JP2012132496A - 無励磁作動ブレーキ用手動解放装置 - Google Patents

無励磁作動ブレーキ用手動解放装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小さな操作力で制動を解放できるとともに、無励磁作動ブレーキに設ける部品の数を低減できる手動解放装置を提供する。
【解決手段】無励磁作動ブレーキ1の制動を解放する解放レバー43と、無励磁作動ブレーキ1の設置部17と、前記解放レバー43および設置部17に着脱自在に装着された回動操作装置16とを備える。回動操作装置16は、解放レバー43に着脱自在かつ回動自在に係合する第1のリンク61と、第1のリンク61に回動自在に連結されて設置部17に揺動自在かつ移動規制状態で支承される第2のリンク63とを有するトグル機構64からなる。トグル機構64は、第2のリンク63が設置部17を中心として所定の操作力で揺動させられることによって、第1のリンク61が操作力より大きな力で解放レバー43を押すように構成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、無励磁作動ブレーキの制動を人為的に解放する無励磁作動ブレーキ用手動解放装置に関するものである。
従来、電磁ブレーキとしては、通電が絶たれたときに制動状態になる無励磁作動ブレーキがある。この種の無励磁作動ブレーキは、停電時に被制動部材の回転を制動して停止状態を保持する安全ブレーキとして様々な産業用機器に使用されている。従来の無励磁作動ブレーキは、通電しない状態でも制動を解放できるように手動解放装置を備えている。
この手動解放装置は、解放レバーを操作者が手で直接回動させたり、操作ワイヤを介して遠隔操作で回動させたりして無励磁状態のブレーキディスクの制動を解放させるものである。従来の手動解放装置としては、この解放レバーを操作するときの操作力を「てこ」の原理で軽減するものもある。
従来の手動解放装置は、自動復帰型のものと、解放保持型のものとがある。自動復帰型の手動解放装置は、操作する手を放すと解放が解除されるように構成されている。解放保持型の手動解放装置は、操作する手を放しても解放状態を維持するように構成されている。
自動復帰型の手動解放装置を備えた従来の無励磁作動ブレーキとしては、たとえば特許文献1または特許文献2に記載されているものがある。一方、解放保持型の手動解放装置を備えた従来の無励磁作動ブレーキとしては、たとえば特許文献3に記載されているものがある。
特許文献1に開示された無励磁作動ブレーキは、モータの回転軸と一体に回転するブレーキディスクを両側から挟むアーマチュアとサイドプレートとを備えている。前記ブレーキディスクは、前記回転軸に軸線方向へ移動できる状態で一体に回転するように支持されている。
前記アーマチュアは、前記モータの端部に設けられたフィールドコアと前記ブレーキディスクとの間に位置付けられており、フィールドコアに軸線方向へ移動自在に支持されている。フィールドコアには、アーマチュアを磁気によって吸着するための励磁コイルが設けられている。また、アーマチュアは、フィールドコアに設けられた制動用ばねによってブレーキディスク側に付勢されている。前記サイドプレートは、ブレーキディスクを挟んでアーマチュアとは反対側に位置付けられており、前記フィールドコアに移動できないように支持されている。
この無励磁作動ブレーキは、励磁コイルが通電されることによってアーマチュアが制動用ばねのばね力に抗してフィールドコアに磁気吸着され、非制動状態になる。また、この無励磁作動ブレーキは、励磁コイルへの通電が絶たれることによって、アーマチュアが制動用ばねのばね力でブレーキディスクに押し付けられ、この押圧力でブレーキディスクがサイドプレートに押し付けられる。
この無励磁作動ブレーキに設けられている手動解放装置は、ブレーキディスクに制動用ばねのばね力で押し付けられているアーマチュアを強制的にフィールドコア側に移動させる偏心ピンを備えている。この偏心ピンは、先端部がアーマチュアとサイドプレートとの間に挿入されるようにフィールドコアに回転可能に支持されている。偏心ピンの先端部は、偏心ピンがフィールドコアに対して回転することによって、モータの軸線方向の幅が変わるように形成されている。この幅が広くなるように偏心ピンが回転することによって、アーマチュアが偏心ピンとの接触によりフィールドコア側に移動させられ、制動が解放される。この偏心ピンには、作業者が操作するために制動解放用レバーが取付けられている。
特許文献2に開示された無励磁作動ブレーキは、エレベータの巻上機の回転を制動するためのものである。この巻上機には、2台の無励磁作動ブレーキが装備されている。これらの無励磁作動ブレーキは、制動を手動で解除するために揺動式の解放レバーをそれぞれ備えている。これらの解放レバーの揺動端部どうしは、変位部材によって互いに連動するように連結されている。
この特許文献2に示す無励磁作動ブレーキの手動解放装置は、操作者が前記変位部材を遠隔操作で移動させる構成が採られている。この手動解放装置は、巻上機側のフレームに支持軸を介して揺動自在に支持された揺動レバーと、この揺動レバーの揺動端部に接続された操作ワイヤなどによって構成されている。この操作ワイヤは、最上階に位置する操作レバーと前記揺動レバーとを接続している。
前記揺動レバーは、操作ワイヤにより引かれて揺動することによって、前記変位部材を制動解放側へ押すように構成されている。前記変位部材は、前記揺動レバーの揺動中心に近い部分と対向するように位置付けられている。すなわち、この揺動レバーは、いわゆるてこの原理によって変位部材(解放レバー)を操作できるように構成されている。このため、この特許文献2に示す無励磁作動ブレーキは、制動を解放する操作を小さな操作力で遠隔操作によって行うことができるものである。
特許文献3に開示された無励磁作動ブレーキは、制動を手動で解放した後に何ら操作をすることなく解放状態を維持する手動解放装置を備えている。この手動解放装置は、アーマチュアをボルトによってフィールドコア側に押す構成が採られている。このボルトは、アーマチュアと協働してブレーキディスクを挟んで制動するサイドプレートに取付けられている。
特開2009−108928号公報 特開2009−57188号公報 実開昭53−101180号公報
特許文献1や特許文献2に開示されているような自動復帰型の手動解放装置においては、制動を解放するときの操作力が可及的小さいことが好ましい。しかし、これを実現するためには、作業者が操作するレバーを長く形成したり、「てこ」を用いる場合は力点と作用点との距離を長くとる必要があり、手動解放装置が大型化してしまう。
一方、手動解放装置を使用する場合は、何らかの原因で励磁コイルに通電できない状態で回転軸を回すときや、保守・点検時などである。すなわち、手動解放装置を使用する頻度は低い。また、手動解放装置を遠隔操作する必要がない場合もある。さらに、無励磁作動ブレーキに手動解放装置を装備すると、部品点数、組立工数が増えるために、ブレーキ付被制動機器の価格の低廉化は難しい。
このため、従来の無励磁作動ブレーキの手動解放装置は、無励磁作動ブレーキに常に装備する部品の数を可及的少なくし、操作者が把持するレバーなどのその他の部品を必要に応じて装着できるようにすることが要請されている。
また、自動復帰型の手動解放装置の機能と、解放保持型の手動解放装置の機能とを併せもつ簡単な構造の手動解放装置も要請されている。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、小さな操作力で制動を解放できるとともに、無励磁作動ブレーキに設ける部品の数を低減できる手動解放装置を提供することを第1の目的とする。また、自動復帰型の手動解放装置の機能と、解放保持型の手動解放装置の機能とを併せもつ簡単な構造の手動解放装置を提供することを第2の目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る無励磁作動ブレーキ用手動解放装置は、無励磁作動ブレーキの制動用ばねのばね力に抗してアーマチュアをフィールドコア側に移動させることにより制動を解放するブレーキ解放用操作子と、前記フィールドコアに対して移動することがない部位の外表面に設けられた設置部と、前記操作子と前記設置部とに着脱自在に装着された回動操作装置とを備え、前記回動操作装置は、前記操作子に着脱自在かつ回動自在に係合する係合部が一端部に設けられるとともに前記係合部が前記操作子に係合している状態で前記ブレーキ解放用操作子の操作方向とは反対方向に延びる第1のリンクと、前記設置部に揺動自在かつ前記外表面に沿う方向への移動が規制された状態で支承される軸部が一端部に設けられるとともに他端部に前記第1のリンクの他端部が回動自在に連結された操作用の第2のリンクとを有するトグル機構からなり、前記トグル機構は、前記第2のリンクが前記設置部を中心として所定の操作力で揺動させられることによって、前記第1のリンクが前記操作力より大きな力で前記操作子を押すように構成されているものである。
本発明は、前記発明において、前記第2のリンクは、前記第1のリンクとの連結部分より前記軸部とは反対側に延びる操作レバーを備えているものである。
本発明は、前記発明において、前記回動操作装置の第1のリンクと第2のリンクとの連結部分は、前記操作子における第1のリンクが連結される部位と前記設置部とを結ぶ仮想線より無励磁作動ブレーキ側に移動可能に形成され、かつ前記仮想線より無励磁作動ブレーキ側に移動した状態において、無励磁作動ブレーキ側の規制部との当接によりさらなる移動が規制されるものである。
本発明は、前記発明において、前記ブレーキ解放用操作子は、前記第1のリンクとの連結部分を力点としかつアーマチュア側部材との連結部分を作用点とするてこを構成するものである。
本発明によれば、無励磁作動ブレーキは、操作者が操作する回動操作装置を装着していない状態で使用することができる。すなわち、この無励磁作動ブレーキは、回動操作装置が組み込まれていない分だけ製造コストが低くなり、安価に提供することができる。
この無励磁作動ブレーキが制動状態になり、この制動を手動で解放するためには、回動操作装置をブレーキ解放用操作子と設置部とに装着し、この回動操作装置を用いて前記操作子を押すことによって行う。
回動操作装置は、第2のリンクに加えた操作力(入力)に対して第1のリンクで前記操作子を押す力(出力)が大きくなるトグル機構によって構成されているから、操作力を低減することができる。また、前記トグル機構は、無励磁作動ブレーキに沿うように配置することが可能であり、てこ式のレバーで操作力を低減する場合に較べると、手動解放装置を相対的にコンパクトに形成することができる。
このため、本発明によれば、小型で、しかも小さな操作力で制動を解放できるとともに、無励磁作動ブレーキに設ける部品の数が少なくてよい手動解放装置を提供することができる。
本発明に係る手動解放装置の対象となる無励磁作動ブレーキの正面図である。 無励磁作動ブレーキの断面図で、同図は図1におけるII−II線断面図である。 回動操作装置の斜視図である。 回動操作装置を無励磁作動ブレーキに装着する手順を説明するための無励磁作動ブレーキの側面図である。同図においては、無励磁作動ブレーキの一部のみが描いてあり、また、解放用ボルトが貫通する部分と第1、第2のカバーとを破断した状態で描いてある。 回動操作装置が装着された無励磁作動ブレーキの側面図である。同図においては、無励磁作動ブレーキの一部のみが描いてあり、また、解放用ボルトが貫通する部分と第1、第2のカバーとを破断した状態で描いてある。 制動を解放する行程の終期の状態を示す無励磁作動ブレーキの側面図である。同図においては、無励磁作動ブレーキの一部のみが描いてあり、また、解放用ボルトが貫通する部分と第1、第2のカバーとを破断した状態で描いてある。 第1のリンクと第2のリンクとの連結部分が規制部に当接している状態を示す無励磁作動ブレーキの側面図である。同図においては、無励磁作動ブレーキの一部のみが描いてあり、また、解放用ボルトが貫通する部分と第1、第2のカバーとを破断した状態で描いてある。 回動操作装置の構成を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る無励磁作動ブレーキ用手動解放装置の一実施の形態を図1〜図8によって詳細に説明する。
図1および図2に示す無励磁作動ブレーキ1は、被制動機器としてのモータ2(図2参照)のリヤハウジング3に取付板4を介して取付けられている。このモータ2は、図2において左右方向に延びる回転軸5を駆動するためのものである。前記回転軸5は、前記リヤハウジング3からモータ2の後方(図2においては左方)に突出するように形成されている。
無励磁作動ブレーキ1は、図2に示すように、前記回転軸5の軸線方向に並ぶ第1の制動部6と第2の制動部7とを備えている。これらの制動部6,7は、それぞれブレーキディスク(第1のブレーキディスク8、第2のブレーキディスク9)の回転を制動するように構成されている。第1、第2のブレーキディスク8,9は、回転軸5と一体に回転し、かつ回転軸5に対して軸線方向に移動できるように、回転軸5に支持されている。
第1、第2の制動部6,7のうちモータ2に近接した位置にある第1の制動部6は、前記リヤハウジング3に取付けられた取付板4からなる第1のサイドプレート11と、この第1のサイドプレート11と協働して前記第1のブレーキディスク8を挟む第1のアーマチュア12と、この第1のアーマチュア12が磁気吸着される第1のフィールドコア13とを備えている。前記取付板4は、ボルト14(図1参照)によって前記リヤハウジング3に取付けられている。この取付板4は、リヤハウジング3との接続部分に角15(図2参照)が形成されるように、リヤハウジング3より小型に形成されている。この実施の形態においては、前記角15によって、後述する回動操作装置16(図3参照)の一端部を設置する設置部17が構成されている。
第2の制動部7は、前記第1のフィールドコア13の後端部(図2においては左側の端部)によって構成された第2のサイドプレート21と、この第2のサイドプレート21と協働して前記第2のブレーキディスク9を挟む第2のアーマチュア22と、この第2のアーマチュア22が磁気吸着される第2のフィールドコア23とを備えている。
前記第1、第2のフィールドコア13,23は、それぞれ円環状に形成されており、それぞれ環状の励磁コイル24を備えている。
励磁コイル24は、後述する第1、第2のアーマチュア12,22が第1、第2のフィールドコア13,23に磁気吸着されるように磁束を発生させるもので、第1、第2のフィールドコア13,23に形成された環状溝25内に収容されている。この励磁コイル24は、前記環状溝25内に充填された絶縁樹脂(図示せず)によって第1、第2のフィールドコア13,23に固定されている。前記環状溝25は、第1、第2のフィールドコア13,23の外周側に外極13a,23aが形成されるとともに内周側に内極13b,23bが形成されるように、第1、第2のアーマチュア12,22に向けて開口している。
第1、第2のフィールドコア13,23は、これらの部材の外周部を貫通する取付ボルト26によって前記取付板4に取付けられている。取付ボルト26は、図1に示すように、第1、第2のフィールドコア13,23の外周部を周方向に6等分する位置に設けられている。これらの取付ボルト26は、図2に示すように、第1、第2のフィールドコア13,23の外周部に穿設された貫通孔27にそれぞれ挿通されている。前記貫通孔27におけるモータ2側の開口部分は、ねじ孔27aとして形成されている。このねじ孔27aには、ギャップ調整用の円筒部材28が螺着されている。
前記円筒部材28は、第1、第2のフィールドコア13,23からモータ2側に所定の長さだけ突出するように形成されている。第1のフィールドコア13に取付けられた円筒部材28の先端部は取付板4(第1のサイドプレート11)に当接している。第2のフィールドコア23に取付けられた円筒部材28は、第1のフィールドコア13(第2のサイドプレート21)に当接している。すなわち、第1、第2のフィールドコア13,23は、円筒部材28によって軸線方向に位置決めされた状態で取付ボルト26によって取付板4に取付けられている。このように第1、第2のフィールドコア13,23が軸線方向に位置決めされることによって、これら第1、第2のフィールドコア13,23と第1、第2のサイドプレート11,21との間に後述する第1、第2のアーマチュア12,22と第1、第2のブレーキディスク8,9とを収容するための所定の広さのスペースが形成される。
前記円筒部材28における第1、第2のフィールドコア13,23からモータ2側に突出した部分は、第1、第2のアーマチュア12,22を貫通している。第1、第2のアーマチュア12,22は、磁性材によって円環板状に形成されている。前記円筒部材28は、これらのアーマチュア12,22の外周部に形成された貫通孔29に挿通されている。第1、第2のアーマチュア12,22は、前記円筒部材28に軸線方向(図2においては左右方向)へ移動自在に支持されている。
第1、第2のアーマチュア12,22の内周部と、これらのアーマチュア12,22と協働して第1、第2のブレーキディスク8,9を挟む第1、第2のサイドプレート11,21の内周部とには、第1、第2のブレーキディスク8,9に接触する摩擦面30がそれぞれ形成されている。この摩擦面30は、第1、第2のアーマチュア12,22や第1、第2のサイドプレート11,21の外周部に対して突出する円環状の凸部によって形成されている。
第1、第2のアーマチュア12,22と第1、第2のブレーキディスク8,9の径方向の外側は、円筒状の第1、第2のカバー31,32によって覆われている。これらのカバー31,32は、摩耗粉が無励磁作動ブレーキ1の周囲に飛散することを防ぐためのものである。第1のカバー31は、第1のサイドプレート11と第1のフィールドコア13とに取付けられている。第2のカバー32は、第2のサイドプレート21と第2のフィールドコア23とに取付けられている。この実施の形態による無励磁作動ブレーキ1においては、第2のフィールドコア23の後端部にも摩耗粉が飛散することを防ぐためにカバー33が取付けられている。このカバー33は、円板状に形成されており、第2のフィールドコア23の内周側の開口部分を塞いでいる。
前記第1、第2のフィールドコア13,23の外周部と内周部とには、第1、第2のアーマチュア12,22を第1、第2のサイドプレート11,21側へ押圧するための複数の制動用ばね34が設けられている。この実施の形態による制動用ばね34は、圧縮コイルばねによって形成されている。これらの制動用ばね34は、第1、第2のフィールドコア13,23の外極13a,23aに開口するばね孔35と、内極13b,23bに開口するばね孔36とに挿入されて保持されており、第1、第2のフィールドコア13,23と第1、第2のアーマチュア12,22とによって挟まれて圧縮されている。
前記ばね孔35,36は、それぞれ第1、第2のフィールドコア13,23を周方向に3等分する位置に形成されている。
これらの複数の制動用ばね34によって押圧された第1、第2のアーマチュア12,22は、励磁コイル24が非励磁状態であれば前記円筒部材28に支持されながら第1、第2のブレーキディスク8,9側に移動し、これらのブレーキディスク8,9をそれぞれ第1、第2のサイドプレート11,21に押し付ける。この結果、第1、第2のブレーキディスク8,9が第1、第2のアーマチュア12,22と第1、第2のサイドプレート11,21とによって挟まれ、モータ2の回転軸5が制動される。
この実施の形態による無励磁作動ブレーキ1は、上述した制動を手動で解放するために、第1、第2のアーマチュア12,22を2本の解放用ボルト41,41によって第1、第2のブレーキディスク8,9とは反対側へ移動させる手動解放装置42を備えている。
前記2本の解放用ボルト41,41は、手動解放装置42の一部を構成する解放レバー43を第1、第2のアーマチュア12,22に連結するためのものである。この実施の形態においては、この解放用ボルト41によって、請求項4記載の発明でいう「アーマチュア側部材」が構成されている。
この解放用ボルト41は、後述する解放レバー43の脚部43aに形成された段付きの貫通孔44と、第1、第2のフィールドコア13,23の外周部に形成された貫通孔45と、第1、第2のアーマチュア12,22の外周部に形成された段付きの貫通孔46とを貫通している。
前記解放レバー43の段付きの貫通孔44は、前記解放用ボルト41の頭部41aが嵌合する溝部44a(図1参照)と、解放用ボルト41のねじ部41bより孔径が大きくなるように形成された小径部44bと、この小径部44bより孔径が大きくなるように形成された大径部44cとによって構成されている。大径部44cは、図7に示すように、解放レバー43を第2のフィールドコア23に対して揺動させたときに脚部43aと解放用ボルト41との干渉を避けるためのいわゆる逃げ孔として機能するもので、前記脚部43aにおける第2のフィールドコア23と対向する端面に開口されている。
このように解放レバー43に段付きの貫通孔44を形成することによって、解放レバー43を解放用ボルト41に対して傾斜させることができるようになる。すなわち、解放レバー43は、図2に示す初期位置から、前記小径部44bの開口部分が解放用ボルト41に当接するまで(図7参照)、解放用ボルト41を中心として図2において反時計方向に揺動することができる。
このように解放レバー43が揺動するときは、図7に示すように、解放レバー43における第2のフィールドコア23と対向する先端縁と第2のフィールドコア23との接触点Aが揺動中心になる。また、この揺動時には、解放用ボルト41の頭部41aに接触点Bで接触する解放レバー43が前記頭部41aを第2のフィールドコア23から離間する方向に押す。すなわち、解放レバー43は、解放用ボルト41をてこの原理で移動させることができるように構成されている。
このてこは、解放レバー43の揺動端部(図7においては上端部)を力点とし、前記接触点Aを支点とし、前記接触点Bを作用点として構成される。この解放レバー43の揺動端部に加えられた力は、支点(接触点A)と力点との距離D1(図7参照)と、支点(接触点A)と作用点(接触点B)との距離D2との比率(レバー比)に応じて増大し、解放用ボルト41に伝達される。解放レバー43がこのようにてこを構成するときの揺動方向を図5〜図7中に矢印Rで示す。この矢印Rで示す方向を、以下においては解放レバー43の操作方向という。
前記第1、第2のアーマチュア12,22の前記段付きの貫通孔46は、これらのアーマチュア12,22における第1、第2のフィールドコア13,23と対向する端面に開口する小径部46aと、これらのアーマチュア12,22における第1、第2のサイドプレート11,21と対向する端面に開口する大径部46bとによって構成されている。前記小径部46aの内部には、圧縮コイルばね47が挿入されている。
前記大径部46bは、解放用ボルト41にねじ込まれたナット48の一部が挿入されている。前記圧縮コイルばね47は、解放用ボルト41が貫通しており、前記ナット48と第1、第2のフィールドコア13,23の外極13a,23aの磁極面とに挟まれて圧縮されている。すなわち、この圧縮コイルばね47は、前記ナット48を第1、第2のフィールドコア13,23とは反対側に付勢しており、第1、第2のアーマチュア12,22が第1、第2のフィールドコア13,23に磁気吸着されている通常時に解放用ボルト41と解放レバー43とが不必要に振動することを防ぐ防振用ダンパーとして機能している。
前記解放レバー43は、図1に示すように、同図において下方に向けて開放する円弧状に形成された脚部43aと、この脚部43aの中央部分に突設された胴部43bとによって構成されている。この実施の形態においては、この解放レバー43によって、本発明でいうブレーキ解放用操作子が構成されている。
前記脚部43aは、図1に示すように、無励磁作動ブレーキ1の軸線方向から見て第2のフィールドコア23の外周部と重なるような大きさに形成されている。この脚部43aの両端部には、上述した段付きの貫通孔44が形成されており、上述したように解放用ボルト41が連結されている。脚部43aの両端部は、前記制動用ばね34のばね力や前記防振用圧縮コイルばね47のばね力で第2のフィールドコア23に密着する形状に形成されている。
前記胴部43bは、前記脚部43aとは反対側に突出するように形成されており、図1に示す正面視においてU字状の溝49が形成されている。また、この胴部43bには、前記溝49を横切るように架け渡されたボルト50と、このボルト50に螺着されたナット51とからなる係止部材52が設けられている。この係止部材52は、ボルト50にナット51が締め付けられることによって胴部43bに固定されている。この係止部材52は、通常は何も連結されることがないものである。
前記手動解放装置42は、図4および図5に示すように、前記2本の解放用ボルト41および前記解放レバー43と、この解放レバー43に一端部が連結された回動操作装置16と、この回動操作装置16の他端部を支承する無励磁作動ブレーキ1側の前記設置部17とによって構成されている。前記設置部17は、第1、第2のフィールドコア13,23に対して移動することがない部位の外表面であれば、前記角15部分に限定されることはない。
回動操作装置16は、無励磁作動ブレーキ1に着脱自在となるように形成されており、無励磁作動ブレーキ1の制動を手動で解放するときにのみ無励磁作動ブレーキ1に装着されるものである。この回動操作装置16は、図3〜図7に示すように、前記解放レバー43に一端部が係合する第1のリンク61と、この第1のリンク61の他端部に連結用ボルト62によって回動自在に連結された第2のリンク63とを有するトグル機構64によって構成されている。
前記第1のリンク61は、図3に示すように、解放レバー43に係合する係合部材65と、第2のリンク63に連結される結合部材66と、これらの係合部材65と結合部材66とを接続する調整部材67とによって構成されている。前記係合部材65の一端部には、前記解放レバー43の係止部材52(図1参照)に着脱自在かつ回動自在に係合する係合溝65aが形成されている。この実施の形態においては、前記係合溝65aによって、本発明でいう「係合部」が構成されている。前記係合部材65の他端部には、後述する調整部材67の第1のねじ部67aがねじ込まれている。
前記結合部材66の一端部には、第2のリンク63を連結するための連結用ボルト62が貫通している。結合部材66の他端部には、調整部材67の第2のねじ部67bがねじ込まれている。
前記調整部材67は、前記第1のねじ部67aと前記第2のねじ部67bとが頭部67cから両側に延びる調整用ボルト67dと、前記両ねじ部67a,67bにそれぞれねじ込まれたロックナット67eとによって構成されている。前記第1のねじ部67aと前記第2のねじ部67bとのうち、一方は右ねじとされ、他方は左ねじとされている。このため、調整用ボルト67dを回転させることによって、係合部材65と結合部材66との間隔を調整することができる。
前記第2のリンク63は、前記結合部材66に連結用ボルト62によって回動自在に連結された支持部材71と、この支持部材71に設けられた操作レバー72とによって構成されている。
支持部材71の一端部には、回動操作装置16を無励磁作動ブレーキ1に装着するときに前記設置部17に支承される軸部71aが設けられている。この軸部71aの先端部分は、図3に示すように、前記連結用ボルト62の軸線方向に延びる断面半円状に形成されている。この軸部71aは、図5に示すように、設置部17に支承された状態においては、前記リヤハウジング3に当接する。
このため、軸部71aは、無励磁作動ブレーキ1の外表面に沿う方向への移動(モータ2側への移動)が規制された状態で設置部17に支承されることになる。また、軸部71aは、設置部17が実質的に軸受として機能するから、設置部17に揺動自在に支承されることになる。軸部71a(第2のリンク63)が揺動する方向は、図5に示すように、連結用ボルト62の軸線方向から見て支持部材71の他端部が無励磁作動ブレーキ1に接近または離間する方向である。
前記支持部材71の他端部には、図3に示すように、前記結合部材66を挟む一対の腕部71b,71cが形成されている。これらの腕部71b,71cどうしの間には、前記結合部材66を貫通するカラー(図示せず)が挟まれている。前記連結用ボルト62は、前記一対の腕部71b,71cと、前記カラーとを貫通している。この連結用ボルト62は、その先端部にナット73が締め付けられることによって支持部材71に固定されている。
前記操作レバー72は、図示していない操作者が手で把持して操作するためのもので、丸棒状に形成されている。この実施の形態による操作レバー72は、前記支持部材71に形成された有底の円形孔74に嵌合した状態で固着されている。なお、図3に示す操作レバー72は、支持部材71の近傍で破断した状態で描いてある。
この操作レバー72は、支持部材71と第1のリンク61との連結部分(連結用ボルト62)より軸部71aとは反対側に延びるように形成されている。
すなわち、操作レバー72の先端部と第2のリンク63の揺動中心C(図5参照)との距離D3(図5参照)は、連結用ボルト62と前記揺動中心Cとの距離D4より長く形成されている。このため、第2のリンク63は、操作レバー72の先端部を力点とし、軸部71aと設置部17との接触部分(前記揺動中心C)を支点とし、連結用ボルト62を作用点とするてこを構成するものとなる。このため、操作レバー72の先端部に加えられた操作力F0(図5参照)は、支点と力点との距離D3と、支点と作用点との距離D4との比率(レバー比)に応じて増大し、操作力F1(図5参照)として第1のリンク61に伝達される。
前記第1、第2のリンク61,63の長さは、図5に示すように、回動操作装置16が無励磁作動ブレーキ1に装着された状態において、第1のリンク61が前記解放レバー43の操作方向とは反対方向に延びるように形成されている。回動操作装置16が無励磁作動ブレーキ1に装着された状態とは、第2のリンク63の軸部71aが設置部17に支承されるとともに、第1のリンク61の係合部材65が解放レバー43の係止部材52に係合し、第2のリンク63の操作レバー72に操作力が加えられていない状態をいう。この装着状態において、第1のリンク61と第2のリンク63とを連結する連結用ボルト62は、図5に示すように、前記係止部材52(解放レバー43における第1のリンク61が連結される部位)と前記軸部71aの先端部分(前記設置部17)とを結ぶ仮想線Lより無励磁作動ブレーキ1とは反対側に位置している。
第1のリンク61と第2のリンク63とからなるトグル機構64において、前記操作レバー72から操作力F1が加えられたときに第1のリンク61が解放レバー43を押す力P(図5参照)は、図8に示すモデル図で考えると次式で表すことができる。図8において、節Aは軸部71aの先端部分を示し、節Bは連結用ボルト62を示し、節Cは係止部材52を示す。図8においては、第1のリンク61と第2のリンク63とが同じ長さになる場合を示している。
図8に示すトグル機構64において、節Bに操作力F1が加えられた場合、第1のリンク61が節Cを押す力Pは、
P=F1/2tanθとなる。角度θが27°の場合、F1=1.019×Pになる。また、角度θ=26°の場合はF1=0.975×Pとなり、θ=12°の場合はF1=0.425×Pになり、θ=5°の場合にはF1=0.175×Pになる。すなわち、角度θが26°以下となるように角度θを設定することによって、相対的に小さい操作力F1で大きな押圧力Pを得ることができる。
図5に示す本実施の形態によるトグル機構64において、第1のリンク61と仮想線Lとのなす角度θ1は26°より小さく形成され、第2のリンク63と仮想線Lとのなす角度θ2は、約26°に形成されている。このため、このトグル機構64によれば、第2のリンク63が前記設置部17を中心として所定の操作力で揺動させられることによって、第1のリンク61が前記操作力F1より大きな力Pで前記解放レバー43を押すことになる。
トグル機構64(回動操作装置16)により解放レバー43が押されることによって、解放レバー43が図5中に矢印Rで示す操作方向に揺動する。このように解放レバー43が揺動することによって、解放用ボルト41が移動して第1、第2のアーマチュア12,22が制動用ばね34のばね力に抗して第1、第2のフィールドコア13,23側に移動する。この結果、無励磁作動ブレーキ1側の制動が解放される。
このトグル機構64においては、図5に示す装着状態から第2のリンク63を揺動させることにより、図6に示すように、第1のリンク61と第2のリンク63との連結部分(連結用ボルト62)が前記仮想線Lに接近する。そして、第2のリンク63をさらに揺動させることによって、図7に示すように、前記連結部分(連結用ボルト62)が前記仮想線Lより無励磁作動ブレーキ1側に移行する。
この連結部分の無励磁作動ブレーキ1側への移動は、無励磁作動ブレーキ1の前記第1、第2のカバー31,32に支持部材71と結合部材66とが当接することによって規制される。なお、第1、第2のカバー31,32が設けられていない場合は、第1のリンク61と第2のリンク63との連結部分が第1のフィールドコア13や、無励磁作動ブレーキ1の他の部位に当接する。この実施の形態においては、前記第1、第2のカバー31,32によって、請求項3記載の発明でいう「規制部」が構成されている。
回動操作装置16は、前記連結部分が前記仮想線Lを越えていない状態においては、制動用ばね34のばね力が第1、第2のアーマチュア12,22から解放用ボルト41と解放レバー43とを介して第1のリンク61に伝達されるために、操作レバー72を放すと初期の位置に復帰する。しかし、前記連結部分が前記仮想線Lを越えた状態においては、操作レバー72を放すと制動用ばね34のばね力で第1のリンク61や第2のリンク63が前記第1、第2のカバー31,32に押し付けられてそれ以上移動することができなくなるから、その状態(制動が解放された状態)を維持する。
次に、本発明に係る無励磁作動ブレーキ用手動解放装置42の動作を説明する。
上述した無励磁作動ブレーキ1は、通常は回動操作装置16が装着されていない状態で使用される。この無励磁作動ブレーキ1において、モータ2が回転する通常状態においては、励磁コイル24が通電されて第1、第2のアーマチュア12,22が第1、第2のフィールドコア13,23に磁気吸着される。この状態においては、第1、第2のブレーキディスク8,9がモータ2の回転軸5と一体に回転する。
一方、モータ2の回転が停止し、励磁コイル24への通電が絶たれて無励磁状態になると、制動用ばね34のばね力で第1、第2のアーマチュア12,22が第1、第2のブレーキディスク8,9に押し付けられ、さらに、これらのブレーキディスク8,9が第1、第2のサイドプレート11,21に押し付けられる。この結果、第1、第2のブレーキディスク8,9が第1、第2のアーマチュア12,22と第1、第2のサイドプレート11,21とによって挟まれ、これらの部材との摩擦係合によって制動される。この制動状態は、励磁コイル24が通電されるまで維持される。
停電時や保守・点検作業などで励磁コイル24に通電できない場合に制動を解放するためには、先ず、図4〜図5に示すように、回動操作装置16を無励磁作動ブレーキ1に装着する。そして、回動操作装置16の操作レバー72を把持して第1のリンク61側に揺動させる。
このように操作レバー72を揺動させることによって、回動操作装置16の第1のリンク61が解放レバー43を押し、この解放レバー43が操作方向に揺動して解放用ボルト41をその頭部41aが第2のフィールドコア23から離間する方向に移動させる。このように解放用ボルト41が移動することによって、第1、第2のアーマチュア12,22が制動用ばね34のばね力に抗して第1、第2のフィールドコア13,23側に移動し、制動が解放される。
無励磁作動ブレーキ1を制動が解放された状態に保つためには、第1のリンク61と第2のリンク63とが第1、第2のカバー31,32に当接するまで前記操作レバー72を揺動させる。このように両リンク61,63が両カバー31,32に当接している状態においては、操作レバー72を持つ手を放しても解放レバー43が揺動した位置に保持され、制動が解放された状態で維持される。
したがって、この実施の形態による無励磁作動ブレーキ1は、回動操作装置16が装着されていない状態で使用することができるから、回動操作装置16が組み込まれていない分だけ製造コストが低くなり、安価に提供することができる。
この無励磁作動ブレーキ1が制動状態になり、この制動を手動で解放するためには、回動操作装置16を解放レバー43の係止部材52と設置部17とに装着し、この回動操作装置16を用いて前記解放レバー43を押すことによって行う。
回動操作装置16は、第2のリンク63に加えた操作力F1(入力)に対して第1のリンク61で前記解放レバー43を押す力P(出力)が大きくなるトグル機構64によって構成されているから、操作力F1を低減することができる。また、前記トグル機構64は、無励磁作動ブレーキ1に沿うように配置することが可能であり、てこ式のレバーで操作力を低減する場合に較べると、手動解放装置42を相対的にコンパクトに形成することができる。
このため、この実施の形態によれば、小型で、しかも小さな操作力で制動を解放できるとともに、無励磁作動ブレーキ1に設ける部品の数が少なくてよい手動解放装置42を提供することができる。
この実施の形態による前記第2のリンク63は、前記第1のリンク61との連結部分より前記軸部71aとは反対側に延びる操作レバー72を備えている。
このため、この実施の形態によれば、操作者が前記操作レバー72を把持して第2のリンク63を揺動させる操作力F0に対して、第2のリンク63が第1のリンク61を押す力F1をてこの原理で増大させることができる。したがって、この実施の形態によれば、より一層小さい操作力で前記解放レバー43を揺動させることができる。
この実施の形態による回動操作装置16は、第1のリンク61と第2のリンク63とが無励磁作動ブレーキ1の規制部(実施の形態では第1、第2のカバー31,32)に当接するまで移動することができるように形成されている。この状態において第2のリンク63の操作レバー72から手を放すと、第1のリンク61の一端部(係合部材65)が制動用ばね34のばね力で押し戻されることによって、前記第1、第2のリンク61,63連が前記規制部に押し付けられる。このため、この実施の形態によれば、第1のリンク61と第2のリンク63を前記規制部に当接するまで移動させることによって、操作者が第2のリンク63を押す力を緩めても制動が解放された状態に保たれる。したがって、この実施の形態によれば、自動復帰型の手動解放装置の機能と、解放保持型の手動解放装置の機能とを併せもつ簡単な構造の無励磁作動ブレーキ用手動解放装置42を提供することができる。
この実施の形態によるブレーキ解放用操作子(解放レバー43)は、第1のリンク61との連結部分(係止部材52)を力点としかつアーマチュア側部材(解放用ボルト41)との連結部分を作用点とするてこを構成するものである。このため、前記ブレーキ解放用操作子が前記アーマチュア側部材を移動させる力は、ブレーキ解放用操作子に第1のリンク61から加えられた力に較べると大きくなる。
したがって、この実施の形態によれば、回動操作装置16の操作レバー72からなるてこと、回動操作装置16の出力が増大する構成のトグル機構64と、解放レバー43からなるてことによって、大幅な操作力低減を図ることができる。
上述した実施の形態による設置部17は、リヤハウジング3を利用して軸部71aの移動を規制する構成が採られている。しかし、前記軸部71aの移動(無励磁作動ブレーキ1の外表面に沿う方向への移動)を規制するためには、取付板4に設けた段差(図示せず)を用いることができる。
また、上述した実施の形態においては、解放用ボルト41が平行移動することにより第1、第2のアーマチュア12,22が第1、第2のフィールドコア13,23側に移動して制動が解放される無励磁作動ブレーキ1に本発明を適用する例を示した。しかし、無励磁作動ブレーキ1の制動を解放する機構は、上述した機構に限定されることはなく、適宜変更することができる。すなわち、たとえば特許文献1に開示されているような偏心ピンを用いて制動を解放する無励磁作動ブレーキにも本発明を適用することができる。
1…無励磁作動ブレーキ、2…モータ、3…リヤハウジング、4…取付板、5…回転軸、8,9…第1、第2のブレーキディスク、11,21…第1、第2のサイドプレート、12,22…第1、第2のアーマチュア、13,23…第1、第2のフィールドコア、16…回動操作装置、17…設置部、24…励磁コイル、31,32…カバー、34…制動用ばね、41…解放用ボルト、42…手動解放装置、43…解放レバー、52…係止部材、61…第1のリンク、62…連結用ボルト、63…第2のリンク、65…係合部材、65a…係合溝、66…結合部材、67…調整部材、71…支持部材、71a…軸部、72…操作レバー。

Claims (4)

  1. 無励磁作動ブレーキの制動用ばねのばね力に抗してアーマチュアをフィールドコア側に移動させることにより制動を解放するブレーキ解放用操作子と、
    前記フィールドコアに対して移動することがない部位の外表面に設けられた設置部と、
    前記操作子と前記設置部とに着脱自在に装着された回動操作装置とを備え、
    前記回動操作装置は、前記操作子に着脱自在かつ回動自在に係合する係合部が一端部に設けられるとともに前記係合部が前記操作子に係合している状態で前記ブレーキ解放用操作子の操作方向とは反対方向に延びる第1のリンクと、
    前記設置部に揺動自在かつ前記外表面に沿う方向への移動が規制された状態で支承される軸部が一端部に設けられるとともに他端部に前記第1のリンクの他端部が回動自在に連結された操作用の第2のリンクとを有するトグル機構からなり、
    前記トグル機構は、前記第2のリンクが前記設置部を中心として所定の操作力で揺動させられることによって、前記第1のリンクが前記操作力より大きな力で前記操作子を押すように構成されていることを特徴とする無励磁作動ブレーキ用手動解放装置。
  2. 請求項1記載の無励磁作動ブレーキ用手動解放装置において、前記第2のリンクは、前記第1のリンクとの連結部分より前記軸部とは反対側に延びる操作レバーを備えていることを特徴とする無励磁作動ブレーキ用手動解放装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の無励磁作動ブレーキ用手動解放装置において、前記回動操作装置の第1のリンクと第2のリンクとの連結部分は、前記操作子における第1のリンクが連結される部位と前記設置部とを結ぶ仮想線より無励磁作動ブレーキ側に移動可能に形成され、かつ前記仮想線より無励磁作動ブレーキ側に移動した状態において、無励磁作動ブレーキ側の規制部との当接によりさらなる移動が規制されるものであることを特徴とする無励磁作動ブレーキ用手動解放装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の無励磁作動ブレーキ用手動解放装置において、前記ブレーキ解放用操作子は、前記第1のリンクとの連結部分を力点としかつアーマチュア側部材との連結部分を作用点とするてこを構成するものであることを特徴とする無励磁作動ブレーキ用手動解放装置。
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