JP3120150U - 荷重支持部材およびこれを用いた支持台 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量かつ安価で耐水性を有する荷重支持部材およびこれを用いた支持台を提供する。
【解決手段】物品と載置面との間に置かれて物品の荷重を支持する角棒状の部材であって、紙製の波形板21およびライナ22を有する段ボール材2が幅方向に複数枚積層された積層体8を有し、前記波形板21の目の方向が上下方向に設定され、耐水性を有する紙シートからなるカバー部材5が前記積層体8の外周面に接合されて、少なくとも前記端面8aの下部、下面8bの全体および側面8cの下部を覆っている。
【選択図】図2

Description

本発明は、建材や各種工業製品のような物品を床面などの載置面に積むときに使用される荷重支持部材および支持台に関するものである。
従来、建材などを床面などに積み込むときには、りん木と称される角棒状の木材からなる荷重支持部材を用い、これの複数を床面に置いて、その上に建材などを積み込む。このようにすれば、建材などが傷み難く、また、フォークリフトを用いて積み上げたり積み下ろし作業が行える。最近では、重く高価な木材に代わって軽量かつ安価な段ボール製の荷重支持部材が利用されている。
段ボール製の荷重支持部材は、波形板およびライナを有する段ボール材が複数枚積層された積層体で形成されている。波形板の方向が荷重を受ける上下方向に設定されているため、軽量で高い強度を有する。ところが、段ボール製の荷重支持部材は紙製であることから、載置する床面が濡れている場合、前記積層体の下面に露出した波形板の目の部分から水が侵入し、強度が低下するおそれがある。これに対し、図7のように、積層体8Aの周側面を段ボール材2Aで覆った荷重支持部材1Aが提案されているが(特許文献1参照)、長手方向の端面8Aaの積層部分が露出しているため、水が侵入して強度が低下するおそれがある。
特開平9−254984号公報
そこで、本発明の目的は、紙製の段ボール材を用いて、軽量かつ安価で、耐水性を有する荷重支持部材およびこれを用いた支持台を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案に係る荷重支持部材は、物品と載置面との間に置かれて物品の荷重を支持する角棒状の部材であって、紙製の波形板およびライナを有する段ボール材が幅方向に複数枚積層された積層体を有し、前記波形板の目の方向が上下方向に設定され、耐水性を有する紙シートからなるカバー部材が外周面に接合されて、少なくとも前記端面の下部、下面の全体および側面の下部を覆っている。
上記構成によれば、耐水性を有するカバー部材が、少なくとも載置する床面に近い端面、下面および側面を覆っているから、濡れた場所に載置しても、波形板の目の部分から水が浸入して、強度が低下するのが防止される。したがって、荷重支持部材を軽量かつ安価な紙製の段ボール材で形成することができ、リサイクルも容易で省資源に貢献する。また、カバー部材は前記段ボールのライナと同様の紙シートで形成され、例えば紙製の平板に樹脂を含浸した耐水・耐湿紙が用いられる。このような耐水性および耐湿性を有するカバー部材によれば、表面に撥水性を有するコーティングを施した場合に比べて、フォークリフトのフォークが当たって表面が傷ついた場合でも耐水性が保たれる。
本考案の好ましい態様によれば、前記紙シートは、折り曲げにより、前記端面、下面および側面にそれぞれ接合される部分が形成されている。この構成によれば、1枚の紙シートで容易に積層体の前記端面、下面および側面を覆い積層体に耐水性を与えるカバー部材を形成することができる。また、紙シートは切れ目がないから、耐水性が高く維持される。さらに、前記積層体に紙シートを接合することにより、荷重支持部材の曲げ強度が向上する。
本考案の好ましい態様によれば、前記紙シートは、折り曲げにより、前記端面、上面、下面および側面にそれぞれ接合される部分が形成されている。この構成によれば、1枚の紙シートで容易に積層体の前記端面、上面、下面および側面を覆い積層体に耐水性を与えるカバー部材を形成することができる。また、前記積層体の下面だけでなく上面にも紙シートを接合することにより、荷重支持部材の上下方向荷重に対する曲げ強度がさらに向上する。
本考案の好ましい態様によれば、前記紙シートは、前記積層体のほぼ下半分を覆っている。この構成によれば、積層体の床面に近い下半分が紙シートによって覆われているから、耐水性を保ちながら、紙シートの使用量を少なくして、省資源に貢献する。別の態様では、水分が侵入し易い積層体端面の全体が紙シートで覆われる。
本考案の好ましい態様によれば、前記紙シートは、前記積層体の全体を覆っている。この構成によれば、前記積層体の全体に前記紙シートを接合することにより、耐水性および荷重支持部材の曲げ強度が向上する。
本考案の好ましい態様によれば、前記積層体に前記紙シートが複数枚重ねて接合されている。この構成によれば、前記積層体の全体に前記紙シートを複数枚重ねることにより、耐水性および荷重支持部材の曲げ強度が向上する。
本考案に係る支持台は、本考案に係る前記荷重支持部材が所定の間隔で複数並置され、これら荷重支持部材の上面に平板が接合されて形成されている。この構成によれば、耐水性を有する荷重支持部材を桁材として用いることにより、支持台を濡れた場所に載置しても強度が低下するのが防止される。
本考案によれば、耐水性を有するカバー部材により積層体が保護されているので、濡れた場所に載置しても、波形板の目の部分から水が浸入して、強度が低下するのが防止される。したがって、紙製の段ボール材を用いて、軽量かつ安価で、耐水性を有し、リサイクルも容易な荷重支持部材およびこれを用いた支持台が得られる。
以下、本考案に係る荷重支持部材の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す荷重支持部材1は、波形板21とライナ22を有する紙製の段ボール材2が複数枚積層された積層体8に、耐水性を有する紙シートからなるカバー部材5が接合されて形成されている。積層体8は、波形板21の目20が上下方向に向けられた状態で幅方向に接合一体化して角棒状に形成されている。前記目20が上下方向を向いていることにより、積層体8の上下方向荷重に対する強度が高い。前記波形板21は、サインカーブ状または台形状のものが用いられ、波形板21の片面に1枚のライナ22を接合させている。
前記積層体8の長手方向の端面8a、下面8bおよび側面8cに耐水性を有するカバー部材5が接着剤により接合されている。積層体8にカバー部材5が接合された状態を図2に示す。カバー部材5は、図3のように1枚の紙製のシート材が、点線で示す折り線5aで折り曲げられて、図2の積層体8の少なくとも端面8aの下部、下面8bの全体および側面8cの下部を覆っている。紙シートは切れ目がないので、耐水性が高く維持される。図2では、カバー部材が端面側から側面側に折り返されているが、側面側から端面側に折り返してもよい。また、図3のカバー部材5の折り線5aは、容易に折り曲げられるように、ミシン目などを入れておいてもよい。
カバー部材5は、前記段ボール材2のライナ22と同じ紙製シート材であり、例えばパルプ、天然繊維、化学繊維、合成繊維などを原料とした板紙が用いられる。さらに、耐水性を与えるために、例えば樹脂を含浸した耐水・耐湿紙とされる。このような耐水性および耐湿性を有するカバー部材5によれば、表面に撥水性を有するコーティングを施した場合に比べて、フォークリフトのフォークが当たって表面が傷ついた場合でも耐水性が保たれる。
以上のように形成された荷重支持部材1は、図4に示すように、複数並べて載置面である床4と物品3の間に置かれる。これにより、物品3を床4から離して支持する。また、物品3の上面をさらに載置面として、荷重支持部材1を配置し、その上に物品3を積み重ねることもできる。
図2では、カバー部材5が積層体8のほぼ下半分のみを覆って、カバー部材5を節約しているが、図5のように、水分が侵入し易い積層体8の両端面8aについては、その全体を覆うようにしてもよい。
カバー部材5を積層体8の下面だけでなく上面にも接合してもよい。これにより、荷重支持部材1の上下方向荷重に対する曲げ強度が下面のみに接合した場合に比べて向上する。また、紙シートが積層体8の全体を覆ってもよい。その場合、紙シートは、1枚のシート材から折り曲げにより、前記端面、上面、下面および側面にそれぞれ接合される部分が形成されており、箱を包む要領で積層体8全体を包込むように接合する。あるいは、図2に二点鎖線で示すように、下側のカバー部材5に重ねて上側にカバー部材5Aを接合して、積層体8の両端面8aの上部、上面8dの全体および側面8cの上部を覆ってもよい。
さらに、積層体8に紙シートを複数枚重ねて接合してもよい。この構成によれば、積層体8の全体に前記紙シートを複数枚重ねることにより、荷重支持部材の曲げ強度が向上する。なお、積層体8に複数枚紙シートを貼り合わせる場合には、1枚ずつ接着剤で接合するのが好ましい。
図6は、前記荷重支持部材1を桁材として用いたスキッドと呼ばれる支持台12を示す斜視図である。荷重支持部材1が所定の間隔で複数並置され、これら荷重支持部材1の上面に平板10が接合されている。この平板10として、目20の方向を上下方向に向けた紙製の段ボール材2を積層した段ボール平板が用いられている。
以上のように、紙製の積層体8に耐水性を有する紙製のカバー部材5が接合されることにより、軽量かつ安価で、耐水性に優れた荷重支持部材1およびそれを用いた支持台12が得られる。また、紙製の段ボール材2を用いることにより、リサイクルが容易に行えて省資源的にも優れる。
本考案に係る荷重支持部材の分解斜視図である。 同荷重支持部材の斜視図である。 同荷重支持部材に接合されるカバー部材の展開図である。 同荷重支持部材の一使用例を示す斜視図である。 本考案の他の実施形態に係る荷重支持部材の斜視図である。 本考案に係る支持台の斜視図である。 従来の荷重支持部材の斜視図である。
符号の説明
1 荷重支持部材
2 段ボール材
5 カバー部材
8 積層体
8a 端面
8b 下面
8c 側面
10 平板
12 支持台
20 目
21 波形板
22 ライナ

Claims (8)

  1. 物品と載置面との間に置かれて物品の荷重を支持する角棒状の部材であって、
    紙製の波形板およびライナを有する段ボール材が幅方向に複数枚積層された積層体を有し、
    前記波形板の目の方向が上下方向に設定され、
    耐水性を有する紙シートからなるカバー部材が前記積層体の外周面に接合されて、少なくとも前記端面の下部、下面の全体および側面の下部を覆っている荷重支持部材。
  2. 請求項1において、前記紙シートは、折り曲げにより、前記端面、下面および側面にそれぞれ接合される部分が形成されている荷重支持部材。
  3. 請求項1において、前記紙シートは、折り曲げにより、前記端面、上面、下面および側面にそれぞれ接合される部分が形成されている荷重支持部材。
  4. 請求項1または2において、前記紙シートは、前記積層体のほぼ下半分を覆っている荷重支持部材。
  5. 請求項1または2において、前記紙シートは、前記積層体の端面の全体を覆っている荷重支持部材。
  6. 請求項1または3において、前記紙シートは、前記積層体の全体を覆っている荷重支持部材。
  7. 請求項1から6のいずれか一項において、前記積層体に前記紙シートが複数枚重ねて接合されている荷重支持部材。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の荷重支持部材が所定の間隔で複数並置され、
    これら荷重支持部材の上面に平板が接合されてなる支持台。
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