JP2012102768A - 鉄道車両用歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】更なる小型化を図ることが可能な車両用歯車装置を得る。
【解決手段】車輪軸23を回転可能に支持する軸受1と、筒状を成し車輪軸23が歯車箱を貫通して突出する部分にて軸受1の外側に取り付けられ、車輪軸23の外周面に取り付けられた回転側軸受押え10と、軸受1および回転側軸受押え10の外周を取り囲み、歯車箱15に固定された固定側軸受押え14と、中空部を有する環状板状を成し回転側軸受押え10の外周部と固定側軸受押え14の内周部との間に取り付けられ、内縁部が前記外周部に接触し、かつ、前記内縁部から外縁部までの長さが前記内周部から前記外周部までの長さ以上に形成され、車輪軸23よりも柔らかい材質で形成された複数のシーリング13と、中空部を有する環状板状を成し各シーリング13の間に取り付けられたスペーサ12と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両用歯車装置に適用されるラビリンスシールに関するものである。
鉄道車両用歯車装置(以下単に「歯車装置」と称する)は、台車枠に設置され、主電動機の回転子軸に接続された小歯車と、車輪軸と一体化され小歯車とかみ合わされる大歯車と、を歯車箱(ギヤケース)に納めて成り、主電動機からの回転トルクを車輪軸に伝達して車軸に取り付けられた車輪を回転駆動させる。歯車箱内では、大歯車の回転により潤滑油をかき揚げて、歯車の噛み合い部や、大歯車および小歯車の両端に設けた軸受などの焼き付きを防止している。
ただし、回転駆動によって発生する機内の圧力が機外よりも高まるにつれて、潤滑油の一部が、機外と機内との境界部(歯車箱から回転子軸などが突出する箇所)から漏洩する可能性が高まると共に、機外の塵埃などがこの境界部から浸入するおそれがある。そのため、一般的に歯車装置には、この境界部にラビリンスシールが設けられている。
例えば、下記特許文献1に示される従来技術は、車輪軸あるいは小歯車軸に取り付けた油切りと、軸受押えとの間に、非接触ラビリンスシールを形成することによって、潤滑油が機外へ漏洩するのを抑制している。
特開平11−201264号公報
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来の技術によれば、以下に示すような問題点があった。台車枠の限られたスペースに設置される歯車装置には、さらなる小型化が要求される。一方で、非接触ラビリンスは、ラビリンス性能(防塵効果あるいは潤滑油の漏洩抑制効果)を満たしながら小型化を図る場合、高い制作精度や組立精度が要求される。上記特許文献1に代表される従来技術は、潤滑油の漏洩を防止するために、金属製の非接触ラビリンスを用いているため、ラビリンス性能と歯車装置の小型化とを両立させようとした場合、歯車装置のコストUPを招くこととなるため、結果として、歯車装置の更なる小型化を図ることが困難という課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、更なる小型化を図ることが可能な車両用歯車装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、鉄道車両の台車枠に取り付けられた主電動機の回転軸から回転力を伝える小歯車と、前記台車枠に取り付けられた車輪軸に固着され前記小歯車とかみ合い回転力を伝える大歯車とを歯車箱に収めて成る鉄道車両用歯車装置であって、前記車輪軸を支持する軸受と、筒状を成し、前記車輪軸が前記歯車箱を貫通して突出する部分にて前記軸受の外側に取り付けらされ、前記車輪軸の外周面に取り付けられた第1の軸受押えと、前記軸受および前記第1の軸受押えの外周を取り囲み、前記歯車箱に固定された第2の軸受押えと、中空部を有する環状板状を成し、前記第1の軸受押えの外周部と前記第2の軸受押えの内周部との間に取り付けられ、内縁部が前記外周部に接触し、かつ、内縁部から外縁部までの長さが前記内周部から前記外周部までの長さ以上に形成され、前記車輪軸よりも柔らかい材質で形成された複数の第1の円環部材と、中空部を有する環状板状を成し、前記各第1の円環部材の間に取り付けられた第2の円環部材と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、軸受よりも柔らかい材質で形成された複数の第1の円環部材(シーリング)が第1の軸受押えの外周部と第2の軸受押えの内周部との間に取り付けられ、その内縁部が前記外周部に接触し、かつ、その内縁部からその外縁部までの長さが前記内周部から前記外周部までの長さ以上に形成されるようにしたので、車両用歯車装置の更なる小型化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる鉄道車両用歯車装置が設置された台車枠を示す図である。 図2は、図1の鉄道車両用歯車装置の車輪軸が貫設されている部分を拡大して断面とした要部拡大断面図である。 図3は、シーリングの内周部から外周部までの距離と、回転側軸受押えの外周部から固定側軸受押えの内周部までの距離との関係を説明するための図である。
以下に、本発明にかかる鉄道車両用歯車装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる鉄道車両用歯車装置21a、21bが設置された台車枠30を示す図であり、図2は、図1の鉄道車両用歯車装置21a、21bの車輪軸23a、23bが貫設されている部分を拡大して断面とした要部拡大断面図である。説明の順としては、まず図1を用いて、本実施の形態にかかる鉄道車両用歯車装置(以下単に「歯車装置」と称する)21a、21bと、主電動機20a、20bと、車輪軸23a、23bとの関係を説明する。その後に図2および図3を用いて、歯車装置21a、21bに適用される接触ラビリンスの構造を説明する。
図1は、台車枠30に設けられた車両用駆動装置の構成を示すものであり、車両用駆動装置は、台車枠30に設置された主電動機20a、20bと、台車枠30に回転可能に設置された車輪軸23a、23bと、主電動機20a、20bおよび車輪軸23a、23bに連結され主電動機20a、20bの回転数を減じて車輪軸23a、23bに駆動力を伝達する歯車装置21a、21bと、を含んで構成されている。
台車枠30には、一例として、主電動機20aおよび20bが対角に配置されると共に、車輪6が嵌設された車輪軸23aおよび車輪軸23bが取り付けられている。車輪軸23aは歯車装置21aに取り付けられ、車輪軸23bは歯車装置21bに取り付けられている。主電動機20aの回転軸と歯車装置21aのピニオン軸とはたわみ軸継手22aにより可撓的に連結され、主電動機20bの回転軸と歯車装置21bのピニオン軸とはたわみ軸継手22bにより可撓的に連結されている。
主電動機20aおよび主電動機20bの回転軸は、車輪軸23aおよび車輪軸23bと平行になるように構成されている。なお、本実施の形態においては、主電動機の個数を2個としているが、これに限定されず、他の個数を用いるものであってもよい。
歯車装置21aは、主電動機20aの回転数を減じて車輪軸23aに伝達するものであり、主電動機20aの回転トルクが、たわみ軸継手22aを介して歯車装置21aに伝達され、車輪軸23aおよび車輪6が回転駆動される。歯車装置21aの内部には、たわみ軸継手22aから回転力を伝える図示しない小歯車と、車輪軸23aに固着され小歯車にかみ合い車輪軸23aに回転力を伝達する図示しない大歯車と、が収納されている。
歯車装置21aと同様に、歯車装置21bの内部には、たわみ軸継手22bから回転力を伝える図示しない小歯車と、車輪軸23bに固着され小歯車にかみ合い車輪軸23bに回転力を伝達する大歯車とが収納されている。
そして、車輪6と図示しないレールとの間に生じる摩擦力により、台車枠30上に搭載された車体(図示せず)が台車枠30とともに牽引される。
なお、歯車装置21aおよび歯車装置21bは、台車枠30に取り付けられた吊り装置(図示せず)を介して台車枠30と一体的に固定される。その接続構成は公知の一般的な態様であるから説明を割愛する。
次に、図2を用いて、図1に示した歯車装置21a、21bに適用される接触ラビリンスの構造を説明する。
図2に示される歯車装置21の断面図は、例えば、図1に示される歯車装置21a(21b)の車輪軸23a(23b)方向の断面図であり、図2では、便宜上、車輪6が設置されている図2左側を「車輪側3b」と称し、歯車装置の内部側を「内部側3a」と称する。
歯車装置21の筐体である歯車箱15には、歯車箱15の車輪側3bに配設され、軸受1の外周を取り囲み、歯車箱15に一体的に固定され、軸受1の外輪1a側面を支持する固定側軸受押え14(第2の軸受押え)が取り付けられている。この固定側軸受押え14には、後述するシーリング13(第1の円環部材)のうち最も外側に取り付けられたシーリング13の外側において、車輪軸23の方向に延在する鍔部14aが形成されている。なお、図2では、固定側軸受押え14が保守性を考慮して車輪側3bから螺入されるボルトによって固定されているが、これに限定されるものではない。
車輪軸23には、筒状を成し、軸受1の車輪側3bに配設され、車輪軸23と固定側軸受押え14との間に介在して車輪軸23の外周面を取り囲み、車輪軸23に一体的に固定され、軸受1の内輪1b側面を支持する回転側軸受押え10(第1の軸受押え)が取り付けられている。
軸受1は、回転側軸受押え10よりも機内側に配設され、固定側軸受押え14と車輪軸23との間に介在し、その外輪1aが固定側軸受押え14の内周部14bに嵌着され、その内輪1bが車輪軸23と一体的に回転するように取り付けられている。そして、車輪軸23は、この軸受1によって回転可能に支持されている。
固定側軸受押え14と回転側軸受押え10との間には、所定の隙間が形成されている。具体的には、固定側軸受押え14の内周部14bと、回転側軸受押え10の外周部10aとの間には、図2に示されるシーリング13およびスペーサ12(第2の円環部材)を取り付け可能な空間が形成されている。
内周部14bと外周部10aとの間には、複数のシーリング13とスペーサ12が車輪軸23の軸線方向に、交互に積層されて配設されている。このシーリング13およびスペーサ12の組は、例えば、車輪側3bから内部側3aに向けて、シーリング13、スペーサ12、シーリング13という順番で配設され、最後にシーリング13が配設されて成る構成である。
車輪側3bのシーリング13は、鍔部14aによって位置決めされ、内部側3aのシーリング13は、軸受1の車輪側3b側に配設された抜け止めリング11(第3の円環部材)で横方向に押圧される形で位置決めされている。抜け止めリング11は、シーリング13およびスペーサ12が軸受1側に抜けることを防止すると共に、各シーリング13およびスペーサ12の揺動を最小限に抑えることによって、ラビリンス性能の低下を抑制する。
シーリング13は、機外からの塵埃の浸入を防ぐと共に、機内の潤滑油の漏洩を抑制するためのものである。スペーサ12は、各シーリング13の間に配設され、シーリング13の内縁部(すなわち、外周部10aと当接する部分)の撓み分を見込んで、隣接するシーリング13間に一定の空間を確保するためのものである。
次に、図2に示される各スペーサ12およびシーリング13の構造を詳細に説明する。以下の説明では、固定側軸受押え14の内周部14bと区別するために、スペーサ12の内周部を「内縁部」と称する。同様に、シーリング13の内周部を「内縁部」と称する。また、回転側軸受押え10の外周部10aと区別するために、シーリング13の外周部を「外縁部」と称する。
まず、スペーサ12に関して説明する。図2に示されるように各スペーサ12は、シーリング13の間に配設され、中空部を有する環状板状に形成され、その外径がシーリング13の外径と概略等しい大きさに形成され、その内径がシーリング13の内径より大きく形成されている。従って、スペーサ12の内縁部から回転側軸受押え10の外周部10aまので間には、所定の空隙が形成されることとなる。
車輪軸23の軸線方向におけるスペーサ12の厚みは、シーリング13の撓み量を見込んだ値として、例えば、0.5mm程度である。なお、スペーサ12の材質は特に限定されるものではない。また、シーリング13とスペーサ12との全体の厚さを軸方向に2〜5%圧縮して取り付けることによって、回転側軸受押え10との共回りを防ぐことが可能である。
次に、シーリング13に関して説明する。シーリング13は、中空部を有する環状板状を成すものである。シーリング13は、固定側軸受押え14の内周部14bと回転側軸受押え10の外周部10aとの間に介在し、外縁部が固定側軸受押え14の内周部14bに当接し、内縁部が回転側軸受押え10の外周部10aに当接するように形成されている。すなわち、シーリング13の内縁部から外縁部までの距離は、外周部10aから内周部14bまでの距離と等しい長さに形成され、あるいは外周部10aから内周部14bまでの距離よりも若干長く形成されている。例えば、シーリング13の内縁部から外縁部までの距離は、外周部10aから内周部14bまでの距離の100〜101%とする。このようにすれば、シーリング13の内縁部から外縁部までの距離と外周部10aから内周部14bまでの距離とは、シーリング13の摩耗によって最終的には等しくなる。すなわち、シーリング13の内縁部が回転側軸受押え10の外周部10aに当接した状態が保たれる。
図3は、シーリング13の内縁部から外縁部までの距離と、外周部10aから内周部14bまでの距離との関係を説明するための図である。図3には、車輪軸23の断面と、車輪軸23の外周面を取り囲む回転側軸受押え10の断面と、回転側軸受押え10の外周に配設されたシーリング13の断面が示されている。以下の説明では、簡単のため、回転側軸受押え10の外周部10aにおける外径を「外径ΦA」と称する。
図3において、シーリング13の内縁部と回転側軸受押え10の外周部10a(図2参照)が接触した状態となっている。
ここで、従来の歯車装置には、上記課題でも説明をしたように、金属製の非接触ラビリンスが採用されているが、金属製の非接触ラビリンスは、その構造が複雑であるが故に小型化には限界があり、高い制作精度や組立精度が要求される。他方、本実施の形態にかかる歯車装置21には、回転側軸受押え10にシーリング13を接触させる、いわゆる接触ラビリンスを採用している。すなわち、図3に示すように、シーリング13の内縁部の内径は、外径ΦA以下の値に設定されている。
この接触ラビリンスは、スペーサ12およびシーリング13にて構成される。このシーリング13に、車輪軸23の材質よりも硬い材質を採用した場合、車輪6の回転に伴って車輪軸23の外周面が摩耗する可能性がある。車輪軸23のメンテナンスサイクルを考慮すると、このような車輪軸23の摩耗は望ましいことではない。
一方、車輪軸23の材質よりも柔らかいシーリング13を採用した場合、車輪軸23の摩耗を抑制することはできるものの、シーリング13の硬度(ショア硬さHs)が低すぎると遠心力によってシーリング13が変形してラビリンス性能が低下する可能性がある。また、遠心力対策として硬度を高くしすぎるとシーリング13が折損する可能性が高まることとなる。
本実施の形態にかかる歯車装置21では、シーリング13の材質に、耐磨耗性と耐遠心力性を兼ね備えた高分子材料(例えばナイロン等)を用いている。そして、発明者は、シーリング13の変形を抑制し、かつ、折損を防止することが可能なシーリング13のショア硬さとして、例えばHs65〜75程度が望ましいことを発見した。さらに、図2に示される各シーリング13の厚み(車輪軸23の軸線方向の高さ)は、例えば、0.5mm以上が望ましいことを発見した。
ここまではシーリング13の材質とその厚みに関して説明したわけであるが、以下の説明では、最適なラビリンス性能を発揮するために必要となるシーリング13の枚数に関して説明する。
ラビリンス性能は、シーリング13の積層枚数が多いほど向上する。シーリング13の枚数を増やすには、固定側軸受押え14の厚み(例えば、抜け止めリング11から鍔部14aまでの長さ)を増やす手法と、シーリング13の一枚当たりに厚みを薄くする手法とが考えられる。ただし、歯車装置21は、上記課題の説明でも述べたように、限られたスペースに設置しなければならない。従って、後者の手法を検討することになるが、シーリング13を薄くし過ぎると耐磨耗性および耐折損性の低下を招き、厚くしすぎると積層枚数が少なくなりラビリンス性能が低下することとなる。
このように、耐久性とラビリンス性能がトレードオフの関係にあるわけであるが、発明者は、歯車装置21の小型化を図りつつ、耐久性とラビリンス性能とを両立可能なシーリング13の最適な枚数を発見した。
例えば、シーリング13をナイロンで制作する場合、シーリング13の厚みは、その折損を防ぐために約0.5mm以上を確保することが望ましい。ここでは、一例として、シーリング13の厚みを0.5mmと仮定する。また、鍔部14aの内周面から抜け止めリング11までの距離は約10mmと仮定する。また、各スペーサ12の厚さは、上述したように、シーリング13の撓み量を見込んだ値(0.5mm)と仮定する。そして、これらのシーリング13およびスペーサ12を、図2に示す順で積層した場合、鍔部14aと抜け止めリング11との間には、シーリング13を10枚(0.5mm*10=5.0mm)、スペーサ12を9枚(0.5mm*10=4.5mm)取り付けることが可能である。
他の例としては、鍔部14aの内周面から抜け止めリング11までの距離とスペーサ12の厚みとを上記条件のままとして、各シーリング13の厚みを0.7mmに変更した場合、シーリング13を8枚(0.7mm*8=5.6mm)、スペーサ12を7枚(0.5mm*10=3.5mm)を取り付けることが可能である。
なお、鍔部14aの内周面から抜け止めリング11までの距離を約20mmに変更した場合、各シーリング13の厚さを増やすこともできるため、耐折損性をより向上させることも可能である。
このように、シーリング13の枚数は、シーリング13の材質、スペーサ12の厚み、および鍔部14aの内周面から抜け止めリング11までの距離などの要素で変動するわけであるが、歯車装置21の小型化を図りつつ、耐磨耗性、耐折損性とラビリンス性能とを両立可能なシーリング13の枚数としては、10±5(5〜15)であることが望ましい。そして、各シーリング13の厚みは、この枚数になるように調整することが望ましい。なお、シーリング13の枚数は、これに限定されるものではなく、少なくとも2枚以上であればく、シーリング13の厚みは、一定ではなく1枚ずつ異なってもよい。
次に、動作を説明する。歯車装置21a(21b)は、主電動機20a(20b)の回転数を減じて車輪軸23a(23b)に伝達する。車輪軸23a(23b)が貫設された歯車箱15の内部では、大歯車によって撹拌された潤滑油が、軸受1の内部を通り、軸受1の車輪側3bに運ばれる。
歯車箱15の内部では回転駆動による圧力上昇が生じるため、歯車箱15内外に圧力差が生じることとなる。この圧力差によって、シーリング13が歯車箱15内部から外部に変形し、それに伴って軸受1付近の潤滑油が機外に漏洩する可能性が高まる。ただし、本実施の形態にかかる歯車装置21aは、複数のシーリング13を積層してなる接触ラビリンスシールを用いているため、各シーリング13によって歯車箱15内外の圧力差が分散され、潤滑油の漏洩が抑制される。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる鉄道車両用歯車装置21は、車輪軸23を回転可能に支持する軸受1と、筒状を成し車輪軸23が歯車箱を貫通して突出する部分にて軸受1の外側に配設され、車輪軸23の外周面に取り付けられた回転側軸受押え10(第1の軸受押え)と、軸受1および回転側軸受押え10の外周を取り囲み、歯車箱15に固定された固定側軸受押え14(第2の軸受押え)と、中空部を有する環状板状を成し回転側軸受押え10の外周部と固定側軸受押え14の内周部との間に取り付けられ、内縁部が前記外周部に接触し、かつ、前記内縁部から外縁部までの長さが前記内周部から前記外周部までの長さ以上に形成され、車輪軸23よりも柔らかい材質で形成された複数のシーリング13(第1の円環部材)と、中空部を有する環状板状を成し各シーリング13の間に配設されたスペーサ12(第2の円環部材)と、を備えるようにしたので、歯車装置21の小型化を図りつつ、耐久性とラビリンス性能とを両立可能な接触ラビリンスシールを実現可能である。従来の非接触ラビリンスは、非接触構造とラビリンス性能とを両立させるために高い制作精度や組立精度が要求される結果、コストUPを招くという問題があった。本実施の形態にかかる接触ランビリンスシール(シーリング13およびスペーサ12)は、板材をリング状に打ち抜くだけで制作可能である。また、組み立てに際しては、軸受1に抜け止めリング11を取り付け、シーリング13とスペーサ12を交互に設置してゆき、ボルトなどを用いて歯車箱15に固定側軸受押え14を固定することでランビリンスシールを形成可能である。このように、本実施の形態にかかる接触ランビリンスシールは、従来の非接触ラビリンスシールに比して安価に制作することが可能である。また、例えば、シーリング13をナイロンで制作する場合、シーリング13の厚みとスペーサ12の厚みをそれぞれ約0.5mmとした場合、固定側軸受押え14の内周部14bの幅は、約10mm程度にすることが可能である。従って、本実施の形態によれば、歯車装置21の更なる小型化を実現可能である。
本実施の形態にかかる鉄道車両用歯車装置21は、中空部を有する環状板状を成しシーリング13(第1の円環部材)と軸受1との間に介在する抜け止めリング11(第3の円環部材)を備えるようにしたので、シーリング13のメンテナンス性の向上を図ることが可能である。例えば、固定側軸受押え14の内周部14bを凹状に形成しておき、予めこの凹部にシーリング13およびスペーサ12を取り付けた上で、この固定側軸受押え14を歯車箱15に固定することも可能である。ただし、この手法では、凹部にシーリング13およびスペーサ12を取り付けた上での作業となるため、抜け止めリング11を用いた場合に比して、シーリング13のメンテナンス性が劣ることになる。
なお、図2に示される各シーリング13は、その内縁部から外縁部までの距離が、回転側軸受押え10の外周部10aから固定側軸受押え14の内周部14bまでの距離よりも長くなるように形成してもよい。このように各シーリング13を形成した場合、シーリング13の内縁部が回転側軸受押え10の外周部10aとの当接面にて車輪軸23の軸線方向に曲がることとなるが、ラビリンス性能が低下することはなく、またシーリング13の長期使用が可能となる。
なお、本実施の形態の説明では、シーリング13の外縁部およびスペーサ12の外縁部の直径に関しては特に言及していないが、例えば、これらの直径を内周部14bの直径(図3に示される固定側軸受押え14の内径ΦBに相当)と同じが、内周部14bの直径よりも若干狭い程度であればよい。このようにすれば、抜け止めリング11の押圧力が不足する場合でも、各シーリング13およびスペーサ12の揺動を最小限に抑えることによって、接触ラビリンスシールとしての機能を確保することができる。
なお、本実施の形態では、車輪軸23部分に接触ラビリンスシールを適用した場合に関して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図1に示される、たわみ軸継手22a、22b側、すなわち主電動機20の回転軸部分にも同ラビリンスシールを適用可能である。
なお、本実施の形態では、一例として、シーリング13にナイロンを使用した場合に関して説明したが、ナイロンに限定されるものではなく、例えば、図1に示される主電動機20a、20bの回転軸(たわみ軸継手22a、22b)または車輪軸23a、23bよりも柔らかい材質でシーリング13を形成してもよい。
なお、本実施の形態に示した鉄道車両用歯車装置は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは無論である。
以上のように、本発明は、ラビリンスシールに適用可能であり、特に、鉄道車両用歯車装置の更なる小型化を図ることができる発明として有用である。
1 軸受
1a 外輪
1b 内輪
3a 歯車装置の内部側
3b 車輪側
6 車輪
10 回転側軸受押え(第1の軸受押え)
10a 外周部
11 抜け止めリング(第3の円環部材)
12 スペーサ(第2の円環部材)
13 シーリング(第1の円環部材)
14 固定側軸受押え(第2の軸受押え)
14a 鍔部
14b 内周部
15 歯車箱
20a、20b 主電動機
21、21a、21b 鉄道車両用歯車装置
22a、22b たわみ軸継手
23、23a、23b 車輪軸
30 台車枠

Claims (9)

  1. 鉄道車両の台車枠に取り付けられた主電動機の回転軸から回転力を伝える小歯車と、前記台車枠に取り付けられた車輪軸に固着され前記小歯車とかみ合い回転力を伝える大歯車とを歯車箱に収めて成る鉄道車両用歯車装置であって、
    前記車輪軸を支持する軸受と、
    筒状を成し、前記車輪軸が前記歯車箱を貫通して突出する部分にて前記軸受の外側に取り付けられ、前記車輪軸の外周面に取り付けられた第1の軸受押えと、
    前記軸受および前記第1の軸受押えの外周を取り囲み、前記歯車箱に固定された第2の軸受押えと、
    中空部を有する環状板状を成し、前記第1の軸受押えの外周部と前記第2の軸受押えの内周部との間に取り付けられ、内縁部が前記外周部に接触し、かつ、内縁部から外縁部までの長さが前記内周部から前記外周部までの長さ以上に形成され、前記車輪軸よりも柔らかい材質で形成された複数の第1の円環部材と、
    中空部を有する環状板状を成し、前記各第1の円環部材の間に取り付けられた第2の円環部材と、
    を備えたことを特徴とする鉄道車両用歯車装置。
  2. 中空部を有する環状板状を成し、前記第1の円環部材と前記軸受との間に介在する第3の円環部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用歯車装置。
  3. 前記各第2の円環部材は、内径が前記第1の円環部材の内径より長く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両用歯車装置。
  4. 前記第1の円環部材は、非金属製であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の鉄道車両用歯車装置。
  5. 前記第1の円環部材は、ナイロン製であり、かつ、ショア硬さが65〜75の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両用歯車装置。
  6. 前記第1の円環部材は、厚みが0.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の鉄道車両用歯車装置。
  7. 前記第2の円環部材は、厚みが0.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載の鉄道車両用歯車装置。
  8. 前記第2の軸受押えは、機外側から前記歯車箱に螺入されるボルトで前記歯車箱に取り付けられることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の鉄道車両用歯車装置。
  9. 鉄道車両の台車枠に取り付けられた主電動機の回転軸から回転力を伝える小歯車と、前記台車枠に取り付けられた車輪軸に固着され前記小歯車とかみ合い回転力を伝える大歯車とを歯車箱に収めて成る鉄道車両用歯車装置であって、
    前記回転軸を支持する軸受と、
    筒状を成し、前記回転軸が前記歯車箱を貫通して突出する部分にて前記軸受の外側に取り付けられ、前記回転軸の外周面に取り付けられた第1の軸受押えと、
    前記軸受および前記第1の軸受押えの外周を取り囲み、前記歯車箱に固定された第2の軸受押えと、
    中空部を有する環状板状を成し、前記第1の軸受押えの外周部と前記第2の軸受押えの内周部との間に取り付けられ、内縁部が前記外周部に接触し、かつ、内縁部から外縁部までの長さが前記内周部から前記外周部までの長さ以上に形成され、前記回転軸よりも柔らかい材質で形成された第1の円環部材と、
    中空部を有する環状板状を成し、前記各第1の円環部材の間に取り付けられた複数の第2の円環部材と、
    を備えたことを特徴とする鉄道車両用歯車装置。
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