JP2002181147A - 無段変速機及びそれを備えた車両 - Google Patents

無段変速機及びそれを備えた車両

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JP2002181147A
JP2002181147A JP2001307394A JP2001307394A JP2002181147A JP 2002181147 A JP2002181147 A JP 2002181147A JP 2001307394 A JP2001307394 A JP 2001307394A JP 2001307394 A JP2001307394 A JP 2001307394A JP 2002181147 A JP2002181147 A JP 2002181147A
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belt
pulley
rotating
continuously variable
sheave
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JP2001307394A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Miyata
博文 宮田
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト式無段変速機Tのコストダウンを図り
ながら、動力伝達の断続をスムーズに行うようにする。 【解決手段】 駆動プーリ11のベルト溝14底部に対
応する固定及び可動シーブ側溝側面14a,14bに、
Vベルト21の乗上げによりベルト21と駆動プーリ1
1との間の動力伝達を遮断するクラッチ31,31を設
ける。この各クラッチ31は、固定シーブ12に固定さ
れた固定プレート33と、ベルト21から押圧されて回
転する回転プレート34と、両プレート33,34間に
配列され、回転プレート34の半径方向に対し所定角度
θをもって斜めに延びる多数のローラ35,35,…と
を有し、ローラ35,35,…が互いに間隔をあけて保
持プレート36により転動可能に保持されている。ベル
ト21がクラッチ31上に接触した状態では、回転プレ
ート34の固定プレート33との相対回転により各ロー
ラ35が保持プレート36に保持された状態で転動しな
がらその転動方向とは斜めの回転プレート34の回転方
向に沿って滑るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機及びそ
れを備えた車両に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転摩擦装置の一種として、
例えば特開平8―74843号公報に示されるように、
リング状の1対の回転部を対向して同心状に配置し、こ
れら両回転部間に、回転部の半径方向に対し所定角度を
もって斜めに延びる多数のローラを回転部の円周方向に
沿って配列して、これらローラを保持体により互いに間
隔をあけた状態で転動可能に保持したものが提案されて
いる。この提案のものでは、ローラを両回転部間で滑ら
せながら転動させるので、両回転部間の相対回転に伴う
摩擦係数を一定に保って回転抵抗を安定させることがで
きるという特長がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、今日、小排
気量のエンジンを搭載したスクータやミニバイク等の二
輪車には、ウェイトローラタイプのベルト式無段変速機
と共に遠心クラッチが一般的に装備されている。ウェイ
トローラタイプの無段変速機は、遠心力により移動する
ウェイトローラを有していて、このウェイトローラの移
動により変速プーリの可動シーブを駆動して変速するよ
うにしたものである。一方、遠心クラッチは、上記ウェ
イトローラタイプの無段変速機と同様に、遠心力により
移動するウェイトを有していて、このウェイトの移動に
よりエンジンと駆動車輪(後車輪)との間の動力の伝達
を断続する。尚、この遠心クラッチは、一般に変速機の
従動側に配置されている。
【0004】しかし、上記遠心クラッチは高価であり、
製造コストを下げるのに無理がある。さりとて、無段変
速機によるスムーズな変速を活かし、それに加えて、発
進時にエンジン回転数の上昇に伴って車両をスムーズに
発進させるためには、動力の伝達が滑らかに断続される
クラッチが好ましい。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、変速プーリの構造を利用したクラッチ
を設けることにより、コストダウンを図りながら、クラ
ッチによる動力伝達の断続をスムーズに行い得るように
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、この発明では、上記提案の回転摩擦装置を回転軸及
び変速プーリ間、又は変速プーリのベルト溝面において
少なくとも固定シーブ側の溝側面に組み込み、この回転
摩擦装置により回転軸と変速プーリとの間の動力伝達、
又はベルトと変速プーリとの間の動力伝達が断続される
ようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、回転軸
上に対向してかつ回転可能に設けられた固定及び可動シ
ーブを有し、両シーブ間にベルト溝が形成された変速プ
ーリと、該変速プーリのベルト溝に巻き掛けられたVベ
ルトとを備え、上記可動シーブを固定シーブに対し接離
させて変速プーリを開閉することで、ベルト溝でのVベ
ルトの巻付け径を変化させて変速するようにした無段変
速機を前提とする。
【0008】そして、上記回転軸と変速プーリとの間の
動力伝達を断続するクラッチ手段を設ける。このクラッ
チ手段は、互いに同心状に対向してかつ相対回転可能に
配置されたリング状の1対の回転部と、これら両回転部
間に回転部の円周方向に沿って配列され、転動軸心が回
転部の半径方向に対し所定角度をもって斜めに延びる多
数のローラと、これら多数のローラを互いに間隔をあけ
て転動可能に保持する保持体とを備えていて、回転部が
相対する回転部に向かって押圧されたときに接続状態と
なるものとする。そして、上記一方の回転部を変速プー
リ又は回転軸の一方に、また他方の回転部を変速プーリ
又は回転軸の他方にそれぞれ設ける。
【0009】上記の構成によると、クラッチ手段が非接
続状態(OFF状態)にあって、回転軸と変速プーリと
の間の動力伝達が遮断されているときには、そのクラッ
チ手段の両回転部の一方が他方に向かうように軸方向に
押圧されていないが、このクラッチ手段が接続状態(O
N状態)に切り換わると、両回転部の一方が他方に向か
う側に軸方向に押圧されて、回転軸と変速プーリとの間
で動力伝達が行われる。そして、この動力伝達状態で無
段変速機が変速され、この変速状態では、変速プーリの
可動シーブが固定シーブに対し接離して変速プーリが開
閉し、Vベルトがベルト溝を半径方向に移動して該ベル
ト溝での巻付け径が変化し、このことで変速機が変速さ
れる。
【0010】そのとき、上記クラッチ手段は、変速プー
リ及び回転軸にそれぞれ設けられた1対の回転部を有
し、これら両回転部間に、転動軸心が回転部の半径方向
に対し所定角度をもって斜めに延びる多数のローラが配
列され、これらローラは互いに間隔をあけて保持体によ
り転動可能に保持されているので、回転部が相対する回
転部側に向かって押圧された状態で回転すると、両回転
部の相対回転により各ローラが保持体に保持された状態
で転動しながら回転部の回転方向に沿って滑り、この各
ローラの転動及び滑りにより安定した回転抵抗が得られ
る。従って、このようなローラの転動及び滑りを行うク
ラッチ手段により、回転軸と変速プーリとの間の動力伝
達を滑らかに断続させることができる。
【0011】また、上記クラッチ手段は、回転軸と変速
プーリとの間に設けられていて、プーリに付随した構造
であるので、変速機の構造が簡単でコンパクトとなる。
しかも、クラッチ手段は、ウェイトを有する遠心クラッ
チに比べて構造が簡単で安価であり、無段変速機のコス
トダウンを図ることができる。
【0012】請求項2の発明では、回転軸上に対向して
設けられた固定及び可動シーブを有し、両シーブ間にベ
ルト溝が形成された変速プーリと、この変速プーリのベ
ルト溝に巻き掛けられたVベルトとを備え、上記可動シ
ーブを固定シーブに対し接離させて変速プーリを開閉す
ることで、ベルト溝でのVベルトの巻付け径を変化させ
て変速するようにした無段変速機を前提とする。
【0013】そして、上記変速プーリにおけるベルト溝
の少なくとも固定シーブ側の溝側面に、Vベルトと変速
プーリとの間の動力伝達を断続するクラッチ手段を設け
る。このクラッチ手段は、互いに同心状に対向してかつ
相対回転可能に配置されたリング状の1対の回転部と、
これら両回転部の間に回転部の円周方向に沿って配列さ
れ、転動軸心が回転部の半径方向に対し所定角度をもっ
て斜めに延びる多数のローラと、これら多数のローラを
互いに間隔をあけて転動可能に保持する保持体とを備え
ていて、回転部が相対する回転部に向かって押圧された
ときに接続状態となるものとする。そして、一方の回転
部が変速プーリのシーブに回転一体に設けられている一
方、他方の回転部は、Vベルト側面に当接した状態で一
方の回転部に対し相対回転するように配置されている。
【0014】上記の構成によると、無段変速機の変速状
態では、変速プーリの可動シーブが固定シーブに対し接
離して変速プーリが開閉し、Vベルトがベルト溝を半径
方向に移動して該ベルト溝での巻付け径が変化し、この
ことで変速機が変速される。そして、このベルトがベル
ト溝の溝側面にあるクラッチ手段上に移動したときに
は、そのクラッチ手段によりベルトと変速プーリとの間
の動力伝達が遮断される。
【0015】そのとき、上記クラッチ手段は、固定シー
ブに設けられた一方の回転部と、ベルトの側面に当接し
て回転する他方の回転部とを有し、これら両回転部間
に、転動軸心が回転部の半径方向に対し所定角度をもっ
て斜めに延びる多数のローラが配列され、これらローラ
は互いに間隔をあけて保持体により転動可能に保持され
ているので、ベルト側面から押圧された状態で回転部が
回転すると、その回転部と他方の回転部との相対回転に
より各ローラが保持体に保持された状態で転動しながら
回転部の回転方向に沿って滑り、この各ローラの転動及
び滑りにより安定した回転抵抗が得られる。よって、こ
のようなローラの転動及び滑りを行うクラッチ手段によ
り、Vベルトと変速プーリとの間の動力伝達を滑らかに
断続させることができる。
【0016】また、上記クラッチ手段は、変速プーリの
ベルト溝の少なくとも固定シーブ側の溝側面に設けられ
ていて、プーリに内蔵された構造であるので、変速機の
構造が簡単でコンパクトとなる。しかも、クラッチ手段
は、ウェイトを有する遠心クラッチに比べて構造が簡単
で安価であり、無段変速機のコストダウンを図ることが
できる。
【0017】請求項3の発明では、上記請求項2の無段
変速機の変速プーリにおけるベルト溝の固定及び可動シ
ーブ側の各溝側面にそれぞれクラッチ手段を対向して設
ける。こうすると、ベルト溝の溝側面のクラッチ手段の
位置に移動したVベルトは、固定及び可動シーブ側の双
方のクラッチ手段の回転部上に乗り上げてそれらを押圧
するようになり、このことで変速プーリとベルトとの動
力伝達を確実に安定して断続することができる。
【0018】請求項4の発明では、上記回転軸は入力軸
とし、変速プーリは駆動プーリとする。そして、クラッ
チ手段は上記駆動プーリ側に設ける。この発明による
と、クラッチ手段を設けるのに望ましい変速プーリを具
体化することができる。
【0019】請求項5の発明では、上記請求項4の無段
変速機において、入力軸と平行な出力軸上に固定シーブ
及び可動シーブが支持され、両シーブ間にベルト溝が形
成された変速プーリからなる従動プーリと、駆動及び従
動プーリのベルト溝間に巻き掛けられたVベルトと、駆
動プーリの可動シーブ背面側に配設され、回転に伴う遠
心力の増大により半径方向外側に移動して駆動プーリの
ベルト巻付け径を増大変化させるように上記可動シーブ
を固定シーブに接近させるウェイトローラと、上記従動
プーリの可動シーブ背面側に配設され、該可動シーブを
固定シーブに接近させるように付勢する付勢手段とを備
えている。
【0020】このことで、入力軸及びその上の駆動プー
リの回転に伴い駆動プーリの可動シーブ背面側にあるウ
ェイトローラに遠心力が作用するが、入力軸の回転数が
低いときには、ウェイトローラに作用する遠心力が付勢
手段の付勢力よりも小さいので、その付勢手段の付勢力
により、従動プーリの可動シーブが固定シーブに接近し
て該従動プーリが閉じる一方、この閉じ状態の従動プー
リに引っ張られて移動したVベルトにより駆動プーリの
可動シーブが固定シーブから離れて該駆動プーリが開
く。そして、この開き状態にある駆動プーリと入力軸と
の間、又は駆動プーリとVベルトとの間の動力伝達が遮
断され、入力軸は回転するものの、Vベルトは回行せ
ず、入出力軸間の動力伝達が行われない。
【0021】このクラッチ非接続状態から入力軸の回転
数が上昇すると、ウェイトローラに作用する遠心力が増
大し、それが付勢手段の付勢力よりも大きくなると、ウ
ェイトローラが半径方向外側に移動して可動シーブを固
定シーブに接近させ、駆動プーリを閉じ始める。この駆
動プーリの閉じ動作により、クラッチ接続状態に切り換
わって入力軸と駆動プーリとの間、又はベルトと駆動プ
ーリとの間が動力伝達状態となり、入力軸及び駆動プー
リの回転に応じてVベルトが回行して、入出力軸間の動
力伝達が行われる。そして、このベルトによる動力伝達
状態で、入力軸の回転数が上昇してウェイトローラに作
用する遠心力がさらに増大すると、駆動プーリの可動シ
ーブがさらに固定シーブに接近して駆動プーリが閉じ方
向に変化し、この閉じ動作の駆動プーリに引っ張られて
移動したVベルトにより従動プーリの可動シーブが固定
シーブから離れて該従動プーリが開き、このことで変速
機の変速比が増大して変速機が低速状態から高速状態に
無段階に変速される。よって、この発明でも上記請求項
1又は2の発明と同様の作用効果を奏することができ
る。
【0022】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
の無段変速機において、駆動プーリのクラッチ手段上に
Vベルトが位置しているときに、そのクラッチ手段上に
Vベルトが保持されるように、ウェイトローラの自重に
抗して駆動プーリの可動シーブを固定シーブから離隔す
る方向に付勢するばね手段を設ける。このことで、駆動
プーリのクラッチ手段上にVベルトが位置している状態
では、その可動シーブはウェイトローラの自重に抗して
固定シーブから離隔する方向に付勢され、上記クラッチ
手段上にVベルトが安定して保持され、ウェイトローラ
の自重による変動をなくすことができる。
【0023】請求項7の発明では、上記請求項1〜6の
いずれか1つの発明の無段変速機を備えた車両とする。
また、請求項8の発明では、車両は二輪車とする。この
ことで、本発明の無段変速機を有効に適用することがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】図2は本発明の実施形態に係るベ
ルト式の無段変速機Tを示し、この無段変速機Tは、車
両としての二輪車(オートバイ)に搭載されている。具
体的には、無段変速機Tは、二輪車において車載エンジ
ンと駆動車輪としての後車輪(いずれも図示せず)との
間、すなわちエンジンの回転動力を後車輪に伝達する動
力伝達経路の途中に配設されている。
【0025】上記無段変速機Tはクラッチ内蔵タイプの
もので、左ケース1a及び左ケース1aに2分割された
ケース1を備えている。この左ケース1aの前部には入
力軸としての左右方向に延びるエンジンのクランク軸2
がベアリング3により回転可能に支持され、このクラン
ク軸2の先端部(出力部)は左右ケース1a,1b間に
延びている。ケース1の後部には、上記クランク軸2の
先端部と前後に間隔をあけて平行に左右方向に延びる出
力軸5が左右ケース1a,1b間に亘ってそれぞれベア
リング6,7により回転可能に支承されている。この左
右ケース1a,1b間の出力軸5には駆動ギヤ8が一体
に形成され、この駆動ギヤ8は、図示しないが、後車輪
の車軸上の従動ギヤに駆動連結されている。
【0026】ケース1内(左右ケース1a,1b間)に
は、上記クランク軸2(入力軸)の先端部と出力軸5と
の間をVベルト21によって変速可能に駆動連結する変
速プーリ機構10が収容されている。この変速プーリ機
構10は、クランク軸2上に配置された変速プーリから
なる駆動プーリ11を有する。この駆動プーリ11は、
ボス部12aにてクランク軸2上に回転一体にかつ摺動
不能に結合されたフランジ状の固定シーブ12と、この
固定シーブ12のボス部12a(クランク軸2)上に固
定シーブ12に右側から対向するようにボス部13aに
て摺動可能にかつ相対回転不能に支持されたフランジ状
の可動シーブ13とからなり、これら両シーブ12,1
3間に断面略V字状のベルト溝14が形成されている。
【0027】一方、出力軸5上には駆動プーリ11と略
同径の変速プーリからなる従動プーリ16が設けられて
いる。この従動プーリ16は、上記駆動プーリ11と同
様の構成であり、ボス部17aにて出力軸5上に回転一
体にかつ摺動不能に支持されたフランジ状の固定シーブ
17と、この固定シーブ17のボス部17a(出力軸
5)上に、固定シーブ17に対し上記駆動プーリ11に
おける固定シーブ12に対する可動シーブ13の対向方
向と逆方向でもって左側から対向するようにボス部18
aにて摺動可能にかつ相対回転不能に結合されたフラン
ジ状の可動シーブ18とからなり、これら両シーブ1
7,18間に断面略V字状のベルト溝19が形成されて
いる。
【0028】上記駆動プーリ11のベルト溝14と従動
プーリ16のベルト溝19との間にはVベルト21が巻
き掛けられており、両プーリ11,16の各可動シーブ
13,18をそれぞれ固定シーブ12,17に対して接
離させて各プーリ11,16のベルト巻付け径を変更す
る。例えば駆動プーリ11の可動シーブ13を固定シー
ブ12に接近させ、かつ従動プーリ16の可動シーブ1
8を固定シーブ17から離隔させたときには、駆動プー
リ11のベルト巻付け径を従動プーリ16よりも大きく
することにより、入力軸6の回転を出力軸5に増速して
伝達する高速状態(Hi状態)とする。一方、逆に、駆
動プーリ11の可動シーブ13を固定シーブ12から離
隔させ、かつ従動プーリ16の可動シーブ18を固定シ
ーブ17に接近させたときには、駆動プーリ11のベル
ト巻付け径を小にし、従動プーリ16のベルト巻付け径
を大きくすることにより、入力軸6の回転を減速して出
力軸5に伝える低速状態(Lo状態)とするようになさ
れている。
【0029】上記従動プーリ16における可動シーブ1
8の背面側には該可動シーブ18を固定シーブ17に接
近させるように付勢する付勢手段としての圧縮ばね23
が配設されている。すなわち、固定シーブ17のボス部
17a左端にはフランジ状のばね受け部材24が一体的
に取り付けられ、このばね受け部材24と可動シーブ1
8背面との間に上記圧縮ばね23が可動シーブ18のボ
ス部18a周りに配置された状態で縮装されており、こ
の圧縮ばね23の伸長方向のばね力により、可動シーブ
18を固定シーブ17側に向かって従動プーリ16が閉
じるように付勢するとともに、この従動プーリ16の閉
じ方向の付勢によりVベルト21を従動プーリ16に引
っ張って駆動プーリ11を開き方向に付勢するようにし
ている。尚、従動プーリ16が最も閉じた状態(図2に
示す状態)では、その可動シーブ18のボス部18aが
固定シーブ17に当接して、ベルト張力が発生しないよ
うになっている。
【0030】一方、駆動プーリ11の可動シーブ13背
面側には遠心ウェイト機構26が設けられている。この
遠心ウェイト機構26は、内端部が駆動プーリ11にお
ける固定シーブ12のボス部12a右端のクランク軸2
上に接合固定されたガイドプレート27を有し、このガ
イドプレート27は、半径方向外側に向かって可動シー
ブ13側(左側)に向かうようにテーパ状に傾斜した円
板状のものとされている。また、可動シーブ13の背面
は同シーブ13の表面である、ベルト溝14の可動シー
ブ側溝側面14bと略同様に半径方向外側に向かって上
記ガイドプレート27側(右側)に向かうようにテーパ
状に傾斜している。そして、これら可動シーブ13の背
面とガイドプレート27の間には、複数のウェイトロー
ラ28,28,…(1つのみ図示する)が円周方向に間
隔をあけてかつ可動シーブ13背面とガイドプレート2
7とに挟持された状態で半径方向に転動可能に配置され
ており、駆動プーリ11(クランク軸2)の回転に伴う
遠心力を各ウェイトローラ28に作用させ、その遠心力
の増大によりウェイトローラ28を可動シーブ13背面
とガイドプレート27とに挟持された状態で該ガイドプ
レート27に沿って半径方向外側に転動させることによ
り、従動プーリ16側の圧縮ばね23の付勢力に抗し
て、駆動プーリ11の可動シーブ13を固定シーブ12
に接近させ、その駆動プーリ11のベルト巻付け径を増
大変化させるようにしている。
【0031】そして、本発明の特徴として、上記駆動プ
ーリ11におけるベルト溝14底部の固定シーブ側溝側
面14a及び可動シーブ側溝側面14bには、Vベルト
21が側面にて当接した状態で該Vベルト21の固定及
び可動シーブ12,13への連れ回りを阻止するように
Vベルト21と駆動プーリ11との間の動力伝達を断続
するクラッチ機構31,31が駆動プーリ11の軸線方
向に対向して埋設されている。すなわち、ベルト溝14
底部における固定及び可動シーブ側溝側面14a,14
bにはそれぞれ溝側面14a,14bを固定及び可動シ
ーブ12,13と同心状に抉ってなる同径のリング溝3
2,32が形成され、この各リング溝32にクラッチ機
構31が収容固定されている。この両クラッチ機構3
1,31はいずれも同じもので、図3にも示すように、
互いに同心状に対向してかつ相対回転可能に配置された
1対の回転部としての固定プレート33及び回転プレー
ト34と、これら固定及び回転プレート33,34間に
配置された多数のローラ35,35,…及び保持プレー
ト36(保持体)とを備えてなり、回転プレート34が
相対する固定プレート33に向かって押圧されたときに
接続状態(クラッチON状態)となる。上記固定プレー
ト33は表裏面が駆動プーリ11(クランク軸2)の軸
線方向と直交する平面とされた円板リング状のもので、
リング溝32の底部に配置された状態で固定シーブ12
に同心状にかつ回転一体に固定されている。
【0032】一方、回転プレート34も基本的に上記固
定プレートと同径の円板リング状のものであり、その固
定プレート33表面に対向する側の裏面は駆動プーリ1
1の軸線方向と直交する平面であるが、表面は、中心側
から外周側に向かって裏面に近付くようにベルト溝14
の各溝側面14a,14bと同じテーパ角度で傾斜する
テーパ面34aとなっている。そして、回転プレート3
4はリング溝32の開口側、つまり固定プレート33の
ベルト溝幅方向中央側に固定プレート33と同心状に対
向して配置されていて、その回転プレート34表面のテ
ーパ面34aはベルト溝14の各溝側面14a,14b
と面一になっており、ベルト溝14内のVベルト21が
側面にて回転プレート34表面のテーパ面34aに乗り
上げた当接状態で、そのVベルト21から押圧力を受け
て回転プレート34が固定プレート33(シーブ12,
13)に対し相対回転するようになっている。
【0033】上記多数のローラ35,35,…は、図4
に示すように、上記固定プレート33及び回転プレート
34の間に回転プレート34及び固定プレート33の円
周方向に沿って配列され、かつ各々の転動軸心は回転プ
レート34及び固定プレート33の半径方向に対し所定
の傾斜角度θをもって斜めに延びている。
【0034】そして、保持プレート36は各ローラ35
の外径よりも少し薄い円板リング状のもので、各ローラ
35を上記傾斜角度θのままで転動可能に保持する矩形
状貫通孔からなる多数の保持孔36a,36a,…が円
周方向に配列された状態で形成されており、この保持孔
36a,36a,…にてそれぞれ多数のローラ35,3
5,…を円周方向に互いに間隔をあけて転動可能に保持
するようにしている。
【0035】尚、上記回転プレート34及び保持プレー
ト36(ローラ35)は、図外の抜き止め手段によりリ
ンク溝32から脱落不能に係止されている。
【0036】また、図2中、40はクランク軸2に連結
されたエンジンのコネクティングロッドである。さら
に、41は左ケース1aの前部寄りに設けられたスター
タ機構で、左ケース1aにクランク軸2の先端に対向し
てそれと同心に回転可能に支持されかつ従動ギヤ42を
有する従動軸43と、この従動軸43の先端に回転一体
に取り付けられ、クランク軸2の先端に設けた係合部4
4に係合してクランク軸2を回転させる係止部45と、
左ケース1aに上記従動軸43と平行に支持され、従動
軸43の従動ギヤ42と噛合するセクタギヤからなる駆
動ギヤ46が取り付けられた駆動軸47と、この駆動軸
47のケース外側端部に取り付けられたキックレバー4
8と、駆動軸47を回動付勢するコイルばね49とを備
えている。
【0037】また、駆動プーリ11の可動シーブ13背
面外周縁部には、上記ガイドプレート27の外周部を越
えてそれよりも固定シーブ12と反対側に位置するフラ
ンジ部29がガイドプレート27外周部背面と軸方向に
対向するように一体的に形成されている。このフランジ
部29と、それに対向するガイドプレート27外周部背
面との間には圧縮ばね30が縮装されており、エンジン
がアイドリング状態にあって、駆動プーリ11のクラッ
チ機構31,31にVベルト21が乗り上げ、二輪車が
停車状態しているとき、この圧縮ばね30によりウェイ
トローラ28の自重に抗して駆動プーリ11の可動シー
ブ13を固定シーブ12から離隔する方向に付勢し、ク
ラッチ機構31,31上にVベルト21が保持されて、
ベルト張力が発生しないようになっている。
【0038】したがって、この実施形態においては、エ
ンジンの運転時にクランク軸2が回転すると、そのクラ
ンク軸2に取り付けられている駆動プーリ11及び遠心
ウェイト機構26のガイドプレート27が一体的に回転
する。このクランク軸2及び駆動プーリ11の回転に伴
い、駆動プーリ11の可動シーブ13背面側にあるウェ
イトローラ28,28,…に遠心力が作用するが、エン
ジン回転数が低いときには、各ウェイトローラ28に作
用する遠心力が従動プーリ16側の圧縮ばね23の付勢
力よりも小さい。このため、その圧縮ばね23の付勢力
により、従動プーリ16の可動シーブ18が固定シーブ
17に接近して該従動プーリ16が閉じている一方、こ
の閉じ状態の従動プーリ16に引っ張られて移動したV
ベルト21により駆動プーリ11の可動シーブ13が固
定シーブ12から離れて該駆動プーリ11が開いてい
る。
【0039】そして、図1で実線にて示すように、上記
開き状態にある駆動プーリ11においては、Vベルト2
1はベルト溝14底部にあってその左右両側の溝側面1
4a,14bのクラッチ機構31,31上に側面にて乗
り上げた状態にあり、このVベルト21のクラッチ機構
31,31への乗上げにより駆動プーリ11とVベルト
21の動力伝達が遮断される。このことで、クランク軸
2及び駆動プーリ11は回転しているものの、Vベルト
21は駆動プーリ11に連れ回り状態で回行せず、この
ことでクランク軸2の回転動力が出力軸5に伝達され
ず、二輪車は走行しない。
【0040】そのとき、上記各クラッチ機構31は、駆
動プーリ11の固定シーブ12に固定された固定プレー
ト33と、ベルト21側面に接触して回転する回転プレ
ート34とを有し、これら固定及び回転プレート33,
34間に、回転プレート34の半径方向に対し所定角度
θをもって斜めに延びる多数のローラ35,35,…が
配列され、これらローラ35,35,…は円周方向に互
いに間隔をあけて保持プレート36により転動可能に保
持されているので、ベルト21側面から押圧された状態
で回転プレート34が回転すると、図5に展開した状態
で示すように、その回転プレート34と固定プレート3
3との相対回転により各ローラ35が保持プレート36
に保持された状態で転動しながら転動方向(図5で仮想
線にて示す方向)とは異なる回転プレート34の回転方
向に沿って滑り、この各ローラ35の転動及び滑りによ
り安定した回転抵抗が得られる。
【0041】また、こうして駆動プーリ11のクラッチ
機構31,31上にVベルト21が位置しているときに
は、その可動シーブ13が圧縮ばね30により各ウェイ
トローラ28の自重に抗して固定シーブ12から離隔す
る方向に付勢され、クラッチ機構31,31上にVベル
ト21が保持される。このことで、駆動プーリ11のク
ラッチ機構31,31上にVベルト21が安定して保持
され、各ウェイトローラ28の自重による変動をなくす
ことができる。
【0042】このクラッチ非接続状態(OFF状態)か
らエンジン回転数が上昇すると、上記各ウェイトローラ
28に作用する遠心力が増大する。そして、その遠心力
が圧縮ばね23の付勢力よりも大きくなると、各ウェイ
トローラ28が半径方向外側にガイドプレート27のテ
ーパ面に沿って移動し、この移動により可動シーブ13
が押されて固定シーブ12に接近し、駆動プーリ11が
閉じ始める。図1で一点鎖線にて示すように、この駆動
プーリ11の閉じ動作により、ベルト21がベルト溝1
4底部のクラッチ機構31,31の位置から半径方向外
側に移動して固定及び可動シーブ側溝側面14a,14
bに接触すると、クラッチ機構31が非接続状態から接
続状態(ON状態)に切り換わり、ベルト21と駆動プ
ーリ11とが動力伝達状態(低速状態)となって、エン
ジンのクランク軸2及び駆動プーリ11の回転によりV
ベルト21が回行し、このVベルト21の回行によりク
ランク軸2の回転動力が出力軸5から駆動ギヤ8及び従
動ギヤを介して後車輪に伝達されて、二輪車が走行を開
始する。
【0043】そして、このベルト21と駆動プーリ11
との動力伝達状態でエンジン回転数の昇降変化に応じて
変速比が低速状態と高速状態との間で無段階に変速され
て変速状態となる。つまり、エンジン回転数が上昇して
各ウェイトローラ28に作用する遠心力が増大すると、
そのウェイトローラ28がさらに半径方向外側移動し、
駆動プーリ11の可動シーブ13が固定シーブ12に接
近して駆動プーリ11が閉じ方向に変化し、この閉じ動
作の駆動プーリ11に引っ張られて移動したVベルト2
1により従動プーリ16の可動シーブ18が固定シーブ
17から離れて該従動プーリ16が開き、このことで変
速機Tの変速比が増大して変速機Tが低速状態から高速
状態に無段階に変速される。そして、最高速状態では、
図1に二点鎖線にて示す如く駆動プーリ11が最大に開
く一方、従動プーリ16が最小に閉じる。
【0044】尚、エンジン回転数が低下すると、上記と
は逆に、変速機Tの変速比が減少して変速機Tが高速状
態から低速状態に無段階に変速され、二輪車の走行停止
状態では、低速状態から上記とは逆の動作でクラッチ非
接続状態に戻る。
【0045】よって、この実施形態においては、ローラ
35,35,…の転動及び滑りを行うクラッチ機構31
を駆動プーリ11に設けたので、Vベルト21と駆動プ
ーリ11との間の動力伝達を滑らかに断続させることが
できる。しかも、クラッチ機構31は、駆動プーリ11
のベルト溝14底部における固定及び可動シーブ側溝側
面14a,14bにそれぞれ設けられているので、駆動
プーリ11とVベルト21との動力伝達を確実に安定し
て断続することができる。よって二輪車のスムーズな発
進(又は停車)を行うことができる。
【0046】また、上記各クラッチ機構31は、駆動プ
ーリ11のベルト溝14の固定及び可動シーブ側溝側面
14a,14bに設けられたプーリ内蔵タイプのもので
あるので、変速機Tの構造が簡単でコンパクトとなる。
しかも、各クラッチ機構31は、ウェイトを有する遠心
クラッチに比べて構造が簡単で安価であり、変速機Tの
コストダウンを図ることができる。
【0047】(他の実施形態)尚、上記実施形態では、
駆動プーリ11のベルト溝14底部の駆動及び従動シー
ブ側の各溝側面14a,14bにそれぞれクラッチ機構
31,31を設けているが、可動シーブ13を入力軸に
対して相対回転可能とする場合には、固定シーブ側の溝
側面14aのみに設けてもよい。
【0048】また、上記実施形態では、クラッチ機構3
1をベルト溝14の底部に設けているが、このクラッチ
機構31の位置はベルト溝14の底部に限らず、変速機
の変速パターンに応じて変更してもよい。
【0049】さらに、上記実施形態では、クラッチ機構
31の一方の回転部としての固定プレート33を駆動プ
ーリ11の各シーブ12,13と別体に設けているが、
各シーブ12,13自体で回転部を構成してもよく、そ
の各リング溝32の底面とすればよい。
【0050】また、上記実施形態では、クラッチ機構3
1をベルト溝14の側面に配設しているが、このクラッ
チ機構31を、入力軸6(又は出力軸でもよい)と駆動
プーリ11(又は従動プーリでもよい)との間の動力伝
達を断続するように配設することもできる。例えば、駆
動プーリ11(変速プーリ)の固定及び可動シーブ1
2,13を入力軸6(回転軸)上に回転可能に支持し、
クラッチ機構31の固定プレート33は駆動プーリ11
の可動シーブ13(又は固定シーブ12)に設ける(シ
ーブとは別体又はシーブ自体で兼ねて一体としてもよ
い)一方、回転プレート34は入力軸6側、例えば入力
軸6と一体的に回転する部材に設けて、この回転プレー
ト34を例えばウェイトローラ28で駆動プーリ11側
の固定プレート33に向けて押圧することにより、クラ
ッチ機構31を接続状態として、入力軸6と駆動プーリ
11との間の動力伝達を行うようにすればよい。
【0051】また、クラッチ機構31としては上記実施
形態のものに限定されず、上記提案例(特開平8―74
843号公報等参照)に示されている各種タイプのもの
を用いることができる。
【0052】さらに、上記実施形態では、遠心ウェイト
機構26を有する無段変速機Tについて説明している
が、本発明は斯かるタイプの無段変速機Tに限らず、そ
の他のタイプの無段変速機にも適用することができる。
また、上記実施形態では、二輪車用の無段変速機Tを説
明したが、本発明は、二輪車以外の他の車両、例えば農
業用車両、芝刈り機、ゴルフカート等の無段変速機や、
その他の用途の無段変速機に対しても適用できるのは勿
論である。
【0053】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1の発明で
は、回転軸上に回転可能に設けられた変速プーリと、そ
のベルト溝に巻き掛けられるVベルトとを備えた無段変
速機において、互いに同心状に対向してかつ相対回転可
能に配置された1対の回転部と、両回転部間に回転部の
円周方向に沿って配列され、転動軸心が回転部の半径方
向に対し斜めに延びる多数のローラと、これらローラを
互いに間隔をあけて転動可能に保持する保持体とを備え
ていて、回転軸と変速プーリとの間の動力伝達を断続す
るクラッチ手段を設け、このクラッチ手段の一方の回転
部を変速プーリ又は回転軸の一方に、また他方の回転部
を変速プーリ又は回転軸の他方にそれぞれ設けた。ま
た、請求項2の発明では、変速プーリとそのベルト溝に
巻き掛けられるVベルトとを備えた無段変速機におい
て、変速プーリにおけるベルト溝の少なくとも固定シー
ブ側の溝側面に、互いに同心状に対向してかつ相対回転
可能に配置された1対の回転部と、両回転部間に回転部
の円周方向に沿って配列され、転動軸心が回転部の半径
方向に対し斜めに延びる多数のローラと、これらローラ
を互いに間隔をあけて転動可能に保持する保持体とを備
えていて、Vベルトと変速プーリとの間の動力伝達を断
続するクラッチ手段を設け、このクラッチ手段の一方の
回転部を変速プーリのシーブに回転一体に設ける一方、
他方の回転部は、Vベルト側面に当接した状態で一方の
回転部に対し相対回転するように配置した。従って、こ
れら発明によると、回転軸と変速プーリとの間の動力伝
達、又はVベルトと変速プーリとの間の動力伝達を滑ら
かに断続させることができ、変速機の構造の簡単化、コ
ンパクト化及びコストダウンを図りつつ、クラッチによ
る動力伝達の断続をスムーズに行うことができる。
【0054】請求項3の発明では、請求項2の無段変速
機の変速プーリにおけるベルト溝の固定及び可動シーブ
側の各溝側面にそれぞれクラッチ手段を対向して設けた
ことにより、変速プーリとベルトとの動力伝達を確実に
安定して断続することができる。
【0055】請求項4の発明によると、回転軸は入力軸
で変速プーリは駆動プーリとし、クラッチ手段は駆動プ
ーリ側に設けたことにより、クラッチ手段を設けるのに
望ましい変速プーリを具体化することができる。
【0056】請求項5の発明によれば、請求項4の無段
変速機において、入力軸と平行な出力軸上に固定シーブ
及び可動シーブが支持され、両シーブ間にベルト溝が形
成された変速プーリからなる従動プーリと、これら両プ
ーリのベルト溝間に巻き掛けられたVベルトと、駆動プ
ーリの可動シーブ背面側に配設され、回転に伴う遠心力
の増大により半径方向外側に移動して駆動プーリのベル
ト巻付け径を増大変化させるウェイトローラと、従動プ
ーリの可動シーブ背面側に配設され、可動シーブを固定
シーブに接近させるように付勢する付勢手段とを設けた
ことにより、望ましい無段変速機を具体化することがで
きる。
【0057】請求項6の発明によると、請求項5の発明
の無段変速機において、駆動プーリのクラッチ手段上に
Vベルトが位置しているときに、そのクラッチ手段上に
Vベルトが保持されるように、ウェイトローラの自重に
抗して駆動プーリの可動シーブを固定シーブから離隔す
る方向に付勢するばね手段を設けたことにより、駆動プ
ーリのクラッチ手段上にVベルトが位置している状態を
安定保持して、ウェイトローラの自重による変動をなく
すことができる。
【0058】請求項7の発明では、上記請求項1〜6の
いずれか1つの無段変速機を車両に装備した。また、請
求項8の発明では、車両は二輪車とした。従って、これ
ら発明によると、本発明の無段変速機を有効に適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る無段変速機の要部を拡
大して示す断面図である。
【図2】無段変速機の全体構成を示す断面図である。
【図3】クラッチ機構の分解斜視図である。
【図4】ローラが保持プレートに保持された状態を示す
正面図である。
【図5】クラッチ機構の動作をプレートの展開状態で示
す説明図である。
【符号の説明】 T 無段変速機 2 クランク軸(入力軸、回転軸) 5 出力軸(回転軸) 10 変速プーリ機構 11 駆動プーリ(変速プーリ) 12 固定シーブ 13 可動シーブ 14 ベルト溝 14a 固定シーブ側溝側面 14b 可動シーブ側溝側面 16 従動プーリ(変速プーリ) 17 固定シーブ 18 可動シーブ 19 ベルト溝 21 Vベルト 23 圧縮ばね(付勢手段) 26 遠心ウェイト機構 28 ウェイトローラ 31 クラッチ機構(クラッチ手段) 33 固定プレート(回転部) 34 回転プレート(回転部) 35 ローラ 36 保持プレート(保持体)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸上に対向してかつ回転可能に設け
    られた固定及び可動シーブを有し、両シーブ間にベルト
    溝が形成された変速プーリと、該変速プーリのベルト溝
    に巻き掛けられたVベルトとを備え、上記可動シーブを
    固定シーブに対し接離させて変速プーリを開閉すること
    で、ベルト溝でのVベルトの巻付け径を変化させて変速
    するようにした無段変速機において、 上記回転軸と変速プーリとの間の動力伝達を断続するク
    ラッチ手段が設けられており、 上記クラッチ手段は、互いに同心状に対向してかつ相対
    回転可能に配置されたリング状の1対の回転部と、 上記両回転部間に回転部の円周方向に沿って配列され、
    転動軸心が回転部の半径方向に対し所定角度をもって斜
    めに延びる多数のローラと、 上記多数のローラを互いに間隔をあけて転動可能に保持
    する保持体とを備えていて、回転部が相対する回転部に
    向かって押圧されたときに接続状態となるものとされ、 上記一方の回転部が変速プーリ又は回転軸の一方に設け
    られている一方、 他方の回転部は変速プーリ又は回転軸の他方に設けられ
    ていることを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 回転軸上に対向して設けられた固定及び
    可動シーブを有し、両シーブ間にベルト溝が形成された
    変速プーリと、該変速プーリのベルト溝に巻き掛けられ
    たVベルトとを備え、上記可動シーブを固定シーブに対
    し接離させて変速プーリを開閉することで、ベルト溝で
    のVベルトの巻付け径を変化させて変速するようにした
    無段変速機において、 上記変速プーリにおけるベルト溝の少なくとも固定シー
    ブ側の溝側面に、Vベルトと変速プーリとの間の動力伝
    達を断続するクラッチ手段が設けられており、 上記クラッチ手段は、互いに同心状に対向してかつ相対
    回転可能に配置されたリング状の1対の回転部と、 上記両回転部の間に回転部の円周方向に沿って配列さ
    れ、転動軸心が回転部の半径方向に対し所定角度をもっ
    て斜めに延びる多数のローラと、 上記多数のローラを互いに間隔をあけて転動可能に保持
    する保持体とを備えていて、回転部が相対する回転部に
    向かって押圧されたときに接続状態となるものとされ、 上記一方の回転部が変速プーリのシーブに回転一体に設
    けられている一方、 他方の回転部は、Vベルト側面に当接した状態で一方の
    回転部に対し相対回転するように配置されていることを
    特徴とする無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項2の無段変速機において、 変速プーリにおけるベルト溝の固定及び可動シーブ側の
    各溝側面にそれぞれクラッチ手段が対向して設けられて
    いることを特徴とする無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つの無段変速
    機において、 回転軸は入力軸で、変速プーリは駆動プーリであり、 クラッチ手段は上記駆動プーリ側に設けられていること
    を特徴とする無段変速機。
  5. 【請求項5】 請求項4の無段変速機において、 入力軸と平行な出力軸上に固定シーブ及び可動シーブが
    支持され、両シーブ間にベルト溝が形成された変速プー
    リからなる従動プーリと、 上記駆動及び従動プーリのベルト溝間に巻き掛けられた
    Vベルトと、 上記駆動プーリの可動シーブ背面側に配設され、回転に
    伴う遠心力の増大により半径方向外側に移動して駆動プ
    ーリのベルト巻付け径を増大変化させるように上記可動
    シーブを固定シーブに接近させるウェイトローラと、 上記従動プーリの可動シーブ背面側に配設され、該可動
    シーブを固定シーブに接近させるように付勢する付勢手
    段とを備えていることを特徴とする無段変速機。
  6. 【請求項6】 請求項5の無段変速機において、 駆動プーリのクラッチ手段上にVベルトが位置している
    ときに、該クラッチ手段上にVベルトが保持されるよう
    に、ウェイトローラの自重に抗して駆動プーリの可動シ
    ーブを固定シーブから離隔する方向に付勢するばね手段
    が設けられていることを特徴とする無段変速機。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの無段変速
    機を備えたことを特徴とする車両。
  8. 【請求項8】 二輪車であることを特徴とする請求項7
    の車両。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113417982A (zh) * 2021-06-15 2021-09-21 冀满喜 一种多皮带传动自动离合电机齿轮拨叉控制无级变速箱

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1518737A1 (en) 2003-09-29 2005-03-30 HONDA MOTOR CO., Ltd. Power unit structure for hybrid vehicle
US7290629B2 (en) 2003-09-29 2007-11-06 Honda Motor Co., Ltd. Power unit structure for hybrid vehicle
CN113417982A (zh) * 2021-06-15 2021-09-21 冀满喜 一种多皮带传动自动离合电机齿轮拨叉控制无级变速箱

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