JP2012121967A - ブレーカークッション用ゴム組成物及び重荷重用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性能及び耐久性を高次元で両立できるブレーカークッション用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したブレーカークッションを有する重荷重用タイヤを提供する。
【解決手段】リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、下記式(1)で表される化合物とを含み、ゴム成分100質量部に対して、下記式(1)で表される化合物の含有量が0.1〜5質量部であるブレーカークッション用ゴム組成物に関する。
[化1]
Figure 2012121967

(式(1)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ブレーカークッション用ゴム組成物、及びそれを用いた重荷重用タイヤに関する。
近年、燃料代の高騰や環境規制の導入により、車の低燃費化への要求が高まっており、低燃費性能に優れたタイヤが望まれている。従来、タイヤの低燃費性能の改善はタイヤにおける占有比率の高いトレッドでの開発が主に進められてきたが、近年の低燃費化への要求の高まりを受けて、ブレーカークッションなどのトレッド以外の部材の改良も望まれている。
低燃費性能を改善するためには、天然ゴムやブタジエンゴムをゴム成分として使用する方法が一般的である。低燃費性能を更に改善する方法として、フィラーとしてシリカを使用する方法や、フィラーを減量する方法などが知られているが、これらの方法を用いると、ゴム強度や耐劣化性能が低下して良好な耐久性を確保できない場合があり、低燃費性能及び耐久性を高次元で両立させることは困難であった。
特許文献1には、石油外資源の含有比率を高めるために、天然ゴム及びエポキシ化天然ゴムを用いたゴム組成物が開示されている。しかし、低燃費性能及び耐久性を高次元で両立させる点については、未だ改善の余地を残している。
特開2007−169431号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性能及び耐久性を高次元で両立できるブレーカークッション用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したブレーカークッションを有する重荷重用タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、下記式(1)で表される化合物とを含み、ゴム成分100質量部に対して、下記式(1)で表される化合物の含有量が0.1〜5質量部であるブレーカークッション用ゴム組成物に関する。
Figure 2012121967
(式(1)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
上記改質天然ゴムのトルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましい。
上記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。
上記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下であることが好ましい。
上記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものであることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したブレーカークッションを有する重荷重用タイヤに関する。
本発明によれば、改質天然ゴム及び特定の化合物を含むブレーカークッション用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物を重荷重用タイヤのブレーカークッションに使用することにより、低燃費性能及び耐久性を高次元で両立した重荷重用タイヤを提供できる。
本発明のブレーカークッション用ゴム組成物は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴム(HPNR)と、特定の化合物(式(1)で表される化合物)とを含む。天然ゴム(NR)中に含まれるリン脂質を低減、除去したHPNR(好ましくはタンパク質やゲル分も除去したHPNR)は、発熱しにくい性質があるため、NRの使用に比べて、更なる低燃費化を図ることができる。
しかし、HPNRをNRのケン化処理などによって合成する際、その合成時にNR中の劣化防止成分も除去されるため、ゴムの劣化が速くなり、結果として、ゴム強度や耐劣化性能などの性能が低下し、耐久性が劣ってしまう。これに対し、本発明では、HPNRととともに上記式(1)で表される化合物を使用しているため、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができる。これにより、良好な低燃費性能を維持しながら耐久性を改善することができ、これらの性能を高次元で両立させることができる。
上記改質天然ゴムは、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化する傾向があり、また、優れた低燃費性が得られない傾向がある。該リン含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。ここで、リン含有量は、例えばICP発光分析など、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
改質天然ゴムにおいて、窒素含有量は0.3質量%以下が好ましく、0.15質量%以下がより好ましい。窒素含有量が0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化する傾向があり、また、優れた低燃費性が得られない傾向がある。窒素含有量は、例えばケルダール法など、従来の方法で測定することができる。窒素は、蛋白質に由来するものである。
改質天然ゴム中のゲル含有率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。20質量%を超えると、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪化する傾向がある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
改質天然ゴムの製造方法としては、例えば、特開2010−138359号公報に記載の製法、すなわち、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを得る工程(A)、及び得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(B)を含む製法などが挙げられる。具体的には、先ず天然ゴムラテックスをアルカリでケン化処理してケン化天然ゴムラテックスを調製し、次いで、該ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを、ゴム分に対するリン含有率が200ppm以下になるまで繰り返し水で洗浄し、乾燥する方法などにより改質天然ゴム(ケン化天然ゴム)を製造できる。
上記製造方法によれば、ケン化により分離したリン化合物が洗浄除去されるので、天然ゴムのリン含有量を抑えることができる。また、ケン化処理により、天然ゴム中の蛋白質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることができる。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。90質量%未満であると、改質天然ゴムを配合した効果が充分に得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は改質天然ゴム以外のゴム成分を含んでもよい。他のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムが挙げられる。
本発明では、下記式(1)で表される化合物が使用される。これにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができるため、良好な低燃費性能を維持しながら、耐久性を改善できる。
Figure 2012121967
(式(1)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
Aのアルキレン基(炭素数2〜10)としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。炭素数は4〜8が好ましい。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が得られない傾向があり、炭素数が11以上では、−S−S−A−S−S−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に−S−S−A−S−S−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
及びRとしては、チッ素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。
及びRは、それぞれ同一でも、異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から、同一であることが好ましい。
上記条件を満たす化合物としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
式(1)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、式(1)で表される化合物を配合した効果が充分に得られないおそれがある。式(1)で表される化合物の含有量は、5質量部以下、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。5質量部を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、ゴム強度が低下するおそれがある。
本発明では、式(1)で表される化合物とともに、硫黄を使用することが好ましい。これにより、良好な架橋構造を効率よく形成できる。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上、特に好ましくは2質量部以上である。0.5質量部未満であると、加硫速度が遅くなり、生産性が悪化するおそれがある。硫黄の含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3.5質量部以下である。5質量部を超えると、耐劣化性能が低下するおそれがある。
硫黄及び式(1)で表される化合物の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは3.2質量部以上である。2質量部未満であると、加硫速度が遅くなり、生産性が悪化するおそれがある。該合計含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。10質量部を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、ゴム強度が低下するおそれがある。
硫黄及び式(1)で表される化合物の質量比(硫黄の含有量(質量)/式(1)で表される化合物の含有量(質量))は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上である。0.1未満であると、加硫速度が遅くなり、生産性が悪化するおそれがある。該質量比は、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下である。10を超えると、式(1)で表される化合物を配合した効果が充分に得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物には、上記の材料以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられているカーボンブラック、オイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加硫促進剤などの各種材料が適宜配合されていてもよい。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、補強性が向上し、本発明の効果が良好に得られる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。80m/g未満では、補強性を充分に向上できないおそれがある。カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下である。200m/gを超えると、カーボンブラックが分散しにくくなり、低燃費性能が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。10質量部未満では、補強性を充分に向上できないおそれがある。カーボンブラックの含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。50質量部を超えると、カーボンブラックが分散しにくくなり、低燃費性能が悪化する傾向がある。
カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であれば、良好な耐久性が得られる。また、上記配合量のフィラーをHPNRとともに使用することで、通常のフィラー量を減量しなくても良好な低燃費性能も得られる。
本発明のゴム組成物に使用される老化防止剤としては特に限定されず、例えば、ナフチルアミン系、キノリン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、などが挙げられる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、キノリン系が好ましく、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体がより好ましい。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.5質量部未満では、老化防止剤を配合した効果が充分に得られないおそれがある。老化防止剤の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。10質量部を超えると、ブルームが発生し易くなるおそれがある。
オイルの含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下、特に好ましくは0質量部(含有しない)である。本発明では、HPNRにより良好な加工性が得られ、オイル量を減量できるため、オイルの配合に伴う低燃費性能や耐久性の低下を抑制できる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。ここで、天然ゴムを含むゴム組成物を製造する場合、ゴム成分、充填剤などの各成分の混練り工程前に、通常、天然ゴムの素練り工程が行われる。本発明では、改質天然ゴムが使用されているため、該素練り工程を行わなくても良好に混練り工程を実施でき、所望のゴム組成物を作製できる。
本発明のゴム組成物は、ブレーカーのエッジ部とケースとの間に設けられるブレーカークッションとよばれる層に使用される。具体的には、特開2010−184537号公報の図1に示される層(部材)に使用され、特に重荷重用タイヤのブレーカークッションに好適に使用される。
本発明の重荷重用タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でブレーカークッションの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
本発明の重荷重用タイヤは、トラック・バスに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例1で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックス
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
(製造例1:ケン化天然ゴム1(HPNR1)の調製)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRCが15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整して凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム1(HPNR1))を得た。
(製造例2:ケン化天然ゴム2(HPNR2)の調製)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH15gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRCが15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム2(HPNR2))を得た。
上記製造例により得られたHPNR1、2と、後述するゴム組成物の評価で使用したTSRとについて、以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量及びゲル含有率を測定した。結果を表1に示す。
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、天然ゴム約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDClに溶解して測定した。
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 2012121967
表1に示すように、HPNR1、2は、TSRに比べて、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低減していた。また、31P−NMR測定において、HPNR1、2は、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しなかった。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
HPNR1(ケン化天然ゴム1):上記製造例1より得られた固形ゴム
HPNR2(ケン化天然ゴム2):上記製造例2より得られた固形ゴム
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g)
老化防止剤:精工化学(株)製のノンフレックスRD(2,2,4−トリメチル−1,2 −ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
VP KA9188:ランクセス社製のVP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミサルファー(純硫黄分80質量%、オイル分20質量%)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
実施例及び比較例
表2に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤及びVP KA9188以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤及びVP KA9188を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレスし、加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を得た。これを新品ゴムとして、以下の試験を行った。
<発熱性能指数>
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により、各配合のtanδを指数表示した。数値が小さいほど発熱しにくく、低燃費性能に優れることを示す。
(発熱性能指数)=(各配合のtanδ)/(比較例1のtanδ)×100
<強度指数>
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、各加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。そして、比較例1の破壊エネルギーを100として、下記計算式により、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。今回は80℃で1週間熱劣化させた加硫ゴムシートを用いることにより、熱劣化後の破壊エネルギーを求めている。数値が大きいほど熱劣化後の機械的強度(ゴム強度)が高く、耐久性に優れることを示す。
(強度指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
Figure 2012121967
表2より、HPNR及びVP KA9188を併用した実施例は、比較例と比較して、低燃費性能及び耐久性がバランス良く改善され、これらの性能を高次元で両立させることができた。

Claims (6)

  1. リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、下記式(1)で表される化合物とを含み、
    ゴム成分100質量部に対して、下記式(1)で表される化合物の含有量が0.1〜5質量部であるブレーカークッション用ゴム組成物。
    Figure 2012121967
    (式(1)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
  2. 前記改質天然ゴムのトルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1記載のブレーカークッション用ゴム組成物。
  3. 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1又は2記載のブレーカークッション用ゴム組成物。
  4. 前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のブレーカークッション用ゴム組成物。
  5. 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のブレーカークッション用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したブレーカークッションを有する重荷重用タイヤ。
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