JP2012115464A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】脚まわりのフィット性が高く、縒れや割れが発生し難くなるのに伴い、横漏れが軽減される吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収体23の中央部41を挟んだ位置に、前後方向に沿って一対の前後方向スリット40Aが設けられ、股間部C2の前側に、一対の前後方向スリット40Aの前端部に繋がる前側スリット40Bが、吸収体23の両側端部まで延びるように設けられる。股間部C2の後側に、一対の前後方向スリット40Aの後端側に繋がる一対の後側スリット40Cが設けられる。前後方向スリット40A、前側スリット40B及び後側スリット40Cにより、一対の分割スリット40が構成され、下層吸収体23Bの少なくとも括れ部分23nにおける幅方向中央線の左右両側において、下層吸収体23B及び上層吸収体23Uそれぞれを同一位置で表裏面に亘って貫通することで、吸収体23を分割する。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関するものである。
吸収性物品の内の就寝時に装着するような夜間パッドの使用状況としては、横向き寝で使用している使用者が約半数存在しているが、横向き寝は仰向き寝より夜間パッドからの漏れ出しが発生し易くなっている。つまり、横向き寝では、使用者の内腿のくぼみと夜間パッドとの間に隙間が出来易く、この隙間を尿が伝って漏れ出すおそれがある。また、股間部の吸収量が少なくすぐに容量オーバーになって、漏れ出すおそれもあった。この一方、この漏れ出しの防止を図ったものとして、下記特許文献1、2に開示されたものが知られている。
この特許文献1には、吸収体の両端を起立させ、脚まわりからの尿の漏れ出しを防止させる使い捨ておむつが開示されているが、内腿の窪みのフィット性が低いことと、吸収体が長細いために排尿後に起立した吸収体が縒れや割れたりし易いことで、横向き寝時において尿の漏れ出しが発生してしまうおそれがあった。
また、特許文献2には、吸収体の両端を立体的にフィットさせることで、尿の漏れ出しを防止する使い捨ておむつが開示されているが、横向き寝における吸収容量が少ないことによる漏れ出しには対応できないこと、伸縮材に引っ張られるために排尿後に立体的な吸収体が縒れや割れたりすることで、やはり漏れ出しが発生してしまうおそれがあった。
特開2002−200116号公報 特開2006−141761号公報
すなわち、特許文献1、2に開示の技術であっても、尿の漏れ出しが発生してしまうおそれがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、脚まわりのフィット性が高く、縒れや割れが発生し難くなるのに伴い、横漏れが軽減される吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分を有し、
少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する吸収体が設けられた吸収性物品において、
前記吸収体は、股間部を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分として形成され、
前記吸収体の少なくとも括れ部分における幅方向中央線の左右両側に、吸収体の表裏面に貫通するスリットがそれぞれ延在され、
吸収体が、吸収体の中央に位置する中央部及び、この中央部の両側部に位置する両サイド部に、前記スリットによってそれぞれ分割されたことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
吸収体の表裏面に貫通するスリットが、吸収体の少なくとも括れ部分における幅方向中央線の左右両側にそれぞれ延在されている。そして、このスリットによって、吸収体の中央に位置する中央部及び、この中央部の両側部に位置する両サイド部に、吸収体がそれぞれ分割されている。つまり、吸収体の股間部付近にスリットを入れ、股間部をも含めた内腿に吸収体がフィットするように、吸収体を分割している。
この結果、吸収体が分割されていることから、吸収体に縒れや割れが発生し難く、また、スリットを股間から臀部にかけて配置するのに伴い、股間部において尿の吸収収容力を高めてこの部分から漏れ出しが防止されることで、尿の漏れ出しが改善される。
以上より、本発明によれば、脚まわりのフィット性と拡散性を向上すると共に、縒れや割れを防止して、横漏れが軽減される吸収性物品となる。
<請求項2記載の発明>
前記スリットが、
吸収体の中央部を挟んだ位置に前後方向に沿って設けられた一対の前後方向スリットと、
一対の前後方向スリットの前端部にそれぞれ繋がり且つ吸収体の側端部まで延びる前側スリットと、
一対の前後方向スリットの後端側にそれぞれ繋がり且つ吸収体の側端部まで延びる後側スリットと、
を含むように構成されている、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
上記のようにスリットが、一対の前後方向スリット、前側スリット、後側スリットを含んでいることで、吸収体の中央に位置する中央部及び、この中央部の両側部に位置する両サイド部に、吸収体がそれぞれ確実に分割されて、上述の本発明の効果をより一層確実に奏するようになる。
<請求項3記載の発明>
吸収体の上面に透液性のトップシートが配置され、
前記スリットの部分においてこのトップシートがこれと対向する部材に溶着されるように構成されている、請求項2記載の吸収性物品。
(作用効果)
スリットの部分においてトップシートがこれと対向する部材に溶着されることで、この溶着により中央部と両サイド部との間の位置ずれが確実に無くなり、上述の本発明の効果を安定的に奏するようになる。
<請求項4記載の発明>
前記一対の前後方向スリットが、後側スリットとの接合部分より後方にまで伸びるように構成されている、請求項1又は請求項2記載の吸収性物品。
(作用効果)
一対の前後方向スリットが、後側スリットとの接合部分より後方に伸びていることで、一対の前後方向スリットにより尿が案内されて臀部側へ尿が流れ易くなるため、横向き時での漏れ出しが一層軽減される。
以上のとおり本発明によれば、脚まわりのフィット性が高く、縒れや割れが発生し難くなるのに伴い、横漏れが軽減される等の利点がもたらされる。
第1の実施の形態に係る吸収パッドの展開状態の内面側を示す平面図である。 第1の実施の形態に係る吸収パッドの要部のみを示す平面図である。 図1のY−Y断面図である。 図1のZ−Z断面図である。 第1の実施の形態に係る吸収パッドの要部断面拡大図を模式的に示す図であって、(A)は当初の状態を示す図であり、(B)は分割スリットの幅が狭まった状態を示す図である。 第1の実施の形態に係る吸収パッドの要部断面拡大図を模式的に示す図であって、使用者の股間に装着した状態を示す図である。 第2の実施の形態に係る吸収パッドの要部のみを示す平面図である。 第2の実施の形態に係る吸収パッドの要部断面拡大図を模式的に示す図である。 第3の実施の形態に係る吸収パッドの要部のみを示す平面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、本発明の用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向中間あるいは吸収体の前後方向中間に幅の狭い括れ部分を有する場合は、いずれか一方又は両方の括れ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、「前側部分(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、「後側部分(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。
図1〜図4は、本発明に係る吸収パッド例200を示している。この吸収パッド200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Mは350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より狭い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。
吸収パッド200は、外面に外装シート32が積層された不透液性バックシート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。
吸収体23の裏面側には、不透液性バックシート21が吸収体23の周縁より若干食み出すように設けられている。不透液性バックシート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
また、不透液性バックシート21の外面は、不織布からなる外装シート32により覆われており、この外装シート32は、所定の食み出し幅をもってバックシート21の周縁より外側に食み出している。外装シート32としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
吸収体23の表面側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体23の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
トップシート22と吸収体23との間には、中間シート25を介在させるのが望ましい。この中間シート25は、吸収体23により吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く、且つ透液性の高い素材、例えばメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、中間シート25の前端は0〜11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート25の後端は92〜100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート25の幅25wは後述する上層吸収体23Uの幅L2の50〜90%程度であるのが好ましい。
吸収パッド200の前後方向両端部では、外装シート32および透液性トップシート22が吸収体23の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。吸収パッド200の両側部では、外装シート32が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはバリヤシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図1では点模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFは、本発明の周縁部をなし、これらにより囲まれる部分が本発明の本体部をなす。外装シート32を設けない場合、外装シート32に代えて不透液性バックシート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
バリヤシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
バリヤシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両バリヤシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面および外装シート32内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図1に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端24bはバリヤシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子を混合する場合等、必要に応じて、吸収体23はクレープ紙等の包装シート(図示せず)により包むことができる。また、吸収体23の形状は、相対的に後側の部分が前側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。
吸収体23は、下層吸収体23Bの上に、下層吸収体23Bの幅Lよりも幅L2が狭く且つ少なくとも股間部C2から後側部分B2にかけて前後方向に延在する上層吸収体23Uが積層された二層構造となっている。上層吸収体23Uの前後方向長さM4は下層吸収体23Bの前後方向長さM3と同じであっても良いが、70〜85%程度とするのが望ましい。また、上層吸収体23Uの全幅L2は下層吸収体23Bの全幅Lの40〜60%程度とするのが望ましい。
吸収体23における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0〜400g/m2程度とするのが好ましい。より詳細には、下層吸収体23Bの繊維目付けは例えば80〜400g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば50〜400g/m2程度とすることができ、上層吸収体23Uの繊維目付けは例えば80〜300g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば10〜200g/m2程度とすることができる。
下層吸収体23Bは、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分23nとして形成されている。この括れ部分23nの最小幅L3は、括れ部分23nの前後に位置する非括れ部分の幅L1の50〜65%程度であるのが好ましい。また、物品前端を0%とし物品後端を100%としたとき、括れ部分23nの前端は10〜25%の範囲に位置しているのが好ましく、括れ部分23nの後端は40〜65%の範囲に位置しているのが好ましく、括れ部分23nの最小幅L3となる部位(最小幅部位)は25〜30%の範囲に位置しているのが好ましい。
図2に示すように、吸収体23の中央部41を挟んだ位置には、吸収パッド200の前後方向に沿って直線状に延びる一対の前後方向スリット40Aが設けられており、股間部C2の前側には、一対の前後方向スリット40Aの前端部にそれぞれ繋がる前側スリット40Bが、吸収体23の両側端部まで延びるように、これら一対の前後方向スリット40Aと直交する方向に設けられている。
さらに、股間部C2の後側には、一対の前後方向スリット40Aの後端側にそれぞれ繋がる一対の後側スリット40Cが、括れ部分23nが終わり始める部分の吸収体23の側端部まで、それぞれ延びるように斜め方向に設けられている。但し、本実施の形態では、一対の前後方向スリット40Aが、一対の後側スリット40Cと接合する部分より後側部分B2にまで伸びている。
従って、本実施の形態では、一対の前後方向スリット40A、前側スリット40B及び一対の後側スリット40Cにより、一対の分割スリット40が構成されているが、この分割スリット40が、下層吸収体23Bの少なくとも括れ部分23nにおける幅方向中央線の左右両側において、下層吸収体23B及び上層吸収体23Uそれぞれを同一位置で表裏面に亘って貫通することで、吸収体23を分割している。このことで、吸収体23が、吸収体23の中央に位置する中央部41及び、この中央部41の両側部に位置する両サイド部42に、それぞれ分割されている。そして、前側スリット40Bより前方は下層吸収体23Bのみとなるが、この部分も分割されて前側部43となる。
つまり、吸収体23の股間部C2付近に分割スリット40を入れることで、股間をも含めた内腿に吸収体23がフィットするように、吸収体23が分割されている。この結果、吸収体23が分割されていることから、吸収体23に縒れや割れが発生し難く、また、分割スリット40を股間から臀部にかけて配置するのに伴い、股間部C2において尿の吸収収容力を高めてこの部分から漏れ出しが防止されることで、尿の漏れ出しが改善される。
以上より、本実施の形態によれば、脚まわりのフィット性と拡散性を向上すると共に、縒れや割れを防止して、横漏れが軽減される吸収パッド200となる。
他方、本実施の形態では、一対の前後方向スリット40Aが、後側スリット40Cとの接合部分より後方に伸びているが、このことで、一対の前後方向スリット40Aにより尿が案内されて臀部側へ尿が流れ易くなるため、横向き時での漏れ出しが一層軽減される。さらに、吸収体23の両サイド部42の図5における下側に位置する不透液性バックシート21と外装シート32との間の部分には、立体的に立ち上がるよう糸ゴムである細長状弾性部材45が前後方向に沿って例えば4本ずつ配設され、脚まわりの隙間に吸収体23をより確実にフィットさせることでも、尿の漏れ出しが一層改善される。
つまり、図5(A)に示す状態から装着に伴い、図5(B)に示すように分割スリット40が狭まって幅方向の調整がされると共に、股間に沿って分割スリット40の部分で折り曲がり、最終的に図6に示す状態のようになって、内腿の窪みに沿って吸収体23が立体的に立ち上がり、フィットすることになる。
また、吸収体23の図5における上側には、吸収体23の上面を覆うように透液性トップシート22が配置されているが、分割スリット40の部分において、この透液性トップシート22がこれと対向する部材である不透液性バックシート21に溶着部44にて溶着されている。このことで、この溶着により吸収体23の中央部41と両サイド部42との間の位置ずれが確実に無くなるようになる。
この一方、本実施の形態の吸収パッド200であれば、吸収体23が分割されていて分割スリット40の部分で折れやすくなっているので、股間部C2に対応する部分が分かりやすく、誰でも簡単に装着できるようになる。また、下層吸収体23B及び上層吸収体23Uにそれぞれスリットを形成したことで、下層吸収体23Bから優先的に尿を吸収することになり、使用者の肌と対向する側の上層吸収体23Uは最後まで尿を吸収しないようになる結果、肌がさらさらに保てる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳説する。尚、第1の実施の形態と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図7及び図8に示すように、本実施の形態は第1とほぼ同一の構造を有している。但し、本実施の形態では、吸収体23の両サイド部42の図8における下側だけでなく、吸収体23の中央に位置する中央部41の図8における下側に位置する不透液性バックシート21と外装シート32との間の部分にも、図7に示すように糸ゴムである細長状弾性部材46が前後方向に沿って配設されている。
この結果、本実施の形態によれば、尿等の液体を吸収体23が吸収した場合であっても、細長状弾性部材46の張力により吸収体23が使用者の股間に密着するような力が働き、股間に対するフィット性がより一層高まるようになる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳説する。尚、第1の実施の形態と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態は第1とほぼ同一の構造を有している。但し、本実施の形態では、吸収体23の両サイド部42において、相互に逆の斜め方向に沿って2本の中間スリット40Dがそれぞれ配置されていて、この部分でも吸収体23が分割されている。つまり、各2本の中間スリット40Dは、両サイド部42において、一対の前後方向スリット40Aの途中にそれぞれ一端が繋がると共に、他端側が吸収体23の側端部まで延びている。
従って、本実施の形態では、これら中間スリット40Dにより両サイド部42が細かく分離されていることから、吸収体23の両サイド部42が立体的により立ち上がり易くなって、フィット性がより一層向上するようになった。但し、これら中間スリット40Dの傾斜方向は、図9に示される向きと逆にしても良く、前後方向スリット40Aに対して直交する向きに配置しても良い。
尚、上記実施の形態における不織布の材質としては、スパンレース、エアスルー、ポイントボンド、エアレイド、ニードルパンチ等が考えられ、その他の構成する素材としては、レーヨンやコットン等のセルロール繊維、PPやPE等のポリオレフィン、PET等のポリエステルやそれらの複合体が考えられる。
本発明は、吸収パッド、パンツタイプ若しくはテープタイプ使い捨ておむつ、または整理用ナプキン等、吸収性物品全般に利用できるものである。
21…不透液性バックシート、22…透液性トップシート、23…吸収体、23U…上層吸収体、23B…下層吸収体、24…バリヤシート、32…外装シート、40…分割スリット、40A…前後方向スリット、40B…前側スリット、40C…後側スリット、41…中央部、42…両サイド部、200…吸収パッド。

Claims (4)

  1. 股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分を有し、
    少なくとも股間部から後側部分にかけて前後方向に延在する吸収体が設けられた吸収性物品において、
    前記吸収体は、股間部を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭い括れ部分として形成され、
    前記吸収体の少なくとも括れ部分における幅方向中央線の左右両側に、吸収体の表裏面に貫通するスリットがそれぞれ延在され、
    吸収体が、吸収体の中央に位置する中央部及び、この中央部の両側部に位置する両サイド部に、前記スリットによってそれぞれ分割されたことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記スリットが、
    吸収体の中央部を挟んだ位置に前後方向に沿って設けられた一対の前後方向スリットと、
    一対の前後方向スリットの前端部にそれぞれ繋がり且つ吸収体の側端部まで延びる前側スリットと、
    一対の前後方向スリットの後端側にそれぞれ繋がり且つ吸収体の側端部まで延びる後側スリットと、
    を含むように構成されている、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 吸収体の上面に透液性のトップシートが配置され、
    前記スリットの部分においてこのトップシートがこれと対向する部材に溶着されるように構成されている、請求項1又は請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記一対の前後方向スリットが、後側スリットとの接合部分より後方にまで伸びるように構成されている、請求項1から請求項3の何れかに記載の吸収性物品。
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