JP2012132356A - オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出圧を効率的に用いてポンプ容量の調整が可能となるオイルポンプを構成する。
【解決手段】アウターロータ13を支持する調整リング14の外周に吐出ポート3の吐出圧を作用させることで、駆動回転軸芯Xを中心にしてアウターロータ13を公転させポンプ容量が減少するオイルポンプを構成する。調整リング14の外周とケーシング1の内面との間の2箇所のシール点S1、S2でオイルの流れを抑制するシール手段Sが備えられ、調整リング14の変位に伴い2つのシール点S1、S2の双方がケーシング1の内面に沿って移動し、2箇所のシール点S1、S2を結ぶ仮想直線Uと直交する圧力方向Fuが、調整リング14の変位方向Fyの移動に伴って変化するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイルポンプに関し、詳しくは、可変容量型のオイルポンプの改良に関する。
上記のように構成されたオイルポンプとして特許文献1には、外歯を有し駆動回転軸芯の周りで駆動させるインナーロータと、このインナーロータと偏心状態で噛み合う内歯を有し従動軸芯周りで回転するアウターロータと、をケーシングの内部に備えた内接歯車型のポンプが示されている。この特許文献1では、インナーロータとアウターロータとが噛み合う状態で、駆動回転軸芯を中心にしてアウターロータの従動中心を公転させる調整リングを備えており、この調整リングを変位させてアウターロータを公転させることでポンプ容量を変更できるように構成されている。
特許文献1の図3や図8に示されるオイルポンプでは、調整リングの外周とケーシングの内面との間にシール手段(文献ではシールベーン)を備え、調整リングに突設したブロック部の摺接面に対してケーシングに形成した隔壁が摺接する構成となるシール手段を備えている。また、このオイルポンプでは、吐出ポート(文献では吐出口)の吐出圧の増大に伴って調整リングをポンプ容量低減方向に変位させ、エンジン回転数が増大した場合には、過剰な量のオイル量の供給を抑制できるようにしている。
国際公開WO2010/013625号公報
特許文献1に示されるものでは、エンジン回転数の増大に伴ってポンプ容量を自動的に調整できる反面、調整リングの外周の所定位置とケーシングの内面の所定位置とに亘ってシール手段を備えているため、吐出ポートから調整リングの外周に吐出圧が作用する領域が殆ど変化することはない。従って、吐出ポートから調整リングに吐出圧が作用して調整リングが変位する場合にも、この調整リングに対して略決まった方向に吐出圧が作用することになる。
調整リングはアウターロータを公転させるように非直線的な変位を行うため、調整リングが変位する場合には調整リングの変位方向に沿う方向に吐出圧を作用させることが理想である。しかしながら、特許文献1に記載されるものでは、調整リングの決まった領域に対して吐出圧が作用するため、調整リングが変位する場合でも、調整リングに対して略決まった方向に吐出圧を作用させることになり、調整リングの変位方向と外れた方向に吐出圧を作用させ、必要とする力を得難いものであった。
本発明の目的は、吐出圧を効率的に用いてポンプ容量の調整を行うオイルポンプを合理的に構成する点にある。
本発明の特徴は、複数の外歯を有し第一回転軸芯を中心にして回転するインナーロータと、
前記外歯に噛み合う複数の内歯を有した環状で、前記第一回転軸芯に対して偏心する第二回転軸芯で回転自在なアウターロータとをケーシングの内部に備え、前記インナーロータの回転に伴い、前記ケーシングに形成された吸引ポートから吸引したオイルを前記内歯と前記外歯との間に送り前記ケーシングに形成された吐出ポートから吐出する構成を備え、前記アウターロータの内歯と前記インナーロータの外歯とが噛み合う状態で前記第一回転軸芯を中心にして前記第二回転軸芯を移動させるようにアウターロータを公転させてポンプ容量を変更する容量調整機構を備え、この容量調整機構が、前記吐出ポートと前記吸引ポートとの中間で前記アウターロータを支持する調整リングと、前記アウターロータを公転させるように前記調整リングをガイドするガイド手段と、前記吐出ポートの吐出圧に抗する方向に前記調整リングを付勢する付勢手段とを備えて構成され、前記調整リングは、前記吐出ポートの吐出圧の増大に伴い前記付勢手段の付勢力に抗して前記ガイド手段にガイドされる状態で変位することにより、前記アウターロータをポンプ容量減少方向に公転させるように構成され、前記調整リングの外面と、前記ケーシングの内面との間の2箇所のシール点において前記吐出ポートから前記吸引ポートへのオイルの流れを抑制するシール手段を備え、このシール手段は、前記調整リングの変位の際に前記2箇所のシール点が前記ケーシングの内面に沿って移動するように構成され、前記調整リングが変位する際に、前記2箇所のシール点を結ぶ仮想直線と直交する方向が、前記調整リングの変位方向の移動に伴って変化する点にある。
この構成によると、インナーロータの回転数(回転速度)の増大に伴い吐出ポートの吐出圧が増大した場合には、この吐出圧の増大に伴い付勢手段の付勢力に抗する方向に調整リングが変位することによりポンプ容量が減少する。調整リングが変位する場合には、2箇所のシール点がケース内面に沿って移動すると共に、2箇所のシール点を結ぶ仮想直線と直交する方向が、調整リングの変位方向が、移動する側に動くことになる。これにより、吐出圧に対応した量だけ調整リングを変位させて吐出圧に対応してポンプ容量を得るものとなり、調整リングの変位時には、吐出圧を変位方向に作用させ続けることが可能となる。
従って、吐出圧を効率的に用いてポンプ容量の調整を行えるオイルポンプが合理的に構成された。
本発明は、前記調整リングの外周の円弧面と、これに対向する位置のケーシングの内面において滑らかに凹入する湾曲面との接触部位を、2箇所の前記シール点の一方とするように前記シール手段が構成されると共に、前記ガイド手段により前記調整リングが変位した際に、この変位方向と同じ方向に前記接触部位が移動しても良い。
これによると、シール手段としてシール材等を備える必要がなく、シール点の移動方向と調整リングの変位方向とが同じであるため、調整リングが変位する場合にも、吐出圧を調整リングに対して変位方向に作用させ続けることが可能となる。
本発明は、前記シール手段の2箇所の前記シール点の少なくとも一方が、前記調整リングの外周に対し、この調整リングの半径方向に突出するシール材を備えても良い。
これによると、調整リングに突出するシール材を備えることによりシール性を高めることが可能となる。
本発明は、前記吐出ポートの吐出圧をシール材に対して突出方向に作用させるシール圧油路を備えても良い。
これによると、シール材がシール圧油路から作用する吐出圧によって突出し、吐出圧が増大するほどケーシングの内面に強く接触することになるので、良好なシール性能を得るものとなる。
本発明は、前記調整リングの外周に外方に突出する突出部が、2箇所の前記シール点の一方を基準にして前記吸引ポート側に形成され、この突出部の外端と前記ケーシングの内面との間にオイルの流れを抑制する補助シール部が形成され、この突出部とケーシングとの間に形成される制御空間に対して前記付勢手段の付勢力に抗する方向に向けて制御圧を作用させる制御弁を備えても良い。
これによると、制御空間に対して制御弁からの制御圧を作用させることにより、この制御圧を突出部から付勢手段の付勢方向に抗する方向に作用させ、調整リングの変位を補助する力を調整して必要とする変位を実現する。
ポンプ容量が最大状態と最小状態とにおけるオイルポンプの断面図である。 ポンプ容量が最大状態と最小状態とにおける圧力方向と変位方向とを示す図である。 別実施形態(a)においてポンプ容量の最大状態と最小状態とにおけるオイルポンプの断面図である。 別実施形態(a)において第1シール点の構成を示す断面図である。 別実施形態(b)において第1シール点と第2シール点との構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1には、車両のエンジン(図示せず)対して潤滑油を供給すると共に、エンジンのバルブ開閉時期制御装置等の油圧機器に作動油を供給するためエンジンで駆動される可変容量型のオイルポンプを示している(潤滑油と作動油との総称をオイルとする)。このオイルポンプは、ケーシング1の内部に駆動回転軸芯X(第一回転軸芯の具体例)を中心にして駆動軸11と一体的に回転するインナーロータ12と、駆動回転軸芯Xに対して偏心する従動回転軸芯Y(第二回転軸芯の具体例)を中心に回転するアウターロータ13とを備え、このオイルポンプの吐出圧の上昇に伴いポンプ容量を減ずる容量調整機構Aを備えている。
ドライブロータとしてのインナーロータ12は、駆動軸11を介してケーシング1に対して回転自在に支持され、外周には複数の外歯12Aが形成されている。ドリブンロータとしてのアウターロータ13は、インナーロータ12の外歯12Aに噛み合う複数の内歯13Aを内周に形成した環状に構成され、インナーロータ12の回転に従って従動回転軸芯Yを中心に回転する。
インナーロータ12の外歯12Aは、トロコイド曲線又はサイクロイド曲線に従う歯面形状に成形されている。アウターロータ13の内歯13Aは、インナーロータ12の外歯12Aの歯数より1つ多い歯数に設定され、アウターロータ13が回転した際に、インナーロータ12の外歯12Aに接触する歯面形状に成形されている。
このオイルポンプはトロコイドポンプとも称され、ケーシング1の壁部1Aにはオイルを吸引する吸引ポート2と、オイルを吐出する吐出ポート3が形成されている。この構成からインナーロータ12が矢印Rで示す方向に駆動回転することにより、アウターロータ13も回転し、吸引ポート2から外歯12Aと内歯13Aとの間の空間にオイルを吸引し、吸引したオイルを加圧して吐出ポート3から送り出す。当然のことながら、エンジン回転数(エンジンの回転速度)が増大するほど吐出ポート3から吐出するオイルの流量が増大するためにオイルの吐出圧は上昇する。
〔容量調整機構〕
容量調整機構Aは、アウターロータ13を回転自在に内挿支持する調整リング14と、この調整リング14をガイドするガイド手段Gと、調整リング14から外方に突出するように一体形成された受圧ブロック15(突出部の一例)と、この受圧ブロック15を介して調整リング14に付勢力を作用させる圧縮コイル型のスプリング4(付勢手段の一例)とを備えている。
調整リング14は、アウターロータ13を回転自在に内挿支持するように従動回転軸芯Yと同軸芯の内周面を有するリング状に成形され、この調整リング14は、ケーシング1の内部で、吸引ポート2からのオイルの吐出圧が作用する加圧空間THと、吐出ポート3に連通する低圧空間TLとの中間位置に配置されている。調整リング14の外周と、ケーシング1の内面との間の2箇所のシール点(後述する第1シール点S1及び第2シール点S2)において加圧空間TH(吐出ポート3)から低圧空間TL(吸引ポート2)へのオイルの流れを抑制するシール手段Sが備えられている。
図1(a)に示す如く、駆動回転軸芯Xに対する吸引ポート2と吐出ポート3とを隔てる仕切り部の方向と従動回転軸芯Yの方向が一致している状態が、オイルの吐出量が最大になる状態である。これとは逆に、図1(b)に示す如く、駆動回転軸芯Xに対する、吸引ポート2と吐出ポート3とを隔てる仕切り部の方向と従動回転軸芯Yの方向が90度の位相を成す状態が、オイルの吐出量が最小になる状態である。この駆動回転軸芯Xに対する、仕切り部の方向と従動回転軸芯Yの方向の位相を調整するために、容量調整機構Aでは、駆動回転軸芯Xを中心にして従動回転軸芯Yが移動するようにアウターロータ13を公転させることでポンプ容量を調整する。
ガイド手段Gは、調整リング14から突出する突出部16に形成された第1ガイド面GS1と、この第1ガイド面GS1に接触する第1ガイドピンP1とを備えると共に、調整リング14の一部を外方に張り出す構造の膨出部17の内周側に形成された第2ガイド面GS2と、この第2ガイド面GS2に接触する第2ガイドピンP2とを備えている。
容量調整機構Aは、ポンプ容量増大方向にスプリング4の付勢力を作用させており、吐出ポート3の吐出圧を加圧空間THから調整リング14の外周に作用させることで、スプリング4の付勢力に抗してポンプ容量が減少する方向に調整リング14を変位させるように構成されている。
このような構成から、エンジン回転数が極めて低い状態(例えば、アイドリング状態)ではスプリング4の付勢力によって調整リングが図1(a)に示す位置にあり、ポンプ容量が最大に設定される。次に、エンジン回転数が増大した場合には、吐出ポート3からの吐出圧によりスプリング4の付勢力に抗して調整リング14がポンプ容量低減側に変位し、吐出ポート3からのオイルの吐出量が低減する。そして、エンジン回転数が非常に高い状態に達した場合には、図1(b)に示される如くポンプ容量が最小に設定され過剰な量のオイルの供給が抑制されるのである。尚、調整リング14が変位する場合には、調整リング14の変位に伴い、駆動回転軸芯Xを中心にして従動回転軸芯Yを移動させるようにアウターロータ13を公転させる。
この容量調整機構Aは、ポンプ容量が最大である状態と、ポンプ容量が最小である状態とにおける従動回転軸芯Yの位置関係が図1(a)、図1(b)に示す相対位置関係に設定され、この相対位置関係では従動回転軸芯Yは、駆動回転軸芯Xを中心にして90度公転する。
ケーシング1には、吸引ポート2と吐出ポート3とが形成される壁部1Aと対向する位置に、図面には示していないが、壁部1Aと平行姿勢の壁体を配置した構造を有している。この構成から壁部1Aと壁体との間にインナーロータ12、アウターロータ13、調整リング14夫々が挟み込まれる位置に配置される。また、駆動軸11は壁部1Aと壁体との少なくとも一方を貫通する状態で備えられる。
〔シール手段〕
シール手段Sを構成する2箇所のシール点のうち、調整リング14の外周側で受圧ブロック15と膨出部17との中間位置に配置されるものを第1シール点S1と称し、アウターロータ13の従動回転軸芯Yを挟んで対向する位置に配置されるものを第2シール点S2と称する。
第1シール点S1は、調整リング14の外周に対して外方に緩やかに突出する接当面14Pと、これに対向する位置のケーシング1の内面で内方に緩やかに突出する突出面1Pとの接触部位で構成されている。第2シール点S2は、前記調整リング14の外周の円弧面14Qと、これに対向する位置のケーシング1の内面で滑らかに凹入するように形成された湾曲面1Qとの接触部位で構成されている。
第1シール点S1は、ガイド手段Gにより調整リング14がポンプ容量減少側(図1において全体的に反時計廻り方向)に変位する際には、調整リング14の変位方向と逆方向(図1では、下側)に僅かに移動する。第2シール点S2は、ガイド手段Gにより前記調整リング14がポンプ容量減少側(全体的に反時計廻り方向)に変位する際には、調整リング14の変位方向に沿う方向(図1では下側)に大きく移動する。
第1シール点S1と第2シール点S2とを結ぶ仮想直線Uを想定すると、図1(a)に示す如くポンプ容量が最大状態にある場合には、仮想直線Uは、調整リング14の変位方向に対して略直交する姿勢にある。また、図1(b)に示す如く調整リング14がポンプ容量低減側に変位した場合には第1シール点S1と第2シール点S2が移動し、この移動時においても仮想直線Uは、調整リング14の変位方向に対して略直交する姿勢を維持する。つまり、調整リング14が変位する際には、2箇所のシール点がケーシング1の内面に沿って移動するものであるが、第1シール点S1と第2シール点S2とを結ぶ仮想直線Uと直交する圧力方向Fuが、調整リング14の変位方向と同じ方向に移動することにより、調整リング14に対して吐出圧を効率的に作用させ、アウターロータ13の公転を円滑に行わせるように構成されている。
〔作動形態〕
このような構成から、エンジン回転数が上昇することで加圧空間TH(吐出ポート3)の吐出圧は、図2(a)に示すように、調整リング14の外周には仮想直線Uに対して直交する圧力方向Fuに吐出圧が作用する。アウターロータ13は、その従動回転軸芯Yが図2(a)に示す位置と図2(b)に示す位置との間で公転するようにガイド手段Gによってガイドされ、この公転軌跡上の従動回転軸芯Yにおける接線方向が調整リング14の変位方向Fyとなる。
このオイルポンプでは、調整リング14の変位時に第1シール点S1と第2シール点S2とがケーシング1の内面で移動し、特に第2シール点S2は調整リング14の変位方向に沿って大きく移動する。調整リング14の変位時に調整リング14に作用する吐出圧の圧力方向Fuが、調整リング14の変位方向Fyと沿う状態(略平行する状態)を維持するように第1シール点S1の接触部位と第2シール点S2の接触部位との移動方向と移動量とが設定されている。
特に、圧力方向Fuと変位方向Fyとが沿う、との意味は、平行状態だけを指すものではなく、夫々が非平行状態であっても同じ方向に向かう状態を指している。具体的には、例えば、圧力方向Fuと変位方向Fyとの角度差が45度未満のように比較的小さい角度範囲に含まれるものを指している。
吐出圧が比較的低い場合には、図2(a)に示すように圧力方向Fuに吐出圧が作用し、調整リング14の変位方向Fyは公転軌跡の接線方向に向かう。このように、同図に示す如く、圧力方向Fuと、変位方向Fyの作用方向が略平行であるため加圧空間THの吐出圧を効率的に調整リング14に作用させる。
吐出圧の上昇が継続した場合には、スプリング4の付勢力とバランスする位置まで調整リング14が変位する。この変位時には、調整リング14の変位方向Fyが変化するが、第1シール点S1と第2シール点S2とがケーシング1の内面での移動に伴い圧力方向Fuが移動することから、圧力方向Fuが変位方向Fyの作用方向が略平行となる状態が維持される。そして、吐出圧が設定値を超えることにより図1(b)、図2(b)に示す如く調整リング14は変位端に達し、ポンプ容量が最小に設定される。
〔実施形態の効果〕
このように、調整リング14とケーシングの内面とを直接的に接触させるように第1シール点S1と第2シール点S2とでシール手段Sが構成されているので、専用のシール部材を用いる必要がなく部品点数を少なくしてコスト低減を実現にする。
また、第1シール点S1と第2シール点S2とが調整リング14の変位に伴ってケース内面を移動するように構成し、この移動方向と移動量との設定により調整リング14の外周面に作用する圧力方向Fu(仮想直線Uに直交する方向)を、調整リング14の変位方向Fyに沿う方向に沿うように構成している。このような構成から、加圧空間THから調整リング14に作用する吐出圧を、調整リング14の変位方向に沿って作用させ、吐出圧の変化に対応して高い感度で調整リング14を作動させ、吐出圧を反映したポンプ容量の設定を可能にする。
特に、エンジン回転数の上昇に伴いポンプ容量を低減するように容量調整機構Aが構成されることにより、アイドリング状態のようにエンジン回転数が低い状態でもエンジンが必要とする充分なオイル供給を行うと共に、エンジン回転速度が増大した場合には過剰なオイル供給を抑制してエネルギーロスの低減を実現する。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。尚、以下の別実施形態において実施形態と同じ機能を有するものには実施形態と共通する番号・符号を付している。
(a)図3、図4に示すように、シール手段Sを構成する第1シール点S1として、調整リング14の外周に形成した凹部14Rに対して出退自在に第1シール材21を備え、凹部14Rに対して加圧空間THの吐出圧を突出方向に作用させるシール圧油路22を形成する。また、受圧ブロック15(突出部の一例)の突出端のブロック面15Sに対向する位置のケーシング1の内面に補助凹部1Tを形成し、この補助凹部1Tに対して出退自在に補助シール材25を備える。更に、補助凹部1Tに対して制御空間TCの圧力を作用させる補助シール圧油路26を形成して補助シール部Wを構成する。尚、第1シール材21と補助シール材25とは、調整リング14の厚み(駆動回転軸芯Xに沿う方向での寸法)と同じ寸法であり、耐摩耗性に優れた金属材や樹脂材が用いられる。
前述した制御空間TCは、ケーシング1の内面において、調整リング14の外周と、受圧ブロック15とで取り囲まれ、かつ第1シール点S1と補助シール部Wとによってオイルの流れが制限される領域に形成されている。このような構成から、第1シール点S1においては、加圧空間THの吐出圧により第1シール材21を突出作動させてケーシング1の突出面1Pに接触させ高いシール性能を得る。また、補助シール部Wにおいては、制御空間TCの制御圧により補助シール材25を受圧ブロック15(突出部の一例)の突出端のブロック面15Sに接触させて高いシール性能を現出する。
この制御空間TCに対して加圧空間THの吐出圧を制御して制御空間TCに作用させる制御弁Vを備えている。制御弁Vは、電磁式に弁体を作動させる電磁弁、又は、加圧空間THの吐出圧によって弁体が作動するパイロット圧操作弁が用いられている。
そして、エンジン回転数の上昇に伴い図3(a)、(b)に示すように、調整リング14がポンプ容量減少方向に変位する際には、制御空間TCの圧力を制御弁Vで制御して制御空間TCに作用させることにより、調整リング14の変位を補助する力を調整する。これにより、エンジン回転数に対応してポンプ容量を所定の特性で制御して必要とするオイル供給を実現する。この別実施形態(a)では、吐出ポート3の吐出圧を制御弁Vで制御する構成であったが、オイルポンプの外部に備えた別個のオイルポンプからの作動油を制御弁Vに供給し、この制御弁Vから制御空間TCに供給するように油路系を構成しても良い。
(b)図5に示すように、第1シール点S1として、別実施形態(a)と同様の構成により凹部14Rに対して出退自在に第1シール材21を備えると共に、第2シール点S2として、調整リング14の外周に第2シール材27を備える。この第2シール材27は、調整リング14の円弧状の外周面に周方向に延びるベルト状で外周側に複数の突起を形成した形状である。このような形状から、調整リング14の変位に伴い複数の突起の少なくとも1つがケーシング1の湾曲面1Qに接触する。尚、第1シール材21と第2シール材27とは、調整リング14の厚み(駆動回転軸芯Xに沿う方向での寸法)と同じ寸法であり、耐摩耗性に優れた金属材や樹脂材が用いられる。
このように第1シール点S1と第2シール点S2とのシール性能を高める構成を採用することにより、加圧空間THから低圧空間TLに対するオイルの漏出を抑制して調整リング14の効率的な作動を実現する。
(c)本発明のオイルポンプでは、第1シール点S1と第2シール点S2との何れか一方にだけシール材を備えて構成しても良い。このように一方にだけシール材を備えた場合にもシール性能を向上させることが可能となる。
本発明は、自動車のエンジンに供給するもの以外に、駆動源の回転速度増大に伴い吐出量の低減を必要とするオイルポンプとして利用できる。
1 ケーシング
1Q 湾曲面
2 吸引ポート
3 吐出ポート
4 付勢手段(スプリング)
12 インナーロータ
12A 外歯
13 アウターロータ
13A 内歯
14 調整リング
14Q 円弧面
15 突出部(受圧ブロック)
21 シール材(第1シール材)
22 シール圧油路
A 圧力調整機構
G ガイド手段
S シール手段
S1 シール点(第1シール点)
S2 シール点(第2シール点)
TC 制御空間
U 仮想直線
V 制御弁
W 補助シール部
X 第一回転軸芯(駆動回転軸芯)
Y 第二回転軸芯(従動回転軸芯)

Claims (5)

  1. 複数の外歯を有し第一回転軸芯を中心にして回転するインナーロータと、
    前記外歯に噛み合う複数の内歯を有した環状で、前記第一回転軸芯に対して偏心する第二回転軸芯で回転自在なアウターロータとをケーシングの内部に備え、
    前記インナーロータの回転に伴い、前記ケーシングに形成された吸引ポートから吸引したオイルを前記内歯と前記外歯との間に送り前記ケーシングに形成された吐出ポートから吐出する構成を備え、
    前記アウターロータの内歯と前記インナーロータの外歯とが噛み合う状態で前記第一回転軸芯を中心にして前記第二回転軸芯を移動させるようにアウターロータを公転させてポンプ容量を変更する容量調整機構を備え、
    この容量調整機構が、前記吐出ポートと前記吸引ポートとの中間で前記アウターロータを支持する調整リングと、前記アウターロータを公転させるように前記調整リングをガイドするガイド手段と、前記吐出ポートの吐出圧に抗する方向に前記調整リングを付勢する付勢手段とを備えて構成され、
    前記調整リングは、前記吐出ポートの吐出圧の増大に伴い前記付勢手段の付勢力に抗して前記ガイド手段にガイドされる状態で変位することにより、前記アウターロータをポンプ容量減少方向に公転させるように構成され、
    前記調整リングの外面と、前記ケーシングの内面との間の2箇所のシール点において前記吐出ポートから前記吸引ポートへのオイルの流れを抑制するシール手段を備え、このシール手段は、前記調整リングの変位の際に前記2箇所のシール点が前記ケーシングの内面に沿って移動するように構成され、前記調整リングが変位する際に、前記2箇所のシール点を結ぶ仮想直線と直交する方向が、前記調整リングの変位方向の移動に伴って変化するオイルポンプ。
  2. 前記調整リングの外周の円弧面と、これに対向する位置のケーシングの内面において滑らかに凹入する湾曲面との接触部位を、2箇所の前記シール点の一方とするように前記シール手段が構成されると共に、前記ガイド手段により前記調整リングが変位した際に、この変位方向と同じ方向に前記接触部位が移動する請求項1記載のオイルポンプ。
  3. 前記シール手段の2箇所の前記シール点の少なくとも一方が、前記調整リングの外周に対し、この調整リングの半径方向に突出するシール材を備えている請求項1又は2記載のオイルポンプ。
  4. 前記吐出ポートの吐出圧をシール材に対して突出方向に作用させるシール圧油路を備えている請求項3記載のオイルポンプ。
  5. 前記調整リングの外周に外方に突出する突出部が、2箇所の前記シール点の一方を基準にして前記吸引ポート側に形成され、この突出部の外端と前記ケーシングの内面との間にオイルの流れを抑制する補助シール部が形成され、この突出部とケーシングとの間に形成される制御空間に対して前記付勢手段の付勢力に抗する方向に向けて制御圧を作用させる制御弁を備えている請求項1〜4のいずれか一項に記載のオイルポンプ。
JP2010284696A 2010-12-21 2010-12-21 オイルポンプ Expired - Fee Related JP5879683B2 (ja)

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