する。そして、装備状態層にて行われる制御量情報生成処理とは、車両状態層から状態量情報を取得し、取得した状態量情報に係る車両の状態に影響を与える車両装備の制御量を、取得した状態量情報に基づき設定し、設定された制御量を示す制御量情報を生成する処理である。
こうすることにより、装備状態層にて、車両状態層から取得した車両の状態の状態量情報に基づき、車両装備の仕様等に応じた制御量情報を生成することが可能となる。したがって、車両装備を変更する際、車両状態層のプログラムを変更する必要がなくなり、車両装備の変更に対処するためにプログラムを改造する際の開発効率を向上させることが可能となる。
また、請求項5に記載の制御装置では、装備状態層にて行われる制御量情報生成処理とは、外部入力情報を更に取得し、取得した外部入力情報を加味して制御量を設定し、設定された制御量を示す制御量情報を生成する処理である。
こうすることにより、装備状態層は、制御装置の外部の正確な情報が反映された制御量情報を生成することが可能となり、より緻密な処理を行うことが可能となる。
また、次のような構成であっても良い。
請求項6に記載の制御装置では、装備状態層にて行われる制御量情報生成処理とは、入力抽象化情報を更に取得し、取得した入力抽象化情報を加味して制御量を設定し、設定された制御量を示す制御量情報を生成する処理である。
こうすることにより、装備状態層は、より柔軟な処理を行うことが可能となる。
また、車両状態層は、次のような構造であっても良い。
請求項7に記載の制御装置では、車両状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、車両状態層を構成するモジュールは車両の状態に対応しており、このモジュールでは、対応する車両の状態に関連するユーザの目的に係る目的情報を取得し、取得した目的情報に基づき、対応する車両の状態に係る状態量情報を生成する状態量情報生成処理が行われる。
ここで、独立したモジュールとは、このモジュールにおけるプログラムが、他の処理単位におけるプログラムに依存することなくコンピュータにて実行可能であるということを意味する。
こうすることにより、車両状態層のプログラムの改造が容易となる。
また、各モジュールについて単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各モジュールのプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、このような構成を有することにより、ユーザの目的を達成するために複数の車両の状態の状態量を設定するといった複雑な制御を行うことが可能となる。
また、車両状態層は、次のような構造であっても良い。
請求項8に記載の制御装置では、装備状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、装備状態層を構成するモジュールは車両装備に対応しており、このモジュールでは、対応する車両装備が影響を与える車両の状態に係る状態量情報を取得し、取得した状態量情報に基づき、対応する車両装備に係る制御量情報を生成する制御量情報生成処理が行われる。
ここで、独立したモジュールとは、このモジュールにおけるプログラムが、他の処理単位におけるプログラムに依存することなくコンピュータにて実行可能であるということを意味する。
こうすることにより、装備状態層のプログラムの改造が容易となる。
また、各モジュールについて単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各モジュールのプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、このような構成を有することにより、車両の状態の状態量に応じて複数の車両装備を連携して制御するといった複雑な制御を行うことが可能となる。
また、上述した制御装置のプログラム構造を自車両に搭載された照明を制御する装置のプログラムに適用すると、以下のような構成となる。
請求項9に記載の制御装置では、入力抽象化層にて行われる処理とは、外部入力情報としてドライバの顔映像を取得し、取得したドライバの顔映像に基づきドライバの視線を特定し、特定したドライバの視線の先にある場所をドライバが注目している場所とみなし、ドライバが注目している場所を示すドライバ注目情報を、入力抽象化情報として生成する処理である。また、目的層にて行われる処理とは、ドライバ注目情報を取得し、取得したドライバ注目情報が示すドライバが注目している場所を、ドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報である第一の視界支援情報を生成する処理である。また、車両状態層にて行われる状態量情報生成処理の一つは、目的層が生成した目的情報である第一の視界支援情報を取得し、取得した第一の視界支援情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量である自車両周辺の明度を設定し、設定された自車両周辺の明度を示す明度情報を生成する第一の明度情報生成処理である。そして、第一の明度情報生成処理では、取得した第一の視界支援情報が示すユーザの目的においてドライバが注目している場所の明度として、他の場所の明度よりも高い値を設定する。
このような構成を有することにより、制御装置の制御対象である照明の機種を変更する場合や、ドライバの顔映像を撮影するカメラの機種を変更する場合、目的層をそのまま流用することが可能となる。また、カメラ以外の手段を用いてドライバの視線を検知する場合であっても、目的層をそのまま流用することが可能となる。
また、請求項10に記載の制御装置では、入力抽象化層にて行われる処理とは、外部入力情報として自車両周辺の映像を取得し、自車両周辺の映像に基づき、自車両に交通事故を発生させる原因となる危険物の場所を特定し、特定した危険物の場所を示す危険物情報を、入力抽象化情報として生成する処理である。また、目的層にて行われる処理とは、危険物情報を取得し、取得した危険物情報が示す危険物の場所を、ドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報である第二の視界支援情報を生成する処理である。また、車両状態層にて行われる状態量情報生成処理の一つは、目的層が生成した目的情報である第二の視界支援情報を取得し、取得した第二の視界支援情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量である自車両周辺の明度を設定し、設定された自車両周辺の明度を示す明度情報を生成する第二の明度情報生成処理である。そして、第二の明度情報生成処理では、取得した第二の視界支援情報が示すユーザの目的においてドライバが視認する危険物の場所の明度として、他の場所の明度よりも高い値を設定する。
ここで、入力抽象化層は、自車両周辺の映像を外部入力情報として取得し、この映像に基づき危険物の場所を特定しても良い。また、例えば、レーダにより自車両周辺を探知した結果を外部入力情報として取得し、この自車両周辺を探知した結果に基づき危険物の場所を特定しても良い。
このような構成を有することにより、制御装置の制御対象である照明の機種を変更する場合や、自車両周辺の映像を撮影するカメラの機種等を変更する場合、目的層をそのまま流用することが可能となる。また、危険物の場所を特定する装置を変更する場合であっても、目的層をそのまま流用することが可能となる。
以下、本発明の実施形態である、外部からの入力信号に基づき車両装備を制御する制御装置のプログラム構造について説明する。尚、本発明の実施形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)プログラムの全体構成について
本実施形態の制御装置のプログラム構造は、目的軸階層構造と称する。まず、目的軸階層構造が適用された制御装置のプログラムの全体構成について説明する。
図1(a)には、目的軸階層構造が適用されたプログラムの全体構成を示すプログラム構成図10が記載されている。このプログラムは、ドライバ層200と、入力抽象化層300と、目的層400と、車両状態層500と、装備状態層600と、アクチュエータ制御層700とから構成されている。また、プログラム構成図10において、ドライバ層200の上位に描かれているスイッチ・センサとは、制御装置に対し入力信号を出力するデバイスを示している。また、プログラム構成図10において、アクチュエータ制御層700の下位に描かれているアクチュエータとは、制御装置により制御される車両装備を構成するアクチュエータ等の機械要素を示している。
ドライバ層200とは、制御装置が取得した入力信号を、制御装置が備えるコンピュータにて認識可能な情報である外部入力情報に変換し、変換した外部入力情報を入力抽象化層300、車両状態層500、装備状態層600、及びアクチュエータ制御層700に対して出力する階層である。
入力抽象化層300とは、ドライバ層200から取得した外部入力情報を抽象化した情報である入力抽象化情報を生成し、目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600に対して出力する階層である。
目的層400とは、入力抽象化層300から取得した入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報を生成し、生成した目的情報を車両状態層500に出力する階層である。
車両状態層500とは、目的層400から取得した目的情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量を、この目的情報が示すユーザの目的を達成可能となる値に設定し、設定された状態量を示す状態量情報を装備状態層600に出力する階層である。尚、車両状態層500は、ドライバ層200から取得した外部入力情報や、入力抽象化層300から取得した入力抽象化情報を加味して状態量情報を生成しても良い。
装備状態層600とは、車両状態層500から取得した状態量情報に係る車両の状態に影響を与える車両装備の制御量を、取得した状態量情報に基づき設定し、設定された制御量を示す制御量情報を生成し、生成した制御量情報をアクチュエータ制御層700に出力する階層である。尚、装備状態層600は、ドライバ層200から取得した外部入力情報や、入力抽象化層300から取得した入力抽象化情報を加味して制御量情報を生成しても良い。
アクチュエータ制御層700とは、装備状態層600から取得した制御量情報に基づきアクチュエータ等の機械要素を制御する制御信号を生成し、出力する階層である。尚、アクチュエータ制御層700は、ドライバ層200から取得した外部入力情報を加味して制御信号を生成しても良い。
(2)各階層を構成するモジュールについて
次に、プログラムを構成する各階層の構造と、各階層にて生成した情報の流れについて説明する。
図1(b)には、目的軸階層構造の各階層の構造の概要を示す概略構成図15が記載されている。尚、ここでは、本実施形態の制御装置には、ユーザからの操作を受け付けるスイッチであるSW1及びSW2と、外部の情報を取得するセンサであるセンサ1、センサ2、及びセンサ3とが接続されており、これらからの入力信号を取得すると仮定している。また、本実施形態の制御装置には、ランプ、ブザー、モータ1、モータ2、及びモータ3という機械要素が接続されており、これらを制御すると仮定している。
まず、各階層を構成するモジュールについて説明する。
ドライバ層200は、SW1ドライバ201と、SW2ドライバ202と、センサ1ドライバ203と、センサ2ドライバ204と、センサ3ドライバ205とから構成されている。ここで、SW1ドライバ201はSW1からの入力信号に基づき外部入力情報を生成し、SW2ドライバ202はSW2からの入力信号に基づき外部入力情報を生成する。センサ1ドライバ203はセンサ1からの入力信号に基づき外部入力情報を生成し、センサ2ドライバ204はセンサ2からの入力信号に基づき外部入力情報を生成し、センサ3ドライバ205はセンサ3からの入力信号に基づき外部入力情報を生成する。そして、各ドライバは、生成した外部入力情報を他の階層に出力する。
また、入力抽象化層300は、Aモジュール301と、Bモジュール302とから構成されている。これらのモジュールは、それぞれ入力抽象化情報を生成し、他の階層に対し出力する。
また、目的層400は、Cモジュール401と、Dモジュール402とから構成されている。これらのモジュールは、それぞれ目的情報を生成し、他の階層に対し出力する。
また、車両状態層500は、Eモジュール501と、Fモジュール502とから構成されている。これらのモジュールは所定の車両の状態と対応しており、対応する車両の状態の状態量を設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成し、生成した状態量情報を他の階層に対し出力する。
また、装備状態層600は、Gモジュール601と、Hモジュール602と、Iモジュール603とから構成されている。これらのモジュールは所定の車両装備と対応しており、対応する車両装備の制御量を設定し、設定された制御量を示す制御量情報を生成し、生成した制御量情報を他の階層に対し出力する。
また、アクチュエータ制御層700は、ランプ制御ドライバ701と、ブザー制御ドライバ702と、モータ1制御ドライバ703と、モータ2制御ドライバ704と、モータ3制御ドライバ705とから構成されている。ここで、ランプ制御ドライバ701は、ランプを制御するドライバである。また、ブザー制御ドライバ702は、ブザーを制御するドライバである。また、モータ1制御ドライバ703は、モータ1を制御するドライバである。また、モータ2制御ドライバ704は、モータ2を制御するドライバである。また、モータ3制御ドライバ705は、モータ3を制御するドライバである。尚、ランプ制御ドライバ701が制御するランプと、ブザー制御ドライバ702が制御するブザーとは、Gモジュール601に対応する車両装備を構成する機械要素である。また、モータ1制御ドライバ703が制御するモータ1とは、Hモジュール602に対応する車両装備を構成する機械要素である。また、モータ2制御ドライバ704が制御するモータ2と、モータ3制御ドライバ705が制御するモータ3とは、Iモジュール603に対応する車両装備を構成する機械要素である。
次に、各階層を構成するモジュールが生成した情報の出力先について説明する。
SW1ドライバ201、SW2ドライバ202、及びセンサ1ドライバ203は、生成した外部入力情報をAモジュール301に対し出力する。また、センサ2ドライバ204は、生成した外部入力情報をBモジュール302に対し出力する。また、センサ3ドライバ205は、生成した外部入力情報をBモジュール302と、Fモジュール502と、Iモジュール603と、モータ3制御ドライバ705とに出力する。
また、Aモジュール301は、生成した入力抽象化情報を、Cモジュール401と、Gモジュール601とに出力する。Bモジュール302は、生成した入力抽象化情報を、Dモジュール402と、Fモジュール502とに出力する。
また、Cモジュール401は、生成した目的情報をEモジュール501及びFモジュール502に出力し、Dモジュール402は、生成した目的情報をFモジュール502に出力する。
また、Eモジュール501は、生成した状態量情報をGモジュール601に出力する。また、Fモジュール502は、生成した状態量情報を、Hモジュール602と、Iモジュール603とに出力する。
また、Gモジュール601は、生成した制御量情報を、ランプ制御ドライバ701と、ブザー制御ドライバ702とに出力する。また、Hモジュール602は、生成した制御量情報を、モータ1制御ドライバ703に出力する。また、Iモジュール603は、生成した制御量情報を、モータ2制御ドライバ704と、モータ3制御ドライバ705に出力する。
このように、目的軸階層構造が適用されたプログラムを構成する各階層は、複数のモジュールから構成されている。そして、各モジュールは、上位の階層を構成するモジュールから情報を取得し、取得した情報に基づき生成した情報を、下位の階層を構成するモジュールに出力している。
(3)入力抽象化情報について
次に、入力抽象化層300が生成する入力抽象化情報について、具体例を挙げて説明する。図2の入力抽象化情報説明図20は、入力抽象化情報について説明するための説明図である。入力抽象化情報は、ユーザ要求351と、車両要求352と、車室内環境353と、車室外環境354と、車両状態355と、ユーザ状態356というグループに分類される。そして、ユーザ要求351と車両要求352とは、要求というグループに分類される。また、車室内環境353と車室外環境354とは、環境というグループに分類される。また、車両状態355とユーザ状態356とは、状態というグループに分類される。
ユーザ要求351とは、ユーザからの要求を示す入力抽象化情報が属するグループである。ユーザ要求351には、視界支援ユーザ要求351aと、乗車ユーザ要求351bと、降車ユーザ要求351cと、保護ユーザ要求351dとが属する。
ここで、視界支援ユーザ要求351aとは、ドライバが自車両周辺の所定の場所を視認するための支援の要求を示す情報である。また、乗車ユーザ要求351bとは、ユーザの乗車要求を示す情報である。また、降車ユーザ要求351cとは、ユーザの降車要求を示す情報である。また、保護ユーザ要求351dとは、不審者等からの保護要求を示す情報である。
また、車両要求352とは、自車両からの要求を示す入力抽象化情報が属するグループである。車両要求352には、WakeUp要求352aと、バッテリ充電要求352bと、電力負荷制限要求352cとが属する。
ここで、WakeUp要求352aとは、所定の車載装置の起動要求を示す情報である。また、バッテリ充電要求352bとは、自車両のバッテリ充電の要求を示す情報である。また、電力負荷制限要求352cとは、現在の自車両の消費電力を低減させる要求を示す情報である。
また、車室内環境353とは、車室内の環境を示す入力抽象化情報が属するグループである。車室内環境353には、車室内温度353aと、車室内明度353bと、車室内音量353cと、車室内臭度353dとが属する。
ここで、車室内温度353aとは、車室内の温度を示す情報である。また、車室内明度353bとは、車室内の明るさを示す情報である。また、車室内音量353cとは、自車両に搭載されたスピーカの音量を示す情報である。また、車室内臭度353dとは、車室内の臭度を示す情報である。
また、車室外環境354とは、自車両周辺の環境を示す入力抽象化情報が属するグループである。車室外環境354には、車室外温度354aと、車室外明度354bと、天気354cと、車室外臭度354dと、道路情報354eと、遮蔽物情報354fと、危険物情報354gと、不審者情報354hとから構成される。
ここで、車室外温度354aとは、自車両周辺における気温を示す情報である。また、車室外明度354bとは、自車両周辺の明るさを示す情報である。また、天気354cとは、自車両周辺の天気を示す情報である。また、車室外臭度354dとは、自車両周辺における臭度を示す情報である。また、道路情報354eとは、現在地周辺における、走行中の道路の道路形状を示す情報である。また、遮蔽物情報354fとは、ドライバの視界の妨げとなるものを示す情報である。また、危険物情報354gとは、自車両に交通事故を発生させる危険性を有する車両や歩行者等の危険物の位置、進行方向、進行速度等を示す情報である。また、不審者情報354hとは、不審者の位置を示す情報である。
また、車両状態355とは、自車両の状態を示す入力抽象化情報が属するグループである。車両状態355には、車両走行状態355aと、ドア開閉状態355bと、窓開閉状態355cと、屋根開閉状態355dとが属する。
ここで、車両走行状態355aとは、自車両の速度、進行方向、角速度、及び車高を示す情報である。また、ドア開閉状態355bとは、ドアの開度を示す情報である。また、窓開閉状態355cとは、パワーウインドウの開度を示す情報である。また、屋根開閉状態355dとは、屋根の開閉状態を示す情報である。
また、ユーザ状態356というグループは、ユーザの状態を示す入力抽象化情報が属するグループである。ユーザ状態356には、体温356aと、姿勢356bと、飲酒検知情報356cと、ユーザ情報356dが属する。
ここで、体温356aとは、ドライバの体温を示す情報である。また、姿勢356bとは、ドライバの姿勢の良し悪しを示す情報である。また、飲酒検知情報356cとは、ドライバの飲酒の有無を示す情報である。また、ユーザ情報356dとは、スマートエントリーシステムを構成する携帯機を所持する人が、この携帯機の所有者であるか否かを示す情報である。
(4)車両の状態について
車両の状態とは、自車両そのものの状態、又は、自車両が影響を与える車内及び車外の環境のことである。ここでは、この車両の状態の具体例について説明する。図3の車両の状態表30は、車両の状態の具体例と、その具体例が属するグループとを示している。車両の状態表30に記載されているように、車両の状態は、対車両というグループと、対環境というグループとに分類される。
対車両というグループに属する車両の状態とは、自車両そのものの状態のことである。具体的には、自車両の加速度や、自車両の外形等のことである。この対車両というグループに属する車両の状態は、挙動というグループと、形態というグループと、能力というグループとに更に分類される。挙動というグループに属する車両の状態とは、自車両の運動に関連する状態のことである。また、形態というグループに属する車両の状態とは、自車両の外形に関連する状態のことである。また、能力というグループに属する車両の状態とは、自車両の能力に関連する状態のことである。
挙動というグループに属する車両の状態として、車両加速度と、車両角加速度とが存在する。
また、形態というグループに属する車両の状態として、外形と、開閉とが存在する。この外形とは、自車両の外形のことであり、ドアの開閉等により変化する状態である。また、開閉とは、パワーウインドウの開度のことである。
また、能力というグループに属する車両の状態として、視界と、乗車許可が存在する。この視界とは、自車両前方の視界の良好さと、自車両後方の視界の良好さのことであり、フロントウインドウの状態や、ドアミラーの状態等により変化する状態である。また、乗車許可とは、ドアの施錠状態のことである。
一方、対環境というグループに属する車両の状態とは、車体付近の空間や物体の状態のことである。具体的には、車室内又は自車両付近の気温や、明度等のことである。この対環境というグループに属する車両の状態は、車両内環境というグループと、車両外環境というグループとに更に分類される。車両内環境というグループに属する車両の状態とは、車室内の状態のことである。また、車両外環境というグループに属する車両の状態とは、自車両周辺の状態のことである。車両内環境というグループに属する車両の状態として、車室内温度、車室内広さ、車室内明度、及び車室内音量という状態が存在する。この車室内広さとは、シートの位置及び角度や、ハンドルの位置等により変化する車室内の空間の広さのことである。また、車室内音量とは、車室内における音の大きさのことである。
また、車室外環境というグループに属する車両の状態として、車室外明度、及び車室外騒音という状態が存在する。車室外明度とは、自車両周辺の明度のことである。また、この車室外騒音とは、自車両周辺における音の大きさのことである。
(5)目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600の構造について
次に、目的軸階層構造が適用された制御装置のプログラムの構造や、このプログラムにて行われる処理の概要について、具体例を挙げて説明する。図4に記載されている詳細構成図40は、目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600のより詳細な構成について説明するための説明図である。詳細構成図40には、目的層400と、車両状態層500と、装備状態層600とを構成するモジュールと、これらのモジュールにて生成した情報の出力先とが具体的に示されている。
まず、目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600を構成するモジュール等について説明し、次に、これらの階層にて行われる処理について、具体例を挙げて説明する。
(5−1)目的層400について
まず、目的層400の構造について説明する。目的層400は、運転411、視界支援412、車室内環境421、乗降車支援422、乗降車423、防御431、及び撃退432というモジュールから構成されている。これらのモジュールは、入力抽象化層300から予め定められた入力抽象化情報を取得し、取得した入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定する。
各モジュールの概要について説明する。運転411とは、自車両の運転操作に関するドライバの目的を推定するモジュールである。また、視界支援412とは、ドライバが自車両周辺の状況を視認するための支援に関するユーザの目的を推定するモジュールである。また、車室内環境421とは、車室内の環境に関するユーザの目的を推定するモジュールである。また、乗降車支援422とは、ユーザが乗降車する際の、乗降車の支援に関するユーザの目的を推定するモジュールである。また、乗降車423とは、乗車又は降車するというユーザの目的を推定するモジュールである。また、防御431とは、車室内を防御するというユーザの目的を推定するモジュールである。また、撃退432とは、不審者を撃退するというユーザの目的を推定するモジュールである。
ここで、運転411と、視界支援412とは、移動410というグループに分類される。また、車室内環境421と、乗降車支援422と、乗降車423とは、居住420というグループに分類される。また、防御431と、撃退432とは、保管430というグループに分類される。
目的層400を構成するモジュールは、入力抽象化情報に基づき推定したユーザの目的を示す目的情報を生成し、生成した目的情報を車両状態層500に出力する。この時、目的層400を構成するモジュールは、生成した目的情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態に対応する車両状態層500のモジュールに対し、目的情報を出力する。詳細構成図40にて、目的層400を構成するモジュールから、車両状態層500を構成するモジュールに向かって描かれている矢印は、目的層400を構成するモジュールが、車両状態層500を構成するモジュールに対し出力する目的情報を示している。
目的層400を構成するモジュールが生成した目的情報の出力先について説明する。運転411が生成した目的情報は、車両加速度調整511と、車両角加速度調整512とに出力される。また、視界支援412が生成した目的情報は、車室外明度調整513と、視界調整514とに出力される。また、車室内環境421が生成した目的情報は、車室内広さ調整521と、車室内空気調整522と、車室内明度調整523と、車室内音調整524とに出力される。また、乗降車支援422が生成した目的情報は、車室外明度調整513と、車室内広さ調整521と、車室内明度調整523とに出力される。また、乗降車423が生成した目的情報は、開閉調整525と、乗車許可設定531とに出力される。また、防御431が生成した目的情報は、乗車許可設定531と、外形調整532とに出力される。また、撃退432が生成した目的情報は、車室外音調整533に出力される。
(5−2)車両状態層500について
次に、車両状態層500の構造について説明する。車両状態層500は、車両加速度調整511、車両角加速度調整512、車室外明度調整513、視界調整514、車室内広さ調整521、車室内空気調整522、車室内明度調整523、車室内音調整524、開閉調整525、乗車許可設定531、外形調整532、及び車室外音調整533というモジュールから構成されている。これらのモジュールは、図3の車両の状態表30に記載されている車両の状態に対応している。具体的には、車両加速度調整511は車両加速度に、車両角加速度調整512は車両角加速度に、車室外明度調整513は車室外明度に、視界調整514は視界に、車室内広さ調整521は車室内広さに、車室内空気調整522は車室内温度に、車室内明度調整523は車室内明度にそれぞれ対応している。また、車室内音調整524は車室内音量に、開閉調整525は開閉に、乗車許可設定531は乗車許可に、外形調整532は外形に、及び車室外音調整533は車室外音量にそれぞれ対応している。
車両状態層500を構成するモジュールは、対応する車両の状態の状態量(例えば、車両加速度調整511であれば車両の加速度)として、取得した目的情報が示すユーザの目的を達成可能となる値を設定する。そして、設定された状態量を示す状態量情報を、装備状態層600に出力する。詳細構成図40にて、車両状態層500を構成するモジュールから、装備状態層600を構成するモジュールに向かって描かれている矢印は、車両状態層500を構成するモジュールが、装備状態層600を構成するモジュールに対し出力する状態量情報を示している。
車両状態層500を構成するモジュールが生成した状態量情報の出力先について説明する。車両加速度調整511にて生成された状態量情報は、原動機回転611に出力される。また、車両角加速度調整512にて生成された状態量情報は、タイヤ旋回612に出力される。また、車室外明度調整513にて生成された状態量情報は、車室外光発生613と、車室外光向き調整614とに出力される。また、視界調整514にて生成された状態量情報は、ミラー加熱615と、窓払拭616とに出力される。また、車室内広さ調整521にて生成された状態量情報は、シート移動617と、ステアリング移動618とに出力される。また、車室内空気調整522にて生成された状態量情報は、温冷風発生619と、窓開閉622とに出力される。また、車室内明度調整523にて生成された状態量情報は、車室内光調整620と、屋根開閉623とに出力される。また、車室内音調整524にて生成された状態量情報は、音量調整621と、窓開閉622とに出力される。また、開閉調整525にて生成された状態量情報は、窓開閉622と、屋根開閉623と、ドア開閉624とに出力される。また、乗車許可設定531にて生成された状態量情報は、ドア開閉624と、錠制御625とに出力される。また、外形調整532にて生成された状態量情報は、屋根開閉623と、ドア開閉624と、ミラー格納展開626とに出力される。また、車室外音調整533にて生成された状態量情報は、車室外音発生627に出力される。
(5−3)装備状態層600について
次に、装備状態層600の構造について説明する。装備状態層600は、独立した複数のモジュールから構成されており、これらのモジュールは、車両装備に対応している。これらのモジュールとは、原動機回転611、タイヤ旋回612、車室外光発生613、車室外光向き調整614、ミラー加熱615、窓払拭616、シート移動617、ステアリング移動618、温冷風発生619、車室内光調整620、音量調整621、窓開閉622、屋根開閉623、ドア開閉624、錠制御625、ミラー格納展開626、及び車室外音発生627である。各モジュールは、取得した状態量情報に基づき、対応する車両装備の制御量情報を生成する。
各モジュールの概要について説明する。
原動機回転611とは、車両のエンジンに対応しているモジュールであり、このモジュールは、エンジンの制御量である回転数を設定し、設定した回転数を示す制御量情報を生成する。
また、タイヤ旋回612とは、パワーステアリングに対応しているモジュールであり、このモジュールは、パワーステアリングの制御量である舵角を設定し、設定した舵角を示す制御両情報を生成する。
また、車室外光発生613とは、車室外を照らす照明に対応しているモジュールである。車室外を照らす照明とは、具体的には、ロービームヘッドランプ、ハイビームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのことである。このモジュールは、車室外を照らす照明の制御量である照明のON/OFF状態を設定し、設定したON/OFF情報を示す制御量情報を生成する。
また、車室外光向き調整614とは、ハイビームヘッドランプ及びロービームヘッドランプ(以降、ヘッドランプと記載)の位置及び方向を制御するレベリングモータ及びスイブルモータに対応しているモジュールである。このモジュールは、レベリングモータ及びスイブルモータの制御量であるヘッドランプの縦方向の向き及び位置と、横方向の向き及び位置とを設定し、設定したヘッドランプの縦方向の向き及び位置と、横方向の向き及び位置とを示す制御量情報を生成する。
また、ミラー加熱615とは、ドアミラーの除雪を行う加熱装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、加熱装置の制御量である加熱のON/OFF状態を設定し、設定した加熱のON/OFF状態を示す制御量情報を生成する。
また、窓払拭616とは、フロントガラスのワイパーに対応しているモジュールであり、このモジュールは、ワイパーの制御量であるワイパーの動作速度を設定し、設定したワイパーの動作速度を示す制御量情報を生成する。
また、シート移動617とは、シートの調整装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、シートの調整装置の制御量であるシートの位置及び角度を設定し、設定したシートの位置及び角度を示す制御量情報を生成する。
また、ステアリング移動618とは、ステアリング位置の調整装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、ステアリング位置の調整装置の制御量であるステアリングの位置を設定し、設定したステアリングの位置を示す制御量情報を生成する。
また、温冷風発生619とは、エアコンに対応しているモジュールであり、このモジュールは、エアコンの制御量である目標温度及び風量を設定し、設定した目標温度及び風量を示す制御量情報を生成する。
また、車室内光調整620とは、車室内の照明に対応しているモジュールであり、このモジュールは、車室内の照明の制御量である車室内明度を設定し、設定した車室内明度を示す制御量情報を生成する。
また、音量調整621とは、自車両に搭載されたスピーカの音量を制御するモジュールであり、このモジュールは、スピーカの制御量である音量を設定し、設定した音量を示す制御量情報を生成する。
また、窓開閉622とは、パワーウインドウに対応しているモジュールであり、このモジュールは、パワーウインドウの制御量であるウインドウ開度を設定し、設定したウインドウ開度を示す制御量情報を生成する。
また、屋根開閉623とは、屋根の開閉装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、屋根の開閉装置の制御量である屋根の開閉状態を設定し、設定した屋根の開閉状態を示す制御量情報を生成する。
また、ドア開閉624とは、ドアの開閉装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、ドアの開閉装置の制御量であるドアの開閉状態を設定し、設定したドアの開閉状態を示す制御量情報を生成する。
また、錠制御625とは、ドアのロック装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、ドアのロック装置の制御量であるドアのロック状態を設定し、設定したドアのロック状態を示す制御量情報を生成する。
また、ミラー格納展開626とは、ドアミラーの格納装置に対応しているモジュールであり、このモジュールは、ドアミラーの格納装置の制御量であるドアミラーの格納状態を設定し、設定したドアミラーの格納状態を示す制御量情報を生成する。
また、車室外音発生627とは、防犯ブザーに対応しているモジュールであり、このモジュールは、防犯ブザーの制御量である防犯ブザーのON/OFF状態を設定し、設定した防犯ブザーのON/OFF状態を示す制御量情報を生成する。
装備状態層600を構成するモジュールは、生成した制御量情報をアクチュエータ制御層700に出力する。詳細構成図40にて、装備状態層600を構成するモジュールからアクチュエータ制御層700に向かって描かれている矢印は、装備状態層600を構成するモジュールが、生成した制御量情報をアクチュエータ制御層700に対し出力する様子を示している。
(5−4)各階層にて行われる処理の具体例
次に、目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600を構成するモジュールにて行われる処理の一例として、ユーザの乗車を支援する処理について説明する。
(a)目的層400での処理について
乗降車支援422とは、ユーザが乗降車する際の、乗降車の支援に関するユーザの目的を推定するモジュールである。乗降車支援422は、ユーザの乗車要求を示す乗車ユーザ要求351bを取得した場合、ユーザが車両に乗車する際の支援を行うことを、ユーザの目的として推定しても良い。そして、推定したユーザの目的を示す目的情報を車室外明度調整513と、車室内広さ調整521と、車室内明度調整523とに出力する。
(b)車両状態層500での処理について
車室外明度調整513と、車室内広さ調整521と、車室内明度調整523とは、それぞれ、車室外明度という車両の状態と、車室内広さという車両の状態と、車室内明度という車両の状態とに対応するモジュールである。乗降車支援422から上記目的情報を取得した際、これらのモジュールでは、ユーザが車両に乗車する際の支援を行うというユーザの目的を達成するため、次のような処理が行われる。
車室外明度調整513は、自車両付近の明度を、暗闇であっても乗車が容易となる程度に設定した車室外明度の状態量情報を生成し、車室外光発生613と車室外光向き調整614とに出力する。
また、車室内広さ調整521は、運転席への乗車が容易となるよう、運転席付近の空間を広く設定した車室内広さの状態量情報を生成し、シート移動617とステアリング移動618とに出力する。
また、車室内明度調整523は、暗闇であっても乗車が容易となるよう、明度を高く設定した車室内明度の状態量情報を生成し、車室内光調整620に出力する。
(c)装備状態層600での処理について
車室外光発生613と、車室外光向き調整614とは、それぞれ、車室外を照らす照明と、ヘッドランプの位置及び方向を制御するレベリングモータ及びスイブルモータとに対応するモジュールである。これらのモジュールでは、上記状態量情報を取得した際、次のような処理が行われる。
車室外光発生613は、車室外明度調整513から取得した状態量情報に従い、暗闇であっても乗車が容易となる程度に車室外を照らす照明のON/OFF状態を設定し、設定した制御量情報を生成し、アクチュエータ制御層700に出力する。
また、車室外光向き調整614もまた、車室外明度調整513から取得した状態量情報に従い自車両付近の明度を高くするため、ヘッドランプの縦方向の向き及び位置と、横方向の向き及び位置とを自車両付近を照らす設定とした制御量情報を生成し、アクチュエータ制御層700に出力する。
そして、アクチュエータ制御層700では、取得した制御量情報に従い、車室外を照らす照明と、レベリングモータ及びスイブルモータとを制御する。
また、シート移動617と、ステアリング移動618とは、それぞれ、シートの調整装置と、ステアリング位置の調整装置とに対応するモジュールである。これらのモジュールでは、上記状態量情報を取得した際、次のような処理が行われる。
シート移動617は、車室内広さ調整521から取得した状態量情報に従い、運転席のシート位置を後部座席に最も近い位置に設定する制御量情報を生成し、アクチュエータ制御層700に出力する。
また、ステアリング移動618は、車室内広さ調整521から取得した状態量情報に従い、ステアリングの位置をフロントガラスに最も近い位置に設定する制御量情報を生成し、アクチュエータ制御層700に出力する。
そして、アクチュエータ制御層700では、取得した制御量情報に従い、シートの位置とステアリングの位置とを制御する。
また、車室内光調整620は、車室内の照明に対応するモジュールである。このモジュールでは、上記状態量情報を取得した際、次のような処理が行われる。
車室内光調整620は、車室内明度調整523から取得した状態量情報に従い、暗闇であっても乗車が容易となるよう車室内の照明の明度を高く設定した制御量情報を生成し、アクチュエータ制御層700に出力する。
そして、アクチュエータ制御層700では、取得した制御量情報に従い、車室内の照明の明るさを制御する。
(6)各階層で行われる具体的処理について
次に、入力抽象化情報、目的情報、状態量、及び制御量等の具体例について説明すると共に、これらの情報を生成する際の処理について、具体例を挙げて説明する。図5に記載の処理概要説明図50には、一例として、目的層400を構成するモジュールである視界支援412、乗降車支援422、及び撃退432が入力抽象化情報を取得し、取得した入力抽象化情報に基づき目的情報を生成する様子が記載されている。また、車両状態層500や装備状態層600において、視界支援412等が生成した目的情報に基づき、状態量情報や制御量情報が生成される様子が記載されている。
処理概要説明図50に基づき、各階層にて生成される情報の具体例、及び、各階層にて行われる処理について具体的に説明する。
(6−1)ドライバ層200について
最初に、ドライバ層200を構成するモジュールと、これらのモジュールにて生成される外部入力情報について説明する。
ドライバ層200は、車室外カメラドライバ210と、カーナビドライバ211と、コンライトセンサドライバ212と、レインセンサドライバ213と、レーザレーダドライバ214と、赤外線カメラドライバ215と、舵角センサドライバ216と、車速センサドライバ217と、ハイトコントロールセンサドライバ218と、ライトスイッチドライバ219と、車室内カメラドライバ220と、発信機ドライバ221と、RKEドライバ222と、不審者認識カメラドライバ223と、パニックスイッチドライバ224とから構成されている。
車室外カメラドライバ210とは、自車両周辺の状況を撮影する車室外カメラからの入力信号に基づき自車両周辺の映像を生成し、生成した自車両周辺の映像を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
カーナビドライバ211とは、カーナビから受信した、現在走行中の道路の道路形状データを含む現在地周辺の地図データを外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
コンライトセンサドライバ212とは、日射量を測定するコンライトセンサからの入力信号に基づき日射量を特定し、特定した日射量を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
レインセンサドライバ213とは、雨量を測定するレインセンサからの入力信号に基づき雨量を特定し、特定した雨量を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。また、処理概要説明図50には記載されていないが、レインセンサドライバ213は、生成した雨量を、装備状態層600を構成する窓払拭616に対しても出力する。
レーザレーダドライバ214とは、自車両周辺の障害物の位置を検知するレーザレーダからの入力信号に基づき自車両周辺の障害物の形状及び位置を示す障害物情報を生成し、生成した障害物情報を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
赤外線カメラドライバ215とは、自車両前方の状況を撮影する赤外線カメラからの入力信号に基づき自車両前方の赤外線カメラ映像を生成し、生成した自車両前方の赤外線カメラ映像を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
舵角センサドライバ216とは、舵角を検知する舵角センサからの入力信号に基づき舵角を特定し、特定した舵角を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
車速センサドライバ217とは、車速を検知する車速センサからの入力信号に基づき車速を特定し、特定した車速を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
ハイトコントロールセンサドライバ218とは、自車両の車高を検知するハイトコントロールセンサからの入力信号に基づき自車両の車高を特定し、特定した自車両の車高を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
ライトスイッチドライバ219とは、自車両のライトを操作するライトスイッチからの入力信号に基づきライトスイッチの操作情報を生成し、生成したライトスイッチの操作情報を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。また、処理概要説明図50には記載されていないが、ライトスイッチドライバ219は、生成したライトスイッチの操作情報を、車両状態層500を構成する車室外明度調整513と、アクチュエータ制御層700を構成するロービームヘッドランプ制御713a及びハイビームヘッドランプ制御713b対しても出力する。
車室内カメラドライバ220とは、車室内を撮影する車室内カメラからの入力信号に基づき車室内の映像を生成し、生成した車室内の映像を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
発信機ドライバ221とは、携帯機を所持する者によるドアの開閉と、エンジン始動操作とを受け付けるスマートエントリーシステムにおいて、携帯機と通信を行う発信機から情報を取得する部位である。発信機ドライバ221は、発信機からの入力信号に基づき、発信機が携帯機から受信したドライバの個人情報を生成し、生成したドライバの個人情報を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する。
RKEドライバ222とは、リモートキーレスエントリーにおける携帯機と通信を行うRKE通信機からの入力信号に基づきユーザのドア開錠要求を検知し、検知したドア開錠要求を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。尚、本実施形態では、リモートキーレスエントリーにおける携帯機と、上述したスマートエントリーシステムを構成する携帯機とは一体化されているものとする。
不審者認識カメラドライバ223とは、車室内における不審者を検知するためのカメラである不審者認識カメラからの入力信号に基づき車室内の映像を生成し、生成した車室内の映像を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
パニックスイッチドライバ224とは、リモートキーレスエントリーにおける携帯機と通信を行うRKE通信機からの入力信号に基づきユーザに異常事態が発生した旨を検知し、ユーザに異常事態が発生した旨を外部入力情報として入力抽象化層300に出力する部位である。
(6−2)入力抽象化層300にて生成される情報について
処理概要説明図50では、入力抽象化層300では、道路情報354e、車室外明度354b、天気354c、遮蔽物情報354f、危険物情報354g、車両走行状態355a、視界支援ユーザ要求351a、ユーザ情報356d、乗車ユーザ要求351b、不審者情報354h、及び、保護ユーザ要求351dという入力抽象化情報を生成している。入力抽象化層300は図示しない複数のモジュールから構成されており、これらの入力抽象化情報は、入力抽象化層300を構成するモジュールにて生成されている。これらの入力抽象化情報は、目的層400を構成するモジュールである視界支援412、乗降車支援422、及び撃退432に出力される。これらの入力抽象化情報の内容について説明する。
道路情報354eとは、現在地周辺における、走行中の道路の道路形状を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、車室外カメラドライバ210から取得した車室外映像と、カーナビドライバ211から取得した地図データとに基づき道路情報354eを生成し、視界支援412に対し出力する。
車室外明度354bとは、自車両周辺の明度を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、コンライトセンサドライバ212から取得した日射量に基づき、自車両周辺の明度を三段階で表わす車室外明度354bを生成し、視界支援412に対し出力する。尚、車室外明度354bは、昼に相当する明度と、夜に相当する明度と、朝又は夕方に相当する明度の三段階で明度を表わすものとする。また、処理概要説明図50には記載されていないが、このモジュールは、生成した車室外明度354bを、車両状態層500を構成する車室外明度調整513に対しても出力する。
天気354cとは、現在地周辺の天候を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、車室外カメラドライバ210から取得した自車両周辺の映像と、コンライトセンサドライバ212から取得した日射量と、レインセンサドライバ213から取得した雨量とに基づき、天気354cを生成し、視界支援412に対し出力する。また、処理概要説明図50には記載されていないが、このモジュールは、生成した天気354cを、車両状態層500を構成する視界調整514に対し出力する。
遮蔽物情報354fとは、自車両周辺の明度、及び、自車両周辺の大気中における煙や、霧や、粉塵等による視界の悪さを示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、車室外カメラドライバ210から取得した自車両周辺の映像と、コンライトセンサドライバ212から取得した日射量と、レインセンサドライバ213から取得した雨量とに基づき、遮蔽物情報354fを生成し、視界支援412に対し出力する。また、処理概要説明図50には記載されていないが、このモジュールは、生成した遮蔽物情報354fを、装備状態層600を構成する車室外光発生613に対しても出力する。
危険物情報354gとは、自車両に交通事故を発生させる危険性を有する危険物の位置、進行方向、進行速度等を示す情報である。危険物の具体例として、他の車両や、歩行者等を挙げることができる。入力抽象化層300を構成するモジュールは、車室外カメラドライバ210から取得した自車両周辺の映像と、レーザレーダドライバ214から取得した障害物情報と、赤外線カメラドライバ215から取得した自車両前方の赤外線カメラ映像とに基づき、自車両に交通事故を発生させる危険性を有する車両や歩行者等を特定する。そして、特定した車両や歩行者等の進行速度等を示すと共に、カーナビドライバ211から取得した地図データにおいて車両や歩行者等の位置及び進行方向等を示す危険物情報354gを生成し、視界支援412に対し出力する。
車両走行状態355aとは、自車両の速度、進行方向、角速度、及び車高を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、舵角センサドライバ216から取得した舵角と、車速センサドライバ217から取得した車速と、ハイトコントロールセンサドライバ218から取得した自車両の車高とに基づき、車両走行状態355aを生成し、視界支援412に対し出力する。
視界支援ユーザ要求351aとは、ドライバが自車両周辺の所定の場所を視認するための支援の要求を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、ライトスイッチドライバ219からライトスイッチの操作情報を取得すると共に、車室内カメラドライバ220から車室内の映像を取得し、取得した車室内の映像に基づき、ドライバの視線を特定する。そして、ライトスイッチの操作情報が、自車両周辺を視認するための支援の要求が存在することを示している場合、ドライバの視線の先に相当する場所をドライバが視認するための支援の要求を示す視界支援ユーザ要求351aを生成し、視界支援412に対し出力する。
ユーザ情報356dとは、スマートエントリーシステムを構成する携帯機を所持する人が、この携帯機の所有者であるか否かを示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、車室外カメラドライバ210から自車両周辺の映像を取得すると共に、携帯機から発信機に送信されたドライバの個人情報を発信機ドライバ221から取得する。そして、車室外映像から自車両に接近する人の顔の画像データを抽出する。そして、自車両に接近する人の顔の画像データと、ドライバの個人情報に含まれている携帯機の所有者の顔の画像データとが一致する場合、携帯機を所持する人がこの携帯機の所有者である旨を示すユーザ情報356dを生成し、乗降車支援422に対し出力する。また、顔の画像データが一致しない場合、携帯機を所持する人がこの携帯機の所有者ではない旨を示すユーザ情報356dを生成し、乗降車支援422に対し出力する。
乗車ユーザ要求351bとは、ユーザの乗車要求を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、RKEドライバ222からドア開錠要求を取得した場合、ユーザの乗車要求を受け付けたものとみなし、乗車ユーザ要求351bを生成し、乗降車支援422に対し出力する。
不審者情報354hとは、不審者の位置を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、車室外カメラドライバ210から取得した自車両周辺の映像と、不審者認識カメラドライバ223から取得した車室内の映像とに基づき、自車両周辺、及び車室内に存在する人物の顔を特定する。そして、特定された顔が登録された人物の顔と一致しない場合、その人物を不審者とみなし、その不審者の位置を特定し、不審者の位置を示す不審者情報354hを生成し、撃退432に対し出力する。
保護ユーザ要求351dとは、不審者等からユーザを保護する旨の要求を示す情報である。入力抽象化層300を構成するモジュールは、パニックスイッチドライバ224からユーザに異常事態が発生した旨を受信した際、保護ユーザ要求351dを生成し、撃退432に対し出力する。
(6−3)目的層400にて生成される情報について
処理概要説明図50には、目的層400を構成するモジュールとして視界支援412、乗降車支援422、及び撃退432が記載されている。また、視界支援412が生成する目的情報として、視界支援情報412aが記載されている。また、乗降車支援422が生成する目的情報として、乗車支援情報422aが記載されている。また、撃退432が生成する目的情報として撃退情報432aが記載されている。
各モジュールにて生成される目的情報の内容等について説明する。
(a)視界支援412について
目的層400を構成するモジュールの一つである視界支援412は、道路情報354eと、車室外明度354bと、天気354cと、遮蔽物情報354fと、危険物情報354gと、車両走行状態355aと、視界支援ユーザ要求351aという入力抽象化情報を取得する。そして、これらの入力抽象化情報に基づき、自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定する。
上記ユーザの目的を推定する処理について具体例を挙げて説明する。
視界支援412は、車室外明度354bや、天気354cや、遮蔽物情報354fに基づき、自車両周辺をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。更に、危険物情報354gが示す危険物の場所付近や、視界支援ユーザ要求351aが示すドライバの視線の先に相当する場所付近をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。また、道路情報354eが示す道路の形状や、車両走行状態355aが示す車速や舵角等に基づき安全運転を行うためにドライバが視認すべき場所を特定し、特定した場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。
また、処理概要説明図50には記載されていないが、視界支援412は、車両周辺の駐車枠の場所を示す情報を取得し、駐車枠をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。
そして、視界支援412は、推定したユーザの目的を示す視界支援情報412aを生成し、生成した視界支援情報412aを、車両状態層500を構成するモジュールである車室外明度調整513と、視界調整514とに出力する。
(b)乗降車支援422について
目的層400を構成するモジュールの一つである乗降車支援422は、ユーザ情報356dと、乗車ユーザ要求351bという入力抽象化情報を取得する。そして、これらの入力抽象化情報に基づき、ユーザが自車両に乗車する際の支援を行うというユーザの目的を推定する。
上記目的を推定する処理について具体例を挙げて説明する。
乗降車支援422は、乗車ユーザ要求351bを取得した場合、ユーザが自車両に乗車する際の支援を行うことを、ユーザの目的として推定しても良い。
また、乗降車支援422は、取得したユーザ情報356dが、スマートエントリーシステムを構成する携帯機の所持者が、この携帯機の所有者であることを示している場合に限り、ユーザが自車両に乗車する際の支援を行うことを、ユーザの目的として推定しても良い。
そして、乗降車支援422は、推定した目的を示す乗車支援情報422aを生成し、生成した乗車支援情報422aを、車両状態層500を構成するモジュールである車室外明度調整513に出力する。
尚、処理概要説明図50には記載されていないが、乗降車支援422は、生成した乗車支援情報422aを、車室内広さ調整521及び車室内明度調整523に対しても出力する。車室内広さ調整521及び車室内明度調整にて行われる処理等の説明については省略する。
(c)撃退432について
目的層400を構成するモジュールの一つである撃退432は、不審者情報354hと、保護ユーザ要求351dという入力抽象化情報を取得する。そして、これらの入力抽象化情報に基づき、自車両周辺の所定の場所に存在する不審者を撃退するという目的を推定する。
上記目的を推定する処理について具体例を挙げて説明する。
撃退432は、不審者等からユーザを保護する旨の要求を示す情報である保護ユーザ要求351dを受信し、なおかつ、不審者情報354hを取得した際、不審者情報354hが示す位置に存在する不審者を撃退することを、ユーザの目的として推定しても良い。
そして、撃退432は、推定した目的を示す撃退情報432aを生成し、生成した撃退情報432aを、車両状態層500を構成するモジュールである車室外明度調整513に出力する。
(6−4)車両状態層500にて生成される情報について
処理概要説明図50には、車両状態層500を構成するモジュールとして視界調整514、及び車室外明度調整513が記載されている。また、視界調整514が生成する車両の状態の状態量情報として、視界調整情報514aが記載されている。また、車室外明度調整513が生成する車両の状態の状態量情報として、車室外明度情報513aが記載されている。
各モジュールにて生成される状態量情報の内容等について説明する。
(a)視界調整514について
視界調整514は、視界という車両の状態に対応するモジュールである。この視界とは、自車両前方の視界の良好さと、自車両後方の視界の良好さのことであり、フロントウインドウやリアウインドウについた水滴や、ドアミラーに積もった雪等により変化する車両の状態である。尚、処理概要説明図50には記載されていないが、視界調整514は、入力抽象化層300から天気354cを取得する。そして、視界調整514は、取得した視界支援情報412aと天気354cとに基づき、自車両前方及び後方の視界の状態量情報である視界調整情報514a生成する。
視界調整情報514aを生成する処理について具体例を挙げて説明する。
視界調整514は、視界支援情報412aが自車両周辺、又は自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示しており、なおかつ、天気354cが雨を示している場合、自車両前方の視界の良好さを最良とすることを示す視界調整情報514aを生成しても良い。
また、視界調整514は、視界支援情報412aが自車両周辺、又は自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示しており、なおかつ、天気354cが雪を示している場合、自車両前方、及び自車両後方の視界の良好さを最良とすることを示す視界調整情報514aを生成しても良い。
そして、視界調整514は、生成した視界調整情報514aを、装備状態層600を構成するミラー加熱615と、窓払拭616とに出力する。
(b)車室外明度調整513について
車室外明度調整513は、車室外明度という車両の状態に対応するモジュールである。この、車室外明度とは、自車両周辺の明度のことである。車室外明度調整513は、視界支援412から視界支援情報412aを取得すると共に、乗降車支援422から乗車支援情報422aを取得する。また、撃退432から撃退情報432aを取得する。また、処理概要説明図50には記載されていないが、車室外明度調整513は、入力抽象化層300を構成するモジュールから、車室外明度354bという入力抽象化情報を取得する。また、処理概要説明図50には記載されていないが、車室外明度調整513は、ドライバ層200を構成するライトスイッチドライバ219から、ライトスイッチの操作情報を取得する。車室外明度調整513は、これらの情報に基づき、自車両周辺の明度の状態量情報である車室外明度情報513aを生成する。この車室外明度情報513aは、自車両周辺の明度の分布を示す情報である。
車室外明度情報513aを生成する処理について具体例を挙げて説明する。
車室外明度調整513は、視界支援情報412aが、自車両周辺をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示している場合、車室外明度354bが示す自車両周辺の明度の段階に応じて、車室外明度情報513aを生成しても良い。そして、視界支援情報412aが、自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示している場合、この視界支援情報412aが示す所定の場所の明度を、他の場所の明度よりも高く設定した車室外明度情報513aを生成すると良い。
また、車室外明度354bが示す自車両周辺の明度が夜、又は朝若しくは夕方に相当する際に乗車支援情報422aを取得した場合、乗車支援を行うために自車両周辺の明度を高めた車室外明度情報513aを生成すると良い。
また、撃退情報432aを取得した場合、撃退情報432aが示す不審者の位置の明度を他の場所の明度よりも高く設定した車室外明度情報513aを生成すると良い。
また、ライトスイッチドライバ219から取得したライトスイッチの操作情報が、自車両周辺の明度を強制的に設定する旨を示している場合、取得したライトスイッチの操作情報に基づき車室外明度情報513aを生成しても良い。
そして、車室外明度調整513は、生成した車室外明度情報513aを、装備状態層600を構成する車室外光発生613と、車室外光向き調整614とに出力する。
(6−5)装備状態層600にて生成される情報について
処理概要説明図50には、装備状態層600を構成するモジュールとしてミラー加熱615、窓払拭616、車室外光発生613、及び車室外光向き調整614が記載されている。また、ミラー加熱615が生成する車両装備の制御量情報としてミラー加熱情報615aが記載されていると共に、窓払拭616が生成する車両装備の制御量情報として窓払拭情報616aが記載されている。また、車室外光発生613が生成する車両装備の制御量情報として車室外光発生情報613aが記載されていると共に、車室外光向き調整614が生成する車両装備の制御量情報として車室外光向き情報614aが記載されている。
各モジュールにて制御量情報を生成する処理の内容について説明する。
(a)ミラー加熱615について
ミラー加熱615は、ドアミラーの除雪を行うためにドアミラーの加熱を行うミラー加熱装置に対応するモジュールである。ミラー加熱615は、視界調整514から視界調整情報514aを取得する。そして、取得した視界調整情報514aが、自車両後方の視界の良好さを最良にすることを示している場合、ミラー加熱装置に対する制御量情報として、ミラー加熱装置のON状態を示すミラー加熱情報615aを生成し、生成したミラー加熱情報615aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるミラー加熱制御715に出力する。また、取得した視界調整情報514aが、自車両後方の視界の良好さを最良にすることを示していない場合、ミラー加熱装置に対する制御量情報として、ミラー加熱装置のOFF状態を示すミラー加熱情報615aを生成し、生成したミラー加熱情報615aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるミラー加熱制御715に出力する。
(b)窓払拭616について
窓払拭616とは、フロントガラスのワイパーに対応しているモジュールである。窓払拭616は、視界調整514から視界調整情報514aを取得する。また、処理概要説明図50には図示していないが、窓払拭616は、ドライバ層200を構成するレインセンサドライバ213から雨量を取得する。そして、取得した視界調整情報514aが示す自車両前方の視界の良好さを最良にすることを示している場合、取得した雨量に基づき、ワイパーの動作速度を設定する。そして、ワイパーに対する制御量情報として、ワイパーの動作速度を示す窓払拭情報616aを生成し、生成した窓払拭情報616aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるワイパー制御716に出力する。また、取得した視界調整情報514aが示す自車両前方の視界の良好さを最良にすることを示していない場合、ワイパーを停止させる旨を示す窓払拭情報616aを生成し、生成した窓払拭情報616aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるワイパー制御716に出力する。
(c)車室外光発生613について
車室外光発生613とは、車室外を照らす照明に対応しているモジュールである。ここで、車室外を照らす照明とは、具体的には、ハイビームヘッドランプ、ロービームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのことである。車室外光発生613は、車室外明度調整513から車室外明度情報513aを取得する。また、処理概要説明図50には図示していないが、車室外光発生613は、入力抽象化層300を構成するモジュールから遮蔽物情報354fを取得する。そして、取得した車室外明度情報513aが示す自車両周辺の明度の分布に基づき、ハイビームヘッドランプ、ロービームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのON/OFF状態を、車室外を照らす照明の制御量として設定する。また、車室外光発生613は、取得した遮蔽物情報354fが示す視界の悪さに基づき、フォグランプをON/OFF状態を制御量として設定する。そして、設定したハイビームヘッドランプ、ロービームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのON/OFF状態を示す制御量情報である車室外光発生情報613aを生成し、生成した車室外光発生情報613aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるロービームヘッドランプ制御713aと、ハイビームヘッドランプ制御713bと、クリアランスランプ制御713cと、フォグランプ制御713dと、LED制御713eとに出力する。
(d)車室外光向き調整614について
車室外光向き調整614とは、ヘッドランプの位置及び方向を制御するレベリングモータ及びスイブルモータに対応しているモジュールである。車室外光向き調整614は、車室外明度調整513から車室外明度情報513aを取得する。そして、取得した車室外明度情報513aが示す自車両周辺の明度の分布に基づき、自車両に搭載されているヘッドランプの縦方向の向き及び位置と、横方向の向き及び位置と制御量として設定する。そして、設定した制御量を示す車室外光向き情報614aを生成し、生成した車室外光向き情報614aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるレベリングモータ制御714aと、スイブルモータ制御714bとに出力する。
(6−6)アクチュエータ制御層700について
処理概要説明図50には、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールとしてミラー加熱制御715と、ワイパー制御716と、ロービームヘッドランプ制御713aと、ハイビームヘッドランプ制御713bと、クリアランスランプ制御713cと、フォグランプ制御713dと、LED制御713eと、レベリングモータ制御714aと、スイブルモータ制御714bとが記載されている。これらのモジュールの動作について説明する。
(a)ミラー加熱制御715について
ミラー加熱制御715は、ドアミラーを加熱するミラー加熱装置の制御を行うモジュールである。ミラー加熱制御715は、ミラー加熱615から取得したミラー加熱情報615aに基づき、ミラー加熱装置のONまたはOFFを行う。
(b)ワイパー制御716について
ワイパー制御716は、フロントガラスに搭載されたワイパーの動作の制御を行うモジュールである。ワイパー制御716は、窓払拭616から取得した窓払拭情報616aに基づき、ワイパーの動作速度の制御を行う。
(c)ロービームヘッドランプ制御713aについて
ロービームヘッドランプ制御713aは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるロービームヘッドランプを制御するモジュールである。ロービームヘッドランプ制御713aは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得する。また、ロービームヘッドランプ制御713aは、処理概要説明図50には記載されていないが、ドライバ層200を構成するライトスイッチドライバ219からライトスイッチの操作情報を取得する。ロービームヘッドランプ制御713aは、取得した車室外光発生情報613aに基づき、ロービームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。また、ロービームヘッドランプ制御713aは、取得したライトスイッチの操作情報が強制的にロービームヘッドランプを点灯又は消灯する旨を示している場合は、ライトスイッチの操作情報に基づきロービームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。
(b)ハイビームヘッドランプ制御713bについて
ハイビームヘッドランプ制御713bは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるハイビームヘッドランプを制御するモジュールである。ハイビームヘッドランプ制御713bは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得する。また、ハイビームヘッドランプ制御713bは、処理概要説明図50には記載されていないが、ドライバ層200を構成するライトスイッチドライバ219からライトスイッチの操作情報を取得する。ハイビームヘッドランプ制御713bは、取得した車室外光発生情報613aに基づき、ハイビームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。また、ハイビームヘッドランプ制御713bは、取得したライトスイッチの操作情報が強制的にハイビームヘッドランプを点灯又は消灯する旨を示している場合は、ライトスイッチの操作情報に基づきハイビームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。
(c)クリアランスランプ制御713cについて
クリアランスランプ制御713cは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるクリアランスランプを制御するモジュールである。クリアランスランプ制御713cは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得し、取得した車室外光発生情報613aに基づき、クリアランスランプの点灯又は消灯を行う。
(d)フォグランプ制御713dについて
フォグランプ制御713dは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるフォグランプを制御するモジュールである。フォグランプ制御713dは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得し、取得した車室外光発生情報613aに基づき、フォグランプの点灯又は消灯を行う。
(e)LED制御713eについて
LED制御713eは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるLEDを制御するモジュールである。LED制御713eは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得し、取得した車室外光発生情報613aに基づき、LEDの点灯又は消灯を行う。
[効果]
本実施形態において説明した目的軸階層構造を適用することにより、次のような効果を得ることができる。
まず、ドライバ層200、入力抽象化層300、目的層400、車両状態層500、装備状態層600、及びアクチュエータ制御層700は独立しているため、これらの階層について単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各階層のプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、これらの階層は、独立した複数のモジュールから構成されている。したがって、各階層を構成するモジュールについても単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各モジュールのプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、装備状態層600を構成するモジュールにおいて、車両装備に応じた制御量情報を生成し、この制御量情報に基づき、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールが車両装備の制御を行っている。したがって、車両装備の変更に応じて、車両状態層500よりも上位の階層を修正する必要がないため、車両装備の変更に対処するためにプログラムを改造する際の開発効率を向上させることが可能となる。
また、入力抽象化層300を構成するモジュールにおいて入力抽象化情報を生成しており、目的層400以下の階層に対し、制御装置への入力信号を生成するセンサ等の特性を隠蔽することが可能となっている。したがって、センサ等の変更が行われたとしても、入力抽象化層において変更前と同様の入力抽象化情報を生成可能であれば、目的層400の処理を変更する必要が生じることはない。また、車両状態層500以下の階層においても、ドライバ層200にて生成された外部入力情報を直接取得しているモジュールを除き、センサ等の変更に応じて処理を変更する必要がない。したがって、センサ等の変更に応じてプログラムを改造する際の開発効率を向上させることが可能となる。
また、車両状態層500を構成するモジュールは、目的層400にて生成された目的情報に加え、ドライバ層200にて生成された外部入力情報や、入力抽象化層300にて生成された入力抽象化情報を参照して対応する車両の状態の状態量情報を生成している。また、装備状態層600を構成するモジュールは、車両状態層500にて生成された車両の状態の状態量情報に加え、ドライバ層200にて生成された外部入力情報や、入力抽象化層300にて生成された入力抽象化情報を参照して対応する車両装備の制御量情報を生成している。したがって、車両状態層500及び装備状態層600を構成するモジュールは、柔軟で緻密な処理を行うことが可能である。
また、目的層400を構成するモジュールは、車両状態層500を構成する複数のモジュールに対し同一の目的情報を出力している。したがって、ユーザの目的を達成するため、複数の車両の状態の状態量を設定するといった複雑な制御を行うことが可能となる。
また、車両状態層500を構成するモジュールは、装備状態層600を構成する複数のモジュールに対し同一の車両の状態の状態量情報を出力している。したがって、車両の状態の状態量に応じて複数の車両装備を連携して制御するといった複雑な制御を行うことが可能となる。
[他の実施形態]
(1)車両状態層500を構成するモジュールが、目的層400から互いに矛盾するユーザの目的を示す複数の目的情報を取得した場合は、このモジュールにおいて、互いに矛盾するユーザの目的の調整を行うと良い。具体的には、例えば、乗車許可設定531において、車両に乗車するというユーザの目的を示す目的情報を乗降車423から取得すると共に、不審者から車室内を防御するというユーザの目的を示す目的情報を防御431から取得したと仮定する。このような場合、乗車許可設定531は、不審者から車室内を防御するというユーザの目的を優先し、対応する車両の状態である乗車許可の状態量情報として、ドアを施錠することを示す状態量情報を生成すると良い。こうすることにより、車室内のユーザの安全を優先することが可能となる。また、例えば、車室内明度調整523において、車室内を暗くするというユーザの目的を示す目的情報を車室内環境421から取得すると共に、ユーザの乗車の支援を行うというユーザの目的を示す目的情報を乗降車支援422から取得したと仮定する。このような場合、車室内明度調整523は、ふたつのユーザの目的を折衷し、車室内明度を、通常ユーザの乗車の支援を行う場合よりも低い明るさに設定しても良い。このような構成を有することにより、ユーザの目的に柔軟に対処することが可能となる。
(2)車両状態層500、装備状態層600、及びアクチュエータ制御層700を構成するモジュールは、ドライバ層200にて生成された外部入力情報や、入力抽象化層300にて生成された入力抽象化情報のみに基づき処理を行っても良い。複雑な処理を行わない場合であれば、ユーザの目的を考慮する必要性は低いと考えられる。したがって、モジュールにて行われる処理等に応じてこのような構成を用いることにより、プログラムの構造が必要以上に複雑になってしまうといった事態を防ぐことができる。
(3)実施形態では、外部からの入力信号に基づき車両装備を制御する制御装置に適用された目的軸階層構造について説明したが、この制御装置は、バスで接続された複数のCPUから構成されていても良い。そして、目的軸階層構造の各階層を、複数のCPUのうちのいずれかにそれぞれ対応させ、各CPUは、他のCPUに対応する階層からバス通信を介して必要な情報を取得し、対応する階層にて行われる処理を実行しても良い。また、目的軸階層構造の階層を構成する各モジュールを、バスで接続された複数のCPUのうちのいずれかにそれぞれ対応させ、各CPUは、他のCPUに対応する階層又はモジュールからバス通信を介して必要な情報を取得し、対応するモジュールにて行われる処理を実行しても良い。実施形態にて説明した処理を一つのCPUにて行う場合、高い処理負荷に耐えることが可能である高性能なCPUを用いる必要がある。しかし、上述した構成を有することにより、制御装置の処理を複数のCPUにて並行して行うことが可能となり、一つのCPUにて処理を行う場合よりも性能の低いCPUを複数用いて処理を行うことが可能となる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
視界支援情報412a、乗車支援情報422a、及び撃退情報432aが目的情報に、視界調整情報514a、及び車室外明度情報513aが状態量情報に、ミラー加熱情報615a、窓払拭情報616a、車室外光発生情報613a、及び車室外光向き情報614aが制御量情報に相当する。
また、視界調整情報514aを生成する処理と、車室外明度情報513aを生成する処理とが状態量情報生成処理に相当する。また、ミラー加熱情報615aを生成する処理と、窓払拭情報616aを生成する処理と、車室外光発生情報613aを生成する処理と、車室外光向き情報614aを生成する処理とが制御量情報生成処理に相当する。
また、視界支援ユーザ要求351aがドライバ注目情報に、視界支援情報412aが第一の視界支援情報及び第二の視界支援情報に、車室外明度情報513aが明度情報に、車室外明度情報513aを生成する処理が第一の明度情報生成処理及び第二の明度情報生成処理に相当する。
プログラムの全体構成、及び各階層の構成について説明するための説明図である。 入力抽象化情報について説明するための説明図である。 車両の状態について説明するための説明図である。 目的層、車両状態層、及び装備状態層の構成について説明するための説明図である。 各階層にて生成される情報、及びこれらの情報を生成する際の処理について説明するための説明図である。
符号の説明
200…ドライバ層、300…入力抽象化層、400…目的層、410…移動、411…運転、412…視界支援、412a…視界支援情報、420…居住、421…車室内環境、422…乗降車支援、422a…乗車支援情報、423…乗降車、430…保管、431…防御、432…撃退、432a…撃退情報、500…車両状態層、511…車両加速度調整、512…車両角加速度調整、513…車室外明度調整、513a…車室外明度情報、514…視界調整、514a…視界調整情報、521…車室内広さ調整、522…車室内空気調整、523…車室内明度調整、524…車室内音調整、525…開閉調整、531…乗車許可設定、532…外形調整、533…車室外音調整、600…装備状態層、611…原動機回転、612…タイヤ旋回、613…車室外光発生、613a…車室外光発生情報、614…車室外光向き調整、614a…車室外光向き情報、615…ミラー加熱、615a…ミラー加熱情報、616…窓払拭、616a…窓払拭情報、617…シート移動、618…ステアリング移動、619…温冷風発生、620…車室内光調整、621…音量調整、622…窓開閉、623…屋根開閉、624…ドア開閉、625…錠制御、626…ミラー格納展開、627…車室外音発生、700…アクチュエータ制御層。

Claims (10)

  1. 外部から1又は2以上の入力信号を取得し、取得した前記入力信号に基づき車両装備を制御する制御装置において、
    前記制御装置が備えるコンピュータのプログラム構造は、複数の独立した階層から構成されており、
    前記階層として、
    前記入力信号に基づき生成された外部入力情報を取得し、取得した前記外部入力情報を抽象化した情報である入力抽象化情報を生成する処理が行われる入力抽象化層と、
    前記入力抽象化層から予め定められた前記入力抽象化情報を取得し、取得した前記入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報を生成する処理が行われる目的層と、
    前記目的層から取得した前記目的情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量を、この目的情報が示すユーザの目的を達成可能となる値に設定し、設定された前記状態量を示す状態量情報を生成する状態量情報生成処理が行われる車両状態層とを少なくとも有し、
    前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理とは、前記外部入力情報を更に取得し、取得した前記外部入力情報を加味して前記状態量を設定し、設定された前記状態量を示す前記状態量情報を生成する処理であること、
    を特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理とは、前記入力抽象化情報を更に取得し、取得した前記入力抽象化情報を加味して前記状態量を設定し、設定された前記状態量を示す前記状態量情報を生成する処理であること、
    を特徴とする制御装置。
  3. 外部から1又は2以上の入力信号を取得し、取得した前記入力信号に基づき車両装備を制御する制御装置において、
    前記制御装置が備えるコンピュータのプログラム構造は、複数の独立した階層から構成されており、
    前記階層として、
    前記入力信号に基づき生成された外部入力情報を取得し、取得した前記外部入力情報を抽象化した情報である入力抽象化情報を生成する処理が行われる入力抽象化層と、
    前記入力抽象化層から予め定められた前記入力抽象化情報を取得し、取得した前記入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報を生成する処理が行われる目的層と、
    前記目的層から取得した前記目的情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量を、この目的情報が示すユーザの目的を達成可能となる値に設定し、設定された前記状態量を示す状態量情報を生成する状態量情報生成処理が行われる車両状態層とを少なくとも有し、
    前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理とは、前記入力抽象化情報を更に取得し、取得した前記入力抽象化情報を加味して前記状態量を設定し、設定された前記状態量を示す前記状態量情報を生成する処理であること、
    を特徴とする制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記階層として、前記制御装置が制御する前記車両装備の制御量を示す制御量情報を生成する制御量情報生成処理が行われる装備状態層を更に有し、
    前記装備状態層にて行われる前記制御量情報生成処理とは、前記車両状態層から前記状態量情報を取得し、取得した前記状態量情報に係る前記車両の状態に影響を与える前記車両装備の前記制御量を、取得した前記状態量情報に基づき設定し、設定された前記制御量を示す前記制御量情報を生成する処理であること、
    を特徴とする制御装置。
  5. 請求項4に記載の制御装置において、
    前記装備状態層にて行われる前記制御量情報生成処理とは、前記外部入力情報を更に取得し、取得した前記外部入力情報を加味して前記制御量を設定し、設定された前記制御量を示す前記制御量情報を生成する処理であること、
    を特徴とする制御装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の制御装置において、
    前記装備状態層にて行われる前記制御量情報生成処理とは、前記入力抽象化情報を更に取得し、取得した前記入力抽象化情報を加味して前記制御量を設定し、設定された前記制御量を示す前記制御量情報を生成する処理であること、
    を特徴とする制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記車両状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、
    前記車両状態層を構成する前記モジュールは前記車両の状態に対応しており、このモジュールでは、対応する前記車両の状態に関連するユーザの目的に係る前記目的情報を取得し、取得した前記目的情報に基づき、対応する前記車両の状態に係る前記状態量情報を生成する前記状態量情報生成処理が行われること、
    を特徴とする制御装置。
  8. 請求項4から請求項6と、請求項4を引用する請求項7とのうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記装備状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、
    前記装備状態層を構成する前記モジュールは前記車両装備に対応しており、このモジュールでは、対応する前記車両装備が影響を与える前記車両の状態に係る前記状態量情報を取得し、取得した前記状態量情報に基づき、対応する前記車両装備に係る前記制御量情報を生成する前記制御量情報生成処理が行われること、
    を特徴とする制御装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の制御装置において、
    前記入力抽象化層にて行われる処理とは、前記外部入力情報としてドライバの顔映像を取得し、取得したドライバの顔映像に基づきドライバの視線を特定し、特定したドライバの視線の先にある場所をドライバが注目している場所とみなし、ドライバが注目している場所を示すドライバ注目情報を、前記入力抽象化情報として生成する処理であり、
    前記目的層にて行われる処理とは、前記ドライバ注目情報を取得し、取得した前記ドライバ注目情報が示すドライバが注目している場所を、ドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す前記目的情報である第一の視界支援情報を生成する処理であり、
    前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理の一つは、前記目的層が生成した前記目的情報である前記第一の視界支援情報を取得し、取得した前記第一の視界支援情報が示すユーザの目的に関連する前記車両の状態の前記状態量である自車両周辺の明度を設定し、設定された自車両周辺の明度を示す明度情報を生成する第一の明度情報生成処理であり、
    前記第一の明度情報生成処理では、取得した前記第一の視界支援情報が示す前記ユーザの目的においてドライバが注目している場所の明度として、他の場所の明度よりも高い値を設定すること、
    を特徴とする制御装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の制御装置において、
    前記入力抽象化層にて行われる処理とは、前記外部入力情報として自車両周辺の映像を取得し、自車両周辺の映像に基づき、自車両に交通事故を発生させる原因となる危険物の場所を特定し、特定した前記危険物の場所を示す危険物情報を、前記入力抽象化情報として生成する処理であり、
    前記目的層にて行われる処理とは、前記危険物情報を取得し、取得した前記危険物情報が示す前記危険物の場所を、ドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す前記目的情報である第二の視界支援情報を生成する処理であり、
    前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理の一つは、前記目的層が生成した前記目的情報である前記第二の視界支援情報を取得し、取得した前記第二の視界支援情報が示すユーザの目的に関連する前記車両の状態の前記状態量である自車両周辺の明度を設定し、設定された自車両周辺の明度を示す明度情報を生成する第二の明度情報生成処理であり、
    前記第二の明度情報生成処理では、取得した前記第二の視界支援情報が示す前記ユーザの目的においてドライバが視認する前記危険物の場所の明度として、他の場所の明度よりも高い値を設定すること、
    を特徴とする制御装置。
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