JP2012116549A - パレット - Google Patents

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Toshio Watanabe
利夫 渡辺
Junichi Aoki
順一 青木
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Abstract

【課題】
バンドによる変形が抑制されたパレットを提供する。
【解決手段】
パレットにおいて、荷物が載せられ荷物ごとバンドで括られる紙製の載せ板であって、荷物が乗せられる第1面に対して交わる方向に延びた筒状のセルが並んだ内部構造を有し、この載せ板の縁には、バンドの幅より幅広に凹んだ凹部が設けられ、凹部の底面は、第1面側よりも、第1面の反対である第2面側の方が載せ板の中央に近い載せ板と、載せ板の凹部の底面に接した板状部分を有し、凹部とバンドとの間に介在することで凹部を補強する補強部材とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パレットに関する。
荷物を運搬する際に、荷物をパレットの上に載せ、リフトやクレーンを使ってパレットごと運搬することが行われている。
特許文献1には、段ボール製のパレットの上に荷物となる箱が載せられ、この箱がパレットにバンドによって固定された構造が示されている。
特開2000−168776号公報
パレットの強度を強くする場合、パレットにハニカム構造を採用することが考えられるが、その場合、パレットの縁がバンドによって変形しやすい。
本発明は、バンドによる変形が抑えられたパレットを提供することを目的とする。
請求項1に係るパレットは、荷物が載せられこの荷物ごとバンドで括られる紙製の載せ板であって、この荷物が乗せられる第1面に対して交わる方向に延びた筒状のセルが並んだ内部構造を有し、この載せ板の縁には、このバンドの幅より幅広に凹んだ凹部が設けられ、その凹部の底面は、上記第1面側よりも、第1面の反対である第2面側の方がこの載せ板の中央に近い載せ板と、
上記載せ板の凹部の底面に接した板状部分を有し、この凹部と上記バンドとの間に介在することでこの凹部を補強する補強部材とを備えたことを特徴とする。
請求項2に係るパレットは、上記補強部材が、上記バンドを間に挟んだ両側に位置し、上記底面から離れる方に上記板状部分から突き出した、このバンドを案内する案内部を備えたものであることを特徴とする。
請求項3に係るパレットは、上記補強部材が、上記板状部分から上記載せ板の方に突き出した、上記凹部において上記載せ板に差し込まれた差込み部を備えたものであることを特徴とする。
請求項1に係るパレットは、本構成を有していない場合と比較してバンドによる変形が抑えられる。
請求項2に係るパレットは、案内部が備えられない場合と比較して、バンドのずれによる変形が抑えられる。
請求項3に係るパレットは、差込み部が備えられない場合と比較して、補強部材がより強く保持される。
本発明の第1実施形態であるパレットの外観を示す斜視図である。 図1に示すパレットの使用状態を示す正面図である。 図1に示すパレット1の一部を拡大して示す斜視図である。 図3に示す上面デッキボードの構造を拡大して示す斜視図である。 図3に示す上面デッキボードの凹部と、補強部材とを示す斜視図である。 図5に示す凹部と補強部材の断面図である。 図5および図6に示す補強部材の展開図である。 補強部材が凹部に挿入された状態を示す断面図である。 図2に示す使用状態のパレットの断面を示す断面図である。 図9に示す上面デッキボードの凹部周辺を示す拡大断面図である。 本実施形態に対する比較例として、凹部および補強部材のいずれも有しない構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る上面デッキボードの凹部と、補強部材とを示す斜視図である。 図12に示す補強部材24の展開図である。 図12に示す補強部材が装着された上面デッキボードの凹部周辺を示す拡大断面図である。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態であるパレットの外観を示す斜視図である。
図1に示すパレット1は、上面デッキボード11、桁部材12、下面デッキボード13、および補強部材14を備えている。上面デッキボード11は、矩形状の板であって、上に荷物が載せられる。下面デッキボード13は、上面デッキボード11と略同じ大きさを有する矩形状の板である。ただし、下面デッキボード13は、上面デッキボード11よりも薄い。下面デッキボード13は、パレット1が積み重ねられたり、パレット1が荷物を載せた状態で重ねられたりした場合の安定性を確保する。ここで、パレット1が荷物を載せる通常の使用状態での姿勢における重力方向を上下方向Zと称する。上面デッキボード11および下面デッキボード13は、上下方向Zと交わる方向に広がっている。
桁部材12は、上面デッキボード11を下から支える。パレット1は、下面デッキボード13が上面デッキボード11との間に桁部材12を挟んだ構造を有しており、例えば下面デッキボードが備えられない構造に比べて、パレット1全体としての強度が増す。桁部材12は、上面デッキボード11の下すなわち、上面デッキボード11と下面デッキボード13との間に、図示しないフォークリフトやハンドリフタのフォーク(爪)を挿入する空間を形成する。本実施形態のパレット1は二方差しパレットであり、前後方向Yに長く延びた3つの桁部材12が、左右方向Xに並んで配置されている。中央の桁部材12と、左右の桁部材12との間に形成された2つの空間に、前後方向Yにおける前または後ろからフォークが挿入され得る。
上面デッキボード11の、互いに反対側に配置された一対の縁11aには、凹部111が2つずつ設けられており、補強部材14は、4つの凹部111のそれぞれに配置されている。なお、図1には、一対の縁11aのうちの一方に設けられた2つの凹部111および2つの補強部材14のみが現れている。凹部111および補強部材14の詳細については後に説明する。
上面デッキボード11、桁部材12、および下面デッキボード13はいずれも紙製であり、接着剤で互いに付けられ固定されている。接着剤は、例えば、コーンスターチを原料とする糊である。紙製のパレット1は、例えば木製や樹脂製のパレットに比べて軽量である。また、紙製のパレット1は、パレットとしての役割を終えた後も紙材として再生処理され得るので、資源として再活用しやすい。
ここで、上面デッキボード11が本発明にいう載せ板の一例に相当する。
図2は、図1に示すパレットの使用状態を示す正面図である。
パレット1には、荷物Aが載せられている。荷物Aは、パレット1の上面デッキボード11の上に載せられており、上面デッキボード11は、荷物AごとバンドBで括られている。荷物Aを、例えばフォークリフトやハンドリフタで搬送する場合には、フォークリフトやハンドリフタのフォーク(図示しない)を、上面デッキボード11と下面デッキボード13との間に挿入し、パレット1を持ち上げる。
荷物Aとして、図2には1つの箱が示されているが、荷物Aは、単品の形態に限られない。例えば、荷物Aには、複数の小箱が積み重ねられ、その外周が例えば伸縮性を有する樹脂製のフィルム(ストレッチフィルム)で巻き付けられることで、複数の小箱が一体化した形態もあり得る。
荷物Aと上面デッキボード11とを括る2本のバンドBは、例えば樹脂製の結束バンドであり、例えばポリプロピレン製の繊維を編んで平らな紐とした、いわゆるPPバンドである。バンドBは、例えば15mm程度の幅と0.6mm程度の厚さを有する。2つのバンドBのそれぞれは、パレット1および荷物Aを締め付けた状態で、両端付近の重なった部分が20mm程度の長さに亘り熱融着することで、輪を形成し、パレット1および荷物Aを、搬送中に荷崩れしない程度の強い力で締め付けている。なお、バンドBは、熱融着によって輪を形成する以外にも、例えば、バンド用のバックル(図示しない)で繋がれて輪を形成し、端が引き絞られることで、パレット1および荷物Aを締め付けたものであってもよい。
図3は、図1に示すパレット1の一部を拡大して示す斜視図である。
パレット1の、上面デッキボード11および桁部材12は、上下方向Zに延びた筒状のセルが並んだ内部構造を有している。また、図3には、上面デッキボード11の縁11aに設けられた凹部111および補強部材14も示されている。
[上面デッキボードの構造]
図4は、図3に示す上面デッキボードの構造を拡大して示す斜視図である。
上面デッキボード11は、荷物A(図2参照)が載る上面に配置された表面ライナー113、桁部材12(図3参照)側に配置された裏面ライナー114、および、表面ライナー113と裏面ライナー114に挟まれたハニカム芯材112を備えている。図4には、構造の見易さのため、表面ライナー113の一部が除去された状態が示されている。上面デッキボード11は、通常の段ボール、すなわち、波状に形成した1枚の芯材の山部分および谷部分に表裏のライナーが接着された構造を有する板紙とは異なる構造を有する。上面デッキボード11の表面ライナー113および裏面ライナー114は、それぞれ1枚の紙であり、ハニカム芯材112に接着されている。ハニカム芯材112は、波状に形成した複数の紙が、隣接する紙同士の、波の山部分と谷部分とを合わせて接着されることにより形成された、筒状のセルが蜂の巣状に並んだ構造を有する。ハニカム芯材112に形成された筒状のセルのそれぞれは、表面ライナー113に対して交わる上下方向Zに延びており、筒状のセルは、表面ライナー113が広がる前後方向Yおよび左右方向Xに2次元に並んでいる。ハニカム芯材112の筒状のセルは完全な6角形ではないが、上面デッキボード11はハニカム構造ということができる。ハニカム構造を有する上面デッキボード11は、例えば上述した通常の段ボールに比べて、上下方向Zの荷重に対する曲げ強度が強い。したがって、より重い荷物を上に載せ得る。また、パレット(図3参照)にフォーク(図示しない)を挿入して持ち上げた場合や、パレットに荷物が固定された状態で上下に複数段重ねた場合にもパレット1の変形が生じ難い。上面デッキボード11は、上下方向Zの厚みが厚いほど、つまり、筒状のセルが長いほど、上下方向Zの荷重に対する曲げ強度が強くなる。上面デッキボード11の厚みは、例えば、20mm以上45mm以下程度であるが、厚みは荷物の荷重に応じて選択され得る。また、上面デッキボード11は紙製であり、しかも多くの空洞を有するため、同程度の強度を有する木製の板に比べて軽量である。ただし、ハニカム構造を有する上面デッキボード11は、上下方向Zの荷重に対する強度に比べて、上面デッキボード11が広がる前後方向Yおよび左右方向Xの外力に対する強度が、弱いという特性も有している。例えば、上面デッキボード11の縁11aの一部に、前後方向Yまたは左右方向Xの力を受けると、力を受けた部分のハニカム芯材112が変形したり、ちぎれたりしやすい特性を有している。
ここで上面デッキボード11の材料について説明する。表面ライナー113および裏面ライナー114は、例えば約650g/mの坪量を有する紙管原紙で形成されている。ハニカム芯材112は、表面ライナー113および裏面ライナー114よりも薄く、例えば160g/mの坪量を有する紙である。より詳細には、ハニカム芯材112は、化学的処理により木材中のニグリンの一部を取り除くことで柔らかくしたチップを機械的にほぐして製造したパルプ紙である、セミケミカルパルプ紙である。ただし、表面ライナー113、裏面ライナー114およびハニカム芯材112には、この他の処理で製造された、上記の坪量とは異なる紙も採用され得る。ハニカム芯材112を構成する紙同士を接着する接着剤、ハニカム芯材112と表面ライナー113を接着する接着剤、および、ハニカム芯材112と裏面ライナー114を接着する接着剤は、例えば酢酸ビニル系接着剤である。
再び図3を参照して説明を続ける。本実施形態のパレット1における桁部材12は、図2を参照して説明した上面デッキボード11と同様に、筒状のセルが上下方向Zに延びたハニカム構造を有している。ただし、桁部材12は、フォークを挿入する空間を確保するため、上面デッキボード11よりも厚く、50mm以上80mm以下程度の厚み(高さ)を有する。
下面デッキボード13は、通常の段ボールからなる。すなわち、詳細な図示は省略するが、波状に形成した1枚の芯材の表裏それぞれに、波の山部分および谷部分に接着するように、2枚のライナーが張り付けられた構造の板紙で形成されている。下面デッキボード13は、上面デッキボード11に比べて、荷物の荷重に対する曲げ強度は必要とされないため、通常の段ボールが使用されている。ただし、下面デッキボード13には、通常の段ボールが、複数枚重ねられたものも採用され得る。
なお、本実施形態のパレット1は、上面デッキボード11および桁部材12が、厳密には通常の段ボールではなく、ハニカム構造を有しているが、パレット1全体を指して「段ボール製パレット」と称する場合もある。
[凹部および補強部材]
続いて、上面デッキボード11に設けられた凹部111および補強部材14について説明する。凹部111は、上面デッキボード11の縁11aのうち、バンドB(図2参照)が掛けられる部分に設けられており、バンドBの幅より幅広に凹んだものである。このため、バンドB(図2参照)は、凹部111の部分に掛けられると、凹部111の中に入り込む。凹部111は、2本のバンドBで荷物Aの固定を安定させるように、上面デッキボード11の縁11aの各両端から200mm以上250mm以下程度の位置に設けられている。
図5は、図3に示す上面デッキボードの凹部と、補強部材とを拡大して示す斜視図である。また、図6は、図5に示す凹部と補強部材の断面図である。図5および図6には、凹部111に装着される前の状態の補強部材14が示されている。
凹部111の底面111aは、表面ライナー113よりも裏面ライナー114の方が上面デッキボード11の中央Oに近い斜面となっている。より詳細には、凹部111は、上面デッキボード11の縁11aの一部がくさび状に切り取られた形状であって、上面デッキボード11を前から見た場合に、裏面ライナー114に近づくに従い深く抉られた形状を有する。
凹部111に装着される補強部材14は、紙を折り曲げることで形成されている。補強部材14は、凹部111の底面111aに接する板状の底面板部141と、底面板部141の左右方向X両側に設けられ、装着状態で底面111aから離れる方に底面板部141から突出した一対の案内部142と、上面デッキボード11の裏面ライナー114に接する裏板部143とを有する。補強部材14は、その一部が凹部111にはめ込まれ、凹部111を補強する。
図7は、図5および図6に示す補強部材の展開図である。
図5および図6に示す補強部材14は、図7に示す厚紙Pの破線部分を山折りし、一点鎖線部分を谷折りすることで形成される。補強部材14の、底面板部141、案内部142、および裏板部143となる部分には、符号がカッコ内に示されている。底面板部141となる部分の幅W、すなわち、補強部材14が形成され凹部111に挿入される姿勢での左右方向X(図5参照)の長さは、凹部111の幅と略等しくされている。図7に示す厚紙Pは、破線部分および一点鎖線部分で折られることで、図5および図6に示す補強部材14となる。補強部材14は、底面板部141および案内部142の部分が凹部111に挿入される。底面板部141の幅Wは凹部111の幅に合わせて形成されているため、凹部111に挿入された補強部材14は、凹部111内に保持される。一対の案内部142は、底面111aから離れる方に突出しているため、凹部111への挿入時には引っかかることがなく、挿入された後は、厚紙Pの弾性で外側に広がろうとすることで凹部111の内壁に引っかかり、補強部材14を凹部111に保持する。補強部材14が凹部111に挿入される前には、補強部材14のうちの上面デッキボード11に接する面には接着剤が塗布される。補強部材14と凹部111とは接着剤で接着され、補強部材14が凹部111により強く保持される。
図5および図6に示す補強部材14は紙製なので、パレット1の使用が済んだ後は、上面デッキボード11に付いたまま紙資源としてまとめて再生処理され得る。したがって、パレット1の再生処理に際して、補強部材14を取り外す必要はない。
図8は、補強部材が凹部に挿入された状態を示す断面図である。
補強部材14の底面板部141は、凹部111の底面111aに接しており、裏板部143は裏面ライナー114に接している。本実施形態では、底面板部141は底面111aに接着されており、裏板部143は、裏面ライナー114に接着されている。
続いて、補強部材14が設けられたパレット1に、荷物が載せられバンドが掛けられた使用状態について説明する。
図9は、図2に示す使用状態のパレットの断面を示す断面図である。
パレット1の上面デッキボード11の上には荷物Aが載せられ、上面デッキボード11は荷物Aごと、バンドBで括られている。荷物Aの上部に位置する、バンドBの両端部は互いに溶着されており、バンドBは輪を形成している。バンドBは、パレット1と荷物Aとを、荷崩れしない程度の強い力で締め付けている。
図10は、図9に示す上面デッキボードの凹部周辺を示す拡大断面図である。
バンドBは、上面デッキボード11の縁に設けられた凹部111に入り込んでいる。凹部111とバンドBとの間には、補強部材14が介在している。より詳細には、補強部材14の底面板部141が、凹部111の底面111aとバンドBとの間に介在している。また、バンドB補強部材14の2つの案内部142の間を通っている。つまり、2つの案内部142は、バンドBを間に挟んだ両側に位置しており、バンドBと凹部111の側壁の間に介在する。また、補強部材14の裏板部143は、上面デッキボード11の裏面ライナー114とバンドBとの間に介在している。
図11は、本実施形態に対する比較例として、凹部および補強部材のいずれも有しない構造を示す断面図である。
図11に示す比較例の上面デッキボード91は、補強部材も有しておらず、凹部も有していない。上面デッキボード91に掛けられたバンドBは、上面デッキボード91の縁の下面の角部分で略直角を成して曲がっている。図11に示す構造では、パレット1と荷物Aとを締め付けるバンドBからの力Fが、特に上面デッキボード91の縁の角部分に集中する。この力Fは、上面デッキボード91において、強度が相対的に弱い前後方向Yの成分を有する。このため、バンドBが、上面デッキボード91を変形させ、あるいはちぎるようにして食い込み、バンドBの締め付けが緩むおそれがある。
これに対し、図10に示す本実施形態の上面デッキボード11では、バンドBが凹部111内で、凹部111の底面111aに沿って延びている。つまり、バンドBは、表面ライナー113よりも裏面ライナー114の方が上面デッキボード11の中央に近い斜面に沿って、上下方向Zに対し斜めに延びている。また、凹部111とバンドBとの間には補強部材14が介在しており、バンドBからの力Fは、補強部材14の底面板部141によって分散され、底面111a全体で受けられる。このため、上面デッキボード11の縁のバンドBによる変形やちぎれが、例えば図11に示す比較例の場合に比べて抑えられる。
また、バンドBの左右方向Xへのずれは、バンドBを挟んだ両側にある補強部材14の案内部142によって規制される。
例えば、補強部材14に案内部142が設けられていないと、バンドBに左右方向Xの力が加わった場合にバンドBが左右方向Xにずれ、バンドBによってハニカム芯材112が変形したりちぎれたりするおそれがある。本実施形態では、バンドBと凹部111との間に補強部材14の案内部142が介在するため、バンドBに対し左右方向Xにずれる力が加わっても、バンドBのずれが規制されるとともに、ハニカム芯材112の変形やちぎれが抑えられる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、前述の実施形態との相違点について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る上面デッキボードの凹部と、補強部材とを示す斜視図である。
第2実施形態のパレットは、補強部材24の形状が、第1実施形態における補強部材14(図5参照)の形状と異なり、その他の部分は、第1実施形態と同様である。
図12に示す補強部材24は、底面板部241、一対の案内部242、および裏板部243に加え、底面板部241から上面デッキボード11の方に突き出した差込み部244を有する。補強部材24の底面板部241は、凹部111の底面111aの形状に合わせて、矩形状であるが、矩形状の底面板部241における左右方向X両側の辺のそれぞれから、案内部242および差込み部244の双方が互いに反対向きに折れ曲がって延びている。差込み部244は、尖った先端を有する三角形状である。差込み部244は、補強部材24が凹部111に挿入されるときに、上面デッキボード11に差し込まれる。
図13は、図12に示す補強部材24の展開図である。
図12に示す補強部材24は、図13に示す厚紙P’の破線部分を山折りし、一点鎖線部分を谷折りすることで形成される。補強部材24の、底面板部241、案内部242、裏板部243、および差込み部244となる部分には、符号がカッコ内に示されている。矩形状の底面板部241における2つの辺のそれぞれに、案内部242および差込み部244となる部分が並んでつながっている。
図14は、図12に示す補強部材が装着された上面デッキボードの凹部周辺を示す拡大断面図である。
補強部材24は、差込み部244が上面デッキボード11のハニカム芯材112に差し込まれている。ハニカム芯材112は、表面ライナー113よりも薄い紙で形成されており、また、差込み部244の先端は尖っているため、補強部材24が凹部111に挿入される際に、底面板部241が上面デッキボード11に向かって押し込まれることで容易にハニカム芯材112の紙を破って差し込まれる。
差込み部244がハニカム芯材112に差し込まれることで、凹部111に装着された補強部材24は、差込み部244を有さない場合に比べてより強く保持される。したがって、補強部材24は、接着剤なしでも上面デッキボード11から外れにくい。ただし、補強部材24は、接着剤を用いて上面デッキボード11の凹部111にさらに強く保持されるようにしてもよい。
また、本実施形態に係る補強部材24は、第1実施形態と同様に、底面板部241、一対の案内部242、および裏板部243も有している。したがって、バンドBによる上面デッキボード11の変形やちぎれが、例えば補強部材が介在しない場合と比べて抑えられる。また、バンドBの左右方向Xへのずれが案内部242によって規制されるとともに、ずれによる上面デッキボード11の変形やちぎれが抑えられる。
なお、上述した第1実施形態では、本発明にいう補強部材の例として、上面デッキボード11に接着される補強部材14を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、接着はされず、単に凹部内に挟み込まれるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいうパレットの例として、上面デッキボード11、桁部材12、および下面デッキボード13を備えたパレット1を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、パレットは、下面デッキボードを有さない構造であってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいうパレットの例として、ハニカム構造の桁部材12を備えたパレット1を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、桁部材はハニカム構造ではなく、下面デッキボードと同様の構造を有する通常の段ボールを曲げ加工して形成したものであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいうパレットの例として、二方差しパレットを示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば四方差しパレットであってもよい。この場合、凹部および補強部材は、載せ板の4方の縁に設けられる。
また、上述した実施形態では、本発明にいう載せ板の例として、1枚板からなる上面デッキボード11を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、載せ板は、例えば、2つの板が並んで配置されたものであってもよい。
1 パレット
11 上面デッキボード
12 桁部材
13 下面デッキボード
14,24 補強部材
111 凹部
111a 底面
112 ハニカム芯材
113 表面ライナー
114 裏面ライナー
141,241 底面板部
142,242 案内部
143,243 裏板部
244 差込み部
A 荷物
B バンド

Claims (3)

  1. 荷物が載せられ該荷物ごとバンドで括られる紙製の載せ板であって、該荷物が乗せられる第1面に対して交わる方向に延びた筒状のセルが並んだ内部構造を有し、この載せ板の縁には、該バンドの幅より幅広に凹んだ凹部が設けられ、その凹部の底面は、該第1面側よりも、該第1面の反対である第2面側の方がこの載せ板の中央に近い載せ板と、
    前記載せ板の凹部の底面に接した板状部分を有し、該凹部と前記バンドとの間に介在することで該凹部を補強する補強部材とを備えたことを特徴とするパレット。
  2. 前記補強部材が、前記バンドを間に挟んだ両側に位置し、前記底面から離れる方に前記板状部分から突き出した、該バンドを案内する案内部を備えたものであることを特徴とする請求項1記載のパレット。
  3. 前記補強部材が、前記板状部分から前記載せ板の方に突き出した、前記凹部において前記載せ板に差し込まれた差込み部を備えたものであることを特徴とする請求項1または2記載のパレット。
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