JP2012125219A - 穀物粉含有食品の作製方法およびマイクロ波発熱容器入り穀物粉含有生地 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生地原料を混捏して穀物粉含有生地を作製する生地作製工程Aと、穀物粉含有生地を、発熱部によって穀物粉含有生地を囲繞できるマイクロ波発熱容器に充填する充填工程Bと、マイクロ波発熱容器の内部で穀物粉含有生地を発酵させる容器内発酵工程Cと、マイクロ波を照射して未焼成の穀物粉含有生地を焼成するマイクロ波加熱工程Fと、を有する穀物粉含有食品の作製方法、および、生地原料を混捏して発酵させ、かつ未焼成の穀物粉含有生地を、発熱部を有し、かつ穀物粉含有生地を充填する充填部を設けたマイクロ波発熱容器に充填したマイクロ波発熱容器入り穀物粉含有生地。
【選択図】図1
Description
即ち、上述した生地原料を所定量添加して均一に混和する生地作製工程を行い、20〜40℃で30〜150分程度の発酵を行なう(一次発酵工程)。一次発酵が済んだパン生地において二酸化炭素ガス抜きを行い、所定の数に分割して所定の形状に成形し、所定時間のベンチタイムを経た後、20〜40℃で20〜80分程度の発酵を行なう(二次発酵工程)。二次発酵が済んだパン生地を、180〜200℃で15〜30分程度の焼成をオーブンにて行なう(焼成工程)。自宅でパンをオーブンにて焼成すれば、暖かく焼立ての風味に優れた食品を直ちに供することができる。
当該紙製トレー本体の底部には、シート状の基材の表面にマイクロ波発熱層を設け、当該マイクロ波発熱層上に紙基材を積層したサセプターが挿設してある。
また、半焼成パン生地を冷凍する場合は、再度オーブンにて焼成して供することから、パン生地を加熱する手間およびエネルギーが無駄となっていた。
電子レンジによって調理を行なった場合、生地の表面および内部を略均一に加熱することができる。しかし、電子レンジによる調理において、オーブンで調理する場合のように生地の表面に適度な焼き色を付けようとすれば、生地の表面および内部を略均一に加熱してしまうため、内部まで焦げた状態となって内部のやわらか感が失われ、好ましい焼成食品を得るのは困難である。そのため、焼成食品を作製する場合、電子レンジによって未焼成の生地原料から焼成調理することは行なわれていなかった。仮に電子レンジによって未焼成の生地原料を焼成調理した場合は、その内部に焦げ目をつけない程度の加熱しかできないため、焼成食品の表面のみに焼き色(焦げ目)を付けることは困難であった。
また、発酵によって穀物粉含有生地が充填部の上端レベルを超えるまで膨化した場合、充填部を封止する部材によって押さえつけるようにして充填部を封止することができる。このように膨化した穀物粉含有生地を押さえつけて封止することにより、穀物粉含有生地は充填部の各面に形成してある発熱部と殆ど隙間なく密着するようになるため、穀物粉含有生地の焼成効率が向上する。
本発明の穀物粉含有食品の作製方法は、広く普及しており、かつ手軽に操作できる電子レンジを使用して、小麦粉などを生地原料とするパンなどの焼成食品を作製する方法である。特に本発明の方法では、電子レンジを使用して未焼成の穀物粉含有生地を焼成し、焼成穀物粉含有食品を作製する。
穀物粉含有生地10は、穀物粉および発酵微生物を含む生地原料を混捏させた食品の生地のことをいう。当該穀物粉含有生地10を加熱して焼成することにより、焼成穀物粉含有食品を作製することができる。
また、本明細書にいう「発酵微生物」とは、穀物粉を発酵基質とする微生物のことであり、例えばパン酵母(イースト)、乳酸菌などが例示されるが、これに限られるものではない。
また、穀物粉含有生地10を作製した後、穀物粉含有生地10で具材を覆う、或いは、穀物粉含有生地10に具材を載置するようにしてもよい。当該具材としては、ベーコン・ソーセージ等の肉類、チーズ、卵、野菜など、具材として公知のものを使用できる。
マイクロ波発熱容器20は、マイクロ波を受けることで発熱するマイクロ波発熱体22を備えた発熱部21を有し、かつ穀物粉含有生地10を充填する充填部23を設ける。
当該マイクロ波吸収材料の表面は、プラスチックフィルムなどのシート22cによって被覆してもよい。
また、シート状の基材を折り曲げ加工することなく、複数のシート状の基材を組み合わせて穀物粉含有生地10を囲繞できるようにしてもよい。
充填部23の容積は特に限定されるものではないが、例えば50〜300mL程度とすれば、凡そ一食分以内の焼成食品を作製できる量の生地原料を収容することができる。また、この程度の容積であれば、電子レンジによる加熱調理の時間を数分以内に設定できる。
生地作製工程Aでは、穀物粉および発酵微生物を含む生地原料を混捏して穀物粉含有生地10を作製する。
生地作製工程Aで作製したペースト状の穀物粉含有生地10を、所望の大きさ、形状に成形してマイクロ波発熱容器20に充填し、穀物粉含有生地10を発熱部21に密着させる。このとき、例えば充填部23の容積の35〜50%程度を満たすように、ペースト状の穀物粉含有生地10を充填部23に収容するとよい(図4(a))。
充填部23に穀物粉含有生地10を収容した状態を維持し、マイクロ波発熱容器20の内部で穀物粉含有生地10を発酵させる容器内発酵工程Cを行なう。生地作製工程Aにおいて適温で生地原料を混捏および静置している際には、既に発酵微生物による発酵が始まっている場合があるが、本発明では、容器内発酵工程Cの前における穀物粉含有生地10の発酵の有無は問わない。マイクロ波発熱容器20の内部で穀物粉含有生地を発酵させて膨化させると、より確実に穀物粉含有生地10を発熱部21に密着させることができる。
容器内発酵工程Cの後、穀物粉含有生地10および発熱部21が密着するようにマイクロ波発熱容器20を封止する封止工程Dを行なう。当該封止工程Dによって、穀物粉含有生地10の上面・側面・底面の各方向を確実に発熱部21によって囲繞し、かつ当該発熱部21に密着させることができる。
冷凍工程Eは、穀物粉含有生地10を収容したマイクロ波発熱容器20を冷凍する工程である。当該冷凍工程Eによって発酵微生物の活動を停止させることができるため、発酵が完了する。穀物粉含有生地の流通を鑑みた場合、冷凍工程Eを行なうことによって穀物粉含有生地10の品質を長期に亘って維持することができる。
尚、本冷凍工程Eは省略することが可能であり、封止工程Dの後にマイクロ波加熱工程Fを行なってもよい。
マイクロ波加熱工程Fは、穀物粉含有生地10を収容したマイクロ波発熱容器20に対してマイクロ波を照射して未焼成の穀物粉含有生地10を焼成する工程である。本工程は、冷凍工程Eの有無によらず行なえる。
上述したように、穀物粉含有生地の流通を鑑みた場合、冷凍工程Eを行なうことによって穀物粉含有生地10の品質を長期に亘って維持することができる。即ち、当該冷凍工程Eを行なった後、穀物粉含有生地は、マイクロ波発熱容器に収容した状態で流通させることができる。このように本態様では、マイクロ波発熱容器を、流通時に穀物粉含有生地を収容する収容容器として利用でき、穀物粉含有生地をマイクロ波発熱容器に収容した流通時のそのままの状態で電子レンジにて焼成することができる。
焼成穀物粉含有食品としてパン(プレーンタイプ、具材入りタイプ)を、本発明の穀物粉含有食品の作製方法によって作製した。穀物粉は強力粉を使用し、発酵微生物はドライイーストを使用した。使用した生地原料の詳細な組成を表1(プレーンタイプ)、および、表2(具材入りタイプ)に示した。
その結果、穀物粉含有食品の表面に適度な焼き色(焦げ目)を付けることができたと認められた(図7(a)〜(e))。また、穀物粉含有食品の内部は、適度な空隙が認められ、焼きムラや大きな空隙は認められず、焦げ付きも認められなかった(図7(f))。
その結果、穀物粉含有食品の表面に適度な焼き色(焦げ目)を付けることができた(図8(a))。また、穀物粉含有食品の内部は、焼きムラおよび焦げ付きは認められなかった(図8(b))。図8(b)に認められる大きな空隙は、凍結状態でチーズに含まれていた水分が、マイクロ波照射および発熱部21からの伝熱によって急激に温度上昇したことで形成されたと考えられる。しかし、穀物粉含有食品の形状を崩すことなく、大きな空隙以外の部分には適度な空隙が認められたためふんわり感を損なうことなく、良好な状態で焼成できたと認められた。
上述した実施例のプレーンタイプのパンで使用した生地原料を用いて、マイクロ波発熱容器20の代わりに透明の耐熱ガラス容器を使用して電子レンジにてプレーンタイプのパンを作製した。マイクロ波加熱工程は、500Wの条件で穀物粉含有食品の表面に焦げ目が付くまで行なった。マイクロ波の照射を始めて9分30秒で焦げ目がつき始めたため、焼成を停止した。
上述した実施例のプレーンタイプのパンで使用した生地原料を用いて、マイクロ波発熱容器20の代わりに透明の耐熱ガラス容器を使用してオーブンにてプレーンタイプのパンを作製した。オーブンでの焼成は、180℃で行い、穀物粉含有食品の表面に焦げ目が付くまで行なった。焼成を始めて16分で焦げ目がつき始めたため、焼成を停止した。
B 充填工程
C 容器内発酵工程
D 封止工程
E 冷凍工程
F マイクロ波加熱工程
10 穀物粉含有生地
20 マイクロ波発熱容器
21 発熱部
22 マイクロ波発熱体
23 充填部
Claims (6)
- 未焼成の穀物粉含有生地を焼成して焼成穀物粉含有食品を作製するべく、
少なくとも穀物粉および発酵微生物を含む生地原料を混捏して前記穀物粉含有生地を作製する生地作製工程と、
作製した穀物粉含有生地を、マイクロ波を受けることで発熱するマイクロ波発熱体を備えた発熱部を有し、かつ当該発熱部によって前記穀物粉含有生地を囲繞できるマイクロ波発熱容器に充填する充填工程と、
前記マイクロ波発熱容器の内部で前記穀物粉含有生地を発酵させる容器内発酵工程と、
前記穀物粉含有生地を収容した前記マイクロ波発熱容器に対して前記マイクロ波を照射して未焼成の穀物粉含有生地を焼成するマイクロ波加熱工程と、
を有する穀物粉含有食品の作製方法。 - 前記容器内発酵工程の後、前記穀物粉含有生地および前記発熱部が密着するように前記マイクロ波発熱容器を封止する封止工程を行なう請求項1に記載の穀物粉含有食品の作製方法。
- 前記マイクロ波加熱工程の前に、前記穀物粉含有生地を収容した前記マイクロ波発熱容器を冷凍する冷凍工程を行なう請求項1又は2に記載の穀物粉含有食品の作製方法。
- 少なくとも穀物粉および発酵微生物を含む生地原料を混捏して発酵させ、かつ未焼成の穀物粉含有生地を、マイクロ波を受けることで発熱するマイクロ波発熱体を備えた発熱部を有し、かつ前記穀物粉含有生地を充填する充填部を設けたマイクロ波発熱容器に充填したマイクロ波発熱容器入り穀物粉含有生地。
- 前記充填部はシート状の基材を立体状に成形してあり、当該充填部の各面に前記発熱部を形成してある請求項4に記載のマイクロ波発熱容器入り穀物粉含有生地。
- 前記マイクロ波発熱体は、その表面に金属蒸着層を形成してある請求項4又は5に記載のマイクロ波発熱容器入り穀物粉含有生地。
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