JP2012120882A - 産業用ワイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】粉塵、粘度の高いグリス、粘度の低い水等の拭き取り性、吸収性に優れる産業用ワイプを提供する。
【解決手段】基材紙10に直線形エンボス6,7が、格子パターン状に形成された産業用ワイプ1であって、
格子パターンによって囲まれるそれぞれの格子部に、六角形エンボスが、亀甲パターン状に形成され、
産業用ワイプの厚さが、1000〜1700μmであり、
六角形エンボス2の長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長く、六角形エンボス2の凹部の深さが、0.8〜1.7mmであり、
六角形エンボス2の長辺が、隣接する六角形エンボス2の長辺に対向せず、六角形エンボスの長辺の角部が、隣接する六角形エンボスの長辺の角部にそれぞれ対向し、
格子パターンの延在方向と基材紙の横方向との交差角度が、0〜80度である
ことを特徴とする産業用ワイプ。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンボスを有する産業用ワイプに関する。
産業用ワイプは、各種の産業用製品やこれに用いる部品に付着した塵・埃・水分・油分等の拭き取りに使用される。
産業用ワイプには、水分や油分等の拭き取り性能に加え、産業用ワイプから発生する紙粉(リントと呼ぶこともある)が少ないことが求められており、これらの要求に応えるべく、複数の基材紙を積層した産業用ワイプの表面に、エンボスを付与したものがある。
産業用ワイプに付与されるエンボスとしては、ピン形状エンボス、ディンプル形状エンボスが代表的であり、図4には、ピン形状エンボスがドット状に付された産業用ワイプを、図5には、ディンプル形状エンボスがドット状に付された産業用ワイプを示している。
ピン形状エンボスが付された産業用ワイプは、多数のピン形状エンボスにより応圧されているためプライ剥離が防止され、多数のピン形状エンボスにより形成された凹部に、塵や埃を効率よく収容することができる。しかしながら、ピン形状エンボスが付された産業用ワイプは、粘度の高いグリス等の拭き取り性能が乏しい。
一方、ディンプル形状エンボスが付された産業用ワイプは、ディンプル形状エンボスにより形成された比較的大きな口径を有する凹部に、粘度の高いグリス等を効率よく収容することができる。しかし、ディンプル形状エンボスが付された産業用ワイプは、粘度の低い水等の拭き取り性能が乏しく、また、比較的少数のディンプル形状エンボスにより応圧されているためプライ剥離が生じるおそれがある(特許文献1)。
また、ピン形状エンボス、ディンプル形状エンボスの他にも種々の形状のエンボスが提案されている(特許文献2〜4)。
特開2005−160654 特開2005−245913 特開2003−116761 特開2002−238822
そこで、本発明の主たる課題は、粉塵、粘度の高いグリス、粘度の低い水等の拭き取り性、吸収性に優れる産業用ワイプを提供することにある。
上記課題を解決した本発明及び本発明に関連する参考発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
基材紙に直線形エンボスが、格子パターン状に形成された産業用ワイプであって、
格子パターンによって囲まれるそれぞれの格子部に、六角形エンボスが、亀甲パターン状に形成され、
産業用ワイプの厚さが、1000〜1700μmであり、
六角形エンボスの長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長く、六角形エンボスの凹部の深さが、0.8〜1.7mmであり、
六角形エンボスの長辺が、隣接する六角形エンボスの長辺に対向せず、六角形エンボスの長辺の角部が、隣接する六角形エンボスの長辺の角部にそれぞれ対向し、
格子パターンの延在方向と基材紙の横方向との交差角度が、0〜80度である
ことを特徴とする産業用ワイプ。
(作用効果)
格子パターンによって囲まれるそれぞれの格子部に、六角形エンボスが、亀甲パターン状に形成されていることから、エンボスの角部が90度と120度の角度が混在することにより、柔軟性が高まる。
産業用ワイプの厚さが、1000〜1700μmであることから、粘度の低い水等の吸水量が多い。
また、六角形エンボスの長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長く、六角形エンボスの凹部の深さが、0.8〜1.7mmであることから拭き取り性が高い。
さらに、六角形エンボスの長辺が、隣接する六角形エンボスの長辺に対向せず、六角形エンボスの長辺の角部が、隣接する六角形エンボスの長辺の角部にそれぞれ対向していることから、六角形エンボスのいわゆる鋭角部分である、六角形エンボスの長辺の角部および六角形エンボスの長辺と粉塵、グリス、水等との接触が大きく、拭き取り性が高い。
格子パターンの延在方向と基材紙の横方向との交差角度が、0〜80度であることから、産業用ワイプのスライド方向(横方向、縦方向)と格子パターンの鋭角部分であるエンボスとが傾斜し拭き取り性が高い。
<請求項2記載の発明>
六角形エンボスの長手方向ピッチが4〜10mm、幅方向ピッチが2〜5mmであり、
六角形エンボスの凹部のテーパー角度が40〜65度であり、
六角形エンボスを形成した後の産業用ワイプの表面積が、六角形エンボスを形成する前の産業用ワイプの表面積に対し120〜170%である請求項1又は2記載の産業用ワイプ。
(作用効果)
六角形エンボスの凹部のテーパー角度が40〜65度であることから、六角形エンボスの周縁を鋭角部分に形成でき、拭き取り性が高い。
また、六角形エンボスの長手方向ピッチが4〜10mm、幅方向ピッチが2〜5mmであることから、六角形エンボスを形成した後の産業用ワイプの表面積が、六角形エンボスを形成する前の産業用ワイプの表面積に対し120〜170%と大きく、多くの粉塵、グリス、水等を拭き取ることができる。
<請求項4記載の発明>
基材紙が、複数の薄基材紙が積層されて形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の産業用ワイプ。
(作用効果)
基材紙が、複数の薄基材紙が積層されて形成されていることから、プライ構造の産業用ワイプを構成でき、拭き取り使用時において産業用ワイプの破断するおそれを抑制することができる。
<本発明に関連する参考発明>
基材紙に略六角形エンボスが、亀甲パターン状に形成された産業用ワイプであって、
産業用ワイプの厚さが、1000〜1700μmであり、
六角形エンボスの長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長く、六角形エンボスの凹部の深さが、0.8〜1.7mmであり、
六角形エンボスの長辺が、隣接する六角形エンボスの長辺に対向せず、六角形エンボスの長辺の角部が、隣接する六角形エンボスの長辺の角部にそれぞれ対向し、
六角形エンボスの長手方向の延在方向と基材紙の横方向との交差角度が、30〜60度である
ことを特徴とする産業用ワイプ。
(作用効果)
本発明の参考発明は、産業用ワイプの厚さが、1000〜1700μmであることから、粘度の低い水等の吸水量が多い。
厚さが、1000μm以下であると吸水量が約10%少なくなってしまう。一方、産業用ワイプの厚さが、1700μm以上であると剛性が高まり、産業用ワイプを4つ折りにする際に抵抗となるおそれがある。
六角形エンボスの長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長く、六角形エンボスの凹部の深さが、0.8〜1.7mmであることから拭き取り性が高い。
特に、六角形エンボスの長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長いことから、正六角形エンボスに比較して六角形エンボスにより形成される凹部の体積が大きく、粘度の高いグリス等に対する拭き取り性を高めることができる。
また、六角形エンボスの凹部の深さが、0.8〜1.7mmであることから、六角形エンボスの凹部に集塵された粉塵、粘度の低い水等を保持性が高い。
六角形エンボスの長辺が、隣接する六角形エンボスの長辺に対向せず、六角形エンボスの長辺の角部が、隣接する六角形エンボスの長辺の角部にそれぞれ対向していることから、六角形エンボスのいわゆる鋭角部分である、六角形エンボスの長辺の角部および六角形エンボスの長辺と粉塵、グリス、水等との接触が大きく、拭き取り性が高い。
六角形エンボスの長手方向の延在方向と基材紙の横方向との交差角度が、30〜60度であることから、産業用ワイプのスライド方向(横方向、縦方向)と六角形エンボスのいわゆる鋭角部分である六角形エンボスの長辺とが傾斜し拭き取り性が高い。
なお、上記請求項2記載の発明、請求項3記載の発明は、上記参考発明についても適用でき、同様の効果を奏する。
以上の本発明及びその参考発明によれば、粉塵、粘度の高いグリス、粘度の低い水等の拭き取り性、吸収性に優れる産業用ワイプを提供される。
以下に、本発明に関連する参考発明の実施形態(参考形態)と、本発明の実施形態をこの順に説明する。
『参考形態』
以下、請求項記載の本発明の基本となる参考発明の実施形態について説明する。第1実施形態の産業用ワイプ1は、六角形エンボス2によって4枚の薄基材紙が積層された4プライ構造である。図1は、産業用ワイパー1のエンボスパターンを示し、図2は、図1のA−A断面の拡大図である。
<基材紙>
産業用ワイプ1を構成する基材紙10は、厚みが約100μmの薄基材紙を4枚積層して形成され、積層時の厚みが約400μmである。
基材紙10を積層構造にすることにより、産業用ワイプ1がプライ構造になり、拭き取り使用時において産業用ワイプ1が破断するおそれが抑制できる。
なお、積層される薄基材紙の枚数については、特に制限はないが、2〜4枚が好適である。薄基材紙の枚数が5枚以上の場合、拭き取り使用時に積層部でズレが生じ産業用ワイプ1の表面に皺が発生し、拭き取り性が低下するおそれがある。
基材紙10を形成する薄基材紙は、パルプとしてLUKP、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)を10〜30重量%、NUKP、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)を70〜90重量%を含有し、特に、LUKP、LBKPとしては、FSC認証されたチップから生産されたパルプを含有するのが好適である。
薄基材紙の製造は、NBKP、LUKP及びLBKP、NUKPを含む抄造原料を、既知のクレープ紙、薄葉紙の製造に基づいて抄造することができる。
NBKP、LBKP以外の構成繊維としては、ケナフパルプ、マニラ麻等の非木材パルプ、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維等の合成繊維が例示できる。
各薄基材紙の坪量(JIS P 8124:1998)は、15〜25g/m2であり、好適には18〜23g/m2である。
15g/m2以下の場合には、十分な吸液量を発言させることが困難となり、また、25g/m2以上の場合には、剛性が高まり、薄基材紙を4枚積層された基材紙10から構成される産業用ワイプ1を4つ折りにする際に大きな抵抗となるおそれがあり、特に、微細部品、部品の溝部分の拭き取りが困難になるおそれがある。
<六角形エンボス>
基材紙10は、4枚の薄基材紙を六角形エンボス2により加圧し積層する。基材紙10に形成された六角形エンボス2は、長手方向長さ(EL)が4.5mm、幅方向長さ(EW)が3mm、深さ(ED)が1.1mm、テーパー角度(Eθ)が60度に形成されている。
また、六角形エンボス2を形成した場合、産業用ワイプ1の厚さとなる基材紙10の厚さ(T)は1195μmであり、密度は、66g/cm3である。
なお、本明細書においては、深さ(ED)とは、基材紙10の表面から六角形エンボス2の凹部3の底面までの距離をいい、テーパー角度(Eθ)とは、六角形エンボス2の凹部3の延長線と基材紙10の表面との交差する角度をいい、厚さ(T)とは、基材紙10の一方の表面から他方の表面までの距離をいう。(図2参照)
さらに、基材紙10の厚さ(T)は、尾崎製作所製のピーコックにより測定し、密度は、吸水量、引張強度の観点から30〜80g/cm3が好適である。
六角形エンボス2の長手方向長さ(EL)については、特に制限はないが、3〜9mmが好適であり、幅方向長さ(EW)に対し、125〜200%にするのがより好適である。なお、長手方向長さ(EL)が3mm以下の場合、粘度の高いグリス等の拭き取り性が十分に確保できなくなるおそれがあり、9mm以上の場合、基材紙10が拭き取り時に破断するおそれがある。
六角形エンボス2の幅方向長さ(EW)については、特に制限はないが、2〜5mmが好適である。なお、幅方向長さ(EW)が2mm以下の場合、粘度の高いグリス等の拭き取り性が十分に確保できなくなるおそれがあり、5mm以上の場合、基材紙10が拭き取り時に破断するおそれがある。
六角形エンボス2の深さ(ED)については、特に制限はないが、0.8〜1.7mmが好適である。なお、深さ(ED)が0.8mm以下の場合、粘度の高いグリス等の拭き取り性が十分に確保できなくなるおそれがあり、1.7mm以上の場合、基材紙10が拭き取り時に破断するおそれがある。
六角形エンボス2のテーパー角度(Eθ)については、特に制限はないが、40〜65度が好適である。なお、テーパー角度(Eθ)が40度以下の場合、六角形エンボス2の凹部3の周縁が鈍り粘度の高いグリス等の拭き取り性が十分に確保できなくなるおそれがあり、65度以上の場合、基材紙10が拭き取り時に破断するおそれがある。
基材紙10の厚さ(T)については、特に制限されないが、1000〜1700μmが好適であり、1050〜1700μmがより好適であり、六角形エンボス2を形成する際の加圧により任意に設定することができる。
なお、厚さ(T)が1000μm以下の場合、吸収量が約10%少なくなり、1700μm以上の場合、剛性が高まり、産業用ワイプ1を4つ折りにする際に大きな抵抗となるおそれがあり、特に、微細部品、部品の溝部分の拭き取りが困難になるおそれがある。
各六角形エンボス2は、六角形エンボス2の長辺4が、隣接する六角形エンボス2の長辺4に対し長手方向にズレた位置に形成し、六角形エンボス2の長辺4の両側の角部5が、隣接する対向する六角形エンボス2の長辺4の両側の角部5にそれぞれ対向する位置に形成されている。
また、各六角形エンボス2は、隣接する六角形エンボス2に対して、長手方向ピッチ(PL)が6mm、幅方向ピッチ(PW)が3mmの位置に亀甲パターン状に形成されている。
六角形エンボス2の長手方向ピッチ(PL)については、特に制限はないが、4〜10mmが好適である。また、六角形エンボス2の幅方向ピッチ(PW)についても、特に制限はないが、2〜5mmが好適である。
六角形エンボス2を長手方向ピッチ(PL)が6mm、幅方向ピッチ(PW)が3mmの位置に亀甲パターン状に形成した場合、基材紙10(産業用ワイプ1)の表面積が、六角形エンボス2を形成する前の表面積に対し、144%と増加するため拭き取り性が格段に向上する。
なお、表面積は、簡易的には六角形エンボス2を引張力1000CN/25mmで六角形エンボス2の長辺4に直角方向に伸長した場合に発生する断面伸長率を2乗することによって算出でき、121%であった。
断面伸長率を2乗して算出した場合、六角形エンボスを形成した後の産業用ワイプの表面積が、六角形エンボスを形成する前の産業用ワイプの表面積に対し、拭き取り性の観点から110〜130%が好適である。
六角形エンボス2の凹部3の底部は平面とされ、六角形エンボス2の凹部3により形成された表面積が、基材紙10の表面積に対し、58%であり、六角形エンボス2の凹部3により形成された表面積が、基材紙10の表面積に対し、30〜80%が特に粘度が高いグリスの拭き取り性の観点から好適である。
亀甲パターン状に形成された六角形エンボス2の長辺4の延在方向が、基材紙10(産業用ワイプ1)の横方向に対する交差角度(θ)が45度で形成されている。
交差角度(θ)については、特に制限はないが、産業用ワイプ1を横方向あるいは縦方向にスライドさせながら拭き取りを行う際に、六角形エンボス2の鋭角部分であり長辺4がスライド方向に対し傾斜した場合、拭き取り性が高まることから30〜60度が好適である。
さらに、縦方向とは、抄造時における基材紙10流れ方向に沿う方向でありMD方向と言われ、横方向とは、縦方向と直交する方向でありCD方向と言う場合もある。
六角形エンボス2の形成方法は、例えば、一対のエンボスロール間に基材紙10を通して形成することができ、特に、六角形エンボス2を嵩高にする観点からスチールマッチエンボスを使用することが好適である。
この場合、エンボス圧が、10〜80kgf/cm2、好ましくは10〜25kgf/cm2となるようにするのが好適である。エンボス圧が10kgf/cm2以下の場合、六角形エンボス2の長辺3を含む周縁部を鋭角にすることができず拭き取り性が下がるおそれがあり、80kgf/cm2以上の場合、六角形エンボス2の形成時に基材紙10が破断するおそれがある。
一対のエンボスロールに関しては、六角形エンボス2が亀甲パターン状が付与された金属ロールと弾性ロールとの組み合せが好適である。この場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、A30〜A90であるのが好適である。ショア硬度がA30以下の場合、つまり弾性ロール表面がやわらかい場合、基材紙10が破断するおそれがあり、A90以上の場合、つまり弾性ロール表面が硬い場合、六角形エンボス2が基材紙10に形成できず、基材紙10を構成する薄基材紙を積層できないおそれがある。
以上のようにして六角形エンボス2が形成された基材紙10は、既知の方法に従って、インターフォルダ等により積層し折り畳んだり、巻き取ったりして製品とする。
前述では六角形エンボスについて説明したが、五角形、七角形エンボスであっても同等の性能を持つエンボスであればよいことは言うまでもない。
『本発明の実施形態』
次ぎに、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の産業用ワイプ1は、格子パターン状に形成された直線形エンボス6,7の各格子部8に、六角形エンボス2が亀甲パターン状に形成されたものである。
図3は、本発明の実施形態の産業用ワイパー1のエンボスパターンを示している。六角形エンボス2、基材紙10については、上記参考形態と同様であるので説明は省略する。
<直線形エンボス>
格子パターンを形成する直線形エンボス6,7は、幅(LW)が2mm、深さ(LD)が1.1mmであり、直線形エンボス6で囲まれる格子部8の対角線距離で定義されるエンボスピッチ(LP)が19mmであり、格子パターンは、基材紙10の水平方向に対し交差角度が45度である。
格子パターンとすると、粘度の低い水分等を拭き取った際には、直線形エンボス6の凹部内を水分等が拡散、吸収されながら進行するため、粘度の低い水分等の拭き取り性が高まる。
直線形エンボス6,7の幅(LW)および深さ(LD)については、特に制限はないが、拭き取り性の観点から1〜3mmが好適である。
また、エンボスピッチ(LP)については、特に制限はないが、拭き取り性の観点から10〜30mmが好適であり、15〜25mmがより好適である。
直線形エンボス6,7からなる面積が、基材紙10の表面積に対して2〜40%とするのが好適であり、10〜20%がより好適である。直線形エンボス6,7の面積が、2%以下の場合、40%以上の場合には所望する拭き取り性が達成することが困難となる。
また、格子パターンは、基材紙10の水平方向に対し交差角度が45度である。すなわち、格子パターンを形成する一方の直線形エンボス6の延在方向と基材紙10の横方向の横方向に対する交差角度(Lθ1)が45度で形成され、格子パターンを形成する他方の直線形エンボス7の延在方向と基材紙10の横方向に対する交差角度(Lθ2)も同様に45度で形成されている。
交差角度(Lθ1,2)については、特に制限はないが、拭き取り性の観点から30〜60度が好適である。
本発明の実施形態の産業用ワイプ1においては、図3に示すように各格子部8に形成される六角形エンボス2は、六角形エンボス2の長辺6の延在方向が基材紙10の縦方向と平行に形成されているが、六角形エンボス2の長辺6の延在方向を基材紙10の横方向に対して30〜60度の交差角度をつけて形成しても良い。
直線形エンボス6,7及び六角形エンボス2の形成方法は、例えば、一対のエンボスロール間に基材紙10を通して形成することができ、特に、直線形エンボス6,7及び六角形エンボス2を嵩高にする観点からスチールマッチエンボスを使用することが好適である。
この場合、エンボス圧が、10〜80kgf/cm2、好ましくは10〜25kgf/cm2となるようにするのが好適である。エンボス圧が10kgf/cm2以下の場合、六角形エンボス2の長辺3を含む周縁部を鋭角にすることができず拭き取り性が下がるおそれがあり、80kgf/cm2以上の場合、直線形エンボス6,7及び六角形エンボス2の形成時に基材紙10が破断するおそれがある。
一対のエンボスロールに関しては、直線形エンボス6,7が格子パターン状に、六角形エンボス2が亀甲パターン状が付与された金属ロールと弾性ロールとの組み合せが好適である。この場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、A30〜A90であるのが好適である。ショア硬度がA30以下の場合、つまり弾性ロール表面がやわらかい場合、基材紙10が破断するおそれがあり、A90以上の場合、つまり弾性ロール表面が硬い場合、直線形エンボス6,7及び六角形エンボス2が基材紙10に形成できず、基材紙10を構成する薄基材紙を積層できないおそれがある。
以上のようにして直線形エンボス6,7及び六角形エンボス2が形成された基材紙10は、既知の方法に従って、インターフォルダ等により積層し折り畳んだり、巻き取ったりして製品とする。
本発明の六角エンボスに係る効果を確認するため、吸水量、拭き取り性、引張強度について評価を行った。
参考例、比較例とも基材紙を構成する薄基材紙の坪量は坪量19.2g/m2を使用し、エンボスピッチ、エンボス深さ、テーパー角度、プライ数(薄基材紙の枚数)、密度、表面積、厚さは表1に示すとおりである。
<吸水量>
資料(寸法:横315mm×縦405mm)から10cm角に裁断し、表面と裏面を交互に4枚重ねした状態で水に3分間つけて取出し、網状の水平台の上に30秒放置した後の重量を測定し、増加重量を算出した。
なお、吸水量[g/m2]が、3000以上の場合「◎」、2500〜3000の場合「○」、2000〜2500の場合「△」、2000以下の場合「×」とした。
<拭き取り性>
表面平滑な水平台(一般に使われる実験台、天板材質:セグラン、セルロン)上に、グリス(昭和シェル石油製、名称:カートリッジグリス、型式:EP―2)を1.5gへらで均一に延ばし、試料(寸法:横315mm×縦405mm)を4つ折りにし、500gのおもりを載せた状態で水平台上を約5秒間スライド移動させた後、グリスの残存状態を目視評価した。
なお、グリスがよく拭き取れた「◎」、グリスが普通に拭き取れた「○」、グリスが拭き取れず残る「△」とした。
<引張強度>
JIS P 8113に準じて評価した。
なお、引張強度[CN/25mm]が、5000以上の場合「◎」、3500〜5000の場合「○」、2000〜3500の場合「△」、2000以下の場合「×」とした。
Figure 2012120882
表1に示すとおり、参考例1〜6は、吸水量、拭き取り性、引張強度に高い評価になったのに対し、比較例1は、吸水量の評価が低く、比較例2は、吸水量、拭き取り性の評価が低かった。
以上のことから、本発明に係る産業用ワイプは、吸水量、拭き取り性、引張強度に優れることが確認できた。
本発明は、産業製品や産業製品用の部品に付着した水分、油分、塵等を拭き取る紙製品に利用可能である。
本発明の参考形態の産業用ワイパーのエンボスパターンを示す図である。 図1のA−A断面の拡大図である。 本発明の実施形態の産業用ワイパーのエンボスパターンを示す図である。 従来の産業用ワイパーのピンエンボスパターンを示す図である。 従来の産業用ワイパーのディンプル状エンボスパターンを示す図である。
1…産業用ワイプ、2…六角形エンボス、3…凹部、4…長辺、5…角部、6,7…直線形エンボス、8…格子部、20…ピンエンボス、30…ディンプルエンボス
EL…長手方向長さ、EW…幅方向長さ、ED…深さ、Eθ…テーパー角度、T…厚さ
PL…長手方向ピッチ、PW…幅方向ピッチ、θ…交差角度
LW…幅、LD…深さ、LP…エンボスピッチ、Lθ1,2…交差角度

Claims (3)

  1. 基材紙に直線形エンボスが、格子パターン状に形成された産業用ワイプであって、
    格子パターンによって囲まれるそれぞれの格子部に、六角形エンボスが、亀甲パターン状に形成され、
    産業用ワイプの厚さが、1000〜1700μmであり、
    六角形エンボスの長手方向長さが、幅方向長さに対し125〜200%と長く、六角形エンボスの凹部の深さが、0.8〜1.7mmであり、
    六角形エンボスの長辺が、隣接する六角形エンボスの長辺に対向せず、六角形エンボスの長辺の角部が、隣接する六角形エンボスの長辺の角部にそれぞれ対向し、
    格子パターン状の延在方向と基材紙の横方向との交差角度が、0〜80度である
    ことを特徴とする産業用ワイプ。
  2. 六角形エンボスの長手方向ピッチが4〜10mm、幅方向ピッチが2〜5mmであり、
    六角形エンボスの凹部のテーパー角度が40〜65度であり、
    六角形エンボスを形成した後の産業用ワイプの表面積が、六角形エンボスを形成する前の産業用ワイプの表面積に対し120〜170%である請求項1記載の産業用ワイプ。
  3. 基材紙が、複数の薄基材紙が積層されて形成されている請求項1又は2記載の産業用ワイプ。
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