JP7348427B1 - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

無段変速機100は、固定ドライブプーリ102と、ランププレート130との間に可動ドライブプーリ110を備え、可動ドライブプーリ110は、ウエイト120を収容する収容部113を備え、収容部113は、ウエイト120が摺動する可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114と、ウエイト120の第1端部122cを受け止めるウエイト受け部115と、を備え、ランププレート130は、収容部113に収容され、かつ、ウエイト120に対して回転方向Lの上流側に位置し、かつ、ウエイト120に当接可能なランプ側突出片133を備え、ランププレート130が回転するとき、ランプ側突出片133はウエイト120に当接するとともに、ウエイト120はウエイト受け部115に当接する。

Description

本発明は、エンジン等の動力源の回転駆動力を無段階でクラッチに伝達する無段変速機に関する。
従来から、自動二輪車等の鞍乗型車両の動力源(例えばエンジン)の回転駆動力を無段階でクラッチに伝達する無段変速機が知られている。例えば、特許文献1には、エンジンの回転駆動力によって回転するランププレートと、ランププレートと同期して回転する可動シーブと、ランププレートと可動シーブとの間に配置されかつ径方向に移動する遠心ウエイトと、を有する無段変速機が開示されている。
特開2012-47292号公報
ところで、特許文献1に記載された無段変速機では、ランププレートの回転駆動力が径方向外側に設けられたガイドピースを介して可動シーブに伝達されるように構成されているため、無段変速機における部品点数が増加する。このため、組立性やメンテナンス性等が低下するという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置構成を簡単化して組立性およびメンテナンス性の向上を実現することができる無段変速機を提供することである。
本発明に係る無段変速機は、動力源によって回転駆動するクランク軸と一体的に回転駆動する固定ドライブプーリと、前記固定ドライブプーリに対向して配置されかつ前記クランク軸上を前記固定ドライブプーリに対して接近または離隔する可動ドライブプーリと、を有するドライブプーリと、前記可動ドライブプーリに対して前記固定ドライブプーリとは反対側に対向して配置されかつ前記クランク軸と一体的に回転駆動するランププレートと、前記可動ドライブプーリと前記ランププレートとに挟まれかつ前記可動ドライブプーリの径方向に移動自在なウエイトと、を備え、前記ウエイトは、前記可動ドライブプーリの回転に伴う遠心力により前記径方向の内側の位置から前記径方向の外側の位置に移動して前記可動ドライブプーリを押圧し、前記可動ドライブプーリを前記固定ドライブプーリに接近させるように構成され、前記可動ドライブプーリは、前記ウエイトを収容する収容部を備え、前記収容部は、前記径方向に延びかつ前記径方向の外側の部分が前記径方向の内側の部分よりも前記ランププレート側に位置しかつ前記ウエイトが摺動する可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面と、前記固定ドライブプーリおよび前記可動ドライブプーリおよび前記ランププレートが回転する方向を回転方向としたとき、前記可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面よりも前記回転方向の下流側に位置し、かつ、前記ウエイトの前記回転方向の下流側の端部を受け止めるウエイト受け部と、を備え、前記ランププレートは、前記収容部に収容され、かつ、前記ウエイトに対して前記回転方向の上流側に位置し、かつ、前記ウエイトに当接可能なランプ側突出片を備え、前記ランププレートが回転するとき、前記ランプ側突出片は前記ウエイトに当接するとともに、前記ウエイトは前記ウエイト受け部に当接する。
本発明に係る無段変速機によると、ランププレートが回転するとき、ランプ側突出片はウエイトに当接するとともに、ウエイトはウエイト受け部に当接する。即ち、ランププレートはウエイトを介して間接的に可動ドライブプーリを押圧することができる。これにより、ランププレートの回転駆動力がウエイトを介して可動ドライブプーリに伝達される。このように、可動ドライブプーリを固定ドライブプーリに接近させるように構成されたウエイトに、ランププレートの回転駆動力を可動ドライブプーリに伝達する機能を持たせることによって、装置構成を簡単化して組立性およびメンテナンス性の向上を実現することができる。
また、本発明に係る他の無段変速機は、動力源によって回転駆動するクランク軸と一体的に回転駆動する固定ドライブプーリと、前記固定ドライブプーリに対向して配置されかつ前記クランク軸上を前記固定ドライブプーリに対して接近または離隔する可動ドライブプーリと、を有するドライブプーリと、前記可動ドライブプーリに対して前記固定ドライブプーリとは反対側に対向して配置されかつ前記クランク軸と一体的に回転駆動するランププレートと、前記可動ドライブプーリと前記ランププレートとに挟まれかつ前記ランププレートの径方向に移動自在なウエイトと、を備え、前記ウエイトは、前記ランププレートの回転に伴う遠心力により前記径方向の内側の位置から前記径方向の外側の位置に移動して前記可動ドライブプーリを押圧し、前記可動ドライブプーリを前記固定ドライブプーリに接近させるように構成され、前記ランププレートは、前記ウエイトを収容する収容部を備え、前記収容部は、前記径方向に延びかつ前記径方向の外側の部分が前記径方向の内側の部分よりも前記可動ドライブプーリ側に位置しかつ前記ウエイトが摺動するランプ側ウエイト摺動面と、前記固定ドライブプーリおよび前記可動ドライブプーリおよび前記ランププレートが回転する方向を回転方向としたとき、前記ランプ側ウエイト摺動面よりも前記回転方向の上流側に位置し、かつ、前記ウエイトの前記回転方向の上流側の端部に当接可能なウエイト当接部と、を備え、前記可動ドライブプーリは、前記収容部に収容され、かつ、前記ウエイトに対して前記回転方向の下流側に位置し、かつ、前記ウエイトに当接可能な可動ドライブプーリ側突出片を備え、前記ランププレートが回転するとき、前記ウエイト当接部は前記ウエイトに当接するとともに、前記ウエイトは前記可動ドライブプーリ側突出片に当接する。
本発明に係る他の無段変速機によると、ランププレートが回転するとき、ウエイト当接部はウエイトに当接するとともに、ウエイトは可動ドライブプーリ側突出片に当接する。即ち、ランププレートはウエイトを介して間接的に可動ドライブプーリを押圧することができる。これにより、ランププレートの回転駆動力がウエイトを介して可動ドライブプーリに伝達される。このように、可動ドライブプーリを固定ドライブプーリに接近させるように構成されたウエイトに、ランププレートの回転駆動力を可動ドライブプーリに伝達する機能を持たせることによって、装置構成を簡単化して組立性およびメンテナンス性の向上を実現することができる。
本発明によれば、装置構成を簡単化して組立性およびメンテナンス性の向上を実現することができる無段変速機を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る無段変速機および遠心クラッチの構成を模式的に示す断面図である。 図2は、一実施形態に係る無段変速機の一部を拡大して示す拡大断面図である。 図3は、一実施形態に係る無段変速機のスリーブ軸受け、可動ドライブプーリ、ウエイトおよびランププレートの組み付け状態を示した組付け斜視図である。 図4は、一実施形態に係る無段変速機の固定ドライブプーリ、スリーブ軸受け、可動ドライブプーリ、ウエイトおよびランププレートの組み付け状態を解いた分解斜視図である。 図5は、一実施形態に係る無段変速機が高回転数で回転駆動する状態を示す拡大断面図である。 図6は、一実施形態に係る無段変速機の可動ドライブプーリの斜視図である。 図7Aは、一実施形態に係るウエイトの斜視図である。 図7Bは、一実施形態に係る本体カバーの斜視図である。 図7Cは、一実施形態に係るウエイト本体の斜視図である。 図8は、一実施形態に係る無段変速機のランププレートの斜視図である。 図9は、一実施形態に係るランプ側突出片がウエイトに当接するとともに、ウエイトがウエイト受け部に当接する状態を示す平面図である。 図10は、エンジンが停止した状態におけるランプ側突出片とウエイトとウエイト受け部との関係を示す平面図である。 図11は、エンジンが停止した状態におけるランプ側突出片とウエイトとウエイト受け部との他の関係を示す平面図である。 図12は、一実施形態に係るウエイトが径方向の外側の位置に移動した状態を示す平面図である。 図13は、可動ドライブプーリの変形例の一部を示す平面図である。 図14は、他の一実施形態に係るウエイト当接部がウエイトに当接するとともに、ウエイトが可動ドライブプーリ側突出片に当接する状態を示す平面図である。 図15は、他の一実施形態に係るウエイトの周辺の構造を示す断面図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明に係る無段変速機の実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。なお、本明細書において、径方向とは、特に断りのない限り、可動ドライブプーリ110およびランププレート130の径方向のことをいう。
無段変速機100は、主として鞍乗型車両(例えばスクータなどの自動二輪車両)に用いられる装置である。図1に示すように、無段変速機100は、動力源(例えばエンジン)と駆動輪である後輪側の遠心クラッチ200との間に設けられている。無段変速機100は、エンジンの回転数に対する減速比を無段階で変更しながら回転駆動力を遠心クラッチ200に伝達する。
(無段変速機100の構成)
図1に示すように、無段変速機100は、ドライブプーリ101と、ウエイト120と、ランププレート130と、Vベルト140と、ドリブンプーリ150とを備えている。ドライブプーリ101は、エンジンによって回転駆動するクランク軸90上に設けられている。ドライブプーリ101は、エンジンの回転駆動力によって直接回転駆動する部品である。ドライブプーリ101は、固定ドライブプーリ102と、固定ドライブプーリ102に対向して配置された可動ドライブプーリ110とを有する。以下の説明では、固定ドライブプーリ102および可動ドライブプーリ110およびランププレート130が回転する方向を回転方向L(図6等参照)とする。
図1に示すように、固定ドライブプーリ102は、Vベルト140を可動ドライブプーリ110とともに挟んで回転駆動する部品である。固定ドライブプーリ102は、金属材(例えば、アルミニウム材)を円錐筒状に形成して構成されている。固定ドライブプーリ102は、円板部103と、円錐部106と、フィン107とを備えている。
図2に示すように、円板部103は、固定ドライブプーリ102をクランク軸90に連結するとともに円錐部106を支持する部分である。円板部103は、リング状に形成された平板である。円板部103には、中央部に内歯状のスプラインを有する嵌合孔103aが形成されている。クランク軸90の外周部は、嵌合孔103aにスプライン嵌合している。円板部103は、クランク軸90の外周部に固定的に嵌合するスリーブ軸受104に突き当てられた状態でクランク軸90上に固定されている。より詳細には、円板部103は、クランク軸90の一方(図示左側)の端部側に捩じ込まれるナット105によってクランク軸90上に固定されている。これにより、固定ドライブプーリ102は、クランク軸90と常に一体的に回転駆動する。
図2に示すように、円錐部106は、可動ドライブプーリ110の円錐部112とともにVベルト140を挟む部分である。円錐部106は、円板部103の径方向外側に向かって傾斜するテーパ面状に形成されている。円錐部106は、円板部103から離れるほど可動ドライブプーリ110から離れるように傾斜している。円錐部106は、可動ドライブプーリ110と対向する面とは反対側の面に形成された複数のフィン107を有する。フィン107は、固定ドライブプーリ102の熱を外部に逃がすための部材である。フィン107は、円板部103の外側にクランク軸90の軸線を中心として放射状に設けられている。円板部103、円錐部106およびフィン107は、一体的に成形されている。
図2に示すように、可動ドライブプーリ110は、Vベルト140を固定ドライブプーリ102とともに挟んで回転駆動する部品である。可動ドライブプーリ110は、金属材を円錐筒状に形成して構成されている。可動ドライブプーリ110は、センター筒部111と、円錐部112と、収容部113とを有している。
図2に示すように、センター筒部111は、可動ドライブプーリ110がクランク軸90上で支持される部分であるとともに円錐部112を支持する部分である。センター筒部111は、略筒状に形成されている。センター筒部111は、スリーブ軸受104上に含浸ブッシュを介して取り付けられている。センター筒部111は、スリーブ軸受104に対して軸方向および回転方向にそれぞれ摺動自在に取り付けられている。これにより、可動ドライブプーリ110は、図5に示すように、クランク軸90の軸線方向および回転方向に沿ってそれぞれ摺動自在に支持される。可動ドライブプーリ110は、クランク軸90上を固定ドライブプーリ102に対して接近または離隔するように構成されている。
図2に示すように、円錐部112は、固定ドライブプーリ102の円錐部106とともにVベルト140を挟む部分である。円錐部112は、センター筒部111の径方向外側に向かって傾斜するテーパ面状に形成されている。円錐部112は、クランク軸90から離れるほど固定ドライブプーリ102から離れるように傾斜している。円錐部112は、固定ドライブプーリ102と対向する面とは反対側の面に形成された収容部113を有する。
図2に示すように、収容部113は、ウエイト120および後述するランププレート130のランプ側突出片133をそれぞれ可動的に収容する部分である。収容部113は、円錐部112の盤面上に張り出した状態で凹状に窪んで形成されている。図6に示すように、収容部113は、円錐部112の周方向に沿って均等な間隔で3つ形成されている。3つの収容部113は、それぞれ同じ形状に形成されている。具体的には、収容部113は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114と、ウエイト受け部115と、突出片収容部116と、突出片受け部117とを備えている。
図2に示すように、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114は、ランププレート130の後述するランプ側ウエイト摺動面132とともに、ウエイト120を径方向に移動可能な状態で挟む面である。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114上をウエイト120が摺動する。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114は、径方向に沿って延びる滑らかな面である。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114は、径方向の外側の部分が径方向の内側の部分よりもランププレート130側に位置するように傾斜している。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114は、径方向の内側に位置しかつ平面状に形成された平面部114aと、径方向の外側に位置しかつ曲面状に形成された曲面部114bとを含む。平面部114aと曲面部114bとは径方向に関して連続している。
図6に示すように、ウエイト受け部115は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114上に配置されたウエイト120の第1端部122c(図4参照)を受け止めてランププレート130の回転駆動力を受ける部分である。ウエイト受け部115は、円錐部112の盤面から起立する壁である。ウエイト受け部115は、周方向に関して可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に隣接する位置に、可動ドライブプーリ110の軸方向に平行に起立する。ウエイト受け部115は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114よりも回転方向Lの下流側に位置する。ウエイト受け部115は、可動ドライブプーリ110の回転方向Lと交差する方向に延びる壁である。
図6に示すように、突出片収容部116は、後述するランププレート130のランプ側突出片133(図8参照)を収容する部分である。突出片収容部116は、凹状に窪んだ有底の穴である。突出片収容部116は、周方向に関してウエイト受け部115とは反対側の可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に隣接する位置に、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114よりも可動ドライブプーリ110の軸方向に凹みかつ可動ドライブプーリ110の回転方向Lに交差する方向に延びる溝である。突出片収容部116の径方向の長さは、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114の径方向の長さよりも長い。
図6に示すように、突出片収容部116は、ウエイト側端面116aと、突出片受け部117と、外側壁116bと、内側壁116cとを含む。突出片収容部116は、ランププレート130に向かって開口した凹状に形成されている。ここで、ウエイト側端面116aは、突出片収容部116が可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に隣接した位置で凹状に切り欠かれて形成されることで、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114を形成する部分の一部が突出片収容部116内に露出した部分である。
また、図6に示すように、外側壁116bは、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114と突出片受け部117とを可動ドライブプーリ110の径方向外側の部分で繋ぐ壁である。また、内側壁116cは、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114と突出片受け部117とを可動ドライブプーリ110の径方向内側の部分で繋ぐ壁である。また、突出片収容部116の溝幅Sは、ランプ側突出片133の板厚T(図8参照)よりも若干大きな溝幅に形成されている。
図6に示すように、突出片受け部117は、エンジンの減速時に、突出片収容部116内に位置するランプ側突出片133(図8参照)を受け止めて可動ドライブプーリ110の回転駆動力(バックトルク)を受ける部分である。突出片受け部117は、円錐部112の盤面から起立する壁である。突出片受け部117は、ウエイト受け部115と対向する位置に設けられている。突出片受け部117は、ウエイト受け部115と略平行に形成されている。突出片受け部117は、周方向に関してウエイト受け部115とは反対側の可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に隣接する位置に、可動ドライブプーリ110の軸方向に平行に起立する。突出片受け部117は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114よりも回転方向Lの上流側に位置する。突出片受け部117は、可動ドライブプーリ110の回転方向Lと交差する方向に延びる壁である。図12に示すように、突出片受け部117は、ウエイト受け部115よりも径方向の内側かつ外側に張り出している。突出片受け部117の径方向の長さQ1は、ウエイト受け部115の径方向の長さQ2よりも長い。
図6に示すように、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114、ウエイト受け部115、突出片収容部116および突出片受け部117がそれぞれ一体的に繋がった状態で成形されて凹状の収容部113が形成されている。本実施形態においては、3つの収容部113は、可動ドライブプーリ110のアルミダイカスト成形加工時にセンター筒部111および円錐部112とともに一体的に成形される。
図9に示すように、ウエイト120は、可動ドライブプーリ110の収容部113に収容されている。ウエイト120は、ランプ側突出片133がウエイト120に当接しかつウエイト120がウエイト受け部115に当接した状態では、ウエイト120の中心線C3が径方向と直交するように収容部113に収容されている。ウエイト120は、可動ドライブプーリ110の径方向に移動自在(変位自在)に設けられている。エンジンが停止した状態(即ちクランク軸90が回転していない状態)から、ランププレート130が回転してウエイト120がランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接するまでの過程において、ウエイト120は径方向に移動可能に構成されている。エンジンの回転数がクランキング回転数(例えば50rpm~60rpm)からアイドリング回転数(例えば600rpm~800rpm)に達するまでの間に、ランププレート130が回転することによってウエイト120はランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接するように構成されている。なお、ランプ側突出片133がウエイト120に当接するとともにウエイト120がウエイト受け部115に当接するときのエンジンの回転数は、可動ドライブプーリ110が固定ドライブプーリ102に対して接近し始めるときのエンジンの回転数よりも低い。ウエイト120は、可動ドライブプーリ110の回転数の増加に応じて(即ち可動ドライブプーリ110の回転に伴う遠心力により)径方向の内側の位置(図2参照)から径方向の外側の位置(図5参照)に移動する。ウエイト120がランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接した状態において、ウエイト120は可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114およびランプ側ウエイト摺動面132に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動可能に構成されている。ウエイト120は、可動ドライブプーリ110とランププレート130とに挟まれている。ウエイト120は、可動ドライブプーリ110を押圧し、可動ドライブプーリ110を固定ドライブプーリ102に接近させるように構成されている。ウエイト120は、ランププレート130と協働して可動ドライブプーリ110を固定ドライブプーリ102側に押圧するための部品である。ウエイト120は、図7A~図7Cに示すように、ウエイト本体121と、本体カバー122と、を備えている。ウエイト本体121は、ウエイト120において錘として機能する部品である。ウエイト本体121は、金属材を円筒状に形成して構成されている。ウエイト本体121は、本体カバー122内に嵌め込まれて一体化している。
本体カバー122は、樹脂材料(例えばポリアミド系樹脂)から形成されている。本体カバー122が樹脂材料から形成されていることにより、本体カバー122と可動ドライブプーリ110およびランププレート130との間の摺動性や耐摩耗性を向上させることができる。本体カバー122は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114およびランプ側ウエイト摺動面132に当接する。本体カバー122は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114およびランプ側ウエイト摺動面132上を摺動する。本体カバー122は、当接部の一例である。図4に示すように、本体カバー122は、第1摺動面122a(図7A参照)と、第2摺動面122bと、第1端部122cおよび第2端部122dとを有してる。
図2に示すように、第1摺動面122aは、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114上を摺動する面である。第1摺動面122aは、断面が円弧状の曲面である。これにより、第1摺動面122aと可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とが線接触するため、ウエイト120は可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114上をスムーズに移動することができる。第2摺動面122bは、後述するランプ側ウエイト摺動面132上を摺動する面である。第2摺動面122bは、断面が直線状の平面である。これにより、ウエイト120が可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114上で回転して移動することを抑制することができる。第2摺動面122bは、ウエイト側平面部の一例である。なお、本体カバー122のうち第1摺動面122aおよび第2摺動面122bに隣接する部分に切り欠き部122e(図7B参照)が形成されている。ウエイト本体121は、切り欠き部122eを介して本体カバー122に挿入される。ウエイト本体121は、切り欠き部122eから外部に露出している。
ウエイト120は、ランプ側突出片133に当接可能に構成されている。ウエイト120は、ウエイト受け部115と当接可能に構成されている。図9に示すように、第1端部122cは、ウエイト受け部115に当接可能に構成されている。第1端部122cは、ウエイト受け部115を押圧する部分である。第1端部122cは、ウエイト本体121の軸方向の一方の端部(回転方向Lの下流側の端部)を覆う平面である。第1端部122cは、第1面の一例である。第2端部122dは、ランプ側突出片133に当接可能に構成されている。第2端部122dは、ランプ側突出片133から押圧を受ける部分である。第2端部122dは、ウエイト本体121の軸方向の他方の端部(回転方向Lの上流側の端部)を覆う平面である。本体カバー122は、第1端部122cがウエイト受け部115に当接した状態で、第2端部122dの一部が突出片収容部116に位置する長さに形成されている。
図9に示すように、ウエイト120が収容部113に収容された状態(より詳細にはランプ側突出片133がウエイト120に当接しかつウエイト120がウエイト受け部115に当接した状態)において、ウエイト120の径方向と直交しかつクランク軸90の軸線方向と直交する方向の長さP1は、ウエイト120の径方向の長さP2よりも長い。ここでは、長さP1は、ウエイト120の長手方向の長さである。また、クランク軸90の軸線方向から見て、可動ドライブプーリ110の回転中心110Cを中心とする円C1の法線C2は、ウエイト120の第1端部122cと第2端部122dとを通過する。ここでは、ウエイト120が傾いて収容部113に収容されている場合も含む。また、ランプ側突出片133がウエイト120に当接しかつウエイト120がウエイト受け部115に当接した状態において、径方向と直交しかつクランク軸90の軸線方向と直交するウエイト120の中心線C3は、クランク軸90の軸線方向から見て、法線C2と重なる。
図2に示すように、ランププレート130は、ウエイト120を可動ドライブプーリ110側に押圧する部品である。ランププレート130は、可動ドライブプーリ110に対して固定ドライブプーリ102とは反対側に対向して配置されている。ランププレート130は、クランク軸90と一体的に回転駆動する。ランププレート130は、金属材から形成されている。ランププレート130は、リング状に形成された平板である。より具体的には、ランププレート130は、図8に示すように、円板部131と、ランプ側ウエイト摺動面132と、ランプ側突出片133とを備えている。
図8に示すように、円板部131は、リング状に形成された平板である。円板部131のうち可動ドライブプーリ110に対向する面にランプ側ウエイト摺動面132およびランプ側突出片133が形成されている。円板部131には、中心部に貫通孔131cが形成されている。クランク軸90の外周部は、貫通孔131cに一体的に組み付けられている。したがって、ランププレート130は、クランク軸90と常に一体的に回転駆動する。
図2に示すように、ランプ側ウエイト摺動面132は、可動ドライブプーリ110の可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とともに、ウエイト120を径方向に移動可能な状態で挟む面である。ランプ側ウエイト摺動面132上をウエイト120が摺動する。ランプ側ウエイト摺動面132は、径方向に沿って延びる。ランプ側ウエイト摺動面132は、径方向に沿って延びる滑らかな面である。ランプ側ウエイト摺動面132は、径方向の外側の部分が径方向の内側の部分よりも可動ドライブプーリ110側に位置するように傾斜している。図8に示すように、ランプ側ウエイト摺動面132は、円板部131の周方向に沿って均等な間隔で3つ形成されている。ランプ側ウエイト摺動面132は、平面状に形成されたランプ側平面部132aを有している。ランプ側平面部132aには、ウエイト120の第2摺動面122bが当接する。第2摺動面122bは、ランプ側平面部132a上を摺動する。
図9に示すように、ランプ側突出片133は、突出片収容部116に収容される。ランプ側突出片133は、ウエイト120に対して回転方向Lの上流側に位置する。ランプ側突出片133は、ウエイト120に当接可能に設けられている。ランプ側突出片133は、突出片受け部117に当接可能に設けられている。ランプ側突出片133は、収容部113に収容された状態において、収容部113に対して相対的に回転方向Lに移動可能に構成されている。ランプ側突出片133は、エンジンの回転駆動力によってウエイト120の第2端部122dを押圧する。ランプ側突出片133は、エンジンの回転駆動力によってウエイト120を介して可動ドライブプーリ110を間接的に押圧する。無段変速機100に対して駆動輪からバックトルクが作用した場合、ランプ側突出片133の第2押圧面133b(図10参照)は、可動ドライブプーリ110の突出片受け部117から押圧力を受ける。そして、ランプ側突出片133に伝わった回転駆動力(バックトルク)は、クランク軸90に伝達される。ランプ側突出片133は、円板部131の面から可動ドライブプーリ110に向けて起立する壁である。より具体的には、図10に示すように、ランプ側突出片133は、ウエイト120の第2端部122dに対向して配置され、かつ、第2端部122dに面接触する平面状の第1押圧面133a(図3も参照)と、突出片受け部117に対向して配置され、かつ、突出片受け部117に面接触する平面状の第2押圧面133bとを有している。、第1押圧面133aは、ウエイト120の第2端部122dの一部に接触する大きさに形成されているが、第2端部122dの全面に接触する大きさに形成してもよい。
図8に示すように、ランプ側突出片133は、円板部131の周方向に沿って均等な間隔で3つ形成されている。ランプ側突出片133は、円板部131に形成されたランプ側ウエイト摺動面132の側面に一体的に形成されている。すなわち、ランププレート130は、1つの円板部131と、3つのランプ側ウエイト摺動面132および3つのランプ側突出片133がアルミダイカスト成形加工によって一体的に成形されている。なお、図1、図2および図5においては、ランプ側突出片133は本来的には図示されないが、ランプ側突出片133の位置関係を明確にするために敢えて二点鎖線で示している。
図1に示すように、Vベルト140は、ドライブプーリ101の回転駆動力をドリブンプーリ150に伝達するための部品である。Vベルト140は、芯線を樹脂材で覆った無端のリング状に形成されている。Vベルト140は、ドライブプーリ101の固定ドライブプーリ102と可動ドライブプーリ110との間およびドリブンプーリ150の固定ドリブンプーリ151と可動ドリブンプーリ154との間に配置されてドライブプーリ101とドリブンプーリ150との間に架設されている。
図1に示すように、ドリブンプーリ150は、ドライブプーリ101からVベルト140を介して伝達されるエンジンの回転動力を遠心クラッチ200に伝達する部品である。ドリブンプーリ150は、固定ドリブンプーリ151と、ドリブンスリーブ152と、可動ドリブンプーリ154とを備えている。
図1に示すように、固定ドリブンプーリ151は、可動ドリブンプーリ154とともにVベルト140を挟んで保持した状態で回転駆動する部品である。固定ドリブンプーリ151は、金属材(例えば、アルミニウム材)を円錐筒状に形成して構成されている。固定ドリブンプーリ151は、凸側の面が可動ドリブンプーリ154側に向いた状態でドリブンスリーブ152上に固定されている。
ドリブンスリーブ152は、固定ドリブンプーリ151と一体的に回転駆動する金属製の筒状部品である。ドリブンスリーブ152は、ドライブシャフト153に対してベアリングを介して相対回転自在に取り付けられている。ドライブシャフト153は、無段変速機100が搭載される自動二輪車両の後輪を図示しないトランスミッションを介して駆動するための金属製の回転軸体である。自動二輪車両の後輪は、ドライブシャフト153における一方(図示右側)の端部に取り付けられている。
図1に示すように、可動ドリブンプーリ154は、固定ドリブンプーリ151とともにVベルト140を挟んで保持した状態で回転駆動する部品である、可動ドリブンプーリ154は、金属材(例えば、アルミニウム材)を円錐筒状に形成して構成されている。可動ドリブンプーリ154は、凸側の面が固定ドリブンプーリ151側に向いた状態でドリブンスリーブ152に対して軸方向に摺動自在な状態で嵌合している。
一方、可動ドリブンプーリ154の凹側の面には、遠心クラッチ200のドライブプレート201との間にトルクスプリング155が設けられている。トルクスプリング155は、可動ドリブンプーリ154を固定ドリブンプーリ151側に弾性的に押圧するコイルスプリングである。すなわち、無段変速機100は、固定ドライブプーリ102と可動ドライブプーリ110との間隔で規定されるVベルト140を挟む直径と、固定ドリブンプーリ151と可動ドリブンプーリ154との間隔で規定されるVベルト140を挟む直径との大小関係によってドライブシャフト153の回転数を無段階に変速する。そして、ドリブンスリーブ152およびドライブシャフト153の各先端部側には遠心クラッチ200が設けられている。
遠心クラッチ200について簡単に説明する。遠心クラッチ200は、無段変速機100を介して伝達されたエンジンの回転駆動力をドライブシャフト153に伝達または遮断する装置である。遠心クラッチ200は、ドライブプレート201と、3つのクラッチウエイト203と、クラッチアウター206とを備えている。
ドライブプレート201は、ドリブンスリーブ152と一体的に回転駆動する部品である。ドライブプレート201は、金属材を段付きの円板状に形成して構成されている。ドライブプレート201の盤面の外縁部には、周方向に3つの揺動支持ピン202がそれぞれ起立した状態で設けられている。揺動支持ピン202には、クラッチウエイト203がそれぞれ支持されている。
3つのクラッチウエイト203は、それぞれドライブプレート201の回転数に応じてエンジンからの回転駆動力をドライブシャフト153に伝達または遮断するための部品である。クラッチウエイト203は、金属材(例えば、亜鉛材)をドライブプレート201の周方向に沿って延びる湾曲した形状に形成して構成されている。3つのクラッチウエイト203は、互いに連結スプリング204によって互いに径方向内側に引っ張られている。クラッチシュー205は、クラッチアウター206の内周面に対する摩擦力を増大させるための部品である。クラッチシュー205は、摩擦材を円弧状に延びる板状に形成して構成されている。
クラッチウエイト203は、クラッチシュー205がクラッチアウター206の内周面に対向した状態で、一方の端部が揺動支持ピン202に揺動可能な状態で支持されている。これにより、3つのクラッチウエイト203において、ドライブプレート201の回転数に応じてクラッチアウター206の内周面にクラッチシュー205が接触または内周面から離隔する。
クラッチアウター206は、ドライブシャフト153と一体的に回転駆動する部品である。クラッチアウター206は、金属材をドライブプレート201からクラッチウエイト203の外周面を覆うカップ状に形成して構成されている。クラッチアウター206は、クラッチウエイト203がクラッチシュー205を介して接触することによってエンジンからの回転駆動力をドライブシャフト153に伝達または遮断する。
(無段変速機100の作動)
次に、本実施形態の無段変速機100の動作について説明する。無段変速機100は、スクータ等の自動二輪車のエンジンと駆動輪である後輪との間に配置された動力伝達機構の一部として機能する。無段変速機100は、動作する前(例えばエンジンが停止した状態)においては、トルクスプリング155の弾性力によって可動ドリブンプーリ154が固定ドリブンプーリ151に最接近した状態にある。このため、可動ドライブプーリ110は固定ドライブプーリ102に対して最も離隔した位置に位置している(図1および図2参照)。また、エンジンが停止した状態では、図2に示すように、ウエイト120は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とランプ側ウエイト摺動面132とに挟まれている。エンジンが停止した状態では、例えば、図10に示すように、ランプ側突出片133とウエイト120との間に隙間が形成され、かつ、ウエイト120とウエイト受け部115との間に隙間が形成されることがある。また、図11に示すように、ランプ側突出片133とウエイト120との間に隙間が形成され、かつ、ウエイト120とウエイト受け部115とは当接していることがある。なお、図示は省略するが、ランプ側突出片133とウエイト120とは当接し、かつ、ウエイト120とウエイト受け部115との間に隙間が形成されていることがある。また、図10および図11に示す例では、ウエイト120は、ランプ側突出片133に対してウエイト120の中心線C3が直交するように配置されているが、中心線C3が傾斜するように配置(即ちウエイト120がランプ側突出片133に対して傾いて配置)されていることがある。この場合、上述の隙間は径方向に関して不均一になる。
次に、無段変速機100は、エンジンがアイドリング状態においては、クランク軸90の回転駆動によって固定ドライブプーリ102およびランププレート130がクランク軸90と一体的に回転駆動する。このとき、ランププレート130のランプ側突出片133の第1押圧面133aがウエイト120の第2端部122dを押圧する。これにより、ウエイト120の第1端部122cがウエイト受け部115を押圧する。このように、ランププレート130が回転するとき、ランプ側突出片133はウエイト120に当接するとともに、ウエイト120はウエイト受け部115に当接する。この結果、可動ドライブプーリ110は、ランププレート130と同じ回転数で回転駆動する。すなわち、可動ドライブプーリ110は、クランク軸90および固定ドライブプーリ102と同じ回転数で回転駆動する。
この場合、ウエイト120に作用する遠心力は、トルクスプリング155の弾性力よりも小さいため、ウエイト120は、径方向の内側に位置して径方向の外側に移動しない。無段変速機100は、アイドリング時においては、可動ドライブプーリ110が固定ドライブプーリ102に対して離隔した位置を維持するため、Vベルト140がドライブプーリ101の最内周部から外側に移動することはない。したがって、遠心クラッチ200のクラッチウエイト203に作用する遠心力が連結スプリング204の弾性力(引張力)よりも小さくなるため、クラッチシュー205がクラッチアウター206の内周面に接触せず、エンジンの回転駆動力がドライブシャフト153に伝達されることはない。
次に、無段変速機100において、自動二輪車に乗車する運転者のアクセル操作によってエンジンの回転数が増加した場合には、遠心クラッチ200のクラッチウエイト203に作用する遠心力が連結スプリング204の弾性力(引張力)よりも大きくなる。これにより、クラッチシュー205がクラッチアウター206の内周面に接触するため、エンジンの回転駆動力がドライブシャフト153に伝達される。
そして、エンジンの回転数がさらに増加するに従ってウエイト120に作用する遠心力が、可動ドリブンプーリ154に設けられたトルクカム溝(図示せず)によって発生するカム推力とトルクスプリング155の推力の合算値よりも大きくなる。これにより、ウエイト120が径方向の外側の位置に移動を開始する。即ち、ウエイト120がランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接した状態において、ウエイト120は可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動を開始する。そして、図5および図12に示すように、ウエイト120は径方向の外側の位置まで移動する。ここで、ウエイト120を挟む可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114およびランプ側ウエイト摺動面132は、径方向の内側から外側に向かって互いの間隔が狭くなるように形成されている。このため、可動ドライブプーリ110は、ウエイト120が径方向の外側に向かって移動するに従って固定ドライブプーリ102側に移動する。すなわち、可動ドライブプーリ110が固定ドライブプーリ102に対して接近することにより、Vベルト140はドライブプーリ101の最内周部から外周側に移動するとともにドリブンプーリ150の最外周部から内周側に移動する。
次に、運転者のアクセル操作によってエンジンの回転数が減少した場合には、ウエイト120に作用する遠心力の減少に従ってウエイト120が径方向の外側の位置から内側の位置に向かって移動する。このとき、可動ドライブプーリ110は、トルクスプリング155の弾性力によって固定ドライブプーリ102から離隔する。すなわち、無段変速機100は、エンジンの回転数が減少するに従って上述したアイドリング時の状態に戻る(図1または図2参照)。
また、無段変速機100には、駆動輪からバックトルクが作用する場合がある。この場合、ランプ側突出片133の第2押圧面133bは、可動ドライブプーリ110の突出片受け部117から押圧力を受ける。このようにしてランププレート130に伝わった回転駆動力(バックトルク)は、クランク軸90に伝達される。
以上のように、本実施形態の無段変速機100によると、ランププレート130が回転するとき、ランプ側突出片133はウエイト120に当接するとともに、ウエイト120はウエイト受け部115に当接する。即ち、ランププレート130はウエイト120を介して間接的に可動ドライブプーリ110を押圧することができる。これにより、ランププレート130の回転駆動力がウエイト120を介して可動ドライブプーリ110に伝達される。このように、可動ドライブプーリ110を固定ドライブプーリ102に接近させるように構成されたウエイト120に、ランププレート130の回転駆動力を可動ドライブプーリ110に伝達する機能を持たせることによって、装置構成を簡単化して組立性およびメンテナンス性の向上を実現することができる。
本実施形態の無段変速機100では、ランプ側突出片133は、収容部113の突出片収容部116に収容された状態において、収容部113に対して相対的に回転方向Lに移動可能に構成されている。上記態様によれば、例えば、エンジンが停止した状態において、ランプ側突出片133とウエイト120との間に隙間がある場合であっても、ランププレート130が回転することによってランプ側突出片133が収容部113に対して相対的に回転方向に移動するため、ランプ側突出片133はウエイト120に当接することができる。
本実施形態の無段変速機100では、ランププレート130は、径方向に延びかつ径方向の外側の部分が径方向の内側の部分よりも可動ドライブプーリ110側に位置しかつウエイト120が摺動するランプ側ウエイト摺動面132を備え、エンジンが停止した状態において、ウエイト120は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とランプ側ウエイト摺動面132とに挟まれている。上記態様によれば、エンジンが始動したときに、ウエイト120が可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とランプ側ウエイト摺動面132に沿って摺動するため、可動ドライブプーリ110を固定ドライブプーリ102に向けて大きく移動させることができる。
本実施形態の無段変速機100では、ランプ側ウエイト摺動面132は、ランプ側平面部132aを有し、ウエイト120は、ランプ側平面部132aに当接する第2摺動面122bを有する。上記態様によれば、ウエイト120がランプ側平面部132aに対して面接触するため、ウエイト120がランプ側ウエイト摺動面132に沿って摺動するときに、ウエイト120は可動ドライブプーリ110を固定ドライブプーリ102に向けて効率よく押圧することができる。
本実施形態の無段変速機100では、ウエイト120の径方向と直交しかつクランク軸90の軸線方向と直交する方向の長さP1は、ウエイト120の径方向の長さP2よりも長い。上記態様によれば、可動ドライブプーリ110を安定して押圧することができる。
本実施形態の無段変速機100では、動力源はエンジンであり、エンジンの回転数がクランキング回転数からアイドリング回転数に達するまでの間に、ランププレート130が回転することによってウエイト120はランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接するように構成されている。上記態様によれば、エンジンが停止した状態において、例えば、ウエイト120が収容部113内で傾いていた場合であっても、ランプ側突出片133およびウエイト受け部115に挟みこまれることによって、エンジンの回転数がアイドリング回転数に達するまでにその傾きが修正される。これにより、ウエイト120は、アイドリング回転数以上の回転数において、正しい姿勢で可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動することができる。
本実施形態の無段変速機100では、ウエイト120がランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接した状態において、ウエイト120は可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動可能に構成されている。上記態様によれば、ランププレート130の回転駆動力を可動ドライブプーリ110に伝達するとともに、可動ドライブプーリ110を固定ドライブプーリ102に向けて移動させることができる。
本実施形態の無段変速機100では、ウエイト120は、樹脂材料から形成されかつ可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に当接する本体カバー122を備えている。上記態様によれば、ウエイト120の摺動に伴う可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114およびランプ側ウエイト摺動面132の摩耗を低減することができる。
本実施形態の無段変速機100では、ランプ側突出片133がウエイト120に当接するとともにウエイト120がウエイト受け部115に当接するときのエンジンの回転数は、可動ドライブプーリ110が固定ドライブプーリ102に対して接近し始めるときのエンジンの回転数よりも低い。上記態様によれば、ランププレート130の回転駆動力を可動ドライブプーリ110に確実に伝達することができる。
本実施形態の無段変速機で100は、ウエイト120は、ウエイト受け部115に当接する第1端部122cと、ランプ側突出片133に当接する第2端部122dと、を備え、クランク軸90の軸線方向から見て、可動ドライブプーリ110の回転中心110Cを中心とする円C1の法線C2は、第1端部122cと第2端部122dとを通過する。上記態様によれば、ウエイト120を収容部113にコンパクトに配置することができる。
本実施形態の無段変速機100では、径方向と直交しかつクランク軸90の軸線方向と直交するウエイト120の中心線C3は、クランク軸90の軸線方向から見て、法線C2と重なる。上記態様によれば、ウエイト120を収容部113によりコンパクトに配置することができる。
本発明は、上記第1実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上述の第1実施形態においては、ランププレート130は、ランプ側ウエイト摺動面132とランプ側突出片133とを繋げて一体的に形成した。これにより、円板部131から突出するランプ側突出片133の剛性を向上させることができる。しかし、ランプ側ウエイト摺動面132とランプ側突出片133とを互いに離隔した位置に形成してもよい。
上述の第1実施形態においては、突出片収容部116は、ウエイト側端面116a、外側壁116b、内側壁116cおよび突出片受け部117によって平面視で方形の箱状に形成した。これにより、突出片収容部116に外部からの異物の侵入を抑制することができるとともに、突出片受け部117の剛性を向上させることができる。しかし、可動ドライブプーリ110は、突出片収容部116を省略して構成することもできる。例えば、突出片収容部116の外側壁116bおよび内側壁116cを省略して可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114の端部に対して突出片受け部117をランプ側突出片133の厚さ以上の隙間を介して設けるとよい。これによれば、ランプ側突出片133と突出片受け部117との間およびランプ側突出片133とウエイト120の第2端部122dとの間の通気性を確保して過熱されることを抑制することができる。
上述の第1実施形態においては、可動ドライブプーリ110は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とウエイト受け部115とを繋げて一体的に形成した。これにより、円錐部112から突出するウエイト受け部115の剛性を向上させることができる。しかし、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114とウエイト受け部115とを互いに離隔した位置に形成してもよい。
上述の第1実施形態においては、可動ドライブプーリ110は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114および突出片受け部117をそれぞれ3つずつ(つまり、3組)備えていた。しかし、可動ドライブプーリ110は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114および突出片受け部117をそれぞれ少なくとも1つずつ備えていればよい。この場合、ランプ側ウエイト摺動面132およびランプ側突出片133は、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114および突出片受け部117の形成数に応じて形成される。
なお、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114および突出片受け部117をそれぞれ複数設ける場合(つまり複数組設ける場合)には、可動ドライブプーリ110の周方向に均等な間隔で配置するほか、周方向に沿って不均一な間隔で配置してもよいし、可動ドライブプーリ110の径方向において互いに異なる位置に形成されていてもよい。
上述の第1実施形態においては、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114は、平面部114aと曲面部114bとを有していた。しかし、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114は、平面部114aおよび曲面部114bのいずれか一方のみを有していてもよい。
上述の第1実施形態においては、ランプ側ウエイト摺動面132は、平面状に形成されたランプ側平面部132aを有していた。しかし、ランプ側ウエイト摺動面132は、曲面状に形成された曲面部を有していてもよい。
上述の第1実施形態では、突出片収容部116の径方向の長さは、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114の径方向の長さよりも長く形成されていたが、これに限定されない。例えば、図13に示すように、突出片収容部116の径方向の長さと可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114の径方向の長さは同じであってもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、ランププレート130がランプ側ウエイト摺動面132およびランプ側突出片133を有し、かつ、可動ドライブプーリ110が収容部113を有していたが、これに限定されない。図14に示すように、ランププレート230が第1実施形態の収容部113に相当する収容部213を有し、かつ、可動ドライブプーリ210(図15参照)が第1実施形態のランプ側ウエイト摺動面132およびランプ側突出片133にそれぞれ相当する可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232(図15参照)および可動ドライブプーリ側突出片233を有していてもよい。収容部213は、ランププレート230に設けられている点を除き、収容部113とほぼ同じ構成である。また、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232は、可動ドライブプーリ210に設けられている点を除き、ランプ側ウエイト摺動面132と同じ構成である。さらに、可動ドライブプーリ側突出片233は、可動ドライブプーリ210に設けられている点を除き、ランプ側突出片133と同じ構成である。
図14に示すように、収容部213は、ウエイト120および可動ドライブプーリ側突出片233をそれぞれ可動的に収容する部分である。ウエイト120は、ランププレート230の径方向に移動自在に設けられている。ウエイト120は、ランププレート230の回転数の増加に応じて(即ちランププレート230の回転に伴う遠心力により)径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動する。
図14に示すように、収容部213は、ランプ側ウエイト摺動面214と、ウエイト当接部215と、突出片収容部216と、突出片受け部217とを備えている。図15に示すように、ランプ側ウエイト摺動面214は、径方向に延びかつ径方向の外側の部分が径方向の内側の部分よりも可動ドライブプーリ210側に位置する。ランプ側ウエイト摺動面214上をウエイト120が摺動する。ランプ側ウエイト摺動面214は、径方向の内側に位置しかつ平面状に形成された平面部214aと、径方向の外側に位置しかつ曲面状に形成された曲面部214bとを含む。平面部214aと曲面部214bとは径方向に関して連続している。図14に示すように、ウエイト当接部215は、ランプ側ウエイト摺動面214よりも回転方向Lの上流側に位置する。ウエイト当接部215は、ウエイト120の回転方向Lの上流側の端部(ここでは第1端部122c)と当接可能に設けられている。ウエイト当接部215は、エンジンの回転駆動力によってウエイト120の第1端部122cを押圧する。ウエイト当接部215は、エンジンの回転駆動力によってウエイト120および可動ドライブプーリ側突出片233を介して可動ドライブプーリ210を間接的に押圧する。突出片収容部216は、可動ドライブプーリ210の可動ドライブプーリ側突出片233を収容する部分である。突出片受け部217は、エンジンの減速時に、突出片収容部216内に位置する可動ドライブプーリ側突出片233を受け止めて可動ドライブプーリ210の回転駆動力(バックトルク)を受ける部分である。突出片受け部217は、ウエイト当接部215よりも径方向の内側かつ外側に張り出している。突出片受け部217の径方向の長さQ3は、ウエイト当接部215の径方向の長さQ4よりも長い。
図15に示すように、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232は、ランププレート230のランプ側ウエイト摺動面214とともに、ウエイト120を径方向に移動可能な状態で挟む面である。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232上をウエイト120が摺動する。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232は、径方向に沿って延びる滑らかな面である。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232は、径方向の外側の部分が径方向の内側の部分よりもランププレート230側に位置するように傾斜している。可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232は、平面状に形成された可動ドライブプーリ側平面部232aを有している。可動ドライブプーリ側平面部232aには、ウエイト120の第2摺動面122bが当接する。第2摺動面122bは、可動ドライブプーリ側平面部232a上を摺動する。
図14に示すように、可動ドライブプーリ側突出片233は、突出片収容部216に収容される。可動ドライブプーリ側突出片233は、ウエイト120に対して回転方向Lの下流側に位置する。可動ドライブプーリ側突出片233は、ウエイト120に当接可能に設けられている。可動ドライブプーリ側突出片233は、エンジンの回転駆動力によってウエイト120の第2端部122dに押圧される。
エンジンがアイドリング状態においては、クランク軸90の回転駆動によって固定ドライブプーリ102およびランププレート230がクランク軸90と一体的に回転駆動する。このとき、ランププレート230のウエイト当接部215がウエイト120の第1端部122cを押圧する。これにより、ウエイト120の第2端部122dが可動ドライブプーリ側突出片233を押圧する。このように、ランププレート230が回転するとき、ウエイト当接部215はウエイト120に当接するとともに、ウエイト120は可動ドライブプーリ側突出片233に当接する。この結果、可動ドライブプーリ210は、ランププレート230と同じ回転数で回転駆動する。すなわち、可動ドライブプーリ210は、クランク軸90および固定ドライブプーリ102と同じ回転数で回転駆動する。
エンジンの回転数がクランキング回転数(例えば50rpm~60rpm)からアイドリング回転数(例えば600rpm~800rpm)に達するまでの間に、ランププレート230が回転することによってウエイト当接部215がウエイト120に当接するとともに、ウエイト120が可動ドライブプーリ側突出片233と当接するように構成されている。なお、ウエイト当接部215がウエイト120に当接するとともにウエイト120が可動ドライブプーリ側突出片233に当接するときのエンジンの回転数は、可動ドライブプーリ210が固定ドライブプーリ102に対して接近し始めるときのエンジンの回転数よりも低い。
また、ウエイト120が可動ドライブプーリ側突出片233およびウエイト当接部215と当接した状態において、ウエイト120は可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232およびランプ側ウエイト摺動面214に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動可能に構成されている。
以上のように、本実施形態の無段変速機100によると、ランププレート230が回転するとき、ウエイト当接部215はウエイト120に当接するとともに、ウエイト120は可動ドライブプーリ側突出片233に当接する。即ち、ランププレート230はウエイト120を介して間接的に可動ドライブプーリ210を押圧することができる。これにより、ランププレート230の回転駆動力がウエイト120を介して可動ドライブプーリ210に伝達される。このように、可動ドライブプーリ210を固定ドライブプーリ102に接近させるように構成されたウエイト120に、ランププレート230の回転駆動力を可動ドライブプーリ210に伝達する機能を持たせることによって、装置構成を簡単化して組立性およびメンテナンス性の向上を実現することができる。
本実施形態の無段変速機100では、動力源はエンジンであり、エンジンの回転数がクランキング回転数からアイドリング回転数に達するまでの間に、ランププレート230が回転することによってウエイト当接部215がウエイト120に当接するとともに、ウエイト120が可動ドライブプーリ側突出片233と当接するように構成されている。上記態様によれば、エンジンが停止した状態において、例えば、ウエイト120が収容部113内で傾いていた場合であっても、ウエイト当接部215および可動ドライブプーリ側突出片233に挟みこまれることによって、エンジンの回転数がアイドリング回転数に達するまでにその傾きが修正される。これにより、ウエイト120は、アイドリング回転数以上の回転数において、正しい姿勢でランプ側ウエイト摺動面214に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動することができる。
本実施形態の無段変速機100では、ウエイト120が可動ドライブプーリ側突出片233およびウエイト当接部215と当接した状態において、ウエイト120はランプ側ウエイト摺動面214に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動可能に構成されている。上記態様によれば、ランププレート230の回転駆動力を可動ドライブプーリ210に伝達するとともに、可動ドライブプーリ210を固定ドライブプーリ102に向けて移動させることができる。
本実施形態の無段変速機100では、ウエイト当接部215がウエイト120に当接するとともにウエイト120が可動ドライブプーリ側突出片233に当接するときのエンジンの回転数は、可動ドライブプーリ210が固定ドライブプーリ102に対して接近し始めるときのエンジンの回転数よりも低い。上記態様によれば、ランププレート230の回転駆動力を可動ドライブプーリ210に確実に伝達することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述の各実施形態においては、ウエイト120は、金属製のウエイト本体121と樹脂製の本体カバー122とを備えていた。しかし、ウエイト120は、単一の材料で一体的に形成してもよいし3種以上の材料で形成してもよい。また、本体カバー122は、金属製であってもよい。
上述の各実施形態においては、ウエイト120の第1摺動面122aは曲面であった。しかし、第1摺動面122aは、可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114上を摺動(転動を含む)することができれば平面であってもよい。
上述の各実施形態においては、ウエイト120の第2摺動面122bは平面であった。しかし、第2摺動面122bは、ランプ側ウエイト摺動面132または可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232上を摺動(転動を含む)することができれば曲面であってもよい。例えば、ウエイト120の、第1摺動面122aおよび第2摺動面122bをそれぞれ曲面とすることで、ウエイト120は可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114およびランプ側ウエイト摺動面132またはランプ側ウエイト摺動面214および可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面232上を転がるように構成することができる。
上述した各実施形態では、動力源としてエンジンを用いていたが、動力源はエンジンに限定されず、例えば電動モータ等であってもよい。動力源が電動モータの場合、電動モータの回転数が極低速領域にあるときに、ランププレート130が回転することによってウエイト120はランプ側突出片133およびウエイト受け部115と当接するように構成されていてもよい。ここで、極低速領域とは、電動モータを始動したときの回転数から鞍乗型車両が走行を開始した直後までの回転数を含む回転数領域である。上記態様によれば、電動モータが停止した状態において、例えば、ウエイト120が収容部113内で傾いていた場合であっても、ランプ側突出片133およびウエイト受け部115に挟みこまれることによって、電動モータの回転数が極低速領域にあるときにその傾きが修正される。これにより、ウエイト120は、極低速領域以上の回転数において、正しい姿勢で可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面114に沿って径方向の内側の位置から径方向の外側の位置に移動することができる。また、動力源が電動モータの場合、電動モータの回転数が極低速領域にあるときに、ランププレート130が回転することによってウエイト120はウエイト当接部215と可動ドライブプーリ側突出片233と当接するように構成されていてもよい。
本実施形態の鞍乗型車両とは、運転者が跨がって乗車する車両のことである。鞍乗型車両はスクータ等の自動二輪車に限定されない。鞍乗型車両は、例えば、自動三輪車、ATV(All Terrain vehicle)、スノーモービル等であってもよい。
90 クランク軸
100 無段変速機
101 ドライブプーリ
102 固定ドライブプーリ
110 可動ドライブプーリ
110C 回転中心
113 収容部
114 可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面
114a 平面部
114b 曲面部
115 ウエイト受け部
116 突出片収容部
117 突出片受け部
120 ウエイト
121 ウエイト本体
122 本体カバー(当接部)
122a 第1摺動面
122b 第2摺動面(ウエイト側平面部)
122c 第1端部(第1面)
122d 第2端部(第2面)
130 ランププレート
132 ランプ側ウエイト摺動面
132a ランプ側平面部
133 ランプ側突出片
140 Vベルト
C1 円
C2 法線
C3 中心線
L 回転方向

Claims (16)

  1. 動力源によって回転駆動するクランク軸と一体的に回転駆動する固定ドライブプーリと、前記固定ドライブプーリに対向して配置されかつ前記クランク軸上を前記固定ドライブプーリに対して接近または離隔する可動ドライブプーリと、を有するドライブプーリと、
    前記可動ドライブプーリに対して前記固定ドライブプーリとは反対側に対向して配置されかつ前記クランク軸と一体的に回転駆動するランププレートと、
    前記可動ドライブプーリと前記ランププレートとに挟まれかつ前記可動ドライブプーリの径方向に移動自在なウエイトと、を備え、
    前記ウエイトは、前記可動ドライブプーリの回転に伴う遠心力により前記径方向の内側の位置から前記径方向の外側の位置に移動して前記可動ドライブプーリを押圧し、前記可動ドライブプーリを前記固定ドライブプーリに接近させるように構成され、
    前記可動ドライブプーリは、
    前記ウエイトを収容する収容部を備え、
    前記収容部は、
    前記径方向に延びかつ前記径方向の外側の部分が前記径方向の内側の部分よりも前記ランププレート側に位置しかつ前記ウエイトが摺動する可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面と、
    前記固定ドライブプーリおよび前記可動ドライブプーリおよび前記ランププレートが回転する方向を回転方向としたとき、前記可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面よりも前記回転方向の下流側に位置し、かつ、前記ウエイトの前記回転方向の下流側の端部を受け止めるウエイト受け部と、を備え、
    前記ランププレートは、
    前記収容部に収容され、かつ、前記ウエイトに対して前記回転方向の上流側に位置し、かつ、前記ウエイトに当接可能なランプ側突出片を備え、
    前記ランププレートが回転するとき、前記ランプ側突出片は前記ウエイトに当接するとともに、前記ウエイトは前記ウエイト受け部に当接する、無段変速機。
  2. 前記ランプ側突出片は、前記収容部に収容された状態において、前記収容部に対して相対的に前記回転方向に移動可能に構成されている、請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記ランププレートは、
    前記径方向に延びかつ前記径方向の外側の部分が前記径方向の内側の部分よりも前記可動ドライブプーリ側に位置しかつ前記ウエイトが摺動するランプ側ウエイト摺動面を備え、
    前記動力源が停止した状態において、前記ウエイトは、前記可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面と前記ランプ側ウエイト摺動面とに挟まれている、請求項1または2に記載の無段変速機。
  4. 前記ランプ側ウエイト摺動面は、ランプ側平面部を有し、
    前記ウエイトは、前記ランプ側平面部に当接するウエイト側平面部を有する、請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記ウエイトの前記径方向と直交しかつ前記クランク軸の軸線方向と直交する方向の長さは、前記ウエイトの前記径方向の長さよりも長い、請求項1または2に記載の無段変速機。
  6. 前記動力源はエンジンであり、
    前記エンジンの回転数がクランキング回転数からアイドリング回転数に達するまでの間に、前記ランププレートが回転することによって前記ウエイトは前記ランプ側突出片および前記ウエイト受け部と当接するように構成されている、請求項1または2に記載の無段変速機。
  7. 前記動力源は電動モータであり、
    前記電動モータの回転数が極低速領域にあるときに、前記ランププレートが回転することによって前記ウエイトは前記ランプ側突出片および前記ウエイト受け部と当接するように構成されている、請求項1または2に記載の無段変速機。
  8. 前記ウエイトが前記ランプ側突出片および前記ウエイト受け部と当接した状態において、前記ウエイトは前記可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面に沿って前記径方向の内側の位置から前記径方向の外側の位置に移動可能に構成されている、請求項1または2に記載の無段変速機。
  9. 前記ウエイトは、樹脂材料から形成されかつ前記可動ドライブプーリ側ウエイト摺動面に当接する当接部を備えている、請求項8に記載の無段変速機。
  10. 前記ランプ側突出片が前記ウエイトに当接するとともに前記ウエイトが前記ウエイト受け部に当接するときの前記動力源の回転数は、前記可動ドライブプーリが前記固定ドライブプーリに対して接近し始めるときの前記動力源の回転数よりも低い、請求項1または2に記載の無段変速機。
  11. 前記ウエイトは、
    前記ウエイト受け部に当接する第1面と、
    前記ランプ側突出片に当接する第2面と、を備え、
    前記クランク軸の軸線方向から見て、前記可動ドライブプーリの回転中心を中心とする円の法線は、前記第1面と前記第2面とを通過する、請求項1または2に記載の無段変速機。
  12. 前記径方向と直交しかつ前記クランク軸の前記軸線方向と直交する前記ウエイトの中心線は、前記クランク軸の前記軸線方向から見て、前記法線と重なる、請求項11に記載の無段変速機。
  13. 動力源によって回転駆動するクランク軸と一体的に回転駆動する固定ドライブプーリと、前記固定ドライブプーリに対向して配置されかつ前記クランク軸上を前記固定ドライブプーリに対して接近または離隔する可動ドライブプーリと、を有するドライブプーリと、
    前記可動ドライブプーリに対して前記固定ドライブプーリとは反対側に対向して配置されかつ前記クランク軸と一体的に回転駆動するランププレートと、
    前記可動ドライブプーリと前記ランププレートとに挟まれかつ前記ランププレートの径方向に移動自在なウエイトと、を備え、
    前記ウエイトは、前記ランププレートの回転に伴う遠心力により前記径方向の内側の位置から前記径方向の外側の位置に移動して前記可動ドライブプーリを押圧し、前記可動ドライブプーリを前記固定ドライブプーリに接近させるように構成され、
    前記ランププレートは、
    前記ウエイトを収容する収容部を備え、
    前記収容部は、
    前記径方向に延びかつ前記径方向の外側の部分が前記径方向の内側の部分よりも前記可動ドライブプーリ側に位置しかつ前記ウエイトが摺動するランプ側ウエイト摺動面と、
    前記固定ドライブプーリおよび前記可動ドライブプーリおよび前記ランププレートが回転する方向を回転方向としたとき、前記ランプ側ウエイト摺動面よりも前記回転方向の上流側に位置し、かつ、前記ウエイトの前記回転方向の上流側の端部に当接可能なウエイト当接部と、を備え、
    前記可動ドライブプーリは、
    前記収容部に収容され、かつ、前記ウエイトに対して前記回転方向の下流側に位置し、かつ、前記ウエイトに当接可能な可動ドライブプーリ側突出片を備え、
    前記ランププレートが回転するとき、前記ウエイト当接部は前記ウエイトに当接するとともに、前記ウエイトは前記可動ドライブプーリ側突出片に当接する、無段変速機。
  14. 前記動力源はエンジンであり、
    前記エンジンの回転数がクランキング回転数からアイドリング回転数に達するまでの間に、前記ランププレートが回転することによって前記ウエイト当接部が前記ウエイトに当接するとともに、前記ウエイトが前記可動ドライブプーリ側突出片と当接するように構成されている、請求項13に記載の無段変速機。
  15. 前記ウエイトが前記可動ドライブプーリ側突出片および前記ウエイト当接部と当接した状態において、前記ウエイトは前記ランプ側ウエイト摺動面に沿って前記径方向の内側の位置から前記径方向の外側の位置に移動可能に構成されている、請求項13または14に記載の無段変速機。
  16. 前記ウエイト当接部が前記ウエイトに当接するとともに前記ウエイトが前記可動ドライブプーリ側突出片に当接するときの前記動力源の回転数は、前記可動ドライブプーリが前記固定ドライブプーリに対して接近し始めるときの前記動力源の回転数よりも低い、請求項13または14に記載の無段変速機。
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