JP2012129445A - プリント配線板 - Google Patents

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通晴 林
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千尋 清水谷
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貴一 松井
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Abstract

【課題】過酷な温度変化環境での使用に於いても、耐熱性の高いセラミック基板と同等にチップ部品とプリント配線板の実装パッドとの間に配されたはんだのクラック発生を抑制できるプリント配線板を提供する。
【解決手段】複数の導体層と、当該複数の導体層の層間に配された絶縁層とを有し、当該複数の導体層の内の少なくとも1つの導体層に部品実装領域が形成されたプリント配線板に於いて、当該部品実装領域が形成された導体層の直下に配された絶縁層が、当該プリント配線板の他の絶縁層を構成する樹脂の引張強度以上の引張強度を有する上部樹脂層部と、当該他の絶縁層を構成する樹脂の弾性率より低い弾性率を有する中間樹脂層部と、前記上部樹脂層部よりも高い弾性率を有する下部樹脂層部との3層構造体から成ることを特徴とするプリント配線板。
【選択図】図1

Description

本発明はプリント配線板、特に、厳しい環境変化下に於いても、実装した部品との接続信頼性を保持するプリント配線板に関する。
過酷な温度変化環境での使用が想定される自動車のエンジンルーム等には、従来より、耐熱性の高いセラミック基板が主として使用されているが、近年の低価格化の要求により、プリント配線板(樹脂基板)への代替が検討されている。
しかし、プリント配線板は、実装される部品との熱膨張係数の差に起因して発生する応力により、部品の電極である接続端子とプリント配線板の実装パッドとの間に配したはんだにクラックが発生するという不具合が生じる事がある。
そこで、部品実装層下の絶縁層に低弾性樹脂層を配して、実装される部品との熱膨張係数の差に起因して発生する応力を吸収緩和させる技術(例えば特許文献1)が提案されている。
図2は前記特許文献1のプリント配線板の断面の一部(表層側)を簡略的に示した概要図で、プリント配線板P2は、コア基板21と、当該コア基板21の下層側に配された第三配線層31と当該第三配線層31の下層側に配された樹脂層32と、前記コア基板21の上層側に配された第二配線層22と、当該コア基板21及び当該第二配線層22の上層側に配された低弾性樹脂層25と、当該低弾性樹脂層25の上層側に配された樹脂シート26と、当該樹脂シート26の上層側に配された第一配線層27と、当該樹脂シート26の上層側に配されたソルダーレジスト層28と、当該第一配線層27上の一部又は全部に配されたはんだ29と、当該はんだ29によって当該第一配線層27と電気的に接合された部品30と、によって構成されている。
この構成によれば、部品30が実装される第一配線層27の直下が樹脂シート26で、当該樹脂シート26の直下が基板本体を構成する絶縁層よりも弾性率が低い低弾性樹脂によって形成された低弾性樹脂層25であるため、冷熱変化時に当該プリント配線板P2と部品30との熱膨張係数の差に起因して発生する応力を当該低弾性樹脂層25が吸収緩和する。
ところが、応力を吸収緩和する低弾性樹脂層25は、プリプレグ等の一般的な基材と比して強度(剛性)が低い為、通常、一般的な基材では問題が発生しない程度の応力でも、内層の導体回路等を起点として低弾性樹脂層自体にクラックが発生してしまう問題があった。
そこで、部品実装層下の絶縁層として、内包するガラスクロスを内層側に偏らせたプリプレグを用いて、実装される部品との熱膨張係数の差に起因して発生する応力を吸収緩和させる方法(例えば特許文献2)が提案されている。
図3は前記特許文献2のプリント配線板の断面の一部(表層側)を簡略的に示した概要図で、プリント配線板P3は、第四配線層53と、当該第四配線層53下に配されたプリプレグ52dと、前記第四配線層53上に配され、かつガラスクロス43cを内包したプリプレグ52cと、当該プリプレグ52c上に配された第三配線層51と、当該第三配線層51上に配され、かつガラスクロス43bを内包したプリプレグ52bと、当該プリプレグ52b上に配された第二配線層42と、当該第二配線層42上に配され、かつガラスクロス43aを内層側に偏らせたプリプレグ52aと、当該プリプレグ52a上に配された第一配線層47と、当該プリプレグ52aの上層側に配されたソルダーレジスト層48と、当該第一配線層47上の一部又は全部に配されたはんだ49と、当該はんだ49によって当該第一配線層47と電気的に接合された部品50と、によって構成されている。
この構成によれば、部品50が実装される第一配線層47の直下が、内包するガラスクロス43aを内層側に偏らせたプリプレグ52aであるため、当該プリプレグ52aの表層付近の樹脂が応力緩和機能を有し、冷熱変化時に当該基板P3と部品50との熱膨張係数の差に起因して発生する応力を吸収すると共に、内層の導体回路等を起点としてクラックが発生した場合でも、プリプレグ44aに内包されているガラスクロス43aが防壁と成り、クラックの進行を抑制する。
しかし、内包するガラスクロス43aでクラックの進行を抑制しても、応力緩和機能を有した層自体にクラックが発生してしまうと、応力緩和機能が極端に低下し、結果、部品の電極である接続端子とプリント配線板の実装パッドとの間に配したはんだのクラック発生を抑制出来なくなるという問題が発生してしまうのが実状であった。
特開2001−036253号公報 特開2007−149870号公報
本発明は、前述の問題と実状に鑑みて成されたもので、過酷な温度変化環境での使用が想定されるチップ部品を実装するプリント配線板に於いて、耐熱性の高いセラミック基板と同等に、チップ部品とプリント配線板の実装パッドとの間に配されたはんだのクラック発生を抑制できるプリント配線板を提供する事を課題とする。
当該課題を解決するため、本発明者は種々研究を重ねた結果、部品を実装する層の下層に応力緩和機能を有する低弾性樹脂材を配置すると共に、当該低弾性樹脂材とは異なる機能を有する樹脂材で当該低弾性樹脂材を挟み込んで3層構造とすれば、部品の電極である接続端子とプリント配線板の実装パッドとの間に配したはんだのクラック発生を抑制できることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、複数の導体層と、当該複数の導体層の層間に配された絶縁層とを有し、当該複数の導体層の内の少なくとも1つの導体層に部品実装領域が形成されたプリント配線板に於いて、当該部品実装領域が形成された導体層の直下に配された絶縁層が、当該プリント配線板の他の絶縁層を構成する樹脂の引張強度以上の引張強度を有する上部樹脂層部と、当該他の絶縁層を構成する樹脂の弾性率より低い弾性率を有する中間樹脂層部と、前記上部樹脂層部よりも高い弾性率を有する下部樹脂層部との3層構造体から成ることを特徴とするプリント配線板により上記課題を解決したものである。
また、前記下部樹脂層部としては、補強材を内包しているものがより望ましい。
また、前記3層構造体から成る絶縁層は、温度50℃〜275℃に於いて、当該3層構造の複合材として12ppm/℃〜42ppm/℃の熱膨張係数を有し、且つ、当該3層構造の複合材として300MPa〜1700MPaの弾性率を有するものがより望ましい。
本発明のプリント配線板を用いれば、過酷な温度変化環境での使用に於いても、耐熱性の高いセラミック基板と同等に、チップ部品とプリント配線板の実装パッドとの間に配されたはんだのクラック発生を抑制する事が出来る。
本発明のプリント配線板の一例を説明する為の概略断面構成図。 従来のプリント配線板を説明する為の概略断面構成図。 従来の別のプリント配線板を説明する為の概略断面構成図。
本発明の実施の形態を図1を用いて説明する。
図1は、本発明のプリント配線板の断面構造の一例を説明する為の概略構成図である。
図1に於いて、P1は本発明プリント配線板で、コア基板1と、当該コア基板1の下層側に配された第三配線層8と、当該第三配線層8の下層側に配された樹脂層9と、前記コア基板1の上層側に配された第二配線層2と、当該コア基板1及び当該第二配線層2の上層側に配された絶縁層3と、当該絶縁層3の上層側に配された第一配線層4と、当該絶縁層3の上層側に配されたソルダーレジスト層5と、当該第一配線層4上の部品実装領域に配されたはんだ6と、当該はんだ6によって当該第一配線層4と電気的に接合された部品7と、によって構成されている。
本発明のプリント配線板P1において、絶縁層3は、当該プリント配線板P1の他の絶縁層9を構成する樹脂の引張強度以上の引張強度を有する上部樹脂層部3aと、当該他の絶縁層9を構成する樹脂の弾性率より低い弾性率を有する中間樹脂層部3bと、前記上部樹脂層部3aよりも高い弾性率を有する下部樹脂層部3cとの3層構造体となっており、当該中間樹脂層部3bの内部にも表面にも、クラックを誘発する恐れのある導体層が存在しないという特徴を有する。
冷熱変化時に発生する中間樹脂層部3b自体のクラックは、回路パターンと絶縁基材の界面から発生する事が多い。
従って、本発明のように、中間樹脂層部3bの両面を上部樹脂層部3aと下部樹脂層部3cで挟み込んで3層構造の絶縁層とする事で、必然的に中間樹脂層部3bの内部及び表層に導体は存在せず、回路パターンと絶縁基材の界面から発生するクラックの発生要因自体を回避している。
又、低弾性樹脂は通常、一般基材よりも強度(剛性)が低くクラックが発生し易い。
しかるところ、本発明のプリント配線板P1では、一般基材よりも強度(剛性)が低い中間樹脂層部3bの両面を中間樹脂層部3bより弾性率の高い上部樹脂層部3aと下部樹脂層部3cで挟み込み、中間樹脂層部3bを中心とした3層構造の絶縁層となっているので、中間樹脂層部3bの強度(剛性)不足を十分に補完することができる。
本発明では、上記2つの特徴により低弾性樹脂層自体にクラックが発生する事を抑制している。
従って、低弾性樹脂層の応力緩和機能が奪われる事無くその機能を維持し続ける事が可能と成る。
又、中間樹脂層部3bの下層側には下部樹脂層部3cが配置されているが、該下部樹脂層部3cにガラスクロス等の補強剤3zを内包せしめれば、例えば仮に当該下部樹脂層部3cより下層側にある第二配線層2との界面から微細なクラックが発生した場合でも、当該クラックは補強材3zを含有する下部樹脂層部3cによって止められ、中間樹脂層部3bまでは到達しない。
従って、基板の本質的な機能に影響を与えない程度の微細なクラックが、表層や内層の配線パターンが断線したり、貫通スルーホールや層間接続ビア等の層間接続導体が破断する程のクラックに発展する事無く、断線等により基板自体が不良と成る不具合を回避する事が可能と成る。
これらの特徴により、本発明によれば、過酷な温度変化環境での使用に於いても、部品とプリント配線板の温度変化による、熱膨張係数の差から発生する応力を、低弾性樹脂層が吸収緩和し続ける事が可能と成り、結果、耐熱性の高いセラミック基板と同等に、部品の電極である接続端子とプリント配線板の実装パッドとの間に配したはんだにクラックが発生するという不具合を抑制することができる。
又、従来技術のように、導体層に応力緩和機能を有する層を積層する場合は、当該応力緩和機能を有する層の積層形成性も考慮しなくてはならず、応力緩和機能を有する層に用いる低弾性樹脂材の選択範囲が限定されてしまっていたが、本発明の3層構造により、応力緩和機能を有する層を中心とした絶縁樹脂層の積層面は応力緩和機能を有する層より下層側の下部樹脂層部3cと成る為、当該応力緩和機能を有する層に用いる低弾性樹脂材の選択範囲が拡大し、例えば、応力緩和機能に特化する等のより好ましい選択が可能と成る。
又、本発明に用いる3層構造体から成る絶縁層3は、プリント配線板製造の以前に、基材としての状態から3層構造を成している事が好ましく、一般的な絶縁材よりも経年劣化性が高い低弾性樹脂材を他の樹脂層で挟み込む事で、低弾性樹脂層の表面が外気より保護された状態と成る為、一般的な絶縁材よりも製品寿命が短い低弾性樹脂材の製品寿命を延ばすと共に、経年劣化を抑制する効果も有する。
又、本発明に用いる3層構造体から成る絶縁層3は、部品とプリント配線板の温度変化による熱膨張係数の差から発生する応力を吸収する役割を担っている為、当該3層構造体から成る絶縁層3の弾性率としては、常温(25℃)測定で、300MPa〜19000MPa、特に1700MPa〜5200MPaが好ましい。
弾性率が300MPa未満のものは、柔らか過ぎて基材としての体を成さず、積層時に上下の基材がずれる所謂スライド現象が発生し易く、他方弾性率が19000MPa超のものは、応力緩和機能が小さ過ぎて、実装する部品とプリント配線板の応力差を吸収し切れない為、好ましくない。而して、特に1700MPa〜5200MPaのものが、本発明の構成に用いる応力緩和機能を有する層として安定した機能維持が出来る。
尚、前記3層構造体から成る絶縁層3が、応力緩和機能を有する層として安定した機能維持が出来る1700MPa〜5200MPaの弾性率を得る為には、中間樹脂層部3bは、300MPa〜1500MPa、特に800MPa〜1000MPaの弾性率とするのが好ましい。
又、本発明の応力緩和機能を有する層に用いる低弾性樹脂材の厚みは、適度に厚みを有している方が、はんだクラックの耐性が良い事が、実験により判明している。
例えば、同条件の基板に於いて、低弾性樹脂材の厚みのみを、25μm、50μm、75μmの3種類に変化させて、はんだクラック発生率を評価したところ、厚み25μmの時はクラック率が22.9%であったが、50μmの時は15.7%、75μmの時は5.3%と、より厚い方がはんだクラック発生率が低く成る事が判明した。
尚、前述したように、本発明の3層構造体から成る絶縁層3の積層面は、中間樹脂層部3bより下層側の下部樹脂層部3cが担う為、中間樹脂層部3bは、応力緩和機能に特化する等のより好ましい選択が可能と成る。
又、上部樹脂層部3aは、好適な一般的基材としてポリイミド材が用いられる。
本発明のように、中間樹脂層部3bを上部樹脂層部3aと下部樹脂層部3cの間に挟まれた3層構造体から成る絶縁層3を用いた、チップ部品を実装するプリント配線板に於いて、上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合の効果の1つ目は、当該3層構造体から成る絶縁層3の物理的強度が向上し強靭化が図られる事にある。
中間樹脂層部3bに用いるような低弾性樹脂の引張強度は大凡1〜2MPa程度、汎用プリプレグの引張強度は180MPa〜190MPa程度であるのに対し、ポリイミドの引張強度は340MPa〜380MPaと高く、ポリイミドは単体でも強靭性を有する。
実際の実験でも、中間樹脂層部3bを引張強度1.5MPa程度のものにした3層構造体に於いて、3層構造体にポリイミド材が含まれていない場合、冷熱サイクル試験で250サイクルで中間樹脂層部3bにクラックが生じてしまったが、3層構造体にポリイミド材が含まれている場合は、目標値の3000サイクルを超えても中間樹脂層部3bにクラックが発生する事無く、応力緩和機能が維持されている事が確認された。
上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合の効果の2つ目は、3層構造体の絶縁性(特に高電圧特性)の向上が図られる事にある。
実際の実験でも、湿中で電圧負荷を掛けた信頼性試験に於いて、汎用プリプレグと低弾性樹脂層を合せた構造の絶縁材に対して、当該構造の絶縁材に5μmの薄いポリイミド材を重ねた構造の絶縁材では、絶縁耐性が4倍以上に向上したという結果を得た。
上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合の効果の3つ目は、3層構造体全体の弾性率上昇を適度に抑制できる事にある。
3層構造体全体の強靭化の為、中間樹脂層部3b自体に補強材を内包させた場合は、中間樹脂層部3bの弾性率に対して3層構造全体の弾性率が3倍以上に上昇してしまうが、上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合は、中間樹脂層部3bの弾性率に対して3層構造全体の弾性率を2倍程度の上昇に止め、結果、はんだクラック耐性の向上が図られた。
上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合の効果の4つ目は、3層構造全体の寸法安定性を向上させる事にある。
本発明に用いる中間樹脂層部3bは、本発明の課題である「はんだクラックの抑制」を実現する為、前述の特許文献1に用いられている低弾性樹脂層25や、特許文献2に用いられているプリプレグ44aより、大きな応力緩和機能が必要である。
従って、本発明に用いる中間樹脂層部3bは、より大きな応力緩和機能と同時により大きな熱膨張係数を有し、特許文献1の低弾性樹脂層25のように、導体パターン上に他の絶縁樹脂層や接着層を介さずレイアップして、当該導体パターンに当該低弾性樹脂層25を追従させるような積層方法には用いる事は出来ず、又、特許文献2のプリプレグ44aのように、直上表面に導体パターンを有する表層としても用いる事が出来ない。
ところが、本発明に用いる絶縁層3は、中間樹脂層部3bの両面を上部樹脂層部3aと下部樹脂層部3cで挟み込んで3層構造体としているため、当該3層構造の複合材としての熱膨張係数は、上部樹脂層部3aや下部樹脂層部3cの熱膨張係数で制御することが出来る。
又、同様に、本発明に用いる中間樹脂層部3bは、従来技術より大きな応力緩和機能を有する為、同時に、小さい弾性率を有する。
このように、本発明に用いる中間樹脂層部3bは、従来技術よりも大きな応力緩和機能が必要であり、熱膨張係数が従来技術よりも大きく弾性率が従来技術よりも小さいという低弾性樹脂材の中でも特に弱い材料を用いているが、本発明の3層構造体から成る絶縁層を用いる事で、この弱点を克服している。
よって、本発明においては、大きな応力緩和機能を有する中間樹脂層部3bと、当該中間樹脂層部3bの両面を防護する3層構造体から成る絶縁層3が必須である。
尚、3層構造体から成る絶縁層3は、温度50℃〜275℃に於いて、当該3層構造の複合材として12ppm/℃〜42ppm/℃の熱膨張係数を有し、且つ、当該3層構造の複合材として300MPa〜1700MPaの弾性率を有するものが好ましい。
例えば、中間樹脂層部3bに、熱膨張係数が220ppmと大きく、弾性率が15Mpaと小さい値を有する基材を用いた場合でも、上部樹脂層部3aに、熱膨張係数22ppm、且つ、弾性率1700MPaのポリイミド材を用いる事で、3層構造体全体の熱膨張係数が22ppm、弾性率が500MPaと成り、冷熱変化時の膨張収縮による基材の伸縮を抑えると共に、耐クラック性に優れた剛性を備え、はんだクラックの発生を抑制出来る。
上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合の効果の5つ目は、3層構造体の耐候性向上(保護作用)にある。
実際の実験でも、上部樹脂層部3aにポリイミド材が無い場合は、一般的に耐候性が低い中間樹脂層部3bが冷熱サイクル試験に於いて200サイクル程度で極端に脆くなり、応力緩和機能を維持出来なくなってしまうが、大気接触劣化が少なく耐候性に優れたポリイミド材で中間樹脂層部3bの表面を覆う事で、冷熱サイクル試験に於ける目標値の3000サイクルを超えても、中間樹脂層部3bの劣化は検出されず、応力緩和機能を維持し続ける事が確認されている。
上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合の効果の6つ目は、誘電率の向上にある。
一般的なプリプレグの誘電率は1GHz測定で4.4〜4.8程度であるのに対し、ポリイミドは1GHz測定で2.9〜3.0と低く、上部樹脂層部3aにポリイミド材を用いた場合、一般的なプリプレグを用いるよりも電気特性が向上し、プリント配線板の付加価値を高める事が出来る。
尚、上部樹脂層部3aとして厚さ5μmのポリイミド材を用いた場合には、ソルダーレジストのクラックに誘発されるクラックや、外層の導体層との界面を起点とするクラック等、強い破断力を有する表層クラックに対しても十分な耐引張強度を有し、表層クラック停止層としてその機能を十分に発揮し、低弾性樹脂層の応力緩和機能を保持する事に貢献出来る事が確認されている。
又、下部樹脂層部3cは、好適な一般的基材としてプリプレグ材が挙げられる。
本発明のように、中間樹脂層部3bを上部樹脂層部3aと下部樹脂層部3cの間に挟まれた3層構造体から成る絶縁層3を用いた、チップ部品を実装するプリント配線板に於いて、下部樹脂層部3cにプリプレグ材を用いた場合の効果の1つ目は、3層構造体全体として、回路間の埋め込み性向上にある。
一般的に低弾性樹脂材は積層性(埋め込み性)が悪く、低フロータイプの低弾性樹脂材を用いると、回路間に追従させる為に熱圧着装置が必要と成り工程数やコストの増加と成り、高フロータイプの低弾性樹脂材を用いると、樹脂が流れ過ぎる為、積層擦れや密着性の条件マージンが非常に少なく、低圧低温の管理が難しく成るが、プリプレグ材を埋め込み層とする事で、低弾性樹脂層の埋め込み性を補佐し、結果、プリント配線板の内層絶縁性や密着強度を向上させる。
下部樹脂層部3cの領域にプリプレグ材を用いた場合の効果の2つ目は、3層構造全体の膜厚確保にある。
プリプレグ材を用いなかった場合、積層時に回路間埋め込みの為の低弾性樹脂層の膜厚減りが発生し、結果、応力緩和機能が低減されてしまうが、プリプレグ材を用いる事で、3層構造全体としての埋め込み機能を殆ど網羅し、結果、応力緩和機能の低減を最小限に抑制出来る。
下部樹脂層部3cの領域にプリプレグ材を用いた場合の効果の3つ目は、中間樹脂層部3bの膜厚均一化を図る事にある。
プリプレグ材を用いて中間樹脂層部3bの膜厚均一化を図る事で、面全体の応力緩和機能が均一と成り、面内部位の応力不均衡によるクラック発生等の不具合が抑制される。
尚、下部樹脂層部3c内部にある補強材3zは、ガラスクロス、ガラス不織布、アラミドクロス、アラミド不織布、等の繊維でも良い。
又、下部樹脂層部3cは、前述に挙げたプリプレグ材単体の他、厚みの調整等の理由により、プリプレグ材を複数枚合せたものを用いても良い。
尚、下部樹脂層部3cは、前述したプリプレグ材に限定されず、積層可能な材料であれば特にその範囲を制限するものでは無いが、プリプレグ材のように補強材を内包し、強度と積層性を兼ね備えた基材である事が好ましい。
これらにより、従来技術のように、導体層に応力緩和機能を有する層を積層する場合は、導体厚(パターンギャップ)を埋め込む必要が有り、例えば、樹脂流れの少ない低弾性樹脂層を使用すると、内層導体の高さと基材面との高低ギャップに樹脂が追従出来ず、積層ボイドを発生させてしてしまう可能性が懸念されるが、中間樹脂層部3bより下層側に下部樹脂層部3cのような繊維含有埋め込み樹脂層を用いる事で、十分な樹脂フローにより積層ボイドを回避する事が可能と成る。
本発明を説明するに当たって、前述の実施の形態を例として説明したが、本発明の構成はこれらの限りでなく、又、これらの例により何ら制限されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて更に説明する。
実施例1
コア板(含むL3及びL4)と成る両面銅張積層板(0.8mm:銅箔35μm/35μm)の外層に、第1プリプレグ(200μm)を配し、更に外層に12μm銅箔に20μmめっきを施した導体層(L2及びL5)を配し、更に外層に3層構造体から成る絶縁層(厚さ5μmのポリイミドから成る上部樹脂層部 + ポリイミドより低い弾性率を有する厚さ25μmの低弾性樹脂フィルムから成る中間樹脂層部 + ポリイミドより高い弾性率を有する厚さ60μmのプリプレグから成る下部樹脂層部)を配し、更に外層に12μm銅箔に20μmめっきを施した導体層(L1及びL6)を配し、更に当該最外の導体層(L1及びL6)の一部(部品実装パッドが形成された領域)にチップ部品を実装せしめて図1に示すような6層貫通ビルドアッププリント配線板を得た。
比較例1
コア板(含むL3及びL4)と成る両面銅張積層板(0.8mm:銅箔35μm/35μm)の外層に、第1プリプレグ(200μm)を配し、更に外層に12μm銅箔に20μmめっきを施した導体層(L2及びL5)を配し、更に外層に絶縁層(厚さ5μmのポリイミド)を配し、更に外層に絶縁層(厚さ50μmの低弾性樹脂フィルム)を配し、更に外層に12μm銅箔に20μmめっきを施した導体層(L1及びL6)を配し、更に当該最外の導体層(L1及びL6)の一部(部品実装パッドが形成された領域)にチップ部品を実装せしめて図2に示すような6層貫通ビルドアッププリント配線板を得た。
比較例2
コア板(含むL3及びL4)と成る両面銅張積層板(0.8mm:銅箔35μm/35μm)の外層に、ガラスクロスを内包した第1プリプレグ(厚さ200μm)を配し、更に外層に12μm銅箔に20μmめっきを施した導体層(L2及びL5)を配し、更に外層にガラスクロスを内層側に偏らせた第2プリプレグ(厚さ85μm)を配し、更に外層に12μm銅箔に20μmめっきを施した導体層(L1及びL6)を配し、更に当該最外の導体層(L1及びL6)の一部(部品実装パッドが形成された領域)にチップ部品を実装せしめて図3に示すような6層貫通ビルドアッププリント配線板を得た。
試験例1
前記実施例1、比較例1、比較例2で得られた各プリント配線板に対して、−65℃の冷気に30分間放置、常温で2分間放置、125℃の熱気に30分間放置、常温で2分間放置、というように常温での温度切替時間を挟んで冷気放置と熱気放置を繰り返す冷熱サイクル試験を実施した。
前記冷熱サイクル試験では、冷気放置と熱気放置を1回ずつ終えた時点で1サイクルと数え、250サイクル毎に各々の試験用プリント配線板を取り出し、クラック等の不具合が発生していないかを確認後、再び試験を続行するという事を繰り返す方法で、目標値である3000サイクルまで実施した。
その結果、比較例1の試験用プリント配線板と比較例2の試験用プリント配線板は、最初(250サイクル試験後)の確認時点で、応力緩和機能領域である低弾性樹脂フィルム自体にクラックが多発し、実装されたチップ部品とプリント配線板の実装パッドとの間に配されたはんだにもクラックが発生した為、比較例1、比較例2共に試験中止と成り、本発明の目標の1つであるセラミック基板と同等の性能が得られない事が確認された。
他方、実施例1の試験用プリント配線板は、最後(目標値である3000サイクル試験後)まで、応力緩和機能領域である低弾性樹脂フィルム自体にクラックは発生せず、又、実装されたチップ部品とプリント配線板の実装パッドとの間に配されたはんだにもクラックは殆ど確認されず、結果、試験合格と成り、セラミック基板と同等以上の性能が得られる事が確認された。
以上より、本発明の構成が、実装されたチップ部品とプリント配線板の実装パッドとの間に配されたはんだのクラック発生を抑制し、過酷な温度変化環境での使用が想定されるチップ部品を実装するプリント配線板として有効である事が確認出来た。
1,21:コア基板
2,22,42:第二配線層
3:絶縁層
3a:上部樹脂層部
3b:中間樹脂層部
3c:下部樹脂層部
3z:補強材
4,27,47:第一配線層
5,28,48:ソルダーレジスト層
6,29,49:はんだ
7,30,50:部品
8,31,51:第三配線層
9,32,52d:樹脂層
25:低弾性樹脂層
26:樹脂シート
43a,43b,43c:ガラスクロス
52a,52b,52c,52d:プリプレグ
P1,P2,P3:プリント配線板

Claims (3)

  1. 複数の導体層と、当該複数の導体層の層間に配された絶縁層とを有し、当該複数の導体層の内の少なくとも1つの導体層に部品実装領域が形成されたプリント配線板に於いて、当該部品実装領域が形成された導体層の直下に配された絶縁層が、当該プリント配線板の他の絶縁層を構成する樹脂の引張強度以上の引張強度を有する上部樹脂層部と、当該他の絶縁層を構成する樹脂の弾性率より低い弾性率を有する中間樹脂層部と、前記上部樹脂層部よりも高い弾性率を有する下部樹脂層部との3層構造体から成ることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記下部樹脂層部は、補強材を内包していることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  3. 前記3層構造体から成る絶縁層は、温度50℃〜275℃に於いて、当該3層構造の複合材として12ppm/℃〜42ppm/℃の熱膨張係数を有し、且つ、当該3層構造の複合材として300MPa〜1700MPaの弾性率を有することを特徴とする請求項1又は2記載のプリント配線板。
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