JP2012152054A - 回転電機および風力発電システム - Google Patents

回転電機および風力発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】遠心力による永久磁石の外れを抑制しながら、ロータコアが繰り返し回転される際における耐久性を高め、かつ、永久磁石の側端部から漏れる漏れ磁束を少なくすることが可能な回転電機を提供する。
【解決手段】この発電機1(回転電機)は、複数の第1磁極部241a(241b)と、複数の第2磁極部242a(242b)とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコア24(ロータコア24aおよび24b)を備え、第1磁極部241a(241b)は、永久磁石30(31)の外周側を覆う磁石被覆部243と、永久磁石30(31)の側端面を露出する空隙244と、空隙244に対応するように設けられ、磁石被覆部243と第1磁極部241a(241b)に隣接する第2磁極部242a(242b)とをロータコア24の外周に沿って連結する連結部245とを含む。
【選択図】図2

Description

この発明は、回転電機および風力発電システムに関し、特に、永久磁石を有する複数の第1磁極部と、永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを備える回転電機および風力発電システムに関する。
従来、永久磁石を有する複数の第1磁極部と、永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを備える回転電機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、複数の永久磁石と、永久磁石を含まない複数の鉄心極(第2磁極部)とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成される回転子(ロータコア)を備えるベアリングレスモータ(回転電機)が開示されている。このベアリングレスモータでは、永久磁石の内周側のみが回転子に埋め込まれており、永久磁石の外周側は露出している。
しかしながら、上記特許文献1に開示された回転電機では、永久磁石の外周側が露出しているため、ロータコアが回転された際の遠心力により永久磁石が外周側に外れてしまう場合がある。
そこで、永久磁石が外れるのを抑制するために、ロータコアに永久磁石の外周側の表面と側端面とを覆う部分を設けることが考えられる。
特開2008−178165号公報
しかしながら、ロータコアに永久磁石の外周側の表面と側端面とを覆う部分を設ける場合には、ロータコアが繰り返し回転される際に加わる回転方向の応力(曲げ応力)により、ロータコアの永久磁石の側端面を覆う部分の破損が起こり易いという不都合がある。ここで、このような曲げ応力に対する耐久性を高めるためには、ロータコアの永久磁石の側端面を覆う部分の厚みを大きくする必要がある。しかしながら、この場合には、永久磁石の側端部の外周面と内周面とを結ぶ磁路の磁気抵抗が小さくなるため、永久磁石の側端部から漏れる漏れ磁束が増大するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、遠心力による永久磁石の外れを抑制しながら、ロータコアが繰り返し回転される際における耐久性を高め、かつ、永久磁石の側端部から漏れる漏れ磁束を少なくすることが可能な回転電機を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における回転電機は、永久磁石を有する複数の第1磁極部と、永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを備え、第1磁極部は、永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、永久磁石の側端面を露出する空隙と、空隙に対応するように設けられ、磁石被覆部と第1磁極部に隣接する第2磁極部とをロータコアの外周に沿って連結する連結部とを含む。
この発明の第1の局面による回転電機では、上記のように、第1磁極部を、永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、永久磁石の側端面を露出する空隙と、空隙に対応するように設けられ、磁石被覆部と第1磁極部に隣接する第2磁極部とをロータコアの外周に沿って連結する連結部とを含むように構成する。これにより、磁石被覆部により、ロータコアが回転される際の遠心力によって永久磁石が外周側に外れるのを抑制することができる。また、連結部をロータコアの外周に沿って(ロータコアが繰り返し回転される際に加わる応力(引張応力および圧縮応力)の方向(回転方向)に沿って)設けることにより、ロータコアが繰り返し回転される際において、連結部には引張応力および圧縮応力が加わる一方、引張応力および圧縮応力に比べて破損が起こりやすい曲げ応力が加わりにくくなる。これにより、曲げ応力による連結部の破損を抑制することができるので、ロータコアが繰り返し回転される際における耐久性を高めることができる。また、空隙を永久磁石の側端面を露出するように設けることにより、永久磁石の側端部の外周面と内周面とを結ぶ磁路を長くし、その磁気抵抗を大きくすることができるので、永久磁石の側端部の外周面から内周面へ(または内周面から外周面へ)漏れる漏れ磁束を少なくすることができる。
この発明の第2の局面における風力発電システムは、永久磁石を有する複数の第1磁極部と、永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを含む発電機と、発電機のロータコアに接続されるブレードとを備え、第1磁極部は、永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、永久磁石の側端面を露出する空隙と、空隙に対応するように設けられ、磁石被覆部と第1磁極部に隣接する第2磁極部とをロータコアの外周に沿って連結する連結部とを有する。
この発明の第2の局面による風力発電システムでは、上記のように、発電機のロータコアの第1磁極部を、永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、永久磁石の側端面を露出する空隙と、空隙に対応するように設けられ、磁石被覆部と第1磁極部に隣接する第2磁極部とをロータコアの外周に沿って連結する連結部とを含むように構成する。これにより、磁石被覆部により、ロータコアが回転される際の遠心力によって永久磁石が外周側に外れるのを抑制することができる。また、連結部をロータコアの外周に沿って(ロータコアが繰り返し回転される際に加わる応力(引張応力および圧縮応力)の方向(回転方向)に沿って)設けることにより、ロータコアが繰り返し回転される際において、連結部には引張応力および圧縮応力が加わる一方、引張応力および圧縮応力に比べて破損が起こりやすい曲げ応力が加わりにくくなる。これにより、曲げ応力による連結部の破損を抑制することができるので、ロータコアが繰り返し回転される際における耐久性を高めることができる。また、空隙を永久磁石の側端面を露出するように設けることにより、永久磁石の側端部の外周面と内周面とを結ぶ磁路を長くし、その磁気抵抗を大きくすることができるので、永久磁石の側端部の外周面から内周面へ(または内周面から外周面へ)漏れる漏れ磁束を少なくすることができる。ここで、一般に、風力発電システムは、長期間に渡って使用されるため、高い耐久性が求められる。この場合に、本発明では、ロータコアが繰り返し回転される際における耐久性を高めることができるので、風力発電システムに適した発電機を提供することができる。
本発明の一実施形態による風力発電システムの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態による発電機のステータおよびロータを図1のA方向側から見た図である。 図2の拡大図である。 図3を図1のB方向側から見た拡大図である。 図3および図4の50−50線に沿った断面図である。 図3および図4の150−150線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による発電機のロータコアを構成するコア部を示す図である。 本発明の一実施形態による発電機のロータコアをロータヨークに取り付ける際に用いるナット部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による発電機のロータコアとロータヨークとを締結する手順を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による発電機のロータコアとロータヨークとをキー部材により固定する手順を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態の変形例による風力発電システムの構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による発電機1を含む風力発電システム100の構成について説明する。なお、発電機1は、本発明の「回転電機」の一例である。
図1に示すように、風力発電システム100は、発電機1と、ナセル2と、ロータハブ3と、ブレード4と、タワー(支持柱)5とにより構成されている。発電機1は、ナセル2の内部に収容されている。また、ロータハブ3は、発電機1の後述するシャフト21に接続されている。また、ロータハブ3には、複数のブレード4が取り付けられている。また、ナセル2は、タワー5に取り付けられている。
次に、図2〜図8を参照して、本発明の一実施形態による発電機1の構成について説明する。
図2に示すように、発電機1は、ステータ10と、ロータ20とを備えている。ステータ10は、ロータ20の外周面に対向するように所定の空間(ギャップ)を隔てて配置されている。また、ステータ10は、ロータ20を取り囲む円筒形状を有している。なお、ステータ10は、複数のスロット11aが形成されたステータコア11と、巻線12とにより構成されている。これら複数のスロット11aは、ステータコア11の内周に沿って略等角度間隔で配置されている。巻線12は、スロット11a間に、集中巻または分布巻によって巻回されている。
図2に示すように、ロータ20は、シャフト21と、ロータホイール22と、ロータヨーク23と、ロータコア24とにより構成されている。シャフト21は、ロータホイール22の中央部近傍に設けられるシャフト挿入穴22aに挿入されることにより、ロータ20の中心を貫通してX方向(図1参照)(以下、軸方向と呼ぶ)に延びるように設けられている。また、ロータホイール22は、シャフト21を取り囲むとともに、ロータヨーク23の内周面に接する円板状に形成されている。このロータホイール22には、軸方向に貫通する複数の開口部22bが設けられている。また、ロータヨーク23は、シャフト21を取り囲むとともに、円板状のロータホイール22の外周部に接する内周面を有する円筒形状に形成されている。なお、図5および図6に示すように、円筒形状のロータヨーク23の軸方向の長さLは、円板状のロータホイール22の厚みtよりも大きくなるように構成されている。
ロータコア24は、ロータヨーク23の外周面上に配置される内周面を有する円筒形状を有している。また、ロータコア24は、図5および図6に示すように、軸方向に重なるように積層された複数の電磁鋼板により構成されている。本実施形態では、ロータコア24は、軸方向の中央部において2つに分割されている。すなわち、ロータコア24は、軸方向に重なるように配置されたロータコア24a(A方向(図1参照)側のロータコア24)と、ロータコア24b(B方向(図1参照)側のロータコア24)とにより構成されている。なお、ロータコア24aおよび24bは、本発明の「第1ロータコア」および「第2ロータコア」の一例である。
図2〜図4に示すように、ロータコア24aおよび24bには、それぞれ、複数の永久磁石30および31が回転方向(以下、周方向と呼ぶ)に沿って間隔を隔てて周状に埋め込まれている。具体的には、図2および図3に示すように、ロータコア24aは、永久磁石30を有する第1磁極部241aと、永久磁石30を有さない第2磁極部242aとが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されている。同様に、図4に示すように、ロータコア24bは、永久磁石31を有する第1磁極部241bと、永久磁石31を有さない第2磁極部242bとが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されている。
なお、後述するように、複数の永久磁石30は、共に、半径方向の着磁方向が同一となるように着磁されている。また、複数の永久磁石31は、共に、半径方向の着磁方向が同一(永久磁石30とは反対の着磁方向)となるように着磁されている。一般に、このような半径方向の着磁方向が同一となるように周状に複数の永久磁石30(31)が配置されたロータコア24a(24b)の構造は、コンシクエントポール構造と呼ばれている。
ここで、本実施形態では、図3および図4に示すように、第1磁極部241a(241b)は、永久磁石30の外周側を覆う磁石被覆部243と、永久磁石30の両側端面を露出する2つの空隙244と、2つの空隙244のそれぞれに対応するように設けられる2つの連結部245とを含むように構成されている。
磁石被覆部243の外周側の表面は、軸方向から見て、永久磁石30の中央部に対応する部分を頂部とする凸形状を有するように形成されている。また、空隙244の連結部245に対応する部分の第2磁極部242側の角部244aは、円弧状の断面形状を有するように形成されている。また、連結部245は、磁石被覆部243と、第1磁極部部241a(241b)に隣接する2つの第2磁極部部242a(242b)とをロータコア24a(24b)の外周に沿って連結する薄肉状に形成されている。なお、本実施形態では、連結部245の半径方向の厚みt1は、磁石被覆部243の半径方向の厚みt2よりも小さくなるように構成されている。たとえば、連結部245の半径方向の厚みt1は、約1mm以上約1.5mm以下であるとともに、磁石被覆部243の中央部の半径方向の厚みt2は、約3mm以上約4mm以下である。
また、本実施形態では、図3および図4に示すように、第1磁極部部241a(241b)には、空隙244に連続するように、永久磁石30(31)を取り付けるための孔部246a(264b)が設けられている。この孔部246a(264b)には、永久磁石30(31)の後述する傾斜部30a(31a)と当接することにより係合する一対の係合部247が設けられている。これら一対の係合部247の間の周方向の幅は、ロータコア24a(24b)の内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に小さくなるように構成されている。ここで、永久磁石30(31)は、略台形形状の断面を有するように形成されている。具体的には、永久磁石30(31)の両側端面には、永久磁石30(31)の周方向の幅がロータコア24a(24b)の内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に小さくなるように傾斜部30a(31a)が設けられている。
なお、本実施形態では、ロータコア24aおよび24bは、回転方向に所定の角度(電気角で180°)ずれた状態で軸方向に重なるように配置されている。すなわち、図5および図6に示すように、ロータコア24aおよび24bは、ロータコア24aの第1磁極部241aとロータコア24bの第2磁極部242bとが対応するとともに、ロータコア24aの第2磁極部242aとロータコア24bの第1磁極部241bとが対応するように配置されている。なお、ロータコア24aおよび24bの軸方向の長さは、それぞれ、ロータヨーク23の軸方向の長さLの半分(L/2)である。
また、本実施形態では、ロータコア24aの第1磁極部241aに埋め込まれる永久磁石30と、ロータコア24bの第1磁極部241bに埋め込まれる永久磁石31とは、外周側において互いに異なる極性を有するように着磁されている。具体的には、永久磁石30は、ロータコア24aの外周側においてN極となるように着磁されており、永久磁石31は、ロータコア24bの外周側においてS極となるように着磁されている。
また、本実施形態では、図2〜図4に示すように、ロータコア24a(24b)は、それぞれ、複数のコア部25を含むように周方向に分割可能に構成されている。これら複数のコア部25の各々は、コア部25の外周に沿って隣接する3つの第1磁極部241a(241b)を含むように構成されている。また、これら複数のコア部25は、それぞれ、円筒形状のロータコア24a(24b)を略等角度間隔に分割した略同一の形状を有するように形成されている。具体的には、これら複数のコア部25は、それぞれ、軸方向から見て略円弧形状を有するように形成されている。
また、本実施形態では、図2〜図6に示すように、ロータコア24a(24b)の内周部とロータヨーク23とは、ナット41と、ナット41に螺合するボルト42とにより締結されている。ナット41およびボルト42は、ロータコア24a(24b)の内周部の第2磁極部242a(242b)に対応する部分に配置されているとともに、ロータコア24a(24b)を構成する複数のコア部25の境界部分に配置されている。
ナット41は、図5および図6に示すように、ロータコア24a(24b)の内周部の後述するナット挿入穴25aに挿入され、ロータコア24a(24b)側に軸方向に延びるように配置されている。このナット41は、長さL/2を有する直方体形状(図8参照)に形成されている。また、このナット41には、内面に雌ねじが形成されたねじ孔41aがナット41の延びる方向(軸方向)に沿って複数(本実施形態では、2つ)設けられている。ボルト42は、ロータヨーク23の内周面の後述するボルト挿入穴23aに挿入されるとともに、ロータコア24a(24b)を構成するコア部25の後述する溝部25bを介してナット41のねじ孔41aに螺合するように構成されている。
ナット挿入穴25aは、図3、図4および図7に示すように、ロータコア24a(24b)を構成するコア部25の内周部に複数設けられている。これら複数のナット挿入穴25aの各々は、軸方向から見てナット41と略同じ大きさを有する矩形形状に形成されている。また、溝部25bは、複数のナット挿入穴25aの各々に対応するように複数設けられている。これら複数の溝部25bの各々は、ナット挿入穴25aとロータコア24a(24b)のコア部25の内周面とを接続する溝状に形成されている。なお、本実施形態では、溝部25bの溝幅W1は、ナット挿入穴25aの穴幅W2よりも小さくなるように構成されている。また、複数のナット挿入穴25aおよび溝部25bは、ロータコア24a(24b)の周方向に沿って略等角度間隔で配置されている。また、図5および図6に示すように、複数のナット挿入穴25aおよび溝部25bは、軸方向に沿って延びるように設けられている。
図5および図6に示すように、ボルト挿入穴23aは、円筒形状のロータヨーク23の内周面のうちのロータホイール22からはみ出した部分(ロータホイール22とロータヨーク23とが接している部分以外の部分)に、ロータヨーク23の内周面と外周面とを貫通するように設けられている。このボルト挿入穴23aは、ナット挿入穴25aにナット41が挿入された状態でナット41とボルト42とが螺合可能なように、ナット41の延びる方向(軸方向)に沿って複数(本実施形態では、2つ)設けられている。
なお、本実施形態では、図3、図4および図6に示すように、ロータコア24a(24b)を構成するコア部25の内周面には、軸方向に延びる第1キー挿入溝25cが形成されている。また、ロータヨーク23の外周面には、第1キー挿入溝25cに対応するように第2キー挿入溝23bが形成されている。これら第1キー挿入溝25cおよび第2キー挿入溝23bからなるキー挿入穴60には、平行キーなどからなるキー部材43が挿入されている。このキー挿入穴60は、ロータコア24a(24b)の内周部とロータヨーク23の外周部とが接する部分において、周方向に沿って略等角度間隔(図2参照)で複数配置されている。具体的には、キー挿入穴60は、ロータコア24a(24b)を構成するコア部25の内周部の周方向に沿った方向の中央部近傍に配置されている。
次に、図2〜図10を参照して、本発明の一実施形態による発電機1のロータ20の組み立て手順について説明する。
まず、図2に示すように、シャフト21を円板状のロータホイール22のシャフト挿入穴22aに挿入するとともに、ロータホイール22の外周部に円筒形状のロータヨーク23を取り付ける。
次に、ロータヨーク23の外周面上に、複数のコア部25からなるロータコア24(ロータコア24aおよび24b)を取り付ける。具体的には、略円弧形状の複数のコア部25を、円筒形状のロータヨーク23の外周面上に周状に組み合わせて配置する。これにより、ロータヨーク23の外周面に接する内周面を有する円筒形状の2つのロータコア24aおよび24bを構成する。
なお、このとき、ロータコア24aに埋め込まれた永久磁石30と、ロータコア24bに埋め込まれた永久磁石31とが外周側において互いに異なる極性を有するようにロータコア24aおよび24bを構成する。具体的には、ロータコア24aに埋め込む永久磁石30の外周側の極性をN極とするとともに、ロータコア24bに埋め込む永久磁石31の外周側の極性をS極とするようにロータコア24aおよび24bを構成する。
また、このとき、ロータコア24aとロータコア24bとを回転方向に所定の角度(電気角で180°)ずらした状態で、ロータヨーク23の外周面上にロータコア24aおよび24bを軸方向に重ねて配置する。具体的には、ロータコア24aの第1磁極部241aとロータコア24bの第2磁極部242bとを対応させるとともに、ロータコア24aの第2磁極部242aとロータコア24bの第1磁極部241bとを対応させるように、ロータヨーク23の外周面上にロータコア24aおよび24bを配置する。
次に、ロータコア24a(24b)を構成するコア部25の内周部の溝部25bと、ロータヨーク23の内周面および外周面を貫通するボルト挿入穴23aとの位置を合わせる。また、ロータコア24a(24b)のコア部25の内周部の第1キー挿入溝25cと、ロータヨーク23の外周面の第2キー挿入溝23bとの位置を合わせる。
次に、図9に示すように、ロータヨーク23の外周面上に配置したロータコア24a(24b)の内周部とロータヨーク23とを、ナット41およびボルト42により締結する。具体的には、まず、ロータコア24a(24b)の内周部に軸方向に沿って延びるように設けられたナット挿入穴25aに対して、直方体形状のナット41(図8参照)を軸方向に挿入する。そして、ロータヨーク23のボルト挿入穴23aに対してボルト42をロータヨーク23の内側から挿入する。そして、上記のように位置を合わせたロータヨーク23のボルト挿入穴23aとロータコア24a(24b)のコア部の溝部25bとを介してナット41のねじ孔41aにボルト42を螺合する。
最後に、図10に示すように、上記のように位置を合わせたロータコア24a(24b)の第1キー挿入溝25cおよびロータヨーク23の第2キー挿入溝23bからなるキー挿入穴60に対して、平行キーなどからなるキー部材43を軸方向に挿入する。このようにして、本発明の一実施形態による発電機1のロータ20の組み立てが行われる。
本実施形態では、上記のように、第1磁極部241a(241b)を、永久磁石30(31)の外周側を覆う磁石被覆部243と、永久磁石30(31)の側端面を露出する空隙244と、空隙244に対応するように設けられ、磁石被覆部243と第1磁極部241a(241b)に隣接する第2磁極部242a(242b)とをロータコア24(ロータコア24aおよび24b)の外周に沿って連結する連結部245とを含むように構成する。これにより、磁石被覆部243により、ロータコア24が繰り返し回転される際の遠心力によって永久磁石30が外周側に外れるのを抑制することができる。また、連結部245をロータコア24の外周に沿って(ロータコア24が繰り返し回転される際に加わる応力(引張応力および圧縮応力)の方向(回転方向)に沿って)設けることにより、ロータコア24が繰り返し回転される際において、連結部245には引張応力および圧縮応力が加わる一方、引張応力および圧縮応力に比べて破損が起こりやすい曲げ応力が加わりにくくなる。これにより、曲げ応力による連結部245の破損を抑制することができるので、ロータコア24が繰り返し回転される際における耐久性を高めることができる。
また、空隙244を永久磁石30(31)の側端面を露出するように設けることにより、永久磁石30(31)の側端部の外周面と内周面とを結ぶ磁路を長くするとともに、その磁気抵抗を大きくすることができるので、永久磁石30(31)の側端部の外周面から内周面へ(または内周面から外周面へ)漏れる漏れ磁束を少なくすることができる。ここで、一般に、風力発電システムは、長期間に渡って使用されるため、高い耐久性が求められる。この場合に、本実施形態では、ロータコア24が繰り返し回転される際における耐久性を高めることができるので、風力発電システム100に適した発電機1を提供することができる。
また、本実施形態では、上記のように、連結部245の半径方向の厚みt1(図3および図4参照)を、磁石被覆部243の半径方向の厚みt2(図3および図4参照)よりも小さくする。このように構成すれば、連結部255の厚みと磁石被覆部243の厚みとが同じ場合と比べて、連結部255の厚みが小さくなる分、漏れ磁束の流れる経路となる連結部245の断面積を小さくすることができるので、永久磁石30(31)の側端部から漏れる漏れ磁束をより少なくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、空隙244の連結部245に対応する部分の第2磁極部242a(242b)側の角部244aを、円弧状の断面形状を有するように形成する。このように構成すれば、空隙244の連結部245に対応する部分の第2磁極部242a(242b)側の角部244aを矩形状の断面形状を有するように形成する場合と異なり、連結部245の第2磁極部242a(242b)側の半径方向の厚みを大きくすることができるので、ロータコア24が繰り返し回転される際における耐久性をより高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1磁極部241a(241b)に、空隙244に連続するように、永久磁石24a(24b)を取り付けるための孔部246a(246b)を設け、その孔部246a(246b)に、永久磁石30(31)と係合する係合部247を設ける。このように構成すれば、永久磁石30(31)を孔部246a(246b)に取り付ける際に、永久磁石30(31)と係合部247とを係合させることにより、孔部246a(246b)に対して永久磁石30(31)を強固に固定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、永久磁石30(31)の側端面に、永久磁石30(31)の周方向の幅が内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に小さくなるように傾斜部30aを設け、係合部247を、永久磁石30(31)の傾斜部30aと当接することにより係合するように構成する。このように構成すれば、永久磁石30(31)を係合部247から外れにくくすることができるので、孔部246a(246b)に対して永久磁石30(31)をより強固に固定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、磁石被覆部243の外周側の表面を、軸方向から見て、永久磁石30(31)の中央部に対応する部分の近傍を頂部とする凸形状を有するように形成する。このように構成すれば、磁石被覆部243(ロータコア24の外周部)とステータコアの内周部との間のギャップにおける磁束密度の分布を正弦波状にすることができるので、発電機1の磁気特性を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ロータコア24を、軸方向に重なるように配置したロータコア24aとロータコア24bとにより構成し、ロータコア24aの永久磁石30とロータコア24bの永久磁石31とを、外周側において互いに異なる極性を有するように着磁する。また、ロータコア24aとロータコア24bとを、ロータコア24aの第1磁極部241aとロータコア24bの第2磁極部242bとが対応するとともに、ロータコア24aの第2磁極部242aとロータコア24bの第1磁極部241bとが対応するように回転方向に所定の角度(電気角で180°)ずれた状態で軸方向に重なるように配置する。このように構成すれば、ロータコア24aとロータコア24bとからなるロータコア24には、軸方向から見て、外周側において互いに異なる極性を有するように着磁された永久磁石30および31が1つずつ交互に周状に配置されることになるので、ロータコア24とステータコア11との間のギャップにおいて、軸方向から見てバランスよく磁束を発生させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、磁石被覆部243を、軸方向に重なるように積層した複数の電磁鋼板により構成する。このように構成すれば、電機子反作用により発生する磁束は、磁石被覆部243を構成する各電磁鋼板の延びる方向(軸方向に交差する方向)に沿って流れることになるので、磁石被覆部243の電機子反作用による磁束が流れる部分の断面積を小さくすることができる。これにより、磁石被覆部243において生じる渦電流損を小さくすることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明を風力発電システムの発電機に適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、風力発電システム以外の発電システムに用いられる発電機およびモータなどの回転電機全般に適用可能である。
また、上記実施形態では、連結部の半径方向の厚みが磁石被覆部の半径方向の厚みよりも小さい例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、連結部の半径方向の厚みと磁石被覆部の半径方向の厚みが同じ大きさであってもよい。
また、上記実施形態では、永久磁石の断面形状を略台形形状としたが、本発明はこれに限らない。本発明では、たとえば、永久磁石の断面形状を長方形形状としてもよい。
また、上記実施形態では、孔部に係合部を設け、その係合部に永久磁石を係合させることにより、孔部に永久磁石を取り付ける例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、孔部に係合部を設けずに、接着剤を用いて孔部に永久磁石を取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、ロータコアを、回転方向に所定の角度ずらした状態で軸方向に重ねた2つのロータコアにより構成する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、ロータコアを1つのロータコアにより構成してもよいし、3つ以上のロータコアにより構成してもよい。なお、ロータコアを偶数個のロータコアにより構成すれば、ロータコアとステータコアとの間のギャップにおいて、軸方向から見てバランスよく磁束を発生させることができる。
また、上記実施形態では、ロータヨークとロータコアとをナットおよびボルトにより締結する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、ロータヨークとロータコアとを焼き嵌めにより固定してもよい。
また、上記実施形態では、最後に、ロータコアの第1キー挿入溝およびロータヨークの第2キー挿入溝からなるキー挿入穴に対して、キー部材を軸方向に挿入するとしたが、本発明はこれに限らない。本発明では、まず、ロータヨークの第2キー挿入溝にキー部材を挿入してもよい。この場合、キー部材を第1キー挿入溝に挿入しながら、複数のコア部を、ロータヨークの外周面上に周状に配置する。このとき、コア部の内周部の溝部と、ロータヨークの内周面および外周面を貫通するボルト挿入穴との位置を合わせるように構成する。その後、ロータヨークとロータコアとをナットおよびボルトにより締結する。
また、上記実施形態では、ロータハブが発電機の回転軸に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11に示す変形例による風力発電システム101のように、ロータハブ3と発電機1との間にギアボックス6を設けてもよい。
1 発電機(回転電機)
4 ブレード
24 ロータコア
24a、24b ロータコア(第1ロータコア、第2ロータコア)
25 コア部
30、31 永久磁石
30a 傾斜部
100、101 風力発電システム
241a、241b 第1磁極部
242a、242b 第2磁極部
243 磁石被覆部
244 空隙
244a 角部
245 連結部
246a、246b 孔部
247 係合部
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における回転電機は、永久磁石を有する複数の第1磁極部と、永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを備え、第1磁極部は、永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、永久磁石の側端面を露出する空隙と、空隙に対応するように周方向に延びて設けられ、磁石被覆部と第1磁極部に隣接する第2磁極部とをロータコアの外周に沿って連結する連結部とを含み、空隙の連結部に対応する部分の第2磁極部側の角部は、円弧状の断面形状を有するように形成され、連結部の半径方向の厚みは、磁石被覆部の半径方向の厚みよりも小さく、磁石被覆部の外周側の表面は、軸方向から見て、永久磁石の中央部に対応する部分の近傍を頂部とする凸形状を有するとともに、当該頂部が連結部の外周よりも径方向外側に設けられるように形成され、第2磁極部の外周側の表面は、軸方向から見て、第2磁極部の中央部に対応する部分の近傍を頂部とする凸形状を有するとともに、当該頂部が連結部の外周よりも径方向外側に設けられるように形成され、ロータコアは、複数のコア部を含むように周方向に分割可能に構成されるとともに、第2磁極部において分割可能に構成される
この発明の第2の局面における風力発電システムは、永久磁石を有する複数の第1磁極部と、永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを含む発電機と、発電機のロータコアに接続されるブレードとを備え、第1磁極部は、永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、永久磁石の側端面を露出する空隙と、空隙に対応するように周方向に延びて設けられ、磁石被覆部と第1磁極部に隣接する第2磁極部とをロータコアの外周に沿って連結する連結部とを有し、空隙の連結部に対応する部分の第2磁極部側の角部は、円弧状の断面形状を有するように形成され、連結部の半径方向の厚みは、磁石被覆部の半径方向の厚みよりも小さく、磁石被覆部の外周側の表面は、軸方向から見て、永久磁石の中央部に対応する部分の近傍を頂部とする凸形状を有するとともに、当該頂部が連結部の外周よりも径方向外側に設けられるように形成され、第2磁極部の外周側の表面は、軸方向から見て、第2磁極部の中央部に対応する部分の近傍を頂部とする凸形状を有するとともに、当該頂部が連結部の外周よりも径方向外側に設けられるように形成され、ロータコアは、複数のコア部を含むように周方向に分割可能に構成されるとともに、第2磁極部において分割可能に構成される。

Claims (9)

  1. 永久磁石を有する複数の第1磁極部と、前記永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを備え、
    前記第1磁極部は、前記永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、前記永久磁石の側端面を露出する空隙と、前記空隙に対応するように設けられ、前記磁石被覆部と前記第1磁極部に隣接する前記第2磁極部とを前記ロータコアの外周に沿って連結する連結部とを含む、回転電機。
  2. 前記連結部の半径方向の厚みは、前記磁石被覆部の半径方向の厚みよりも小さい、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記空隙の前記連結部に対応する部分の前記第2磁極部側の角部は、円弧状の断面形状を有するように形成されている、請求項1または2に記載の回転電機。
  4. 前記第1磁極部は、前記空隙に連続するように形成され、前記永久磁石を取り付けるための孔部をさらに含み、
    前記孔部には、前記永久磁石と係合する係合部が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記永久磁石の側端面には、前記永久磁石の周方向の幅が内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に小さくなるように傾斜部が設けられており、
    前記係合部は、前記永久磁石の前記傾斜部と当接することにより係合するように構成されている、請求項4に記載の回転電機。
  6. 前記磁石被覆部の外周側の表面は、軸方向から見て、前記永久磁石の中央部に対応する部分の近傍を頂部とする凸形状を有するように形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記ロータコアは、軸方向に重なるように配置された第1ロータコアと第2ロータコアとを含み、
    前記第1ロータコアの前記永久磁石と前記第2ロータコアの前記永久磁石とは、外周側において互いに異なる極性を有するように着磁されており、
    前記第1ロータコアと前記第2ロータコアとは、前記第1ロータコアの前記第1磁極部と前記第2ロータコアの前記第2磁極部とが対応するとともに、前記第1ロータコアの前記第2磁極部と前記第2ロータコアの前記第1磁極部とが対応するように回転方向に所定の角度ずれた状態で軸方向に重なるように配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 前記磁石被覆部は、軸方向に重なるように積層された複数の電磁鋼板からなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 永久磁石を有する複数の第1磁極部と、前記永久磁石を有さない複数の第2磁極部とが1つずつ交互に周状に配置されることにより構成されるロータコアを含む発電機と、
    前記発電機の前記ロータコアに接続されるブレードとを備え、
    前記第1磁極部は、前記永久磁石の外周側を覆う磁石被覆部と、前記永久磁石の側端面を露出する空隙と、前記空隙に対応するように設けられ、前記磁石被覆部と前記第1磁極部に隣接する前記第2磁極部とを前記ロータコアの外周に沿って連結する連結部とを有する、風力発電システム。
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