JP2012132545A - 湿式摩擦クラッチおよびそれを備えた自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式摩擦クラッチの断続性能を低下させずに、フリクションプレートおよびクラッチプレートの耐久性の向上を図る。
【解決手段】湿式摩擦クラッチは、フリクションプレートを支持するクラッチハウジングと、クラッチプレートを支持するクラッチボス30と、クラッチハウジングおよびクラッチボス30に挿通されたメイン軸とを備えている。メイン軸には、クラッチボス30の裏側に油を供給する孔が形成されている。クラッチボス30の裏側には、中心側から外周側に延び、その表面を油が外周側に向かって伝わる複数のフィン60が形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、湿式摩擦クラッチおよびそれを備えた自動二輪車に関する。
従来から、自動二輪車等において湿式摩擦クラッチが用いられている。湿式摩擦クラッチは、フリクションプレートを支持するクラッチハウジングと、クラッチプレートを支持するクラッチボスとを備える。クラッチハウジングはフリクションプレートと共に回転し、クラッチボスはクラッチプレートと共に回転する。フリクションプレートとクラッチプレートとを互いに押し付けると、フリクションプレートとクラッチプレートとの間の摩擦によって、クラッチハウジングからクラッチボスに駆動力が伝達される。フリクションプレートとクラッチプレートとを離反させると、クラッチハウジングからクラッチボスへの駆動力は遮断される。
自動二輪車等に用いられる湿式摩擦クラッチは頻繁に断続され、いわゆる半クラッチ状態で使用される場合がある。すなわち、自動二輪車等に用いられる湿式摩擦クラッチでは、フリクションプレートをクラッチプレートに対して滑らせながら、駆動力を伝達する場合がある。しかし、半クラッチ状態を多用すると、フリクションプレートおよびクラッチプレートは過剰に熱せられ、耐久性が低下するおそれがある。
そこで、フリクションプレートおよびクラッチプレートの摩擦面に油を直接供給することにより、フリクションプレートおよびクラッチプレートを冷却する技術が提案されている。特許文献1には、表側から裏側に貫通した切り口と、切り口の半径方向の外方に位置する切起し部とを有するクラッチボスが開示されている。特許文献1に開示された湿式摩擦クラッチでは、クラッチボスの表側に供給された潤滑油は、遠心力を受けて半径方向の外方に移動する。この潤滑油は上記切起し部に捕捉され、上記切り口を通じてクラッチボスの裏側に導かれる。クラッチボスの裏側に導かれた潤滑油は、遠心力を受けて半径方向の外方に移動し、フリクションプレートおよびクラッチプレートの摩擦面に供給される。
特開2004−197777号公報
しかし、上記従来技術では、供給される油の量が増えると、クラッチの切断不良が生じるおそれがある。すなわち、フリクションプレートとクラッチプレートとを離反させても、フリクションプレートとクラッチプレートとの間に介在する潤滑油を介して、フリクションプレートからクラッチプレートに駆動力の一部が伝達されてしまうおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、湿式摩擦クラッチの断続性能を低下させずに、フリクションプレートおよびクラッチプレートの耐久性の向上を図ることにある。
本発明に係る湿式摩擦クラッチは、クラッチボスと、クラッチハウジングと、第1摩擦板と、第2摩擦板と、軸とを備えている。前記クラッチボスは、中心に孔が形成された第1円板部と、前記第1円板部の半径方向の中途位置から表方向に延びる第1支持部と、を有する。前記クラッチハウジングは、中心に孔が形成され且つ前記第1円板部よりも裏側の方に位置する第2円板部と、前記第2円板部から表方向に延び、前記第1支持部よりも半径方向の外方に位置する第2支持部と、を有する。前記第1摩擦板は、少なくとも一部が前記第1支持部よりも半径方向の外方に位置するように前記第1支持部に支持される。前記第2摩擦板は、少なくとも一部が前記第2支持部よりも半径方向の内方に位置するように前記第2支持部に支持され、前記第1摩擦板に対し接触および離反が可能なように対向する。前記軸は、前記クラッチボスの孔と前記クラッチハウジングの孔とに挿通されている。前記軸には、前記第1円板部と前記第2円板部との間に油を供給する給油路が形成されている。前記第1円板部の裏側には、中心側から外周側に延びる凹状または凸状の部分からなり、その表面を油が外周側に向かって伝わる導油部分が形成されている。
本発明によれば、湿式摩擦クラッチの断続性能を低下させずに、フリクションプレートおよびクラッチプレートの耐久性の向上を図ることができる。
自動二輪車の側面図である。 パワーユニットの主要要素の位置関係を示す平面図である。 実施形態1に係るクラッチの断面図である。 実施形態1に係るクラッチボスの裏面図である。 図4のV−V線断面図である。 クラッチボスの加工を説明する図である。 実施形態2に係るクラッチボスの裏面図である。 実施形態3に係るクラッチボスの裏面図である。 実施形態4に係るクラッチボスの裏面図である。 実施形態5に係るクラッチボスの裏面図である。 図10のXI−XI線断面図である。
<実施形態1>
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下に説明する湿式摩擦クラッチ(以下、単にクラッチという)は、自動二輪車のパワーユニットに内蔵されたものである。ただし、本発明に係るクラッチは自動二輪車以外の鞍乗型車両(例えばATV等)のパワーユニットに内蔵されるものであってもよく、鞍乗型車両以外の車両または車両以外の装置に設けられるものであってもよい。
図1に示す自動二輪車1は、いわゆるモータサイクルである。ただし、本発明に係る自動二輪車の車両形態は特に限定されない。自動二輪車1はスクータであってもよく、いわゆるモペットであってもよい。自動二輪車1はオンロード型に限らず、オフロード型の自動二輪車であってもよい。
下記説明において、前、後、左、右の方向は、シート16に着座した乗員から見た前、後、左、右の方向をそれぞれ意味するものとする。図1に示すように、自動二輪車1は、車両本体7と前輪14と後輪19とを備えている。車両本体7は、車体フレーム10と、車体フレーム10に支持された燃料タンク17およびシート16とを備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11を有している。ヘッドパイプ11には、ハンドル12およびフロントフォーク13が取り付けられている。前輪14はフロントフォーク13の下端部に取り付けられている。ハンドル12には、クラッチレバー24が設けられている。クラッチレバー24は、ライダーがクラッチ2(図3参照)を断続する際に操作される。車両本体7の左右両側には、フットレスト20が設けられている。車両本体7の左側且つ左側のフットレスト20の前方には、シフトペダル27が設けられている。シフトペダル27は、ライダーが変速装置5(図2参照)の変速比を変更する際に操作される。
車体フレーム10には、パワーユニット3が支持されている。図2に示すように、パワーユニット3には、クランク軸21を有するエンジン4と、クラッチ2と、いわゆるドグクラッチ式の変速装置5とが収容されている。エンジン4の種類は何ら限定されない。エンジン4は空冷式エンジンであってもよく、水冷式エンジンであってもよい。エンジン4は単気筒エンジンであってもよく、2気筒または4気筒等の多気筒エンジンであってもよい。エンジン4は、4サイクルエンジンであってもよく、2サイクルエンジンであってもよい。エンジン4の代わりに、電動モータ等の他の駆動源を用いることも可能である。変速装置5の種類も何ら限定されない。変速装置5は、有段式の変速装置に限らず、Vベルト式無段変速機等の無段式の変速装置であってもよい。変速装置5は、メイン軸50とドライブ軸28との間に介在している。変速装置5は、メイン軸50からドライブ軸28に所定の変速比で駆動力を伝達する。ドライブ軸28の先端には、スプロケット29が固定されている。スプロケット29には、チェーン26が巻き掛けられている。なお、図2の符号23は発電機を示している。
図1に示すように、車体フレーム10には、リアアーム18が揺動可能に支持されている。リアアーム18の後端部には、後輪19が取り付けられている。後輪19はチェーン26およびスプロケット29(図2参照)を介して、ドライブ軸28に連結されている。チェーン26は、ドライブ軸28の駆動力を後輪19に伝達する動力伝達機構の一例である。なお、動力伝達機構の種類は何ら限定されず、例えば、チェーン26以外に、ベルト、ドライブシャフトなどを用いることができる。エンジン4が発生する駆動力は、クランク軸21、クラッチ2、メイン軸50、変速装置5、ドライブ軸28、およびチェーン26を介して後輪19に伝達される。
図3はクラッチ2等の断面図である。クラッチ2は、周囲に油が存在する環境下で使用される摩擦クラッチ、すなわち湿式摩擦クラッチである。クラッチ2は、密閉されたクランクケース22内に配置されている。クラッチ2は外気に晒されないようになっている。クラッチ2は、クラッチボス30と、クラッチハウジング40と、メイン軸50とを備えている。図2に示すように、本実施形態では、クラッチ2は車両中心線CLよりも右方に配置されている。そのため、右側がクラッチ2の表側、左側がクラッチ2の裏側となる。以下の説明では、クラッチ2の右側を「表側」、左側を「裏側」と適宜称することがある。ただし、クラッチ2を車両中心線CLよりも左方に配置することも可能である。その場合には、左側がクラッチ2の表側となり、右側がクラッチ2の裏側となる。
図3に示すように、クラッチボス30は、中心に孔31が形成された第1円板部32と、第1円板部32から右方向に延びる第1支持部33とを有している。孔31にはメイン軸50が挿入されている。孔31の内周面とメイン軸50の外周面とには溝が形成されており、第1円板部32とメイン軸50とは噛み合っている。メイン軸50はクラッチボス30と共に回転する。以下では、メイン軸50の中心から径方向外向きの方向を半径方向(図4の符号R参照)といい、メイン軸50の中心周りの方向を周方向(図4の符号S参照)ということとする。第1支持部33は、周方向に所定間隔毎に設けられている。第1支持部33は、第1円板部32の半径方向の中途部分から右方向に延びている。
第1支持部33には、複数のクラッチプレート34が支持されている。クラッチプレート34は右方向に並んでいる。クラッチプレート34は、第1支持部33に対して周方向には相対移動できないように支持されている。そのため、クラッチプレート34はクラッチボス30と共に回転する。クラッチプレート34は、第1支持部33に対し、左方向および右方向には移動可能なように支持されている。図3では一例として2枚のクラッチプレート34を図示しているが、クラッチプレート34の枚数は何ら限定されない。
クラッチハウジング40は、中心に孔41が形成された第2円板部42と、第2円板部42から右方向に延びる第2支持部43とを有している。第2円板部42は、第2支持部43に一体成形された本体42aと、ギア42bとから構成されている。本体42aとギア42bとは別体であり、ギア42bは本体42aに組み立てられている。ただし、本体42aとギア42bとは別体でなくてもよく、一体成形されていてもよい。ギア42bは、クランク軸21のギア21aと噛み合っている。ギア42bは、クランク軸21と共に回転する。第2円板部42の孔41にはメイン軸50が挿入されている。孔41の内周面とメイン軸50の外周面との間には、ニードルベアリング48が設けられている。クラッチハウジング40はメイン軸50に対して回転可能である。第2円板部42は第1円板部32よりも左方に位置している。第2支持部43は第1支持部33よりも半径方向の外方に位置している。
第2支持部43には、複数のフリクションプレート44が支持されている。フリクションプレート44は第2円板部42の右方に並んでいる。フリクションプレート44とクラッチプレート34とは交互に配置されており、互いに対向している。各クラッチプレート34は隣り合う2枚のフリクションプレート44の間に配置されている。フリクションプレート44は、第2支持部43に対して周方向には相対移動できないように支持されている。そのため、フリクションプレート44はクラッチハウジング40と共に回転する。フリクションプレート44は、第2支持部43に対し、左方向および右方向には移動可能なように支持されている。図3では一例として3枚のフリクションプレート44を図示したが、フリクションプレート44の枚数は何ら限定されない。
クラッチボス30の右方には、プレッシャプレート55が配置されている。プレッシャプレート55の半径方向の外側部分には、最も右側に位置するフリクションプレート44と接触する接触部分58が形成されている。なお、最も右側に位置するプレートがクラッチプレート34である場合には、接触部分58はクラッチプレート34と接触するように形成される。また、接触部分58は、フリクションプレート44またはクラッチプレート34と直接接触する代わりに、フリクションプレート44およびクラッチプレート34に間接的に接触するように形成されていてもよい。クラッチボス30には、右方に突出する突出部35が形成されている。突出部35とプレッシャプレート55との間には、プレッシャプレート55を左方に付勢するばね56が設けられている。プレッシャプレート55はばね56によって左向きの力を常時受けており、接触部分58はフリクションプレート44を左向きに押し付ける。これにより、フリクションプレート44とクラッチプレート34とは互いに押し付けられ、フリクションプレート44とクラッチプレート34との間の摩擦によって、クラッチハウジング40からクラッチボス30に駆動力が伝達される。
プレッシャプレート55には、クラッチレバー24と連動するための機構が設けられている。本実施形態では、メイン軸50の内部に、プッシュ軸51と、ボール52と、スライド軸53の一部とが設けられている。プッシュ軸51はクラッチレバー24と連結している。スライド軸53はプレッシャプレート55に固定されており、プレッシャプレート55と共に左方向および右方向に移動する。ボール52はプッシュ軸51とスライド軸53との間に介在しており、プッシュ軸51およびスライド軸53に対して回転可能に接触している。プッシュ軸51はボール52を介してスライド軸53と相対回転可能である。ライダーがクラッチレバー24(図1参照)を握ると、プッシュ軸51は右方向に移動する。その結果、プレッシャプレート55はボール52およびスライド軸53を介して右向きに押され、右方に移動する。ライダーがクラッチレバー24を放すと、プレッシャプレート55を右向きに押す力がなくなるので、プレッシャプレート55はばね56の力によって左方に移動する。なお、上記機構は一例に過ぎず、クラッチレバー24とプレッシャプレート55とを連動させる機構の具体的構成は何ら限定されない。例えば、上記機構は、クラッチレバー24の操作に伴ってプレッシャプレート55を右方から引っ張る機構であってもよい。
プレッシャプレート55の移動量は、クラッチレバー24の握り量、言い換えるとクラッチレバー24の回転位置によって調整される。ライダーがクラッチレバー24を中途位置まで回転させると、接触部分58がフリクションプレート44を押す力が弱まり、フリクションプレート44とクラッチプレート34とを互いに押し付ける力は弱くなる。その結果、フリクションプレート44がクラッチプレート34に対して滑り、クラッチ2は半クラッチ状態となる。ライダーがクラッチレバー24を更に回転させると、プレッシャプレート55が右方に移動し、接触部分58はフリクションプレート44から離れる。その結果、フリクションプレート44とクラッチプレート34とは離反し、クラッチハウジング40からクラッチボス30への駆動力の伝達は遮断される。
パワーユニット3には油が供給される摺動部分が複数存在する。メイン軸50の内部には、図示しないオイルポンプから供給される油を導く給油路54が形成されている。本実施形態では、メイン軸50の孔50aの内周面とプッシュ軸51の外周面との間の隙間、およびメイン軸50の孔50aから半径方向に延びる孔57等によって、給油路54が形成されている。プッシュ軸51の先端部には、螺旋状の溝51aが形成されている。この溝51aによって、メイン軸50の右側の先端部分にまで油を良好に供給することができる。メイン軸50の内部の油は、メイン軸50の回転に伴って遠心力を受け、孔57から流れ出る。孔57から流れ出た油は、クラッチボス30とクラッチハウジング40との間に供給される。
クラッチハウジング40の第2円板部42の表側(詳しくは本体42aの表側)には、孔41を取り囲み且つ右方に突出する突出部45が形成されている。突出部45はメイン軸50の中心周りに環状に形成されている。突出部45には、半径方向の外側に行くほど右方向に向かう傾斜面45aが形成されている。傾斜面45aは孔57の半径方向の外方に位置しており、孔57から流れ出た油を右方向に案内する役割を果たす。言い換えると、傾斜面45aは、孔57から流れ出てきた油をクラッチボス30の第1円板部32の裏側に向かって案内する役割を果たす。ただし、突出部45は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
第1円板部32の裏側には、裏方向に向かって起立した複数のフィン60が形成されている。図4は第1円板部32を左方から見た裏面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。図4の符号Rは半径方向を表し、符号Sは周方向を表している。図4に示すように、各フィン60は中心側から外周側に向かって延びている。ここで「中心側から外周側に向かって延びている」とは、フィン60の一端が他端よりも半径方向Rの外方に位置していることを意味する。「中心側から外周側に向かって延びている」には、半径方向Rに沿って直線状に延びている場合だけでなく、フィン60の少なくとも一部が半径方向Rから傾いた方向に直線状または曲線状に延びている場合も含まれる。フィン60は、その表面を油が外周側に向かって伝わる部分、すなわち導油部分の一例である。
図4および図5に示すように、第1円板部32の中心側には、円筒状のカラー32Aが形成されている。図4に示すように、カラー32Aには、半径方向Rに延びるスリット32aが形成されている。スリット32aは孔57から流れ出てきた油を第1円板部32の裏側の面に供給する役割を果たす。スリット32aの数は1つに限られず、2つ以上のスリット32aが例えば放射状に形成されていてもよい。ただし、スリット32aは必ずしも必要ではない。
フィン60は、それぞれ長さの異なる第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63に大別される。第1フィン61は第2フィン62よりも長く、第3フィン63は第2フィン62よりも短い。第2フィン62は、周方向Sに隣り合う第1フィン61の間に配置されている。第3フィン63は、周方向Sに隣り合う第1フィン61の間、または第1フィン61と第2フィン62との間に配置されている。第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の幅は互いに等しい。ただし、第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の幅は異なっていてもよい。第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の幅は、それぞれ一定である。ただし、第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の少なくとも一つは、長手方向に沿って幅が変化していてもよい。第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の断面形状は矩形状であるが、それらの断面形状は特に限定されず、例えば三角形状等の他の形状であってもよい。ただし、断面が矩形状のフィンは、製造が容易であるという利点を有する。
第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の各々の少なくとも一部は、クラッチプレート34およびフリクションプレート44の左方に位置している(図3参照)。言い換えると、第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の各々の少なくとも一部は、半径方向Rの位置に関して、クラッチプレート34およびフリクションプレート44と同じ位置にある。第1フィン61の内側端61aは、第1円板部32の半径方向Rの中間位置よりも中心側に位置しており、第1フィン61の外側端61bは、第1円板部32の外周縁部に位置している。第2フィン62の内側端62aは、第1円板部32の半径方向Rの中間位置の近傍に位置しており、第2フィン62の外側端62bは、第1円板部32の外周縁部に位置している。第3フィン63の内側端63aは、第1支持部33の左方に位置しており(図3参照)、第3フィン63の外側端63bは第1円板部32の外周縁部に位置している。
フィン60の枚数は、中心側から半径方向Rの外側に行くほど多くなっている。第1フィン61同士の間隔は半径方向Rの外側に行くほど広くなるが、隣り合う第1フィン61の間には第2フィン62および/または第3フィン63が配置されているので、フィン間隔は比較的小さく保たれている。このように本実施形態によれば、長さの異なる複数のフィン61、62および63を用いることにより、第1円板部32の裏側に複数のフィン60が満遍なく配置されている。
第1フィン61の内側部61Aは半径方向Rに沿って直線状に延びており、外側部61Bは半径方向Rから傾いている。外側部61Bはクラッチボス30の回転方向Aと逆側に傾いていてもよいが、本実施形態では、外側部61Bは回転方向A側に傾いている。外側部61Bは直線状に延びていてもよいが、本実施形態では外側部61Bは湾曲している。外側部61Bは、外周側に行くほど半径方向Rに対する傾斜角θが大きくなるように傾斜している。第2フィン62についても同様である。第3フィン63は湾曲しており、外周側に行くほどクラッチボス30の回転方向A側に向かうように傾斜している。
第1円板部32のカラー32Aの外側には、中間部32B、外周部32Cが順に形成されている。図5に示すように、外周部32Cは中間部32Bよりも右方向に窪んでいる。第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の高さh、言い換えると第1円板部32の中間部32Bの面からの突出量は、互いに等しい。上記高さhは、カラー32Aの高さと等しくなっている。ただし、第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63の高さhは、互いに異なっていてもよい。上記高さhはカラー32Aの高さと異なっていてもよい。
ところで、クラッチ2は密閉されたクランクケース22の内部に収容されており、第1円板部32の裏側の空間に外気は導入されない。外気を導入するフィンを有する乾式クラッチは公知であるが、フィン60は外気を導くためのフィンとは根本的に異なるものである。また、外気を導入するためのフィンは、車両中心CL(図2参照)と反対側、すなわち表側に設けられるものである。これに対し、フィン60は裏側に設けられている。フィン60はクラッチボス30の車両中心CL側の面に設けられている。
図4及び図5に示すように、第1円板部32の裏側には、裏方向に突出し且つ平坦な頂面65Aを有する台座65が形成されている。クラッチボス30はダイキャスト(die casting)によって製作される。図6に示すように、型抜き後のクラッチボス30は台70の上に支持され、切削加工や研磨加工等を行う各種の加工ツール71によって加工される。台座65はクラッチボス30の加工の際に、加工ツール71等によって押しつけられるクラッチボス30の荷重を受け止める役割を果たす。また、台座65は、加工位置の基準として利用される。強度を高めるために台座65は中実体から構成されている。加工の際にフィン60が押しつぶされないように、台座65の頂面65Aの高さha(図5参照)はフィン60の高さhよりも高くなっている。図4に示すように、台座65は第1フィン61の外側部61Bと第3フィン63とに架けて形成されている。台座65の横幅は、各フィン60の横幅よりも大きくなっている。
加工の際にクラッチボス30を安定して支持する観点からは、台座65の個数は多い方が好ましい。一方、台座65の個数が多すぎると、相対的にフィン60の表面積が減少する。フィン60の表面積が減少すると、フィン60によるクラッチボス30の冷却性能の向上の効果が小さくなる。そこで本実施形態では、加工の際にクラッチボス30を安定して支持することができ、且つ、フィン60による冷却性能の向上を充分に図ることができるよう、合計4つの台座65が周方向Sに等間隔毎に配置されている。ただし、台座65の個数は必ずしも4つに限定される訳ではなく、2つまたは3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
台座65は第1円板部32の外周端よりも半径方向の内方に形成されている。ただし、台座65は第1円板部32の外周端に形成されていてもよい。
パワーユニット3の運転中にクラッチ2は頻繁に断続され、クラッチプレート34とフリクションプレート44との摩擦によって、クラッチボス30およびクラッチハウジング40は加熱される。図3に示すように、第1支持部33は第2支持部43よりも半径方向の内方に位置しており、クラッチボス30はクラッチハウジング40の内方に配置されている。クラッチボス30はクラッチハウジング40およびプレッシャプレート55によって囲まれており、温度が高くなりやすい。
パワーユニット3の運転中に、油はメイン軸50の内部から孔57およびスリット32aを通じて、第1円板部32の裏側に供給される。第1円板部32の裏側に供給された油は、第1円板部32の回転に伴って遠心力を受け、第1円板部32の表面上を中心側から外周側に向かって流れていく。図4に示すように第1円板部32の裏側にはフィン60が形成されているので、油は第1円板部32の中間部32Bおよび外周部32Cの表面上に加え、フィン60の表面上を外周側に向かって流れていく。第1円板部32の回転に伴って、油には遠心力が作用し、また、油の周囲に空気の流れが形成される。しかし、油と第1円板部32との接触面積が大きいため、上記遠心力や空気の流れにも拘わらず、油は第1円板部32から剥離しにくい。油は第1円板部32の外周縁部に至るまで、第1円板部32に付着し続けることになる。油は第1円板部32の外周縁部に至った後は、第1円板部32の外方に速やかに流出する。油は第1円板部32の表面上を流れていく間に、第1円板部32から熱を奪っていく。このようにして、クラッチボス30は油によって冷却される。なお、油が第1円板部32上に滞留するとクラッチボス30の冷却性能が低下するおそれがあるが、油は第1円板部32の外方に速やかに流出するので、クラッチボス30の冷却性能は高く維持される。
クラッチプレート34とフリクションプレート44との摩擦によって熱が発生するため、クラッチボス30におけるクラッチプレート34およびフリクションプレート44の近傍部分、言い換えるとクラッチボス30の外周部分は、特に温度が高くなりやすい。本実施形態によれば、油は第1円板部32から剥離しにくく、外周縁部に至るまで第1円板部32の表面上を流れていく。そのため、油によって、クラッチボス30のクラッチプレート34およびフリクションプレート44の近傍部分を効果的に冷却することができる。
以上のように、本実施形態に係るクラッチ2では、クラッチプレート34およびフリクションプレート44の摩擦面に油を直接供給する訳ではない。そのため、油の供給量が多くなったとしても、クラッチプレート34とフリクションプレート44との間に油が過剰に介在するおそれはない。したがって、クラッチ2の切断不良は生じにくく、クラッチ2の断続性能を高く維持することができる。
クラッチボス30の第1円板部32の裏側には、中心側から外周側に延びるフィン60が形成されている。そのため、第1円板部32の裏側の表面積を大きくすることができ、第1円板部32の冷却性能を高めることができる。また、フィン60は油の周方向の移動を抑制する一方、外周側への移動を案内する。そのため、メイン軸50から第1円板部32と第2円板部42との間に供給された油を、第1円板部32からの飛散を抑えつつ、フィン60に沿って第1円板部32の外周側に導くことができる。したがって、最も温度が高くなりやすいクラッチボス30の外周部分を油によって効率的に冷却することができる。クラッチ2によれば、クラッチプレート34およびフリクションプレート44の摩擦面に油を直接供給する訳ではないが、クラッチボス30の温度上昇を充分に抑制することができる。本実施形態によれば、クラッチ2の断続性能を低下させずに、クラッチプレート34およびフリクションプレート44の耐久性の向上を図ることができる。
なお、油を外周側に導く導油部分は、フィン60に限らず、第1円板部32の裏側において中心側から外周側に延びる凹状または凸状の他の形状を有する部分であってもよい。例えば、第1円板部32の裏側の面に複数の溝が形成されていてもよい。第1円板部32の裏側の面が波状に形成されていてもよい。ただし、フィン60によれば、導油部分を比較的簡単な構成で実現することができる。
本実施形態に係るクラッチ2によれば、各フィン60の少なくとも一部は、半径方向の位置に関して、クラッチプレート34およびフリクションプレート44と同じ位置に配置されている。そのため、第1円板部32において特に温度が高くなりやすい部分、すなわち、半径方向の位置に関してクラッチプレート34およびフリクションプレート44と同じ位置にある部分の表面積を大きくすることができる。また、当該部分に油を導きやすくなる。したがって、クラッチボス30を効率的に冷却することができる。
第1フィン61は、半径方向の位置に関して、第1支持部33よりも内方に位置する内側部61Aと、第1支持部33よりも外方に位置する外側部61Bとを有している。第2フィン62についても同様である。そのため、第1フィン61および第2フィン62によって、油を第1支持部33よりも内方の位置から外方の位置にまで確実に導くことができる。したがって、クラッチボス30をより効果的に冷却することができる。
第1フィン61は、半径方向の位置に関して、第1支持部33よりも内方の位置から外方の位置にわたって延び、周方向に並んでいる。第1フィン61よりも半径方向の長さが短い第2フィン62および第3フィン63は、第1フィン61の間に配置されており、半径方向の位置に関して、少なくとも一部が第1支持部33よりも外方に位置している。このような配置により、外周側の方が中心側よりもフィン60の数が多くなっている。よって、温度が高くなりやすい第1円板部32の外周部分を効果的に冷却することができる。一方、第1円板部32の中心側において、フィン60の間隔が狭くなることを抑制することができる。間隔が狭い複数のフィンを加工することは難しいが、本実施形態によればフィン60の間隔を比較的広く保つことができるので、フィン60を比較的容易に形成することができる。
フィン60の少なくとも一部は、半径方向と交差するように延びている。このことにより、フィン60が半径方向に沿って直線状に延びている場合に比べて、フィン60の表面積を大きくすることができる。
フィン60の少なくとも一部は、半径方向に対して、外周側に行くほどクラッチボス30の回転方向A側に向かうように傾いている。そのため、クラッチボス30が回転しているにも拘わらず油が飛散しにくくなり、油とフィン60との接触時間を長く確保することができる。したがって、冷却効率の向上を図ることができる。
第1フィン61の外側部61B、第2フィン62の外側部、および第3フィン63は、外周側の部分の方が中心側の部分よりも、半径方向に対する傾斜角度θが大きくなっている。したがって、特に冷却が必要となる第1円板部32の外周部分において、油の接触時間を長く確保することができ、冷却効率の向上を図ることができる。
第1円板部32の裏側には、平坦な頂面65Aを有する台座65が形成されている。頂面65Aの高さhaはフィン60の高さhよりも高く、頂面65Aの幅はフィン60の幅よりも大きい。第1円板部32の裏側にフィン60を設けることにより、第1円板部32の表側の加工が難しくなるおそれがある。しかし、このような台座65を設けることにより、フィン60を傷つけることなく第1円板部32の裏側を台70の上に押し当てることができる。また、台座65を加工の基準として利用することができるので、加工が容易になる。したがって、第1円板部32の裏側に裏方向に突出するフィン60が形成されているに拘わらず、クラッチボス30を容易に加工することができる。
クラッチハウジング40の第2円板部42の表側且つフィン60よりも半径方向の内方には、表方向に突出し且つ周方向に延びる突出部45が形成されている。孔57から流れ出た油は、この突出部45によって右方に案内される。そのため、孔57から流れ出た油がそのまま半径方向外向きに飛散することが抑制され、油は第1円板部32の裏側に円滑に導かれる。図3に示すように、突出部45の右端は、フィン60の左端よりも右方に位置している。言い換えると、突出部45は、フィン60の少なくとも一部と半径方向に重なる位置にまで突出している。そのため、油を第1円板部32の裏側に向けて、より効果的に導くことができる。
<実施形態2>
フィン60の形状、寸法、枚数等は、何ら限定されない。例えば、フィン60を図7に示すように配置してもよい。図7に示すように、実施形態2に係るクラッチにおいても、フィン60は第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63から構成されている。本実施形態では、第1フィン61の全体、第2フィン62の全体、および第3フィン63の全体が半径方向から傾いている。第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63は、クラッチボス30の回転方向A側に傾斜している。その他については実施形態1と同様である。なお、図7では台座65の図示は省略しているが、台座65が設けられていてもよいことは勿論である。
<実施形態3>
図8に示すように、実施形態3に係るクラッチも、第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63を備えている。本実施形態では、第1フィン61の外側部、第2フィン62の外側部、および第3フィン63の全体は、直線状に形成されている。その他については実施形態1と同様である。図8においても台座65の図示は省略しているが、台座65が設けられていてもよいことは勿論である。
<実施形態4>
図9に示すように、実施形態4に係るクラッチも、第1フィン61、第2フィン62、および第3フィン63を備えている。本実施形態では、第1フィン61の全体、第2フィン62の全体、および第3フィン63の全体が、半径方向に沿って直線状に形成されている。すべてのフィン61、62および63が放射状に配置されている。その他については実施形態1と同様である。なお、図9においても台座65の図示は省略しているが、台座65が設けられていてもよいことは勿論である。
<実施形態5>
実施形態1に係るクラッチ2では、孔57から流れ出た油をクラッチボス30の第1円板部32の裏側に案内する突出部45は、クラッチハウジング40の第2円板部42に形成されていた。図10および図11に示すように、実施形態5に係るクラッチ2は、突出部45をクラッチボス30の第1円板部32に形成したものである。本実施形態では、突出部45は第1円板部32のカラー32Aの周囲に配置されている。突出部45は第1円板部32の裏側且つフィン60よりも半径方向の内方に形成されている。突出部45は、第1円板部32から裏方向に突出し、周方向に延びている。突出部45は第1円板部32と別体であってもよく、第1円板部32に一体成形されていてもよい。なお、本実施形態では、クラッチハウジング40の第2円板部42には突出部45は形成されていない。しかし、互いに干渉しない限り、クラッチハウジング40の第2円板部42とクラッチボス30の第1円板部32との両方に突出部45を形成するようにしてもよい。
<その他の実施形態>
前記各実施形態では、フィン60は長さの異なる3種類のフィン61〜63によって構成されていた。しかし、フィン60は、長さまたは幅の異なる2種類、または4種類以上のフィンによって構成されていてもよい。フィン60を単一種類の複数のフィンで構成することも可能である。
前記各実施形態に係るクラッチ2は多板クラッチであり、クラッチプレート34およびフリクションプレート44をそれぞれ複数備えていた。多板クラッチは単板クラッチよりも摩擦熱が発生しやすく、高温になりやすい。そのため、クラッチボス30を油で冷却する効果がより顕著に発揮される。ただし、本発明に係る湿式摩擦クラッチは、湿式の単板クラッチであってもよい。
1 自動二輪車
2 湿式摩擦クラッチ
30 クラッチボス
31 孔
32 第1円板部
33 第1支持部
34 クラッチプレート(第1摩擦板)
40 クラッチハウジング
41 孔
42 第2円板部
43 第2支持部
44 フリクションプレート(第2摩擦板)
50 メイン軸(軸)
57 孔(給油路)
60 フィン(導油部分)

Claims (13)

  1. 中心に孔が形成された第1円板部と、前記第1円板部の半径方向の中途位置から表方向に延びる第1支持部と、を有するクラッチボスと、
    中心に孔が形成され且つ前記第1円板部よりも裏側の方に位置する第2円板部と、前記第2円板部から表方向に延び、前記第1支持部よりも半径方向の外方に位置する第2支持部と、を有するクラッチハウジングと、
    少なくとも一部が前記第1支持部よりも半径方向の外方に位置するように前記第1支持部に支持された第1摩擦板と、
    少なくとも一部が前記第2支持部よりも半径方向の内方に位置するように前記第2支持部に支持され、前記第1摩擦板に対し接触および離反が可能なように対向する第2摩擦板と、
    前記クラッチボスの孔と前記クラッチハウジングの孔とに挿通され、前記第1円板部と前記第2円板部との間に油を供給する給油路が形成された軸と、を備えた湿式摩擦クラッチであって、
    前記第1円板部の裏側には、中心側から外周側に延びる凹状または凸状の部分からなり、その表面を油が外周側に向かって伝わる導油部分が形成されている、湿式摩擦クラッチ。
  2. 前記導油部分は、前記第1円板部の裏側の面から裏方向に向かって起立したフィンからなっている、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  3. 前記導油部分の少なくとも一部は、半径方向の位置に関して、前記第1摩擦板と同じ位置に配置されている、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  4. 前記導油部分は、半径方向の位置に関して、前記第1支持部よりも内方に位置する内側部と、前記第1支持部よりも外方に位置する外側部とを有している、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  5. 前記導油部分は、
    半径方向の位置に関して前記第1支持部よりも内方の位置から前記第1支持部よりも外方の位置にわたって延び、周方向に並んだ複数の第1導油部分と、
    前記第1導油部分の間に配置され、半径方向の位置に関して少なくとも一部が前記第1支持部よりも外方に位置し、前記第1導油部分よりも半径方向の長さが短い複数の第2導油部分と、を有している請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  6. 前記導油部分の少なくとも一部は、半径方向と交差するように延びている、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  7. 前記導油部分の少なくとも一部は、半径方向に対して、外周側に行くほど前記クラッチボスの回転方向側に向かうように傾いている、請求項6に記載の湿式摩擦クラッチ。
  8. 前記導油部分の外周側の部分が中心側の部分よりも、半径方向に対する傾斜角度が大きい、請求項7に記載の湿式摩擦クラッチ。
  9. 前記第1円板部の裏側に、裏方向に突出し且つ平坦な頂面を有する台座が形成され、
    前記頂面の高さは前記導油部分の高さよりも高く、
    前記頂面の幅は前記導油部分の幅よりも大きい、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  10. 前記第2円板部の表側且つ前記導油部分よりも半径方向の内方には、表方向に突出し且つ周方向に延びる突出部が形成されている、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  11. 前記導油部分は、前記第1円板部の裏側から裏方向に向かって起立したフィンからなり、
    前記第2円板部の表側且つ前記導油部分よりも半径方向の内方には、表方向に突出し且つ周方向に延びる突出部が形成され、
    前記突出部は、前記フィンの少なくとも一部と半径方向に重なる位置にまで突出している、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  12. 前記第1円板部の裏側且つ前記導油部分よりも半径方向の内方には、裏側に突出し且つ周方向に延びる突出部が形成されている、請求項1に記載の湿式摩擦クラッチ。
  13. 請求項1に記載の湿式摩擦クラッチを備えた自動二輪車。
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