JP2012119508A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂封止型の半導体装置(1)を製造するにあたって、部材間の接合作業を比較的低温で行うことを可能とする。
【解決手段】ヒートシンク(2)とリードフレーム(3)との接合にあたり、まず、ヒートシンク(2)の上面の接合部に対し、ポリイミド系樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液(L)を塗布する塗布工程を実施する。次いで、塗布された樹脂溶液(L)を半乾燥状態(残存溶剤量が13%〜40%の範囲)になるまで乾燥させる一次乾燥工程を実施する。次に、半乾燥状態の樹脂溶液(L)を介してリードフレーム(3)の被接合部(3a)をヒートシンク(2)に接着させる熱圧着工程を実施する。この後、樹脂溶液(L)を更に乾燥させる二次乾燥工程を実施する。
【選択図】図2
【解決手段】ヒートシンク(2)とリードフレーム(3)との接合にあたり、まず、ヒートシンク(2)の上面の接合部に対し、ポリイミド系樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液(L)を塗布する塗布工程を実施する。次いで、塗布された樹脂溶液(L)を半乾燥状態(残存溶剤量が13%〜40%の範囲)になるまで乾燥させる一次乾燥工程を実施する。次に、半乾燥状態の樹脂溶液(L)を介してリードフレーム(3)の被接合部(3a)をヒートシンク(2)に接着させる熱圧着工程を実施する。この後、樹脂溶液(L)を更に乾燥させる二次乾燥工程を実施する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ヒートシンク、リードフレーム、基板、半導体チップ等の複数の部材を接合し、樹脂モールドして構成される半導体装置の製造方法に関する。
例えばリードフレームに半導体チップを接合し、樹脂モールドして構成される樹脂封止型の半導体装置にあって、特に高温強度(例えば180℃以上)が必要なものにおいては、リードフレームと半導体チップとの間の接合等のために、ガラス転移点の高いポリイミド系樹脂を主体とした耐熱性接着剤を用いることが行なわれている。この場合、例えば特許文献1には、ポリイミド樹脂を溶剤に溶かしたワニスを半導体ウエハの裏面に塗布し、加熱乾燥後、カットして接着剤付きの半導体チップを得、その半導体チップをリードフレーム上に熱圧着することが開示されている。
また、別の例として、特許文献2、特許文献3には、ポリイミド樹脂から構成されるフィルム状接着剤(半導体接着テープ)を用いることが開示されている。このフィルム状接着剤は、例えばポリエステルシート等の離型シート上に、ポリイミド樹脂を溶剤に溶かした樹脂溶液を塗布し、加熱乾燥後に剥離することにより作製される。そして、そのフィルム状接着剤を所定の大きさに打抜いてリードフレームに貼付け、その上に半導体チップを熱圧着することが行なわれる。
しかしながら、上記した従来の耐熱性接着剤やフィルム状接着剤では、接着作業時に、例えば300℃以上の高温をかけなければ、接着力を発現させることができない問題点があった。この場合、特に混成集積回路といった複数のチップ部品を備えるものにあっては、接着部近傍に耐熱温度の低い部品が含まれている場合があり、そのような高温を要する耐熱性接着剤を採用することが難しい事情がある。尚、フィルム状接着剤を用いる場合、取扱い(ハンドリング)が面倒で、低温で仮接着できないといった事情があり、半導体装置の組立作業の工程管理が難しいといった不具合もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、部材同士の接合後の高温強度を確保することができる樹脂封止型の半導体装置を製造するにあたって、部材間の接合作業を比較的低温で行うことを可能とした半導体装置の製造方法を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、ポリイミド系樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液(L)に関し、接着時における溶剤の残存量を調整すること、つまり、樹脂溶液(L)をいわば半乾燥状態とすることによって、樹脂溶液(L)の軟化点を低下させ、ポリイミド系樹脂のガラス転移点以下の低温でも十分な接着力を発現させることができることを確認し、本発明を成し遂げたのである。
即ち、本発明は、ヒートシンク(2)、リードフレーム(3)、基板(4)、半導体チップ(5)等の複数の部材(2〜5)を接合し、樹脂モールドして構成される半導体装置(1)の製造方法において、前記部材(2〜5)同士の接合のうち、少なくともいずれかの接合の工程は、ポリイミド系樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液(L)を前記部材(2〜5)の接合部に塗布する塗布工程と、前記塗布された樹脂溶液(L)を半乾燥状態になるまで乾燥させる一次乾燥工程と、前記半乾燥状態の樹脂溶液(L)を介して前記部材(2〜5)同士を接着させる熱圧着工程と、この熱圧着工程後に前記樹脂溶液(L)を更に乾燥させる二次乾燥工程とを含んで実施されると共に、前記一次乾燥工程においては、前記樹脂溶液(L)の残存溶剤量が13%〜40%の範囲となるように実施されるところに特徴を有する(請求項1の発明)。
上記構成においては、塗布工程にて塗布された樹脂溶液(L)を、一次乾燥工程において、半乾燥状態になるまで乾燥させることにより、樹脂溶液(L)の軟化点が低下し、次の熱圧着工程において、比較的低温、例えばポリイミド系樹脂のガラス転移点以下の温度で、接着力が発現するようになり、部材(2〜5)同士を接着させることができる。そして、その後の二次乾燥工程により、樹脂溶液(L)が更に乾燥されて、高温強度の高い接着層を得ることができる。
このとき、上記一次乾燥工程において、樹脂溶液(L)中の残存溶剤量を13%〜40%の範囲としたことにより、優れた接着力を得ることができる。残存溶剤量が13%未満の場合、或いは、残存溶剤量が40%を越えている場合には、いずれも、十分な接着力を得ることができない。樹脂溶液(L)中の残存溶剤量の、より好ましい範囲は、20%〜30%である。
尚、一次乾燥工程において、樹脂溶液(L)中の残存溶剤量を13%〜40%の範囲とするための手法としては、予め、適切な乾燥温度及び時間を実験的に求めておき、それに従って一次乾燥工程における温度、時間の制御を行えば良い。本発明においては、ポリイミド系樹脂とは、イミド結合を有する高分子全般を言い、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド等も含んでいる。本発明において使用される溶剤は、特に限定されるものではなく、均一に溶解できるものであれば良い。
また、樹脂溶液(L)の初期の濃度としては、溶剤中にポリイミド系樹脂が均一に溶解され、塗布工程を実施するに適した濃度とすれば良く、ポリイミド系樹脂の濃度として、例えば10〜50重量%(溶剤量として90〜50%)程度とすることができる。さらに、上記塗布工程においては、熱板等を用いて、塗布部分(部材(2〜5)の接合部)に適度の温度をかけながら行うことにより、塗布される樹脂溶液(L)の粘度を大きくすることができ、ひいては大きな塗布厚みで塗布作業を行うことができる。
本発明においては、上記二次乾燥工程を、塗布された樹脂溶液(L)の残存溶剤量が3%以下になるまで実施するように構成することができる(請求項2の発明)。これにより、高温での接着強度を得ることができる。
本発明においては、上記塗布工程を、接合部に対する樹脂溶液(L)の塗布厚みが、30μm以上となるように実施することが望ましい(請求項3の発明)。これにより、十分に高い接着強度を得ることができる。
上記塗布工程において、いずれかの部材(2〜5)の表面のうち樹脂モールド層(6)との接触面となる部分にも樹脂溶液(L)が塗布されるように構成しても良い(請求項4の発明)。これによれば、部材(2〜5)と樹脂モールド層(6)とが接触する境界部に、ポリイミド系樹脂の緩衝層(9)が形成されることになるので、熱サイクルに伴う熱膨張、熱収縮に起因した剥離やクラックの発生を抑制することが可能となる。
本発明においては、上記した接合の工程を、複数の部材(2〜5)のうちの、ヒートシンク(2)とリードフレーム(3)との接合に関して実施することができる(請求項5の発明)。ヒートシンク(2)とリードフレーム(3)とを高い接着強度で接合することができる。
このとき、ヒートシンク(2)の表面に、リードフレーム(3)の複数部分が夫々接合される複数個の接合部が並んで設けられる場合には、塗布工程において、複数個の接合部を順につなげた形態で、樹脂溶液(L)を帯状に塗布することができる(請求項6の発明)。これにより、塗布工程を効率的に行うことができる。
また、本発明においては、上記した接合の工程を、複数の部材(2〜5)のうちの、基板(4)と半導体チップ(5)との接合に関して実施することができる(請求項7の発明)。基板(4)と半導体チップ(5)とを高い接着強度で接合することができる。
さらに、本発明においては、上記した接合の工程を、複数の部材(2〜5)のうちの、ヒートシンク(2)と基板(4)との接合に関して実施することができる(請求項8の発明)。ヒートシンク(2)と基板(4)とを高い接着強度で接合することができる。
以下、本発明の一実施例について、図1ないし図6を参照しながら説明する。尚、この実施例は、本発明を、基板上に複数個の半導体チップ等のチップ部品を実装し、樹脂封止して構成される混成集積回路(マルチチップモジュール)と称される半導体装置の製造に適用したものである。この半導体装置は、高温強度(例えば180℃以上)が必要なものとされている。
図1は、本実施例の製造方法により製造される半導体装置1の構成を示している。この半導体装置1は、複数の部材、例えばヒートシンク2、リードフレーム3、基板4、複数個のチップ部品5を相互に接合し、それらを樹脂モールド層6(パッケージ)内に封止して構成される。
具体的には、図2及び図3にも示すように、部材としての前記基板4は、所定の配線が形成されたセラミック基板からなり、その上面に、部材としての半導体チップやその他の電気部品等の複数個のチップ部品5が実装(電気的及び機械的接続)されている。部材としての前記ヒートシンク2は、例えばアルミとシリコンカーバイドとの混合粉体材料を所定形状に成型、焼結して構成され、前記基板4よりも大形のほぼ矩形ブロック状をなしている。前記基板4は、前記ヒートシンク2の上面に、例えばシリコン接着剤7によって熱的接続状態に接合されている。
部材としての前記リードフレーム3は、金属製の薄板を打抜いて構成され、前記基板4の外周を囲むように配置される複数本のリード部を、外側周囲部で連結した形態で一体的に備えている。そして、図3に示すように、このリードフレーム3には、前記ヒートシンク2の上面に対し、機械的に接合される複数本この場合全体で5本(左側に3本、右側に2本)の被接合部3aが設けられている。これに対し、ヒートシンク2の外周部のうち、図で左辺部の前側部分は、左方にやや突出した形態に構成され、その上面の3箇所が接合部とされると共に、図で右辺部の中間部が、右方にやや突出した形態に構成され、その上面の2箇所が接合部とされる。
このとき、詳しくは後述するように、前記ヒートシンク2の5箇所の接合部と、リードフレーム3の5本の被接合部3aとの間は、夫々、耐熱性の高いポリイミド系樹脂からなる接着層8を介して接着(接合)される。尚、図示はしないが、前記リードフレーム3の各リード部と、前記基板4の上面の電極との間は、ボンディングワイヤ等により必要な電気的接続がなされる。
前記樹脂モールド層6は、例えばエポキシ樹脂からなり、リードフレーム3の外周部を除いた、全体を封止してパッケージを構成する。また、前記ヒートシンク2の下面(裏面)側が、パッケージの下面(裏面)に露出した形態とされる。このとき、本実施例では、前記基板4の上面のうち四辺の外周縁部には、図3にも示すように、樹脂モールド層6との接触面に位置してポリイミド系樹脂からなる干渉層9(図3では便宜上ハッチングを付して示す)が設けられている。前記樹脂モールド層6の形成後に、前記リードフレーム3の外周側の連結部分が切離され、個々のリード部とされるようになっている。
さて、本実施例では、後の作用説明(工程説明)にて詳述するように、前記部材2〜5同士の接合のうち、前記ヒートシンク2とリードフレーム3との接合に関して、次のような接合の工程が実施される。即ち、まず、ヒートシンク2の上面の接合部に対し、ポリイミド系樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液Lを塗布する塗布工程が実施される。次いで、塗布された樹脂溶液Lを半乾燥状態になるまで乾燥させる一次乾燥工程が実施される。次に、半乾燥状態の樹脂溶液Lを介してリードフレーム3の被接合部3aをヒートシンク2に接着させる熱圧着工程が実施される。この後、樹脂溶液Lを更に乾燥させる二次乾燥工程が実施される。この二次乾燥工程の実施によって、樹脂溶液Lからほとんどの溶剤が除去されて接着層8となる。
このとき、本実施例では、前記一次乾燥工程は、ヒートシンク2の上面に塗布された樹脂溶液Lの残存溶剤量が13%〜40%の範囲となるように実施される。また、本実施例では、前記塗布工程は、ヒートシンク2の上面の接合部に対する樹脂溶液Lの塗布厚みが、30μm以上とされるように実施される。さらに本実施例では、塗布工程において、基板4の上面のうち四辺の外周縁部にも、干渉層9を形成するための樹脂溶液Lが塗布される。この際の塗布厚みは、比較的小さくされる。尚、前記二次乾燥工程は、塗布された樹脂溶液Lの残存溶剤量が3%以下になるまで実施される。
次に、上記構成の半導体装置1を製造するための本実施例に係る製造方法について、図2ないし図6も参照して述べる。半導体装置1を製造するにあたっては、まず基板4に複数個のチップ部品5を実装する部品実装の工程が実施され、次いで、チップ部品5が実装された基板4を、ヒートシンク2上にシリコン接着剤7により接着する基板接着の工程が実施される。これにて、図2に示すように、チップ部品5が実装された基板4をヒートシンク2上に接着した中間組立体10が構成される。
そして、この後、前記中間組立体10(ヒートシンク2)と、前記リードフレーム3とを接合する工程が、図2に示すようにして実施される。即ち、まず、図2(a)に示すように、前記ヒートシンク2の上面の接合部(左辺部の3箇所及び右辺部の2箇所)に、ディスペンサ11を用いて樹脂溶液Lを塗布する塗布工程が実施される。本実施例では、前記樹脂溶液Lは、溶剤、例えばN−メチルピロリドン(NMP)が85重量%、ポリイミド系樹脂、例えばポリエーテルイミドアミドが15重量%の配合で構成される。
この塗布工程は、中間組立体10を熱板(ヒータ)12上に載置し、熱板12を所定温度(例えば85℃)に制御してヒートシンク2を加熱しながら行なわれ、樹脂溶液Lの塗布厚みが30μm以上とされるように実施される。この場合、ヒートシンク2を加熱しながら塗布作業を行うことにより、樹脂溶液Lの粘度を高めることができ、樹脂溶液Lを厚く塗布することができる。
また、この塗布工程において、ヒートシンク2の接合部への樹脂溶液Lの塗布に加えて、図3にも示すように、前記基板4の上面のうち四辺の外周縁部にも、乾燥後に干渉層9となるように樹脂溶液Lが塗布される。尚、図3では、干渉層9(樹脂溶液Lの塗布部分)を、便宜上ハッチングを付して示している。また、図3は、基板4上に実装されているチップ部品5の図示を省略している。
この塗布工程の実施により、図2(b)に示すように、樹脂溶液Lが塗布された中間組立体10が得られ、次に、この中間組立体10を加熱してヒートシンク2に塗布された樹脂溶液Lを半乾燥状態とさせる一次乾燥工程が実施される。この場合、「半乾燥状態」とは、樹脂溶液L中の残存溶剤量が、13重量%〜40重量%の範囲となることであり、ここでは、例えば20重量%を目標に一次乾燥工程が実施される。残存溶剤量を目標の数値とするためには、予め、適切な乾燥温度及び時間を実験的に求めておき、それに従って一次乾燥工程における温度、時間の制御を行えば良い。
本実施例では、この一次乾燥工程は、上記中間組立体10を、例えば90℃の恒温槽(図示せず)内に収容し、例えば10分間乾燥することにより実施される。ここで、図4は、本発明者による、上記樹脂溶液Lに関し、90℃で一次乾燥を行なった場合の、時間経過と残存溶剤量との関係を調べた実験結果を示している。この結果から、樹脂溶液Lの残存溶剤量は、10分間の乾燥で、約20%まで低下する。それ以降については、残存溶剤量の低下の度合が比較的緩やかなものとなり、40分間乾燥を実施すれば約13%まで低下する。
この一次乾燥工程の後、半乾燥状態の樹脂溶液Lを介してヒートシンク2(接合部)にリードフレーム3の被接合部3aを接着させる熱圧着工程が実施される。この熱圧着工程は、図2(c)に示すように、中間組立体10(ヒートシンク2)を熱板12上に載置し、熱板12を所定温度(例えば90℃)に制御してヒートシンク2を加熱すると共に、リードフレーム3の各被接合部3aを、ヒートシンク2の各接合部(樹脂溶液Lの塗布部分)に位置合せして載置し、上面からこて13で押え付けることにより実施される。
この場合、前記こて13は所定温度(例えば250℃)に制御され、これにより、接合部分(樹脂溶液L)が、ポリイミド系樹脂のガラス転移点以下の温度、例えば約140℃に加熱されながら、熱圧着が行なわれる。このとき、ポリイミド系樹脂を溶剤に溶かした樹脂溶液Lが、一次乾燥工程において半乾燥状態とされていることにより、樹脂溶液Lの軟化点が低下し、熱圧着工程において、比較的低温で接着力が発現するようになり、ヒートシンク2にリードフレーム3を接着させることができる。
この後、リードフレーム3が接合された中間組立体10を加熱して樹脂溶液Lを更に乾燥させる二次乾燥工程が実施される。図示はしないが、この二次乾燥工程は、上記リードフレーム3が接合された中間組立体10を、例えば180℃の恒温槽内に収容し、所定時間乾燥することにより実施される。この二次乾燥工程は、樹脂溶液Lの残存溶剤量が3%以下になるまで実施され、これにより、樹脂溶液Lが更に乾燥されて、高温強度の高い接着層8を得ることができる。尚、このとき、基板4の上面に塗布されていた樹脂溶液Lも乾燥され、緩衝層9とされることは勿論である。
詳しく図示はしないが、以上のような接合の工程が行われた後、基板4の電極と、リードフレーム3のリード部を電気的に接続する電気的接続工程が行われる。この後、全体を成形型に収容し、エポキシ樹脂により樹脂モールドする樹脂モールドの工程が実施される。更に、樹脂モールド工程の後に、樹脂モールド層6のばり取り等が行なわれると共に、リードフレーム3の切断及びリード部の整形が行なわれ、半導体装置1が完成する。
このように本実施例によれば、塗布工程にて塗布された樹脂溶液Lを、一次乾燥工程において、半乾燥状態になるまで乾燥させることにより、樹脂溶液Lの軟化点を低下させ、次の熱圧着工程において、比較的低温、例えばポリイミド系樹脂のガラス転移点以下の温度(例えば140℃)で、部材2,3間の十分な接着力を発現させることができた。この結果、接着作業時に例えば300℃以上の高温をかける必要があった従来と異なり、複数のチップ部品5の中に耐熱温度の低い(例えば200℃程度)部品が含まれている場合があっても、悪影響を及ぼすことなく接着の作業を行うことができる。
図5は、上記一次乾燥工程における乾燥後の残存溶剤量(樹脂溶液L中の溶剤の重量%)に対する、接合後(二次乾燥工程後)の高温(180℃)での部材間の接着強度、つまり引張り強度(高温強度)を本発明者が調べた試験結果を示している。この試験結果から明らかなように、一次乾燥工程における残存溶剤量を、13%〜40%とすることにより、十分に高い接着強度を得ることができた。
残存溶剤量が13%を下回ると、樹脂溶液L(接着層8)が硬くなりすぎて、接着性が低下すると考えられ、また、残存溶剤量が40%を超えていると、粘度が低すぎて、熱圧着工程において、塗布された樹脂溶液Lが潰れてしまい、接着層8の厚みが薄くなり、十分な接着強度が得られないと考えられる。残存溶剤量のより好ましい範囲は、20%〜30%である。
また、図6は、上記塗布工程における樹脂溶液Lの塗布厚みと、接合後(二次乾燥工程後)の高温(180℃)での部材間の接着(引張)強度(高温強度)を本発明者が調べた試験結果を示している。この試験結果から明らかなように、樹脂溶液Lの塗布厚みを、30μm以上とすることにより、十分に高い接着強度を得ることができたのである。
さらに、特に本実施例では、上記塗布工程において、基板4の表面にも樹脂溶液Lを塗布するようにしたので、基板4の上面と樹脂モールド層6とが接触する境界面部分に、ポリイミド系樹脂からなる緩衝層9が形成されるようになる。この結果、緩衝層9により、熱サイクルに伴う熱膨張、熱収縮に起因した剥離やクラックの発生を抑制することが可能となる。
図7は、本発明の他の実施例を示すものであり、中間組立体10(ヒートシンク2)にリードフレーム3が接合された様子を示している。この実施例が上記実施例と異なる点は、ヒートシンク2の上面の接合部に、ディスペンサ11を用いて樹脂溶液Lを塗布する塗布工程にあり、ここでは、複数個の接合部を順につなげた形態で、樹脂溶液Lを帯状に塗布するようにしている。二次乾燥工程を経ることにより、樹脂容積Lが乾燥硬化して帯状の接着層21となる。
即ち、この塗布工程では、ヒートシンク2の上面の左辺部に対して、3箇所の接合部を前後方向に直線的につなげた形態で樹脂溶液Lを帯状に塗布し、これと共に、ヒートシンク2の上面の右辺部に対して、やはり、2箇所の接合部を前後方向に直線的につなげた形態で樹脂溶液Lを帯状に塗布している。これにより、塗布工程をより効率的に(短時間で)行うことができる。
尚、上記実施例では、一次乾燥工程において、樹脂溶液L中の残存溶剤量を13%〜40%の範囲とするために、中間組立体10を恒温槽内に収容して90℃で10分間加熱するようにしたが、加熱手段としては、塗布工程等と同様に熱板12(ヒータ)を用いる等しても良い。また、目標とする残存溶剤量を得るためには、予め、適切な乾燥温度及び時間を実験的に求めておき、それに従って一次乾燥工程における温度、時間の制御を行えば良い。二次乾燥工程においても、加熱手段を適宜選択でき、また、加熱時間や温度を適宜制御することができる。
また、上記実施例では、ヒートシンク2に対するリードフレーム3の接合の工程に関して、本発明に係る製造方法を採用するようにした、つまり、塗布工程、一次乾燥工程、熱圧着工程、二次乾燥工程を順に実施するようにしたが、基板4とチップ部品5との接合に関して上記工程を採用したり、ヒートシンク2と基板4との接合に関して上記工程を採用したりしても良い。
さらには、本発明においては、ポリイミド系樹脂として、イミド結合を有する高分子であれば様々なものを採用することができ、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド等も含んでいる。溶剤としても、特に限定されるものではなく、ポリイミド系樹脂を均一に溶解できるものであれば良い。その他、本発明は、上記した混成集積回路と称される基板4上に複数個のチップ部品5を備えるものに限らず、1個の半導体チップを備えるものなどであっても、耐熱性が必要なモールドパッケージ型の半導体装置であれば、様々な用途及び構成の半導体装置全般に適用することができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1は半導体装置、2はヒートシンク(部材)、3はリードフレーム(部材)、4は基板(部材)、5はチップ部品(部材)、6は樹脂モールド層、8,21は接着層、9は緩衝層、10は中間組立体、Lは樹脂溶液を示す。
Claims (8)
- ヒートシンク(2)、リードフレーム(3)、基板(4)、半導体チップ(5)等の複数の部材(2〜5)を接合し、樹脂モールドして構成される半導体装置(1)の製造方法において、
前記部材(2〜5)同士の接合のうち、少なくともいずれかの接合の工程は、
ポリイミド系樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液(L)を前記部材(2〜5)の接合部に塗布する塗布工程と、
前記塗布された樹脂溶液(L)を半乾燥状態になるまで乾燥させる一次乾燥工程と、
前記半乾燥状態の樹脂溶液(L)を介して前記部材(2〜5)同士を接着させる熱圧着工程と、
この熱圧着工程後に前記樹脂溶液(L)を更に乾燥させる二次乾燥工程とを含んで実施されると共に、
前記一次乾燥工程においては、前記樹脂溶液(L)の残存溶剤量が13%〜40%の範囲となるように実施されることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記二次乾燥工程は、前記塗布された樹脂溶液(L)の残存溶剤量が3%以下になるまで実施されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記塗布工程においては、前記接合部に対する樹脂溶液(L)の塗布厚みが、30μm以上とされることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記塗布工程においては、前記いずれかの部材(2〜5)の表面のうち樹脂モールド層(6)との接触面となる部分にも前記樹脂溶液(L)が塗布されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記接合の工程は、前記ヒートシンク(2)と前記リードフレーム(3)との接合に関して実施されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ヒートシンク(2)の表面には、前記リードフレーム(3)の複数部分が夫々接合される複数個の接合部が並んで設けられ、前記塗布工程においては、前記複数個の接合部を順につなげた形態で、前記樹脂溶液(L)が帯状に塗布されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
- 前記接合の工程は、前記基板(4)と前記半導体チップ(5)との接合に関して実施されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記接合の工程は、前記ヒートシンク(2)と前記基板(4)との接合に関して実施されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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