JP2012106789A - 複数液吐出容器および複数液吐出製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部容器11と、その外部容器11内に収容される内部容器12と、その内部容器に連結される連結部材13と、それらの容器の開口部を閉じるエアゾールバルブ14とからなる二液吐出容器10。内部容器12が金属箔層および合成樹脂層からなる可撓性を有する3枚の積層シートから構成されており、2つの独立した第1充填室16および第2充填室17を並列に備えている。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、外部容器と、その中に収容される2個のインナーバッグとを備えた二重エアゾール容器が開示されている。
特許文献2の図4には、第一内容物を充填する第一パウチと、第二内容物を充填し、第1パウチ内に収容される第二パウチと、第一パウチと外部を連通する第一流路と、第二パウチと外部を連通する第二流路と、第一流路および第二流路に連結される弁体とを備えた一部断面形状が開示されている。
特許文献3の図4には、容器本体を構成する2枚のシートの間に同様なシートからなる隔壁が介在され、周縁部を熱溶着した密封容器が開示されている。
また、特許文献2は、第二パウチが第一パウチ内に収容されているため、それぞれのパウチに内容物を充填した後は、第二パウチは第一パウチ内の内容物中に漬け込まれた状態になり、その第一パウチ内の内容物により第二パウチが劣化しやすい。この場合、第二パウチは内容物によって覆われており、加圧剤の押圧力は第一パウチ内の内容物を介して第2パウチに伝わるため、内容物の粘度および内容物の量によって第2パウチの圧縮力は変化し、各内容物の吐出量の比率が変化しやすい。
特許文献3は、シートの側面を手で圧縮して内容物を吐出するため、内容物に伝わる力は不均等であり、複数の内容物を所定の吐出量比で吐出できない。
本発明は、製造が簡単であり、劣化のおそれが小さく、内容物の吐出比が均等な複数液吐出容器および複数液吐出製品を提供することを目的としている。
本発明の複数液吐出容器の第2の態様は、外部容器と、外部容器に収容される内部容器と、外部容器および内部容器を密閉する弁機構とからなり、前記内部容器は可撓性を有するシートにより構成されており、前記内容物を収容する充填室を複数個有し、それらの充填室は並列しており、前記充填室の少なくとも1つが、金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも二層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されていることを特徴としている。
本発明の複数液吐出容器において、内部容器の充填室同士が積層シートからなる隔壁によって区画されているものが好ましい。また、前記内部容器が複数の積層シートの側縁部同士を貼り合わせて構成されているのが好ましい。その場合、異なる面積の積層シートを貼り合わせて構成されており、大きい積層シートを折り畳み、その側縁部を小さい積層シートの側縁部に貼り合わせるのが好ましい。
さらに、前記内部容器が3枚の積層シートを重ねて貼り合わせたものであり、2つの充填室を有しているものが好ましい。
前記内部容器が、内部容器を外部容器内に収容したとき、それ自身を支持し、外部容器の底部と当接する支持部を備えていてもよい。
そのような連結部材が、複数の充填室の開口部にそれぞれ固着されて閉じる複数の並列した栓部を備えた一体成形品であり、少なくとも2つの充填室と2つの栓部の固着部位の高さが異なるように構成されているものが好ましい。
本発明の複数液吐出容器の第4の態様であって、容器本体が可撓性を有する2枚の外シートと、その間に挟まれる可撓性を有する1枚または2枚以上の中シートとを重ねて構成されているものが好ましい。その場合、少なくとも中シートの一枚が金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも2層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されているものが好ましい。
また、前記充填室の少なくとも1つが、金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも二層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されているものが好ましい。
さらに、前記容器本体が第1充填室と第2充填室とを有し、吐出部材が第1充填室を閉
じる第1栓部と、第2充填室を閉じる第2栓部とを備え、第1栓部および第2栓部がそれぞれの充填室と大気とを連通する第1通路および第2通路を有しており、吐出部材の第1栓部と第2栓部が並列され、かつ、第1栓部または第2栓部の一方が下方に突出した一体成形品であるものが好ましい。あるいは、吐出部材が第1充填室を閉じる第1栓部と、第2充填室を閉じる第2栓部とを備え、第1栓部および第2栓部がそれぞれの充填室と大気とを連通する第1通路および第2通路を有しており、吐出部材の第1栓部と第2栓部が並列され、かつ、第1栓部または第2栓部の一方が下方に突出した一体成形品であるものが好ましい。
そして、内部容器が金属箔層および合成樹脂層を備えた積層シートによって構成されているため、内容物の透過を防止する。特に、反応性の高い内容物に起因して発生するガスの透過を防止でき、外部容器内の気相を介して他方の充填室に外部から浸透して内容物を劣化させるおそれが小さい。また、その積層シートは可撓性を有しているため、各充填室に充填された内容物は均一な圧力を受け、各内容物を同時に吐出でき、かつ、各内容物の吐出比を一定に保つことができる。そして、従来のエアゾール容器と同様の操作性能で複数の内容物を同時に吐出できる。本発明でいう積層シートは、金属箔層と合成樹脂層のように異なる材質のシートを積層させたものをいい、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートのような同じ合成樹脂を積層させたものは合成樹脂層として取り扱う。
特に、内部容器が1枚の積層シートから構成されている場合、内部容器の充填室を構成する辺の少なくとも2辺以上が折目の内面を貼り合わせた辺となるため、劣化のおそれが一層小さい。
特に、前記内部容器が、3枚の積層シートを重ね貼り合わせたものであり、2つの充填室を有している場合、第1充填室と第2充填室とを検査しながら順次作成することができる。
このような連結部材が、複数の充填室の開口部にそれぞれ固着されて閉じる複数の並列した栓部を備えた一体成形品であり、少なくとも2つの充填室と2つの栓部の固着部位の高さが異なるように構成されている場合、それぞれの充填室を確実に閉じることができる。
されるため安定に保存することができ、さらに、充填室に外力を加えても隔壁から力が伝わり、両充填室内に均一の圧力を加えることができ、複数の内容物を同時に、別々に吐出できる。特に、容器本体が可撓性を有する2枚の外シートと、その間に挟まれる可撓性を有する1枚または2枚以上の中シートとを重ねて構成する場合、両充填室に均一な外力を加えることができる。そして、少なくとも中シートの一枚が金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも二層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されている場合、内容物はその隔壁を透過等によって区画された充填室同士を行き来することがない。特に、反応性の高い内容物である場合、長期間安定に保管することができる。
また、前記容器本体が第1充填室と第2充填室とを有し、吐出部材が第1充填室を閉じる第1栓部と、第2充填室を閉じる第2栓部とを備え、吐出部材が第1栓部および第2栓部がそれぞれの充填室と大気とを連通する第1通路および第2通路を有しており、吐出部材が第1栓部と第2栓部が並列された一体成形品であり、下端に隔壁を構成するシートの上端を固定するスリットが設けられている場合、第1充填室および第2充填室の空間を密閉することができ、かつ、それらに充填された内容物を混合させることなく吐出させることができる。
外部容器11は、底部、胴部、肩部を有する有底筒状のものであり、肩部上端にビード部11aが形成されており、上端が開口している。肩部とビード部との間に筒状の首部を設けても良い。この外部容器11は、アルミニウムやブリキなどの金属板からインパクト加工、絞り加工等によって成形された一体成形品である。しかし、複数の部材を二重巻き締めによって連結したものでもよい。また合成樹脂や耐圧ガラス等の他の材料で成形してもよいが、耐圧性を有する硬質体が好ましい。
内部容器12は、金属箔層および合成樹脂層からなる可撓性を有し、実質的に同じ面積の積層シート(下シート20a、中シート20b、上シート20c)を3枚重ね、それぞれの周縁部同士を熱溶着や超音波溶着などにより上端が開口するように貼り合わせて構成されている。内部容器12は、合成樹脂層が内面にくるように貼り合わせることにより構成されており、下シート20aおよび上シート20c(容器の外周を構成する外シート)は少なくとも2層以上であればよく、中シート20bは金属箔層を中心に、両面に合成樹脂層が設けられた3層以上である。なお、3枚のシートは同じ素材でもよい。
積層シートの金属箔としては、アルミニウム箔などの軽金属が挙げられる。一方、合成樹脂層の材料としては、耐薬品性に優れたポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ガスバリア性に優れたナイロンやエバールなどが挙げられ、内容物に応じて選択し、組み合わせて用いてもよい。なお、金属箔層の代わりに、炭素、シリカ、アルミナなどを合成樹脂層に蒸着させて被膜を形成する蒸着層としてもよい。
また、内部容器12は、内容物と直接接触する内面に活性の低い合成樹脂層が配置されているため、内容物を長期間安定して収納することができる。一方、金属箔層を備えているため、内容物の透過を防止する。特に、反応性の高い内容物に起因して発生するガスの透過を防止でき、外部容器の空間を介して外部から他の充填室に充填される内容物への影響を抑えることができる。金属箔層の代わりに蒸着層を設けている場合も内容物の透過を防止することができる。
連結部材13は、図3a、b、cに示すように、内部容器12に固定される円柱状の下部23と、後述するバルブ14の下端を挿入してバルブ14と連結する円筒状の上部24とからなる一体成形品である。下部23は、下端から上方向に延びるスリット26と、そのスリットを挟んで形成されており、下部23を上下に貫通した第1通路27aおよび第2通路27bとを備えている。つまり、下部23は、スリット26を境界として第1充填室を閉じる第1栓部と、第2充填室を閉じる第2栓部とに分けることができ、それぞれ第1栓部および第2栓部に第1通路27aおよび第2通路27bが形成されている。上部24の中心孔24aは、第1通路27aおよび第2通路27bと連通している。下部23の外周と上部24の外周との間には、段部28が形成されている。
また、図3eに示すように連結部材13の下部23を長軸に沿って第1通路、第2通路およびスリット26が形成された略楕円柱状にしてもよい。このように下部23を楕円柱状にすることにより、内部容器12の嵩を小さくすることができ、連結部材の下部23と上下シート20a、cの溶着強度を高めることができる。
連結部材13は、ステンレスにポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィンなどの接着性樹脂を被覆したもの、あるいは、ポリアセタール、ナイロンなどの合成樹脂製のものが挙げられる。
つまり、図2bに示すように、連結部材13の下端は、スリット26と一方の断面扇状の外周面によって構成される第1部位19a(第1充填室16の上端開口を閉じる断面半円状の第1栓部)が下シート20aおよび中シート20bによって覆われ、スリット26
と他方の断面扇状の外周面によって構成される第2部位19b(第2充填室17の上端開口を閉じる断面半円状の第2栓部)が中シート20bおよび上シート20cによって覆われる。そのため、第1充填室16が第1通路27aと連通し、第2充填室17が第2通路27bと連通し、それぞれ充填室16、17に充填された内容物は独立して、内部容器12から吐出される。
また、連結部材13の下部23の外周面と下シート20aおよび上シート20c(外シート)との固定は、シートの合成樹脂層を溶着して固定させたり、接着剤で接着させることができる。
シートの合成樹脂層を溶着してそれぞれの部位を固定する場合、例えば図3dのようにそれぞれシート20a、20b、20cを連結部材13と当接させた後、シート20a、b、cと連結部材13の溶着部、および、シート20a、b、c同士の溶着部をアイロン、超音波、高周波などの熱部材で同時にあるいは同工程で熱圧迫することができ好ましい。
このように構成されているため、ハウジング32の中心孔41aとステム33と下側の第1ステムラバー34aによって区画された一方の内容物を格納する格納A部37aと、上下のステムラバー34a、34bと固定部材35とによって区画された他方の内容物を格納する格納B室37bとを有する。
内ハウジング41は、ステムの上下動を許す中心孔41aと、下端とその中心孔41aとを連通し、連結部材の第1通路27aと連通する第1連通孔41bと、内面上部に形成された第1ステムラバー34aと係止するラバー係止部41cとからなる。また、内ハウジング41は、上部において半径方向外側に環状に突出したフランジ部41dを備えており、そのフランジ部41dには、そのフランジ部41dを上下に貫通する貫通孔41eが形成されている。さらに内ハウジング41の下端には、連結部材の第2通路27bが内ハウジング41の外周空間と連通するようにスリット41fが形成されている。
外ハウジング42は、内ハウジング41のフランジ部41dと当接する上部内面42a
と、内ハウジング41の外面を隙間を空けて覆う下部内面42bとを備えた円筒状のものである。また、外ハウジング42の下部外周には、連結部材13の内面と係止する係止突起42cが形成されている。
固定部材35は、円筒状のものであり、上に向かって半径方向外側に突出する段部35aが形成されている。さらに、段部35aには、内ハウジングの貫通孔41eと連通し、その段部35aを貫通する貫通孔35bが形成されている。
さらに、この状態でステム33を下方に押し下げると、格納A室37a内の第1内容物は、第1ステム孔33aを介して第1中心孔43cから外部あるいは噴射部材(図示せず)に押出され、格納B室37b内の第2内容物は、第2ステム孔33bを介して第2中心孔43dから外部あるいは噴射部材に押出される。
14を取り付けた内部容器12を外部容器の底部に当接させたとき、図13bの内部容器80のように、エアゾールバルブの湾曲フランジ31aが外部容器のビード部11aより上方となるように構成する。
また図1のエアゾール容器10の内部容器12において、中シート20bを金属箔層または蒸着層と合成樹脂層からなる可撓性を有する積層シートとし、下シート20aと上シート20cを可撓性を有し、金属箔層を備えない合成樹脂シート(単層または複層)としてもよい。この場合も、少なくとも第1充填室16と第2充填室17とは、可撓性を有する中シート20bからなる隔壁によって区画されるため、内容物が直接隔壁を透過して劣化することがなく、両充填室を均等に収縮させることができ、両内容物を同時に最後まで吐出させることができる。
さらに、図1のエアゾール容器10の内部容器12を構成する下シート20a、中シート20b、上シート20cを金属箔層または蒸着層を備えない可撓性の合成樹脂シート(単層または複層)としてもよい。この場合も、少なくとも両充填室を均等に収縮させることができる。
一方、中シートの面積を上下シートに対して大きくしてもよい。その場合は、中シートを折り曲げて、その側縁部を上下シートの側縁部に貼りつける。
また、上シート47a、中シート47cのみを金属箔層および蒸着層と合成樹脂層からなる可撓性の積層シートとし、下シート47cを金属箔層等を備えない可撓性の合成樹脂シート(単層または積層)としてもよく、中シート20bを金属箔層または蒸着層と合成
樹脂層からなる可撓性を有する積層シートとし、下シート20aと上シート20cを金属箔層等を備えない可撓性の合成樹脂シート(単層または複層)としてもよく、さらに、いずれのシートも金属箔層等を備えない合成樹脂シートとしてもよい。
このようにエアゾール容器を製造することにより、第1内容物Aおよび第2内容物Bを充填するための開口部を大きくとることができ、充填速度を速めることができる。このような製造方法は、図5aの内部容器41を備えたエアゾール容器および図1のエアゾール容器10にも採用することができる。
このような内部容器51は、図7c〜fに示すように、初めに、下シート51aの上に、連結部材54aを置き、その上に中シート51bを固定して下シート51aと中シート51bとで第1充填室16を形成する。
次に中シート51bの上に連結部材54bを置き、その上に上シート51cを固定して中シート51bと上シート51cとで第2充填室17を形成する。
この場合、第1内容物Aおよび第2内容物Bをそれぞれの別々に連結部材54a、54bより充填することができるため、早く、正確に行うことができる。なお、連結部材54a、bの先端にシール部材を装着し、バルブに連結するときにシール部材を破断するようにしてもよい。その場合、一方の内容物を充填後、その内容物が空気と接触するのを防止でき、各内容物の充填を別々のラインで行うことができ、また内容物の充填とバルブ装着以降の製造を別々のラインで行うこともでき、効率よく生産することができる。
この場合も充填室16、17のどちらかのみを金属箔層または蒸着層と合成樹脂層とからなる積層シートで構成し、他方を金属箔層等を備えない可撓性の合成樹脂シートで構成してもよい。つまり、上中シート51a、bを積層シートとし、下シート51cを可撓性を有する合成樹脂シートとしてもよい。さらに、中シート20bを金属箔層または蒸着層と合成樹脂層からなる可撓性を有する積層シートとし、下シート20aと上シート20cを可撓性を有し、金属箔層等を備えない合成樹脂シート(単層または複層)としてもよい。
このような内部容器は、金属箔層または蒸着層および合成樹脂層を有する矩形の積層シート56を用意し(図8b参照)、両側縁部56aが当接するように、かつ、合成樹脂層が内面となるように折れ目線Aに沿って半分に折り(折目部分56b)、その側縁部同士を貼り合わせて筒状体57を成形する(図8c参照)。この図面において、貼り合わせ部を点線で示す。ついで、その筒状体57の上下開口端57a同士が当接するように折れ目
線Bに沿って折り(図8d参照)、その折目部分57bの内面の一部を溶着によって閉じることによって成形される(図8e参照)。一方、積層シートを折りこんでから最後に側縁部56a同士および折目部分57の内面を溶着してもよい。
図8fに示すように、この内部容器55の開口部に、例えば図7の連結部材54a、bを溶着により固定することによりバルブとの連結が可能となる。
この内部容器55は、折目部分57bの内面の一部を溶着させているため、シートのエッジ部分、切断部分が露出しておらず、その部位からの劣化のおそれが少ない。また、折目部分56b自体が充填室の壁を構成しているからその部位からの劣化のおそれもない。
この場合、シート56の半分を金属箔層または蒸着層および合成樹脂層からなる積層シート部とし、他の半分を金属箔層等を有さない合成樹脂シート部とし、第1充填室のみを積層シートで構成するようにしてもよい。さらに、合成樹脂シートで構成してもよい。
このような内部容器は、金属箔層または蒸着層および合成樹脂層を有する矩形の積層シート61を用意(図9b参照)し、上下縁部61aが当接して折目部分61bが形成するように、かつ、合成樹脂層が内面となるように折れ目線Aに沿って半分に折る(図9c参照)。ついで、開口している両側縁部62a同士が当接し、折目部分62bが形成するように折り目線Bに沿って半分に折り(図9d参照)、その側縁部62a同士、側縁部62b同士、および、折目部分61b同士を溶着して筒状体62を成形する。さらに、その折目部分62bの内面の一部を溶着することによって成形される(図9e参照)。筒状体62において、折目部分61b同士を閉じず、最後に閉じてもよい。
さらに、図9fに示すように、充填室63a、63b、63cにそれぞれ円筒状の連結部材64a、64b、64cを溶着により固定することによりバルブとの連結が可能となる。なお、各充填室に3種類の内容物を充填することができるが、真ん中の充填室に内容物を充填せずに空間とすることで、両端の充填室同士の接触を防止して安定性を向上させることができる。さらに、真ん中の充填室に加圧剤を充填して、両端の充填室を内外から加圧して均等に吐出しやすくすることもできる。この場合、連結部材64bの開口を塞ぎ、この充填室を密封する。また、充填室63aと63cに連結部材64aと64bを溶着により固定してもよい(図9g参照)。
また、3つの充填室の1つまたは2つだけを金属箔層または蒸着層および合成樹脂層からなる積層シートによって構成され、他の2つまたは1つを金属箔層等を備えない合成樹脂シートによって構成されるように、積層シート部と、合成樹脂シート部とからなるシート61としてもよい。さらに、シート61としては、金属箔層等を備えない合成樹脂シートから構成してもよい。
このものは、下シート65aを用意し、その半分の大きさの中シート65bを連結部材54aを介して下シート65aの上半分に溶着する。その上に連結部材54bを配置させる。折れ線Dに沿って下シート65aを折り、下シート65aと中シート65bの反対の面とを溶着により固定する。
この内部容器65は、下端においてシートのエッジ部分が露出しないため、その部位からの劣化のおそれが小さい。
また、図10fの内部容器67のように、中シート65aの下半分を折り返すとき、中シート65aの上端からずらしてもよい。この場合、連結部材54a、54bの自由度が上がり、内容物の充填が一層容易になる。
この場合も、一方の充填室のみが金属箔層または蒸着層および合成樹脂層からなる積層シートによって構成されるようにしてもよい。さらに、全体が金属箔層等を備えない合成樹脂シートによって構成されるようにしてもよい。
内部容器71は、積層シートを上下に半分にする直線部位を溶着し、上下に充填室16、17を形成したものである。この場合、内部容器71の上端に2つの充填室と外部とを連通する連結部材71a、71bがそれぞれ設けられており、第2充填室17と外部を連結する連結部材71bは、第1充填室16を貫通して第2充填室17まで延びている。
一方、内部容器72は、積層シートを左右に半分にする直線部位を溶着し、左右に充填室16、17を形成したものである。それぞれの充填室の上端から連結部材72a、bが設けられる。
この場合も、一方の充填室のみが金属箔層または蒸着層および合成樹脂層からなる積層シートによって構成されるようにしてもよい。さらに、全体が金属箔層等を備えない合成樹脂シートによって構成されるようにしてもよい。
内部容器75は、図2の内部容器12と同様に、3枚の積層シートから構成され、2つの独立した第1充填室77および第2充填室78を並列に備えたものである。内部容器75の上シート75a、下シート75cは実質的に同じ面積であるが、中シート75bが上下シートより若干面積が小さいという点で内部容器12と異なる(図12c〜図12e参照)。ここで斜線部が連結部材との溶着部位であり、点線部がシート同士の貼着部位である。そのため、3枚のシートを重ね、それぞれの周縁部同士を熱溶着や超音波溶着により貼り合わせたとき、中シート75bの上端は、上下シートの上端より低くなるように構成されている(図12b参照)。中シート75bの下端は、上下シートの下端とあわせてもよく、若干上方となってもよい。
このように構成されているため、第1充填室77は上シート75aと中シート75bによって構成され、第2充填室78は中シート75bと下シート75cによって構成され、両充填室77、78は、中シート75bを隔壁として区画される。
されていれば、連結部材76とバルブ14の連結構造は特に限定されない。
この場合も、一方の充填室のみが積層シートによって構成されるようにしてもよい。さらに、中シート75bを金属箔層または蒸着層と合成樹脂層からなる可撓性を有する積層シートとし、下シート75aと上シート75cを可撓性を有し、金属箔層等を備えない合成樹脂シート(単層または複層)としてもよい。さらに、全体が金属箔層等を備えない合成樹脂シートによって構成されるようにしてもよい。
内部容器91は、4枚の積層シートから構成され、3つの独立した第1充填室93、第2充填室94およびそれらの間に形成される第3充填室95を備えたものである。積層シートは、図2の内部容器12と実質的に同じものが用いられ、それぞれの充填室は合成樹脂層によって覆われるように構成されている。内部容器91の上シート91a、下シート91dは実質的に同じ面積であるが、2つの中シート91bおよび91cは上下シートより若干面積が小さい。(図14c〜図14e参照)。つまり、4枚のシートを重ね、それぞれの周縁部同士を熱溶着や超音波溶着により貼り合わせたとき、中シート91b、91cの上端(第3充填室の開口部)は、上下シートの上端より低くなるように構成されている。中シート91bの下端は、上下シートの下端とあわせてもよく、若干上方となっても
よい。
このように構成されているため、第1充填室93は上シート91aと中シート91bによって構成され、第2充填室94は中シート91cと下シート91dによって構成され、第3充填室95は中シート91b、91cによって構成される。そして、第1充填室93と第3充填室95は、中シート91bを隔壁として区画され、第2充填室94と第3充填室95は、中シート91cを隔壁として区画される。
この場合も、少なくとも1つの充填室のみが金属箔層または蒸着層と合成樹脂層からなる積層シートによって構成されるようにしてもよい。さらに、中シート91bと91cを金属箔層または蒸着層と合成樹脂層からなる可撓性を有する積層シートとし、下シート91dと上シート91aを可撓性を有し、金属箔層等を備えない合成樹脂シート(単層または複層)としてもよい。さらに、全体が金属箔層等を備えない合成樹脂シートによって構成されるようにしてもよい。
この連結部材92は、3種類の内容物を独立して導入し、独立して吐出できるエアゾールバルブに取り付けられる。例えば、バルブの下端が図14bの想像線で示すような3つの独立通路98a、98b、98cを備えた連結部98に連結される。しかし、その構造は、特に限定されるものではない。
バルブアッセンブリ103は、2つの独立したエアゾールバルブ105と、それらのエアゾールバルブ105を受け入れるバルブホルダー106と、エアゾールバルブ105とバルブホルダー106を覆うようにしてエアゾールバルブ105をバルブホルダー106に固定するマウンテンカバー107とからなる。エアゾールバルブ105は、エアゾールバルブ105は従来公知のものである。
3つのシートを全て金属箔層または蒸着層および合成樹脂層を備えた積層シートとしてもよく、金属箔層等を備えない合成樹脂シートとしてもよい。また、第1充填室116(上シート118aおよび中シート118b)または第2充填室117(中シート118bおよび下シート118c)のみを積層シートから構成されるようにしてもよい。
さらに本体118では、中シート118bのみを積層シートとし、上シート118aと下シート118c(外シート)を合成樹脂シートとしてもよい。これにより第1充填室116と第2充填室117との透過を防止し、それぞれの内容物の劣化を防止することができる。つまり、本体118は外気と接しており、第1充填室116に充填された内容物は上シート118aを透過した後は大気中に拡散するため、下シート118cを透過して第2充填室117で混在するおそれが小さい。
連結部121の第1栓部121aおよび第2栓部121bはそれぞれ上下に同形で延びる断面二等辺三角形状を呈しており(図16a参照)、第1栓部121aは、第2栓部121bより上下方向に長く、下方に突出している(図16d参照)。連結部121は、第1栓部121aと第2栓部121bとが上端位置を同じにしており、それぞれの平面部が相対するように並列された一体成形品である。視点を変えて説明すると、連結部材119は全体として、上端から第2栓部121bの下端の位置まで延びる断面ひし形の上柱体120aと、それより下方に延びる断面二等辺三角形状の下柱体120bとから構成される(図16c参照)。第1栓部121aおよび第2栓部121bには、それぞれ上下方向に貫通する貫通孔123a、123bが形成されている。
このように中シート118bを下柱体120bの平面(第1栓部と第2栓部の間の段部)に貼り付けることができるため、中シート118bを容易に、かつ、強固に固定することができる。また、この吐出部材119の連結部121は、断面ひし形をしているため、連結部121の横嵩を小さくでき、また、シートは平面部に固定でき、漏洩のおそれが小さい。
また、この二液吐出容器115の本体118を4枚以上の可撓性のシートを重ね、3つ以上の充填室を備えたものとしてもよい。この場合、吐出部材もその充填室の数に応じた栓部を備えていることになる。
さらに、この二液吐出容器115において、吐出部材の連結部121を、図3の連結部材の下部23と同様の構造にしてもよい。つまり、第1栓部と第2栓部とをスリットを境界としてする柱状のものとしてもよい。このようにすることにより、本体118内の内容物を独立して吐出させることができる。
11 外部容器
11a ビード部
12 内部容器
13 連結部材
14 エアゾールバルブ
16 第1充填室
17 第2充填室
19a 第1部位
19b 第2部位
20a 下シート
20b 中シート
20c 上シート
23 下部
23a、23b 外周面
24 上部
24a 中心孔
26 スリット
27a 第1通路
27b 第2通路
28 段部
31 マウンティングカップ
31a 湾曲フランジ
31b ハウジング保持部
32 ハウジング
33 ステム
33a 第1ステム孔
33b 第2ステム孔
34a 第1ステムラバー
34b 第2ステムラバー
35 固定部材
35a 段部
35b 貫通孔
36 バネ
37a 格納A部
37b 格納B室
41 内ハウジング
41a 中心孔
41b 第1連通孔
41c ラバー係止部
41d フランジ部
41e 貫通孔
41f スリット
42 外ハウジング
42a 上部内面
42b 下部内面
42c 係止突起
43a 第1凹部
43b 第2凹部
43c 第1中心孔
43d 第2中心孔
43f 円筒部
43g 円筒部
46 内部容器
46a 下シート
46b 上シート
46c 中シート
47 内部容器
47a 下シート
47b 中シート
47c 上シート
47d 仮の内部容器
51 内部容器
51a 下シート
51b 中シート
51c 上シート
54a、54b 連結部材
55 内部容器
56a 両側縁部
56b 折目部分
57 筒状体
57a 上下開口端
57b 折目部分
60 内部容器
61a 側縁部
61b 折目部分
62 筒状体
62a 側縁
62b 折目部分
63a、63b、63c 充填室
65 内部容器
65a 下シート
65b 中シート
71、72 内部容器
71a、71b 連結部材
72 内部容器
72a、72b 連結部材
75 内部容器
75a 上シート
75b 中シート
75c 下シート
76 連結部材
76a チューブ
77 第1充填室
78 第2充填室
80 内部容器
80a 支持部
81a 第1栓部
81b 第2栓部
82a 円柱体
82b 柱体
83a、83b 貫通孔
91 内部容器状
91a 外シート
91b、91c 中シート
91d、91e 下シート
92 連結部材
93 第1充填室
94 第2充填室
95 第3充填室
96a 第1栓部
96b 第2栓部
96c 第3栓部
92a 柱状体
92b 柱体
97a、97b、97c 貫通孔
98a、98b、98c 独立通路
100 二液吐出容器
101 外部容器
101a 胴部
101b 肩部
101c 首部
101d フランジ部
102 内部容器
103 バルブアッセンブリ
104 吐出部材
105 エアゾールバルブ
106 バルブホルダー
107 マウンテンカバー
111 基部
112 ホルダー部
115 二液吐出容器
116 第1充填室
117 第2充填室
118 本体
118a 上シート
118b 中シート
118c 下シート
119 吐出部材
120 蓋材
120a 上柱体
120b 下柱体
121 連結部
121a 第1栓部
121b 第2栓部
122 吐出部
123a、123b 貫通孔
Claims (19)
- 外部容器と、外部容器に収容される内部容器と、外部容器および内部容器を密閉する弁機構とからなり、
内部容器が、金属箔層および合成樹脂層を備えた可撓性を有する積層シートにより構成され、内容物を収容する充填室を複数個有しており、
前記複数の充填室が並列に設けられている、
複数液吐出容器。 - 外部容器と、外部容器に収容される内部容器と、外部容器および内部容器を密閉する弁機構とからなり、
前記内部容器は、可撓性を有するシートにより構成されており、
内容物を収容する充填室を複数個有し、前記充填室は並列しており、
前記充填室の少なくとも1つが、金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも二層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されている、
複数液吐出容器。 - 前記内部容器が、前記積層シートを折り畳んだ折目部分を有し、その折目部分の内面の一部が貼り合わせられている、請求項1または2記載の複数液吐出容器。
- 前記内部容器が、1枚の積層シートから構成されている、
請求項3記載の複数液吐出容器。 - 前記内部容器の充填室同士が、前記積層シートからなる隔壁によって区画されている、請求項1または2記載の複数液吐出容器。
- 前記内部容器が、複数の積層シートの側縁部同士を貼り合せて構成されている、請求項1または2記載の複数液吐出容器。
- 前記内部容器が、異なる面積の積層シートを貼り合わせて構成されており、
大きい積層シートを折り畳み、その側縁部を小さい積層シートの側縁部に貼り合わせた請求項6記載の複数液吐出容器。 - 前記内部容器が、3枚の積層シートを重ねて貼り合わせたものであり、
2つの充填室を有している、
請求項5記載の複数液吐出容器。 - 前記内部容器を外部容器内に収容したとき、
その内部容器が、それ自身を支持し、外部容器の底部と当接する支持部を備えた、
請求項1記載の複数液吐出容器。 - 内部容器に、弁機構と連結する連結部材が装着されており、
弁機構および連結部材が、内部容器の充填室と外部とをそれぞれ独立して連通させる通路を備えている、請求項1〜9のいずれか記載の複数液吐出容器。 - 前記連結部材が、複数の充填室の開口部にそれぞれ固着されて閉じる複数の並列した栓部を備えた一体成形品であり、
少なくとも2つの充填室と2つの栓部の固着部位の高さが異なるように構成された、
請求項10記載の複数液吐出容器。 - 外部容器と、外部容器に収容される内部容器と、外部容器および内部容器を密閉する弁機構とからなり、
前記内部容器は、可撓性を有するシートにより構成され、複数の充填室を有しており、
前記充填室は並列しており、それぞれの充填室と弁機構とは独立して連通しており、
前記充填室同士は前記シートからなる隔壁によって区画されている、
複数液吐出容器。 - 請求項1〜12いずれかに記載の吐出容器と、
内部容器の各充填室に充填される複数の内容物と、
外部容器内に充填される加圧剤とからなる、
複数液吐出製品。 - 可撓性を有するシートにより構成され、内容物を収容する充填室を複数個有する容器本体と、前記複数個の充填室を閉じ、それぞれの充填室と大気とを独立して連通させる通路を有する吐出部材とを備えており、
前記充填室同士はシートからなる隔壁によって区画されている、
複数液吐出容器。 - 前記容器本体は、可撓性を有する2枚の外シートと、その間に挟まれる可撓性を有する1枚または2枚以上の中シートとを重ねて構成されている、
請求項14記載の複数液吐出容器。 - 少なくとも中シートの一枚が金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも二層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されている、
請求項15記載の複数吐出容器。 - 前記充填室の少なくとも1つが、金属箔層、合成樹脂層、蒸着層から選ばれる少なくとも二層を備えた可撓性を有する積層シートによって構成されている、
請求項14記載の複数液吐出容器。 - 前記容器本体は、第1充填室と第2充填室とを有し、
前記吐出部材は、第1充填室を閉じる第1栓部と、第2充填室を閉じる第2栓部とを備え、前記第1栓部および第2栓部がそれぞれの充填室と大気とを連通する第1通路および第2通路を有しており、
前記吐出部材は、第1栓部と第2栓部が並列され、かつ、第1栓部または第2栓部の一方が下方に突出した一体成形品である、
請求項14記載の複数液吐出容器。 - 前記容器本体は、第1充填室と第2充填室とを有し、
前記吐出部材は、第1充填室を閉じる第1栓部と、第2充填室を閉じる第2栓部とを備え、前記第1栓部および第2栓部がそれぞれの充填室と大気とを連通する第1通路および第2通路を有しており、
前記吐出部材は、第1栓部と第2栓部が並列された一体成形品であり、下端に隔壁を構成するシートの上端を固定するスリットが設けられている、
請求項14記載の複数液吐出容器。
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