JP3125740U - 紙製荷役用パレット - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、製造容易であり、かつ十分な強度や耐荷重性及び耐変形性を示し、また、フォークリフトのフォークを挿入しやすい、取り扱い性に優れた紙製荷役用パレットを提供すること。
【解決手段】本考案の紙製荷役用パレットは、ダンボールを含む積層紙製の天板部10と、前記天板部10の下面に第一のフォーク挿入方向Aに対して直交方向に複数本配設された、その上端縁部が前記天板部10の下面に接着された半円形の梁部材20a〜20dと、前記天板部10の下面に前記梁部材20a〜20dに直交方向に嵌合するように配設されるとともに前記樋状の梁部材20a〜20dの表面及び前記天板部10の下面に接着された少なくとも2本のダンボールを含む積層紙製の脚部材30a〜30dとを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本考案は、荷役用のパレット、特に、積層ダンボールを含む紙製の荷役用パレットに関する。
物品を輸送したり保管したりするため、荷役用のパレットが使用されている。普通、パレットは、物品を一定数量積載する面と、フォークリフトのフォークを差し込む差込み口を備えている。そして差込み口にフォークリフトのフォークを差し込み、パレットを持ち上げることによって積載面上に乗せられた物品を容易に運搬することができる。現在広く使用されている荷役用パレットは大部分が木製である。木製のパレットは、強度が高く、積み重ね等の圧力によく耐えるため、世界的に広く使用されている。また、木製のパレットの長所として、上に積載された物品が滑らないことや、補修が容易であることがあげられる。
従来から、プラスチック製のパレットも一部用途に使用されている。プラスチック製のパレットは、耐水性に優れ、衛生的であるという利点がある。更に、プラスチック製のパレットは、その上に積載される物品を損傷する危険が少ない上、自由に着色することができ、形も自在に変更できるため、プラスチック製パレットはある意味では利用価値が高い。
しかし、木製及びプラスチック製のパレットは下記のような問題点がある。すなわち、木製のパレットは、上述したように一般に強度が優れているが、パレットの原材料となる良質な木材の確保が困難になってきている。木材の価格も安定しておらず、上昇傾向にある。更に、木製のパレットを使用する場合には、害虫対策を講じる必要もある。
また、プラスチック製のパレットは、上述したような利点があるにしても、非常に高価であること、積載した物品が滑りやすいこと、補修が容易でないこと、更に、プラスチック製のパレットが破損した場合、プラスチックを廃棄物として適切に処理しなければならないため、木製のパレットを処分する場合に比べて環境負荷が大きくなることなどの問題があるため、実際にはあまり使用されていない。むしろ、プラスチック製パレットそのものに換えてプラスチック製シートパレット(単なるシート状のプラスチック)が、高さがないために船積みやトラック輸送に有利なため、使用され出している。しかし、このプラスチック製シートパレットは、単なるシート状であるため、移動時に荷崩れを起こし、商品が損傷するトラブルが発生している。
上記のような木製パレットの問題点を解決するものとして、紙製のパレットも知られている。紙製のパレットは一般的にはダンボールを主原料としている。ダンボール製のパレットは、軽量で、ある程度の耐荷重性があり、安価に製作でき、更に、木材のようにささくれができないので安全でもある。そのため、ダンボール製のパレットは近年では広く用いられてきている。このようなダンボール製のパレットのほとんどは、平板上の天板部と、その両端に配設され、天板部を所定の高さに支持する側板又は脚部材とを備えており、天板部と側板又は脚部材とにより天板部下方にフォークリフトのフォークを挿入するスペースが形成されている。
しかしながら、ダンボール製パレットは耐荷重性に限界がある。例えば、天板部の両端部分間に平均して荷重がかかっている場合には天板部はその荷重に耐えることができるが、天板部の中央部分に大きな荷重が加わった場合には、天板部がたわみ、荷重に耐えることができないことがある。更に、天板部は、天板部に対して荷重が斜め方向に加わった場合、その荷重に十分耐えることができないこともある。
ダンボール製のパレットに関わるこれらの問題点を解消し、耐荷重性を向上させるため、種々の改良されたダンボール製のパレットの開発が進められている。例えば、下記特許文献1には、ダンボール構造体のシートからなる荷受け板のフォーク差込み方向に平行な少なくとも左右両端部をチャンネル形に折り曲げることにより座脚を形成し、この座脚に直交して少なくとも前後1対の帯状補強板を両座脚の基端に貫通して荷受け板の下面に接合させ、且つ補強板と座脚の底部との間に筒状又は柱状の支柱を補強用に介在させたダンボール製の荷役用パレットが開示されている。このダンボール製の荷役用パレットにおいては、補強板と座脚の底部との間に配設される筒状又は柱状の支柱はダンボール原紙が周囲に巻かれていた紙管を短く切断して用いられている。
このダンボール製のパレットは、座脚がリブの働きをしているために、前後方向に対して曲がり難い。また、座脚の部分は凹部になっているが、そこに補強板が渡されているため、荷物をその部分で受けることができる。補強板に掛かった荷重は座脚内に設置された筒状又は柱状の支柱によって受けられる。筒状の支柱は、鉛直方向の圧縮強度が極めて大きいため、大きい荷重を安定して受けることができる。これによって、座脚及び荷受け板の形状が崩れることを防止できる。またフォークリフトのフォークでこのパレットを持ち上げた際には、フォークは直接補強板を持ち上げるため、荷受け板が左右方向に対して曲がらない。
また、下記特許文献2には、複数の横梁部材と、上記横梁部材を横切るようにパレット上面近傍に組立てられ延在する多数のデッキ部材とを備えたパレット組立て体であって、横梁部材の底部にネック部を形成し、そのネック部に中空、管状の補強片を、横梁部材としっかりと、かつきつく噛み合うように挿入したパレット組立て体が開示されており、このパレット組立体によれば、補強片の側壁部分が横梁部材の外側表面に沿って延在するため、横梁部材は横方向に支持され、パレットに横方向に加わる荷重に対して大きな安定性を示す。
しかしながら、下記特許文献1に開示されているダンボール製のパレットは、構造が複雑で、補強板を針釘やワイヤーによって打設する必要があった。また、上記特許文献2に開示されているパレットは、ダンボールの波形と平行に折り曲げた場合やねじり応力に弱く、また梁部材とデッキ部材との嵌合によってもたわみを防止することができない。更に、補強片の取付けによって構造が複雑化しているという問題点も存在している。
更に、下記特許文献3には、ダンボールの波形に直交して切断又は折り畳んだ複数の細幅ダンボールを積層した角部材を使用したダンボール製パレットが開示されている。このパレットにおいては、上記複数の角部材を直交するように嵌め合わせて組み立てたものを基台としているため、いずれの方向へのたわみに対する剛性も十分となる。更に、上記パレットは、L字型のフラップによって角部材と天板部とを一体に接着することによって、角部材と天板部との接着面積を増大させ、更に天板部全面に渡って平均した受圧面を提供することができるという効果を奏するものである。
実公昭62−36741号公報(第2頁、第4欄、22行目〜42行目) 特開平4−215943号公報(請求項1、段落[0013]) 特開平6−239345号公報(段落[0014])
しかしながら、上記特許文献3に開示された発明においては、紙製のパレットに十分の強度を発揮させるために、ダンボールの波形に直交して切断又は折り畳んだ複数の細幅ダンボールを積層した角部材を使用し、この複数の角部材を直交するように嵌め合わせて組み立てたものを基台としているために、構造が複雑であり、製造に困難性を伴う。
したがって、本考案の目的は、半円筒形状の紙管を用いることによって、より簡単な構造であってかつ容易に製造することができ、しかも、十分な強度や耐荷重性及び耐変形性を示す紙製荷役用パレットを提供することである。本考案の更なる目的は、フォークリフトのフォークを挿入しやすい、取り扱い性に優れた紙製荷役用パレットを提供することである。
上記課題を解決するために、本考案に係る紙製荷役用パレットは、
ダンボールを含む積層紙製の天板部と、
前記天板部の下面に第一のフォーク挿入方向に対して直交方向に複数本配設された、その上端縁部が前記天板部の下面に接着された半円形の梁部材と、
前記天板部の下面に前記梁部材に直交方向に嵌合するように配設されるとともに前記梁部材の表面及び前記天板部の下面に接着された少なくとも2本のダンボールを含む積層紙製の脚部材と、
を備えることを特徴とする。
また、本考案は、上記紙製荷役用パレットにおいて、前記半円形の梁部材は、円筒形の紙管を長さ方向に切断することによって作製された、その断面が中心角180度を超える円弧状となされていることを特徴とする。
また、本考案は、上記紙製荷役用パレットにおいて、前記脚部材は、その下部に、前記第一のフォーク挿入方向に対して直交する第二のフォーク挿入方向に沿って形成されたフォーク挿入用凹部を備えていることを特徴とする。
また、本考案は、上記紙製荷役用パレットにおいて、前記脚部材の前記フォーク挿入凹部及び前記フォーク挿入凹部を除く部分の少なくとも一方の下部には、L字型又はコの字型の補強手段が装着されていることを特徴とする。
また、本考案は、上記紙製荷役用パレットにおいて、前記脚部材の下面にダンボールを含む積層紙製の底板が設けられていることを特徴とする。
本考案は、上記のような構成を備えることにより、以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、本考案の紙製荷役用パレットによれば、天板部と脚部材とをダンボールを含む積層紙で形成したので、パレットの鉛直方向に加わる力に対して十分な強度を発揮させることができる。そして、天板部下面に脚部材と直交方向に向かって半円形の梁部材が渡されているので、パレットの水平方向に対して加わる荷重は半円形の梁部材を伝わって天板部全面に分散されるから、パレットの水平方向に対して加わる荷重に対しても十分な強度を発揮させることができる。
また、半円形の梁部材がフォークリフトのフォークの挿入方向に対して直交方向に配設されているため、フォークリフトのフォークをパレットに挿入する際に、フォークが半円形の梁部材に接触した場合でも、円筒形の側面に接触するために、角形の部材に比べて抵抗や摩擦が少なくなり、フォークのパレットへの挿入が容易になる。
また、本考案の紙製荷役用パレットによれば、梁部材が半円筒形であるために、天板部に加わる荷重に対して十分な強度を発揮させることができるとともに、パレットの水平方向に対して加わる荷重を半円形の梁部材を伝わらせて天板部全面に分散させることができる。更に、半円形の梁部材を工場などで製造された円筒形の積層紙管を縦に切断することによって容易に製造することが可能になる。
また、本考案の紙製荷役用パレットによれば、天板部下面に配設される梁部材の断面を中心角180℃以上として円形に近づけることによって紙管の強度を更に増すことができる。これにより、パレットの耐荷重性を更に増すことができ、パレットに更に大きな荷重を加えることができるようになる。
また、本考案の紙製荷役用パレットによれば、脚部材にフォーク挿入凹部を設けたので、フォークリフトのフォークをパレットのどの向きからでも挿入することができるようになる。
また、本考案の紙製荷役用パレットによれば、脚部材に形成された凹部や他の部分に補強部材を取付けたので、パレットが床面に置かれた際や、フォークが挿入された際に、床面やフォークとの接触や摩擦によって生じうる脚部材の損傷を防止することが可能になる。
また、本考案の紙製荷役用パレットによれば、脚部材の下面にダンボールを含む底板を取付けたので、パレットに加わる荷重を、脚部材を通して底板に吸収させ、より大きな荷重やたわみに耐えることができる。
以下、図面を参照しながら本考案の具体例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、本考案の技術思想を具体化するための紙製荷役用パレットを例示するものであって、本考案をこの紙製荷役用パレットに特定することを意図するものではなく、実用新案登録請求の範囲に含まれるその他の実施形態の紙製荷役用パレットにも等しく適用し得るものである。
図1は実施例1の紙製荷役用パレットを、底板を外した状態で上方から見たときの外観斜視図である。図2は本考案の紙製荷役用パレットを、底板を外した状態で下方から見たときの外観斜視図である。図3は図1、図2に示した紙製荷役用パレットの分解斜視図である。
本実施例の紙製荷役用パレット1は、天板部10、複数の半円紙管20、複数の脚部材30、底板40を備える。天板部10は、複数枚のダンボールシートを、そのフルート部分(波形構造部分)が互いに直交方向又は異なる方向を向くようにして積層した積層ダンボール構造からなる平板である。天板部10に使用されるダンボールシートは、フルート(波形構造部分)の両側をライナー(平板部分)で挟んで構成されたBフルート(厚さ約3mm)、Cフルート(厚さ約4mm)、或いは2枚のライナーの間にフルートを3層にして形成したBCフルート(厚さ約7mm)である。そして天板部10は、これらのダンボールシートを、1〜5層に積層し、接着剤によって貼合わせて構成される。なお、このダンボールシートの枚数は、パレットに要求される耐荷重の大きさによって適宜決定される。
また天板部10は、四角形で、荷役用パレットの天板の規格に従った所定寸法の形状と大きさを有する。例えば、天板部10の寸法は、長さ202mm〜1500mm、幅202mm〜1300mmである。更に天板部10は、平面状の上面11と平面状の下面12を備える。天板部10の上面には、このパレットによって保管・運搬されるべき種々の物品が積載される。
天板部10の下面12には、樋状の梁部材である複数の半円紙管20がフォークリフトの第一のフォーク挿入方向Aに対して直交する向きに平行に配設される。なお、図1〜図3では、4本の半円紙管20a〜20eが配設されている。半円紙管20は、中空の半円筒形で、円筒面状の外面22、円筒面状の内面23、半円筒の上端縁部21を備える。上端縁部21は天板部10の下面12に対して平行である。半円紙管20の長さは、天板部10の幅(フォークリフトのフォークの挿入方向に対して直交方向)とほぼ同じか若干短くされる。
この半円紙管は、ダンボール工場等においてダンボール原紙をその周囲に巻いていた紙管を、縦方向に切断して半円筒形状にしたものを使用する。これによって、廃物として処理されていた紙管を有効活用することができる。半円紙管20は、円筒面状の内面23が上側になるようにして、天板部10の下面12に取付けられる。つまり、半円紙管20は、内面23を天板部10の下面12に相対させた状態で、その上端縁部21を天板部10の下面に接着剤を使用して貼付け固定される。この半円紙管20は、2インチ(50mm)〜3.5インチ(89mm)紙管、好ましくは3インチ(76mm)紙管を長さ方向に沿って半分に切断したものが使用される。
更に、脚部材30が半円紙管20と直交方向に嵌め合うように配設される。脚部材30は、少なくとも2本必要である。また、脚部材30は、2〜4本、場合によってはそれ以上設けられる。これらの本数は、パレットに要求される耐荷重の大きさによって決定される。
図1〜図3では、4本の脚部材30a〜30dが半円紙管20と組合わせて接続されている。2本の側部脚部材30a、30d(以下、側部脚部材という)は、組合わせた際に天板部10の側端部に位置するように配置される。他の2本の脚部材30b、30c(以下、中間脚部材という)ははじめの2本の側部脚部材30a、30dの間に配置される。中間脚部材30b、30cはフォークリフトのフォークがそれらの外側に挿入されるように間隔を隔てて配置される。これにより、1本の側部脚部材30aとそれに隣接した1本の中間脚部材30bとの間にフォークリフトのフォークを挿入するフォーク挿入スペース50が形成され、同様に、他の1本の側部脚部材30dとそれに隣接した1本の中間脚部材30cとの間にもう一つのフォーク挿入スペース50が形成される。
それぞれの脚部材30は複数枚のダンボールシートをそのフルート部分(波形構造)が同一の方向を向くようにして積層した積層ダンボールから構成される。例えば、それぞれの脚部材30は、Bフルート、Cフルート、BCフルートのダンボールシートを、5枚、10枚、15枚積層させ、接着剤によって貼合わせることによって形成される。脚部材30の高さは、133mm〜156mm、好ましくは150mmである。なお、この高さは、パレットに要求される強度、及び天板部10の下面12に取付けられる半円紙管20の大きさによって決定される。
中間脚部材30b、30cは上面31と下面32を有する。上面31と下面32は両方ともダンボールシートの端面が重なることによって形成された平坦な断面を呈しており、上面31は天板部10に対して平行に相対し、下面32は底板40に対して平行に相対する。上面31には、積層構造を半円紙管20の長さ方向に沿って一方の側から反対側へ貫通するように、半円形の嵌合凹部33が形成される。嵌合凹部33の内面は、半円筒面状の曲面34である。
側部脚部材30a、30dは、中間脚部材30b、30cと同様、上面31と下面32を有する。上面31と下面32は両方ともダンボールの端面が積層されて形成された平面状の断面をなしており、上面31は天板部10に対して平行に相対し、下面32は底板40に対して平行に相対する。側部脚部材30a、30dの上面31側には隣接する中間脚部材30b、30cに面した側から反対側に向けてダンボールの積層構造を部分的に除去した半円形の嵌合凹部35が形成される。本実施例の場合、嵌合凹部35は隣接する中間脚部材30b、30cに面した側から積層ダンボール構造を構成している複数枚のダンボールシートのうち2枚分だけ凹部を設けることによって形成される。この嵌合凹部35は半円筒状の曲面36と除去されなかった積層ダンボール構造による平板状の側面37よりなる。
脚部材30の下面32には底板40が貼付け固定される。底板40は天板部10と同一の形状また寸法である。また、底板40は、天板部10と同じく、複数枚のダンボールシートをそのフルート部分(波形構造部分)が互いに直交方向又は異なる方向を向くようにして積層した積層ダンボール構造からなる平板である。底板40は上面41と下面42を有する。上面41は脚部材30の下面32に接着剤などで貼付け固定される。底板40の上面41は、脚部材30及び半円紙管20を間に介在させて天板部10の下面12と所定の高さだけ離して相対し、間にフォークリフトのフォークを挿入するフォーク挿入スペース50を形成する。下面42は地面等に置かれ、パレット1に加わるすべての荷重を支持する。上記の構造のパレットの寸法は、一般に長さ202mm〜1500mm、幅202mm〜1300mm、高さ140mm〜163mmである。
底板40はパレットの基本構造として必ずしも必要ないが、底板40を設けることによって脚部材30に加わる荷重を底板全体に分散させることができる。これによって、パレットに加わるより大きな荷重やひずみを底板40によって吸収することができ、パレットの変形を防止することができる。
次に、本考案の紙製荷役用パレット1の組立てについて説明する。まず、複数枚のダンボール平板(ダンボールシート)をそのフルート部分(波形構造)が互いに直交方向又は異なる方向を向くようにして積層させて貼付け加工した積層ダンボール構造を形成する。積層されるダンボール平板の枚数や厚さはパレットに要求される強度によって決定される。次いで、積層ダンボール構造の平板を所定寸法に裁断し、天板部10と、底板40が形成される。
更に、天板部10、底板40とは別に形成された積層ダンボール構造の平板を細長く切断することによって所定本数の脚部材30が形成される。脚部材30に形成される嵌合凹部33、35は積層ダンボール構造の平板から脚部材30を形成した後に形成する。或いは、先に円形の穴を形成したダンボールシートを積層させて複数の穴や凹部を備えた積層ダンボール構造の平板を形成し、それを所定寸法に切断することによって形成してもよい。
次いで、所定寸法に切断した半円紙管20を脚部材30に直交するように嵌め合わせ固定する。この際、それぞれの半円紙管20a〜20dの中央部分が中間脚部材30b、30cの嵌合凹部33に嵌合され、半円紙管の円筒面状の外面22が嵌合凹部33の半円筒面状の曲面34に密接される。また、それぞれの半円紙管20a〜20d両端部分は側部脚部材30a、30dの嵌合凹部35に嵌合され、半円紙管の円筒面状の外面22が嵌合凹部35の半円筒面状の曲面36に密接される。更に、半円紙管の両端面24は嵌合凹部35の側面37に密接、固定される。このとき、半円紙管20の上端縁部21と脚部材30の上面31とは同一平面内にあるようにされる。
上記のようにして組立てられた半円紙管20と脚部材30との組立て体は、次に、天板部10に貼付け固定される。このとき、半円紙管20の上端縁部21、及び脚部材30の上面31は天板部10の下面12に固着される。特に、側部脚部材30a、30dは天板部10の下面12の側端部分に位置合わせされる。また中間脚部材30b、30cは天板部10の下面12の中央部分に位置するようにされる。半円紙管20と脚部材30が天板部10に固定されることによって、天板部10の上面11に積載物品によって加わる荷重を半円紙管20及び脚部材30によって受けることができるようになる。
半円紙管20と脚部材30とを天板部10に固定すると、天板部10の下面12、一方の側部脚部材30a、側部脚部材30aに隣接する中間脚部材30bによって、フォークリフトのフォークの一本が挿入されるフォーク挿入スペース50が形成される。同様に、天板部10の下面12、もう一方の側部脚部材30d、側部脚部材30dに隣接する中間脚部材30cによって、フォークリフトのフォークの他の一本が挿入されるフォーク挿入スペース50が形成される。
その後、半円紙管20、脚部材30、及び天板部10で構成される組立て体に底板40を取付け固定する。このとき、側部脚部材30a、30dの下面32を底板40の上面41の側端部に位置合わせして固着し、中間脚部材30b、30cの下面32を底板40の上面41の中央部分に固着する。天板部10、及び半円紙管20は、脚部材30によって、底板40から所定の高さに位置する。天板部10及び半円紙管20と底板40の間にはフォークリフトのフォークを挿入するフォーク挿入スペース50が形成される。
上述したように、この底板40の組立ては必ずしも必要ではなく、天板部10、半円紙管20、脚部材30のみによってパレットを構成することも可能である。底板40は必要に応じてパレットに取付けられる。底板40がある場合には、天板部10から半円紙管20、脚部材30を介してパレットの各部に加わる荷重を、底板40によって更に平均して分散することができるようになり、これによって、パレットはより大きな荷重、またたわみに耐えることが可能になる。
また、上記のようにしてつくられた紙製荷役用パレット1の天板部10の上面11、側部脚部材30a、30dの外側の側面に沿って薄いシート状の表板を貼り付けることによって強度を高めてもよい。
フォーク挿入スペース50は、脚部材30の高さと半円紙管20の高さを適切に調節することによってフォークリフトのフォークが挿入できる大きさを有する。このフォーク挿入スペース50にフォークが挿入される際に、半円紙管20の下方にフォークが挿入されるのがもっとも望ましいが、必ずしもそうなるとは限らない。しかし、第一のフォーク挿入方向Aに対して直交方向に半円紙管20が配設されているため、フォークが半円紙管20に接触した場合でも、フォークは半円紙管20の円筒面状の外面に接触するので、摩擦や抵抗が少なく、フォークを挿入することが容易になる。
なお、上記実施例では、脚部材30と組合わせられる半円紙管20は、略半円筒形のものを用いたが、半円筒形よりも更に大きな円弧を有する全円紙管に近い紙管を用いることもできる。紙管が全円紙管に近づけば近づくほど紙管の耐曲げ強度が高くなるので、紙管を全円紙管に近づけた際には、このパレットは、半円紙管の場合よりも更に大きな耐荷重性、及び耐たわみ性を示すようにすることができる。
実施例1の紙製パレットの強度、操作性(フォークリフト等による操作時)、価格、環境負荷及び総合特性についての評価を、従来例の木製パレット、市販のダンボール製パレット、プラスチックパレット及びプラスチックシートパレットの評価と対比した結果を下記表1に示した。なお、下記表1に示した結果は、Aを最良とし、Eを最も劣るものとし、A〜Eの5段階評価を行ったものであり、一部B評価とC評価の間と判断されたものについては「C'」を付与してある。また、プラスチックシートパレットは、フォークリフトによる操作を期待されているものではないので、操作性及び総合特性については評価せず、表1においては「−」で表してある。
Figure 0003125740
図4は、実施例1の紙製荷役用パレット1の変形例である実施例2の紙製荷役用パレット1'を示す図である。実施例2の紙製荷役用パレット1'は、半円紙管20の本数と、脚部材30の下部の形状が図1〜図3における紙製荷役用パレットと異なり、図1〜3の底板40がないほかは実質的に同じなので、同一の部材には同一の参照符号を付与するとともにその詳細な説明は省略する。
天板部10の下面12には、2本の半円紙管20a、20dが第一のフォーク挿入方向Aに対して直交する向きに平行に配設される。図4において、一方の半円紙管20aは、第一のフォーク挿入方向Aに対して手前の端部(前端部)に沿って配置される。もう一方の半円紙管20dは、後ろ側の端部に沿って配置される。
また、上述したように、脚部材30が半円紙管20と直交方向に嵌め合うように配設される。これら脚部材30の下部には、フォーク挿入凹部61が設けられる。フォーク挿入凹部61は、それぞれの脚部材30の両端部分と中央部分以外の部分において、下面から上方へ向けて部分的に脚部材を除去することによって形成される。フォーク挿入凹部61によって、脚部材30には、両端の突出部62a、62c、中央の突出部62bが形成される。
上記のフォーク挿入凹部61は、それぞれの脚部材30が天板部10に取付けられた際に、第一のフォーク挿入方向Aに対して直交する第二のフォーク挿入方向Cに沿って略一直線に並ぶように位置を合わせて形成される。これによって、フォークリフトのフォークを第二のフォーク挿入方向Cの向きにパレット1の挿入した際に、フォークが脚部材30に設けられたフォーク挿入凹部61の下に挿入することができるようになり、フォークによって脚部材30のフォーク挿入凹部61の下面を持ち上げることによってパレット1を運搬することが可能になる。
上記の紙製荷役用パレット1'の構造によって、フォークリフトのフォークを、第一のフォーク挿入方向Aからでも、第二のフォーク挿入方向Cからでもパレットに挿入することができるようになり、パレットの扱い易さを向上させることができる。なお、フォークリフトのフォークは第一のフォーク挿入方向A及び第二のフォーク挿入方向Cの正反対の向きにパレットに挿入することも勿論可能である。
また、脚部材30には下記に説明する補強部材70が取付けられる。脚部材30の両端の突出部62a、62c、中央の突出部62bにはそれぞれL字型の補強部材71a、71bを向き合わせたものが装着される。これらのL字型の補強部材71a、71bは基本的に同一の形状をしており、脚部材30の突出部62a〜62cの側面と下面に沿って接着剤により貼付け固定される。これによって、この紙製荷役用パレットが直接床面に置かれた際に、突出部62a〜62cが床面に接触することによって生じうる損傷から突出部62a〜62cを保護することが可能となり、紙製荷役用パレット1'の強化に資することができる。
また、フォーク挿入凹部61にはコの字型の補強部材72が接着剤によって装着される。この補強部材もフォーク挿入凹部61の表面を覆うように取付けられる。これによって、フォークリフトのフォークがフォーク挿入凹部61に挿入されてフォーク挿入凹部61を下から持ち上げる際に、フォークがフォーク挿入凹部61に接触することによって生じうる損傷からフォーク挿入凹部61を保護することができる。
なお、補強部材として、L字型の補強部材71a、71bをフォーク挿入凹部61に装着してもよいし、コの字型の補強部材72を突出部62a〜62cに装着してもよい。更に、補強部材としては、上述した形状の他、突出部62a〜62c及びフォーク挿入凹部61に取付けられ、これらを保護できるカバー状のものであれば、適宜使用することができる。
なお、L字型の補強部材71a、71b、コの字型の補強部材72は、厚紙、例えば、厚さ5mmのチップボールを使用する。
また、天板部10、半円紙管20、脚部材30、底板40、及び補強部材70をそれぞれ貼付け固定する接着剤としては合成ゴムラテックスが使用される。合成ゴムラテックスは、耐水性に比較的優れているため、本考案の紙製荷役用パレットの組立てに好適である。
本考案において脚部材30と組合わせて使用される半円紙管20は、ダンボール工場などでダンボールの原紙を巻きつけている紙管を半分に切断したものを使用することができる。これにより、無駄になっている紙管を効果的に利用することができる。
実施例1の紙製荷役用パレットを、底板を外した状態で上方から見たときの外観斜視図である。 実施例1の紙製荷役用パレットを、底板を外した状態で下方から見たときの外観斜視図である。 図1、図2に示した紙製荷役用パレットの分解斜視図である。 実施例2の紙製荷役用パレットを示す図である。
符号の説明

1、1' 紙製荷役用パレット
10 天板部
20 半円紙管(樋状の梁部材)
30 脚部材
30 脚部材
30a、30d 側部脚部材
30b、30c 中間脚部材
40 底板
50 フォーク挿入スペース
61 フォーク挿入凹部
70 補強部材
A、C フォーク挿入方向

Claims (5)

  1. ダンボールを含む積層紙製の天板部と、
    前記天板部の下面に第一のフォーク挿入方向に対して直交方向に複数本配設された、その上端縁部が前記天板部の下面に接着された半円形の梁部材と、
    前記天板部の下面に前記梁部材に直交方向に嵌合するように配設されるとともに前記梁部材の表面及び前記天板部の下面に接着された少なくとも2本のダンボールを含む積層紙製の脚部材と、
    を備えることを特徴とする紙製荷役用パレット。
  2. 前記半円形の梁部材は、円筒形の紙管を長さ方向に切断することによって作製された、その断面が中心角180度を超える円弧状となされていることを特徴とする請求項1に記載の紙製荷役用パレット。
  3. 前記脚部材は、その下部に、前記第一のフォーク挿入方向に対して直交する第二のフォーク挿入方向に沿って形成されたフォーク挿入用凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の紙製荷役用パレット。
  4. 前記脚部材の前記フォーク挿入凹部及び前記フォーク挿入凹部を除く部分の少なくとも一方の下部には、L字型又はコの字型の補強手段が装着されていることを特徴とする請求項3に記載の紙製荷役用パレット。
  5. 前記脚部材の下面にダンボールを含む積層紙製の底板が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙製荷役用パレット。
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CN116081050A (zh) * 2022-12-29 2023-05-09 嘉兴紫泉包装科技有限公司 一种高强度纸托盘

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