JP2009113506A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
外部入力信号に基づく入力抽象化情報を生成する入力抽象化層と、入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定する目的層と、ユーザの目的を達成可能となるよう車両の状態の状態量を設定する車両状態層とを設け、車両状態層にて設定された状態量に基づき、車両装備の制御を行う。こうすることにより、外部から信号を入力するセンサや、制御対象である車両装備が変化しても、目的層を流用することが可能となる。
【選択図】図1
Description
また、車両の状態とは、自車両そのものの状態、又は、自車両が影響を与える車内及び車外の環境のことであり、具体的には、車両の加速度や、車両のドアの開度や、車両の乗車許可状態や、車室内の明度や、車両前方の明度等のことである。車両の状態の状態量とは、このような車両の状態の状況を示すための値である。請求項1に記載の制御装置では、車両状態層にて生成された車両の状態の状態量に基づき車両装備の制御を行う。
請求項2に記載の制御装置のプログラム構造は、階層として、制御装置が制御する車両装備の制御量を示す制御量情報を生成する制御量情報生成処理が行われる装備状態層を更に有する。そして、装備状態層にて行われる制御量情報生成処理とは、車両状態層から状態量情報を取得し、取得した状態量情報に係る車両の状態に影響を与える車両装備の制御量を、取得した状態量情報に基づき設定し、設定された制御量を示す制御量情報を生成する処理である。
また、次のような構成であっても良い。
しかし、請求項4に記載の制御装置では、装備状態層では、状態量情報に基づき車両装備の制御量が設定しており、装備状態層が生成する制御量情報には、制御装置の外部の正確な情報が反映されていない。
また、次のような構成であっても良い。
また、車両状態層は、次のような構造であっても良い。
請求項7に記載の制御装置では、車両状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、車両状態層を構成するモジュールは車両の状態に対応しており、このモジュールでは、対応する車両の状態に関連するユーザの目的に係る目的情報を取得し、取得した目的情報に基づき、対応する車両の状態に係る状態量情報を生成する状態量情報生成処理が行われる。
また、各モジュールについて単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各モジュールのプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、車両状態層は、次のような構造であっても良い。
また、各モジュールについて単独で開発、設計、デバック等の作業を行うことが可能であり、各モジュールのプログラム開発を並行して行うことができるため、プログラム開発を効率化することができる。
また、上述した制御装置のプログラム構造を自車両に搭載された照明を制御する装置のプログラムに適用すると、以下のような構成となる。
(1)プログラムの全体構成について
本実施形態の制御装置のプログラム構造は、目的軸階層構造と称する。まず、目的軸階層構造が適用された制御装置のプログラムの全体構成について説明する。
次に、プログラムを構成する各階層の構造と、各階層にて生成した情報の流れについて説明する。
ドライバ層200は、SW1ドライバ201と、SW2ドライバ202と、センサ1ドライバ203と、センサ2ドライバ204と、センサ3ドライバ205とから構成されている。ここで、SW1ドライバ201はSW1からの入力信号に基づき外部入力情報を生成し、SW2ドライバ202はSW2からの入力信号に基づき外部入力情報を生成する。センサ1ドライバ203はセンサ1からの入力信号に基づき外部入力情報を生成し、センサ2ドライバ204はセンサ2からの入力信号に基づき外部入力情報を生成し、センサ3ドライバ205はセンサ3からの入力信号に基づき外部入力情報を生成する。そして、各ドライバは、生成した外部入力情報を他の階層に出力する。
また、車両状態層500は、Eモジュール501と、Fモジュール502とから構成されている。これらのモジュールは所定の車両の状態と対応しており、対応する車両の状態の状態量を設定し、設定された状態量を示す状態量情報を生成し、生成した状態量情報を他の階層に対し出力する。
SW1ドライバ201、SW2ドライバ202、及びセンサ1ドライバ203は、生成した外部入力情報をAモジュール301に対し出力する。また、センサ2ドライバ204は、生成した外部入力情報をBモジュール302に対し出力する。また、センサ3ドライバ205は、生成した外部入力情報をBモジュール302と、Fモジュール502と、Iモジュール603と、モータ3制御ドライバ705とに出力する。
次に、入力抽象化層300が生成する入力抽象化情報について、具体例を挙げて説明する。図2の入力抽象化情報説明図20は、入力抽象化情報について説明するための説明図である。入力抽象化情報は、ユーザ要求351と、車両要求352と、車室内環境353と、車室外環境354と、車両状態355と、ユーザ状態356というグループに分類される。そして、ユーザ要求351と車両要求352とは、要求というグループに分類される。また、車室内環境353と車室外環境354とは、環境というグループに分類される。また、車両状態355とユーザ状態356とは、状態というグループに分類される。
車両の状態とは、自車両そのものの状態、又は、自車両が影響を与える車内及び車外の環境のことである。ここでは、この車両の状態の具体例について説明する。図3の車両の状態表30は、車両の状態の具体例と、その具体例が属するグループとを示している。車両の状態表30に記載されているように、車両の状態は、対車両というグループと、対環境というグループとに分類される。
また、形態というグループに属する車両の状態として、外形と、開閉とが存在する。この外形とは、自車両の外形のことであり、ドアの開閉等により変化する状態である。また、開閉とは、パワーウインドウの開度のことである。
次に、目的軸階層構造が適用された制御装置のプログラムの構造や、このプログラムにて行われる処理の概要について、具体例を挙げて説明する。図4に記載されている詳細構成図40は、目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600のより詳細な構成について説明するための説明図である。詳細構成図40には、目的層400と、車両状態層500と、装備状態層600とを構成するモジュールと、これらのモジュールにて生成した情報の出力先とが具体的に示されている。
まず、目的層400の構造について説明する。目的層400は、運転411、視界支援412、車室内環境421、乗降車支援422、乗降車423、防御431、及び撃退432というモジュールから構成されている。これらのモジュールは、入力抽象化層300から予め定められた入力抽象化情報を取得し、取得した入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定する。
次に、車両状態層500の構造について説明する。車両状態層500は、車両加速度調整511、車両角加速度調整512、車室外明度調整513、視界調整514、車室内広さ調整521、車室内空気調整522、車室内明度調整523、車室内音調整524、開閉調整525、乗車許可設定531、外形調整532、及び車室外音調整533というモジュールから構成されている。これらのモジュールは、図3の車両の状態表30に記載されている車両の状態に対応している。具体的には、車両加速度調整511は車両加速度に、車両角加速度調整512は車両角加速度に、車室外明度調整513は車室外明度に、視界調整514は視界に、車室内広さ調整521は車室内広さに、車室内空気調整522は車室内温度に、車室内明度調整523は車室内明度にそれぞれ対応している。また、車室内音調整524は車室内音量に、開閉調整525は開閉に、乗車許可設定531は乗車許可に、外形調整532は外形に、及び車室外音調整533は車室外音量にそれぞれ対応している。
次に、装備状態層600の構造について説明する。装備状態層600は、独立した複数のモジュールから構成されており、これらのモジュールは、車両装備に対応している。これらのモジュールとは、原動機回転611、タイヤ旋回612、車室外光発生613、車室外光向き調整614、ミラー加熱615、窓払拭616、シート移動617、ステアリング移動618、温冷風発生619、車室内光調整620、音量調整621、窓開閉622、屋根開閉623、ドア開閉624、錠制御625、ミラー格納展開626、及び車室外音発生627である。各モジュールは、取得した状態量情報に基づき、対応する車両装備の制御量情報を生成する。
原動機回転611とは、車両のエンジンに対応しているモジュールであり、このモジュールは、エンジンの制御量である回転数を設定し、設定した回転数を示す制御量情報を生成する。
次に、目的層400、車両状態層500、及び装備状態層600を構成するモジュールにて行われる処理の一例として、ユーザの乗車を支援する処理について説明する。
乗降車支援422とは、ユーザが乗降車する際の、乗降車の支援に関するユーザの目的を推定するモジュールである。乗降車支援422は、ユーザの乗車要求を示す乗車ユーザ要求351bを取得した場合、ユーザが車両に乗車する際の支援を行うことを、ユーザの目的として推定しても良い。そして、推定したユーザの目的を示す目的情報を車室外明度調整513と、車室内広さ調整521と、車室内明度調整523とに出力する。
車室外明度調整513と、車室内広さ調整521と、車室内明度調整523とは、それぞれ、車室外明度という車両の状態と、車室内広さという車両の状態と、車室内明度という車両の状態とに対応するモジュールである。乗降車支援422から上記目的情報を取得した際、これらのモジュールでは、ユーザが車両に乗車する際の支援を行うというユーザの目的を達成するため、次のような処理が行われる。
(c)装備状態層600での処理について
車室外光発生613と、車室外光向き調整614とは、それぞれ、車室外を照らす照明と、ヘッドランプの位置及び方向を制御するレベリングモータ及びスイブルモータとに対応するモジュールである。これらのモジュールでは、上記状態量情報を取得した際、次のような処理が行われる。
また、シート移動617と、ステアリング移動618とは、それぞれ、シートの調整装置と、ステアリング位置の調整装置とに対応するモジュールである。これらのモジュールでは、上記状態量情報を取得した際、次のような処理が行われる。
また、車室内光調整620は、車室内の照明に対応するモジュールである。このモジュールでは、上記状態量情報を取得した際、次のような処理が行われる。
(6)各階層で行われる具体的処理について
次に、入力抽象化情報、目的情報、状態量、及び制御量等の具体例について説明すると共に、これらの情報を生成する際の処理について、具体例を挙げて説明する。図5に記載の処理概要説明図50には、一例として、目的層400を構成するモジュールである視界支援412、乗降車支援422、及び撃退432が入力抽象化情報を取得し、取得した入力抽象化情報に基づき目的情報を生成する様子が記載されている。また、車両状態層500や装備状態層600において、視界支援412等が生成した目的情報に基づき、状態量情報や制御量情報が生成される様子が記載されている。
(6−1)ドライバ層200について
最初に、ドライバ層200を構成するモジュールと、これらのモジュールにて生成される外部入力情報について説明する。
処理概要説明図50では、入力抽象化層300では、道路情報354e、車室外明度354b、天気354c、遮蔽物情報354f、危険物情報354g、車両走行状態355a、視界支援ユーザ要求351a、ユーザ情報356d、乗車ユーザ要求351b、不審者情報354h、及び、保護ユーザ要求351dという入力抽象化情報を生成している。入力抽象化層300は図示しない複数のモジュールから構成されており、これらの入力抽象化情報は、入力抽象化層300を構成するモジュールにて生成されている。これらの入力抽象化情報は、目的層400を構成するモジュールである視界支援412、乗降車支援422、及び撃退432に出力される。これらの入力抽象化情報の内容について説明する。
処理概要説明図50には、目的層400を構成するモジュールとして視界支援412、乗降車支援422、及び撃退432が記載されている。また、視界支援412が生成する目的情報として、視界支援情報412aが記載されている。また、乗降車支援422が生成する目的情報として、乗車支援情報422aが記載されている。また、撃退432が生成する目的情報として撃退情報432aが記載されている。
(a)視界支援412について
目的層400を構成するモジュールの一つである視界支援412は、道路情報354eと、車室外明度354bと、天気354cと、遮蔽物情報354fと、危険物情報354gと、車両走行状態355aと、視界支援ユーザ要求351aという入力抽象化情報を取得する。そして、これらの入力抽象化情報に基づき、自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定する。
視界支援412は、車室外明度354bや、天気354cや、遮蔽物情報354fに基づき、自車両周辺をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。更に、危険物情報354gが示す危険物の場所付近や、視界支援ユーザ要求351aが示すドライバの視線の先に相当する場所付近をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。また、道路情報354eが示す道路の形状や、車両走行状態355aが示す車速や舵角等に基づき安全運転を行うためにドライバが視認すべき場所を特定し、特定した場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定しても良い。
目的層400を構成するモジュールの一つである乗降車支援422は、ユーザ情報356dと、乗車ユーザ要求351bという入力抽象化情報を取得する。そして、これらの入力抽象化情報に基づき、ユーザが自車両に乗車する際の支援を行うというユーザの目的を推定する。
乗降車支援422は、乗車ユーザ要求351bを取得した場合、ユーザが自車両に乗車する際の支援を行うことを、ユーザの目的として推定しても良い。
目的層400を構成するモジュールの一つである撃退432は、不審者情報354hと、保護ユーザ要求351dという入力抽象化情報を取得する。そして、これらの入力抽象化情報に基づき、自車両周辺の所定の場所に存在する不審者を撃退するという目的を推定する。
撃退432は、不審者等からユーザを保護する旨の要求を示す情報である保護ユーザ要求351dを受信し、なおかつ、不審者情報354hを取得した際、不審者情報354hが示す位置に存在する不審者を撃退することを、ユーザの目的として推定しても良い。
処理概要説明図50には、車両状態層500を構成するモジュールとして視界調整514、及び車室外明度調整513が記載されている。また、視界調整514が生成する車両の状態の状態量情報として、視界調整情報514aが記載されている。また、車室外明度調整513が生成する車両の状態の状態量情報として、車室外明度情報513aが記載されている。
(a)視界調整514について
視界調整514は、視界という車両の状態に対応するモジュールである。この視界とは、自車両前方の視界の良好さと、自車両後方の視界の良好さのことであり、フロントウインドウやリアウインドウについた水滴や、ドアミラーに積もった雪等により変化する車両の状態である。尚、処理概要説明図50には記載されていないが、視界調整514は、入力抽象化層300から天気354cを取得する。そして、視界調整514は、取得した視界支援情報412aと天気354cとに基づき、自車両前方及び後方の視界の状態量情報である視界調整情報514a生成する。
視界調整514は、視界支援情報412aが自車両周辺、又は自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示しており、なおかつ、天気354cが雨を示している場合、自車両前方の視界の良好さを最良とすることを示す視界調整情報514aを生成しても良い。
(b)車室外明度調整513について
車室外明度調整513は、車室外明度という車両の状態に対応するモジュールである。この、車室外明度とは、自車両周辺の明度のことである。車室外明度調整513は、視界支援412から視界支援情報412aを取得すると共に、乗降車支援422から乗車支援情報422aを取得する。また、撃退432から撃退情報432aを取得する。また、処理概要説明図50には記載されていないが、車室外明度調整513は、入力抽象化層300を構成するモジュールから、車室外明度354bという入力抽象化情報を取得する。また、処理概要説明図50には記載されていないが、車室外明度調整513は、ドライバ層200を構成するライトスイッチドライバ219から、ライトスイッチの操作情報を取得する。車室外明度調整513は、これらの情報に基づき、自車両周辺の明度の状態量情報である車室外明度情報513aを生成する。この車室外明度情報513aは、自車両周辺の明度の分布を示す情報である。
車室外明度調整513は、視界支援情報412aが、自車両周辺をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示している場合、車室外明度354bが示す自車両周辺の明度の段階に応じて、車室外明度情報513aを生成しても良い。そして、視界支援情報412aが、自車両周辺の所定の場所をドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を示している場合、この視界支援情報412aが示す所定の場所の明度を、他の場所の明度よりも高く設定した車室外明度情報513aを生成すると良い。
また、ライトスイッチドライバ219から取得したライトスイッチの操作情報が、自車両周辺の明度を強制的に設定する旨を示している場合、取得したライトスイッチの操作情報に基づき車室外明度情報513aを生成しても良い。
(6−5)装備状態層600にて生成される情報について
処理概要説明図50には、装備状態層600を構成するモジュールとしてミラー加熱615、窓払拭616、車室外光発生613、及び車室外光向き調整614が記載されている。また、ミラー加熱615が生成する車両装備の制御量情報としてミラー加熱情報615aが記載されていると共に、窓払拭616が生成する車両装備の制御量情報として窓払拭情報616aが記載されている。また、車室外光発生613が生成する車両装備の制御量情報として車室外光発生情報613aが記載されていると共に、車室外光向き調整614が生成する車両装備の制御量情報として車室外光向き情報614aが記載されている。
(a)ミラー加熱615について
ミラー加熱615は、ドアミラーの除雪を行うためにドアミラーの加熱を行うミラー加熱装置に対応するモジュールである。ミラー加熱615は、視界調整514から視界調整情報514aを取得する。そして、取得した視界調整情報514aが、自車両後方の視界の良好さを最良にすることを示している場合、ミラー加熱装置に対する制御量情報として、ミラー加熱装置のON状態を示すミラー加熱情報615aを生成し、生成したミラー加熱情報615aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるミラー加熱制御715に出力する。また、取得した視界調整情報514aが、自車両後方の視界の良好さを最良にすることを示していない場合、ミラー加熱装置に対する制御量情報として、ミラー加熱装置のOFF状態を示すミラー加熱情報615aを生成し、生成したミラー加熱情報615aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるミラー加熱制御715に出力する。
窓払拭616とは、フロントガラスのワイパーに対応しているモジュールである。窓払拭616は、視界調整514から視界調整情報514aを取得する。また、処理概要説明図50には図示していないが、窓払拭616は、ドライバ層200を構成するレインセンサドライバ213から雨量を取得する。そして、取得した視界調整情報514aが示す自車両前方の視界の良好さを最良にすることを示している場合、取得した雨量に基づき、ワイパーの動作速度を設定する。そして、ワイパーに対する制御量情報として、ワイパーの動作速度を示す窓払拭情報616aを生成し、生成した窓払拭情報616aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるワイパー制御716に出力する。また、取得した視界調整情報514aが示す自車両前方の視界の良好さを最良にすることを示していない場合、ワイパーを停止させる旨を示す窓払拭情報616aを生成し、生成した窓払拭情報616aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるワイパー制御716に出力する。
車室外光発生613とは、車室外を照らす照明に対応しているモジュールである。ここで、車室外を照らす照明とは、具体的には、ハイビームヘッドランプ、ロービームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのことである。車室外光発生613は、車室外明度調整513から車室外明度情報513aを取得する。また、処理概要説明図50には図示していないが、車室外光発生613は、入力抽象化層300を構成するモジュールから遮蔽物情報354fを取得する。そして、取得した車室外明度情報513aが示す自車両周辺の明度の分布に基づき、ハイビームヘッドランプ、ロービームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのON/OFF状態を、車室外を照らす照明の制御量として設定する。また、車室外光発生613は、取得した遮蔽物情報354fが示す視界の悪さに基づき、フォグランプをON/OFF状態を制御量として設定する。そして、設定したハイビームヘッドランプ、ロービームヘッドランプ、クリアランスランプ、フォグランプ、及びLEDのON/OFF状態を示す制御量情報である車室外光発生情報613aを生成し、生成した車室外光発生情報613aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるロービームヘッドランプ制御713aと、ハイビームヘッドランプ制御713bと、クリアランスランプ制御713cと、フォグランプ制御713dと、LED制御713eとに出力する。
車室外光向き調整614とは、ヘッドランプの位置及び方向を制御するレベリングモータ及びスイブルモータに対応しているモジュールである。車室外光向き調整614は、車室外明度調整513から車室外明度情報513aを取得する。そして、取得した車室外明度情報513aが示す自車両周辺の明度の分布に基づき、自車両に搭載されているヘッドランプの縦方向の向き及び位置と、横方向の向き及び位置と制御量として設定する。そして、設定した制御量を示す車室外光向き情報614aを生成し、生成した車室外光向き情報614aを、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールであるレベリングモータ制御714aと、スイブルモータ制御714bとに出力する。
処理概要説明図50には、アクチュエータ制御層700を構成するモジュールとしてミラー加熱制御715と、ワイパー制御716と、ロービームヘッドランプ制御713aと、ハイビームヘッドランプ制御713bと、クリアランスランプ制御713cと、フォグランプ制御713dと、LED制御713eと、レベリングモータ制御714aと、スイブルモータ制御714bとが記載されている。これらのモジュールの動作について説明する。
ミラー加熱制御715は、ドアミラーを加熱するミラー加熱装置の制御を行うモジュールである。ミラー加熱制御715は、ミラー加熱615から取得したミラー加熱情報615aに基づき、ミラー加熱装置のONまたはOFFを行う。
ワイパー制御716は、フロントガラスに搭載されたワイパーの動作の制御を行うモジュールである。ワイパー制御716は、窓払拭616から取得した窓払拭情報616aに基づき、ワイパーの動作速度の制御を行う。
ロービームヘッドランプ制御713aは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるロービームヘッドランプを制御するモジュールである。ロービームヘッドランプ制御713aは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得する。また、ロービームヘッドランプ制御713aは、処理概要説明図50には記載されていないが、ドライバ層200を構成するライトスイッチドライバ219からライトスイッチの操作情報を取得する。ロービームヘッドランプ制御713aは、取得した車室外光発生情報613aに基づき、ロービームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。また、ロービームヘッドランプ制御713aは、取得したライトスイッチの操作情報が強制的にロービームヘッドランプを点灯又は消灯する旨を示している場合は、ライトスイッチの操作情報に基づきロービームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。
ハイビームヘッドランプ制御713bは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるハイビームヘッドランプを制御するモジュールである。ハイビームヘッドランプ制御713bは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得する。また、ハイビームヘッドランプ制御713bは、処理概要説明図50には記載されていないが、ドライバ層200を構成するライトスイッチドライバ219からライトスイッチの操作情報を取得する。ハイビームヘッドランプ制御713bは、取得した車室外光発生情報613aに基づき、ハイビームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。また、ハイビームヘッドランプ制御713bは、取得したライトスイッチの操作情報が強制的にハイビームヘッドランプを点灯又は消灯する旨を示している場合は、ライトスイッチの操作情報に基づきハイビームヘッドランプの点灯又は消灯を行う。
クリアランスランプ制御713cは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるクリアランスランプを制御するモジュールである。クリアランスランプ制御713cは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得し、取得した車室外光発生情報613aに基づき、クリアランスランプの点灯又は消灯を行う。
フォグランプ制御713dは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるフォグランプを制御するモジュールである。フォグランプ制御713dは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得し、取得した車室外光発生情報613aに基づき、フォグランプの点灯又は消灯を行う。
LED制御713eは、車室外を照らす照明を構成する機械要素であるLEDを制御するモジュールである。LED制御713eは、車室外光発生613から車室外光発生情報613aを取得し、取得した車室外光発生情報613aに基づき、LEDの点灯又は消灯を行う。
本実施形態において説明した目的軸階層構造を適用することにより、次のような効果を得ることができる。
(1)車両状態層500を構成するモジュールが、目的層400から互いに矛盾するユーザの目的を示す複数の目的情報を取得した場合は、このモジュールにおいて、互いに矛盾するユーザの目的の調整を行うと良い。具体的には、例えば、乗車許可設定531において、車両に乗車するというユーザの目的を示す目的情報を乗降車423から取得すると共に、不審者から車室内を防御するというユーザの目的を示す目的情報を防御431から取得したと仮定する。このような場合、乗車許可設定531は、不審者から車室内を防御するというユーザの目的を優先し、対応する車両の状態である乗車許可の状態量情報として、ドアを施錠することを示す状態量情報を生成すると良い。こうすることにより、車室内のユーザの安全を優先することが可能となる。また、例えば、車室内明度調整523において、車室内を暗くするというユーザの目的を示す目的情報を車室内環境421から取得すると共に、ユーザの乗車の支援を行うというユーザの目的を示す目的情報を乗降車支援422から取得したと仮定する。このような場合、車室内明度調整523は、ふたつのユーザの目的を折衷し、車室内明度を、通常ユーザの乗車の支援を行う場合よりも低い明るさに設定しても良い。このような構成を有することにより、ユーザの目的に柔軟に対処することが可能となる。
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
Claims (10)
- 外部から1又は2以上の入力信号を取得し、取得した前記入力信号に基づき車両装備を制御する制御装置において、
前記制御装置が備えるコンピュータのプログラム構造は、複数の独立した階層から構成されており、
前記階層として、
前記入力信号に基づき生成された外部入力情報を取得し、取得した前記外部入力情報を抽象化した情報である入力抽象化情報を生成する処理が行われる入力抽象化層と、
前記入力抽象化層から予め定められた前記入力抽象化情報を取得し、取得した前記入力抽象化情報に基づきユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す目的情報を生成する処理が行われる目的層と、
前記目的層から取得した前記目的情報が示すユーザの目的に関連する車両の状態の状態量を、この目的情報が示すユーザの目的を達成可能となる値に設定し、設定された前記状態量を示す状態量情報を生成する状態量情報生成処理が行われる車両状態層とを少なくとも有すること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置において、
前記階層として、前記制御装置が制御する前記車両装備の制御量を示す制御量情報を生成する制御量情報生成処理が行われる装備状態層を更に有し、
前記装備状態層にて行われる前記制御量情報生成処理とは、前記車両状態層から前記状態量情報を取得し、取得した前記状態量情報に係る前記車両の状態に影響を与える前記車両装備の前記制御量を、取得した前記状態量情報に基づき設定し、設定された前記制御量を示す前記制御量情報を生成する処理であること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の制御装置において、
前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理とは、前記外部入力情報を更に取得し、取得した前記外部入力情報を加味して前記状態量を設定し、設定された前記状態量を示す前記状態量情報を生成する処理であること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の制御装置において、
前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理とは、前記入力抽象化情報を更に取得し、取得した前記入力抽象化情報を加味して前記状態量を設定し、設定された前記状態量を示す前記状態量情報を生成する処理であること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項2、又は請求項2を引用する請求項3若しくは請求項4のいずれかに記載の制御装置において、
前記装備状態層にて行われる前記制御量情報生成処理とは、前記外部入力情報を更に取得し、取得した前記外部入力情報を加味して前記制御量を設定し、設定された前記制御量を示す前記制御量情報を生成する処理であること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項2、又は請求項2を引用する請求項3から請求項5のいずれかに記載の制御装置において、
前記装備状態層にて行われる前記制御量情報生成処理とは、前記入力抽象化情報を更に取得し、取得した前記入力抽象化情報を加味して前記制御量を設定し、設定された前記制御量を示す前記制御量情報を生成する処理であること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の制御装置において、
前記車両状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、
前記車両状態層を構成する前記モジュールは前記車両の状態に対応しており、このモジュールでは、対応する前記車両の状態に関連するユーザの目的に係る前記目的情報を取得し、取得した前記目的情報に基づき、対応する前記車両の状態に係る前記状態量情報を生成する前記状態量情報生成処理が行われること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項2、又は、請求項2を引用する請求項3から請求項7のいずれかに記載の制御装置において、
前記装備状態層は、複数の独立したモジュールから構成されており、
前記装備状態層を構成する前記モジュールは前記車両装備に対応しており、このモジュールでは、対応する前記車両装備が影響を与える前記車両の状態に係る前記状態量情報を取得し、取得した前記状態量情報に基づき、対応する前記車両装備に係る前記制御量情報を生成する前記制御量情報生成処理が行われること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の制御装置において、
前記入力抽象化層にて行われる処理とは、前記外部入力情報としてドライバの顔映像を取得し、取得したドライバの顔映像に基づきドライバの視線を特定し、特定したドライバの視線の先にある場所をドライバが注目している場所とみなし、ドライバが注目している場所を示すドライバ注目情報を、前記入力抽象化情報として生成する処理であり、
前記目的層にて行われる処理とは、前記ドライバ注目情報を取得し、取得した前記ドライバ注目情報が示すドライバが注目している場所を、ドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す前記目的情報である第一の視界支援情報を生成する処理であり、
前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理の一つは、前記目的層が生成した前記目的情報である前記第一の視界支援情報を取得し、取得した前記第一の視界支援情報が示すユーザの目的に関連する前記車両の状態の前記状態量である自車両周辺の明度を設定し、設定された自車両周辺の明度を示す明度情報を生成する第一の明度情報生成処理であり、
前記第一の明度情報生成処理では、取得した前記第一の視界支援情報が示す前記ユーザの目的においてドライバが注目している場所の明度として、他の場所の明度よりも高い値を設定すること、
を特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の制御装置において、
前記入力抽象化層にて行われる処理とは、前記外部入力情報として自車両周辺の映像を取得し、自車両周辺の映像に基づき、自車両に交通事故を発生させる原因となる危険物の場所を特定し、特定した前記危険物の場所を示す危険物情報を、前記入力抽象化情報として生成する処理であり、
前記目的層にて行われる処理とは、前記危険物情報を取得し、取得した前記危険物情報が示す前記危険物の場所を、ドライバが視認するための支援を行うというユーザの目的を推定し、推定したユーザの目的を示す前記目的情報である第二の視界支援情報を生成する処理であり、
前記車両状態層にて行われる前記状態量情報生成処理の一つは、前記目的層が生成した前記目的情報である前記第二の視界支援情報を取得し、取得した前記第二の視界支援情報が示すユーザの目的に関連する前記車両の状態の前記状態量である自車両周辺の明度を設定し、設定された自車両周辺の明度を示す明度情報を生成する第二の明度情報生成処理であり、
前記第二の明度情報生成処理では、取得した前記第二の視界支援情報が示す前記ユーザの目的においてドライバが視認する前記危険物の場所の明度として、他の場所の明度よりも高い値を設定すること、
を特徴とする制御装置。
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