従来、土、粉粒体、その他の被収容物を収容して運搬する場合に、非使用時には折り畳み可能であり、使用時(被収容物を収容時)には内容量を大きくして多量の物を収容できる袋体であるフレキシブルコンテナバッグが使用されていた。(特許文献1参照)
図15に従来のフレキシブルコンテナバッグ(F11)の例を示す。図15(a)に円形筒状(底付き)の例、図15(b)に四角形筒状(底付き)の例(F12)を示す。図15(a)において、フレキシブルコンテナバッグ(F11)は、被収容物を収容する袋体下部(胴部1A及び底部3Aからなる)と、袋体下部(1A及び3A)に接続されて被収容物を収容後に袋体下部(1A,3A)の蓋をする袋体上部(筒状蓋部2A)と、袋体(袋体上部及び袋体下部)を吊り上げるための吊りベルト(4A,7A,8A)と、袋体下部(1A及び3A)の適所に設けられて袋体下部(1A及び3A)を補強するための補強材(6A)とを備える。
これら、袋体下部(1A及び3A)、袋体上部(2A)、吊りベルト(4A,7A,8A)及び補強材(6A)はシートで形成される。図15(a)はフレキシブルコンテナバッグ(F11)を広げて、袋体下部(1A,及び3A)が下に、袋体上部(2A)が上になるように置いたときの状態であり、被収容物が無い空の状態を示している。袋体上部(2A)の上は被収容物を投入、排出する口になっている。また、2つの吊りベルト(4A,7A,8A)が袋体下部(1A及び3A)と袋体上部(2A)の境界の近くに取り付けられている。吊りベルトは、吊り手(4A)と胴部に取り付けられる部分(7A)と底部に取り付けられる部分(8A)が一体的に繋がっている。
フレキシブルコンテナバッグ(F11)は、例えば土を収容して土のうとして使用される。また、穀類その他様々の物を収容して運搬可能である。可撓性があり、折り畳み可能である。吊りベルト(4A,7A,8A)はフォークリフトやクレーンで吊り上げて移動するのに使用される。
図15(b)において、フレキシブルコンテナバッグ(F12)は、被収容物を収容する袋体下部(胴部1B及び底部3Bからなる)と、袋体下部(1B及び3B)に接続されて被収容物を収容後に袋体下部(1B,3B)の蓋をする袋体上部(筒状蓋部2B)と、袋体(袋体上部及び袋体下部)を吊り上げるための吊りベルト(4B)と、袋体下部(1B及び3B)の適所に設けられて袋体下部(1B及び3B)を補強するための補強材(18B)と、補強ベルト(8B)とを備える。図15(a)と異なる点を主に説明する。
図15(a)では、袋体上部及び袋体下部が円形筒状(底付き)で、底部3は円形であったが、図15(b)では袋体上部及び袋体下部が四角形筒状(底付き)であり、底部3は正方形である。また、図15(a)では、吊りベルトの2つの吊り手(4A)が境界の近くから延びていたが、図15(b)では4つの吊りベルト(17B)が境界を構成する正方形の四隅のごく近傍に取り付けられている。また、図15(a)では、吊りベルト(7A,8A)が胴部(1A)及び底部(3A)の補強に使用されていたが、図15(b)では補強ベルト(8B)が胴部(1A)の補強に使用され、底部(3B)は補強されていない。また、図15(a)では、補強材(6A)が、吊り手(4A)と胴部(1A)との接続を補強するために、胴部(1A)の外側に設けられていたが、図15(b)では、補強材(18B)が吊りベルト(17B)と胴部(1B)との接続を補強するために胴部(1B)の外側に設けられ、補強ベルト(8B)が胴部(1B)を補強するために胴部(1B)の稜線に沿って設けられている。その他の構成は図15(a)と同様である。
図16にフレキシブルコンテナバッグ(F11,F12)の被収容物を収容後の状態を示す。図16(a)にはフレキシブルコンテナバッグ(F11)が円形筒状の例を、図16(b)にはフレキシブルコンテナバッグ(F12)が四角形筒状の例を示す。袋体上部(2A,2B)を内側に絞り込み、その口を縛り紐(11A,11B)で縛る。これにより、袋体(袋体上部及び袋体下部)の口が閉ざされ、運搬可能になる。
かかるフレキシブルコンテナバッグ(F11,F12)は可撓性があるために、披収容物を収容する際に、口を開けて直立した状態に保つには人手を必要とするという欠点があった。
図17に従来のフレキシブルコンテナバッグ(F13)の別の例(円形筒状(底付き)の例)を示す。前述の例に比して、フック(19A)が、袋体下部(1B及び3B)の外側で、袋体上部(2B)との境界の近くに取り付けられている。図17(a)にフレキシブルコンテナバッグ(F13)が空の状態を、図17(b)にフック(19A)の使用状態を示す。この例では、図17(b)に示すように、フック19Bに吊り紐9Aを掛けて上方(外側斜め上方からでも良い)から引っ張る。このようにすることにより、人手によらなくても、袋体の口を広げて直立した状態に保つことができ、被収容物を収容可能になる。
しかしながら、かかる従来のフレキシブルコンテナバッグでは、収容時に袋体上部(筒状蓋部2A,2B)がしなって内側に入り込んで、収容時に被収容物を入れ難くなるという問題、また、袋体上部(筒状蓋部2A,2B)が被収容物に埋もれてしまい、引き出し難くなるという問題があった。そこで、その解決法として、収容時に袋体上部(2A,2B)を人手で外側にまるめる等の作業を必要としていたので、作業性が損なわれるという問題があった。
本発明は、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るフレキシブルコンテナバッグ(F1、F2)は、例えば図1に示すように、シートで形成され、被収容物を収容する袋体下部(胴部1A,1B及び底部3A,3Bからなる)と、シートで形成され、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)に接続されて被収容物を収容後に袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の蓋をする袋体上部(2A,2B)と、袋体上部(2A,2B)の内側に設けられたフック(5A,5B)とを備える。
ここにおいて、「シート」は典型的には、ポリプロピレン製で幅広の糸を用いて縦横に織った織物である。ポリプロピレン以外の合成樹脂の糸や麻糸を用いても良い。織物とすることによって引っ張り強度が増す。また、シートは可撓性があるので、フレキシブルコンテナバッグは折り畳み可能であり、非使用時は折り畳み、積み重ねて保管できる。袋体下部は被収容物の荷重がかかるので厚目のシートが使用され曲がり難く、これに比して袋体上部は先端部を絞り込んで袋体の蓋として用いるために薄目のシートが使用され柔らかくなっている。また、「フレキシブルコンテナバッグ」は被収容物を収容して保管したり輸送したりするバッグである。ここで、フレキシブルコンテナバッグは主として土・砂等を収容する大型土のう袋を含むものとする。また、「内側」とは、袋体(袋体上部及び袋体下部)の被収容物を収容する側をいい、「外側」とは、その反対側をいう。また、「フック」とは、吊り紐を掛けて引っ張ることにより、袋体(袋体上部及び袋体下部)の口を開口状態に保つために袋体に設けられるものである。典型的には環状である。通常数cmの長さであるが、それより長くても短くても良い。また、紐状で先端に環を有するものでも、環を有さず先端を結んで使用するものでも良い。環状に形成又は先端に環を有すると、吊り紐等で吊り上げる際の作業性が良い。
「袋体上部の内側に設けられたフック」には、袋体下部の内側に取り付けられ、袋体上部の方に延びて袋体上部の内側に納まる環状フック、袋体下部の外側に取り付けられ、袋体上部の方に延びて、袋体上部に設けられたスリットを通して内側に入り込む環状フックが含まれる。また、フックには、袋体下部の内側に取り付けられ、袋体上部の方に延びて袋体上部の内側に納まり、さらに袋体上部の口から外に延長する紐(先端に環が形成された紐、形成されていない紐を含む)、袋体下部の外側に取り付けられ、袋体上部の方に延びて袋体上部に設けられたスリットを通して袋体上部の内側に入り込み、さらに袋体上部の口から外に延長する紐(先端に環が形成された紐、形成されていない紐を含む)も含まれる。
フック(5A,5B)は、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに取り付けられるのが好適である。「境界の近く」とは、境界上又は境界に接する位置に限られず、吊り紐(通常、先端に鉤がついている)をフックに掛けて引っ張ったときに袋体下部が略直立し、袋体上部がしなって袋体下部の内部に入り込まない限り、「境界の近く」に含まれるものとする。なお、略直立とは、きちんと直立していなくても良く、収容作業に差し支えない程度に直立していれば良い。
被収容物は、シート状袋体に収容できるものなら何でも良い。例えば、穀粒、小麦粉、砂、土のような粉粒体、切り屑、廃品等の固体廃棄物でも良く、食料品でも良い。なお、シートを織物で作ると通気性があるので穀類等の貯蔵に適する。密封したい場合には表面コートして使用される。また、ランニング型(繰り返し使用できる)とクロス型(使い捨て用)がある。
本態様のように構成すると、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに取り付けられるフック(5A,5B)を備え、環状フック(5A,5B)に吊り紐等を掛けて上方から引っ張ることにより、又は紐状フック(15A,15B;図7参照)自体を上方から引っ張ることにより、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。また、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)を袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側にスカート状に垂らすことができ、収容作業の妨げにならない。したがって、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
また、本発明の第2の態様に係るフレキシブルコンテナバッグ(F3,F4)は、第1の態様において、例えば図5に示すように、フックは、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側に取り付けられ、袋体上部(2A,2B)又は前記袋体下部(1A,1B及び3A,3B)と前記袋体上部(2A,2B)との境界の近傍には、スリットであって、フック(12A,12B)を袋体上部(2A,2B)の外側から内側に挿し込むことによって、フック(12A,12B)が袋体上部(2A,2B)の内側に設けられるようにできるスリット(13A,13B)が形成されている。
ここにおいて、スリットは縦方向でも、横方向でも良く、フック(12A,12B)を挿入できるものであれば、任意の形状で良い。また、「境界の近傍」とは、境界上又は境界に接する位置に限られず、境界からフック(12A,12B)の環の長さ以下の位置にあれば良い。本態様のように構成すると、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに取り付けられるフック(12A,12B)を備え、スリット(13A,13B)からフック(12A,12B)の先端を袋体上部(2A,2B)の外側から内側に挿し込んで、フック(12A,12B)に吊り紐等を掛けて上方から引っ張ることにより、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。したがって、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。また、外側にフック(19A:図17参照)がある既存のフレキシブルコンテナバッグにスリット(13A,13B)をあけて、使用することができる。また、フック(12A,12B)は比較的丈夫な袋体下部(1A,1B及び3A,3B)に取り付けられているため、袋体が破損することが少ない。スリット(13A,13B)は、袋体上部(2A,2B)に限られず、袋体下部で境界の近傍に設けてもよい。但し、薄めのシートで作られた袋体上部(2A,2B)に設けると、製造上の作業性が良い。
また、本発明の第3の態様に係るフレキシブルコンテナバッグ(F5)は、第2の態様において、例えば図6に示すように、袋体上部(2A)に、スリット(13A)を覆うスリットカバー(14A)が取り付けられている。
ここにおいて、スリットカバー(14A)は袋体上部(2A)の外側に取り付けられても良く、内側に取り付けられても良い。外側は取り付けが容易であり、内側に付けると収容物が漏れ難くなる。また、内側に付けるときは袋体の口の方に開いたコの字状に、外側に付けるときは袋体の底の方に開いたコの字状に縫い付けるのが、フックを挿入し易く、また漏れを少なくできるので好適である。本態様のように構成すると、スリット(13A)にスリットカバー(14A)が取り付けられているので、スリット(13A)から被収容物が袋体の外側に漏れるのを防止できる。なお、スリットカバー(14A)を袋体の内側に設けるときも、底の方に開いた状態で縫いつけてもよい。このときは、コの字状ではなく、上端を一直線に縫い付けて下方に垂れるように構成するとよい。被収容物を収容し終わって、フックを外側に抜き出せば、スリットカバー(14A)は自然に下方に垂れて、スリット(13A)を塞いでくれる。
また、本発明の第4の態様に係るフレキシブルコンテナバッグ(F21、F22)は、第1の態様において、例えば図10に示すように、フックは、袋体上部(2A,2B)の内側に取り付けられている。このように構成すると、フック(25A,25B)は常に目視できるので、追加投入時又は過剰投入分の除去時に袋体上部(2A,2B)の開口を広く保持し易く、便利である。また、被収容物を収容する作業の際、袋体上部(2A,2B)のフック取り付け部よりも下方の部分が、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)との境界線よりも上方になり、略直立する。この状態では、袋体上部のフック取り付け部よりも上方の部分を、上記の略直立した袋体上部(2A,2B)の外側にスカート状に垂れさげることができる。したがって、被収容物を袋体下部(1A,1B及び3A,3B)に被収容物を十分に詰めることができる。すなわち、被収容物をこぼすことなく、境界線よりも多めに収容することができ、その後吊りベルトで吊り上げて揺すったり、軽く床に落とすことを繰り返して上下に振動を与えることにより被収容物を境界線の位置までに、すなわち袋体下部(1A,1B及び3A,3B)内一杯に落ち着かせることができる。
また、本発明の第5の態様に係るフレキシブルコンテナバッグ(F1)は、第1乃至第4のいずれかの態様において、例えば図1(a)に示すように、フレキシブルコンテナバッグ(F1)を袋体下部(1A及び3A)が下に、袋体上部(2A)が上になるように置いたとき、袋体下部(1A及び3A)に沿って、袋体下部(1A,及び3A)と袋体上部(2A)との境界の近くから下方に延びるように配置されたベルト(7A)を備え、フック(5A)は、境界の近くでベルト(7A)に接続するように取り付けられている。
ここにおいて、フックが境界の近くでベルト(吊りベルト)に接続するように取り付けられていれば、ベルト(4A,7A,8A)は、境界の近くから上方に延びる吊り手(4A)を有し、境界の近くから吊り手(4A)に連なって下方に延びたあと袋体下部の底部(3A)を経由して上方に延び、反対側の境界の近くを経由して反対側の吊り手(4A)に連なるように構成されてもよい。また、ベルト(4A,7A,8A)は、被収容物を収容したフレキシブルコンテナバッグ(F1)を吊り上げるのに適した引っ張り強度を有する。例えば1トンの被収容物を収容するフレキシブルコンテナバッグの場合、4〜5トンの吊り上げに耐えるものである。フックは、吊りベルト兼用として、フレキシブルコンテナバッグを持ち上げるのに用いられる引っ張り強度を有するものであってもよいし、吊りベルトとは別途設けられ、フレキシブルコンテナバッグ(F1)に被収容物を収容する作業中に袋体下部を直立するように引き立てるためにのみ用いられるものであってもよい。本態様のように構成すると、フック(5A)がベルト(7A,8A)に直線状に連なるので、フック(5A)の耐久力が増加する。
また、本発明の第6の態様に係るフレキシブルコンテナバッグ(F1)は、第5の態様において、例えば図1(a)に示すように、ベルト(4A,7A,8A)は、境界の近くから上方に延びる吊り手(4A)を有し、吊り手(4A)と境界の近くから下方に延びるように配置された部分(7A,8A)とが一体的に構成されている。
ここにおいて、ベルト(吊りベルト)の吊り手(4A)と下方に延びるように配置された部分(7A,8A)とは一体的に構成されているので、フック(5A)は吊りベルト(4A)の内側(胴部1Aの内側でも良い)に接続される。フック(5A)が胴部1Aの外側に取り付けられるときは袋体上部(2A)にスリット(13A)を形成する。
本態様のように構成すると、ベルト(4A,7A,8A)が一体的に構成されるので、吊り手(4A)の耐久力が増加する。
また、本発明の第7の態様に係るフレキシブルコンテナバッグは、第1乃至第6のいずれかの態様において、例えば図1に示すように、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)及び袋体上部(2A,2B)は、略円形筒状又は略四角形筒状に形成されている。
ここにおいて、略円形筒状、略四角形筒状の「略」は、円形が多少崩れて楕円形になったものや、四角形が多少崩れて丸みが入ったもの、面取りをしたもの、角を滑らかにする等の多少の変更を加えても良いことを示すものである。また、本態様では、筒の一方は開口され、他方は底部(3A,3B)になっている。本態様のように構成すると、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)と袋体上部(2A,2B)は、略円形筒状又は略四角形筒状に形成されるので、製造し易く、また、シート面積当たりの袋体の容積を大きくできる。
本発明によれば、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において、互いに同一又は相当する部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
図1乃至図4を参照して実施例1を説明する。実施例1では、袋体下部(胴部1A,1B及び底部3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状のフック(5A,5B)が取り付けられている例を説明する。
図1に実施例1におけるフレキシブルコンテナバッグ(F1,F2)の例(空の状態)を示す。図1(a)には、フレキシブルコンテナバッグ(F1)が円形筒状(底付き)の例を、図1(b)には、フレキシブルコンテナバッグ(F2)が四角形筒状(底付き)の例を示す。図1(a)において、フレキシブルコンテナバッグ(F1)は、被収容物を収容する袋体下部(胴部1A及び底部3Aからなる)と、袋体下部(1A及び3A)に接続されて被収容物を収容後に袋体下部(1A,3A)の蓋をする袋体上部(筒状蓋部2A)と、袋体(袋体上部及び袋体下部)を吊り上げるための吊りベルト(4A,7A,8A)と、袋体下部(1A及び3A)の内側で、袋体上部(2A)との境界の近くに取り付けられる環状フック(5A)と、袋体下部(1A及び3A)の適所に設けられて袋体下部(1A及び3A)を補強するための補強材(6A)とを備える。
これら、袋体下部(胴部1A及び底部3A)、袋体上部(筒状蓋部2A)、吊りベルト(4A,7A,8A)、環状フック(5A)及び補強材(6A)はシートで形成される。「シート」は典型的には、ポリプロピレン製で幅広の糸を用いて縦横に織った織物である。ポリプロピレン以外の合成樹脂の糸や麻糸を用いても良い。織物とすることによって引っ張り強度が増す。また、シートは可撓性があるので、フレキシブルコンテナバッグは折り畳み可能であり、非使用時は折り畳み、積み重ねて保管できる。図1(a)はフレキシブルコンテナバッグを広げて、袋体下部(1A,及び3A)が下に、袋体上部(2A)が上になるように置いたときの状態であり、被収容物が無い空の状態を示している。実際にはフレキシブルコンテナバッグ(F1)は可撓性があるので、支えがなければこのように直立しないが、ここでは直立状態を示している(他の図においても同様である)。袋体上部(2A)の上は被収容物を投入、排出する口になっている。また、2つの吊りベルト(4A,7A,8A)が袋体下部(1A及び3A)と袋体上部(2A)の境界の近くに取り付けられている。吊りベルトは、吊り手(4A)と胴部に取り付けられる部分(7A)と底部に取り付けられる部分(8A)が一体的に繋がっている。吊り手(4A)はフォークリフトやクレーンで吊り上げて移動するのに使用される。また、適所とは、典型的には、クレーン等で吊り手(4A)を吊り上げた時に引っ張り力が働くような位置である。境界の近くとは、境界上又は境界に接する位置に限られず、その位置に吊り紐を取り付けて、吊り紐をフックに掛けて引っ張ったときに袋体下部が略直立し、袋体上部がしなって袋体下部の内部に入り込まない領域を含むものとする。
フレキシブルコンテナバッグ(F1)は、例えば土を収容して土のうとして使用される。ここで、フレキシブルコンテナバッグは主として土・砂等を収容する大型土のう袋を含むものとする。また、小麦粉、米粒、切り屑、廃品その他様々の物を収容して運搬可能である。被収容物は、シート状袋体に収容できるものなら何でも良い。シートを織物とすることによって引っ張り強度が増し、重いものを収容可能である。サイズも様々であるが、例えば袋体下部(1A及び3A)の直径1.1m、高さ1.1mのフレキシブルコンテナバッグ(F1)で重量1トンのものを収容・運搬可能である。
蓋として用いられる袋体上部(2A)及び袋体上部を開口状態に保持するための吊り紐を掛ける環状フック(5A)には比較的(袋体下部よりも)薄く柔らかいシートが、張力が掛かる袋体下部(1A及び3A)、吊りベルト(4A,7A,8A)及び補強材(6A)には比較的(袋体上部よりも)厚く硬いシートが使用される。環状フック(5A)には比較的厚いシートを用いても良い。環状フック(5A)は少なくとも上方に引っ張ることにより袋体下部の胴部(1A)が略直立できる程度の強度があれば良い。なお、略直立とは、収容作業に差し支えない程度に直立していれば良いことを意味する。
フレキシブルコンテナバッグを袋体下部(1A及び3A)が下に、袋体上部(2A)が上になるように置いたとき、吊りベルト(4A,7A,8A)は胴部(1A)の外側に取り付けられ、2つの吊り手(4A)が対向して、袋体下部(1A,及び3A)と袋体上部(2A)との境界の近くから上方に延びるように取り付けられ、一方の吊り手(4A)から連続するように、かつ当該境界の近くから胴部を補強する部分(7A)が胴部(1A)に沿って下方に延びるように配置され、さらに底部を補強する部分(8A)がベルト(7A)から連続するように、底部(3A)に沿って底部(3A)の中心を通って延びるように配置され、他方の吊りベルト(4A)から連続するように配置された胴部を補強する部分(7A)に連なっている。また、当該境界の近くからフック(5A)が胴部(1A)の内側に、胴部を補強する部分(7A)に連続するように取り付けられている。また、補強材(6A)は、吊りベルトの吊り手(4A)及びフック(5A)と胴部(1A)との接続を補強するために、胴部(1A)の外側と内側に取り付けられている。
袋体上部(2A)と袋体下部(1A及び3A)、袋体下部(1A及び3A)と吊りベルト(4A,7A,8A)、胴部(1A)とフック(5A)、胴部(1A)と補強材(6A)とは糸(例えばミシン糸)で縫い合わせられている。
袋体下部(1A及び3A)は比較的厚いシートが用いられ、かつ、吊りベルトの一部(7A)で補強されるので、フック(5A)を吊り上げて保持することにより略直立に保持できる。これに対して、袋体上部(2A)は比較的薄いシートが用いられるので、略直立に保持できず、そのままでは、しなって胴部(1A)の内側に入り込んでしまう。
図1(b)において、フレキシブルコンテナバッグ(F2)は、被収容物を収容する袋体下部(胴部1B及び底部3Bからなる)と、袋体下部(1B及び3B)に接続されて被収容物を収容後に袋体下部(1B,3B)の蓋をする袋体上部(筒状蓋部2B)と、袋体(袋体上部及び袋体下部)を吊り上げるための吊りベルト(4B)と、袋体下部(1B及び3B)の内側で、袋体上部(2B)との境界の近くに取り付けられる環状のフック(5B)、袋体下部(1B及び3B)の適所に設けられて袋体下部(1B及び3B)の引っ張り強度を補強するための補強ベルト(8B)、補強材(6B,7B)とを備える。図1(a)と異なる点を主に説明する。
図1(a)では、袋体上部及び袋体下部が円形筒状(底付き)で、底部(3A)は円形であったが、図1(b)では袋体上部及び袋体下部が四角形筒状(底付き)であり、底部(3B)は正方形である。また、図1(a)では、吊りベルトの吊り手(4A)とフック(5A)が境界の同じ部分に取り付けられていたが、図1(b)では別の部分に取り付けられている。すなわち、フック(5B)は境界が構成する正方形の四隅に取り付けられ、補強ベルト(8B)はフック(5B)に連続するように胴部(1B)の直方体の稜線に沿って配置され、吊りベルト(4B)は境界が構成する正方形の四隅から少し離れた位置に取り付けられている。また、図1(a)では、吊りベルト(8A)が底部(3A)の補強に使用されていたが、図1(b)では底部(3B)の補強にベルトは使用されていない。また、図1(a)では、補強材(6A)が、吊り手(4A)及びフック(5A)と胴部(1A)との接続を補強するために、胴部(1A)の外側と内側に設けられていたが、図1(b)では、補強材(6B)が吊りベルト(4B)と胴部(1B)との接続を補強するために胴部(1B)の外側に設けられ、補強材(7B)がフック(5B)と胴部(1B)との接続を補強するために胴部(1B)の内側に設けられている。その他の構成は図1(a)と同様である。
したがって、フレキシブルコンテナバッグ(F2)は、フレキシブルコンテナバッグ(F1)と同様に、折りたたみ可能であり、重いものを収容可能である。サイズも様々であるが、例えば袋体下部(1B及び3B)の底面積0.9m×0.9m、高さ1.2mのフレキシブルコンテナバッグ(F2)で重量1トンのものを収容・運搬可能である。また、袋体下部(1B及び3B)は比較的厚いシートが用いられ、かつ、補強ベルト(8B)で補強されており、フック(5B)を上方に引っ張ることにより略直立に保持できる。これに比して、袋体上部(2B)は比較的薄いシートが用いられており、略直立に保持できず、そのままではしなって胴部(1B)の内側に入り込んでしまう。また、このように、四隅から離れた位置に吊りベルトがある構成は、袋体下部の底辺を吊りベルトの幅より長くしても収容物の重みに耐えられるので、長方形筒状の袋体の場合に適している。勿論、袋体が四角形筒状の場合でも、吊りベルトを境界の近くの四隅に取り付けることは可能であり、図15(b)のように、境界のごく近傍の四隅に4つの吊りベルトを取り付けても良い。ごく近傍とは、袋体上部(2B)と袋体下部(1B及び3B)との縫い目に接するか僅か(例えばベルトの幅以下)に離れている状態を表す。
図2に実施例1におけるフレキシブルコンテナバッグ(F1,F2)の環状フック(5A,5B)の使用状態を示す。図2(a)にはフレキシブルコンテナバッグ(F1)が円形筒状(底付き)の例を、図2(b)にはフレキシブルコンテナバッグ(F2)が四角形筒状(底付き)の例を、図2(c)には吊り紐(9A,9B)の鉤(9C)の部分を示す。なお、吊り紐は直線状に描かれているが、これは上方から引っ張られている状態を示すものである。図17(b)も同様である。フック(5A,5B)に吊り紐(9A,9B)を掛けて上方(外側斜め上方からでも良い)から引っ張る。通常吊り紐の先端にはフック(5A,5B)に掛け易いように鉤(9C)が設けられている。鉤(9C)にはフック(5A,5B)から外れないようにストッパ(9D)を設けると安全で良い。かかる構成により、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、又袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側にスカート状に垂れ下がらせることができ、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。
また図2(d)に、フレキシブルコンテナバッグ(F1)が円形筒状(底付き)の例で、吊り紐(9A)を掛けて外側斜め上方から引っ張る例を示す。この場合には、斜め上方から引っ張ることにより、袋体上部(2A)が内側にしなり難くなり、胴部(1A)の内部に入り込むことを防止できる。また、被収容物の収容作業中は、袋体上部(2A)を袋体下部(胴部1A)の外側にスカート状に垂れ下げられるので、収容作業を円滑に行うことができる。
図3に実施例1におけるフレキシブルコンテナバッグ(F1,F2)のフック(5A,5B)の別の使用状態を示す。図3(a)にはフレキシブルコンテナバッグF1が円形筒状(底付き)の例を、図3(b)にはフレキシブルコンテナバッグF2が四角形筒状(底付き)の例を示す。環状フック(5A,5B)に鉤のない吊り紐(10A,10B)を掛けて上方(外側斜め上方からでも良い)から引っ張る。この場合でも、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。
図4に実施例1におけるフレキシブルコンテナバッグ(F1,F2)の被収容物を収容後の状態を示す。図4(a)にはフレキシブルコンテナバッグ(F1)が円形筒状(底付き)の例を、図4(b)にはフレキシブルコンテナバッグ(F2)が四角形筒状(底付き)の例を示す。袋体上部(2A,2B)を内側に絞り込み、その口を縛り紐(11A,11B)で縛る。これにより、袋体(袋体上部及び袋体下部)の口が閉ざされ、運搬可能になる。
以上により、本実施例によれば、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図5を参照して実施例2を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック5A,5Bが取り付けられている例を説明したが、実施例2では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(5A,5B)が取り付けられ、袋体上部(2A,2B)には、フック(5A,5B)の先端を袋体上部(2A,2B)の外側から内側に挿し込むことができるスリット(13A,13B)が形成された例を説明する。実施例1と異なる点を主に説明する(以下の実施例についても同様に先行実施例と異なる点を主に説明する)。
図5に実施例2におけるフレキシブルコンテナバッグ(F3,F4)の例(空の状態)を示す。図5(a)には、フレキシブルコンテナバッグ(F3)が円形筒状(底付き)の例を、図5(b)には、フレキシブルコンテナバッグ(F4)が四角形筒状(底付き)の例を示す。袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くにフック(12A,12B)が取り付けられ、袋体上部(2A,2B)に、フック(12A12B)の先端を袋体上部(2A,2B)の外側から内側に挿し込むことができるスリット(13A,13B)が形成されている。これにより、フック(12A,12B)の先端を胴部の内側に挿し込むことができる。このフック(12A,12B)の先端に図2又は図3のように吊り紐を掛けて上方に引っ張ることにより、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、又袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側にスカート状に垂れ下がらせることができ、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。また、被収容物を収容後には、フック(12A,12B)をスリット(13A,13B)の外に引き出しても良く、そのまま袋体内に残しても良い。外に引き出すと漏れを防ぎ易く、又十分な強度を持たせれば、フックを吊り上げ用フックと兼用することができる(図9参照)。残すと引き出す手間を省略できる。
その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図6を参照して実施例3を説明する。実施例3では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状のフック(12A,12B)が取り付けられ、袋体上部(2A,2B)には、フック(12A,12B)の先端を袋体上部(2A,2B)の外側から内側に挿し込むことができるスリット(13A,13B)が形成された例を説明したが、実施例3ではさらに、袋体上部(2A)に、スリット(13A)を覆うスリットカバー(14A)が取り付けられた例を説明する。
図6に実施例3におけるフレキシブルコンテナバッグ(F5)の例(空の状態)を示す。図6には、フレキシブルコンテナバッグ(F5)が円形筒状(底付き)の例を示す。スリット(13A)の外側にスリットカバー(14A)が取り付けられている。スリットカバー(14A)により、スリット(13A)が覆われ、被収容物がスリット(13A)から、外に漏れるのを防止する。なお、スリット(13A)にスリットカバー(14A)が付けられていなくても、被収容物がスリットを通らない大きさであれば外に漏れることは無く、また多少漏れてもかまわない場合に使用できる。また、スリット(13A)の内側にスリットカバー(14A)を取り付けることも可能である。内側に取り付けると漏れ防止の効果を高くできる。また、スリットカバーを外側に付けるときは袋体の底の方に開いたコの字状に、内側に付けるときは袋体の口の方に開いたコの字状に縫い付けるのが、フックを挿入し易く、また漏れを少なくできるので好適である。内側に付けるときも底の方に開いた形状にしてもよい。そのときは、上部を一直線に縫い付けたカバーとするとよい。また、フレキシブルコンテナバッグが四角形筒状(底付き)の場合でも、同様にスリット(13A)の外側又は内側にスリットカバー(14A)が取り付けられる。
その他の構成は実施例2と同様であり、実施例2と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図7を参照して実施例4を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(5A,5B)が取り付けられている例を説明したが、実施例4では紐状フック(15A,15B)が取り付けられている例を説明する。
図7に実施例4におけるフレキシブルコンテナバッグ(F6,F7)の例(空の状態)を示す。図7(a)には、フレキシブルコンテナバッグ(F6)が円形筒状(底付き)の例を、図7(b)には、フレキシブルコンテナバッグ(F7)が四角形筒状(底付き)の例を示す。紐状フック(15A,15B)は、袋体下部の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに取り付けられ、袋体上部(2A,2B)の方向に延びて、袋体上部(2A,2B)の口から外に延びて、先端に環が形成されている。この場合環は袋体上部(2A,2B)の口から外に延びているが、袋体上部(2A,2B)の内側を通っているので、袋体上部(2A,2B)の内側に設けられたフックであることに変わりはない。紐状フック(15A,15B)を上方(外側斜め上方からでも良い)から引っ張る。環は鉤等を掛けて引っ張るために用いられる。これにより、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。また、被収容物を収容後には、フック(15A,15B)を収容物と共に袋体内に残すことができる。
その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図8を参照して実施例5を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(5A,5B)が取り付けられている例を説明したが、実施例5ではさらに、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の底部(3A,3B)に、袋体を逆さにして吊り下げるための反転ベルト(16A)が取り付けられている例を説明する。
図8に実施例5におけるフレキシブルコンテナバッグ(F8)の例(空の状態)を示す。図8には、フレキシブルコンテナバッグ(F8)が円形筒状(底付き)の例を示す。袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の底部(3A,3B)に、袋体を逆さにして吊り下げるための反転ベルト(16A)が取り付けられている。被収容物を取り出す場合に、クレーンを反転ベルト(16A)に掛けてフレキシブルコンテナバッグ(F8)を逆さにし、縛り紐(11A)を解いて(図4参照)、袋体の口を開いて被収容物を排出する。また、フレキシブルコンテナバッグが四角形筒状(底付き)の場合でも、同様に反転ベルトを取り付け可能である。
その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図9を参照して実施例6を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(5A,5B)が取り付けられている例を説明したが、実施例6では実施例1(図1(b))の吊りベルト(4B)に代えて異なるタイプの吊りベルト(17B)が取り付けられている例を説明する。
図9はフレキシブルコンテナバッグ(F9)が四角形筒状(底付き)で、4つの吊りベルト(17B)を境界が構成する四角形の四隅のごく近傍に備える例を示す。図9(a)には、フレキシブルコンテナバッグ(F9)が四角形筒状の例を示す。袋体下部(1B及び3B)の内側で、袋体上部(2B)との境界のごく近傍に環状フック(5B)が取り付けられ、外側に吊りベルト(17B)が取り付けられている。環状フック(5B)及び吊りベルト(17B)は境界が構成する正方形の四隅のごく近傍に取り付けられている。吊りベルト(17B)はクレーンで吊り上げるために使用される。また、環状フック(5B)の先端に図2又は図3のように吊り紐を掛けて上方に引っ張ることにより、袋体上部(2B)が内側にしなり難くなり、胴部(1B)の内部に入り込むことを防止できる。
図9(b)及び図9(c)の部分抽出図を参照して、図9(a)の変形例を説明する。ここでは、袋体下部(1B及び3B)の外側で、袋体上部(2B)との境界の近くに吊りベルト(17B,17B’)が取り付けられ、吊りベルト(17B,17B’)は環状フックを兼ねており(図9(a)の環状フック(5B)に相当するものはない)、袋体上部(2B)に、吊りベルト(17B,17B’)の先端を袋体上部(2B)の外側から内側に挿し込むことができるスリット(19B,19B’)が形成されている例を示す。図9(b)はスリット(19B)が縦方向の例、図9(c)はスリット(19B’)が横方向の例を示す。スリット(19B、19B’)から吊りベルト(17B,17B’)の先端を袋体上部(2B)の外側から内側に挿し込むことができる。この吊りベルト(17B,17B’)の先端に図2又は図3のように吊り紐を掛けて上方に引っ張ることにより、袋体上部(筒状蓋部2A、2B)が内側にしなり難くなり、胴部(1A,1B)の内部に入り込むことを防止できる。このようにして、フレキシブルコンテナバッグ(F9)が四角形筒状(底付き)で、4つの吊りベルトを境界が構成する四角形の四隅のごく近傍に備える場合には、新たに環状フックを取り付けなくても、スリット(19B、19B’)を形成することにより、吊りベルト(17B,17B’)を環状フックとして使用することができる。
その他の構成は実施例1(図1(b)の例)と同様であり、実施例1と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図10を参照して実施例7を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(5A,5B)が取り付けられている例を説明したが、実施例7では袋体上部(2A,2B)の内側に環状フック(25A,25B)が取り付けられている例を説明する。図10(a)にはフレキシブルコンテナバッグ(F21)が円形筒状(底付き)の例を、図10(b)にはフレキシブルコンテナバッグ(F22)が四角形筒状(底付き)の例を示す。また図10(c)に、フレキシブルコンテナバッグ(F21)が円形筒状(底付き)の例で、吊り紐(9A)を掛けて外側斜め上方から引っ張る例を示す。
フレキシブルコンテナバッグ(F21,F22)では、環状フック(25A,25B)は補強材(26A,26B)を用いて、袋体上部(2A,2B)の内側に取り付けられている。袋体上部(2A,2B)は袋体下部(1A,1B及び3A,3B)より柔らかく、強度が低いので、補強材(26A,26B)を袋体上部(2A,2B)の内側と外側の両方に用いているが、強度があれば片側だけでも良い。環状フック(25A,25B)が袋体上部(2A,2B)に取り付けられているため、実施例1に比して環状フック(25A,25B)を見つけ易く、また鉤や紐を掛け易い。また、袋体上部(2A,2B)を環状フック(25A,25B)の取り付け位置から外側にスカート状に垂らすことができる。これにより、収容時に袋体上部(2A,2B)が袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側に入り込むことを防止できる。また、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界付近まで被収容物を投入しても、環状フック(25A,25B)は常に目視できるので、追加投入時又は過剰投入分の除去時に袋体上部(2A,2B)の開口を広く保持し易く、便利である。また、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界全体を常に目視できるので、被収容物の投入量を境界までと一定量に定めて作業するのに便宜である。被収容物を一定量とすると、被収容物が投入されたフレキシブルコンテナバッグを安定的に積層できる。
また、被収容物が嵩比重の小さい粒状物、粉状物の場合で袋体下部(1A,1B及び3A,3B)にしっかりと詰め込みたい場合がある。そのような場合に、被収容物を少し多めに供給した後に、フレキシブルコンテナバッグを少し吊り上げ、軽く床に打ちつけることにより、または周囲を軽くたたくことにより、被収容物を袋体下部(1A,1B及び3A,3B)に落ち着かせて、丁度、被収容物が袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界線の位置に等しく又はそれより下にすることができる。環状フック(25A,25B)が袋体上部(2A,2B)に取り付けられている構成であれば、被収容物を少し多めに供給することが容易にできるので、上記のような作業が可能となる。土のうのように土を固く詰め込みたい場合にも作業性が高い。
その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図11を参照して実施例9を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(5A,5B)が取り付けられている例を説明したが、実施例9では袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界で、袋体の内側に環状フック(25A,25B)が取り付けられている例を説明する。環状フック(25A,25B)は補強材(26A,26B)を用いて、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界の内側に取り付けられている。
環状フック(25A,25B)が袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界に取り付けられているため、実施例1に比して環状フック(25A,25B)を見つけ易く、また鉤や紐を掛け易い。また、袋体上部(2A,2B)を環状フック(25A,25B)の取り付け位置から外側にスカート状に垂らすことができ、収容時に袋体上部(2A,2B)が袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側に入り込むことを防止できる。また、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B))の境界以下まで被収容物を投入しても、環状フック(25A,25B)は常に目視できるので、追加投入時に袋体上部(2A,2B)の開口を広く保持し易く、便利である。また、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界全体を常に目視できるので、被収容物の投入量を境界までと一定量に定めて作業するのに便宜である。
その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図12を参照して実施例10を説明する。実施例9では、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界の内側に環状フック(25A,25B)が取り付けられている例を説明したが、実施例10では袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側に環状フック(25A,25B)が取り付けられ、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界に形成されたスリット(23A,23B)を通して内側に挿し込まれる例を説明する。環状フック(25A,25B)は補強材(26A,26B)を用いて、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側に取り付けられている。そして、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界に形成されたスリット(23A,23B)を通して内側に挿し込まれる。
環状フック(25A,25B)が袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界から内側に挿し込まれているため、実施例1に比して環状フック(25A,25B)を見つけ易く、また鉤や紐を掛け易い。また、袋体上部(2A,2B)をスリット(23A,23B)の位置の近傍から外側にスカート状に垂らすことができ、収容時に袋体上部(2A,2B)が袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側に入り込むことを防止できる。また、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界以下まで被収容物を投入しても、環状フック(25A,25B)は常に目視できるので、追加投入時に袋体上部(2A,2B)の開口を広く保持し易く、便利である。また、袋体上部(2A,2B)と袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の境界全体を常に目視できるので、被収容物の投入量を境界までの一定量として作業するのに便宜である。
その他の構成は実施例7と同様であり、実施例7と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図13を参照してフックの構成例を説明する。図13(a)に通常の環状フック(35a)、図13(b)に中央で捻りを加えた環状フック(35b)、図13(c)に紐を長くして、その先端に通常のループを形成した環状フック(35)を示す。また、図13(d)に通常のテープ状フック(35d)、図13(e)に縫製された部分と縫製されない部分で構成され、縫製されない部分をフックとして用いるテープ状フック(35e)を示す。これまでの実施例では主として通常の環状フックを用いる例を説明したが、このようにフックは、環状フックに限られず種々のフックを使用できる。
図13(a)の環状フック(35a)では鉤を掛ける又は紐を通す位置が袋体の近傍となり、袋体の開口の位置と形状をコントロールし易い。図13(b)の環状フック(35b)では捻りを入れることにより、環の開きを大きくでき、鉤を掛け易くなる又は紐を通し易くなる。図13(c)の環状フック(35c)ではフックの環が袋体から離れるので、鉤で袋体を傷つけ難くなる。図13(d)のテープ状フック(35d)ではフックの取り付けが容易である。図13(e)のテープ状フック(35e)ではフックに掛かる力を分散できる。
図13(b)〜図13(e)のフック(35b)〜(35e)を用いる場合においても、図13(a)のフック(35a)を用いる場合と同様に、収容時に袋体上部がしなって袋体下部の内側に入り込まない構成にして、収容作業の効率を向上するフレキシブルコンテナバッグを提供できる。
図14に補助スタンドを用いて、被収容体をフレキシブルコンテナバッグ(F23)に投入する例を示す。補助スタンド(20)は4つの支柱(20A)を4つの横バー(20B)で連結したものである。1つの横バー(20B)は2つの支柱(20A)を連結し、4つの横バー(20B)は上から見ると四角形を構成する。4つの支柱(20A)及び4つの横バー(20B)の長さは調整可能である。丸底のフレキシブルコンテナバッグで、袋体上部(2A)は袋体下部(1A及び3A)との境界で外側に折り返されている。袋体上部(2A)と袋体下部(1A及び3A)との境界の内側4箇所に環状フック(25A)が取り付けられている(実施例9に該当する)。4箇所の環状フック(25A)に鉤付き紐(29A)が掛けられ、鉤付き紐(29A)の先端は補助スタンド(20)の支柱(20A)の最上部付近に結びつけられている。このように補助スタンドを用いることによって、フレキシブルコンテナバッグ(F25)を直立かつ開口状態に保持して被収容体を投入でき、収容体投入時の開口状態を一定にかつ広い状態に保持できるので、投入作業を効率的にできる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は以上の実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施の形態に種々の変更を加えられることは明白である。
例えば、実施例4では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに紐状フック(15A,15B)が取り付けられている例を説明したが、紐状フックを袋体下部の外側に取り付け、スリットから内側に挿入できるようにしても良い。また、紐状フックの先端に環を設けない構成で、先端を結んで上方に引っ張るようにしても良い。また、フレキシブルコンテナバッグの素材、ベルト取付構造等は多様である。また、フレキシブルコンテナバッグは、容量と被収容物の重さとは必ずしも比例しない。小さくても耐荷重の大きい商品を入れる場合、大きくても耐荷重の小さい商品を入れる場合があり、仕様に応じて様々なものがある。これらのものにも本発明を適用可能である。また、以上の実施例では、袋体下部を補強する補強材として(6A,6B,7B)を挙げているが、広い意味では、補強ベルトや吊りベルトの一部を含むベルト(幅が広めの帯状のもの)、テープ(ベルトに比して幅が狭めの帯状のもの)、補強布(四角形状など)なども補強材に含まれる。また、吊りベルトを付ける位置や数、フックを付ける位置や数、ベルトを付ける位置や数、筒の形状、スリットの形状等を適宜変更可能である。
図15(b)において、フレキシブルコンテナバッグ(F12)は、被収容物を収容する袋体下部(胴部1B及び底部3Bからなる)と、袋体下部(1B及び3B)に接続されて被収容物を収容後に袋体下部(1B,3B)の蓋をする袋体上部(筒状蓋部2B)と、袋体(袋体上部及び袋体下部)を吊り上げるための吊りベルト(17B)と、袋体下部(1B及び3B)の適所に設けられて袋体下部(1B及び3B)を補強するための補強材(18B)と、補強ベルト(8B)とを備える。図15(a)と異なる点を主に説明する。
図5を参照して実施例2を説明する。実施例1では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の内側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック5A,5Bが取り付けられている例を説明したが、実施例2では、袋体下部(1A,1B及び3A,3B)の外側で、袋体上部(2A,2B)との境界の近くに環状フック(12A,12B)が取り付けられ、袋体上部(2A,2B)には、フック(12A,12B)の先端を袋体上部(2A,2B)の外側から内側に挿し込むことができるスリット(13A,13B)が形成された例を説明する。実施例1と異なる点を主に説明する(以下の実施例についても同様に先行実施例と異なる点を主に説明する)。