JP2012126673A - 縮合ピロール多環化合物、発光層用材料およびこれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

縮合ピロール多環化合物、発光層用材料およびこれを用いた有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧、発光効率、電流効率、素子寿命および外部量子効率などの特性が改善された有機EL素子を提供する。
【解決手段】インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環を基本骨格として、この縮合環の任意の水素(好ましくはフルオレン構造の9位の水素)をアルキルやアリールなどで置換すると共に、インドール構造のNにアリールを置換させた化合物を発光層用の材料として用いて、有機EL素子を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、縮合ピロール多環化合物、該化合物を含有する発光材料、およびこの発光材料を用いた有機電界発光素子(以下、有機EL素子と略記することがある。)などに関する。
有機EL素子は自己発光型の発光素子であり、表示用または照明用の発光素子として期待されている。従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから様々な研究がされ、さらに、有機材料からなる有機EL素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層があるが、当該有機化合物として種々の有機材料が開発されている。特に、発光層用の有機材料の研究開発が活発になされている。
有機EL素子の発光材料は、その発光メカニズムによって一重項状態のエキシトンを利用する蛍光材料と三重項状態を利用する燐光材料とに分けられる。有機EL素子の発光材料として、燐光材料を用いることにより、理論発光効率が約4倍に向上することが知られている(非特許文献1を参照)。
燐光有機EL素子では、例えば、燐光を発するドーパント(以下、燐光ドーパントと略記する。)として白金やイリジウムなどの重金属を含む金属錯体系発光材料をホスト材料にドーピングすることで燐光発光を取り出す(非特許文献1を参照)。この燐光ドーパントの発光における発光効率や発光寿命などはホスト材料に依存する。燐光有機EL素子のホスト材料に必要とされる基本的な性能は、正孔輸送性および電子輸送性を有すること、ホスト材料の三重項状態エネルギーレベル(T1)が燐光ドーパントの三重項状態エネルギーレベル(T1)よりも高いことなどが挙げられる。燐光有機EL素子を実用化するために、これまで緑色燐光ホスト材料の開発が盛んに行われてきた(例えば特許文献1、特許文献2、非特許文献2を参照)。これらの緑色燐光ホスト材料の多くは、カルバゾリル基を含む材料を用いることを特徴としている。例えば、4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(以下、CBPと略記する。)を用いることはよく知られている(例えば特許文献3、非特許文献1を参照)。しかし、CBPは対称的な分子構造を有しており、結晶化しやすい性質を有しているため、該化合物を含む発光層の安定性が悪いことが懸念される。このような理由から、燐光有機EL素子は、実用化に向けて素子の駆動安定性に大きな問題を抱えているのが実状である。
特開2005−174917号公報 特開2008−311528号公報 特開2001−313178号公報
Apllied Physics Letters, 75, 4(1999) Thin Solid Films, 436, 264(2003)
上述したように、耐熱性、駆動電圧、発光効率、電流効率、素子寿命および外部量子効率などに関して十分な性能を有する有機EL素子は未だ得られていないのが現状である。このような状況下、これらの特性がさらに優れた有機EL素子、特に燐光有機EL素子の開発が望まれている。したがって、このような優れた特性を有する有機EL素子を得ることができる化合物、すなわち、結晶化し難く安定な発光層を形成することができて、高効率かつ高い駆動安定性を実現する緑色燐光ホスト材料の開発が望まれている。
また、フルカラーフラットパネルディスプレイの量産化に対応するためには、性能が高く、しかも蛍光と燐光と同時に使用できるホスト材料の開発が求められる。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表される縮合ピロール多環化合物の製造に成功し、この縮合ピロール多環化合物を含有する層を用いて構成した有機電界発光素子にすることにより、駆動電圧、発光効率、電流効率、素子寿命および外部量子効率などの特性が改善された有機EL素子、特に緑色の発光特性に優れた燐光有機EL素子が得られることを見出した。
すなわち本発明は、以下のような、発光層用材料として最適な縮合ピロール多環化合物およびこれを用いた有機電界発光素子を提供する。
[1] 下記式(1)で表される化合物。
Figure 2012126673

式(1)において、Arはピロール環に縮合しているフルオレン環であり;
インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよく、
インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の水素は、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数6〜30のアリール、または炭素数1〜30のヘテロアリールで置換されていてもよく、フルオレン環の9位の2つの水素が置換されている場合、これらの置換基同士は結合してスピロ環を形成していてもよく;
Arは炭素数10〜30のアリールであり、ただし炭素数10〜30のアリールの中からビフェニリルが選択される場合には下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
Figure 2012126673

式(BP)において、Arは、炭素数6〜30のアリールおよび炭素数1〜30のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜30のヘテロアリールである。
[2] 下記式(1−1)〜(1−6)のいずれかで表される、上記[1]に記載の化合物。
Figure 2012126673

式(1−1)〜(1−6)において、インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよく;
およびRは、それぞれ独立して、炭素数6〜18のアリール、または炭素数1〜20のヘテロアリールであり、RおよびRは互いに結合してスピロ環を形成していてもよく;
Arは炭素数10〜30のアリールであり、ただし炭素数10〜30のアリールの中からビフェニリルが選択される場合には下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
Figure 2012126673

式(BP)において、Arは、炭素数6〜30のアリールおよび炭素数1〜30のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜30のヘテロアリールである。
[3] RおよびRは、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、フェナントリル、ピリジル、またはイミダゾリルであり、これらは互いに結合してスピロ環を形成していてもよく;
Arは、ナフチル、フェナントリルまたは下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
Figure 2012126673

式(BP)において、Arは、炭素数6〜20のアリールおよび炭素数1〜20のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のヘテロアリールである、上記[2]に記載の化合物。
[4] RおよびRは、フェニルまたはピリジルであり、これらは互いに結合してスピロ環を形成していてもよく;
Arは、ナフチル、フェナントリルまたは下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
Figure 2012126673

式(BP)において、Arは、炭素数6〜10のアリールおよび炭素数1〜10のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい、ピリジル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、またはイソオキサゾリルであり、これらの環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよい、上記[2]または[3]に記載の化合物。
[5] RおよびRは、フェニルであり、フェニル同士が結合してスピロ環を形成していてもよく;
Arは、下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
Figure 2012126673

式(BP)において、Arは、フェニルで置換されていてもよい、カルバゾリル、カルボリニル、インデノカルバゾリル、インデノカルボリニル、またはベンゾイミダゾリルである、上記[2]〜[4]のいずれかに記載の化合物。
[6] 下記式(1−1−28)または式(1−2−22)で表される、上記[2]〜[5]のいずれかに記載の化合物。
Figure 2012126673
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載の化合物を含有する、有機電界発光素子用の発光層用材料。
[8] さらに、スチルベン構造を有するアミン、ベンゾフルオレン構造を有するアミン、芳香族アミン、クマリン誘導体、ピラン誘導体、イリジウム錯体、レニウム錯体、および白金錯体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、上記[7]に記載の発光層用材料。
[9] 陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置され、上記[7]または[8]に記載の発光層用材料を含有する発光層とを有する、有機電界発光素子。
[10] さらに、前記陰極と前記発光層との間に配置された電子輸送層および/または電子注入層を有し、該電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、キノリノール系金属錯体、ピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、ボラン誘導体およびベンゾイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、上記[9]に記載の有機電界発光素子。
[11] 前記電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、上記[10]に記載の有機電界発光素子。
[12] 上記[9]〜[11]のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた表示装置。
[13] 上記[9]〜[11]のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた照明装置。
上記式(1)で表される化合物は、非対称の分子構造を有しているため、有機EL素子作製時にアモルファス状態を形成しやすく、安定なガラス状態を呈し、蒸着などにより安定なアモルファス膜を形成することができる。したがって、耐熱性に優れ、電界印加時においても安定な化合物である。また、上記式(1)で表される化合物は、有機溶剤に対する溶解度が大きく、再結晶やカラムクロマトによる精製が容易だけでなく、有機EL素子の層形成の際にも自由な層形成手段を採用することができる。例えば、一般的に、蒸着法による層形成では、化合物の分解や製膜された層の結晶構造的な不均一性のおそれがあるが、上記式(1)で表される化合物は、種々の溶媒を用いて、容易にスピンコート法を採用することができるため、これらのおそれをなくした層形成が可能となる。
上記式(1)で表される化合物は、ホスト発光材料として有効である。上記式(1)で表される化合物は、発光波長が短く、蛍光青色ホスト発光材料としても使用することが可能であるが、特に三重項状態エネルギーレベル(T1)が高いため緑色燐光ホスト材料として有効である。緑色燐光有機EL素子のホスト材料として用いた場合は、緑色ドーパントへのエネルギー移動が効率よく行われ、高効率、長寿命の燐光有機EL素子を得ることができる。
本実施形態に係る有機電界発光素子を示す概略断面図である。
1.式(1)で表される縮合ピロール多環化合物
まず、下記式(1)で表される縮合ピロール多環化合物について詳細に説明する。
Figure 2012126673
式(1)において、インドール環とフルオレン環(Ar)とで形成される縮合環としては、例えば以下の(1−1)タイプから(1−6)タイプの6種類が挙げられる。なお、以下の構造式は基本骨格のみを示し、置換基については省略している。これらの中でも、好ましいタイプは(1−1)タイプ、(1−2)タイプおよび(1−5)タイプである。
Figure 2012126673
また、インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよく、例えば、インドール環における任意の部位「−CH=」が部位「−N=」である場合が挙げられ、より具体的にはインドール環の4位または6位の炭素原子が窒素原子に置換している場合が挙げられる。部位「−CH=」が部位「−N=」によって置換されている箇所の数は、縮合環全体で3箇所、2箇所および1箇所の場合が挙げられる。
インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環に置換する炭素数1〜20のアルキルとしては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよく、炭素数1〜20の直鎖アルキルまたは炭素数3〜20の分枝鎖アルキルが挙げられる。好ましくは炭素数1〜10のアルキル(炭素数3〜10の分枝鎖アルキル)であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはtert−ブチルがより好ましい。
インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環に置換する炭素数3〜20のシクロアルキルとしては、好ましくは炭素数1〜10のシクロアルキルが挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環に置換する炭素数6〜30のアリールとしては、好ましくは炭素数6〜18のアリールであり、より好ましくは炭素数6〜14のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6〜12のアリールである。
具体的なアリールとしては、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2−,3−,4−)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m−テルフェニル−2’−イル、m−テルフェニル−4’−イル、m−テルフェニル−5’−イル、o−テルフェニル−3’−イル、o−テルフェニル−4’−イル、p−テルフェニル−2’−イル、m−テルフェニル−2−イル、m−テルフェニル−3−イル、m−テルフェニル−4−イル、o−テルフェニル−2−イル、o−テルフェニル−3−イル、o−テルフェニル−4−イル、p−テルフェニル−2−イル、p−テルフェニル−3−イル、p−テルフェニル−4−イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’−フェニル−m−テルフェニル−2−イル、5’−フェニル−m−テルフェニル−3−イル、5’−フェニル−m−テルフェニル−4−イル、m−クアテルフェニル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、ナフタセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イル、ペンタセン−(1−,2−,5−,6−)イルなどが挙げられる。
アリールとしては、これらの中でも好ましくはフェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチル、フェナントリル、クリセニルまたはトリフェニレニルが挙げられ、さらに好ましくはフェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはフェナントリルが挙げられ、特に好ましくはフェニル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチルまたは9−フェナントリルが挙げられる。
インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環に置換する炭素数1〜30のヘテロアリールとしては、好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリール、より好ましくは炭素数2〜15のヘテロアリール、特に好ましくは炭素数2〜10のヘテロアリールが挙げられる。また、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などがあげられる。
ヘテロアリールとしては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、インドリジニル、フラザニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、フェノキサチイニル、チアントレニルなどが挙げられる。これらの中でも、ピリジル、キノリニルおよびイソキノリニルなどが好ましい。
式(1)におけるフルオレン環(Ar)の9位の2つの水素が置換されている場合、これらの置換基同士は結合してスピロ環を形成していてもよく、例えば以下に示す構造が挙げられる。なお、以下の構造式においてフルオレン環は破線で示し、置換基については省略している。
Figure 2012126673
上式(1)で表される化合物としては、例えば下記式(1−1)〜(1−6)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 2012126673
上式(1−1)〜(1−6)において、インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよく、RおよびRとしては、上述した、インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環に置換する置換基の説明を引用することができる。
上式(1)や、上式(1−1)〜(1−6)におけるArは、炭素数10〜30のアリールであり、例えば、二環系アリールである4−ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、ナフタセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イル、ペンタセン−(1−,2−,5−,6−)イルなどが挙げられる。この中でも、4−ビフェニリル、(1−,2−)ナフチルおよび(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリルが好ましい。
ただし、炭素数10〜30のアリールの中からビフェニリルが選択される場合には下記式(BP)で表されるArで置換された4−ビフェニリルである。
Figure 2012126673
上式(BP)において、Arは、炭素数6〜30のアリールおよび炭素数1〜30のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜30のヘテロアリールであるが、これらの具体的な説明は、上述したアリールおよびヘテロアリールの説明を引用することができる。
また、式(1)で表される化合物を構成する、インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における水素原子、この縮合環への置換基における水素原子、また置換基Arにおける水素原子の全てまたは一部が重水素であってもよい。
<化合物の具体例>
本発明の化合物の具体例は以下に列記する式によって示されるが、本発明はこれらの具体的な構造の開示によって限定されることはない。
上記式(1−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−1−1)〜(1−1−127)で表される化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−1−28)〜(1−1−31)、式(1−1−37)〜(1−1−52)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−1−28)〜(1−1−31)で表される化合物である。
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
式(1−1)で表される化合物において、縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例としては、下記式(1−1−128)〜(1−1−269)で表される化合物である。これらの中で好ましい化合物は式(1−1−136)〜(1−1−143)、式(1−1−156)〜(1−1−163)、式(1−1−177)〜(1−1−184)、式(1−1−198)〜(1−1−205)、式(1−1−210)〜(1−1−217)、式(1−1−220)〜(1−1−227)、式(1−1−230)〜(1−1−237)、式(1−1−240)〜(1−1−247)、式(1−1−260)〜(1−1−267)、で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−1−136)、式(1−1−156)、式(1−1−177)、式(1−1−198)、式(1−1−210)、式(1−1−220)、式(1−1−230)、式(1−1−240)、式(1−1−260)で表される化合物である。
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
Figure 2012126673
式(1−1)で表される化合物において縮合しているフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例としては、下記式(1−1−270)〜(1−1−718)で表される化合物が挙げられ、これらには縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置き換えられた具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−1−274)〜(1−1−278)、式(1−1−303)〜(1−1−307)、式(1−1−334)〜(1−1−338)、式(1−1−364)〜(1−1−368)、式(1−1−393)〜(1−1−397)、式(1−1−422)〜(1−1−426)、式(1−1−452)〜(1−1−457)、式(1−1−482)〜(1−1−486)、式(1−1−511)〜(1−1−515)、式(1−1−540)〜(1−1−544)、式(1−1−569)〜(1−1−573)、式(1−1−598)〜(1−1−602)式、式(1−1−627)〜(1−1−631)、式(1−1−656)〜(1−1−660)、式(1−1−685)〜(1−1−689)で表される化合物であり、
より好ましい化合物は式(1−1−274)、式(1−1−307)、式(1−1−334)、式(1−1−364)、式(1−1−393)、式(1−1−422)、式(1−1−452)、式(1−1−482)、式(1−1−511)、式(1−1−540)、式(1−1−569)、式(1−1−598)、(1−1−627)、式(1−1−656)、式(1−1−685)、で表される化合物である。
Figure 2012126673
Figure 2012126673
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式(1−1)で表される化合物において、5,12−ジヒドロインデノ[1,2−c]カルバゾールまたはこの構造の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された縮合環を、部分構造として2つ有する具体例としては、下記式(1−1−719)〜(1−1−735)で表される化合物が挙げられ、これらにはフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−1−719)、式(1−1−721)、式(1−1−722)〜式(1−1−726)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−1−719)、式(1−1−721)で表される化合物である。
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式(1−2)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−2−1)〜(1−2−103)で表される化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−2−22)〜(1−2−24)、式(1−2−29)〜(1−2−40)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−2−22)で表される化合物である。
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式(1−2)で表される化合物において縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例としては、下記式(1−2−125)〜(1−2−289)で表される化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−2−134)〜(1−2−139)、式(1−2−154)〜(1−2−157)、式(1−2−169)〜(1−2−187)、式(1−2−199)〜(1−2−202)、式(1−2−214)〜(1−2−217)、式(1−2−229)〜(1−2−232)、式(1−2−244)〜(1−2−247)、式(1−2−259)〜(1−2−262)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−2−134)、式(1−2−154)、式(1−2−169)、式(1−2−199)、(1−2−214)、式(1−2−229)、式(1−2−244)、式(1−2−259)、式(1−2−274)で表される化合物である。
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式(1−2)で表される化合物において縮合しているフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例としては、下記式(1−2−290)〜(1−2−554)で表される化合物が挙げられ、これらには縮合環の任意の−CH=が−N=で置き換えられた具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−2−290)〜(1−2−294)、式(1−2−306)〜(1−2−310)、式(1−2−322)〜(1−2−326)、式(1−2−338)〜(1−2−342)、式(1−2−354)〜(1−2−358)、式(1−2−370)〜(1−2−374)、式(1−2−386)〜(1−2−390)、式(1−2−402)〜(1−2−406)、式(1−2−418)〜(1−2−422)、式(1−2−434)〜(1−2−438)、式(1−2−450)〜(1−2−454)、式(1−2−466)〜(1−2−470)、式(1−2−482)〜(1−2−486)、式(1−2−498)〜(1−2−502)、式(1−2−514)〜(1−2−518)、式(1−2−530)〜(1−2−534)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−2−290)、式(1−2−306)、式(1−2−322)、式(1−2−338)、式(1−2−354)、式(1−2−370)、式(1−2−386)、式(1−2−402)、式(1−2−418)、式(1−2−434)、式(1−2−450)、式(1−2−466)、式(1−2−482)、式(1−2−498)、式(1−2−514)、式(1−2−530)で表される化合物である。
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式(1−2)で表される化合物において、5,7−ジヒドロインデノ[2,1−b]カルバゾールまたはこの構造の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された縮合環を部分構造として2つ有する具体例としては、下記式(1−2−555)〜(1−2−580)で表される化合物が挙げられ、これらにはフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−2−555)〜(1−2−564)、式(1−2−569)〜(1−2−576)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−2−555)、式(1−2−556)で表される化合物である。
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式(1−3)で表される化合物の具体例としては、下記式(1−3−1)〜(1−3−84)で表される化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−3−10)〜(1−3−24)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−3−10)で表される化合物である。
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式(1−3)で表される化合物において縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例としては、下記式(1−3−85)〜(1−3−295)で表される化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−3−88)〜(1−3−94)、式(1−3−109)〜(1−3−115)、式(1−3−130)〜(1−3−136)、式(1−3−151)〜(1−3−157)、式(1−3−172)〜(1−3−178)、式(1−3−193)〜(1−3−199)、式(1−3−214)〜(1−3−220)、式(1−3−235)〜(1−3−241)、式(1−3−256)〜(1−3−262)、式(1−3−277)〜(1−3−283)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−3−88)、式(1−3−109)、式(1−3−130)、式(1−3−151)、式(1−3−172)、式(1−3−193)、式(1−3−214)、式(1−3−235)、式(1−3−256)、式(1−3−277)で表される化合物である。
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式(1−3)で表される化合物において縮合しているフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例としては、下記式(1−3−296)〜(1−3−539)で表される化合物が挙げられ、これらには縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−3−296)〜(1−3−300)、式(1−3−311)〜(1−3−315)、式(1−3−326)〜(1−3−330)、式(1−3−341)〜(1−3−345)、式(1−3−356)〜(1−3−360)、式(1−3−371)〜(1−3−375)、式(1−3−386)〜(1−3−390)、式(1−3−401)〜(1−3−405)、式(1−3−416)〜(1−3−420)、式(1−3−431)〜(1−3−435)、式(1−3−446)〜(1−3−450)、式(1−3−461)〜(1−3−465)、式(1−3−476)〜(1−3−480)、式(1−3−501)〜(1−3−505)、式(1−3−516)〜(1−3−520)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−3−296)、式(1−3−311)、式(1−3−326)、式(1−3−341)、式(1−3−356)、式(1−3−371)、式(1−3−386)、式(1−3−401)、式(1−3−416)、式(1−3−431)、式(1−3−446)、式(1−3−461)、式(1−3−476)、式(1−3−501)、式(1−3−516)で表される化合物である。
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式(1−3)で表される化合物において、5,8−ジヒドロインデノ[2,1−c]カルバゾールまたはこの構造の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された縮合環を部分構造として2つ有する具体例としては、下記式(1−3−540)〜(1−3−565)で表される化合物が挙げられ、これらにはフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−3−540)〜(1−3−550)で表される化合物であり、より好ましい化合物は式(1−3−540)、式(1−3−541)で表される化合物である。
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式(1−4)で表わされる化合物の具体例としては、下記式(1−4−1)〜(1−4−89)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−4−13)〜(1−4−29)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−4−13)で表わされる化合物である。
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式(1−4)で表わされる化合物において縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例としては、下記式(1−4−90)〜(1−4−280)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−4−90)〜(1−4−97)、式(1−4−109)〜(1−4−116)、式(1−4−128)〜(1−4−135)、式(1−4−147)〜(1−4−154)、式(1−4−166)〜(1−4−173)、式(1−4−185)〜(1−4−192)、式(1−4−204)〜(1−4−211)、式(1−4−223)〜(1−4−230)、式(1−4−242)〜(1−4−249)、式(1−4−261)〜(1−4−268)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−4−90)、式(1−4−109)、式(1−4−128)、式(1−4−147)、式(1−4−166)、式(1−4−185)、式(1−4−204)、式(1−4−223)、式(1−4−242)、式(1−4−261)で表わされる化合物である。
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式(1−4)で表わされる化合物において縮合しているフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例としては、下記式(1−4−281)〜(1−4−529)で表わされる化合物が挙げられ、これらには縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−4−281)〜(1−4−285)、式(1−4−297)〜(1−4−301)、式(1−4−313)〜(1−4−317)、式(1−4−329)〜(1−4−333)、式(1−4−345)〜(1−4−349)、式(1−4−361)〜(1−4−365)、式(1−4−377)〜(1−4−381)、式(1−4−393)〜(1−4−397)、式(1−4−409)〜(1−4−413)、式(1−4−425)〜(1−4−429)、式(1−4−441)〜(1−4−445)、式(1−4−457)〜(1−4−461)、式(1−4−473)〜(1−4−477)、式(1−4−489)〜(1−4−493)、式(1−4−505)〜(1−4−509)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−4−281)、式(1−4−297)、式(1−4−313)、式(1−4−329)、式(1−4−345)、式(1−4−361)、式(1−4−377、式(1−4−393)、式(1−4−409)、式(1−4−425)、式(1−4−441)、式(1−4−457)、式(1−4−473)、式(1−4−489)、式(1−4−505)で表わされる化合物である。
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式(1−4)で表わされる化合物において、7,12−ジヒドロインデノ[1,2−a]カルバゾールまたはこの構造の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された縮合環を部分構造として2つ有する具体例としては、下記式(1−4−530)〜(1−4−555)で表わされる化合物が挙げられ、これらにはフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−4−530)〜(1−4−539)、式(1−4−544)〜式(1−4−551)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−4−530)、式(1−4−531)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
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式(1−5)で表わされる化合物の具体例としては、下記式(1−5−1)〜(1−5−60)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−5−7)〜(1−5−21)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−5−7)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
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式(1−5)で表わされる化合物において縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例としては、下記式(1−5−61)〜(1−5−243)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−5−61)〜(1−5−67)、式(1−5−79)〜(1−5−85)、式(1−5−97)〜(1−5−103)、式(1−5−115)〜(1−5−121)、式(1−5−133)〜(1−5−139)、式(1−5−151)〜(1−5−157)、式(1−5−169)〜(1−5−175)、式(1−5−187)〜(1−5−193)、式(1−5−205)〜(1−5−211)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−5−61)、式(1−5−79)、式(1−5−97)、式(1−5−115)、式(1−5−133)、式(1−5−151)、式(1−5−169)、式(1−5−187)、式(1−5−205)で表わされる化合物である。
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式(1−5)で表わされる化合物において縮合しているフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例としては、下記式(1−5−244)〜(1−5−477)で表わされる化合物が挙げられ、これらには縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−5−244)〜(1−5−248)、式(1−5−259)〜(1−5−263)、式(1−5−274)〜(1−5−278)、式(1−5−289)〜(1−5−293)、式(1−5−304)〜(1−5−308)、式(1−5−319)〜(1−5−323)、式(1−5−334)〜(1−5−338)、式(1−5−349)〜(1−5−353)、式(1−5−364)〜(1−5−368)、式(1−5−379)〜(1−5−383)、式(1−5−394)〜(1−5−398)、式(1−5−409)〜(1−5−413)、式(1−5−424)〜(1−5−428)、式(1−5−439)〜(1−5−443)、式(1−5−454)〜(1−5−458)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−5−244)、式(1−5−259)、式(1−5−274)、式(1−5−289)、式(1−5−304)、式(1−5−319)、式(1−5−334)、式(1−5−349)、式(1−5−364)、式(1−5−379)、式(1−5−394)、式(1−5−409)、式(1−5−424)、式(1−5−439)、式(1−5−454)で表わされる化合物である。
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式(1−5)で表わされる化合物において、5,11−ジヒドロインデノ[1,2−b]カルバゾールまたはこの構造の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された縮合環を部分構造として2つ有する具体例としては、下記式(1−5−478)〜(1−5−504)で表わされる化合物が挙げられ、これらにはフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−5−478)〜(1−5−488)、式(1−5−493)〜式(1−5−500)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−5−478)、式(1−5−480)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
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式(1−6)で表わされる化合物の具体例としては、下記式(1−6−1)〜(1−6−24)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−6−1)〜式(1−6−12)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−6−1)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
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式(1−6)で表わされる化合物において縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された具体例としては、下記式(1−6−25)〜(1−6−104)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は式(1−6−25)〜(1−6−29)、式(1−6−33)〜(1−6−37)、式(1−6−41)〜(1−6−45)、式(1−6−49)〜(1−6−53)、式(1−6−57)〜(1−6−61)、式(1−6−65)〜(1−6−69)、式(1−6−73)〜(1−6−77)、式(1−6−81)〜(1−6−85)、式(1−6−89)〜(1−6−93)、式(1−6−97)〜(1−6−101)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−6−25)、式(1−6−33)、式(1−6−41)、式(1−6−49)、式(1−6−57)、式(1−6−65)、式(1−6−73)、式(1−6−81)、式(1−6−89)、式(1−6−97)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
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式(1−6)で表わされる化合物において縮合しているフルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例としては、下記式(1−6−105)〜(1−6−360)で表わされる化合物が挙げられ、これらには縮合環の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置き換えられた具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−6−105)〜(1−6−109)、式(1−6−121)〜(1−6−125)、式(1−6−137)〜(1−6−141)、式(1−6−153)〜(1−6−157)、式(1−6−169)〜(1−6−173)、式(1−6−185)〜(1−6−189)、式(1−6−201)〜(1−6−205)、式(1−6−217)〜(1−6−221)、式(1−6−233)〜(1−6−237)、式(1−6−249)〜(1−6−253)、式(1−6−265)〜(1−6−269)、式(1−6−281)〜(1−6−285)、式(1−6−297)〜(1−6−301)、式(1−6−313)〜(1−6−317)、式(1−6−329)〜(1−6−333)で表わされる化合物であり、より好ましい化合物は式(1−6−105)、式(1−6−121)、式(1−6−137)、式(1−6−153)、式(1−6−169)、式(1−6−185)、式(1−6−201)、式(1−6−217)、式(1−6−233)、式(1−6−249)、式(1−6−265)、式(1−6−281)、式(1−6−297)、式(1−6−313)、式(1−6−329)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
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本発明にかかる化合物としては、ビフェニルの4,4’位にカルバゾールとインデンで形成される縮合環が2個連結した化合物において、上記式(1−1)〜(1−6)で表わされる化合物の具体例であげたもの以外に、2個の縮合環の構造が異なる化合物も挙げられる。このような化合物の群を本願では式(1−7)で表わされる化合物に分類する。式(1−7)で表わされる化合物の具体例としては、下記式(1−7−1)〜(1−7−14)で表わされる化合物が挙げられ、これらには、この構造の任意の部位「−CH=」が部位「−N=」で置換された縮合環を部分構造として2つ有する具体例や、フルオレンに相当する部位がスピロ環を形成している具体例も含まれる。これらの中で好ましい化合物は式(1−7−1)〜(1−7―4)、式(1−7−7)〜(1−7―10)で表わされる化合物である。
Figure 2012126673
2.式(1−1)〜(1−6)で表される化合物の製造方法
式(1−1)〜(1−6)で表される化合物は、既知の合成法を利用して製造することができる。例えば、下記の反応1〜5に示す経路に従って合成することができる。また、下記の反応6〜9に示す経路に従って合成することもできる。
まず、式(1−1)および(1−2)で表される化合物の合成例として反応1〜5の経路を説明する。
Figure 2012126673

反応1では、パラジウム触媒または銅触媒を用いて、塩基および反応促進剤の存在下、3−カルバゾリルハライドまたはトリフラートにArの臭化物またはヨウ化物を反応させて、9位をArで置換する。ここでArは式(1)におけるArと同じである。
Figure 2012126673

反応2では、パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、反応1で得られたArを有するカルバゾリルハライドまたはトリフラートにビス(ピナコラート)ジボロンを反応させて、Arを有するカルバゾリルボロン酸エステル誘導体を合成する。
Figure 2012126673

反応3では、パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、反応2で得られたArを有するカルバゾリルボロン酸エステル誘導体にo−ブロモ安息香酸メチルを鈴木カップリング反応させて、Arを有するオルト−カルバゾリル安息香酸メチル誘導体を合成する。
Figure 2012126673

反応4では、反応3で得られたArを有するオルト−カルバゾリル安息香酸メチル誘導体に2倍モルの有機金属試薬を反応させて、第三アルコール誘導体を合成する。ここでRおよびRはそれぞれ式(1)におけるRおよびRと同じであり、RやRに応じた有機金属試薬を選択する。
Figure 2012126673

反応5では、酸触媒の存在下、分子内を環化することによって、式(1−1)および(1−2)で表される化合物を製造する。これらの化合物からなる混合物はカラム精製法、再結晶法、または昇華精製法などで分離することができる。
上記の反応1〜5の経路においては、反応1で、4−カルバゾリルハライドまたはトリフラートを使用すれば、式(1−3)で表される化合物を製造することができ、1−カルバゾリルハライドまたはトリフラートを使用すれば、式(1−4)で表される化合物を製造することができ、2−カルバゾリルハライドまたはトリフラートを使用すれば、式(1−5)および式(1−6)で表される化合物を製造することができる。
次に、式(1−5)および(式1−6)で表される化合物の合成例として反応6〜9の経路を説明する。
Figure 2012126673

反応6では、パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、2−フルオレンボロン酸に2−ハロゲンニトロベンゼンまたは2−トリフラートニトロベンゼンを鈴木カップリング反応させて、ニトロフェニル基を有するフルオレン誘導体を合成する。ここでRおよびRはそれぞれ式(1)におけるRおよびRと同じである。
Figure 2012126673

反応7では、PPhまたはP(OEt)を用いて、反応6で得られたニトロフェニル基を有するフルオレン誘導体を還元的に環化して、式(1−5’)および(1−6’)で表されるインデンカルバゾール誘導体を合成する。
Figure 2012126673

反応8では、パラジウム触媒または銅触媒を用いて、塩基および反応促進剤の存在下、反応7で得られた式(1−5’)および(1−6’)で表されるインデンカルバゾール誘導体にそれぞれArの臭化物またはヨウ化物を反応させて、式(1−5)および(1−6)で表される化合物を製造する。ここでArは式(1)におけるArと同じである。
Figure 2012126673

反応9では、パラジウム触媒または銅触媒を用いて、塩基および反応促進剤の存在下、反応7で得られた式(1−5’)および(1−6’)で表されるインデンカルバゾール誘導体にそれぞれビフェニルの臭化物またはヨウ化物を反応させて、式(1−5)および(1−6)で表される化合物に含まれる二量化体を製造する。
上記の反応6〜9の経路においては、反応6で、1−フルオレンボロン酸を使用すれば式(1−1)で表される化合物を製造することができ、3−フルオレンボロン酸を使用すれば式(1−2)および式(1−4)で表される化合物を製造することができ、4−フルオレンボロン酸を使用すれば式(1−3)で表される化合物を製造することができる。
反応1、反応8または反応9において銅触媒を用いる場合には、銅粉、酸化銅またはハロゲン化銅などが用いられる。使用される塩基は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウムなどであり、反応促進剤はクラウンエーテル(例えば、18−クラウン−6−エーテル)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル(PEGDM)などがあげられる。そして、反応溶媒にはN,N−ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジクロロベンゼン、キノリンなどが用いられる。反応温度は160〜250℃であるが、基質の反応性が低い場合にはオートクレーブなどを用いてより高温の反応を行ってもよい。
反応1、反応8または反応9においてパラジウム触媒を用いる場合には、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリトジクロロメタン錯体(1:1)などが用いられる。使用される塩基は炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、アルコキシカリウム(例えば、メトキシカリウム、エトキシカリウム、ノルマルプロポキシカリウム、イソプロポキシカリウム、n−ブトキシカリウムおよびtert−ブトキシカリウムなど)アルコキシナトリウム(例えば、メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、ノルマルプロポキシナトリウム、イソプロポキシナトリウム、n−ブトキシナトリウムおよびtert−ブトキシナトリウムなど)があげられる。反応促進剤は2,2’−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,1’−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル、ジ−tert−ブチルホスフィノビフェニル、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、1−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(N,N−ジブチルアミノメチル)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(メトキシメチル)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−メトキシ−2’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどが使用される。そして、反応溶媒にはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒が用いられる。溶媒は単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。反応温度は通常50〜200℃の範囲で実施されるが、より好ましくは80〜140℃である。
反応2、反応3または反応6において用いられるパラジウム触媒としては、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリトジクロロメタン錯体(1:1)などがあげられる。反応促進のため、場合によりこれらのパラジウム化合物にホスィン化合物を加えてもよい。そのホスィン化合物の例は、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−(ジtert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(N,N−ジブチルアミノメチル)−2−(ジtert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(メトキシメチル)−2−(ジtert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジtert−ブチルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジtert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−メトキシ−2’−(ジtert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどである。この反応で用いられる塩基の例は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウムなどである。さらに、この反応で用いられる溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロペンチルメチルエーテルなどである。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。反応温度は通常50〜180℃の範囲で実施されるが、より好ましくは70〜130℃である。
反応4では、反応溶媒にはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエ−テル、1,4−ジオキサンなどが用いられる。溶媒は単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。反応温度は通常−90℃〜150℃の範囲で実施される。用いる金属試薬により、反応温度が異なる。リチウム試薬を用いた場合、反応温度は−70〜−40℃が好ましい。グリニャール試薬を用いた場合、反応温度は0〜80℃が好ましい。
反応5において用いられる酸触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、ポリリン酸などの無機酸やメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸やシリカゲル、アルミナ、BF・OEt、AlCl、AlBr、EtAlCl、EtAlClなどのルイス酸が挙げられる。反応溶媒には、酢酸、CHCl、CHCl、ニトロベンゼン、CSなどが挙げられる。反応温度は通常−70℃〜150℃の範囲で実施されるが、より好ましくは-10〜100℃である。
反応7では、反応溶媒には、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが用いられる。溶媒は単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。反応温度は通常100℃〜220℃の範囲で実施される。より好ましくは130〜190℃である。
3.有機電界発光素子
本発明に係る縮合ピロール多環化合物は、例えば、有機電界発光素子の材料として用いることができる。以下に、本実施形態に係る有機電界発光素子について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機電界発光素子を示す概略断面図である。
<有機電界発光素子の構造>
図1に示された有機電界発光素子100は、基板101と、基板101上に設けられた陽極102と、陽極102の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた陰極108とを有する。
なお、有機電界発光素子100は、作製順序を逆にして、例えば、基板101と、基板101上に設けられた陰極108と、陰極108の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた陽極102とを有する構成としてもよい。
上記各層すべてがなくてはならないわけではなく、最小構成単位を陽極102と発光層105と陰極108とからなる構成として、正孔注入層103、正孔輸送層104、電子輸送層106、電子注入層107は任意に設けられる層である。また、上記各層は、それぞれ単一層からなってもよいし、複数層からなってもよい。また、発光層105と電子層(106や107)との間に正孔阻止層を設けてもよい。
有機電界発光素子を構成する層の態様としては、上述する「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」の構成態様の他に、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子注入層/陰極」の構成態様であってもよい。その他、発光層と電子層との間に正孔阻止層を設けた構成態様もある。
<有機電界発光素子における基板>
基板101は、有機電界発光素子100の支持体となるものであり、通常、石英、ガラス、金属、プラスチックなどが用いられる。基板101は、目的に応じて板状、フィルム状、またはシート状に形成され、例えば、ガラス板、金属板、金属箔、プラスチックフィルム、プラスチックシートなどが用いられる。なかでも、ガラス板、および、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂製の板が好ましい。ガラス基板であれば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどが用いられ、また、厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、例えば、0.2mm以上あればよい。厚さの上限値としては、例えば、2mm以下、好ましくは1mm以下である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することができる。また、基板101には、ガスバリア性を高めるために、少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜などのガスバリア膜を設けてもよく、特にガスバリア性が低い合成樹脂製の板、フィルムまたはシートを基板101として用いる場合にはガスバリア膜を設けるのが好ましい。
<有機電界発光素子における陽極>
陽極102は、発光層105へ正孔を注入する役割を果たすものである。なお、陽極102と発光層105との間に正孔注入層103および/または正孔輸送層104が設けられている場合には、これらを介して発光層105へ正孔を注入することになる。
陽極102を形成する材料としては、陽極物質は4eVより大きな仕事関数を有する無機化合物および有機化合物があげられる。無機化合物としては、例えば、金属(アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロムなど)、金属酸化物(インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)など)、ハロゲン化金属(ヨウ化銅など)、硫化銅、カーボンブラック、ITOガラスやネサガラスなどがあげられる。有機化合物としては、例えば、ポリ(3−メチルチオフェン)などのポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどがあげられる。その他、有機電界発光素子の陽極として用いられている物質の中から適宜選択して用いることができる。
透明電極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、発光素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば、300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、例えば100〜5Ω/□、好ましくは50〜5Ω/□の低抵抗品を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常50〜300nmの間で用いられることが多い。
<有機電界発光素子における正孔注入層、正孔輸送層>
正孔注入層103は、陽極102から移動してくる正孔を、効率よく発光層105内または正孔輸送層104内に注入する役割を果たすものである。正孔輸送層104は、陽極102から注入された正孔または陽極102から正孔注入層103を介して注入された正孔を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たすものである。正孔注入層103および正孔輸送層104は、それぞれ、正孔注入・輸送材料の一種または二種以上を積層、混合するか、正孔注入・輸送材料と高分子結着剤の混合物により形成される。また、正孔注入・輸送材料に塩化鉄(III)のような無機塩を添加して層を形成してもよい。
正孔注入・輸送性物質としては電界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率よく注入・輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率よく輸送することが望ましい。そのためにはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。
正孔注入層103および正孔輸送層104を形成する材料としては、光導電材料において、正孔の電荷輸送材料として従来から慣用されている化合物、p型半導体、有機電界発光素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。それらの具体例は、カルバゾール誘導体(N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなど)、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体(例えば、N,N4’−ジフェニル−N,N4’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾリル−3−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4'−ジアミンなど)、トリアリールアミン誘導体(芳香族第3級アミノ基を主鎖あるいは側鎖に持つポリマー、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−4,4’−ジアミノビフェニル(NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、スターバーストアミン誘導体など、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体(無金属、銅フタロシアニンなど)、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリシランなどである。ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましいが、発光素子の作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されるものではない。
また、有機半導体の導電性は、そのドーピングにより、強い影響を受けることも知られている。このような有機半導体マトリックス物質は、電子供与性の良好な化合物、または、電子受容性の良好な化合物から構成されている。電子供与物質のドーピングのために、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)または2,3,5,6−テトラフルオロテトラシアノ−1,4−ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)などの強い電子受容体が知られている(例えば、文献「M.Pfeiffer,A.Beyer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(22),3202-3204(1998)」および文献「J.Blochwitz,M.Pheiffer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(6),729-731(1998)」を参照)。これらは、電子供与型ベース物質(正孔輸送物質)における電子移動プロセスによって、いわゆる正孔を生成する。正孔の数および移動度によって、ベース物質の伝導性が、かなり大きく変化する。正孔輸送特性を有するマトリックス物質としては、例えばベンジジン誘導体(TPDなど)またはスターバーストアミン誘導体(TDATAなど)、あるいは、特定の金属フタロシアニン(特に、亜鉛フタロシアニンZnPcなど)が知られている(特開2005-167175号公報)。
<有機電界発光素子における発光層>
発光層105は、電界を与えられた電極間において、陽極102から注入された正孔と、陰極108から注入された電子とを再結合させることにより発光するものである。発光層105を形成する材料としては、正孔と電子との再結合によって励起されて発光する化合物(発光性化合物)であればよく、安定な薄膜形状を形成することができ、かつ、固体状態で強い発光(蛍光および/または燐光)効率を示す化合物であるのが好ましい。
発光層は単一層でも複数層からなってもどちらでもよく、それぞれ発光層用材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成される。ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着してもよい。
ホスト材料の使用量はホスト材料の種類によって異なり、そのホスト材料の特性に合わせて決めればよい。ホスト材料の使用量の目安は、好ましくは発光層用材料全体の50〜99.999重量%であり、より好ましくは80〜99.95重量%であり、さらに好ましくは90〜99.9重量%である。
ドーパント材料の使用量はドーパント材料の種類によって異なり、そのドーパント材料の特性に合わせて決めればよい。ドーパントの使用量の目安は、好ましくは発光層用材料全体の0.001〜50重量%であり、より好ましくは0.05〜20重量%であり、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。上記の範囲であれば、例えば、濃度消光現象を防止できるという点で好ましい。
本発明の上記式(1)で表される化合物は、高い発光量子効率、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性を有するため、発光材料として発光層に有効に使用できる。本発明の有機EL素子は、本発明の化合物のみで発光層を形成することができる。本発明の有機EL素子は、本発明の発光材料と他の発光材料を組み合わせることにより、発光輝度や発光効率を向上させたり、青色、緑色、赤色や白色の発光を得ることができる。この場合、本発明の化合物はホスト材料として用いることが好ましい。
本実施形態に係る発光素子の発光材料は蛍光性であっても燐光性であってもどちらでもかまわない。
本発明に係る上記式(1)で表される化合物と併用することができるホスト材料としては、東レリサーチセンター調査研究部門編、“有機ELディスプレスの本格実用化最前線”あさひ高速印刷株式会社出版(2002)P125〜132に記載されているような発光材料、城戸淳二監修“有機EL材料とディスプレイ”シーエムシー社出版(2001)P153〜156に記載されているような発光材料、また同書P170〜172に記載されているような三重項材料などが挙げられる。
また、併用可能なホスト材料として、多環芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、有機金属錯体、色素、高分子系発光材料、スチリル誘導体、クマリン誘導体、ボラン誘導体、オキサジン誘導体、スピロ環を有する化合物、オキサジアゾール誘導体、フルオレン誘導体なども挙げられる。多環芳香族化合物の例は、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、コロネン誘導体、ルブレン誘導体などである。ヘテロ芳香族化合物の例は、ジアルキルアミノ基またはジアリールアミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ピリジン誘導体、ピラン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体、トリフェニルアミノ基を有するチオフェン誘導体、キナクリドン誘導体などである。有機金属錯体の例は、亜鉛、アルミニウム、ベリリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、イリジウム、白金、レニウム、オスミウム、銀、金などと、キノリノール誘導体、ベンゾキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、フェニルピリジン誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、ピロール誘導体、ピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体などとの錯体である。色素の例は、キサンテン誘導体、ポリメチン誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、オキソベンズアントラセン誘導体、カルボスチリル誘導体、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体などの色素が挙げられる。高分子系発光材料の例は、ポリパラフェニルビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体などである。スチリル誘導体の例は、アミン含有スチリル誘導体、スチリルアリーレン誘導体などである。
その他、ホスト材料としては、化学工業2004年6月号13頁、および、それにあげられた参考文献などに記載された化合物などの中から適宜選択して用いることができる。
また、本発明の化合物をホストとして使用する際の発光性ドーパント材料としては、特に限定されるものではなく、既知の化合物を用いることができ、所望の発光色に応じて様々な材料の中から選択することができる。具体的には、例えば、フェナンスレン、アントラセン、ピレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、ナフトピレン、ジベンゾピレン、ルブレンおよびクリセンなどの縮合環誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、チオフェン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体(特開平1−245087号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公報)、ジアザインダセン誘導体、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、フェニルイソベンゾフラン、ジメシチルイソベンゾフラン、ジ(2−メチルフェニル)イソベンゾフラン、ジ(2−トリフルオロメチルフェニル)イソベンゾフラン、フェニルイソベンゾフランなどのイソベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、7−ジアルキルアミノクマリン誘導体、7−ピペリジノクマリン誘導体、7−ヒドロキシクマリン誘導体、7−メトキシクマリン誘導体、7−アセトキシクマリン誘導体、3−ベンズチアゾリルクマリン誘導体、3−ベンズイミダゾリルクマリン誘導体、3−ベンズオキサゾリルクマリン誘導体などのクマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、ポリメチン誘導体、シアニン誘導体、オキソベンズアンスラセン誘導体、キサンテン誘導体、ローダミン誘導体、フルオレセイン誘導体、ピリリウム誘導体、カルボスチリル誘導体、アクリジン誘導体、オキサジン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、キナクリドン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、フロピリジン誘導体、1,2,5−チアジアゾロピレン誘導体、ピロメテン誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、アクリドン誘導体、デアザフラビン誘導体、フルオレン誘導体およびベンゾフルオレン誘導体などがあげられる。
発色光ごとに例示すると、青〜青緑色ドーパント材料としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデン、クリセンなどの芳香族炭化水素化合物やその誘導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどの芳香族複素環化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体などがあげられる。
また、緑〜黄色ドーパント材料としては、クマリン誘導体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体およびルブレンなどのナフタセン誘導体などがあげられ、さらに上記青〜青緑色ドーパント材料として例示した化合物に、アリール基、ヘテロアリール基、アリールビニル基、アミノ基、シアノ基など長波長化を可能とする置換基を導入した化合物も好適な例としてあげられる。
さらに、橙〜赤色ドーパント材料としては、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希土類錯体、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランやその類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニン誘導体、ローダミン化合物、デアザフラビン誘導体、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、フェノキサジン誘導体、オキサジン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、フェノキサゾン誘導体およびチアジアゾロピレン誘導体などあげられ、さらに上記青〜青緑色および緑〜黄色ドーパント材料として例示した化合物に、アリール基、ヘテロアリール基、アリールビニル基、アミノ基、シアノ基など長波長化を可能とする置換基を導入した化合物も好適な例としてあげられる。さらに、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)に代表されるイリジウムや白金を中心金属とした燐光性金属錯体も好適な例としてあげられる。
その他、ドーパントとしては、化学工業2004年6月号13頁、および、それにあげられた参考文献などに記載された化合物などの中から適宜選択して用いることができる。
上述するドーパント材料の中でも、特にスチルベン構造を有するアミン、ペリレン誘導体、ボラン誘導体、芳香族アミン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、ピレン誘導体、イリジウム錯体、白金錯体またはレニウム錯体が好ましい。これらの中でもイリジウム錯体、白金錯体またはレニウム錯体の緑色燐光ドーパント材料が好ましい。
スチルベン構造を有するアミンは、例えば、下記式で表される。
Figure 2012126673

当該式中、Arは炭素数6〜30のアリールに由来するm価の基であり、ArおよびArは、それぞれ独立して炭素数6〜30のアリールであるが、Ar〜Arの少なくとも1つはスチルベン構造を有し、Ar〜Arは置換されていてもよく、そして、mは1〜4の整数である。
スチルベン構造を有するアミンは、下記式で表されるジアミノスチルベンがより好ましい。
Figure 2012126673

当該式中、ArおよびArは、それぞれ独立して炭素数6〜30のアリールであり、ArおよびArは置換されていてもよい。
炭素数6〜30のアリールの具体例は、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ペリレン、スチルベン、ジスチリルベンゼン、ジスチリルビフェニル、ジスチリルフルオレンなどが挙げられる。
スチルベン構造を有するアミンの具体例は、N,N,N’,N’−テトラ(4−ビフェニリル)−4,4’−ジアミノスチルベン、N,N,N’,N’−テトラ(1−ナフチル)−4,4’−ジアミノスチルベン、N,N,N’,N’−テトラ(2−ナフチル)−4,4’−ジアミノスチルベン、N,N’−ジ(2−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノスチルベン、N,N’−ジ(9−フェナントリル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノスチルベン、4,4’−ビス[4”−ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]−ビフェニル、1,4−ビス[4’−ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]−ベンゼン、2,7−ビス[4’−ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]−9,9−ジメチルフルオレン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−ビフェニル、4,4’−ビス(9−フェニル−3−カルバゾビニレン)−ビフェニルなどが挙げられる。
また、特開2003-347056号公報、および特開2001-307884号公報などに記載されたスチルベン構造を有するアミンを用いてもよい。
ペリレン誘導体としては、例えば、3,10−ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペリレン、3,10−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ペリレン、3,10−ジフェニルペリレン、3,4−ジフェニルペリレン、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン、3,4,9,10−テトラフェニルペリレン、3−(1’−ピレニル)−8,11−ジ(tert−ブチル)ペリレン、3−(9’−アントリル)−8,11−ジ(tert−ブチル)ペリレン、3,3’−ビス(8,11−ジ(tert−ブチル)ペリレニル)などがあげられる。
また、特開平11-97178号公報、特開2000-133457号公報、特開2000-26324号公報、特開2001-267079号公報、特開2001-267078号公報、特開2001-267076号公報、特開2000-34234号公報、特開2001-267075号公報、および特開2001-217077号公報などに記載されたペリレン誘導体を用いてもよい。
ボラン誘導体としては、例えば、1,8−ジフェニル−10−(ジメシチルボリル)アントラセン、9−フェニル−10−(ジメシチルボリル)アントラセン、4−(9’−アントリル)ジメシチルボリルナフタレン、4−(10’−フェニル−9’−アントリル)ジメシチルボリルナフタレン、9−(ジメシチルボリル)アントラセン、9−(4’−ビフェニリル)−10−(ジメシチルボリル)アントラセン、9−(4’−(N−カルバゾリル)フェニル)−10−(ジメシチルボリル)アントラセンなどがあげられる。
また、国際公開第2000/40586号パンフレットなどに記載されたボラン誘導体を用いてもよい。
芳香族アミン誘導体は、例えば、下記式で表される。
Figure 2012126673

当該式中、Arは炭素数6〜30のアリールに由来するn価の基であり、ArおよびArはそれぞれ独立して炭素数6〜30のアリールであり、Ar〜Arは置換されていてもよく、そして、nは1〜4の整数である。
特に、Arがアントラセン、クリセンまたはピレンに由来する2価の基であり、ArおよびArがそれぞれ独立して炭素数6〜30のアリールであり、Ar〜Arは置換されていてもよく、そして、nは2である、芳香族アミン誘導体がより好ましい。
炭素数6〜30のアリールの具体例は、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレンフェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ペリレン、ペンタセンなどが挙げられる。
芳香族アミン誘導体としては、クリセン系としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルクリセン−6,12−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(p−トリル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(m−トリル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−イソプロピルフェニル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(ナフタレン−2−イル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(p−トリル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチルフェニル)クリセン−6,12−ジアミン、N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N’−ジ(p−トリル)クリセン−6,12−ジアミンなどが挙げられる。
また、ピレン系としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルピレン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(p−トリル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(m−トリル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−イソプロピルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3,4−ジメチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(p−トリル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N’−ジ(p−トリル)ピレン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3,4−ジメチルフェニル)−3,8−ジフェニルピレン−1,6−ジアミンなどが挙げられる。
また、アントラセン系としては、例えば、N,N,N,N−テトラフェニルアントラセン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(p−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(m−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−イソプロピルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(p−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N’−ジ(p−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−N,N,N’,N’−テトラ(p−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N’−ジ(p−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、2,6−ジシクロヘキシル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N’−ジ(p−トリル)アントラセン−9,10−ジアミン、2,6−ジシクロヘキシル−N,N’−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチルフェニル)アントラセン−9,10−ジアミン、9,10−ビス(4−ジフェニルアミノ−フェニル)アントラセン、9,10−ビス(4−ジ(1−ナフチルアミノ)フェニル)アントラセン、9,10−ビス(4−ジ(2−ナフチルアミノ)フェニル)アントラセン、10−ジ−p−トリルアミノ−9−(4−ジ−p−トリルアミノ−1−ナフチル)アントラセン、10−ジフェニルアミノ−9−(4−ジフェニルアミノ−1−ナフチル)アントラセン、10−ジフェニルアミノ−9−(6−ジフェニルアミノ−2−ナフチル)アントラセンなどが挙げられる。
また、ピレン系としては、例えば、N,N,N,N−テトラフェニル−1,8−ピレン−1,6−ジアミン、N−ビフェニル−4イル−N−ビフェニル−1,8−ピレン−1,6−ジアミン、N,N−ジフェニル−N,N−ビス−(4−トリメチルシラニル−フェニル)−1H,8H−ピレン−1,6−ジアミンなどが挙げられる。
また、他には、[4−(4−ジフェニルアミノ−フェニル)ナフタレン−1−イル]−ジフェニルアミン、[4−(4−ジフェニルアミノ−フェニル)ナフタレン−1−イル]−ジフェニルアミン、[6−(4−ジフェニルアミノ−フェニル)ナフタレン−2−イル]−ジフェニルアミン、4,4’−ビス[4−ジフェニルアミノナフタレン−1−イル]ビフェニル、4,4’−ビス[6−ジフェニルアミノナフタレン−2−イル]ビフェニル、4,4”−ビス[4−ジフェニルアミノナフタレン−1−イル]−p−テルフェニル、4,4”−ビス[6−ジフェニルアミノナフタレン−2−イル]−p−テルフェニルなどがあげられる。
また、特開2006-156888号公報などに記載された芳香族アミン誘導体を用いてもよい。
クマリン誘導体としては、クマリン−6、クマリン−334などがあげられる。
また、特開2004-43646号公報、特開2001-76876号公報、および特開平6-298758号公報などに記載されたクマリン誘導体を用いてもよい。
ピラン誘導体としては、下記のDCM、DCJTBなどがあげられる。
Figure 2012126673

また、特開2005-126399号公報、特開2005-097283号公報、特開2002-234892号公報、特開2001-220577号公報、特開2001-081090号公報、および特開2001-052869号公報などに記載されたピラン誘導体を用いてもよい。
イリジウム錯体としては、下記のトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III):(Ir(ppy))、トリス(2−(4−トリル)ピリジン)イリジウム(III):(Ir(mppy))、ビス(2−フェニルピリジン)アセチルアセトナートイリジウム(III):(Ir(ppy)(acac))、ビス(2−フェニルピリジン)(1−フェニルピラゾール)イリジウム(III):(Ir(ppy)(ppz))などがあげられる。
Figure 2012126673

また、特開2006-089398号公報、特開2006-080419号公報、特開2005-298483号公報、特開2005-097263号公報、および特開2004-111379号公報などに記載されたイリジウム錯体を用いてもよい。
白金錯体としては、下記のPtOEP、3,3’−(6,6’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(ピリジン−6,2−ジイル))ジベンゾニトリル白金:(Pt−1)、ビス(2−(3−tert−ブチルピラゾール−5−イル)ピリジン)白金:(Pt−2)、ビス(2−(3−tert−ブチル−1,2,4−トリアゾル−5−イル)ピリジン)白金:(Pt−3)などがあげられる。
Figure 2012126673

また、特開2006-190718号公報、特開2006-128634号公報、特開2006-093542号公報、特開2004-335122号公報、および特開2004-331508号公報などに記載された白金錯体を用いてもよい。
レニウム錯体としては、下記のRe−1などがあげられる。
Figure 2012126673
<正孔阻止層>
正孔阻止層は、正孔と電子とを発光層内に閉じ込めて、発光効率を向上させる役割を果たすものである。正孔阻止層は、陽極から移動してくる正孔が陰極に到達するのを阻止し、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる物質であるのが望ましい。すなわち、正孔阻止層を形成する材料には、発光効率を向上させるために、電子移動度が高く、正孔移動度が低いという性質が求められる。加えて、有機電界発光素子の長寿命化の要請から、駆動安定性が高いことも求められている。
具体的には、有機金属錯体(混合配位子錯体、二核金属錯体など)、スチリル化合物(ジスチリルビフェニル誘導体など)、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ボラン誘導体およびアントラセン誘導体(例えば、特開2006-049570号公報に記載されたもの)などがあげられる。これらの材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。これらの中でも、有機金属錯体(混合配位子錯体、二核金属錯体など)、フェナントロリン誘導体またはボラン誘導体が好ましい。
有機金属錯体(混合配位子錯体、二核金属錯体など)の具体例としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム(以下、Balqと略記する。)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,5−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,5,6−テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、およびビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウムなどが挙げられる。
また、フェナントロリン誘導体の具体例としては、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(以下、BCPと略記する)、2,4,9,7−テトラフェニル−1,10−フェナントロリン、9,10−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)アントラセン、2,6−ジ(1,10−フェナントロリン−5−イル)ピリジン、1,3,5−トリ(1,10−フェナントロリン−5−イル)ベンゼン、および1,3−ビス(2−フェニル−1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどが挙げられる。
また、ボラン誘導体の具体例としては、9−(4’−ジメシチルボリルビフェニル−4−イル)−9H−カルバゾール、9−(4−(4−ジメシチルボリルナフタレン−1−イル)フェニル)−9H−カルバゾール、9−(4−(4−ジメシチルボリルフェニル)ナフタレン−1−イル)−9H−カルバゾール、9−(4−(6−ジメシチルボリルナフタレン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール、9−(6−(4−ジメシチルボリルフェニル)ナフタレン−2−イル)−9H−カルバゾール、9−(7−ジメシチルボリル−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9H−カルバゾール、9−(7−ジメシチルボリル−9,9−ジフェニル−9H−フルオレン−2−イル)−9H−カルバゾール、4,4’−ビス(ジメシチルボリル)ビフェニル、1−ジメシチルボリル−4−(4−ジメシチルボリルフェニル)ナフタレン、2−ジメシチルボリル−6−(4−ジメシチルボリルフェニル)ナフタレン、2,7−ビス(ジメシチルボリル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン、および2,7−ビス(ジメシチルボリル)−9,9−ジフェニル−9H−フルオレンなどが挙げられる。また、特願2005-210638号公報に記載されたボラン誘導体を用いてもよい。
<有機電界発光素子における電子注入層、電子輸送層>
電子注入層107は、陰極108から移動してくる電子を、効率よく発光層105内または電子輸送層106内に注入する役割を果たすものである。電子輸送層106は、陰極108から注入された電子または陰極108から電子注入層107を介して注入された電子を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たすものである。電子輸送層106および電子注入層107は、それぞれ、電子輸送・注入材料の一種または二種以上を積層、混合するか、電子輸送・注入材料と高分子結着剤の混合物により形成される。
電子注入・輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送することをつかさどる層であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合には、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有する。したがって、本実施形態における電子注入・輸送層は、正孔の移動を効率よく阻止できる層の機能も含まれてもよい。
電子輸送層106または電子注入層107を形成する材料(電子輸送材料)としては、光導電材料において電子伝達化合物として従来から慣用されている化合物、有機電界発光素子の電子注入層および電子輸送層に使用されている公知の化合物の中から任意に選択して用いることができる。
電子輸送層または電子注入層に用いられる材料としては、炭素、水素、酸素、硫黄、ケイ素およびリンの中から選ばれる一種以上の原子で構成される芳香環もしくは複素芳香環からなる化合物、ピロール誘導体およびその縮合環誘導体および電子受容性窒素を有する金属錯体の中から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。具体的には、ナフタレン、アントラセンなどの縮合環系芳香環誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体などがあげられる。電子受容性窒素を有する金属錯体としては、例えば、ヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などがあげられる。これらの材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。中でも、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセンなどのアントラセン誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルなどのスチリル系芳香環誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル、1,3,5−トリス(N−カルバゾリル)ベンゼンなどのカルバゾール誘導体が、耐久性の観点から好ましく用いられる。
また、他の電子伝達化合物の具体例として、ピリジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントロリン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体(1,3−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなど)、チオフェン誘導体、トリアゾール誘導体(N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなど)、チアジアゾール誘導体、オキシン誘導体の金属錯体、キノリノール系金属錯体、キノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体のポリマー、ベンザゾール類化合物、ガリウム錯体、ピラゾール誘導体、パーフルオロ化フェニレン誘導体、トリアジン誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾキノリン誘導体(2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなど)、イミダゾピリジン誘導体、ボラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体(トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンなど)、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、キノリン誘導体、テルピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、テルピリジン誘導体(1,3−ビス(4’−(2,2’:6’2”−テルピリジニル))ベンゼンなど)、ナフチリジン誘導体(ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなど)、アルダジン誘導体、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、リンオキサイド誘導体、ビススチリル誘導体などがあげられる。
また、電子受容性窒素を有する金属錯体を用いることもでき、例えば、キノリノール系金属錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などがあげられる。
上述した材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。
上述した材料の中でも、キノリノール系金属錯体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体またはボラン誘導体が好ましい。
キノリノール系金属錯体は、下記一般式(E−1)で表される化合物である。
Figure 2012126673

式中、R〜Rは水素または置換基であり、MはLi、Al、Ga、BeまたはZnであり、nは1〜3の整数である。
キノリノール系金属錯体の具体例としては、8−キノリノールリチウム、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,5,6−テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン)ベリリウムなどがあげられる。
ビピリジン誘導体は、下記一般式(E−2)で表される化合物である。
Figure 2012126673

式中、Gは単なる結合手またはn価の連結基を表し、nは2〜8の整数である。また、ピリジン−ピリジンまたはピリジン−Gの結合に用いられない炭素原子は置換されていてもよい。
一般式(E−2)のGとしては、例えば、以下の構造式のものがあげられる。なお、下記構造式中のRは、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。
Figure 2012126673
ピリジン誘導体の具体例としては、2,5−ビス(2,2’−ビピリジル−6−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール、2,5−ビス(2,2’−ビピリジル−6−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジメシチルシロール、2,5−ビス(2,2’−ビピリジル−5−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール、2,5−ビス(2,2’−ビピリジル−5−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジメシチルシロール、9,10−ジ(2,2’−ビピリジル−6−イル)アントラセン、9,10−ジ(2,2’−ビピリジル−5−イル)アントラセン、9,10−ジ(2,3’−ビピリジル−6−イル)アントラセン、9,10−ジ(2,3’−ビピリジル−5−イル)アントラセン、9,10−ジ(2,3’−ビピリジル−6−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(2,3’−ビピリジル−5−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(2,2’−ビピリジル−6−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(2,2’−ビピリジル−5−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(2,4’−ビピリジル−6−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(2,4’−ビピリジル−5−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(3,4’−ビピリジル−6−イル)−2−フェニルアントラセン、9,10−ジ(3,4’−ビピリジル−5−イル)−2−フェニルアントラセン、3,4−ジフェニル−2,5−ジ(2,2’−ビピリジル−6−イル)チオフェン、3,4−ジフェニル−2,5−ジ(2,3’−ビピリジル−5−イル)チオフェン、6’6”−ジ(2−ピリジル)2,2’:4’,4”:2”,2”’−クアテルピリジンなどがあげられる。
フェナントロリン誘導体は、下記一般式(E−3−1)または(E−3−2)で表される化合物である。
Figure 2012126673

式中、R〜Rは水素または置換基であり、隣接する基は互いに結合して縮合環を形成してもよく、Gは単なる結合手またはn価の連結基を表し、nは2〜8の整数である。また、一般式(E−3−2)のGとしては、例えば、ビピリジン誘導体の欄で説明したものと同じものがあげられる。
フェナントロリン誘導体の具体例としては、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、9,10−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)アントラセン、2,6−ジ(1,10−フェナントロリン−5−イル)ピリジン、1,3,5−トリ(1,10−フェナントロリン−5−イル)ベンゼン、9,9’−ジフルオル−ビス(1,10−フェナントロリン−5−イル)、バソクプロインや1,3−ビス(2−フェニル−1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどがあげられる。
特に、フェナントロリン誘導体を電子輸送層、電子注入層に用いた場合について説明する。長時間にわたって安定な発光を得るには、熱的安定性や薄膜形成性に優れた材料が望まれ、フェナントロリン誘導体の中でも、置換基自身が三次元的立体構造を有するか、フェナントロリン骨格とのあるいは隣接置換基との立体反発により三次元的立体構造を有するもの、あるいは複数のフェナントロリン骨格を連結したものが好ましい。さらに、複数のフェナントロリン骨格を連結する場合、連結ユニット中に共役結合、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素、置換もしくは無置換の芳香複素環を含んでいる化合物がより好ましい。
ボラン誘導体は、下記一般式(E−4)で表される化合物であり、詳細には特開2007-27587号公報に開示されている。
Figure 2012126673

式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換シリル基、置換されていてもよい窒素含有複素環基、またはシアノ基の少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、Xは、置換されていてもよいアリーレン基であり、Yは、置換されていてもよい炭素数16以下のアリール基、置換ボリル基、または置換されていてもよいカルバゾール基であり、そして、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
上記一般式(E−4)で表される化合物の中でも、下記一般式(E−4−1)で表される化合物、さらに下記一般式(E−4−1−1)〜(E−4−1−4)で表される化合物が好ましい。具体例としては、9−[4−(4−ジメシチルボリルナフタレン−1−イル)フェニル]カルバゾール、9−[4−(4−ジメシチルボリルナフタレン−1−イル)ナフタレン−1−イル]カルバゾールなどがあげられる。
Figure 2012126673

式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換シリル基、置換されていてもよい窒素含有複素環基、またはシアノ基の少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換シリル基、置換されていてもよい窒素含有複素環基、またはシアノ基の少なくとも一つであり、Xは、置換されていてもよい炭素数20以下のアリーレン基であり、nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、そして、mはそれぞれ独立して0〜4の整数である。
Figure 2012126673

各式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかであり、そして、R35およびR36は、それぞれ独立して、水素、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかである。
上記一般式(E−4)で表される化合物の中でも、下記一般式(E−4−2)で表される化合物、さらに下記一般式(E−4−2−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012126673

式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換シリル基、置換されていてもよい窒素含有複素環基、またはシアノ基の少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、Xは、置換されていてもよい炭素数20以下のアリーレン基であり、そして、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
Figure 2012126673

式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかであり、そして、R35およびR36は、それぞれ独立して、水素、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかである。
上記一般式(E−4)で表される化合物の中でも、下記一般式(E−4−3)で表される化合物、さらに下記一般式(E−4−3−1)または(E−4−3−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012126673

式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換シリル基、置換されていてもよい窒素含有複素環基、またはシアノ基の少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、Xは、置換されていてもよい炭素数10以下のアリーレン基であり、Yは、置換されていてもよい炭素数14以下のアリール基であり、そして、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
Figure 2012126673

各式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかであり、そして、R35およびR36は、それぞれ独立して、水素、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかである。
ベンゾイミダゾール誘導体は、下記一般式(E−5)で表される化合物である。
Figure 2012126673

式中、Ar〜Arはそれぞれ独立に水素または置換されてもよい炭素数6〜30のアリールである。特に、Arが置換されてもよいアントリルであるベンゾイミダゾール誘導体が好ましい。
炭素数6〜30のアリールの具体例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチレン−1−イル、アセナフチレン−3−イル、アセナフチレン−4−イル、アセナフチレン−5−イル、フルオレン−1−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−3−イル、フルオレン−4−イル、フルオレン−9−イル、フェナレン−1−イル、フェナレン−2−イル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル,9−フェナントリル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、フルオランテン−1−イル、フルオランテン−2−イル、フルオランテン−3−イル、フルオランテン−7−イル、フルオランテン−8−イル、トリフェニレン−1−イル、トリフェニレン−2−イル、ピレン−1−イル、ピレン−2−イル、ピレン−4−イル、クリセン−1−イル、クリセン−2−イル、クリセン−3−イル、クリセン−4−イル、クリセン−5−イル、クリセン−6−イル、ナフタセン−1−イル、ナフタセン−2−イル、ナフタセン−5−イル、ペリレン−1−イル、ペリレン−2−イル、ペリレン−3−イル、ペンタセン−1−イル、ペンタセン−2−イル、ペンタセン−5−イル、ペンタセン−6−イルである。
ベンゾイミダゾール誘導体の具体例は、1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)、1−フェニル−2−(4−(10−フェニルアントラセン−9−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2−(4−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2−(3−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、5−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)−1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、1−(4−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)フェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、1−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、5−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)−1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールである。
電子輸送層または電子注入層には、さらに、電子輸送層または電子注入層を形成する材料を還元できる物質を含んでいてもよい。この還元性物質は、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを好適に使用することができる。
好ましい還元性物質としては、Na(仕事関数2.36eV)、K(同2.28eV)、Rb(同2.16eV)またはCs(同1.95eV)などのアルカリ金属や、Ca(同2.9eV)、Sr(同2.0〜2.5eV)またはBa(同2.52eV)などのアルカリ土類金属が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性物質は、K、RbまたはCsのアルカリ金属であり、さらに好ましくはRbまたはCsであり、最も好ましいのはCsである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性物質として、これら2種以上のアルカリ金属の組み合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRb、またはCsとNaとKとの組み合わせが好ましい。Csを含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
<有機電界発光素子における陰極>
陰極108は、電子注入層107および電子輸送層106を介して、発光層105に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極108を形成する材料としては、電子を有機層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されないが、陰極物質は4eVより小さな仕事関数の金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を使用できる。その例としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、マグネシウム合金、アルミニウム合金などが挙げられる。また、合金の例としては、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/リチウム、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウムなどが挙げられる。有機EL素子の発光を効率よく取り出すために、電極の少なくとも一方は光透過率を10%以上にすることが望ましい。電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下にすることが好ましい。なお、膜厚は電極材料の性質にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜400nmの範囲に設定される。このような電極は、上述の電極物質を使用して、蒸着やスパッタリングなどの方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
さらに、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、スズ、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などを積層することが、好ましい例としてあげられる。これらの電極の作製法も、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど、導通を取ることができれば特に制限されない。
<各層で用いてもよい結着剤>
以上の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層に用いられる材料は単独で各層を形成することができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
<有機電界発光素子の作製方法>
有機電界発光素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を蒸着法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、印刷法、スピンコート法またはキャスト法、コーティング法などの方法で薄膜とすることにより、形成することができる。このようにして形成された各層の膜厚については特に限定はなく、材料の性質に応じて適宜設定することができるが、通常2nm〜5000nmの範囲である。膜厚は通常、水晶発振式膜厚測定装置などで測定できる。蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、材料の種類、膜の目的とする結晶構造および会合構造などにより異なる。蒸着条件は一般的に、ボート加熱温度+50〜+400℃、真空度10−6〜10−3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−150〜+300℃、膜厚2nm〜5μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
つぎに、有機電界発光素子を作製する方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ホスト材料とドーパント材料からなる発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機電界発光素子の作製法について説明する。適当な基板上に、陽極材料の薄膜を蒸着法などにより形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔注入層および正孔輸送層の薄膜を形成させる。この上にホスト材料とドーパント材料を共蒸着し薄膜を形成させて発光層とし、この発光層の上に電子輸送層、電子注入層を形成させ、さらに陰極用物質からなる薄膜を蒸着法などにより形成させて陰極とすることにより、目的の有機電界発光素子が得られる。なお、上述の有機電界発光素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた有機電界発光素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として印加すればよく、電圧2〜40V程度を印加すると、透明または半透明の電極側(陽極または陰極、および両方)より発光が観測できる。また、この有機電界発光素子は、交流電流を印加した場合にも発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
<有機電界発光素子の応用例>
また、本発明は、有機電界発光素子を備えた表示装置または有機電界発光素子を備えた照明装置などにも応用することができる。
有機電界発光素子を備えた表示装置または照明装置は、本実施形態に係る有機電界発光素子と公知の駆動装置とを接続するなど公知の方法によって製造することができ、直流駆動、パルス駆動、交流駆動など公知の駆動方法を適宜用いて駆動することができる。
表示装置としては、例えば、カラーフラットパネルディスプレイなどのパネルディスプレイ、フレキシブルカラー有機電界発光(EL)ディスプレイなどのフレキシブルディスプレイなどがあげられる(例えば、特開平10-335066号公報、特開2003-321546号公報、特開2004-281086号公報など参照)。また、ディスプレイの表示方式としては、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式などがあげられる。なお、マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
マトリクスとは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方は構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
セグメント方式(タイプ)では、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などがあげられる。
照明装置としては、例えば、室内照明などの照明装置、液晶表示装置のバックライトなどがあげられる(例えば、特開2003-257621号公報、特開2003-277741号公報、特開2004-119211号公報など参照)。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなっているため薄型化が困難であることを考えると、本実施形態に係る発光素子を用いたバックライトは薄型で軽量が特徴になる。
本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。まず実施例で用いた縮合ピロール多環化合物の合成例について、以下に説明する。
<式(1−1−28)または式(1−2−22)で表される化合物の合成例>
Figure 2012126673
<9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ブロム−9H−カルバゾールの合成>
Figure 2012126673
窒素雰囲気下、3−ブロム−9H−カルバゾール4.1g、9−(4’−ヨード−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−9H−カルバゾール2.27g、銅粉1.17g、炭酸カリウム5.09g、18−クラウン−6(18−C−6)0.12g、およびo−ジクロロベンゼン46mlをフラスコに入れて、180℃で15時間還流した。反応液を冷却し、ろ過して固体を除去した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=4/1(容量比))を行って、中間体の化合物(1−1a):9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ブロム−9H−カルバゾール2.65g(収率:51%)を得た。
<9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾールの合成>
Figure 2012126673
窒素雰囲気下、前記の中間体化合物(1−1a)2.65gとビス(ピナコラート)ジボロン1.43g、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリトジクロロメタン錯体(1:1)0.12g、酢酸カリウム1.38gおよびシクロペンチルメチルエーテル25mlをフラスコに入れて5分間攪拌した。その後、5時間還流した。加熱終了後に反応液を冷却し、ろ過して固体を除去した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗製品を活性炭でカラム精製(溶媒:トルエン)を行い、中間体の化合物(1−1b):9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール2.54g(収率:89%)を得た。
<2−(9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)9H−カルバゾール−3−イル)安息香酸メチルの合成>
Figure 2012126673
窒素雰囲気下、中間体化合物(1−1b)2.54g、o−安息香酸メチル1.07g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)0.24g、炭酸ナトリウム0.88gおよびトルエンとエタノールの混合溶媒20ml(トルエン/エタノール=4/1(容量比))をフラスコに入れて5分間攪拌した。その後水4mlを加え14時間還流した。加熱終了後反応液を冷却し、有機層を分取して、これを飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧留去して得られた固体を、シリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=3/1(容量比))を行い、中間体の化合物(1−1c):2−(9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)9H−カルバゾール−3−イル)安息香酸メチル2.37g(収率:92%)を得た。
<(2−(9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)9H−カルバゾール−3−イル)フェニル)ジフェニルメタノールの合成>
Figure 2012126673
窒素雰囲気下、中間体化合物(1−1c)2.37gのTHF(40ml)溶液を−70℃まで冷却した。この溶液に1.9Mのフェニルリチウム・ジブチルエテール6mlをシリンジから滴下して加えた。滴下後、この溶液を同温度にて1時間攪拌した。その後、室温に戻しながら終夜した。つぎに、反応混合液に水を加え、酢酸エチルで目的成分を抽出し、有機層を減圧濃縮して得られた固体を、シリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=2/1(容量比))を行い、中間体の化合物(1−1d):(2−(9−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)9H−カルバゾール−3−イル)フェニル)ジフェニルメタノール2.65g(収率:93%)を得た。
<最終目的化合物の合成>
Figure 2012126673
窒素雰囲気下、中間体化合物(1−1d)2.4gのジクロロメタン(35ml)溶液を0℃まで冷却した。この溶液に三フッ化ホウ素エテール0.69gを滴下した。滴下後、この溶液を同温度にて1時間攪拌した。その後、氷水を冷却しながら、反応混合液に水を加え、クロロホルムで目的成分を抽出し、有機層を減圧濃縮して得られた固体を、シリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=3/1(容量比))を行い、式(1−1−28)で表される化合物および式(1−2−22)で表される化合物の粗製品がそれぞれ得られた。さらに、これらの化合物の粗製品をそれぞれ再結晶(溶媒:トルエン)した後、昇華精製して、目的化合物:5−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−12,12−ジフェニル−5,12−ジヒドロインデノ[1,2−c]カルバゾール(式(1−1−28)で表される化合物)0.57g(収率:25%)、および目的化合物:5−(4’−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7,7−ジフェニル−5,7−ジヒドロインデノ[2,1−b]カルバゾール(式(1−2−22)で表される化合物)0.55g(収率:24%)を得た。
MSスペクトルおよびNMR測定によりこれらの化合物の構造を確認した。
<式(1−1−28)で表される化合物>
H−NMR(CDCl):σ=8.18(d,2H)、7.95〜7.92(m,5H)、7.77〜7.71(m,5H)、7.56〜7.43(m,11H)、7.34〜7.17(m,13H).
<式(1−2−22)で表される化合物>
H−NMR(CDCl):σ=8.51(s,1H)、8.23〜8.16(m,3H)、7.92〜7.85(m,5H)、7.70〜7.60(m,4H)、7.51〜7.19(m,23H).
これらの化合物のその他の物性は以下の通りであった。[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製)、測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(1−1−28)で表される化合物>
ガラス転移温度(Tg):184.8℃
<式(1−2−22)で表される化合物>
ガラス転移温度(Tg):179.6℃
原料の化合物を適宜選択することにより、上記の合成例に準じた方法で、本発明の他の化合物を合成することができる。
<目的化合物の諸物性>
式(1−1−28)、式(1−2−22)で表される化合物および比較例の化合物「CBP」((株)同仁化学研究所製)の物性値をまとめて下記の表1に示した。なお、化合物「CBP」は下記の構造を有する。
Figure 2012126673
Figure 2012126673
融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)および結晶化温度(Tc)は、Perkin−Elmer社製のDiamond DSCを用いて測定した(測定条件:冷却速度200℃/分、昇温速度10℃/分)。
また、薄膜蛍光最大波長(λmax)は、日本分光製V−560型分光光度計を用いて励起波長を360nmとして測定した。
さらに、三重項状態エネルギーレベル(T1)は、燐光スペクトルを測定し、スペクトルの立ち上がり位置から算出した。燐光スペクトルの測定は、日立ハイテクノロジーズ社製の蛍光分光光度計F−7000に付属装置の低温測定付属装置を取り付けて行った。測定化合物をエタノールに溶解させたものを試料とし、凍結脱気後、液体窒素温度(77K)で、試料に波長360nmの励起光をチョッパーにてパルス状にあてる(40Hz)ことで発光させ、蛍光成分が消光してからデータを取得し燐光成分のみを取り出した。
この測定結果から、本発明の式(1)で表される化合物が安定なガラス状態を有し、蒸着などにより安定なアモルファス膜を形成することが期待できる。また、三重項状態エネルギーレベル(T1)および薄膜蛍光最大波長(λmax)の測定結果を検討すると、本発明の式(1)で表される化合物が緑色燐光ホスト材料として有効であると同時に、蛍光青色ホスト発光材料として使用することができることも分かる。
つぎに、式(1−1−28)、式(1−2−22)で表される化合物および比較例の化合物「CBP」を燐光ホスト材料とし、Ir(ppy)を燐光緑色ドーパント材料として、燐光量子収率を測定した。測定はJapanese Journal of Applied Physics Vol. 43, No.11A, 2004, pp.7729-7730.の記載にしたがって行った。
まず、つぎのようにして発光量子収率測定用サンプルを作製した。基板は合成石英基板(10mm×10mm×0.7t)を用いた。この基板を市販の蒸着装置の基板ホルダーに固定した。蒸着面積の直径が5mmφとなるよう、金属製のマスクも基板ホルダーへ同時に装着した。ホスト材料を入れたモリブデン製蒸着用ボート、ドーパント材料を入れたモリブデン製蒸着用ボートを同蒸着装置へ装着した。真空槽を5×10−4Paまで減圧し、ホスト材料を入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびドーパント材料を入れたモリブデン製蒸着用ボートを同時に加熱し、膜厚50nmになるように両化合物を共蒸着して測定用サンプルを作製した。このとき、ドーパント材料のドープ濃度は約5重量%であった。蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 43, No.11A, 2004, pp.7729-7730.によれば、発光量子収率ηPLは以下の式で与えられる。
Figure 2012126673
emissionは材料から放出されたフォトン数、NAbsorptionは材料が吸収したフォトン数であり、発光量子収率はその比として求められる。ここで、αは測定系の補正係数、λは波長、hはプランク定数、cは光速、Iem(λ)はサンプルの発光強度、Iex(λ)はサンプルを設置する前の励起光強度、I'ex(λ)はサンプルへ励起光を照射した時に観測される励起光強度である。IemとI'ex+Iemとの2つのスペクトル観測を行うことで、発光量子収率の測定が可能である。
測定装置は、励起光源、励起光ガイド部、積分球、マルチチャンネル分光器より構成される。励起光源より出力された励起光は、集光レンズ、NDフィルター、光ファイバーから構成される励起光ガイド部を介して積分球内に導入される。励起光および、サンプルの発光は、積分球内で均一に散乱され、光ファイバプローブを介してマルチチャンネル分光器によって検出される。測定は窒素ガスフロー下で行った。
励起光光源はHeCdレーザー Kinmon IK5352R-D (波長:325nm、出力10mW)、発光スペクトルの観測には浜松ホトエレクトロニクス製のマルチチャンネル分光器 PMA-11(C7473-36)、積分球はLabsphere社IS-080-SFを使用した。
発光量子収率測定用サンプルと同様の石英基板をブランク基板とした。ブランク基板を発光量子収率測定用の基板ホルダーにセットし、励起光スペクトルIex(λ)の測定を行った。ブランク基板を取り外し、発光量子収率測定用サンプルをセットし、励起光スペクトルと発光スペクトルI'ex(λ)+Iem(λ)の観測を行った。マルチチャンネル分光器は、露光時間200ms、アベレージング回数20回の設定とした。
式(1−1−28)、式(1−2−22)で表される化合物または比較例の化合物「CBP」を用いたサンプルの量子収率をそれぞれ上記と同様に測定した。また、CBPを用いたサンプルの発光量子収率値を標準値として、量子収率(相対値)を算出した。測定結果を下記の表2に示した。
Figure 2012126673
<目的化合物を用いた有機EL素子>
つぎに、以下に説明するようにして、実施例1および2に係る有機EL素子を作製し、それぞれ、1000cd/m発光時の特性である電圧(V)、電流密度(mA/cm)、発光効率(Lm/W)、電流効率(cd/A)、発光波長(nm)および色度(x,y)の測定を行った。
作製した実施例1および2に係る有機EL素子における、各層の材料構成を下記表3に示す。
Figure 2012126673
表1において、「HI−1」はN,N4’−ジフェニル−N,N4’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、「NPD」はN,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−4,4’−ジアミノビフェニル、「BD−1」は7,7,N,N−テトラフェニル−7H−ベンゾ〔c〕フルオレン−5,9−ジアミン、「TPBi」は1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ベンゼンであり、それぞれ以下に示す化学構造を有する。
Figure 2012126673
<実施例1>
ITOを150nmの厚さに蒸着した26mm×28mm×0.7mmのガラス基板を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置の基板ホルダーに固定し、HI−1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、NPDを入れたモリブデン製蒸着用ボート、式(1−1−28)で表される化合物を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(ppy)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、TPBiを入れたモリブデン製蒸着用ボート、フッ化リチウムを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
真空槽を1×10−3Paまで減圧し、HT−1が入った蒸着用ボートを加熱して、膜厚40nmになるようにHT−1を蒸着して正孔注入層を形成し、ついで、NPDが入った蒸着用ボートを加熱して、膜厚25nmになるようにNPDを蒸着して正孔輸送層を形成した。つぎに、式(1−1−28)で表される化合物が入ったモリブデン製蒸着用ボートおよびIr(ppy)が入ったモリブデン製蒸着用ボートを加熱して、膜厚25nmになるように両化合物を共蒸着して発光層を形成した。このとき、Ir(ppy)のドープ濃度は約5重量%であった。つぎにTPBiが入った蒸着用ボートを加熱して、膜厚30nmになるようにTPBiを蒸着して電子輸送層を形成した。以上の蒸着速度は0.1〜1nm/秒であった。
その後、フッ化リチウムが入った蒸着用ボートを加熱して、膜厚1nmになるように0.005〜0.01nm/秒の蒸着速度でフッ化リチウムを蒸着し、ついで、アルミニウムが入った蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.1〜1nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより、有機EL素子を作製した。
ITO電極を陽極、フッ化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、1000cd/m発光時の特性を測定すると、電圧6.1V、電流密度5.73mA/cm、発光効率9.1Lm/W、電流効率17.5cd/A、発光波長511nmおよび色度(0.287,0.618)であった。
<実施例2>
実施例1で緑色燐光ドーパントに用いたIr(ppy)を蛍光青色ドーパントBD−1に替えた以外は、実施例1に準じた方法で有機EL素子を作製した。ITO電極を陽極、フッ化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、1000cd/m発光時の特性を測定すると、電圧6.95V、電流密度32.5mA/cm、発光効率1.4Lm/W、電流効率3.1cd/A、発光波長460nmおよび色度(0.140,0.139)であった。
以上の結果を表4にまとめた。
Figure 2012126673
本発明の好ましい態様によれば、本発明の縮合ピロール多環化合物は高いTgを有するため、安定な薄膜を形成することができる。また、本発明の縮合ピロール多環化合物を用いて有機EL素子を作製した場合には、耐熱性、発光効率、電流効率、素子寿命および外部量子効率などの少なくとも一つにおいて、さらに性能のよい有機EL素子、それを備えた表示装置およびそれを備えた照明装置などを提供することができる。
100 有機電界発光素子
101 基板
102 陽極
103 正孔注入層
104 正孔輸送層
105 発光層
106 電子輸送層
107 電子注入層
108 陰極

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2012126673

    式(1)において、Arはピロール環に縮合しているフルオレン環であり;
    インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよく、
    インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の水素は、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数6〜30のアリール、または炭素数1〜30のヘテロアリールで置換されていてもよく、フルオレン環の9位の2つの水素が置換されている場合、これらの置換基同士は結合してスピロ環を形成していてもよく;
    Arは炭素数10〜30のアリールであり、ただし炭素数10〜30のアリールの中からビフェニリルが選択される場合には下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
    Figure 2012126673

    式(BP)において、Arは、炭素数6〜30のアリールおよび炭素数1〜30のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜30のヘテロアリールである。
  2. 下記式(1−1)〜(1−6)のいずれかで表される、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2012126673

    式(1−1)〜(1−6)において、インドール環とフルオレン環とで形成される縮合環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよく;
    およびRは、それぞれ独立して、炭素数6〜18のアリール、または炭素数1〜20のヘテロアリールであり、RおよびRは互いに結合してスピロ環を形成していてもよく;
    Arは炭素数10〜30のアリールであり、ただし炭素数10〜30のアリールの中からビフェニリルが選択される場合には下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
    Figure 2012126673

    式(BP)において、Arは、炭素数6〜30のアリールおよび炭素数1〜30のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜30のヘテロアリールである。
  3. およびRは、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、フェナントリル、ピリジル、またはイミダゾリルであり、これらは互いに結合してスピロ環を形成していてもよく;
    Arは、ナフチル、フェナントリルまたは下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
    Figure 2012126673

    式(BP)において、Arは、炭素数6〜20のアリールおよび炭素数1〜20のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のヘテロアリールである、請求項2に記載の化合物。
  4. およびRは、フェニルまたはピリジルであり、これらは互いに結合してスピロ環を形成していてもよく;
    Arは、ナフチル、フェナントリルまたは下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
    Figure 2012126673

    式(BP)において、Arは、炭素数6〜10のアリールおよび炭素数1〜10のヘテロアリールから選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい、ピリジル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、またはイソオキサゾリルであり、これらの環における任意の部位「−CH=」は部位「−N=」であってもよい、請求項2または3に記載の化合物。
  5. およびRは、フェニルであり、フェニル同士が結合してスピロ環を形成していてもよく;
    Arは、下記式(BP)で表されるビフェニリルであり、
    Figure 2012126673

    式(BP)において、Arは、フェニルで置換されていてもよい、カルバゾリル、カルボリニル、インデノカルバゾリル、インデノカルボリニル、またはベンゾイミダゾリルである、請求項2〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 下記式(1−1−28)または式(1−2−22)で表される、請求項2〜5のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2012126673
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含有する、有機電界発光素子用の発光層用材料。
  8. さらに、スチルベン構造を有するアミン、ベンゾフルオレン構造を有するアミン、芳香族アミン、クマリン誘導体、ピラン誘導体、イリジウム錯体、レニウム錯体、および白金錯体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項7に記載の発光層用材料。
  9. 陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置され、請求項7または8に記載の発光層用材料を含有する発光層とを有する、有機電界発光素子。
  10. さらに、前記陰極と前記発光層との間に配置された電子輸送層および/または電子注入層を有し、該電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、キノリノール系金属錯体、ピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、ボラン誘導体およびベンゾイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項9に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項10に記載の有機電界発光素子。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた表示装置。
  13. 請求項9〜11のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた照明装置。
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