JP2012130218A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータとロータを備える回転電機において、ブリッジの機械的強度を確保しつつ磁気遮断特性を向上させるとともに、組付け誤差を許容することが可能な回転電機を提供することを目的とする。
【解決手段】回転電機1は、ステータ2と、当該ステータ2に対して回転可能に支持されたロータ3とを備える。ロータ3は、外周磁極部23と磁石間磁極部22bとを橋絡するブリッジ24が形成されたロータコア20と、磁石挿入孔21に挿入される磁石30と、磁石挿入孔21に磁石30を固定する固定手段40とを有する。固定手段40は、挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに磁石外側面31の部分を接着した接着面31aを除いた非接着面31bと挿入孔外側面21aとの間に隙間を形成するように、磁石挿入孔21に磁石30を固定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁石を配置されたロータを備える回転電機に関する。
ハイブリッド車両や電気自動車に搭載される回転電機には、コイルが巻装されたステータと、磁石を有するロータがステータの内周側に配置された磁石埋込型モータがある。例えば特許文献1には、多数枚の電磁鋼板を積層して形成されるロータコアに磁石挿入孔を設け、その磁石挿入孔に磁石を挿入して接着剤により固定するロータが開示されている。ここで、ロータコアに磁石挿入孔を設けたことにより、磁石挿入孔の径方向外側に位置する外周磁極部の両端には、隣り合う磁石挿入孔の間に位置する磁石間磁極部と橋絡されるブリッジが形成される。このブリッジは、ステータに対してロータが回転すると、磁石および外周磁極部に作用する遠心力により曲げモーメントが加えられることになる。そのため、ブリッジには、この曲げモーメントにより発生する内部応力が許容応力を超えないように、所定の機械的強度が必要とされる。
一方、ブリッジは、回転電機の動作特性上では磁石から出た磁束の通過(漏れ磁束)を抑制し、橋絡した外周磁極部と磁石間磁極部との間の磁気遮断特性が高いことが好適である。そのため、ロータコアは、ブリッジにおける機械的強度を確保しつつ磁気遮断特性を高めるという相反条件を考慮して、ブリッジの断面形状や断面積が設定される必要がある。そこで、例えば特許文献2には、ブリッジにおける磁気特性を変化させることにより漏れ磁束の低減を図るロータが開示されている。このロータでは、ブリッジを構成する電磁鋼板の部位に対して厚さを低減するように陥没加工を行い、これに伴う残留応力によりブリッジの磁気特性を積極的に低下させている。
特開2007−74899号公報 特開2006−325297号公報
また、回転電機のロータは、ロータコアの磁石挿入孔に磁石を挿入して固定する際に、製造上の組付け誤差などにより磁石が磁石挿入孔における所定位置からずれて固定されることがある。そうすると、ロータが回転した際に磁石に作用する遠心力により、外周磁極部の両端に位置するブリッジに対して偏った曲げモーメントが加えられることがある。そのため、ブリッジは、偏った曲げモーメントにより発生する内部応力にも耐えられるように、均等に曲げモーメントが加えられた場合と比して高い許容応力となる機械的強度を要求される。よって、回転電機のロータは、磁石の組付け誤差を考慮してブリッジの断面形状または断面積を設定する必要があった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、ステータとロータを備える回転電機において、ブリッジの機械的強度を確保しつつ磁気遮断特性を向上させるとともに、組付け誤差を許容することが可能な回転電機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ステータと、当該ステータに対して回転可能に支持されたロータとを備える回転電機であって、
前記ロータは、前記ロータの周方向に等間隔で複数の磁石挿入孔が設けられ、各前記磁石挿入孔の径方向外側に位置する外周磁極部の両端と、隣り合う前記磁石挿入孔の間に位置する磁石間磁極部とをそれぞれ橋絡するブリッジが形成されたロータコアと、複数の前記磁石挿入孔にそれぞれ挿入される磁石と、前記磁石挿入孔の内周面のうち径方向外側に位置する挿入孔外側面の周方向中央部に前記磁石の外周面のうち前記挿入孔外側面と対向する磁石外側面の部分を接着した接着面を除いた非接着面と前記挿入孔外側面との間に隙間を形成するように、前記磁石挿入孔に前記磁石を固定する固定手段と、を有する。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記ロータコアの前記外周磁極部には、前記挿入孔外側面の前記周方向中央部において径方向内側に向かって突出した突部が形成され、前記固定手段は、前記挿入孔外側面のうち前記突部により形成される前記周方向中央部に前記磁石外側面を接着して前記磁石挿入孔と前記磁石を固定する。
請求項3に係る発明は、請求項1または2において、前記固定手段は、接着剤であるものとしている。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項において、前記磁石外側面の前記接着面の周方向幅は、前記磁石外側面の周方向幅に対して1/3〜2/3の範囲に設定されている。
請求項1に係る発明によれば、ロータの磁石は、固定手段により、磁石挿入孔における挿入孔外側面の周方向中央部に磁石外側面を接着されて磁石挿入孔に固定される。磁石挿入孔に固定された磁石は、ロータが回転した際に磁石に作用する遠心力を磁石挿入孔に接着された部位により支承される。ここで、例えば、磁石挿入孔に磁石を挿入して固定する際に、磁石が磁石挿入孔における所定位置からずれて固定されることがある。このような場合に、磁石の重心のずれや磁石外周面と挿入孔外側面との距離が一定でなくなることがある。そうすると、従来のように、例えば磁石外周面の全面に塗布された接着剤により磁石挿入孔に磁石が固定される構成においては、外周磁極部により支承される遠心力の荷重中心位置が周方向中央部からずれることになる。これにより、外周磁極部の両端に位置するブリッジに対して偏った曲げモーメントが加えられることになる。
これに対して、本発明は上記のように、固定手段が磁石挿入孔における挿入孔外側面の周方向中央部に磁石外側面を接着している。ここで、ロータコアにおいて外周磁極部が磁石挿入孔の挿入孔外側面を構成することから、外周磁極部の周方向中央部は外周磁極部の周方向中央部に相当する。つまり、磁石は、外周磁極部の周方向中央部に接着される構成となっている。そして、このような外周磁極部と磁石の位置関係により、ロータが回転した際に磁石に作用する遠心力は、磁石と接着された外周磁極部の周方向中央部により支承されることになる。これは、磁石が磁石挿入孔における所定位置からずれて固定された場合においても同様に、接着された磁石外側面の接着面が挿入孔外側面の周方向中央部に支承されることになる。これにより、外周磁極部の両端に位置するブリッジには、従来と比較して均等に曲げモーメントが加えられるので、平均的な内部応力が発生することになる。よって、従来と比較して許容応力が低い機械的強度とし、磁気遮断特性を向上させるように、ブリッジの断面形状または断面積を設定することができる。従って、ブリッジの機械的強度を確保しつつ磁気遮断特性を向上させることができる。
また、固定手段は、磁石外側面のうち挿入孔外側面の周方向中央部に接着される接着面を除く非接着面と挿入孔外側面との間に隙間を形成している。このような隙間を設けることにより磁石が磁石挿入孔の所定位置からずれて固定されて場合にも同様に、挿入孔外側面の周方向中央部において磁石に作用する遠心力を確実に支承することができる。また、磁石が磁石挿入孔において傾斜して固定される場合に、磁石の端部が非接着状態で磁石挿入孔の内周面に当接することを防止できる。よって、ブリッジには従来と比較して均等に内部応力が発生することなり、組付け誤差を許容することが可能となる。従って、ブリッジの断面形状または断面積を磁気遮断特性が向上するように設定することができるので、回転電機の性能を向上できる。
請求項2に係る発明によれば、固定手段は、外周磁極部の突部により形成される前記挿入孔外側面の周方向中央部に磁石外側面を接着する。これにより、磁石を外周磁極部における周方向中央部に確実に接着することができる。さらに、突部における径方向内側への突出量を適宜設定することにより、磁石外周面の非接着面と挿入孔外側面との間に隙間を形成することができる。これにより、磁石挿入孔に磁石を挿入して固定する際の組付け誤差をより確実に許容することができる。よって、外周磁極部の両端に位置するブリッジには、従来と比較して均等に内部応力が発生するようにできるので、ブリッジの断面形状または断面積を適宜設定しロータの磁気特性を向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、固定手段は、挿入孔外側面の周方向中央部に接着剤により磁石外周面を接着する。この時、固定手段は、挿入孔外側面と磁石外周面の非接着面との間に隙間が形成されるように接着剤の層厚を設定している。これにより、磁石挿入孔に磁石を挿入して固定する際の組付け誤差をより確実に許容することができる。よって、上述したようにロータの磁気特性を向上させることができるので、回転電機の性能を向上できる。
請求項4に係る発明によれば、磁石外側面の接着面の周方向幅は、磁石外側面の周方向幅に対して1/3〜2/3の範囲に設定されている。接着面の周方向幅は、その接着面積に比例して接着力が変化するため、幅広にするほど接着力が向上する。一方で、外周磁極部の両端に位置するブリッジに発生する内部応力をなるべく均等にするためには、接着面の周方向幅を幅狭にすることが好ましい。そこで、本発明のようにすることで、少なくとも必要とされる接着力を確保しつつ、挿入孔外側面の周方向中央部に確実に接着することができる。
第一実施形態:IPMモータの回転軸方向から見た部分平面図である。 図1の一部を示す拡大図である。 図1のA−A断面図である。 第二実施形態:IPMモータの回転軸方向から見た部分平面図である。
以下、本発明の回転電機を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。また、本発明における回転電機は、永久磁石埋込型モータ(以下、「IPM(Interior Permanent Magnet)モータ」と称する)として説明する。
<第一実施形態>
(IPMモータ1の構成)
本実施形態において、本発明のIPMモータ1について、図1〜図3を参照して説明する。IPMモータ1は、図1に示すように、ステータ2と、ロータ3とを備える。ステータ2は、円筒状のステータコア10とコイル(図示しない)を有する。ステータコア10は、電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成されている。このステータコア10は、周方向に所定ピッチで複数のティース11が形成されている。そして、ステータ2は、各ティース11に巻装されたコイルに電流を流すことにより、ステータ2の内部に磁界を形成している。
ロータ3は、ロータコア20と、永久磁石30(本発明の「磁石」に相当する)と、接着シート40(本発明の「固定手段」に相当する)と、エンドプレート50を有する。ロータ3は、ステータ2の内側にエアギャップを介在させ、ステータ2に対して回転自在に設けられている。ロータ3は、ステータ2のコイルに電流が流されることにより磁極となったステータコア10のティース11から磁力を受けて、図示しない回転軸の軸心を中心に回転する。これにより、IPMモータ1は、所定のトルクを回転軸から出力する。
ロータコア20は、電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成されている。ロータコア20は、磁石挿入孔21と、ロータコア本体22と、外周磁極部23と、ブリッジ24を有する。磁石挿入孔21は、ロータコア20においてロータ3の周方向に所定ピッチで軸方向に複数貫設されている。磁石挿入孔21の内周面のうちロータ3の径方向外側に位置する面を挿入孔外側面21aとしている。さらに、この挿入孔外側面21aのうち接着シート40により永久磁石30を接着される部位を周方向中央部21bとしている。ロータコア本体22は、磁石挿入孔21のロータ3における径方向内側の内周部22aと、隣り合う磁石挿入孔21の間に位置し内周部22aの外側からロータコア20の周面の一部を構成する磁石間磁極部22bとからなる。この磁石間磁極部22bは、磁石挿入孔21に永久磁石30が挿入されることにより磁極となる。
外周磁極部23は、ロータコア20において、磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30のロータ3における径方向外側に位置し、磁石挿入孔21の挿入孔外側面21aを形成する部位である。外周磁極部23は、磁石挿入孔21に永久磁石30が挿入されることにより磁極となる。また、この外周磁極部23は、挿入孔外側面21aの周方向中央部21bにおいて径方向内側に向かって突出した突部23aが形成されている。この突部23aにより形成される挿入孔外側面21aの一部が周方向中央部21bに相当する。
ブリッジ24は、外周磁極部23の両端と、磁石挿入孔21の周方向両側に位置する磁石間磁極部22bとをそれぞれ橋絡する部位である。ブリッジ24は、このようにロータコア本体22の磁石間磁極部22bと外周磁極部23とを連結し、ロータコア本体22および外周磁極部23と共に磁石挿入孔21を形成している。そして、このブリッジ24は、ロータ3の径方向厚みを外周磁極部23よりも薄肉に形成されている。より具体的には、本実施形態において、ブリッジ24は、図2に示すようにロータ3の径方向に薄肉化された薄肉部24aが形成されている。
このブリッジ24の薄肉部24aは、漏れ磁束を低減させるフラックスバリアとして機能するものである。ここで、漏れ磁束とは、磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30による磁束のうち、ブリッジ24を通過し隣の磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30による磁束の一部と短絡する磁束である。漏れ磁束はロータ3の回転駆動に寄与しないため、漏れ磁束を低減させることにより磁気特性の向上を図ることができる。本実施形態において、薄肉部24aは、ロータコア20の周方向外側に向かって先細に形成されている。薄肉部24aの形状は、ロータコア20の直径や永久磁石30磁束密度による磁気回路を考慮して適宜設定される。
また、ブリッジ24は、上述したように外周磁極部23に対して薄肉化し断面積を小さく設定することにより漏れ磁束が抑制されるように磁気特性を高くしている。一方で、ステータ2に対してロータ3が回転すると、永久磁石30および外周磁極部23に作用する遠心力によりブリッジ24には曲げモーメントが加えられることになる。そのため、ブリッジ24には、この曲げモーメントにより発生する内部応力が許容応力を超えないように、所定の機械的強度が必要とされる。このように、ロータコア20は、ブリッジ24における機械的強度を確保しつつ磁気遮断特性を高めるという相反条件を考慮して、ブリッジ24の断面形状や断面積が設定される。
永久磁石30は、平板形状に形成され、厚み方向に磁化されている磁石である。永久磁石30は、ロータコア20の複数の磁石挿入孔21に、隣り合う磁石挿入孔21に挿入される永久磁石30に対して極性が反転するようにそれぞれ挿入される。永久磁石30の外周面のうち、磁石挿入孔21の挿入孔外側面21aと対向する面を磁石外側面31とし、ロータ3の径方向内側に位置する面を磁石内側面32としている。また、磁石外側面31のうち挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに後述する接着シート40により接着される部分を接着面31aとしている。そして、磁石外側面31のうち接着面31aを除いた部分を非接着面31bとしている。ここで、この接着面31aのロータ3における周方向幅Wgは、外周磁極部23に形成された突部23aの周方向幅に対応するが、磁石外側面31の周方向幅Wsに対して1/3〜2/3の範囲に設定される。本実施形態において、この接着面31aの周方向幅Wgは、磁石外側面31の周方向幅Wsに対して1/3程度に設定されている。
接着シート40は、磁石挿入孔21における挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに永久磁石30の磁石外側面31を接着し、磁石挿入孔21に永久磁石30を固定する固定手段である。本実施形態において、接着シート40は、磁石挿入孔21に挿入される前に永久磁石30の接着面31aおよび磁石内側面32に貼付される。そして、磁石挿入孔21に永久磁石30を挿入した後に、ロータコア20を加熱して接着シート40を発泡させることにより接着している。また、接着シート40は、挿入孔外側面21aのうち突部23aにより形成される周方向中央部21bに磁石外側面31を接着することにより、磁石外側面31の非接着面31bと挿入孔外側面21aとの間に隙間を形成している。
エンドプレート50は、図3に示すように、ロータコア20の軸方向両端において、ロータコア20を支持するように取り付けられる板状部材である。このエンドプレート50は、ステータ2から生じるロータコア20の軸方向への磁力線の漏れを防ぐために非磁性材料からなる。そして、両端のエンドプレート50は、ロータコア20を挿通する固定ピン51により一体的に固定される。
(IPMモータ1の作用および効果)
ここで、本実施形態において、上述した構成からなるIPMモータ1の作用および効果について説明する。IPMモータ1の実用状態では、まず、ステータ2のコイルに電流を流すことにより、ステータ2の内部に磁界が形成される。そして、ロータ3は、ステータ2の磁界と、ロータ3に収容された複数の永久磁石30との間の磁気力によりトルクを発生し、ステータ2に対して一定方向に回転駆動する。この時、外周磁極部23と磁石間磁極部22bとを橋絡するブリッジ24には、ロータ3の回転に伴い永久磁石30および外周磁極部23に作用する遠心力により曲げモーメントが加えられる。
ここで、例えば、磁石挿入孔21に永久磁石30を挿入して固定する際に、製造上の組付け誤差などにより永久磁石30が磁石挿入孔21における所定位置からずれて固定されることがある。このような場合に、永久磁石30の重心のずれや磁石外側面31と挿入孔外側面21aとの距離が一定でなくなることがある。そうすると、従来のように、例えば磁石外周面の全面に塗布された接着剤により磁石挿入孔に永久磁石が固定される構成においては、外周磁極部により支承される遠心力の荷重中心位置が周方向中央部からずれることになる。これにより、外周磁極部の両端に位置するブリッジに対して偏った曲げモーメントが加えられることになる。そのため、従来のロータにおいては、偏った曲げモーメントにより発生する内部応力にも両側のブリッジが耐えられる機械的強度を要求されていた。つまり、IPMモータのロータは、永久磁石の組付け誤差を考慮してブリッジの断面形状または断面積を設定する必要があった。
これに対して、本実施形態の固定手段である接着シート40は、磁石挿入孔21における挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに磁石外側面31を接着している。従って、永久磁石30は、外周磁極部23の周方向中央部21bに接着される構成となっている。そして、このような外周磁極部23と永久磁石30の位置関係により、ロータ3が回転した際に永久磁石30に作用する遠心力は、永久磁石30と接着された外周磁極部23の周方向中央部21bにより支承されることになる。これは、永久磁石30が磁石挿入孔21における所定位置からずれて固定された場合においても同様に、接着された磁石外側面31の接着面31aが挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに支承されることになる。これにより、外周磁極部23の両端に位置するブリッジ24には、従来と比較して均等に曲げモーメントが加えられるので、平均的な内部応力が発生することになる。よって、従来と比較して許容応力が低い機械的強度とし、磁気遮断特性を向上させるように、ブリッジ24の断面形状または断面積を設定することができる。従って、ブリッジ24の機械的強度を確保しつつ磁気遮断特性を向上させることができる。
また、接着シート40は、磁石外側面31のうち挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに接着される接着面31aを除く非接着面31bと挿入孔外側面21aとの間に隙間を形成している。このような隙間を設けることにより永久磁石30が磁石挿入孔21の所定位置からずれて固定されて場合にも同様に、挿入孔外側面21aの周方向中央部21bにおいて永久磁石30に作用する遠心力を確実に支承することができる。また、永久磁石30が磁石挿入孔21において傾斜して固定される場合に、永久磁石30の端部が非接着状態で磁石挿入孔21の内周面に当接することを防止できる。よって、ブリッジ24には従来と比較して均等に内部応力が発生することなり、組付け誤差を許容することが可能となる。従って、ブリッジ24の断面形状または断面積を磁気遮断特性が向上するように設定することができるので、回転電機であるIPMモータ1の性能を向上できる。
さらに、接着シート40は、外周磁極部23の突部23aにより形成される前記挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに磁石外側面31を接着する。これにより、永久磁石30を外周磁極部23における周方向中央部21bに確実に接着することができる。さらに、突部23aにおける径方向内側への突出量を適宜設定することにより、磁石外側面31の非接着面31bと挿入孔外側面21aとの間に隙間を形成することができる。これにより、磁石挿入孔21に永久磁石30を挿入して固定する際の組付け誤差をより確実に許容することができる。よって、外周磁極部23の両端に位置するブリッジ24には、従来と比較して均等に内部応力が発生するようにできるので、ブリッジ24の断面形状または断面積を適宜設定しロータ3の磁気特性を向上させることができる。
磁石外側面31の接着面31aの周方向幅Wgは、磁石外側面31の周方向幅Wsに対して1/3程度に設定されている。接着面31aの周方向幅Wgは、その接着面積に比例して接着力が変化するため、幅広にするほど接着力が向上する。一方で、外周磁極部23の両端に位置するブリッジ24に発生する内部応力をなるべく均等にするためには、接着面31aの周方向幅Wgを幅狭にすることが好ましい。そこで、本発明のようにすることで、少なくとも必要とされる接着力を確保しつつ、挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに確実に接着することができる。
<第二実施形態>
本実施形態において、本発明のIPMモータ101について、図4を参照して説明する。ここで、本実施形態の構成は、主に、固定手段により磁石挿入孔21に対して永久磁石30を固定する構成が相違する。なお、その他の構成については、第一実施形態と同一であるため、詳細な説明を省略する。以下、相違点のみについて説明する。
(IPMモータ101の構成)
IPMモータ101は、ステータ2と、ロータ103とを備える。ロータ103は、ロータコア120と、永久磁石30と、接着シート140(本発明の「固定手段」に相当する)と、エンドプレート50を有する。ロータ103のロータコア120は、磁石挿入孔21と、ロータコア本体22と、外周磁極部123と、ブリッジ24を有する。
外周磁極部123は、ロータコア120において、磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30のロータ103における径方向外側に位置し、磁石挿入孔21の挿入孔外側面21aを形成する部位である。外周磁極部123は、磁石挿入孔21に永久磁石30が挿入されることにより磁極となる。また、この外周磁極部123は、第一実施形態の外周磁極部23が突部23aを形成されていたのに対して、図4に示すように、ロータ103の径方向に直交するように平面状となっている。ここで、磁石挿入孔21の周方向中央部21bは、上記の外周磁極部123により形成され、磁石挿入孔21に挿入される永久磁石30の接着面31aの周方向幅Wgと等しい幅となる挿入孔外側面21aの一部に相当する。
接着シート140は、磁石挿入孔21における挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに永久磁石30の磁石外側面31を接着し、磁石挿入孔21に永久磁石30を固定する固定手段である。この接着シート140は、磁石外側面31の接着面31aに貼付される接着剤であって、挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに磁石外側面31を接着している。そして、この接着シート140の層厚Dlは、図4に示すように、挿入孔外側面21aと磁石外側面31の非接着面31bとの間に所定の隙間が形成されるように設定されている。
(IPMモータ101による効果)
このような構成からなるIPMモータ101は、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、固定手段である接着シート140は、挿入孔外側面21aの周方向中央部21bに接着剤により磁石外側面31を接着する。この時、接着シート140は、挿入孔外側面21aと磁石外側面31の非接着面31bとの間に隙間が形成されるように接着剤の層厚Dlを設定している。これにより、磁石挿入孔21に永久磁石30を挿入して固定する際の組付け誤差が生じても永久磁石30が磁石挿入孔21に当接することを確実に防止することができる。従って、接着シート140は、組付け誤差を許容することができる。よって、上述したようにロータ103の磁気特性を向上させることができるので、IPMモータ1の性能を向上できる。
<第一、第二実施形態の変形態様>
第一、第二実施形態において、永久磁石30における接着面31aの周方向幅Wgは、磁石外側面31の周方向幅Wsに対して1/3程度に設定されるものとした。これに対して、接着面31aの周方向幅Wgは、少なくとも磁石外側面31の周方向幅Wsよりも小さく設定することで、両側のブリッジ24に加えられる曲げモーメントを均等に近付けることができる。また、上述したように、接着面31aの周方向幅Wgは、幅広にするほど接着力が向上する一方で、曲げモーメントにより両側のブリッジ24に発生する内部応力をなるべく均等にするためには、接着面31aの周方向幅Wgを幅狭にすることが好ましい。このような観点からは、接着面31aの周方向幅Wgは、磁石外側面31の周方向幅Wsに対して1/3〜2/3の範囲に設定されることが好適である。
また、第一、第二実施形態において、IPMモータ1,101は、磁石挿入孔21に永久磁石30を固定する固定手段を、磁石挿入孔21の内周面と永久磁石30の外周面との間に介在させた接着シート40,140とした。回転電機の固定手段としては、ロータコア20,120の外周磁極部23,123が磁石を支持するように、この外周磁極部23,123と永久磁石30とが連結されて固定する構成であれば本発明を適用することができる。
1,101:IPMモータ(回転電機)、 2:ステータ、 3,103:ロータ
10:ステータコア、 11:ティース
20,120:ロータコア、 21:磁石挿入孔、 21a:挿入孔外側面
21b:周方向中央部
22:ロータコア本体、 22a:内周部、 22b:磁石間磁極部
23,123:外周磁極部、 23a:突部、 24:ブリッジ、 24a:薄肉部
30:永久磁石(磁石)、 31:磁石外側面、 31a:接着面
31b:非接着面、 32:磁石内側面、 Wg,Ws:周方向幅
40,140:接着シート(固定手段)、 Dl:層厚
50:エンドプレート、 51:固定ピン

Claims (4)

  1. ステータと、当該ステータに対して回転可能に支持されたロータとを備える回転電機であって、
    前記ロータは、
    前記ロータの周方向に等間隔で複数の磁石挿入孔が設けられ、各前記磁石挿入孔の径方向外側に位置する外周磁極部の両端と、隣り合う前記磁石挿入孔の間に位置する磁石間磁極部とをそれぞれ橋絡するブリッジが形成されたロータコアと、
    複数の前記磁石挿入孔にそれぞれ挿入される磁石と、
    前記磁石挿入孔の内周面のうち径方向外側に位置する挿入孔外側面の周方向中央部に前記磁石の外周面のうち前記挿入孔外側面と対向する磁石外側面の部分を接着した接着面を除いた非接着面と前記挿入孔外側面との間に隙間を形成するように、前記磁石挿入孔に前記磁石を固定する固定手段と、
    を有する回転電機。
  2. 請求項1において、
    前記ロータコアの前記外周磁極部には、前記挿入孔外側面の前記周方向中央部において径方向内側に向かって突出した突部が形成され、
    前記固定手段は、前記挿入孔外側面のうち前記突部により形成される前記周方向中央部に前記磁石外側面を接着して前記磁石挿入孔と前記磁石を固定する回転電機。
  3. 請求項1または2において、
    前記固定手段は、接着剤である回転電機。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、
    前記磁石外側面の前記接着面の周方向幅は、前記磁石外側面の周方向幅に対して1/3〜2/3の範囲に設定されている回転電機。
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