JP5661866B2 - アルミニウム製フィン材 - Google Patents
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Description
<フィン材>
図1に示すように、本発明に係るアルミニウム製フィン材(以下、フィン材と称す)10Aは、アルミニウム板またはアルミニウム合金板(以下、アルミニウム板と称す)1と、アルミニウム板1の表面に形成された親水性皮膜層2と潤滑性皮膜層3とをこの順に備えるものである。そして、フィン材10Aは、純水を滴下したときの接触角が所定範囲であり、バウデン式付着滑り試験機を用いて測定したときの摩擦係数が所定範囲である。また、潤滑性皮膜層3は潤滑性樹脂と架橋剤6とを含む樹脂組成物からなり、潤滑性樹脂と架橋剤6の合計固形分に占める架橋剤6の固形分比率が0.2〜70質量%であって、親水性皮膜層2はカルボキシル基を有する重合体等を含む樹脂組成物からなるものである。以下、各構成について説明する。
フィン材10Aの接触角は、以下の親水性サイクル試験後に測定され、80°未満、好ましくは70°未満である。そして、接触角が80°未満であると、フィン材10Aの親水性が向上する。
親水性サイクル試験は、フィン材10Aを、流量が0.1L/分である流水に8時間浸漬し、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして、25サイクル行う。そして、親水性サイクル試験後、フィン材10Aを室温に戻して、表面に約0.5μLの純水を滴下し、市販の接触角測定器を用いて接触角を測定する。なお、流水には、水道水の場合と、純水(イオン交換水)の場合のそれぞれについて測定する。
フィン材10Aの摩擦係数は、バウデン式付着滑り試験機を用いて、無塗油、荷重0.2kgf、移動速度4mm/秒の条件で測定され、0.2未満、好ましくは0.15未満である。そして、摩擦係数が0.2未満であると、熱交換器のフィン製造の際にフィン材10Aの加工性(摩擦係数およびプレス加工性)が向上する。
本発明に用いられるアルミニウム板1は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板材である。これらアルミニウムまたはアルミニウム合金としては特に限定しないが、例としては、熱伝導性および加工性が優れることから、JIS H4000に規定する合金種1000系のアルミニウム、特に、合金番号1200のアルミニウムが好適に使用される。アルミニウム板1の板厚は0.06〜0.3mmのものが好ましい。アルミニウム板1の板厚が0.06mm未満では、フィン材10として必要とされる強度を確保することができない。一方、板厚が0.3mmを超えるとフィン材10Aとしての加工性が低下する。
親水性皮膜層2は、アルミニウム板1の表面に形成されるものであり、フィン材10Aの親水性を向上させる。親水性皮膜層2は、カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体を含む樹脂組成物(親水性樹脂組成物)、または、カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体を含む樹脂組成物、または、前記重合体と前記共重合体の混合物を含む樹脂組成物からなる。そして、前記重合体および前記共重合体の種類は、少なくともカルボキシル基を有する単量体が含まれれば、限定されるものではない。
潤滑性皮膜層3は、親水性皮膜層2の表面(アルミニウム板1と反対側の表面)に形成されるものであり、フィン材10Aの親水性を向上させる。また、潤滑性皮膜層3は、皮膜層を構成する潤滑性樹脂によって摩擦係数が低減するため、熱交換器のフィン製造時の加工性(摩擦係数およびプレス加工性)を向上させる。潤滑性皮膜層3は、潤滑性樹脂と架橋剤とを含む樹脂組成物(潤滑性樹脂組成物)からなる。
図2に示すように、フィン材10Bは、アルミニウム板1と親水性皮膜層2との間に、耐食性樹脂を含む樹脂組成物(耐食性樹脂組成物)からなる耐食性皮膜層5をさらに備えることが好ましい。
耐食性皮膜層5は、フィン材10Bの耐食性を高めると共に、親水性皮膜層2の密着性を向上させる。また、この耐食性皮膜層5は疎水性であるため、アルミニウム板1に水が浸透して、皮膜下腐食(アルミニウム板1の腐食)によって不快な臭気を発生するのを抑制することができるようになる。
図3に示すように、フィン材10Cは、アルミニウム板1と親水性皮膜層2との間に、化成処理皮膜層4を備えることが好ましい。
化成処理皮膜層4が存在することで、フィン材10Cの耐食性が向上すると共に、親水性皮膜層2のアルミニウム板1に対する密着性がより向上する。そのため、熱交換器の耐久性を高めることができる。そして、化成処理皮膜層4は、親水性皮膜層2を形成する前に、アルミニウム板1の表面を化成処理することによって形成される。
図4に示すように、フィン材10Dは、化成処理皮膜層4と親水性皮膜層2との間に、前記耐食性皮膜層5を備えてもよい。これにより、フィン材10Dの耐食性を高めると共に、化成処理皮膜層4と親水性皮膜層2との密着性を向上させる。
フィン材の製造方法としては、図1〜図4に示す層構成に従って、例えば、アルミニウム板1、または、表面に化成処理皮膜層4が形成されているアルミニウム板1に対し、耐食性樹脂組成物および親水性樹脂組成物を、バーコーターまたはロールコート装置等を用いて、塗布、乾燥を繰り返し行うことで、耐食性皮膜層5および親水性皮膜層2を形成する。そして、同様に、親水性皮膜層2の表面に潤滑性樹脂組成物を用いて潤滑性皮膜層3を形成する。バーコーターまたはロールコート装置のどちらを使用しても、同等の性能を有するフィン材を作製できるが、生産性の観点から、ロール状のアルミニウム板1等に対し、ロールコート装置等を適用して、連続的に、脱脂、塗装、加熱、及び、巻き取り等を行うことが好ましい。なお、フィン材の製造方法はこれら方法に限られるものではない。
まず、以下の方法により、フィン材を作製した。
従来公知の製造方法により、純アルミニウム系のA1200(JIS H4000)からなるアルミニウム板(板厚0.10mm)を製造した。次に、アルミニウム板をアルカリ性薬剤(日本ペイント社製「サーフクリーナー(登録商標)360」)へ浸漬することにより脱脂を5秒間行った。又、リン酸クロメート液に浸漬してリン酸クロメートの皮膜(Cr換算で30mg/m2)をアルミニウム板表面に形成した。そして、このリン酸クロメート処理を施したアルミニウム板に表1に示す耐食性塗料をバーコーターで塗布して焼き付けた後、表2に示す親水性塗料をバーコーターで塗布して焼き付けた。次に、親水性皮膜層の表面に、表3に示す潤滑性塗料をバーコーターで塗布して焼き付けた。
作製したフィン材(試料1〜42)を、流量が0.1L/分である流水に8時間浸漬した後、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして、25サイクル行った。この親水性サイクル試験を実施した後、作製したフィン材(試料1〜42)を室温に戻して、表面に約0.5μLの純水を滴下し、接触角測定器(協和界面科学社製:CA−05型)を用いて接触角を測定した。流水には水道水の場合と、純水(イオン交換水)の場合のそれぞれについて測定した。評価基準は以下の通りとした。接触角が70°未満を良好(○)、接触角が70°以上80°未満を概ね良好(△)、接触角が80°以上を不良(×)とした。
作製したフィン材(試料1〜42)を、バウデン式付着滑り試験機を用い、無塗油、荷重0.2kgf、移動速度4mm/秒の条件で摩擦係数を測定した。評価基準は、摩擦係数が0.15未満では特に良好(◎)、0.15以上0.2未満では良好(○)、0.2以上0.35未満ではやや不良(△)、0.35以上では不良(×)とした。
作製したフィン材(試料1〜42)にドローレス成形によるプレス加工、またはドロー成形によるプレス加工を施してフィンを作製し、連続1万ショットを実施後のフィンのカラー部の成形性を目視にて確認することによって評価した。
成形後のフィンのカラー部の内面に焼き付き等の成形不具合が全く確認されない場合を良好(○)、カラー部の内面に軽微な焼き付き等の成形不具合が確認される場合を概ね良好(△)、カラー部の内面の全面に焼き付き等の成形不具合が確認される場合を不良(×)とした。なお、ドローレス成形およびドロー成形の少なくとも一方の評価が概ね良好(△)以上を、プレス加工性において合格とした。
2 親水性皮膜層
3 潤滑性皮膜層
4 化成処理皮膜層
5 耐食性皮膜層
6 架橋剤
10A、10B、10C、10D フィン材
Claims (5)
- アルミニウム板またはアルミニウム合金板の表面に親水性皮膜層と潤滑性皮膜層とをこの順に備えるアルミニウム製フィン材であって、
前記親水性皮膜層は、カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体、カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体、または、それらの混合物である親水性樹脂を含む樹脂組成物からなり、
前記潤滑性皮膜層は、少なくともポリエチレングリコールを含む潤滑性樹脂と、前記親水性樹脂の前記カルボキシル基と架橋する架橋剤とを含み、前記潤滑性樹脂と前記架橋剤の合計固形分に占める前記架橋剤の固形分比率が0.2〜70質量%である樹脂組成物からなり、
流量が0.1L/分である水道水に8時間浸漬し、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして25サイクル行った後、室温に戻して表面に0.5μLの純水を滴下したときの接触角、および、流量が0.1L/分である純水に8時間浸漬し、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして25サイクル行った後、室温に戻して表面に0.5μLの純水を滴下したときの接触角がいずれも80°未満であり、
バウデン式付着滑り試験機を用い、無塗油、荷重0.2kgf、移動速度4mm/秒の条件で測定したときの摩擦係数が0.2未満であることを特徴とするアルミニウム製フィン材。 - 前記架橋剤は、水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、および、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム製フィン材。
- 前記アルミニウム板または前記アルミニウム合金板と、前記親水性皮膜層との間に耐食性皮膜層をさらに備え、
前記耐食性皮膜層は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、および、ウレタン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の耐食性樹脂を含む樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム製フィン材。 - 前記アルミニウム板または前記アルミニウム合金板と、前記親水性皮膜層との間に化成処理皮膜層をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム製フィン材。
- 前記化成処理皮膜層と前記親水性皮膜層との間に耐食性皮膜層をさらに備え、
前記耐食性皮膜層は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、および、ウレタン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の耐食性樹脂を含む樹脂組成物からなることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム製フィン材。
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