JP2012133234A - ミラー付き光ファイバコネクタ、その製造方法、及び光ファイバケーブル - Google Patents

ミラー付き光ファイバコネクタ、その製造方法、及び光ファイバケーブル Download PDF

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大地 酒井
Toshihiro Kuroda
敏裕 黒田
Shigeyuki Yagi
成行 八木
Hirosane Aoki
宏真 青木
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Abstract

【課題】基板自体に溝を設けることなく光ファイバとミラーとの正確な位置合わせを行うことが可能であり、かつ光損失の小さいミラー付き光ファイバコネクタを提供する。
【解決手段】本発明のミラー付き光ファイバコネクタ30は、基板1と、基板1上に並設された光ファイバガイド部材10及び光路変換部材20とを有する。光ファイバガイド部材10は光ファイバを挿入するための光ファイバ挿入溝12を有しており、光路変換部材20は、ミラー部材22と、ミラー部材22よりも基板側に位置する基板側クラッド層21とを有する。ミラー部材22は、光ファイバ挿入溝12に挿入された光ファイバ50の端面50aと接面させるための光ファイバ接続用面22aと、光ファイバ挿入溝12に挿入された光ファイバ50の光路の延長線上に位置し且つ前記延長線に対して法線が傾斜しているミラー面22bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明はミラー付き光ファイバコネクタ、その製造方法、及び光ファイバケーブルに関し、特に、光ファイバとミラーとの位置合わせが可能なミラー付き光ファイバコネクタ、その製造方法及びこのミラー付き光ファイバコネクタを用いた光ファイバケーブルに関する。
一般的に光ケーブル(光ファイバケーブルともいう)は、多量の情報の高速通信が可能であることから、家庭用、産業用の情報通信に広く利用されている。また、例えば自動車には、各種電装品(例えば、カーナビゲーションシステム等)が装備されているが、それらの電装品の光通信にも光ケーブルが採用されている。このような光ケーブルが有する光ファイバの端末同士を突き合わせて接続する光ファイバコネクタとして、各種のものが提案されている(特許文献1等)。
また、光ファイバコネクタとして、光路を変換させるためのミラーを備えたものも提案されている。例えば、特許文献2には、基板の上面に、光ファイバを位置決めするためのガイド溝と、このガイド溝に連接されたテーパ面と、このテーパ面に設けられた薄膜素子(ミラー)とを備えた実装基板(光ファイバコネクタ)が記載されている。このガイド溝に光ファイバが実装固定される。光ファイバ内を基板と平行方向に通過して光ファイバ端面から空気中に出射された光は、ミラー(テーパ面)で反射されて上向きに光路変換された後、ミラー上方に設置されたフォトダイオードによって受光される。
特許文献2の光ファイバコネクタによると、ガイド溝とミラー形成用のテーパ面が一体に形成されているため、光ファイバとミラーとの正確な位置合わせが可能である。
特開2010−48925 特開2003−167175
特許文献2の光ファイバコネクタは、基板に実装された光ファイバの端面がミラー(テーパ面)に対して離隔しているため、光ファイバの端面における光損失が大きいという問題がある。
すなわち、ミラーは基板の表面に対して略45°傾斜したテーパ面となっている。一方、光ファイバはガイド溝内において基板の表面に対して平行に実装固定されている。このため、ミラー(テーパ面)と光ファイバ端面とは略45°の角度をなしており、これら2面は接面することなく離隔している。よって、光ファイバ端面から出射した光は、空気中を進行してからミラー(テーパ面)で反射されることになるため、光損失が大きくなる。
また、特許文献2の光ファイバコネクタは、ガイド溝とテーパ面とが基板に直接に設けられているため、その分だけ基板の厚さを大きくする必要があるという問題もある。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、基板自体に溝を設けることなく光ファイバとミラーとの正確な位置合わせを行うことが可能であり、かつ光損失の小さいミラー付き光ファイバコネクタ、その製造方法及びこのミラー付き光ファイバコネクタを用いた光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は、ミラー付き光ファイバコネクタにおいて、光ファイバ端面に対向する面(対向面)とミラー面とを異ならせ、この対向面を光ファイバ端面と接面させることにより、光損失を低減させることができるとの知見を得、本発明に至ったものである。
本発明は、以下の発明を提供するものである。
(1)基板と、前記基板上に並設された光ファイバガイド部材及び光路変換部材とを有するミラー付き光ファイバコネクタであって、前記光ファイバガイド部材は光ファイバを挿入するための光ファイバ挿入溝を有しており、前記光路変換部材は、ミラー部材と、前記ミラー部材よりも前記基板側に位置する基板側クラッド層とを有しており、前記ミラー部材は、前記光ファイバ挿入溝に挿入された光ファイバの端面と接面させるための光ファイバ接続用面と、前記光ファイバ挿入溝に挿入された光ファイバの光路の延長線上に位置し且つ前記延長線に対して法線が傾斜しているミラー面とを有するミラー付き光ファイバコネクタ。
(2)前記基板が接着層を有しており、前記接着層上に前記ファイバガイド部材及び前記光路変換部材が設けられている(1)に記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
(3)前記基板が、電気配線板である請求項1又は2に記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
(4)前記ミラー部材が、光信号を透過する透明部材である(1)〜(3)のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
(5)前記光路変換部材のうち前記基板側クラッド層側とは反対側の面に、ミラー補強板を有する(1)〜(4)のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
(6)前記光ファイバガイド部材のうち前記基板側とは反対側の面に、前記光ファイバ挿入溝を跨ぐ蓋を有する(1)〜(5)のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
(7)前記基板上に基板側クラッド層形成用フィルムを積層した後、前記基板側クラッド層形成用フィルムのうち前記光ファイバ挿入溝の形成予定部位を除去することにより、前記基板側クラッド層を形成する第1の工程、前記第1の工程によって前記基板側クラッド層が形成された基板上に透明樹脂フィルムを積層した後、前記透明樹脂フィルムのうち前記光ファイバ挿入溝の形成予定部位を除去して前記光ファイバ挿入溝を形成することにより、前記光ファイバガイド部材と前記ミラー部材を一括形成する第2の工程、及び前記ミラー部材に前記ミラー面を形成する第3の工程をこの順に有する(1)〜(6)のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
(8)前記第2の工程の後に、前記ファイバガイド部材及び前記ミラー部材の上に、反基板側クラッド層形成用フィルムを積層した後、前記反基板側クラッド層形成用フィルムのうち光ファイバ挿入溝形成予定部位を除去する反基板側クラッド層形成工程を有する(7)に記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
(9)前記第1の工程と前記第2の工程との間、前記第2の工程と前記第3の工程との間、及び前記第3の工程の後のいずれかにおいて、前記光ファイバ接続用面を平坦化すると共に、前記光ファイバガイド部材と前記光路変換部材との間に前記基板にまで達するスリット溝を形成するスリット溝形成工程を有する(7)又は(8)に記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
(10)前記第2の工程と前記第3の工程との間又は前記第3の工程の後に、前記ミラー部材のうち前記基板側クラッド層側とは反対側の面に、ミラー補強板を形成するミラー補強板形成工程を有する(7)〜(9)のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
(11)前記第2の工程と前記第3の工程との間又は前記第3の工程の後に、前記光ファイバガイド部材のうち前記基板側とは反対側の面に、前記光ファイバ挿入溝を跨ぐ蓋を形成する蓋形成工程を有する(7)〜(10)のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
(12)(10)に記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法であって、請求項11に記載の前記蓋形成工程を、前記ミラー補強板形成工程と同一工程で行うミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
(13)(1)〜(6)に記載のミラー付き光ファイバコネクタの前記光ファイバ挿入溝に光ファイバを挿入してなるミラー付き光ファイバコネクタ付き光ファイバケーブル。
本発明のミラー付き光ファイバコネクタは、基板自体に溝を設けることなく光ファイバとミラーとの正確な位置合わせを行うことが可能であり、かつ光損失が小さい。
第1の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタの斜視図である。 第1図のミラー付き光ファイバコネクタの平面図である。 第3図(a)は第1図のミラー付き光ファイバコネクタのIIIa−IIIa線に沿う断面図、第3図(b)は第1図のミラー付き光ファイバコネクタのIIIb−IIIb線に沿う断面図である。 第1の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタの製造方法を説明する、第1図のIIIa−IIIa線に相当する部分の断面図である。 第1の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタの製造方法を説明する、第1図のIIIb−IIIb線に相当する部分の断面図である。 第2の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタの斜視図である。 第7図(a)は第6図のミラー付き光ファイバコネクタのVIIa−VIIa線に沿う断面図、第7図(b)は第6図のミラー付き光ファイバコネクタのVIIb−VIIb線に沿う断面図である。 第3の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタの斜視図である。
(1) 第1の実施の形態
[ミラー付き光ファイバコネクタ]
以下に、図面を参照して実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタを詳細に説明する。
第1図は実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタ、第2図は第1図のミラー付き光ファイバコネクタの平面図、第3図(a)は第1図のIIIa−IIIa線に沿う断面図、第3図(b)は第1図のIIIb−IIIb線に沿う断面図である。
本実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタ30は、基板1と、基板1上に並設された光ファイバガイド部材10及び光路変換部材20とを有する。
詳しくは後述するが、第1図及び第3図(b)に示すとおり、この光ファイバガイド部材10の光ファイバ挿入溝12内に光ファイバ50が挿入され、その端面50aが光路変換部材20の垂直面20aに接面される。光ファイバ50の端面50aから出射した光信号が、垂直面20a(詳しくは光ファイバ接続用面22a)を通って光路変換部材20内に入射し、ミラー面22bによって光路を下向きに変換された後、基板1の下側に送信される。あるいは、基板1の下側から光路変換部材20内に入射した光信号が、ミラー面22bによって光路を水平方向に変換された後、垂直面20a(詳しくは光ファイバ接続用面22a)から出射し、光ファイバ50内に送信される。
次に、ミラー付き光ファイバコネクタ30の詳細について説明する。
<基板>
本実施の形態では、基板1は、基板本体1aと接着層1bとの積層体よりなる。
(基板本体)
基板本体1aの材料としては、特に制限はなく、合成樹脂、セラミック、ガラス、シリコン、金属、これらの積層体等が挙げられる。合成樹脂としては、ガラスエポキシ樹脂などが挙げられる。また、柔軟性及び強靭性のある材質として、例えば、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、PETフィルムなどを用いることで、フレキシブルなミラー付き光ファイバコネクタとしてもよい。本実施の形態のように、光信号が基板1を透過する場合には、基板本体1aは光信号波長を透過するものであればよく、ガラス、透明樹脂等を用いるのが好ましい。また、後述するミラー部材22よりも屈折率の低い材料を用いると、光の漏れを抑制することができるため更に好ましい。
基板本体1aの厚さには特に制限はなく、例えば5μm〜10mm程度、好ましくは10μm〜200μmである。
(接着層)
本実施の形態では、この基板本体1aの上面に接着層1bが設けられている。この接着層1bを用いることにより、基板本体1aと、光ファイバガイド部材10及び光路変換部材20とを良好に接着させることができる。
接着層1bの種類としては特に限定されないが、両面テープ、UVまたは熱硬化性接着剤、プリプレグ、ビルドアップ材、及び電気配線板製造用途に使用される種々の接着剤が好適に挙げられる。本実施の形態のように、光信号が基板1を透過する場合には、接着層1bは光信号波長を透過するものであればよく、基板本体1a、光ファイバガイド部材10及び光路変換部材20に対して接着力のある透明樹脂フィルムを用いるのが好ましい。また、後述するミラー部材22よりも屈折率の低い材料を用いると、光の漏れを抑制することができるため更に好ましい。接着層1bの厚さには特に制限はなく、例えば0.1μm〜100μm程度、好ましくは5μm〜50μmである。
<光ファイバガイド部材>
光ファイバガイド部材10は、ガイド本体部11と、ガイド本体部11の上面に設けられた複数本(4本)の光ファイバ挿入溝12とからなる。この光ファイバ挿入溝12は、光ファイバ50を挿入配置するためのものであり、このガイド本体部11は、光ファイバ50が光ファイバ挿入溝12の幅方向(x方向)に移動しないように指示するためのものである。
(ガイド本体部)
このガイド本体部11は第1図のx方向に細長い直方体形であり、接着層1bに接着されたコア層13と、このコア層13の上面に設けられた反基板側クラッド層14とからなる。このようにガイド本体部11が2層構造となっているのは、後述の製造方法の簡易化のためであるが、2層構造に限定されるものではなく、光ファイバ50を支持し得るものであれば、1層構造であっても3層以上の積層構造であってもよい。
このガイド本体部11の材料は、光ファイバ50を支持し得るものであれば特に限定はなく、熱硬化性樹脂、感光性樹脂等の合成樹脂、セラミック、ガラス、シリコン、金属、これらの積層体等が挙げられる。
このガイド本体部11の厚さには特に限定はないが、後述する光ファイバ挿入溝の深さを確保しうる厚さであると良い。
(光ファイバ挿入溝)
複数本(4本)の光ファイバ挿入溝12は、第1図のy方向(基板1の上面と平行方向)に延在しており、互いにx方向に間隔をおいて配列している。本実施の形態では、これらの光ファイバ挿入溝12はy方向と垂直な断面が長方形であるが、これに限定されるものではなく、光ファイバ50を支持し得るものであれば、台形等の他の四角形、五角形以上の多角形、V字形、半円形のような弧状等であってもよい。
光ファイバ挿入溝12の深さは、(光ファイバの直径+30μm)以下の範囲が好ましい。これにより、光ファイバ挿入溝12を容易に設けることができ、光ファイバ50の挿入が容易となり、光ファイバガイド部材10の厚さを小さくすることができる。 具体的には、光ファイバ挿入溝12の深さは、直径125μmの光ファイバ50を用いる場合には155μm以下が好ましく、直径80μmの光ファイバ50を用いる場合には110μm以下が好ましい。
特に本実施の形態のように、光ファイバ挿入溝12の上部に後述する蓋(第2の実施の形態。第6,7図参照)を設けない場合には、光ファイバ挿入溝12の深さを光ファイバ50の直径以下にすると、光ファイバ挿入溝12に光ファイバ50を押し込め易い点で好ましい。また、光ファイバ挿入溝12の深さは、(光ファイバの直径−30μm)以上の範囲であると、光ファイバ50の挿入時に光ファイバ50を過剰に押し込めて損傷させることが防止される点で好ましい。蓋を設けない場合には、光ファイバ挿入溝12の深さは、より好ましくは(光ファイバの半径)以上光ファイバの直径以下であり、更に好ましくは(光ファイバの直径−30μm)以上(光ファイバの直径−5μm)以下である。
光ファイバ挿入溝12の幅(x方向の最大長さ)は、光ファイバ50の直径以上であると、光ファイバ挿入溝12に容易に光ファイバ50を挿入することができる点で好ましい。また、光ファイバ挿入溝12の幅は、光ファイバ50を支持する観点から、(光ファイバの直径+30μm)以下の範囲が好ましい。この光ファイバ挿入溝12の幅は、より好ましくは(光ファイバの直径+0.5μm)以上(光ファイバの直径+15μm)以下であり、更に好ましくは(光ファイバの直径+1μm)以上(光ファイバの直径+10μm)以下である。
光ファイバ挿入溝12の長さ(y方向の長さ)は、光ファイバ50を支持し得る長さであれば特に限定はないが、0.1mm以上あると光ファイバの固定に支障が出にくいため好ましく、10mm以下であると、光ファイバを挿入しやすくなるため好ましい。
隣り合う光ファイバ挿入溝12同士の間隔(隣り合う光ファイバ挿入溝12の間に存在するガイド本体部11のx方向最大長さ)は、(光ファイバ50のコア層の直径+50μm)以上であることが好ましい。これにより、複数本の光ファイバ50と光路変換部材20との間で光信号の授受を行うときに、隣の光信号を誤って送受信してしまうことが防止される。この光ファイバ挿入溝12同士の間隔は、より好ましくは(光ファイバの直径+75μm)以上であり、更に好ましくは(光ファイバの直径+200μm)以上である。
光ファイバ挿入溝12は、本実施の形態では4本であるが、これに限定されるものではなく、1〜3本又は5本以上であってもよい。
<光路変換部材>
光路変換部材20は、ミラー部材22と、ミラー部材22よりも基板1側の基板側クラッド層(下部クラッド層)21と、ミラー部材22の基板1とは反対側の反基板側クラッド層(上部クラッド層)23との積層体よりなる。
この光路変換部材20は、第1図のx方向に延在する直方体形である。このミラー部材22は、光ファイバガイド部材10と反対側の側面(y方向の後端面)までは延在しておらず、反基板側クラッド層23がミラー部材22の後端面に回り込んだ形状となっている。これにより、ミラー部材22の後端面の損傷が防止される。本実施の形態では、このミラー部材22のx方向の両側面が光路変換部材20の側面に露出しているが、露出していなくてもよい。少なくとも光ファイバガイド部材10側の側面が露出していればよい。
この光路変換部材20の光ファイバガイド部材10側の側面は、基板1と直交する垂直面20aとなっている。この垂直面20aのうちミラー部材22の部分が、光ファイバ接続用面22aとなっている。後述するとおり、この光ファイバ接続用面22aは、光ファイバ挿入溝12に挿入された光ファイバ50の端面50aと接面させるための面である。
この光路変換部材20の上面に光路変換面形成用溝25が設けられている。この光路変換面形成用溝25は、第1図のx方向に延在して光路変換部材20の両側面にまで達しており、延在方向(x方向)と垂直な断面がV字形となっている。この光ファイバ挿入溝12は、反基板側クラッド層23の上面から基板側クラッド層21の下面にまで達している。この光路変換面形成用溝25により、光路変換部材20は、光ファイバガイド部材10に近い側の前半部と遠い側の後半部とに分割されている。このV字形の光路変換面形成用溝25の2つの側面のうち、光ファイバガイド部材10に近い側面が第1傾斜面20bとなり、及び光ファイバガイド部材10から遠い側面が第2傾斜面20cとなる。これら第1傾斜面20b及び第2傾斜面20cには、基板側クラッド層21、ミラー部材22及び反基板側クラッド層23の3層が露出している。
この第1傾斜面20bの法線は、光ファイバ挿入溝12に挿入されたときの光ファイバ50の光路方向、すなわちy方向に対して上下方向に傾斜している。本実施の形態では、この第1傾斜面20bの法線は、この光路方向に対して下向きに45°傾斜している。この第1傾斜面20bのうちミラー部材22の部分が、ミラー面22bとなっている。
これら基板側クラッド層21、ミラー部材22及び反基板側クラッド層23の高さ位置は、光ファイバ50を光ファイバ挿入溝12内に挿入配置したときに、垂直面20aにおいて、ミラー部材22の光ファイバ接続用面22aが光ファイバ端面50aのコア層と接面し、基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23が光ファイバ端面50aのクラッド層と接面する位置となっている。これにより、光ファイバ50のコア層とミラー部材22との間で、光信号の授受を行うことができる。
(ミラー部材)
ミラー部材22の材料としては、使用する光信号の波長を透過する透明材料であれば特に限定されず、光信号の伝達に支障がない程度の透過率であることが好ましく、これにより少ない光損失にて光信号の授受を行うことができる。例えば、感光性の透明樹脂や熱硬化性の透明樹脂のような樹脂が好適に使用される。
ミラー部材22の厚さは、光ファイバ50のコア径以上が好ましく、この範囲であると、ミラー面22b側から光ファイバ50側へ伝達する光信号や、その逆に光ファイバ50側からミラー面22b側へ伝達する光信号の光損失を少なくすることができる。また、ミラー部材22の厚さは、(光ファイバ50のコア径+30μm)以下であることが好ましい。この場合、光信号が厚さ方向に大きく広がってしまうことが防止される。ミラー部材22の厚さは、より好ましくは(光ファイバ50のコア径)以上(光ファイバ50のコア径+10μm)以下であり、さらに好ましくは(光ファイバ50のコア径)以上(光ファイバ50のコア径+5μm)以下である。
ミラー部材22のY方向最大長さ、すなわち光ファイバ接続用面22aの下端からミラー面22bの下端までの距離は、250μm以下であると、ミラー部材22を透過する光信号の広がりを抑えられるため好ましい。この距離は、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは75μm以下である。また、この距離がミラー部材の厚さ以上であると、光ファイバと突き当てられるミラー部材の高さが、光ファイバのコア径以上となる点で好ましい。
このミラー面22bの上端から基板1の上面までの距離は、(光ファイバ50の半径+光ファイバのコア径/2)以上であることが好ましい。これにより、光ファイバ50を光ファイバ挿入溝12の底面に接触させるようにして光ファイバ挿入溝12内に挿入配置したときに、ミラー面22bの上端が光ファイバ50のコア層の上端よりも上位となるため、光信号の光損失を少なくすることができる。
このミラー面22bには、光信号を高効率で反射させるために、反射部材を設けてもよい。この反射部材は、例えばAuなどの金属を蒸着やメッキなどで被覆することにより形成することができる。
(基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23)
これら基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23の形成用樹脂としては、使用する光信号の波長を透過する材料であり、ミラー部材22よりも低屈折率であれば特に限定はなく、光又は熱により硬化する樹脂組成物が好ましく、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物がより好ましい。基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23は、材料が同一であっても異なっていてもよく、屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23の厚さは、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23の厚さは、5〜100μmの範囲であることがより好ましい。
また、基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23の厚さは、基板垂直方向(z方向)の光信号の広がりを防ぐため、光ファイバ50のクラッド層の厚さ、すなわち[(光ファイバ50の半径)−(光ファイバ50のコアの半径)]と同程度であることが更に好ましい。反基板側クラッド層23の厚さに関しては、所望するガイド本体部の高さと得るための厚さにすればよい。
<電気配線及び光電素子>
第2図に示すとおり本実施の形態では、基板1の下面に光電素子2が設けられている。この光電素子2は、ミラー面22bの下方に、光ファイバ挿入溝12と同数個(4個)設けられている。この光電素子2に対して電気配線3の一端が接続されており、この電気配線3の他端はy方向に延在している。
(電気配線板)
このように基板1の下面に電気配線が設けられた電気配線板としては、特に限定されるものではないが、金属配線がFR−4上に形成された電気配線板を用いてもよく、金属配線がポリイミドやポリアミドフィルム上に形成されたフレキシブル配線板を用いてもよい。本実施の形態のように基板1内を光信号が透過する場合には、基板本体1a及び接着層1bは、使用する光信号波長を透過するものである。
[光ファイバのミラー付き光ファイバコネクタへの接続方法]
本発明において、光ファイバ50をミラー付き光ファイバコネクタ30に接続する方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラスブロックで光ファイバ50を抑えて光ファイバ挿入溝12に押し込み、光路変換部材20の垂直面20aに光ファイバ50の端面50aを突き当てる。このとき、垂直面20aのうち光ファイバ接続用面22aが光ファイバ50のコア層と接面し、垂直面20aのうち基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23の側面が光ファイバ50のクラッド層と設面するようにする。この状態で、光ファイバ挿入溝12内に接着剤を充填する等して、光ファイバ50を光ファイバ挿入溝12内に固定すればよい。
[光ファイバコネクタ付き光ファイバケーブル]
このようにして、ミラー付き光ファイバコネクタの光ファイバ挿入溝に光ファイバを挿入してなる光ファイバコネクタ付き光ファイバケーブルが得られる(第3図(b)参照)。この光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ50からの光信号は、光ファイバ50の端面50aからミラー部材22の光ファイバ接続用面22aを介してミラー部材22内に透過し、光ファイバ50の光路の延長線に沿ってミラー部材22内を移動した後、ミラー面22bで反射されて下方に光路変換され、光電素子2に受光される。この受光された光信号は、光電素子2によって電気信号に変換された後、電気配線3を介して図示しない制御回路等に送信される。
反対に、電気配線3を介して光電素子2に送信された電気信号は、光電素子2によって光信号に変換され、光電素子2からミラー面22bに向けて送信される。この光信号は、ミラー面22bでy方向に光路変換され、光ファイバ接続用面22a及び端面50aを介して光ファイバ50に送信される。
この光ファイバケーブルによると、光ファイバ50の端面50aが光路変換部材20の垂直面20aに接面している。これにより、これら端面50aと垂直面20a(光ファイバ接続用面22a)との間に空気が介在することが防止され、これら端面50aと垂直面20a(光ファイバ接続用面22a)との間における光損失が小さくなる。またこの光ファイバケーブルによると、光ファイバ50と光電素子2との間の光路内にも空気が存在しないため、光損失がより小さくなる。
この光ファイバケーブルによると、ミラー部材22の下側に基板側クラッド層21が存在するため、この基板側クラッド層21の厚さを調節することにより、ミラー部材22の光ファイバ接続用面22aを光ファイバ端面50aのコア層と良好に接面させることができると共に、光ファイバ接続用面22a−光ファイバ端面50a間において、光信号が上下方向に広がることを防止することができる。
この光ファイバケーブルによると、ミラー部材22の上側に反基板側クラッド層23が存在するため、光ファイバ接続用面22a−光ファイバ端面50a間において、光信号が上下方向に広がることを防止することができる。
[ミラー付き光ファイバコネクタの製造方法]
次に、上記のミラー付き光ファイバコネクタ30の製造方法の一例を説明する。
第4図及び第5図は、ミラー付き光ファイバコネクタ30の製造方法を説明する断面図である。なお、第4図は、第1図のIIIa−IIIa線に沿う断面に相当する箇所の断面図であり、第5図は、第1図のIIIb−IIIb線に沿う断面に相当する箇所の断面図である。
<基板本体への電気配線及び光電素子の形成工程>
本実施の形態では、基板本体1aの下面に、電気配線3及び光電素子2を形成する。この電気配線3は、金属層3’をエッチングする等して形成することができる。光電素子2は、電気配線3を形成した後に、基板1の下面に設置する(第4図(a)〜(b)及び第5図(a)〜(b)参照)。
<接着層の形成工程>
本実施の形態では、基板1として、基板本体1a上に接着層1bが形成されたものを使用する。この接着層1bの形成方法は特に限定されず、例えば、接着層形成用樹脂の塗布又は接着層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すればよい(第4図(c)及び第5図(c)参照)。
塗布による場合には、その方法は限定されず、接着層形成用樹脂組成物を常法により塗布すればよい。
また、ラミネートに用いる接着層形成用樹脂フィルムは、例えば、接着層形成用樹脂組成物を溶媒に溶解して、キャリアフィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
<第1の工程>
第1の工程では、基板1上に基板側クラッド層形成用フィルムを積層した後、この基板側クラッド層形成用フィルムのうち前記光ファイバ挿入溝12の形成予定部位を除去することにより、前記基板側クラッド層21を形成する(第4図(d)及び第5図(d)参照)。
なお本実施の形態では、この基板側クラッド層形成用フィルムのうち、光ファイバ挿入溝12の形成予定部位のみならず、光ファイバガイド部材10の形成予定部分全体を除去している。ただし、光ファイバ挿入溝12の形成予定部位のみを除去してもよい。
この基板本体1aの上面に基板側クラッド層形成用フィルムを積層する方法は特に限定されず、例えば、基板側クラッド層形成用樹脂の塗布又は基板側クラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すればよい。塗布による場合には、その方法は限定されず、基板側クラッド層形成用樹脂組成物を常法により塗布すればよい。また、ラミネートに用いる基板側クラッド層形成用樹脂フィルムは、例えば、接着層形成用樹脂組成物を溶媒に溶解して、キャリアフィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
前記基板側クラッド層形成用フィルムのうち前記光ファイバ挿入溝12の形成予定部位を除去する方法としては特に限定はなく、ウェットエッチング、ドライエッチング等のエッチング等が挙げられる。特に、基板1上に光硬化樹脂を塗布又はフィルムのラミネートによって形成した後、フォトマスクを介してパターン露光し、次いで現像液を用いて非露光部又は露光部をエッチングするフォトエッチングが好適に用いられる。
<第2の工程>
第2の工程では、前記第1の工程によって前記基板側クラッド層21が形成された基板1上に透明樹脂フィルムを積層した後、この透明樹脂フィルムの光ファイバ挿入溝12の形成予定部位のみを除去して前記光ファイバ挿入溝12を形成することにより、前記光ファイバガイド部材10のコア層13と前記ミラー部材22とを一括形成する(第4図(e)及び第5図(e)参照)。この光ファイバ挿入溝12の第5図(e)における右端部が、光ファイバ接続用面22aとなる。
この透明樹脂フィルムを積層方法及び除去方法にも特に限定は無く、好ましくは上記基板側クラッド層21と同様の方法が用いられる。
<反基板側クラッド層形成工程>
この反基板側クラッド層形成工程では、第2の工程の後に、前記ファイバガイド部材10のコア層13及び前記ミラー部材22の上に、反基板側クラッド層形成用フィルムを積層した後、この反基板側クラッド層形成用フィルムのうち光ファイバ挿入溝形成予定部位を除去することにより、コア層13上に反基板側クラッド層14を形成すると共にミラー部材22上に反基板側クラッド層23を形成する(第4図(f)及び第5図(f)参照)。
これら反基板側クラッド層14,23の形成方法には特に限定は無く、好ましくは基板側クラッド層21と同様の方法が用いられる。
<第3の工程>
第3の工程では、前記反基板側クラッド層形成工程の後に、前記ミラー部材22に前記ミラー面22bを形成する(第4図(g)及び第5図(g)。
本実施の形態では、反基板側クラッド層23の上面からミラー部材22及び基板側クラッド層21の下面にまで至る光路変換面形成用溝25を形成する。ただし、この光路変換面形成用溝25は、少なくともミラー部材22の厚さ方向の途中にまで至っていればよい。また、接着層1bにまで至るように光路変換面形成用溝25を形成してもよい。これにより、この溝25の光ファイバガイド部材10側(図の左側)の側面が第1傾斜面20bとなり、この溝25の光ファイバガイド部材10と反対側(図の右側)の側面が第2傾斜面20cとなり、第1傾斜面20bに露出したミラー部材22の部分がミラー面22bとなる。
このミラー面22bの形成方法としては、特に限定されず、ダイシングソーによる加工、ドライ系のエッチング、及びウェット系のエッチングのいずれかの手法を用いて形成してもよく、それらを組み合わせて形成してもよいが、ダイシングソーによって光路変換面形成用溝25を形成するほうが、容易にミラー面22bを形成できる。
<スリット溝形成工程>
前記反基板側クラッド層形成工程又は前記第3の工程の後のいずれかにおいて、前記光ファイバ接続用面22a(光変換部材20の垂直面20a)を平坦化すると共に、前記光ファイバガイド部材10と前記光路変換部材20との間に前記基板1にまで達するスリット溝6を形成するスリット溝形成工程を実施する(第4図(g)及び第5図(g)。これら光ファイバ接続用面22aの平坦化及びスリット溝6の形成は、好ましくはダイシングソーによって行うことができる。
これにより、光ファイバ接続用面22aを光ファイバ端面50aに良好に接面させることができる。
<第1の実施の形態の変形例>
上記実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタ30にあっては、反基板側クラッド層23は省略してもよい。これにより、ミラー付き光ファイバコネクタ30をより容易に製造することができる。ただし、光信号が広がることを防止するためには、反基板側クラッド層23を設けることが好ましい。
スリット溝6は省略してもよい。
接着層1bは、基板本体1aに対して光ファイバガイド部材10及び光路変換部材20を直接に接合し得る場合には、省略してもよい。
光路変換面形成用溝25のx方向の両端は積層体24の両側面にまで達しているが、総ての光ファイバ挿入溝12と対向するミラー面22bを形成し得る限り、積層体24の両側面にまで達していなくてもよい。
ミラー部材22の光ファイバ接続用面22aは、x方向に延在する1つの面よりなっているが、総ての光ファイバ挿入溝12と対向する位置に光ファイバ接続用面22aが存在している限り、光ファイバ接続用面22aは複数個に分割されていてもよい。同様に、ミラー部材22のミラー面22bも、総ての光ファイバ挿入溝12の対向する位置に存在している限り、複数個に分割されていてもよい。
ミラー面22bは、光ファイバ挿入溝12に挿入配置された光ファイバ50の光路に対して、その法線が上向きに45°傾斜しているが、これに限定されず、例えば15〜75°特に30〜60°の範囲で傾斜していてもよい。この場合、光電素子2は、光ファイバ50と光信号を送受信可能な位置に配置する。
光路変換部材20の後半部(光路変換面形成用溝25よりも光ファイバガイド部材10から遠い部分)は、ミラー面22bを保護する機能を有するが、省略してもよい。このような光路変換部材20の後半部を省略したミラー付き光ファイアコネクタ30は、例えば第3の工程において、ダイシングソーで光路変換部材20及び基板1を切断することによって製造することができる。
(2) 第2の実施の形態
第6図は第2の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタ30Aの斜視図、第7図(a)は第6図のVIIa−VIIa線に沿う断面図、第7図(b)は第6図のVIIb−VIIb線に沿う断面図である。
このミラー付き光ファイバコネクタ30Aは、上記のミラー付き光ファイバコネクタ30の上面に蓋60を設けた構成となっており、ミラー付き光ファイバコネクタ30と同一符号は同一部分を示している。
この蓋60の材料は特に限定されるものではないが、上記の基板1の材料で列挙した基板本体1aと同一材料よりなる蓋本体61に、接着層1bと同一材料よりなる接着層62を形成したものが挙げられる。この接着層62を反基板側クラッド層23の上面に接着することにより、蓋60を設けることができる。
この蓋60は、光ファイバガイド部材10の上面に、光ファイバ挿入溝12を跨ぐようにして設けられている。これにより、光ファイバ50を光ファイバ挿入溝12に挿入したときに、光ファイバ50が光ファイバ挿入溝12の上方から抜けてしまうことが防止される。
この蓋60は、光路変換部材20の上面をも覆っているため、ミラー補強板として機能し、光路変換部材20特にミラー部材22が補強される。特にこの蓋60は、光路変換面形成用溝25を跨ぐようにして設けられているため、基板1がこの光路変換面形成用溝25の部分で折れることが防止される。
なお、この蓋60は、光ファイバガイド部材10の上面のみに設けてもよく、光路変換部材20の上面のみに設けてもよい。
このように蓋60を設ける場合には、光ファイバ挿入溝12の深さ(基板1表面から反基板側クラッド層23の表面までの距離)は、光ファイバ50の直径以上であると、光ファイバ挿入溝12内に容易に光ファイバ50を挿入することができる点で好ましい。一方、光ファイバ挿入溝12の深さが大き過ぎると、光ファイバ50が抜け易くなる。この光ファイバ挿入溝12の深さは、(光ファイバ50の直径+0.5μm)以上(光ファイバ50の直径+30μm)以下であることがより好ましく、(光ファイバ50の直径+1μm)以上(光ファイバ50の直径+10μm)以下であることが更に好ましい。
(3) 第3の実施の形態
上記実施の形態では、ミラー面22bは上向きに傾斜していたが、下向きに傾斜していてもよい。この点について第8図を用いて説明する。
第8図は第3の実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタ30Bの斜視図である。
このミラー付き光ファイバコネクタ30Bは、光路変換部材20Bのy方向後端面が、上側ほど後方に延在する傾斜面20b’となっており、ミラー部材22の後端面がミラー面22b’となっている。このミラー面22b’の法線は、光ファイバ挿入溝12に挿入配置された光ファイバ50の光路(y方向)に対して上向きに45°傾斜している。なお、本実施の形態では、基板1の後端面も傾斜面となっているが、傾斜面ではなくてもよい。少なくともミラー面22b’が傾斜面となっていればよい。
また、反基板側クラッド層23の上面のうちミラー面22b’の上方の位置に、光コネクタ70が設けられている。この光コネクタ70は、直方体形の光コネクタ本体部72と、光ファイバ挿入溝12と同数本(4本)の光ファイバ72とからなる。これら光ファイバ71の下端面は光コネクタ本体部71を貫通して反基板側クラッド層23の上面に接面している。これら光ファイバ71は、ミラー面22b’の上方に位置する。
なお、本実施の形態では、基板1の下面には、第1図の光電素子2及び電気配線3は設けられていない。
本実施の形態に係るミラー付き光ファイバコネクタ30Bのその他の構造は上記のミラー付き光ファイバコネクタ30と同様であり、ミラー付き光ファイバコネクタ30と同一符号は同一部分を示している。
このミラー付き光ファイバコネクタ30Bにあっては、光ファイバ50の端面50aと光ファイバ72の下端面との間における光信号の授受が、光路変換部材20のみを透過して行われる。
すなわち、光ファイバ50からの光信号は、光ファイバ接続用面22aを介してミラー部材22に入射し、ミラー面22b’で反射されて光路を上方に変換された後、対応する光ファイバ72に送信される。反対に、光ファイバ72からミラー部材22に入射した光信号は、ミラー面22b’で反射されて光路を基板面方向に変換された後、光ファイバ接続用面22aを介して対応する光ファイバ50に送信される。
このミラー付き光ファイバコネクタ30Bは、上記ミラー付き光ファイバコネクタ30と同様の方法によって製造することができる。なお、第3の工程では、ダイシングソーによって光路変換面形成用溝25を形成するほうが、容易にミラー面22b’を形成できる。
(4) その他の実施の形態
上記の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、ミラー付き光ファイバコネクタ30,30Aにおいて、光電素子2及び電気配線3に代えて、基板1の下面に第8図の光コネクタ70を設置してもよい。反対に、第8図のミラー付き光ファイバコネクタ30Bにおいて、光コネクタ70に代えて、光路変換部材20の上面に光電素子2及び電気配線3を設置してもよい。第8図のミラー付き光ファイバコネクタ30Bにおいて、光ファイバガイド部材10の上面に、光ファイバ挿入溝を跨ぐ蓋を設けてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1
(1)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
[(A)ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(A−1)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(A−1)溶液(固形分45質量%)を得た。
[重量平均分子量の測定]
(A−1)の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー(株)製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、3.9×104であった。なお、カラムは日立化成工業(株)製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
[酸価の測定]
A−2の酸価を測定した結果、79mgKOH/gであった。なお、酸価はA−2溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
[クラッド層形成用樹脂ワニスの調合]
(A)ベースポリマーとして、前記A−1溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン(株)製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
[クラッド層形成用樹脂フィルムの調合]
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、前記塗工機を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。クラッド層形成用樹脂フィルムの硬化後の膜厚と塗工後の膜厚は同一であった。このクラッド層形成用樹脂フィルムの厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、このクラッド層形成用樹脂フィルムの厚みを所定値としたものを、基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23として用いた。本実施例で使用した基板側クラッド層21の厚みについては、後述する。また、本実施例で用いた反基板側クラッド層23の膜厚についても後述する。実施例中に記載する上部クラッド層形成用樹脂フィルム(基板側クラッド層21及び反基板側クラッド層23)の膜厚は塗工後の膜厚とする。また、本実施例では、光ファイバガイド部材10の基材本体1aとの接着性が小さかったため、接着層1bとして乾燥後の膜厚が10μmの上記クラッド層形成用樹脂フィルムを用いた。
(2) 感光性の透明樹脂フィルムの作製
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記クラッド層形成用樹脂ワニスと同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記クラッド層形成用樹脂ワニスと同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られた感光性の透明樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記クラッド層形成用樹脂フィルムと同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、感光性の透明樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用した感光性の透明樹脂フィルム厚みに付いては、後述する。実施例中に記載する感光性の透明樹脂フィルムの膜厚は乾燥後の膜厚とする。
(3) 基板の作製
(サブトラクティブ法による電気配線形成)
片面銅箔付きのポリイミドフィルム((ポリイミド;ユーピレックスVT(宇部日東化成製)、厚み;25μm)、(銅箔;NA−DFF(三井金属鉱業社製))、厚み;9μm)(図(a)−1)の銅箔面に感光性ドライフィルムレジスト(商品名:フォテック、日立化成工業株式会製、厚さ:25μm)をロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度110℃、ラミネート速度0.4m/minの条件で貼り、次いで紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて感光性ドライフィルムレジスト側から幅60μm、ピッチ250μmのネガ型フォトマスクを介し、紫外線(波長365nm)を120mJ/cm2照射し、未露光部分の感光性ドライフィルムレジストを35℃の0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液で除去した。その後、塩化第二鉄溶液を用いて、感光性ドライフィルムレジストが除去されむき出しになった部分の銅箔をエッチングにより除去し、35℃の1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、露光部分の感光性ドライフィルムレジストを除去し、L(ライン幅)/S(間隙幅)=60/190μmの直線の電気配線を形成した。次いで、光電素子2を取り付けることにより、フレキシブル配線板を得た。
(Ni/Auめっきの形成)
その後、フレキシブル配線板を、脱脂、ソフトエッチング、酸洗浄し、無電解Niめっき用増感剤(商品名:SA−100、日立化成工業株式会社製)に25℃で5分間浸漬後水洗し、83℃の無電解Niめっき液(奥野製薬社製、ICPニコロンGM−SD溶液、pH4.6)に8分間浸漬して3μmのNi被膜を形成し、その後、純水にて洗浄を実施した。
次に、置換金めっき液(100mL;HGS−500及び1.5g;シアン化金カリウム/Lで建浴)(商品名:HGS−500、日立化成工業株式会社製、)に85℃で8分間浸漬し、Ni被膜上に0.06μmの置換金被膜を形成した。これにより、カバーレイフィルムのない電気配線部分が、Ni及びAuのめっきに被覆されたフレキシブル配線板を得た。
(4) 接着層の形成
接着層1bとして上記で得られた10μm厚の接着層形成用樹脂フィルムを大きさ100×100mmに裁断し、保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、上記で形成したフレキシブル配線板のポリイミドフィルム面に、平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着した。次いで、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にてキャリアフィルム側から紫外線(波長365nm)を4J/cm2照射し、キャリアフィルムを剥離して、170℃で1時間加熱処理することにより、厚さ10μmの接着層1b付きの基板1(100mm×100mm)を形成した(第4図(c)及び第5図(c))。
(5) 光ファイバガイド部材及び光変換部材形成用パターンの作製
上記で得られた15μm厚の基板側クラッド層形成用樹脂フィルムを大きさ100×100μmに裁断し、保護フィルムを剥離して、接着層1b面側に上記と同様の条件で、真空ラミネータによって積層した。溝幅150μm、溝ピッチ250μm、溝長さ3mm×4本の非露光部を有したネガ型フォトマスクを介し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にてキャリアフィルム側から紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射した。その後、キャリアフィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、基板側クラッド層形成用樹脂フィルムをエッチングした。続いて、水洗浄し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、光ファイバ挿入溝12形成部分に150μm×3.0mmの開口部を形成した基板側クラッド層21付きの基板1を作製した(第4図(d)及び第5図(d))。
次に、上記の接着層1b及び基板側クラッド層21面にロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.5MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、保護フィルムを剥離した52μm厚の上記感光性の透明樹脂フィルムをラミネートした。その後、光ファイバガイド用のパターン(溝幅;130μm、溝ピッチ;250μm、溝長さ3mm×4本、溝間の光ファイバガイド幅;120μm(光ファイバガイドの中心に50μmの溝)、ミラー部材用のコアパターン;光ファイバ挿入溝方向に対して垂直方向に700μm幅・光ファイバ挿入溝方向に対して平行方向に80μm幅)、のネガ型フォトマスクを介し、光ファイバ挿入溝12が接着層1b上、ミラー部材用コアパターンが基板側クラッド層21上に形成されるように位置合わせをし、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、キャリアフィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンをエッチングした。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥することにより、光ファイバガイド部材10を形成し、同時に光ファイバ挿入溝12(溝幅130μm、隣り合う溝の間に存在するガイド本体部の幅120μm)を形成した。なお、4本の溝の先端部分に残った透明樹脂パターンをミラー部材形成用のパターンとした。これにより、光ファイバガイド部材10と、ミラー部材形成用のパターンを形成した(第4図(e)及び第5図(e))。
(6) 反基板側クラッド層の形成
次いで、保護フィルムを剥離した50μm厚の上部クラッド層樹脂フィルムをコアパターン形成面側から上記の真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間45秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。さらに、基板側クラッド層21形成の際に使用したネガ型フォトマスクを使用して紫外線(波長365nm)を600J/cm2照射後、キャリアフィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、光ファイバ挿入溝12部分の反基板側クラッド層形成用樹脂フィルムをエッチングした。続いて、水洗浄し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化した、反基板側クラッド層23を形成した(第4図(f)及び第5図(f))。
(7) ミラー面の形成
得られたミラー部材形成用のパターンのうち光ファイバ挿入溝12側の端面よりも80μm離れた位置に、光ファイバガイド部材10と垂直方向にダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて45°のミラー面22bを形成した。これにより、光ファイバ挿入溝12方向の断面形状が直角台形のミラー部材20を形成した(第4図(g)及び第5図(g))。
(8) ミラー部材の光ファイバ接続用面の形成
得られたミラー部材22の光ファイバ挿入溝12側の垂直面20a(光ファイバ接続用面22a)を平滑化するためにダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて40μm幅のスリット溝6を形成した(第4図(g)及び第5図(g))。
(9) 光ファイバ挿入溝上の蓋の形成
(PCT/JP2008/05465に記載の接着層の作製)
PCT/JP2008/05465に記載の接着層を作製し、蓋用接着層60bとした。すなわち、(a)エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成株式会社製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)55質量部、(b)硬化剤としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8質量%、350℃における加熱重量減少率4%)45質量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー株式会社製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部とNUC A−1160(日本ユニカー株式会社製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部、(d)フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル株式会社製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。これに(c)高分子化合物としてグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート3質量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製商品名、重量平均分子量80万)を280質量部、及び(e)硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)を0.5質量部加え、攪拌混合、真空脱気した。
(蓋の形成)
この接着剤ワニスをキャリアフィルムとして厚さ25μmのポリイミドフィルム(カプトンEN)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、次いで保護フィルムとして25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ピューレックスA31)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、接着層60b付きの蓋60を得た。
次に上記の保護フィルム面側から上記の露光機を用いて1000/cm2照射した後、保護フィルムを剥離し、光ファイバガイド部材10の上面及びミラー部材形成面側から、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着した。次いで、180℃1時間加熱硬化し、光ファイバ挿入溝12に蓋60を形成した(第7図(a)及び(b))。このとき、ミラー部材22のミラー面22bの上部にも蓋60を形成し、ミラー補強板とした。
(10) 外形加工
光ファイバガイド部材10に対して垂直に基板1を切断し(ミラー部材22の垂直面から2mm地点)、基板1端面に光ファイバ挿入溝12の側面が現れるように外形加工を行った。
以上のようにして得られたミラー付き光ファイバコネクタ30の光ファイバ挿入溝12に、125μmピッチ、4チャンネルの光ファイバ50(コア径;50μm、クラッド径;125μm)を挿入したところ、光ファイバ50のコア層がミラー部材22の光ファイバ接続用面22aに接合し、光ファイバ50から光信号を伝達することも、光ファイバ50へ光信号を伝達することも可能であり、かつ、光路変換が可能であった。
実施例2
実施例1において、ミラー部材形成用のパターンとして厚さ120μmの透明樹脂フィルムを用い、ミラー部材形成用のパターンのうち光ファイバ挿入溝12側の端面よりも150μm離れた位置に、に光ファイバガイド部材10と垂直方向にダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて45°のミラー面22bを形成し、反基板側クラッド層23及び蓋60を形成しなかった以外は同様の方法で、ミラー付き光ファイバコネクタを作製した。
以上のようにして得られたミラー付き光ファイバコネクタの光ファイバ挿入溝12に、125μmピッチ、4チャンネルの光ファイバ50(コア径;50μm、クラッド径;125μm)をガラスブロックで抑えて挿入したところ、ミラー部材22の光ファイバ接続用面22aに接合し、光ファイバ50から光信号を伝達することも、光ファイバ50へ光信号を伝達することも可能であり、かつ、光路変換が可能であった。
以上詳細に説明したように、本発明のミラー付き光ファイバコネクタは、基板自体に溝を設けることなく光ファイバとミラーとの正確な位置合わせを行うことが可能であり、かつ光損失が小さいため、光ファイバ用の光電気変換基板等として有用である。
1 基板
2 電気配線
3 光電素子
10 光ファイバガイド部材
11 ガイド本体部
12 光ファイバ挿入溝
13 コア層
14 反基板側クラッド層
20 光路変換部材
20a 垂直面
20b 第1傾斜面
21 基板側クラッド層
22 ミラー部材
22a 光ファイバ接続用面
22b ミラー面
23 反基板側クラッド層
30,30A,30B ミラー付き光ファイバコネクタ
60 蓋

Claims (13)

  1. 基板と、前記基板上に並設された光ファイバガイド部材及び光路変換部材とを有するミラー付き光ファイバコネクタであって、
    前記光ファイバガイド部材は光ファイバを挿入するための光ファイバ挿入溝を有しており、
    前記光路変換部材は、ミラー部材と、前記ミラー部材よりも前記基板側に位置する基板側クラッド層とを有しており、
    前記ミラー部材は、前記光ファイバ挿入溝に挿入された光ファイバの端面と接面させるための光ファイバ接続用面と、前記光ファイバ挿入溝に挿入された光ファイバの光路の延長線上に位置し且つ前記延長線に対して法線が傾斜しているミラー面とを有するミラー付き光ファイバコネクタ。
  2. 前記基板が接着層を有しており、前記接着層上に前記ファイバガイド部材及び前記光路変換部材が設けられている請求項1に記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
  3. 前記基板が、電気配線板である請求項1又は2に記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
  4. 前記ミラー部材が、光信号を透過する透明部材である請求項1〜3のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
  5. 前記光路変換部材のうち前記基板側クラッド層側とは反対側の面に、ミラー補強板を有する請求項1〜4のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
  6. 前記光ファイバガイド部材のうち前記基板側とは反対側の面に、前記光ファイバ挿入溝を跨ぐ蓋を有する請求項1〜5のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタ。
  7. 前記基板上に基板側クラッド層形成用フィルムを積層した後、前記基板側クラッド層形成用フィルムのうち前記光ファイバ挿入溝の形成予定部位を除去することにより、前記基板側クラッド層を形成する第1の工程、
    前記第1の工程によって前記基板側クラッド層が形成された基板上に透明樹脂フィルムを積層した後、前記透明樹脂フィルムのうち前記光ファイバ挿入溝の形成予定部位を除去して前記光ファイバ挿入溝を形成することにより、前記光ファイバガイド部材と前記ミラー部材を一括形成する第2の工程、及び
    前記ミラー部材に前記ミラー面を形成する第3の工程
    をこの順に有する請求項1〜6のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
  8. 前記第2の工程の後に、前記ファイバガイド部材及び前記ミラー部材の上に、反基板側クラッド層形成用フィルムを積層した後、前記反基板側クラッド層形成用フィルムのうち光ファイバ挿入溝形成予定部位を除去する反基板側クラッド層形成工程を有する請求項7に記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
  9. 前記第1の工程と前記第2の工程との間、前記第2の工程と前記第3の工程との間、及び前記第3の工程の後のいずれかにおいて、ダイシングソーによって、前記光ファイバ接続用面を平坦化すると共に、前記光ファイバガイド部材と前記光路変換部材との間に前記基板にまで達するスリット溝を形成するスリット溝形成工程を有する請求項7又は8に記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
  10. 前記第2の工程と前記第3の工程との間又は前記第3の工程の後に、前記ミラー部材のうち前記基板側クラッド層側とは反対側の面に、ミラー補強板を形成するミラー補強板形成工程を有する請求項7〜9のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
  11. 前記第2の工程と前記第3の工程との間又は前記第3の工程の後に、前記光ファイバガイド部材のうち前記基板側とは反対側の面に、前記光ファイバ挿入溝を跨ぐ蓋を形成する蓋形成工程を有する請求項7〜10のいずれかに記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
  12. 請求項10に記載のミラー付き光ファイバコネクタの製造方法であって、請求項11に記載の前記蓋形成工程を、前記ミラー補強板形成工程と同一工程で行うミラー付き光ファイバコネクタの製造方法。
  13. 請求項1〜6に記載のミラー付き光ファイバコネクタの前記光ファイバ挿入溝に光ファイバを挿入してなる光ファイバコネクタ付き光ファイバケーブル。
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