JP2012131940A - 塗料組成物、アルミニウムフィン材及び熱交換器 - Google Patents

塗料組成物、アルミニウムフィン材及び熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な水濡れ性および耐食性を有し、顔料を含む場合にも耐色落ち性が良好な塗膜を1コートで形成できる塗料組成物、該塗料組成物から形成された塗膜を備えるアルミニウムフィン材、および該アルミニウムフィン材を備えた熱交換器の提供。
【解決手段】本発明の塗料組成物は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に塗布される塗料組成物であって、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部と、親水性樹脂10〜80重量部を含有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、塗料組成物、エアーコンディショナーなどの熱交換器に用いられるアルミニウムフィン材、及び熱交換器に関する。
エアーコンディショナーや工業用熱交換器などの熱交換器のフィンには、軽量性、加工性、熱伝導性から、アルミニウムやアルミニウム合金が広く使用されている。
エアーコンディショナーでは、熱交換器を冷却側で使用する場合に水が凝集して水滴(結露水)となり、隣り合うフィン間に水のブリッジが形成される場合がある。このような現象が発生すると、空気の通路が狭くなって通風抵抗が大きくなり、熱交換効率が低下することになる。このため、熱交換器用フィンの表面に水濡れ性(親水性)を付与する処理(親水化処理)を施すことにより、速やかに結露水などの水滴を排出させる技術が知られている。フィン材の表面を親水化する方法としては、親水性高分子を塗布し、被膜を形成する方法などが知られている。
また、フィン材を室外機用の熱交換器に使用する場合には、耐食性を求められることがあり、フィン材表面に耐食性の被膜を形成することも多い。
さらに、室外機のケースを通して熱交換器が見えるため、意匠性を向上させるために、フィン材を青色などに着色する場合がある。着色したフィン材を得るためには、親水性の被膜に顔料を添加することが行われている(特許文献1参照)。
特開2009−214001号公報
熱交換器用フィン材に対して耐食性と水濡れ性(親水性)の両方を付与するために、フィン材表面に耐食性のコーティング剤を塗布して被膜を形成した後、その上に親水性のコーティング剤を塗布することが行われている。しかし、この方法で得られる被膜は、良好な耐食性と親水性を兼ね備えるが、2度のコーティング工程を経る必要があり、製造上のコストがかかるという問題がある。
また、着色したフィン材を得るために、親水性高分子よりなる被膜に顔料を含有させると、親水性高分子被膜の透水性が高いこと等によって、その表面に付着した凝縮水に顔料が流出しやすい問題がある。これにより、高分子被膜が色落ちしてしまうとともに、結露水が着色され、その排水箇所に色を付けてしまうなどの問題がある。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、良好な水濡れ性および耐食性を有し、顔料を含む場合にも耐色落ち性が良好な塗膜を1コートで形成できる塗料組成物、該塗料組成物から形成された塗膜を備えるアルミニウムフィン材、および該アルミニウムフィン材を備えた熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の塗料組成物は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に塗布される塗料組成物であって、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部と、親水性樹脂10〜80重量部を含有することを特徴とする。
本発明の塗料組成物において、前記親水性樹脂が水溶性セルロースであることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、さらに、顔料を含有してもよい。
上記課題を解決するため、本発明のアルミニウムフィン材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板材と、この板材の表面に上記塗料組成物から形成された塗膜を備えてなり、前記塗膜重量が0.3g/m以上であることを特徴とする。
また、本発明の熱交換器は、上記本発明のアルミニウムフィン材を備えてなることを特徴とする。
本発明の塗料組成物は、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部と、親水性樹脂10〜80重量部を含有することにより、本発明の塗料組成物から形成された塗膜は、良好な耐食性と水濡れ性を兼ね備える。また、本発明の塗料組成物より形成される塗膜の表面は、粗面化されていることにより水濡れ性(親水性)が良好である。
さらに、本発明の塗料組成物は顔料を含有する場合においても、この塗料組成物より形成される塗膜は耐色落ち性に優れる。そのため、塗膜に結露水等の水分が付着した場合にも顔料が水分中に溶出することが抑制される。
さらにまた、本発明の塗料組成物によれば、1回のコーティング工程で上記効果を奏する塗膜が得られるため、この塗膜を備える各機器や各部材の製造工程を簡略化することができる。
本発明のアルミニウムフィン材は、本発明の塗料組成物より形成された塗膜を備えることにより、良好な耐食性と水濡れ性を兼ね備える。また、塗膜が顔料を含有する場合にも、塗膜表面に付着した結露水に顔料が溶け出すことを抑制できる。
本発明の熱交換器は、本発明のアルミニウムフィン材を備えることにより、アルミニウムフィン材の表面(塗膜の表面)の水濡れ性が良好であるため、フィン材の隣合う壁面同士の間に水のブリッジが形成されるのが抑えられ、空気の通風抵抗を小さく抑えることができる。
また、アルミニウムフィン材は表面を良好な耐食性を有する塗膜で被覆されているため、本発明の熱交換器も良好な耐食性を有する。
さらに、被膜が顔料を含有して意匠性を備え、且つアルミニウムフィン材の表面に結露水が付着した場合でも、上述の説明の如く被膜中の顔料が結露水へと溶出することが抑制されているため、結露水中の着色が抑制された熱交換器を提供できる。
本発明に係るアルミニウムフィン材の一構成例を示す斜視図。 図1に示すアルミニウムフィン材の部分断面図。 図1に示すアルミニウムフィン材を複数備えた熱交換器の一例を示す斜視図。 実施例9、10及び比較例5の評価結果を示す表。 実施例における水濡れ性の評価基準を示す図。
以下、本発明の塗料組成物、アルミニウムフィン材および熱交換器について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るアルミニウムフィン材の一例を示す斜視図、図2は同アルミニウムフィン材の部分断面図、図3は同アルミニウムフィン材を備えた熱交換器の一例を示す斜視図である。
この例のアルミニウムフィン材10は細長い短冊形状を有しており、銅製の伝熱管を通すラッパ状のフレア11が、長さ方向に単列、或いは複数列で等間隔に配されている。また、アルミニウムフィン材10の表面には、伝熱性能の向上を目的にスリット12などを必要箇所に設けることがある。
図1に示すフィン材10は、図2に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるフィン用の板材13の表面に、本発明の塗料組成物より形成された塗膜14が形成されてなるものである。塗膜14の塗膜重量は、0.3g/m以上とされる。
フィン用の板材13としては、燐酸クロメート処理などの表面処理を施したアルミニウムまたはアルミニウム合金板などが好適に用いられる。板材13の形状は、特に限定されず、フィン材が適用される熱交換器の形態に応じて適宜選択される。
「塗料組成物」
本発明の塗料組成物は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に塗布される塗料組成物であって、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部と、親水性樹脂10〜80重量部を含有してなる。
本発明の塗料組成物に含有されるエステル基を有するウレタン樹脂としては、分子内にエステル基を有する所謂エステル系ウレタン樹脂であればよく、エステル系ウレタン樹脂として従来公知のものを使用することができる。エステル基を有するウレタン樹脂としては具体的には、ADEKA社製アデカボンタイターHUX320、HUX232、HUX522、HUX420、HUX401等が挙げられる。
エステル基を有するウレタン樹脂は、分子量の異なる2種以上を混合して用いても構わない。
本発明の塗料組成物に含有される親水性樹脂とは、水酸基、カルボキシル基、エーテル基等の親水性官能基を有する樹脂である。親水性樹脂としては、水溶性セルロース、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレングリコール樹脂等が挙げられ、これらの1種またか2種以上を組み合わせて用いることができる。
親水性樹脂は、分子量の異なる2種以上を混合して用いても構わない。
本発明の塗料組成物に含有される親水性樹脂として、具体的には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)等が挙げられ、これらの中でも、水溶性セルロースが特に好ましい。本発明の塗料組成物が水溶性セルロースを含む場合、該塗料組成物より形成される塗膜の水濡れ性が向上する。
本発明の塗料組成物における親水性樹脂の含有量は、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部に対して、10〜80重量部とされる。
塗料組成物における親水性樹脂の含有量が10重量部未満の場合、該塗料組成物より形成される塗膜の水濡れ性が不足するおそれがある。また、塗料組成物における親水性樹脂の含有量が80重量部を超え、かつ、この塗料組成物が顔料を含有する場合、該塗料組成物より形成される塗膜に結露水が付着した場合に、塗膜から結露水に顔料が溶け出し、結露水が着色するおそれがある。以上の理由により、本発明の塗料組成物における親水性樹脂の含有量を、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部に対して、10〜80重量部と規定した。
さらに、塗料組成物における親水性樹脂の含有量は、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部に対して、10〜60重量部とすることがより好ましい。親水性樹脂の含有量を10〜60重量部とすることにより、塗膜組成物が顔料を含む場合に、該塗膜組成物より形成される塗膜の耐色落ち性(塗膜中の顔料が結露水に溶出することを抑える効果)をより向上することができる。
また、本発明の塗料組成物は、必要に応じて顔料を含有していてもよい。
ここで、顔料は、塗料組成物より形成される塗膜に色相を付与するものである。塗膜14が色相を有することにより、この塗膜14を備えるアルミニウムフィン材10の意匠性が向上する。また、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金からなる板材13の種類やグレード等によって塗膜14の色相を変えれば、その色相によって板材13の種類やグレード等を容易に判別できるという効果が得られる。
顔料としては、有機系顔料、無機系顔料を、目的とする色相に合わせて、単独もしくは複数の顔料を組み合わせて用いることができる。この顔料は、直接、上記したエステル基を有するウレタン樹脂および/または親水性樹脂を含有する高分子溶液に添加してもよく、水や有機溶剤に予め分散させた状態で前記高分子溶液に添加してもよい。
本発明の塗料組成物が顔料を含有する場合、顔料の含有量は特に制限されず、得ようとする色調により決定される。本発明の塗料組成物における顔料の含有量は、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部に対して、150重量部以下とすることが好ましい。顔料の含有量が150重量部を超えると、色落ちしやすくなる場合がある。
なお、本発明の塗料組成物は、前述したような材料の他に、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。また、樹脂や顔料の分散性や、塗料組成物の粘度を調製するために、水または水を主成分とする溶媒を含んでいることも好ましい。
本発明者らの検討によれば、ウレタン樹脂単独よりなる塗膜は、耐食性と耐色落ち性には優れるものの、水濡れ性に劣る傾向があった。また、親水性樹脂単独よりなる塗膜は、親水性は優れるものの、顔料を添加した場合に、結露水に顔料が溶け出してしまう問題があった。
本発明者らは鋭意検討した結果、ウレタン樹脂の中でも特にエステル基を有するウレタン樹脂と、親水性樹脂かつ、顔料を含む場合にも、結露水に顔料が溶け出すことを抑制できること(耐色落ち性)を見出した。このように良好な親水性と耐色落ち性が両立できる理由としては、エステル基を有するウレタン樹脂と親水性樹脂を所定範囲で含有する塗料組成物より形成される塗膜は、その表面が粗面化し、親水性が向上するということが挙げられる。エステル基を有するウレタン樹脂と親水性樹脂とを本願所定範囲で含有することにより、形成される塗膜が粗面化する理由は現在のところ明らかではないが、溶媒に分散しているウレタン樹脂が水溶性樹脂の添加により凝集し、塗膜が粗面化する等の理由が考えられる。このように、本発明の塗料組成物より形成される塗膜は、上記した塗膜の粗面化による親水性向上と親水性樹脂由来の親水性が併合された良好な親水性、及び、エステル基を有するウレタン樹脂に由来する耐食性と耐色落ち性を兼ね備える。
上記のような組成でエステル基を有するウレタン樹脂と親水性樹脂、及び、必要に応じて、顔料、各種添加剤、水または水を主成分とする溶媒を配合して混合することにより、本発明の塗料組成物が調製される。
そして、この塗料組成物を基材13の表面に塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成し、この塗膜を加熱炉で焼付けすることにより、塗膜14を得ることができる。
このように、本発明の塗料組成物によれば、1回のコーティング工程で上記効果を奏する塗膜14が得られるため、この塗膜14を備える各機器や各部材の製造工程を簡略化することができる。
ここでフィン用の板材13にあっては、無処理のもの、リン酸クロメート被膜を形成したもの、または、プライマーとなる樹脂被膜を予め塗装したものなど、いずれの形態であっても差し支えない。
塗料の塗布は通常ロールコーター等の塗布装置を用いて、適当な膜厚になるように塗布される。また、焼付けは、通常の熱風式のオーブン等の加熱炉で行われる。焼付けの温度と時間は、配合されている樹脂によって異なってくるが、その配合に於いて親水性、密着性などの特性を踏まえて決定される。塗膜の焼付けは、例えば、200℃以上300℃未満の板到達温度で5秒以上保持することにより行うことができる。
本発明のアルミニウムフィン材10において、塗膜14の塗膜重量は0.3g/m以上とされる。塗膜重量が0.3g/m未満であると、塗膜14が薄すぎるために耐食性が低下するおそれがある。なお、塗膜14の塗膜重量の上限は特に制限されないが、塗膜重量が5.0g/mを超えると、塗膜14をそれ以上厚膜化しても耐食性等の各種特性に変化はなく、厚膜化によりコストの上昇に繋がる。そのため、塗膜14の塗膜重量は0.3g/m〜5.0g/mの範囲とすることが好ましい。
以上により、本発明に係るアルミニウムフィン材10を得ることができる。
本発明のアルミニウムフィン材10は、本発明の塗料組成物より形成された塗膜14を備えることにより、良好な耐食性と水濡れ性を兼ね備える。また、塗膜14が顔料を含有する場合にも、塗膜14表面に付着した結露水に顔料が溶け出すことを抑制できる。
図3は、本発明のアルミニウムフィン材10を備えた熱交換器の一例を示した斜視図である。
図3に示す熱交換器20は、図1及び図2に示すアルミニウムフィン10と、複数の伝熱管30とを備えたものである。アルミニウムフィン材10は、一定の間隔で平行に並べられており、アルミニウムフィン材10の相互間に空気が流動するようになっている。伝熱管30は、アルミニウムフィン材10のフレア11を貫通しており、その内部を冷媒が流動するようになっている。
図3に示す熱交換器20は、図1及び図2に示すアルミニウムフィン材10を備えているので、アルミニウムフィン材10の表面(塗膜14の表面)に付着した水が容易に濡れ広がって流れ落ち、水滴が発生し難い。このため、アルミニウムフィン材10の隣合う壁面同士の間に、水のブリッジが形成されるのが抑えられ、空気の通風抵抗を小さく抑えることができる。そのため、長期にわたって使用した場合でも熱交換能力が低下しにくいものとなる。
また、アルミニウムフィン材10は表面を良好な耐食性を有する塗膜14で被覆されているため、本発明の熱交換器20も良好な耐食性を有する。
さらに、被膜14が顔料を含有して意匠性を備え、且つアルミニウムフィン材10の表面に結露水が付着した場合でも、上述の説明の如く被膜14中の顔料が結露水へと溶出することが抑制されているため、結露水中の着色が抑制された熱交換器20を提供できる。
以上、本発明に係るアルミニウムフィン材及び熱交換器の実施形態について説明したが、上記したアルミニウムフィン材および熱交換器を構成する各部は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の各実施例及び各比較例において、塗料組成物に添加する各材料の添加量は、ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対する重量部で示した。
「評価方法」
以下の各実施例及び各比較例における評価は下記の手法で行った。
(1)水濡れ性
塗膜が形成されたアルミニウム板(フィン材)を、冷却器によって15℃に保持した状態で、湿度90%温度40℃の恒温恒湿槽に10分間静置し、その際の結露状態を目視にて観察した。この観察結果を図5及び以下に示す基準に従い評価した。評価点が高いほど水濡れ性が良好であることを示す。なお、評価点4点以上で水濡れ性が良好、評価点3点で実用レベルである。
1点:水滴が多量発生している
2点:水滴が少量発生している
3点:水膜はあるが、水滴も少量発生している
4点:水膜が途切れている箇所があるが、水滴は発生していない
5点:塗膜全面に途切れのない水膜がある
(2)耐食性
塗膜が形成されたアルミニウム板(フィン材)に、5%NaClを50℃において1000時間噴霧するSST(塩水噴霧試験)を行った。試験後のフィン材の腐食面積率を求め、JIS H8681−1980に規定する方法に準拠してレーティングを行った。レーティングナンバーが10に近いほど耐食性が良好であることを示す。なお、レイティングナンバーが9.8以上で耐食性が良好であり、9.3以上で実用レベルである。
(3)耐色落ち性(色落ちb値)
頭部の先端面に厚さ5mm直径30mmのシリコーンゴム製シートを貼り付けた550gのハンマーを用意し、シリコーンゴム製シートにより被覆されたハンマー頭部の先端面を覆うようにキムワイプS−200(日本製紙クレシア社製)を8枚重ねて巻きつけた。次に、このキムワイプを水で湿らせて、ハンマーの自重のみが塗膜表面にかかるようにハンマー頭部先端面を塗膜表面に接触させ、塗膜表面(幅30mm長さ200mmの領域)をハンマー頭部を1往復させてキムワイプで擦ることを塗膜上の5箇所で行った。その後、キムワイプの色移り部分(擦り部)と、擦り部でない部分の色調を色差計(色彩色差計CR400、コニカミノルタセンシング社製)を用いてLab表色系で測定した。得られた擦り部のb値から擦り部でない部分のb値を差し引くことにより、色落ちb値を求めた。色落ちb値が負であるほど青みが強く、色落ちが大きいことを示す。色落ちb値が0に近いほど耐色落ち性が良好であることを示す。なお、色落ちb値が−1.0以上で耐色落ち性が良好であり、-3.0以上で実用レベルである。
(実施例1)
エステル基を有するウレタン樹脂(ADEKA社製アデカボンタイターHUX320)100重量部、親水性樹脂としてカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製サンローズATP84)10重量部、青色顔料(フタロシアニンブルー)10重量部を水を加えて混合することにより、塗料組成物を調製した。
次に、得られた塗料組成物を、リン酸クロメート処理したJIS規定A1050のアルミニウムからなる板材上にバーコーターを用いて塗膜重量が0.5g/mとなるように塗工し、200℃で30秒間焼付けを行うことにより、塗膜を硬化させた。以上の工程により、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例1のフィン材を作製した。
(実施例2〜8、比較例1〜4)
親水性樹脂の添加量を表1に示す重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗膜を形成し、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例2〜8及び比較例1〜4のフィン材を作製した。
上記で作製した実施例1〜8及び比較例1〜4の各フィン材について、水濡れ性、耐食性、耐色落ち性の評価を行った。結果を表1に併記した。
表1に示す結果から、エステル基を有するウレタン樹脂100重量部に対して、親水性樹脂を10〜80重量部の割合で含有する塗料組成物より形成された塗膜を有する実施例1〜8のフィン材は、良好な水濡れ性、耐食性、耐色落ち性を有することが確認された。これに対し、親水性樹脂の含有量が10重量部未満である比較例1、2のフィン材は、耐食性、耐色落ち性は優れるものの、水濡れ性が低くなっていた。また、親水性樹脂の含有量が80重量部を超える比較例3、4では、水濡れ性は優れるものの、耐食性が低く、耐色落ち性も低下していた。
(実施例9、10、比較例5)
親水性樹脂の含有量を図4の表に示す重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗膜を形成し、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例9、10及び比較例5のフィン材を作製した。
得られた各フィン材について、水濡れ性の評価を行った。また、各フィン材の塗膜の十点表面粗さRz(JIS B0601−1994に準拠)をレーザー顕微鏡を用いて測定した。さらに、各フィン材の塗膜の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。得られた水濡れ性の評価結果と十点表面粗さRzを、塗膜表面のSEM写真と共に図4に示す。
図4に示す結果より、親水性樹脂を所定範囲で含有する本発明の塗料組成物より形成された塗膜を有する実施例9、10のフィン材は、塗膜表面の十点表面粗さRzが大きく、塗膜表面が粗面化しており、親水性が向上して水濡れ性が良好となっていた。これに対し、親水性樹脂の含有量が本発明の所定範囲を外れている比較例5のフィン材は、塗膜表面の十点表面粗さRzが小さく、水濡れ性が低くなっていた。
(実施例11〜19、比較例6、7)
エステル基を有するウレタン樹脂(ADEKA社製アデカボンタイターHUX320)100重量部、親水性樹脂としてカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製サンローズAPP84)24重量部、青色顔料(フタロシアニンブルー)10重量部を水を加えて混合することにより、塗料組成物を調製した。
次に、得られた塗料組成物を、リン酸クロメート処理したJIS規定A1050のアルミニウムからなる板材上にバーコーターを用いて表2記載の塗膜重量となるように塗工し、200℃で30秒間焼付けを行うことにより、塗膜を硬化させた。以上の工程により、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例11〜19及び比較例6、7のフィン材を作製した。
(実施例20)
顔料を添加せずに塗料組成物を調製し、塗膜重量が0.8g/mとなるように塗膜を形成したこと以外は、実施例11〜19及び比較例6、7と同様にして、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例20のフィン材を作製した。
上記で作製した実施例11〜20及び比較例6、7の各フィン材について、水濡れ性、耐食性、耐色落ち性の評価を行った。結果を表2に併記した。なお、表2において、意匠性とは塗膜の着色の有無を反映しており、塗膜が着色されたものは意匠性が有りと判定した。
表2に示す結果から、塗膜重量が0.3g/m以上の塗膜が形成された実施例11〜20のフィン材は、良好な水濡れ性、耐食性、耐色落ち性を有することが確認された。これに対し、塗膜重量が0.3g/m未満の塗膜が形成された比較例6、7のフィン材は、耐色落ち性は優れるものの、水濡れ性及び耐食性が低くなっていた。
(実施例21〜24、比較例8、9)
ウレタン樹脂の種類を表3記載の樹脂に変更し、親水性樹脂の添加量を同表記載の重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗膜を形成し、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例21〜24及び比較例8、9のフィン材を作製した。
作製した実施例21〜24及び比較例8、9の各フィン材について、水濡れ性、耐食性、耐色落ち性の評価を行った。結果を表3に併記した。
表3に示す結果から、エステル基を有するウレタン樹脂と親水性樹脂を所定範囲で含有する塗料組成物より形成された塗膜を有する実施例21〜24のフィン材は、良好な水濡れ性、耐食性、耐色落ち性を有することが確認された。これに対し、本発明所定以外の樹脂骨格を有するウレタン樹脂と親水性樹脂を含有する塗料組成物より形成された塗膜を有する比較例8、9のフィン材は、耐食性と耐色落ち性は優れるものの、水濡れ性が著しく劣っていた。
(実施例25〜34、比較例10、11)
親水性樹脂の種類と添加量を表4記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして塗膜を形成し、アルミニウム板材の表面上に塗膜が形成された実施例25〜34、比較例10、11のフィン材を作製した。
作製した実施例25〜34、比較例10、11の各フィン材について、水濡れ性、耐食性、耐色落ち性の評価を行った。結果を表4に併記した。
表4に示す結果から、親水性樹脂として、水溶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムのいずれかを含む塗膜を有する実施例25〜34のフィン材は、良好な水濡れ性、耐食性、耐色落ち性を有することが確認された。特に、親水性樹脂として水溶性セルロースを含む塗膜を有する実施例25〜30のフィン材は、水濡れ性、耐食性、耐色落ち性の全てがバランスよく優れていた。これに対し、親水性樹脂として親水性の低いアクリル変性エポキシ樹脂を含む塗膜を有する比較例10、11のフィン材は、耐食性と耐色落ち性は優れるものの、水濡れ性が著しく劣っていた。
10…アルミニウムフィン材、12…スリット、13…板材、14…塗膜、20…熱交換器、30…伝熱管。

Claims (5)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に塗布される塗料組成物であって、
    エステル基を有するウレタン樹脂100重量部と、親水性樹脂10〜80重量部を含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. 前記親水性樹脂が水溶性セルロースであることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板材と、この板材の表面に請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物から形成された塗膜を備えてなり、前記塗膜重量が0.3g/m以上であることを特徴とするアルミニウムフィン材。
  5. 請求項4に記載のアルミニウムフィン材を備えてなることを特徴とする熱交換器。
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