JP2012110178A - 発電装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1基板の第1面に第1極性の電荷を保持する第1位置決め電極を備え、第2基板の第2面に前記第1基板の平面視で、第1極性と反対の第2極性の電荷を保持する第2位置決め電極とが、静止位置における前記平面視で、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との少なくとも一部を重ねた。第1基板が備える第1位置決め電極と、第2基板が備える第2位置決め電極との静電的な引力で第2基板を静止位置に引き戻せる。
【選択図】図1
Description
この場合、例えば固定基板は可動基板と対向する面に、導体と荷電部材(エレクトレット)を重ねて櫛型に加工した固定電極を備えている。
そして、可動基板は、固定基板の固定電極側と対向する面に、固定基板の平面視で固定電極の一部と重なる可動電極を備えている。
可動基板を固定基板の平面方向に振動させると、可動電極に加えられた振動エネルギーは、当該電極間のクーロン引力を変化させる。そして、この変化分を電力として回収することで電気エネルギーに変換される。即ち、発電が為される。
この場合、エレクトレット材料領域409を含む第2の基板(固定基板)405は固定され、導電性表面領域411を含む第1の基板(可動基板)407は固定構造417にばね419を介して連結されている。支持ばね419は第1の基板407の両側面に接続されており、このばね419により第1の基板407はX方向(矢印421で示される方向)の運動を行い、静止位置に戻ることができると開示されている。
なお、静止位置とは、第1位置決め電極と第2位置決め電極との間の静電エネルギーが最小値をとり、第1基板と第2基板とが相対的に静止している位置を指すものとする。
なお離れるとは、静止位置から第1基板と第2基板との相対的な位置が定常状態から離れていくことを示すものとする。
第1位置決め電極と第2位置決め電極の位置がずれると、第1位置決め電極と第2位置決め電極との間をコンデンサーとして見た場合、qを電荷、Cを容量とした場合、そのエネルギーは(q2/2C)となる。微小変位で見た場合、重なる面積が減る(Cが減る)と発電装置系の総エネルギーが大きくなる。
通常はエネルギーが減る方向(安定した方向)に戻すよう力が働くので、発電装置系の総エネルギーが小さくなる状態、静止位置に戻る。加えて、フリンジ効果により生じる力(厚さ方向に対して、斜めに引き戻す方向に生じる)も引き戻しに関与するため、より強力に引き戻す力が発生する。
なお、略単調とは、発電装置の使用状況下において、速やかに準静止位置から静止位置に戻れる場合を含むものとする。ここで、静止位置から離れるにつれて単調に減少するよう設定することで、準静止位置の発生を避けることも好ましい。
以下、図面を参照して、第1実施形態について説明を行う。第1実施形態では、1軸方向の振動を元に発電する発電装置について説明する。
図1(a)は、発電装置の平面図、(b)は、(a)のA−A’線断面図、(c)は、(a)のB−B’線断面図である。発電装置300は、後述する櫛歯状同士が交差する方向(X方向)に可動性を備え、X方向の振動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
発電装置300は、第1基板としての固定基板101と、第2基板としての可動基板201とが間隔を介して向き合っている。
なお、「上」とは、固定基板101から可動基板201へ向かう方向と定義する。
第2発電電極211は、第1発電電極105と協働して発電を行う発電用の電極である。
ここでは、第2位置決め電極212a、第2位置決め電極212b、第2位置決め電極212cの幅をそれぞれ変えている。具体的には、第2位置決め電極212aの幅が一番広く、第2位置決め電極212b、第2位置決め電極212cの順で幅を順次狭く設定している。
なお、本実施形態では、可動基板201の電極幅を変えた例について説明しているが、これは固定基板101の電極幅を変えた場合と読み替えても良い。
そして、荷電法としては、コロナ放電によって発生した正あるいは負イオンを上記した非導電性材に注入する方法や、直流高電圧を針状電極にかけて大気中でイオンを発生させて、このイオンを上記した非導電性材に注入する方法を用いることができる。
また、コロナ放電を間欠的に発生させる方法や、直流高電圧をパルス状に印加する方法等、断続的に荷電する方法を用いても良い。
上記した荷電方法を用いて、第1位置決め電極106は第1極性の電荷を保持し、第2位置決め電極212は第1極性と反対の第2極性の電荷を保持している。また、第1発電電極105は、どちらの極性の電荷を荷電されていても良い。
第1位置決め電極106を含む第1復元部116と、第2位置決め電極212を含む第2復元部216は、互いに固定基板101と可動基板201とを静止位置に引き戻す力を発生させる。
なお、「静止位置」とは、第1位置決め電極106と第2位置決め電極212との間の静電エネルギーが最小値をとり、固定基板101と可動基板201とが相対的に静止している状態を指すものとする。
第1位置決め電極106と第2位置決め電極212は、静止位置において固定基板101の平面視で、平面的に一部が重なっている。
また、第2位置決め電極212は、異なる幅を備え、異なる間隔を空けて幅方向に並んでいる。そのため広い範囲で第1位置決め電極106と第2位置決め電極212の重なり方を制御できる。詳細については後述する。なお、本実施形態では、第2位置決め電極212に、帯状の電極が幅や間隔の長さを変えた場合の説明を行っているが、これは、第1位置決め電極106を第2位置決め電極212と読み替えた構成を用いても良い。
ガイド103は、ベアリング350が回転する方向を規定している。本実施形態では、1方向(X方向)に自由度を持つ発電装置300を扱っている。そのため、この方向以外への移動を防止するためのガイド103を備えている。ガイド103は、固定基板本体101a上に樹脂を塗布(例えばディスペンサーを用いる)する方法や、感光性樹脂層を形成した後、フォトリソグラフ工程を用いて形成しても良い。また、ガイド103を積む構成に代えて、ベアリング350が1方向に回転するよう固定基板本体101aや可動基板本体201aに図示せぬ溝を形成しても良い。
以下、集電電極104、第1発電電極105、を含む第1発電部115と、第2発電電極211を含む第2発電部215に振動を与えることで発電を行う機構について説明する。図2(a)〜(d)は、発電を行う領域内の状態を示す断面図である。
また、本実施形態では、集電電極104、第1発電電極105、を含む第1発電部115と、第2発電電極211を含む第2発電部215に振動を与えることで発電を行う機構について説明したが、第1発電部115を可動基板201に載せ、第2発電部215を固定基板101に載せても良い。
以下に、上記した発電装置300を発電可能な状態に保持するための引き戻し機構について説明する。図3(a)〜(d)は、図1(b)に対応する断面図であり、可動基板をずらした場合に可動基板を静止位置に引き戻す機構を示す模式図である。
図1(b)に示すように、発電装置300が備える、第2位置決め電極212は、異なる幅で、異なる間隔を持つ帯状の形状を備えている。
以下、図3を用いて発電装置300における、可動基板201の引き戻し機構について説明する。
そのため、X−方向に可動基板201を動かす力が残り、可動基板201はX−方向に移動する。
この場合、第2位置決め電極212のうち、最も大きな幅を備えた第2位置決め電極212aの幅が、第1発電電極105や第2発電電極211よりも広い幅を備えていることで、静止位置から大きく(例えば、第2発電電極211の幅よりも大きく)ずれた場合でも、第1位置決め電極106の端の部分で復元力を得ることができ、静止位置に引き戻すことを可能としている。
そのため、例えば静止位置近傍では、弱い引き戻し力を発生させることで、小さい振幅の場合に振幅の減衰を抑えて発電することで発電効率を高めることができる。
また、例えば強い大きい振幅が与えられた場合では、強い引き戻し力を発生させて引き戻し動作を行うことが可能となる。強い引き戻し力を発生させることで、可動基板201を発電効率が高い第1発電部115、第2発電部215近傍で往復させることができる。即ち、高い発電効率(可動基板201の振動エネルギーが小さい損失で電気エネルギーに変換される)を得ることが可能となる。
一方、本実施形態で用いた、第2位置決め電極212(図1参照)として、異なる幅を備えた構成を用いることで、ずれ量が大きい場合に、静止位置へ速やかに導く強い静電引力を発生させることができる。そのため、静止位置に戻すまでの時間が短縮され高い発電効率を得ることができる。また、可動基板201に弱い振動が与えられた場合には、弱い静電気力で可動基板201の振幅を確保できるため、エネルギーの変換効率を高く保つことができる。
なお、第2位置決め電極212a(図1参照)等に塵埃が若干付着しても、固定基板101と可動基板201の振動は行われるため、筐体として気密性が低いものを用いることができる。
以下、図面を参照して、第2実施形態について説明を行う。第2実施形態では、2軸(XY:平面)方向の振動を元に発電する発電装置について説明する。ここで、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付け、詳細な説明については省略する。
図4(a)は、発電装置の固定基板の平面図、(b)は、可動基板の平面図、(c)は固定基板と可動基板とを重ねた状態での断面図である。この発電装置400は、平面方向に可動性を備え、平面方向の振動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
集電電極104と第1発電電極105とは厚さ方向に重なっており、固定基板本体101aの可動基板201側の面には、集電電極104と第1発電電極105が、略U字形状を向きを変えながら連なった形状を備える第1発電部115が形成されている。第1復元部116Mについては後述する。
可動基板本体201aの固定基板101側の面には、固定基板101と重ねた場合に第1発電電極105と重なるよう、第2発電電極211は第1発電電極105を鏡像反転させたパターンを備えている。第2復元部216Mについては後述する。
図5は、第1復元部116Mと第2復元部216Mの一例を示す平面図である。可動基板201と、固定基板101とを重ねた場合に復元力を発揮させるべく、第1復元部116Mは第1位置決め電極106を含み、第2復元部216Mは第2位置決め電極212を含んでいる。第2位置決め電極212の最も太いパターン幅は、第1発電電極105のパターン幅よりも大きい幅を備えている。
第2位置決め電極212の少なくとも一部が、第1発電電極105や第2発電電極211よりも広いパターン幅を備えていることで、静止位置から大きく(例えば、第2発電電極211の幅よりも大きく)ずれた場合でも、第1位置決め電極106の端の部分で復元力を得ることができ、静止位置に引き戻すことを可能としている。
そのため、例えば静止位置近傍では、弱い引き戻し力を発生させることで、小さい振幅の場合に振幅の減衰を抑えて発電するようにして発電効率を高めることができる。
また、第1復元部116Mと第2復元部216Mの形状は、別の形状を備えていても良い。図6は、復元部の形状を変えた場合の平面図である。第1復元部116Mと第2復元部216Mは、斜めの帯状の形状を備えており、互いに略鏡像反転させたパターンを備えている。このような形状を用いても同様に、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。この場合も、第2復元部216Mの第2位置決め電極212を、外側に向けて幅を細くしている。
また、第1復元部116Mと第2復元部216Mは、固定基板101と可動基板201との角に位置する場合以外にあっても良い。図7は、復元部を辺方向に配置した場合の平面図である。第1復元部116Mと第2復元部216Mを辺方向に配置した以外は、図4と同じであるので、説明を省略する。
図8は、図7における復元部の形状の一例を示す平面図である。第2復元部216Mは、外側に向かうにつれて幅を小さくしている。このような形状を用いても、同様に、広い振幅範囲で、安定した強度で引き戻し力を発生させることができる。
また、上記した復元部の形状として、帯状の形状を用いたが、これは不定形形状を備えていても良い。具体的には、固定基板101の第1位置決め電極106と、可動基板201の第2位置決め電極212とが、静止位置から離れるにつれて、固定基板101の平面視で重なる面積が単調に減少していく構成を備えていれば良い。平面視で重なる面積が減ることで、第1位置決め電極106と、可動基板201の第2位置決め電極212とが持つエネルギーは増大するため、エネルギー的に不安定な状態となる。そのため、エネルギーを減らす方向(静止位置に向かう方向)に可動基板201を引き戻す力が働くこととなり、最終的に静止位置に戻ることとなる。
また、通常加えられる振動に対してわずかな振動で乗り越えられる程度であれば、面積減少の単調性が保たれていなくても良い。
以下、図面を参照して、上記実施形態にかかる発電装置300(または400)を搭載した電子機器について説明を行う。図9は、電子機器としてのRFタグを示す模式図である。RFタグ500は、発電装置300または400、ダイオードブリッジ510、電気二重層キャパシター520、RF出力部530と、を備える。
Claims (7)
- 電荷を保持し、発電を行う発電用の第1発電電極を第1面に備える第1基板と、
前記第1面と、間隔を介して向き合う第2面を有し、前記第1基板の平面方向において静止位置から所定の範囲内で可動性を有する第2基板と、
前記第2面に設けられ、前記静止位置における前記第1基板の平面視で、前記第1発電電極と少なくとも一部が重なり、発電を行う発電用の第2発電電極と、
前記第1面に設けられ、第1極性の電荷を保持する第1位置決め電極と、
前記第2面に設けられ、前記第1極性と反対の第2極性の電荷を保持する第2位置決め電極と、を備え、
前記静止位置における前記平面視で、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との少なくとも一部が重なることを特徴とする発電装置。 - 請求項1に記載の発電装置であって、
前記第1位置決め電極および前記第2位置決め電極は、前記平面視で少なくとも一部が幅方向に重なる複数本の電極、または複数本の電極の一部を繋げた形状を含み、
前記第1位置決め電極および/または前記第2位置決め電極の少なくとも片方は、
互いに幅の異なる帯状または、互いに幅の異なる帯を屈曲させた帯形状を備えることを特徴とする発電装置。 - 請求項2に記載の発電装置であって、前記帯形状を備える領域は、幅方向に3本以上形成され、前記帯形状の間の間隔の少なくとも一部が互いに異なっていることを特徴とする発電装置。
- 請求項2または3に記載の発電装置であって、
前記帯形状を備える領域の少なくとも一部の幅が、前記第1発電電極及び前記第2発電電極の幅よりも広いことを特徴とする発電装置。 - 請求項1に記載の発電装置であって、
前記第2基板が前記平面方向において前記静止位置から離れるにつれ、前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極との間で前記静止位置に戻す力を発生させるべく、前記平面視で前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極とが重なる領域の総面積が略単調に減少する形状を前記第1位置決め電極と前記第2位置決め電極とが有していることを特徴とする発電装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電装置であって、前記第1発電電極または前記第2発電電極の少なくとも一方が電荷を保持するエレクトレット材を含むことを特徴とする発電装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電装置を含むことを特徴とする電子機器。
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