JP2012110178A - 発電装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ばねを用いて可動基板を静止位置に戻す構成を用いた場合、発電と共にばねは伸縮し続けることになる。そのため、ばねに疲労劣化が生じ、信頼性が低下するという懸念がある。例えば、50Hzで1年間発電を行う場合、ばねは累積値で約16億回屈伸を繰り返すこととなり、長期にわたる信頼性を確保することが難しいという課題があった。
【解決手段】第1基板の第1面に第1極性の電荷を保持する第1位置決め電極を備え、第2基板の第2面に前記第1基板の平面視で、第1極性と反対の第2極性の電荷を保持する第2位置決め電極とが、静止位置における前記平面視で、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との少なくとも一部を重ねた。第1基板が備える第1位置決め電極と、第2基板が備える第2位置決め電極との静電的な引力で第2基板を静止位置に引き戻せる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電装置及び電子機器に関する。
発電装置として、固定基板と可動基板とを対向配置し、可動基板の振動で静電誘導型発電を行うものが知られている。
この場合、例えば固定基板は可動基板と対向する面に、導体と荷電部材(エレクトレット)を重ねて櫛型に加工した固定電極を備えている。
そして、可動基板は、固定基板の固定電極側と対向する面に、固定基板の平面視で固定電極の一部と重なる可動電極を備えている。
可動基板を固定基板の平面方向に振動させると、可動電極に加えられた振動エネルギーは、当該電極間のクーロン引力を変化させる。そして、この変化分を電力として回収することで電気エネルギーに変換される。即ち、発電が為される。
固定基板と可動基板との位置関係がずれて安定した場合、発電効率が落ちるため、振動が加えられない状態では、固定基板と可動基板とが、静止位置に戻ることが好ましい。なお、静止位置とは、固定基板と可動基板との間の静電エネルギーが最小値をとり、固定基板と可動基板とが相対的に静止している状態にある位置関係を指すものとする。そのため、種々の技術が提案されてきている。
例えば、特許文献1では、図11に示すように、複数のエレクトレット材料領域409を備えた第2の基板(固定基板)405と、複数の導電性表面領域411を備えた第1の基板(可動基板)407とが互いに所定の間隔を隔てて配置されている。
この場合、エレクトレット材料領域409を含む第2の基板(固定基板)405は固定され、導電性表面領域411を含む第1の基板(可動基板)407は固定構造417にばね419を介して連結されている。支持ばね419は第1の基板407の両側面に接続されており、このばね419により第1の基板407はX方向(矢印421で示される方向)の運動を行い、静止位置に戻ることができると開示されている。
また、特許文献2では、図10に示すように、可動部4に磁性体のベアリングを用い、磁石3を固定基板1に埋め込むことで、磁界による引力で静止位置に戻せると開示されている。
特表2005−529574号公報 特開2008−113517号公報
しかしながら、特許文献1に示すように、支持ばね419を用いて可動基板を静止位置に戻す構成を用いた場合、発電と共にばねは伸縮し続けることになる。そのため、ばねに疲労劣化が生じ、信頼性が低下するという懸念がある。例えば、50Hzで1年間発電を行う場合、ばねは累積値で約16億回屈伸を繰り返すこととなる。使用条件にもよるが、一般的なばねの寿命は屈伸回数で1000万回〜1億回程度であり、長期にわたる信頼性を確保することが難しいという課題があった。
また、ばねを用いる場合には、1軸方向の振動エネルギーを変換して発電することはできるが、2軸(平面方向)の振動エネルギーを変換して発電することは可動基板を支えるばねが捩れてしまうことから困難であり、振動エネルギーの変換効率を高くすることが困難となる課題があった。
また、特許文献2に示すように、磁石3によって可動基板を静止位置に引き戻す構成を用いた場合、静電誘導型発電には、本来使われない磁石3を構成要素として用いることとなる。そのため、製造工程として、磁石3の影響を受けないよう製造プロセスを構築する必要があるが、そのための工数増や、予期せぬ影響により製造ラインにダメージを与える虞があった。
また、磁石3近傍では強い引力が発生するのに対し、磁石3とベアリングが離れた場合には、引力が弱くなる。そのため、弱い振動では可動基板の動きが悪くなる。即ち、発電効率が落ちるという課題があった。また、強い振動を受けた場合には、可動基板が磁石3から離れることとなる。磁力は磁石3との距離が離れると小さくなる。そのため、大きな振動エネルギーが加えられた場合には、静止位置から離れたところから静止位置に引き戻すまでの時間が長くなる。即ち、単位時間あたりの発電回数が減るため、発電効率を落としてしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる発電装置は、電荷を保持し、発電を行う発電用の第1発電電極を第1面に備える第1基板と、前記第1面と、間隔を介して向き合う第2面を有し、前記第1基板の平面方向において静止位置から所定の範囲内で可動性を有する第2基板と、前記第2面に設けられ、前記静止位置における前記第1基板の平面視で、前記第1発電電極と少なくとも一部が重なり、発電を行う発電用の第2発電電極と、前記第1面に設けられ、第1極性の電荷を保持する第1位置決め電極と、前記第2面に設けられ、前記第1極性と反対の第2極性の電荷を保持する第2位置決め電極とを備え、前記静止位置における前記平面視で、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との少なくとも一部が重なることを特徴とする。
これによれば、第1基板が備える第1位置決め電極と、第2基板が備える第2位置決め電極とが静電的な引力で引き合う。そのため、発電を行うべく振動が加えられ、第1基板と第2基板とが平面方向に動いた場合に互いに引き戻す力が働き発電効率を維持できる状態を保つことができる。そのため、第1基板と第2基板との間での発電を安定して行わせることができる。
なお、静止位置とは、第1位置決め電極と第2位置決め電極との間の静電エネルギーが最小値をとり、第1基板と第2基板とが相対的に静止している位置を指すものとする。
[適用例2]上記適用例にかかる発電装置であって、前記第1位置決め電極および前記第2位置決め電極は、前記平面視で少なくとも一部が幅方向に重なる複数本の電極、または複数本の電極の一部を繋げた形状を含み、前記第1位置決め電極および/または前記第2位置決め電極の少なくとも片方は、互いに幅の異なる帯状または、互いに幅の異なる帯を屈曲させた帯形状を備えることを特徴とする。
上記した適用例によれば、第1位置決め電極および/または第2位置決め電極の少なくとも片方は、幅の異なる帯状または、幅の異なる帯状を屈曲させた形状を備えている。そのため、同じ幅の位置決め電極を用いた場合と比べ、第1位置決め電極と第2位置決め電極の重なり具合により生じる静電力を広い範囲で発生させることが可能となり、大きな振幅を持つ振動に対して発電可能な発電装置を提供することが可能となる。なお、帯状とは、局所的に帯状の電極がある場合でも良く、例えば帯状の電極の端部を繋げた構成を備えていても良い。
[適用例3]上記適用例にかかる発電装置であって、前記帯形状を備える領域は、幅方向に3本以上形成され、前記帯形状の間の間隔の少なくとも一部が互いに異なっていることを特徴とする。
上記した適用例によれば、帯形状同士の間隔を異なる値とすることで、第1基板と第2基板とが備える帯形状を有する第1位置決め電極と第2位置決め電極との重なり具合をより広い範囲で制御することができる。そのため、可動性を有する範囲を広くとることが可能となり、大きな振幅を持つ振動に対して発電可能な発電装置を提供することが可能となる。
[適用例4]上記適用例にかかる発電装置であって、前記帯形状を備える領域の少なくとも一部の幅が、前記第1発電電極及び前記第2発電電極の幅よりも広いことを特徴とする。
上記した適用例によれば、帯形状を備える領域の少なくとも一部の幅が、第1発電電極及び第2発電電極の幅よりも広いので、例えば第1基板と第2基板とが第1発電電極及び第2発電電極の幅よりも大きくずれても静止位置に引き戻すことが可能となる。
[適用例5]上記適用例にかかる発電装置であって、前記第2基板が前記静止位置から離れるにつれ、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極の間で静止位置に戻す力を発生させるべく、前記平面視で前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極とが重なる領域の総面積が略単調に減少する形状を前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極とが有していることを特徴とする。
上記した適用例によれば、第1基板と第2基板が確実に静止位置に戻る発電装置を提供することが可能となる。
なお離れるとは、静止位置から第1基板と第2基板との相対的な位置が定常状態から離れていくことを示すものとする。
第1位置決め電極と第2位置決め電極の位置がずれると、第1位置決め電極と第2位置決め電極との間をコンデンサーとして見た場合、qを電荷、Cを容量とした場合、そのエネルギーは(q2/2C)となる。微小変位で見た場合、重なる面積が減る(Cが減る)と発電装置系の総エネルギーが大きくなる。
通常はエネルギーが減る方向(安定した方向)に戻すよう力が働くので、発電装置系の総エネルギーが小さくなる状態、静止位置に戻る。加えて、フリンジ効果により生じる力(厚さ方向に対して、斜めに引き戻す方向に生じる)も引き戻しに関与するため、より強力に引き戻す力が発生する。
なお、略単調とは、発電装置の使用状況下において、速やかに準静止位置から静止位置に戻れる場合を含むものとする。ここで、静止位置から離れるにつれて単調に減少するよう設定することで、準静止位置の発生を避けることも好ましい。
[適用例6]上記適用例にかかる発電装置であって、前記第1発電電極または前記第2発電電極の少なくとも一方が電荷を保持するエレクトレット材を含むことを特徴とする。
上記した適用例によれば、第1発電電極または第2発電電極が電荷を保持するエレクトレット材を含んでいる。エレクトレット材を用いた場合には、第1発電電極または第2発電電極の荷電状態が安定しているため、安定した発電効率を保つことが可能となる。
[適用例7]本適用例にかかる電子機器は上記記載の発電装置を含むことを特徴とする。
上記した発電装置は、変形する領域が無いため、発電装置としての信頼性が高い。そのため、当該発電装置を備えることで信頼性が高い電子機器を提供することが可能となる。
(a)は、発電装置の平面図、(b)は、(a)のA−A’線断面図、(c)は、(a)のB−B’線断面図。 (a)〜(d)は、発電を行う領域内の状態を示す断面図。 (a)〜(d)は、可動基板をずらした場合に可動基板を静止位置に引き戻す機構を示す模式図。 (a)は、発電装置の固定基板の平面図、(b)は、可動基板の平面図、(c)は固定基板と可動基板を重ねた状態での断面図。 は、第1復元部と第2復元部の一例を示す平面図。 は、復元部の形状を変えた場合の平面図。 は、復元部を辺方向に配置した場合の平面図。 は、復元部の形状の一例を示す平面図。 は、電子機器としてのRFタグを示す模式図。 は、背景技術を説明するための断面図。 は、背景技術を説明するための断面図。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、第1実施形態について説明を行う。第1実施形態では、1軸方向の振動を元に発電する発電装置について説明する。
図1(a)は、発電装置の平面図、(b)は、(a)のA−A’線断面図、(c)は、(a)のB−B’線断面図である。発電装置300は、後述する櫛歯状同士が交差する方向(X方向)に可動性を備え、X方向の振動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
発電装置300は、第1基板としての固定基板101と、第2基板としての可動基板201とが間隔を介して向き合っている。
なお、「上」とは、固定基板101から可動基板201へ向かう方向と定義する。
固定基板101は、固定基板本体101aを備え、固定基板101の第1面側(固定基板本体101aの第1面側)に、ガイド103、集電電極104、第1発電電極105、第1位置決め電極106と、を備える。第1発電電極105は、後述する第2発電電極211と協働して発電を行う発電用の電極である。
第1位置決め電極106は、複数の第1位置決め電極106a,106b,106cを備えている。そして、第1位置決め電極106a,106b,106cは一端で繋げられている。
可動基板201は、固定基板101の第1面と間隔を介して向き合っており、向き合った第2面側には、可動基板本体201a、第2発電電極211、ガイド203、そして後述する複数の第2位置決め電極212を備えている。
第2発電電極211は、第1発電電極105と協働して発電を行う発電用の電極である。
第1位置決め電極106と第2位置決め電極212は、共に帯形状を備え、固定基板101の平面視で少なくとも一部が幅方向に重なり、可動基板201を静止位置に近づける機能を備えている。
可動基板201は例えば第2位置決め電極212a,212b,212cを備えている。そして、第2位置決め電極212a,212b,212cは一端で繋げられている。
ここでは、第2位置決め電極212a、第2位置決め電極212b、第2位置決め電極212cの幅をそれぞれ変えている。具体的には、第2位置決め電極212aの幅が一番広く、第2位置決め電極212b、第2位置決め電極212cの順で幅を順次狭く設定している。
そして、第2位置決め電極212aと、第2位置決め電極212bとの間隔と第2位置決め電極212bと、第2位置決め電極212cとの間隔を異ならしている。具体的には、第2位置決め電極212bと、第2位置決め電極212cとの間隔の方を広く設定している。
なお、本実施形態では、可動基板201の電極幅を変えた例について説明しているが、これは固定基板101の電極幅を変えた場合と読み替えても良い。
第1発電電極105、第1位置決め電極106、第2位置決め電極212の構成材料としては、フッ素樹脂やフロロカーボン樹脂等の弗素系の高分子材料や、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の無機材料、シリコン酸化物及びシリコン窒化物等の無機材料を用いることができる。
そして、荷電法としては、コロナ放電によって発生した正あるいは負イオンを上記した非導電性材に注入する方法や、直流高電圧を針状電極にかけて大気中でイオンを発生させて、このイオンを上記した非導電性材に注入する方法を用いることができる。
また、コロナ放電を間欠的に発生させる方法や、直流高電圧をパルス状に印加する方法等、断続的に荷電する方法を用いても良い。
上記した荷電方法を用いて、第1位置決め電極106は第1極性の電荷を保持し、第2位置決め電極212は第1極性と反対の第2極性の電荷を保持している。また、第1発電電極105は、どちらの極性の電荷を荷電されていても良い。
固定基板101と可動基板201は、互いにX方向に動けるようベアリング350を介して重ね合わされている。そして、集電電極104、第1発電電極105を含む第1発電部115と、可動基板201側にある第2発電電極211を含む第2発電部215により発電が行われる。集電電極104、第1発電電極105と、第2発電電極211は共に櫛歯状の電極構造を供えており、可動基板201は、櫛歯同士が交差する方向(X方向)に振動する。ここでは、櫛歯と垂直方向をX方向とした場合について説明を続ける。
第1位置決め電極106を含む第1復元部116と、第2位置決め電極212を含む第2復元部216は、互いに固定基板101と可動基板201とを静止位置に引き戻す力を発生させる。
なお、「静止位置」とは、第1位置決め電極106と第2位置決め電極212との間の静電エネルギーが最小値をとり、固定基板101と可動基板201とが相対的に静止している状態を指すものとする。
第1位置決め電極106と第2位置決め電極212は、静止位置において固定基板101の平面視で、平面的に一部が重なっている。
本実施形態では、第2位置決め電極212aが、第1発電電極105及び第2発電電極211よりも広い幅を備えている。そのため、集電電極104と第2発電電極211とが1周期分以上ずれた場合でも最終的には静止位置に引き戻すことが可能となる。詳細については後述する。
また、第2位置決め電極212は、異なる幅を備え、異なる間隔を空けて幅方向に並んでいる。そのため広い範囲で第1位置決め電極106と第2位置決め電極212の重なり方を制御できる。詳細については後述する。なお、本実施形態では、第2位置決め電極212に、帯状の電極が幅や間隔の長さを変えた場合の説明を行っているが、これは、第1位置決め電極106を第2位置決め電極212と読み替えた構成を用いても良い。
固定基板本体101aは、構成部材として例えばガラスやプラスティックが用いられている。そして、可動基板201が動いた場合に衝突せぬよう、固定基板本体101aの可動基板201側の面は平坦な形状を備えている。
ガイド103は、ベアリング350が回転する方向を規定している。本実施形態では、1方向(X方向)に自由度を持つ発電装置300を扱っている。そのため、この方向以外への移動を防止するためのガイド103を備えている。ガイド103は、固定基板本体101a上に樹脂を塗布(例えばディスペンサーを用いる)する方法や、感光性樹脂層を形成した後、フォトリソグラフ工程を用いて形成しても良い。また、ガイド103を積む構成に代えて、ベアリング350が1方向に回転するよう固定基板本体101aや可動基板本体201aに図示せぬ溝を形成しても良い。
可動基板本体201aは、固定基板本体101aと同様に、構成部材として例えばガラスやプラスティックが用いられている。そして、可動基板201が動いた場合に固定基板101と衝突せぬよう、可動基板本体201aの固定基板101側の面は平坦化されている。そして、ガイド203は、ガイド103と共にベアリング350が回転する方向を規定している。
(発電機構)
以下、集電電極104、第1発電電極105、を含む第1発電部115と、第2発電電極211を含む第2発電部215に振動を与えることで発電を行う機構について説明する。図2(a)〜(d)は、発電を行う領域内の状態を示す断面図である。
ステップS1として、図2(a)に示すように、第2発電部215が振動していない場合には、電気力線(矢印で示す)は時間的(図2(e)の横軸としてtで示す)に変動しないため、電気力線の状態の変化によって発生する電力は生じないため図2(e)のS1に示すように発電は為されない。
次に、ステップS2として、図2(b)に示すように、可動基板201をX−方向に移動させると、可動基板201と固定基板101とがずれ、第2発電電極211と第1発電電極105とを含むコンデンサーの容量が減る。容量減少に伴い、抵抗Rを介して電荷が移動する。即ち、図2(e)のS2に示すように電流iが流れる。そして、X−方向に移動させて静止させると、電荷の移動が終了し、電荷の移動、即ち電流iが止まる。
次に、ステップS3として、図2(c)に示すように、静止位置に戻すと、今度は第2発電電極211と第1発電電極105とを含むコンデンサーの容量が増えることとなる。容量増加に伴い、抵抗Rを介して電荷が移動し、図2(b)の場合と反対向きの電流、即ち、図2(e)のS3に示すように電流(−i)が流れる。そして、静止位置に戻し静止させると、電荷の移動が終了し、電荷の移動、即ち電流iが止まる。
次に、ステップS4として、図2(d)に示すように、可動基板201をX+方向に移動させると、可動基板201と固定基板101とがずれ、第2発電電極211と第1発電電極105とを含むコンデンサーの容量が減る。容量減少に伴い、抵抗Rを介して電荷が移動する。即ち、図2(e)のS4に示すように電流iが流れる。そして、X+方向に移動させて静止させると、電荷の移動が終了し、電荷の移動、即ち電流iが止まる。
この動作を繰り返すことで、振動のエネルギーを元に発電を行うこととなる。なお、櫛歯状の電極を含む場合、複数個の電極を跨いで振動させても良く、この場合においても発電させることができる。
また、本実施形態では、集電電極104、第1発電電極105、を含む第1発電部115と、第2発電電極211を含む第2発電部215に振動を与えることで発電を行う機構について説明したが、第1発電部115を可動基板201に載せ、第2発電部215を固定基板101に載せても良い。
また、第1発電電極105と、第2発電電極211との少なくとも片方を、電荷を保持した状態(エレクトレット)としても良い。第1発電電極105または第2発電電極211に電荷を保持するエレクトレット材を用いた場合でも、第1発電電極または第2発電電極の少なくともいずれかにより荷電状態が安定しているため、安定した発電効率を保つことが可能となる。
(引き戻し機構)
以下に、上記した発電装置300を発電可能な状態に保持するための引き戻し機構について説明する。図3(a)〜(d)は、図1(b)に対応する断面図であり、可動基板をずらした場合に可動基板を静止位置に引き戻す機構を示す模式図である。
図1(b)に示すように、発電装置300が備える、第2位置決め電極212は、異なる幅で、異なる間隔を持つ帯状の形状を備えている。
以下、図3を用いて発電装置300における、可動基板201の引き戻し機構について説明する。
まず図3(a)は、可動基板201が静止位置にある場合を示す。この場合には平衡状態にあり、引き戻す力は発生しない。
次に、図3(b)に示すように、可動基板201に、X−方向とY−方向に対して力が加えられた場合、Y−方向の力は、ガイド103,203(図1(c)参照)により抑えられるため、Y−方向には移動しない。
そのため、X−方向に可動基板201を動かす力が残り、可動基板201はX−方向に移動する。
次に、図3(c)に示すように、可動基板201の第2位置決め電極212と固定基板101の第1位置決め電極106とが引き付けあい、X+方向に引力が発生する。そのため、可動基板201のX−方向に進む速度は時間経過と共に小さくなり、今度はX+方向に進んでいくこととなる。
次に、図3(d)に示すように、静止位置に達した後、可動基板201の慣性力により、静止位置を通過して今度はX+方向に進んでいく。
この間、第1発電部115と第2発電部215とにより発電が行われる。換言すれば、可動基板201の運動エネルギーを電力に変換していく。そのため、可動基板201の振れ幅は徐々に小さくなり、最終的には静止位置で静止する。静止する前に再び力が加えられると、同様の動作を繰り返して発電が為される。
この場合、第2位置決め電極212のうち、最も大きな幅を備えた第2位置決め電極212aの幅が、第1発電電極105や第2発電電極211よりも広い幅を備えていることで、静止位置から大きく(例えば、第2発電電極211の幅よりも大きく)ずれた場合でも、第1位置決め電極106の端の部分で復元力を得ることができ、静止位置に引き戻すことを可能としている。
そして、第2位置決め電極212は、上記したように異なる幅を備え、また異なる間隔の帯状を為す形状を備えている。そのため広い範囲で第1位置決め電極106と第2位置決め電極212の重なり方を制御できる。つまり、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。
そのため、例えば静止位置近傍では、弱い引き戻し力を発生させることで、小さい振幅の場合に振幅の減衰を抑えて発電することで発電効率を高めることができる。
また、例えば強い大きい振幅が与えられた場合では、強い引き戻し力を発生させて引き戻し動作を行うことが可能となる。強い引き戻し力を発生させることで、可動基板201を発電効率が高い第1発電部115、第2発電部215近傍で往復させることができる。即ち、高い発電効率(可動基板201の振動エネルギーが小さい損失で電気エネルギーに変換される)を得ることが可能となる。
上記した発電装置は、以下の効果を奏する。
図1に示すように、ばねに比べ疲労劣化に強いベアリング350を用いた発電装置300を含むことから、信頼性を向上させることができる。具体的には、例えば振動周期として50Hzで振動させた場合、1年間では約16億回屈伸することとなる。ばねの耐用屈伸回数は、典型的な金属ばねで1000万回〜1億回程度であり、信頼性の確保が難しい。一方、ベアリング350を用いた場合、屈伸する部分を持たないことから劣化要因を持たないこととなり、信頼性を向上させることが可能となる。
可動基板201が静止位置から大きくずれた場合には、ずれ量に応じて大きな復元力が働くことが好ましい。可動基板201が静止位置から大きくずれた場合に、従来の構成のように磁石3(図10参照)を用いて静止位置に導く構成を用いると、磁力は距離の二乗に反比例するため、静止位置に戻すまで時間が掛かり、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が落ちる。また、可動基板201に弱い振動が与えられた場合には、今度は磁石3の保持強度が強くなり、可動基板201の動きが悪くなるため、やはり振動エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が落ちる。
一方、本実施形態で用いた、第2位置決め電極212(図1参照)として、異なる幅を備えた構成を用いることで、ずれ量が大きい場合に、静止位置へ速やかに導く強い静電引力を発生させることができる。そのため、静止位置に戻すまでの時間が短縮され高い発電効率を得ることができる。また、可動基板201に弱い振動が与えられた場合には、弱い静電気力で可動基板201の振幅を確保できるため、エネルギーの変換効率を高く保つことができる。
第2位置決め電極212a(図1参照)が、第1発電電極105及び第2発電電極211よりも広い幅を備えている。そのため、第1発電電極105と第2発電電極211とが1周期分以上ずれた場合でも最終的には静止位置に引き戻すことができる。
櫛歯状の電極を含む場合、複数個の第1発電電極105を第2発電電極211が跨ぐように振動させても良い。この場合、大きな振幅で可動基板201が振動しても振動エネルギーを電気エネルギーに変換、即ち発電を行うことができる。
磁石3(図10参照)によって可動基板201を静止位置に引き戻す構成を用いた場合、静電誘導型発電には、本来使われない磁石3を構成要素として用いることとなる。そのため、製造工程として、磁石3の影響を受けないよう製造プロセスを構築する必要があるが、そのため工数が増加する。また、予期せぬ影響により製造ラインにダメージを与える虞があったが、静電誘導型発電に通常用いられる物質を用いて発電装置300(図1参照)を形成できるので、工数増を抑え、かつ製造ラインに対する予期せぬダメージの発生を抑えることができる。
また、磁石3(図10参照)を用いた場合、磁性粉が発電装置300内に浸入した場合、磁性粉が磁石3(図10参照)に付着し、可動部4の動きが規制され、発電効率を落とす、または発電不能になる。そのため、発電装置を隙間無く囲える筐体中に収める必要があるが、本実施形態に示す構成を取ることで、多少の磁性粉が浸入しても発電効率の低下が抑えられるため、信頼性が高い発電装置を提供することが可能となる。
なお、第2位置決め電極212a(図1参照)等に塵埃が若干付着しても、固定基板101と可動基板201の振動は行われるため、筐体として気密性が低いものを用いることができる。
(第2実施形態)
以下、図面を参照して、第2実施形態について説明を行う。第2実施形態では、2軸(XY:平面)方向の振動を元に発電する発電装置について説明する。ここで、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付け、詳細な説明については省略する。
図4(a)は、発電装置の固定基板の平面図、(b)は、可動基板の平面図、(c)は固定基板と可動基板とを重ねた状態での断面図である。この発電装置400は、平面方向に可動性を備え、平面方向の振動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
発電装置400は、固定基板101と、可動基板201を備える。
固定基板101は、固定基板本体101a、ガイド103、集電電極104、第1発電電極105、第1復元部116Mと、を備える。
集電電極104と第1発電電極105とは厚さ方向に重なっており、固定基板本体101aの可動基板201側の面には、集電電極104と第1発電電極105が、略U字形状を向きを変えながら連なった形状を備える第1発電部115が形成されている。第1復元部116Mについては後述する。
可動基板201は、可動基板本体201a、ガイド203、第2発電電極211、第2復元部216Mと、を備える。
可動基板本体201aの固定基板101側の面には、固定基板101と重ねた場合に第1発電電極105と重なるよう、第2発電電極211は第1発電電極105を鏡像反転させたパターンを備えている。第2復元部216Mについては後述する。
固定基板本体101aや可動基板本体201aは、第1実施形態同様、構成部材として例えばガラスやプラスティックが用いられている。そして、第1発電電極105、第1位置決め電極106、第2位置決め電極212もそれぞれ第1実施形態同様の材質と荷電法を用いて形成されている。
固定基板101と可動基板201は、互いに平面方向に動けるようベアリング350を介して重ね合わされている。ここで、可動基板201側には、ベアリング350があるべき位置を示すべく、ベアリング350を固定基板101と重複させて図示している。
ガイド103,203は、可動基板201の固定基板101に対する可動領域を制限する機能を備えている。可動基板201が相対的に動ける範囲は、ベアリング350がガイド103,203の内側にある範囲となる。
第1復元部116Mは固定基板101の例えば4隅に配置されている。そして、可動基板201の4隅には、第2復元部216Mが配置されている。第1復元部116Mと第2復元部216Mは、固定基板101と、可動基板201とを重ねた場合に復元力を発揮させるべく、略鏡像反転させたパターンを備えている。そして、可動基板201側の第2復元部216Mは、それぞれ幅の異なる帯を屈曲させた帯形状を備えている。また、固定基板101側の第1復元部116Mは、同じ幅の帯を屈曲させた帯形状を備えている。
図5は、第1復元部116Mと第2復元部216Mの一例を示す平面図である。可動基板201と、固定基板101とを重ねた場合に復元力を発揮させるべく、第1復元部116Mは第1位置決め電極106を含み、第2復元部216Mは第2位置決め電極212を含んでいる。第2位置決め電極212の最も太いパターン幅は、第1発電電極105のパターン幅よりも大きい幅を備えている。
第2位置決め電極212の少なくとも一部が、第1発電電極105や第2発電電極211よりも広いパターン幅を備えていることで、静止位置から大きく(例えば、第2発電電極211の幅よりも大きく)ずれた場合でも、第1位置決め電極106の端の部分で復元力を得ることができ、静止位置に引き戻すことを可能としている。
第2位置決め電極212は、異なる間隔で配置され、また互いに幅の異なる帯を屈曲させた帯形状を備えている。そのため広い範囲で第1位置決め電極106と第2位置決め電極212の重なり方を制御できる。つまり、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。そして第1位置決め電極106と第2位置決め電極212とは、引き戻し力が生じるよう固定基板101の平面視で一部が重なっている。
そのため、例えば静止位置近傍では、弱い引き戻し力を発生させることで、小さい振幅の場合に振幅の減衰を抑えて発電するようにして発電効率を高めることができる。
また、第1復元部116Mと第2復元部216Mの形状は、別の形状を備えていても良い。図6は、復元部の形状を変えた場合の平面図である。第1復元部116Mと第2復元部216Mは、斜めの帯状の形状を備えており、互いに略鏡像反転させたパターンを備えている。このような形状を用いても同様に、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。この場合も、第2復元部216Mの第2位置決め電極212を、外側に向けて幅を細くしている。
また、第1復元部116Mと第2復元部216Mは、固定基板101と可動基板201との角に位置する場合以外にあっても良い。図7は、復元部を辺方向に配置した場合の平面図である。第1復元部116Mと第2復元部216Mを辺方向に配置した以外は、図4と同じであるので、説明を省略する。
図8は、図7における復元部の形状の一例を示す平面図である。第2復元部216Mは、外側に向かうにつれて幅を小さくしている。このような形状を用いても、同様に、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。
なお、図5、図6、図8では他の復元部については図示を省略しているが、他の復元部は対称性を持った平面形状をそれぞれ備えている。
また、上記した復元部の形状として、帯状の形状を用いたが、これは不定形形状を備えていても良い。具体的には、固定基板101の第1位置決め電極106と、可動基板201の第2位置決め電極212とが、静止位置から離れるにつれて、固定基板101の平面視で重なる面積が単調に減少していく構成を備えていれば良い。平面視で重なる面積が減ることで、第1位置決め電極106と、可動基板201の第2位置決め電極212とが持つエネルギーは増大するため、エネルギー的に不安定な状態となる。そのため、エネルギーを減らす方向(静止位置に向かう方向)に可動基板201を引き戻す力が働くこととなり、最終的に静止位置に戻ることとなる。
また、通常加えられる振動に対してわずかな振動で乗り越えられる程度であれば、面積減少の単調性が保たれていなくても良い。
本実施形態における発電装置は、上述した実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
ばねを用いて可動基板201を支えると、2軸(平面方向)の振動エネルギーを変換して発電することは可動基板201を支えるばねが捩れてしまうことから困難であるが、本実施形態の構成を用いることで、平面方向の振動エネルギーを変換して発電することが可能となり、発電効率を上げることができる。
第1復元部116Mと、第2復元部216Mとを備え、さらに第2復元部216Mのパターン幅を順次小さくすることで、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。
階段状のパターンに限定されることなく、斜めの帯状形状等を用いることができるため、第1復元部116M、第2復元部216Mのパターンの自由度を高くすることが可能となり、レイアウト設計が容易となる。
第1復元部116M、第2復元部216Mを発電装置400の4隅に置くことに限定されず、辺方向に配置することができるので、さらにレイアウト設計が容易となる。
固定基板101の第1位置決め電極106と、可動基板210の第2位置決め電極212とが、静止位置から離れるにつれて、平面的に重なる面積が単調に減少していく構成を備えていることが好ましい。この場合、固定基板101の第1位置決め電極106と、可動基板210の第2位置決め電極212とが持つエネルギーは増大する。そのため、静止位置から離れるにつれてエネルギー的に不安定な状態となる。そのため、エネルギーを減らす方向(静止位置に向かう方向)に可動基板210を引き戻す力が働くこととなり、最終的に静止位置に戻る。従って、例えば固定基板101と可動基板210とに第1発電部115、第2発電部215のレイアウト設計を終え、空いたスペースに第1位置決め電極106と、第2位置決め電極212とを配置することが可能となるので、さらにレイアウト設計が容易となる。
(電子機器)
以下、図面を参照して、上記実施形態にかかる発電装置300(または400)を搭載した電子機器について説明を行う。図9は、電子機器としてのRFタグを示す模式図である。RFタグ500は、発電装置300または400、ダイオードブリッジ510、電気二重層キャパシター520、RF出力部530と、を備える。
発電装置300,400で発電された交流電力は、ダイオードブリッジ510を通すことで整流され電気二重層キャパシター520(他の構造を持つキャパシターや二次電池等を用いても良い)に蓄えられ、直流として蓄積、出力される。静電誘導型発電を用いた発電装置300,400は、構造により発電電圧が異なるが、尖頭値で概ね10〜30V程度の出力電圧で発電する。ダイオードブリッジ510に通常のシリコンダイオードを用いた場合、1.2V程度の順方向電圧の降下が発生するが、出力電圧が高いことから電力のロスを抑えて整流することが可能である。そして電気二重層キャパシター520に蓄えられた電力を元に、RF出力部530から電波の形で信号が出力される。
この電子機器は、上述した実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
大きな復元力を必要とする、可動基板201(図1参照)が静止位置から大きくずれた場合に、磁石3(図10参照)を用いて静止位置に導く構成を用いると、磁力は距離の二乗に反比例するため、静止位置に戻すまで時間が掛かり、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が落ちる。それに対して本実施形態で用いた電極構成を用いることで、静止位置から大きくずれた場合には強い静電引力で静止位置に導かれる。そのため、静止位置に戻すまでの時間が短縮され高い発電効率を得ることができる。また、可動基板201に弱い振動が与えられた場合には、弱い静電気力で可動基板201の振幅を確保できるため、エネルギーの変換効率を高く保つことができ、振動エネルギーの強弱に対して安定した発電効率が得られるため、通信を安定して行うことが可能となる。
ばねを用いて可動基板を支える発電装置を用いた場合と比べ、高い信頼性を持った電子機器としての、図9に示したRFタグ500が得られる。そのため、例えば交換が困難な場所にRFタグ500を埋め込む用途にも対応することが可能となる。また、ベアリング350の直径そのものがギャップ間隔となるので、ギャップ精度を高くすることが可能となる。ギャップ精度が高いことからギャップ量を小さくすることが可能となるため、発電効率を高くすることができ、振動強度が小さい場所でも通信を行うことが可能となる。
3…磁石、4…可動部、101…固定基板、101a…固定基板本体、103…ガイド、104…集電電極、105…第1発電電極、106…第1位置決め電極、106a…第1位置決め電極、115…第1発電部、116…第1復元部、116M…第1復元部、201…可動基板、201a…可動基板本体、203…ガイド、210…可動基板、211…第2発電電極、212…第2位置決め電極、212a…第2位置決め電極、212b…第2位置決め電極、212c…第2位置決め電極、215…第2発電部、216…第2復元部、216M…第2復元部、300…発電装置、400…発電装置、405…第2の基板、407…基板、409…エレクトレット材料領域、411…導電性表面領域、419…支持ばね、421…矢印、500…RFタグ、510…ダイオードブリッジ、520…電気二重層キャパシター、530…RF出力部。

Claims (7)

  1. 電荷を保持し、発電を行う発電用の第1発電電極を第1面に備える第1基板と、
    前記第1面と、間隔を介して向き合う第2面を有し、前記第1基板の平面方向において静止位置から所定の範囲内で可動性を有する第2基板と、
    前記第2面に設けられ、前記静止位置における前記第1基板の平面視で、前記第1発電電極と少なくとも一部が重なり、発電を行う発電用の第2発電電極と、
    前記第1面に設けられ、第1極性の電荷を保持する第1位置決め電極と、
    前記第2面に設けられ、前記第1極性と反対の第2極性の電荷を保持する第2位置決め電極と、を備え、
    前記静止位置における前記平面視で、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との少なくとも一部が重なることを特徴とする発電装置。
  2. 請求項1に記載の発電装置であって、
    前記第1位置決め電極および前記第2位置決め電極は、前記平面視で少なくとも一部が幅方向に重なる複数本の電極、または複数本の電極の一部を繋げた形状を含み、
    前記第1位置決め電極および/または前記第2位置決め電極の少なくとも片方は、
    互いに幅の異なる帯状または、互いに幅の異なる帯を屈曲させた帯形状を備えることを特徴とする発電装置。
  3. 請求項2に記載の発電装置であって、前記帯形状を備える領域は、幅方向に3本以上形成され、前記帯形状の間の間隔の少なくとも一部が互いに異なっていることを特徴とする発電装置。
  4. 請求項2または3に記載の発電装置であって、
    前記帯形状を備える領域の少なくとも一部の幅が、前記第1発電電極及び前記第2発電電極の幅よりも広いことを特徴とする発電装置。
  5. 請求項1に記載の発電装置であって、
    前記第2基板が前記平面方向において前記静止位置から離れるにつれ、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との間で前記静止位置に戻す力を発生させるべく、前記平面視で前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極とが重なる領域の総面積が略単調に減少する形状を前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極とが有していることを特徴とする発電装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電装置であって、前記第1発電電極または前記第2発電電極の少なくとも一方が電荷を保持するエレクトレット材を含むことを特徴とする発電装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電装置を含むことを特徴とする電子機器。
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