JP6630494B2 - 吐出製品 - Google Patents
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Description
このような吐出製品は、外力を与えると内容器が外容器内で揺れる。そのため、内容器が損傷したり、内容器とバルブアッセンブリとを連結している連結部材が損傷したりするおそれがある。
本出願人は、内容物を内容器(パウチ)に充填させた状態で、内容器の外面が外容器の内面を押圧し、当接させることにより、外容器内での内容器の動きを防止した二重容器タイプの吐出製品を提案している(特許文献1)。
なお、特許文献2には、二重容器タイプではないが、外形が楕円の外容器を備えた吐出製品が開示されている。
本発明は、内容器の外形(または複数の内容器の外接形状)と、外容器の内形とを調整することにより、外力に対して強い二重タイプの吐出製品を提供することを目的としている。
特に、外容器の胴部の断面形状が楕円、長円または多角形(長方形、ひし形の四角形)である場合、外容器の内面形状と内容器の外形(あるいは複数の内容器の外接形状)と合わせやすい。
この吐出製品10において、外容器11の胴部11aの長径方向が吐出製品10の前後方向であり、胴部11aの短径方向が吐出製品10の左右方向である。そして、押ボタン15の噴射孔15aは外容器11の胴部11aの長径方向を向いている。
胴部11aは、内形および外形が楕円となっている。その内面は、楕円の長径(長中心線)LCを中心に相対する2つの湾曲長面11a1が連結したものである(図1c参照)。胴部の楕円の楕円率または長円の短径に対する長径の比率は、1.1〜3、特に1.2〜2.5が好ましい。楕円率が3より大きいと湾曲長面11a1の端部(長中心線LC近辺の湾曲部)の肉厚と湾曲長面11a1の中心部(短中心線上近辺の湾曲部)の肉厚との差を小さくして成形することが困難となり、それらの部位の内圧に対する強度に大きさ差ができる。結果、吐出製品10の外容器11として十分な強度を得ることができない。特に、外容器11をブロー成形で成形する場合、湾曲長面11a1の端部の肉厚が、湾曲長面11a1の中心部の肉厚に対して大きくなり、高温環境下において、湾曲長面11a1の中心部が端部に比べて膨張しやすくなる。楕円率が1.1より小さいと、内容器の保護、持ちやすさ、充填時の位置合わせ、などの本願の効果が得られにくくなる。
肩部11cは、胴部11aから首部11dに向かって、つまり、下から上に向かって断面形状の楕円の楕円率が1に収束するようになっている。そのため、湾曲長面11a1の中心から両端部に向かって徐々に水平に対する角度が緩やかになるよう構成されている。
首部11dの上端には、半径方向外側に突出するフランジ部11eが形成されている。そして、首部11dの内面は垂直面からなる円筒状となっている。
このような外容器11は、透明な合成樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等から成形される。しかし、透明でなくてもよく、また、内面および/または外面に炭素やシリカなどの蒸着膜を設けてもよい。
内容物Cを充填して膨らませたときのパウチ16の扁平度は、外容器の胴部の楕円率および内容器12の数に応じて適宜決定される。
なお、パウチ16の長さは、内容物を充填したときパウチ16の底が外容器11の底部に支持される長さ、あるいは、それより長くなっている。
固定部19は、パウチ16のシートを溶着または接着するための平面部19aを有するものである。この実施形態では、断面が略ひし形となっており、ひし形の長い対角線がパウチ16の扁平な幅方向と略平行となるように配置されている。しかし、固定部19の形状は、特に限定されるものではなく、パウチ16の開口部を固定できるような筒体であればよい。
誘導部20は、パウチ16が収縮したとき、パウチ16の表裏面の内面同士が当接してパウチ16内に内容物が残存しないように、パウチ16内の内容物を固定部19の中心孔19bまで誘導する部材である。この誘導部20は、収縮したパウチ16と誘導部20との間に通路が形成されるように表裏面に凹凸が形成された棒状である。例えば、特開2015−58980号公報の流路部材が知られている。
なお、誘導部20としては、筒状のディップチューブや、上下に複数の側孔を設けたディップチューブなどを用いてもよい。また誘導部20は省略してもよい。
このように内容器12は外容器11に収容されているため、外側のパウチ面16aは外容器11の湾曲長面11a1と面接触し、内側のパウチ面16bは他方のパウチ面の内側と面接触する。このとき、両パウチ16の外側のパウチ面16aは実質的に同じように湾曲長面11a1の内面と当接している。つまり、両パウチ16の内圧は同じであるため、外容器11の両湾曲長面11a1は実質的に同じ合力をそれぞれのパウチ面16aから受けることとなる。よって、内容器12は外容器11内で水平左右方向に支持されている。また、この実施形態では、図2bに示すように、パウチ面の端部(貼り合せ部16b)が外容器11の湾曲長面11a1の端部近辺と当接しており、外容器11内で水平前後方向にも支持されている。
このように内容物が充填された内容器12は、外容器11内で水平(前後および左右)方向に支持されているため、吐出製品10に外力を与えても内容器12が水平左右方向に動くことがない。そのため、内容器12とバルブアッセンブリ13を連結している連結部材17が折れる等の損傷に至ることがない。
なお、パウチ面の端部(貼り合せ部16b1)は、図2cの想像線に示すように、必ずしも外容器11の湾曲長面11a1の端部と当接していなくてもよく、若干離れていてもよい。つまり、吐出製品10に外力が与えられたとき、内容器12が水平前後方向に若干折れ曲がってから外容器11の湾曲長面11a1に当接するようにしてもよい。この場合、吐出製品10への外力は内容物が吸収し、連結部材17には大きな負担はかからない。
栓部34の外周にはシール材(Oリング)S1が保持されている。シール材S1は、栓部34の外面と外容器11の首部11dの内面との間で圧縮される(図1参照)。
蓋部35は、全体の向きがわかるように、扇状に切り欠いた切欠平面部35aを備えた断面円弧形状となっている。また蓋部35の下端は、外容器11のフランジ部11eの上に配置されるフランジ部35bが半径方向外側に突出して形成されている。バルブホルダー31は、切欠平面部35aが吐出製品10の前方を向くように設置される(図1c参照)。
2本のバルブ保持孔36は、前記蓋部の切欠平面部35aと平行するように、外容器11の中心軸を挟んで相対して並んでいる。バルブ保持孔36は、下方に向かって縮径するテーパー状の支持段部36aを備えている。支持段部36aは、後述するエアゾールバルブ32を支持する部位であり、支持できればその形状は特に限定されない。
支持段部36aの上方には、支持段部36aと連続する内側内壁36bが設けられている。そして、その内側内壁36bの外周には、環状の溝部36cを介して外側内壁36dが設けられている。
支持段部36aの下方には、円筒状の下部内面37が延びており、その下部に半径方向内側に突出した係合突起37aが形成されている。この係合突起37aは、内容器12の連結部材17の装着部18の係合突起18aと係合するためのものである。係合突起37aおよび係合突起18aの代わりに、下部内面37と筒状の連結部材17と嵌合するように設計してもよい。
このエアゾールバルブ32のハウジング32aの下端の連結部32a1を、内容器13の連結部材17の装着部18と連結することにより、内容器13は密閉される。
なお、ハウジング32aおよびカバー32eを省略し、バルブホルダーのバルブ保持孔36内にステム32b、ステムラバー32c、バネ32dを直接収容し、カバーキャップ33で閉じてもよい。
マウント部38は、その天面38aにエアゾールバルブ32のステム32bを通す孔38bが2つ形成されている。マウント部38は、蓋部35と同様に、平面視の形状が2つのエアゾールバルブのステムを結ぶ線と平行な線によって一部を切り欠いた円となっており、バルブホルダーの蓋部35と同様に、湾曲側面部38cと、平側面部38dとからなる筒体となっている(図1c参照)。そして、この平側面部38dは、バルブホルダー31の切欠平面部35aに沿うように設けられている。つまり、平側面部38dは、吐出部材を装着するときの吐出製品10の前後の向き認識手段となり、この実施形態では平側面部38dは前方を向いている。
図4bの吐出製品40bは、外容器41aの胴部の断面形状が長方形となっている。そして、この長方形の長中心線LCを中心に対向する2つの長面41b1は2つの内容器12と均等に当接している。他の構成は、図1の吐出製品10と実質的に同じである。
なお、外容器の胴部の断面形状は、扁平で点対称かつ線対称な図形であれば、特に限定されるものではなく、2つの平行な線の端部を曲線で連結した形状、扁平なひし形や、他の多角形であってもよい。ひし形の場合、長対角線(長中心線)を中心に対向する2つの屈曲面(2つの面が鈍角で連結している)は2つの内容器12と均等に当接している。
図4cの吐出製品40cは、胴部の断面形状が長円の外容器41aに内容器12を3つ収容したものである。内容器12は、図1の内容器12と実質的に同じである。内容器12は、外容器の短径方向に3つ並べられている。この場合も、内容器12の内圧は同じであるため、それぞれ内容物を充填した内容器12は2つの湾曲長面41a1とそれぞれ均等に当接している。
この吐出製品50において、外容器51の胴部51aの短径方向が吐出製品50の前後方向であり、胴部51aの長径方向が吐出製品50の左右方向である。そのため、押ボタン15の噴射孔15aは、外容器51の胴部51aの短径方向を向いている。
胴部51aは、内形および外形が長円(2つの円を直線で連結した形状)となっている。その内面は、長円の長径LCを中心に相対する2つの湾曲長面51a1が連結したものである(図5c参照)。胴部の楕円または長円の短径に対する長径の比率は、1.1〜3、特に1.2〜2.5が好ましい。楕円率が3より大きいと湾曲長面51a1の端部(長中心線LC近辺の湾曲部)と湾曲長面51a1の中心部(短中心線上近辺の湾曲部)との肉厚差を小さくして成形することが困難となり、吐出製品50の外容器51として十分な強度を得ることができない。特に、外容器51をブロー成形で成形する場合、湾曲長面51a1の端部の肉厚が、湾曲長面51a1の中心部の肉厚より大きくなりやすく、高温環境下において、中心部が膨張しやすくなる。楕円率が1.1より小さいと、内容器の保護、持ちやすさ、充填時の位置合わせ、などの本願の効果が得られにくくなる。
内袋56は、円筒状の胴部56aと、その胴部の下端を閉じる円形の底部56bと、その胴部の上端に形成されたテーパー状の肩部56cと、その肩部の上端に形成された円筒状の首部56dとを有する。
連結部材57は、バルブアッセンブリ13に装着される筒状の装着部18と、その装着部の下端に同軸上に設けられ内袋56の首部56dの開口部が固定される筒状の固定部57aと、その固定部57aの下端から内袋の底部に向かって延び、内容物を固定部内に誘導する誘導部20とを備えている。装着部18および誘導部20は、図1の吐出製品10と実質的に同じものである。
固定部57aは、内容器52の首部56dと嵌合するように挿入される部位である。その形状は、内容器52の首部56dに応じて決定される。
この吐出製品50も、外容器51の胴部の外形が長円であるため、使用者にとって持ち易い。また、製造時において位置合わせが容易である。さらに、使用者による押ボタン等の再装着も容易である。内容器52の内袋56の外面は、外容器51の両側の湾曲長面51a1と面接触する。さらに、一方の内袋56は、外容器51の中心軸近辺で、他方の内袋56と面接触する。これらは、同圧で接触している。そのため、内容器52は外容器51内で水平左右および前後方向に支持されている。そのため、吐出製品50が外力等を受けても、内容器52が外容器51内で揺れたり、動くことがない。そして、その動きにより連結部材57が折れたり、損傷したりすることがない。
吐出製品60において、外容器11の胴部11aの長径方向が吐出製品60の前後方向であり、胴部11aの短径方向が左右方向である。しかし、この吐出製品60では逆にしてもよい。しかし、押ボタン15の噴射孔15aが外容器11の胴部11aの長径方向を向いている方が使用しやすい。
この吐出製品60も、図1の吐出製品10および図4の吐出製品40と同様の効果を奏する。
S2 Oリング
10 吐出容器
11 外容器
11a 胴部
11a1 湾曲長面
11b 底部
11c 肩部
11d 首部
11e フランジ部
12 内容器
13 バルブアッセンブリ
14 肩カバー
15 押ボタン
15a 噴射孔
16 パウチ
16a パウチ面
16b 貼り合せ部
17 連結部材
18 装着部
18a 係合突起
19 固定部
19a 平面部
19b 中心孔
20 誘導部
31 バルブホルダー
32 エアゾールバルブ
32a ハウジング
32a1 連結部
32b ステム
32c ステムラバー
32d バネ
32e カバー
33 カバーキャップ
34 栓部
35 蓋部
35a 切欠平面部
35b フランジ部
36 バルブ保持孔
36a 支持段部
36b 内側内壁
36c 溝部
36d 外側内壁
37 下部内面
37a 係合突起
38 マウント部
38a 天面
38b 孔
38c 湾曲側面部
38d 平側面部
39 固着部
40a、40b、40c 吐出製品
41a 外容器
41a1 湾曲長面
41b1 長面
50 吐出製品
51 外容器
51a 胴部
51a1 湾曲長面
51b 底部
51c フランジ部
52 内容器
56 内袋
56a 胴部
56b 底部
56c 肩部
56d 首部
57 連結部材
57a 固定部
60 吐出製品
61 バルブアッセンブリ
Claims (2)
- 胴部、底部、肩部および首部を有する外容器と、
前記外容器内に収容される可撓性を有する2つの内容器と、
前記外容器および内容器を閉じ、内容器内と外部とを連通する通路を開閉するバルブアッセンブリと、
前記内容器に充填される内容物と、
前記外容器と内容器の間の空間に充填される加圧剤とを備えた吐出製品であって、
前記外容器の胴部の断面形状が楕円または長円であり、
前記首部が円筒状であり、
前記肩部が胴部の上端から首部に向かって次第に円形に収束するテーパ状であり、
前記内容器が、拡縮するパウチと、そのパウチと前記バルブアッセンブリとを繋ぐ円筒状の連結部材とからなり、
前記2つの内容器が前記外容器の胴部の断面形状の長中心線に対して垂直に並んで収容されており、
前記外容器の胴部の断面形状の長中心線を中心に対向する2つの面が、それぞれ内容物を充填したパウチの外側の面と均等に当接し、パウチの内側の面が他のパウチの内側の面と当接している、
吐出製品。 - 前記内容物を充填した内容器の断面形状が扁平で、点対称かつ線対称な形状であり、
前記2つの内容器が、外容器の胴部の断面形状の長中心線と前記内容器の胴部の断面形状の長中心線とが平行となるように前記外容器に収容されている、
請求項1記載の吐出製品。
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