JP2012132352A - インジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズルニードル7を摺動自在に支持する筒状部材37が、ノズルボディ8との間にノズル側環状高圧路40を形成し、ノズル側環状高圧路40が本体3の傾斜高圧路47と連通する。筒状部材37は、スプリング11により軸方向後方に付勢されて本体3の軸方向先端に当接し、ノズル側低圧路44を形成する。そして、ノズル側低圧路44には摺動クリアランス39を通じてノズル側環状高圧路40から燃料が低圧化して流れ込む。このため、噴射圧の高圧化に伴う摺動クリアランスの拡大を回避できる。また、筒状部材37がノズルニードル7の傾きに追従して傾くことを可能にすることで、摺動クリアランス39を小さく設定することができ、摺動クリアランス39からのリーク量を低減できる。
【選択図】図1
Description
すなわち、インジェクタ100は、高圧の燃料を噴射する噴射ノズル101と、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れて噴射ノズル101の方に導く本体102と、噴射ノズル101を開弁させる電磁アクチュエータ103とを備え、噴射ノズル101を本体102の軸方向先端に締結するとともに、電磁アクチュエータ103を本体102の軸方向後端に締結することで構成されている。
すなわち、噴射ノズル101では、構成部品の点数をノズルニードル105およびノズルボディ106の2点に抑えるため、ノズルニードル105を軸方向後方部114においてノズルボディ106により直接的に摺動自在に支持するとともに、ノズルニードル105の軸方向先方部115によりノズルボディ106との間にノズル室108を形成させている。
請求項1に記載のインジェクタは、高圧の燃料を噴射する噴射ノズルと、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体とを備え、噴射ノズルを本体の軸方向先端に締結することで構成され、本体は、高圧の燃料が流れる高圧流路の一部、および高圧流路の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる低圧流路の一部を有し、本体の高圧流路は本体の軸方向先端に開口している。
以上により、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードルの外周に形成される摺動クリアランスの拡大によるリーク量増大)を回避することができる。
これによれば、ノズルニードルが傾いた場合に、筒状部材もノズルニードルの傾きに追従して傾くことが可能になる。
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1を用いて説明する。
インジェクタ1は、100MPaを超える超高圧の噴射圧により燃料を噴射供給することができるものであり、例えば、ディーゼルエンジン(図示せず)の気筒内に燃料を直接的に噴射供給する。
ここで、高圧流路13とは、高圧の燃料が流れる燃料流路であり、燃料供給源から受け入れた高圧の燃料が各種のクリアランス等を通過することなく低圧化していない状態で流動する流路である。
また、高圧流路13は、制御室18にも分岐して接続しており、制御室18には高圧の燃料が導かれる。
ここで、低圧流路23とは、高圧流路13の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる燃料流路であり、高圧流路13を流動していた燃料が各種のクリアランス等を通過することにより低圧化した状態で流動する流路である。
なお、高圧流路13から制御室18に向かう入側の流路にはオリフィス29が設けられ、制御室18から低圧流路23に向かう出側の流路にはオリフィス30が設けられており、オリフィス29、30は、弁体22の開閉動作により制御室18の燃料圧が確実に低下または上昇するように設けられている。
実施例1のインジェクタ1の特徴を、図1を用いて説明する。
まず、噴射ノズル2は、ノズルボディ8とは別体に設けられる筒状部材37を有する。
筒状部材37は、ノズルニードル7の後端部38を軸方向に摺動自在に支持してノズルニードル7との間に摺動クリアランス39を形成するものであり、ノズルニードル7とともにシリンダ9に収容されてノズルボディ8との間に環状の燃料流路40を形成する。
また、ノズル側低圧路44では、コマンドピストン19の先端がノズルニードル7の後端に当接しており、この当接によって、制御室18の燃料圧による付勢力が、ノズルニードル7に伝達されている。
まず、筒状部材37の後方部43は先端部42よりも外周径が小径に設けられ、後方部43とノズルボディ8との間に形成されるノズル側環状高圧路40は、先端部42とノズルボディ8との間に形成されるノズル側環状高圧路40よりも断面積が大きくなっている。
なお、チップパッキン20bの軸方向後端には、本体側環状低圧路27と本体側貫通低圧路28との連通を可能とするために窪み49が設けられており、窪み49も低圧流路23をなす。また、先端中央低圧路47aは窪み49に開口しており、先端中央低圧路47aに流入した燃料は窪み49を通って本体側貫通低圧路28に流入する。
本実施例では、筒状部材37と本体3(チップパッキン20b)との軸方向の当接は、筒状部材37が本体3に対して軸方向に傾斜する方向へ相対移動可能となっている。
すなわち、筒状部材37のチップパッキン20bに当接する接触面を筒状部材接触面57とし、チップパッキン20bの筒状部材37に当接する接触面を本体接触面58とすると、筒状部材接触面57及び本体接触面58とは共に球面状を呈し、筒状部材37とチップパッキン20bとは線接触によって当接している。
また、本体接触面58は、チップパッキン20bの軸方向先端面の貫通穴61の開口縁が軸方向先端側に凹む凹状の球面に形成されることで構成されている。なお、貫通穴61は、上述の先端中央低圧路47aを形成するチップパッキン20bの中央部に貫通する穴である。
そして、筒状部材接触面57の球面の曲率半径は、本体接触面58の球面の曲率半径よりも小さく形成されている。
実施例1のインジェクタ1によれば、噴射ノズル2は、ノズルニードル7を軸方向に摺動自在に支持してノズルニードル7との間に摺動クリアランス39を形成する筒状部材37を有する。また、ノズルニードル7および筒状部材37は、シリンダ9に収容されてノズルボディ8との間にノズル側環状高圧路40を形成し、ノズル側環状高圧路40は、本体3の傾斜高圧路47と連通する。
以上により、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードル7の外周に形成される摺動クリアランス39の拡大)を回避することができる。
これによれば、ノズルニードル7が傾いた場合に、筒状部材37もノズルニードル7の傾きに追従して傾くことが可能になる。
このため、ノズルニードル7が傾いた際に、ノズルニードル7の後端部38が筒状部材37の先端部と後端部の2点で接触して、ノズルニードル7と筒状部材37との間の摺動性が悪くなる虞がある。
実施例2のインジェクタ1の構成を、実施例1とは異なる点を中心に、図3(a)を用いて説明する。
本実施例では、筒状部材37の後端面が軸方向に垂直な平面となっており、この平面が筒状部材接触面57となっている。
そして、本体3は、チップパッキン20bの貫通穴61の周囲にリング状の凸部63を有しており、凸部63の先端面が凸曲面を呈して、本体接触面58をなしている。
すなわち、筒状部材37とチップパッキン20bとの軸方向の当接は、筒状部材37が本体3に対して軸方向に傾斜する方向へ相対移動可能となっている。
従って、本実施例でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
実施例3のインジェクタ1の構成を、実施例2とは異なる点を中心に、図3(b)を用いて説明する。
本実施例では、筒状部材37の後端部が軸方向後端側へ向うにつれて径小に形成されており、筒状部材接触面57は円錐面となっている。
すなわち、筒状部材37とチップパッキン20bとの軸方向の当接は、筒状部材37が本体3に対して軸方向に傾斜する方向へ相対移動可能となっている。
従って、本実施例でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
実施例4のインジェクタ1の構成を、実施例4とは異なる点を中心に、図3(c)を用いて説明する。
本実施例では、筒状部材37の後端面にリング状の溝65が形成されており、溝65の底面が曲面状を呈して、筒状部材接触面57をなしている。
そして、本体3は、チップパッキン20bの先端面の溝65の位置に対応した位置にリング状の凸部66を有しており、凸部66の先端面が曲面状を呈して、本体接触面58をなしている。
すなわち、筒状部材37とチップパッキン20bとの軸方向の当接は、筒状部材37が本体3に対して軸方向に傾斜する方向へ相対移動可能となっている。
従って、本実施例でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
2 噴射ノズル
3 本体
6 噴孔
7 ノズルニードル
8 ノズルボディ
9 シリンダ
11 スプリング(付勢手段)
13 高圧流路
23 低圧流路
37 筒状部材
39 第1の摺動クリアランス(摺動クリアランス)
40 ノズル側環状高圧路(環状の燃料流路、噴射ノズルの高圧流路)
44 ノズル側低圧路(筒状部材の内周側の低圧流路)
47a 先端中央低圧路(本体の低圧流路)
57 筒状部材接触面(筒状部材の本体との接触面)
58 本体接触面(本体の筒状部材との接触面)
Claims (1)
- 高圧の燃料を噴射する噴射ノズルと、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体とを備え、前記噴射ノズルを前記本体の軸方向先端に締結することで構成されるインジェクタにおいて、
前記本体は、高圧の燃料が流れる高圧流路の一部、および高圧流路の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる低圧流路の一部を有し、前記本体の高圧流路は前記本体の軸方向先端に開口しており、
前記噴射ノズルは、
噴孔を有するノズルボディと、
このノズルボディに収容され、軸方向に移動して前記噴孔を開閉するノズルニードルと、
前記ノズルボディとは別体の筒状に設けられ、前記ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持して前記ノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成する筒状部材とを有し、
前記ノズルボディは、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するとともに前記噴孔に通じるシリンダを有し、
前記ノズルニードルおよび前記筒状部材は、前記シリンダに収容されて前記ノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成し、
前記噴射ノズルは、前記環状の燃料流路が前記本体の高圧流路と連通するように前記本体の軸方向先端に締結され、前記環状の燃料流路は、前記本体の高圧流路と連通することで前記噴射ノズルの高圧流路の一部をなし、
前記筒状部材は、所定の付勢手段により軸方向後方に付勢されて前記本体の軸方向先端に液密的に当接するとともに、前記筒状部材の前記本体との接触面もしくは前記本体の前記筒状部材との接触面のいずれか一方、もしくは両方が曲面状に形成されることで、前記本体に対して傾斜移動可能に当接しており、
前記本体の低圧流路には、前記摺動クリアランスを通じて前記噴射ノズルの高圧流路から燃料が低圧化して流れ込むことを特徴とするインジェクタ。
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2010
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