JP2012110130A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル10の通電を制御する駆動ユニット15をブラケット12に組み付ける。ブラケット12の前面側にステータ11を設置し、ステータ11の外周側に有底円筒状のロータ14を回転可能に取り付ける。ロータ14の底壁部31に送風突起53と排出口52を設け、ロータ14の回転時に、送風突起53と排出口52との協働によってロータ14の内部の空気を排出する。ロータ14の内部には、ブラケット12とロータ14の間の隙間通路51を通して空気を取り入れる。取り入れられた空気は、ブラケット12の前面の放熱フィン50を冷却した後にステータ11のコイル10の周囲を通過して排出口52から排出される。
【選択図】図4
Description
このモータは、ブラケットに、励磁用の複数のコイルを巻回したステータが取り付けられ、そのステータの外周側に、内周面に複数のマグネットを取り付けた有底円筒状のロータが回転可能に配置され、各コイルにタイミングをずらして電流を流すことによってロータを回転させるようになっている。
このブラシレスモータは、有底円筒状のロータの底壁部に、外気取入れ口と、その外気取入れ口に隣接する送風突起とが設けられ、ロータの回転時に、送風突起が外気取入れ口を通してロータ内に空気を送り込むようになっている。外気取入れ口を通してロータ内に流入した空気は、ロータ内のステータコイル等の発熱部を冷却し、その後にブラケットとロータの間の隙間を通して外部に排出される。
この場合、上記の冷却構造を持つブラシレスモータにおいては、ロータの前面側(底壁部)の外気取入れ口から流入した空気がステータコイルで熱交換を行った後にブラケットの前面に当たることになるため、ブラケットに組み付けられる駆動ユニットを効率良く冷却することができない。特に、駆動ユニットはステータコイル等の他のモータ部品に比較して耐熱温度の低い部品を含むため、駆動ユニットの温度上昇によって同ユニットの作動が不安定になることが懸念される。
請求項1に係る発明は、コイルが巻回されるステータと、前面側に前記ステータが固定設置されるブラケットと、前記ブラケットの前面側に回転自在に取り付けられ、前記ステータに対向するマグネットが周壁部に取り付けられた有底円筒状のロータと、前記ブラケットに一体に組み付けられ、前記コイルに対する通電を制御する駆動ユニットと、を備え、前記ステータの前方側に配置される前記ロータの底壁部に、前記ロータと一体に回転して当該ロータの内側に空気の流れを生じさせる送風突起が設けられているブラシレスモータにおいて、前記送風突起が、前記ロータの底壁部の内面側と外面側の少なくともいずれか一方に突設されるとともに、前記ロータの底壁部のうちの前記送風突起のロータ回転方向で隣接する部位に、前記ロータの回転時に、前記送風突起との協働によって当該ロータの内部から空気を排出する排出口が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、駆動ユニットによってコイルの通電が制御され、それによってロータが回転すると、送風突起と排出口との協働によってロータ内の空気が排出口から外部に吸い出され、ロータ内にはブラケット側からステータのコイル部分を通ってロータの底壁部方向に向かう空気の流れが生じる。ブラケットの前面はコイルによって暖められていない空気によって冷却され、駆動ユニットはブラケットを通して冷却されることになる。
これにより、ロータが回転すると、送風突起の回転方向前方側の空気が送風突起によって圧縮され、回転方向後方側の空気が膨張することになる。この結果、ロータの底壁部の内面側で、送風突起の回転方向後方側から前方側に空気が流れ込み、その空気が排出口を通してロータの外部に排出されるようになる。
これにより、ロータが回転すると、送風突起の回転方向前方側の空気が送風突起によって圧縮され、回転方向後方側の空気が膨張することになる。この結果、ロータの底壁部の外面側で、送風突起の回転方向後方側から前方側に向かう空気の流れが生じ、このとき、送風突起の回転方向後方側に位置される排出口を通してロータの内部の空気が吸い出されるようになる。
これにより、ロータが回転すると、ブラケットとロータの間の隙間通路を通してブラケットの前面側の放熱フィンに外部の空気が流れ込む。このとき、放熱フィンは外部から流れ込んだ空気によって冷却され、放熱フィンを冷却した空気はコイルを通ってロータの排出口から外部に排出される。
図1は、車両用電動ファン1(以下、「電動ファン1」と呼ぶ。)を鉛直方向に沿って切った断面図である。なお、図中矢印Fは、車両の前方側を指している。以下の説明においては、矢印Fの指す方向を「前」、矢印Fの指す方向と逆の方向を「後」と呼ぶものとする。
この電動ファン1は、車両のラジエータ冷却用として用いられ、図示しないラジエータの前方側に設置される。この電動ファン1は、駆動部であるアウタロータ型のブラシレスモータ2と、ブラシレスモータ2によって回転駆動されるファン本体3とを備えている。
また、ブラケット12の前面側の中央には円筒状のボス部12bが突設されており、そのボス部12bには、外周側でステータ11を固定する略円筒状のステータ固定パイプ17が取り付けられている。
同図にも示すように、ブラケット12の前面側の外周縁には、略円筒状の水浸入規制壁25がボス部12bと同軸に形成されている。また、ブラケット12の前面には、水浸入規制壁25よりも小径の2つの円筒壁26,27がボス部12bと同軸に形成されている。円筒壁26,27は、水浸入規制壁25と同様に、ブラケット12の上部外周側から、電気接点や駆動ユニット15の配置されている中心側に流入しようとする水滴をこれらの外周面に沿わせて下方に滴下させる。
ブラケット12の前面のうちの、内側の円筒壁27とボス部12bの間の領域には、放射方向に延出する複数の放熱フィン50が設けられている。ブラケット12の後面側の中心寄り部分には、発熱電子部品を含む上記の駆動ユニット15が取り付けられている。ブラケット12の前面側に形成されている放熱フィン50は主に駆動ユニット15で発される熱を周囲に放熱する
具体的には、回転軸13の前部側の突出領域には、軸受20Bに隣接してロータ支持部22が拡径して形成されるとともに、そのロータ支持部22に隣接してロータ支持部22よりも小径のファン固定部23が形成されている。そして、回転軸13のファン固定部23よりも先端側にはファン固定部23よりも小径の雄ねじ部24が形成されている。
図3は、ロータヨーク28の底壁部31をロータ14の内側から見た図である。なお、同図では、周壁部29の内周側に取り付けられているマグネット30は図示都合上省略されている。
同図に示すように、排出口52…は、ロータヨーク28の底壁部31の外周縁部に円周方向に沿って等間隔に設けられ、各排出口52は、略方形状に形成されている。また、底壁部31上の各排出口52のロータ回転方向(図3で矢印Rで示す方向)の後方側で隣接する部位には、略方形状の送風突起53がロータ14の内側に向かって突設されている。したがって、排出口52は、ロータ14の底壁部31上の各送風突起53のロータ回転方向の前方側に隣接して配置されている。
送風突起53…は、図3示すように、ロータ14と一体に回転することによって前面側が圧縮領域a(正圧領域)となり、逆に後面側が膨張領域b(負圧領域)となる。このため、底壁部31の内側(後面側)には膨張領域bから圧縮領域aに向かう空気の流れが生じ、圧縮領域aに流れ込んだ空気は排出口52を通してロータ14の外部に排出されることになる。そして、この排出口52に排出される空気の流れが契機となり、ロータ14の内部には底壁部31方向に向かう空気の流れが発生する。
同図に示すように、送風突起53と排出口52との協働によってロータ14の内部の空気が外側に吸い出されると、ブラケット12の前面側からロータ14の底壁部31に向かう空気の流れが発生し、このとき、ブラケット12とロータ14の間の隙間通路51からロータ14の内部に外部の空気が取り入れられるようになる。これにより、隙間通路51を通して外部から流入した空気は、図4中の白抜きの矢印で示すように、最初にブラケット12の前面に沿って流れ、放熱フィン50との間で熱交換を行う。これにより、駆動ユニット15が放熱フィン50を通して冷却される。
そして、こうして放熱フィン50を冷却した空気はステータ11の周域を流れ、主に、コイル10との間で熱交換を行い、図4中のドットを入れた矢印で示すように、ロータ14の底壁部31の排出口52を通してロータ14の前方側に排出される。これにより、コイル10やその周域の部材が空気によって冷却される。
したがって、このブラシレスモータ2では、駆動ユニット15の温度上昇を速やかに抑制して、駆動ユニット15の作動が熱によって不安定になるのを未然に防止することができる。
この場合、排出口52は底壁部31上の送風突起53のロータ回転方向Rの後方側に隣接して配置される。これにより、ロータ14の回転時に、各送風突起53の前後に後方側の膨張領域bから前方側の圧縮領域aに向かう空気の流れができ、ロータ14の内部の空気が排出口52を通して外部に吸い出されることになる。
図6,図7は、ロータ14のロータヨーク28の底壁部31の内面側と外面側に送風突起53A,53Bを設けた実施形態を示すものである。
この実施形態のロータ14は、ロータヨーク28の底壁部31の外周縁部に、法線方向に沿う複数のスリット45…を形成し、その各スリット45のロータ回転方向Rの後方側の縁部を内面側に半円状に膨出させるとともに、各スリット45のロータ回転方向Rの前方側の縁部を外面側に半円状に膨出させている。これにより、各スリット45のロータ回転方向Rの後方側の膨出部と前方側の膨出部が、それぞれ底壁部31の内面側に突出する送風突起53Aと外面側に突出する送風突起53Bを構成し、両膨出部によって拡開されたスリット45が排出口52Aを構成するようになっている。
この場合、底壁部31の内面側に設けられる送風突起53Aは排出口52Aに対してロータ回転方向Rの後方側に配置され、底壁部31の外面側に設けられる送風突起53Bは排出口52Aに対してロータ回転方向Rの前方側に配置される。
10…コイル
11…ステータ
12…ブラケット
13…回転軸
14…ロータ
15…駆動ユニット
50…放熱フィン
51…隙間通路
52…排出口
53…送風突起
Claims (5)
- コイルが巻回されるステータと、
前面側に前記ステータが固定設置されるブラケットと、
前記ブラケットの前面側に回転自在に取り付けられ、前記ステータに対向するマグネットが周壁部に取り付けられた有底円筒状のロータと、
前記ブラケットに一体に組み付けられ、前記コイルに対する通電を制御する駆動ユニットと、を備え、
前記ステータの前方側に配置される前記ロータの底壁部に、前記ロータと一体に回転して当該ロータの内側に空気の流れを生じさせる送風突起が設けられているブラシレスモータにおいて、
前記送風突起が、前記ロータの底壁部の内面側と外面側の少なくともいずれか一方に突設されるとともに、
前記ロータの底壁部のうちの前記送風突起とロータ回転方向で隣接する部位に、前記ロータの回転時に、前記送風突起との協働によって当該ロータの内部から空気を排出する排出口が設けられていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記送風突起は、前記ロータの底壁部の内面側に突設され、前記排出口は、前記底壁部上の前記送風突起のロータ回転方向の前方側に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 前記送風突起は、前記ロータの底壁部の外面側に突設され、前記排出口は、前記底壁部上の前記送風突起のロータ回転方向の後方側に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブラシレスモータ。
- 前記送風突起と排出口とは、前記ロータの底壁部を部分的に切り起こすことによって形成されていることをことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記ブラケットの前面には放熱フィンが設けられ、当該放熱フィンの径方向外側には、前記ブラケットと前記ロータの間の隙間通路が連通していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。
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