JP2001254594A - トンネル掘進機におけるカッタヘッド回転支持部のシール方法とそのシール構造 - Google Patents

トンネル掘進機におけるカッタヘッド回転支持部のシール方法とそのシール構造

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JP2001254594A
JP2001254594A JP2000066164A JP2000066164A JP2001254594A JP 2001254594 A JP2001254594 A JP 2001254594A JP 2000066164 A JP2000066164 A JP 2000066164A JP 2000066164 A JP2000066164 A JP 2000066164A JP 2001254594 A JP2001254594 A JP 2001254594A
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lubricant
seal
cutter head
lubricating oil
filter
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JP2000066164A
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Hidekazu Aoki
英和 青木
Yoshito Minami
好人 南
Hiroshi Asano
浩 浅野
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッタヘッドの回転支持部におけるシール構
造部に供給される潤滑剤の一部を、潤滑剤室内で所定圧
に保って供給ポンプによって外部から循環させ、外部で
異物の侵入を検出できるようにするとともに、侵入した
異物を取除いて安全運転が行えるようにする。 【解決手段】 トンネル掘進機のカッタヘッド回転支持
部に設けられるシール構造部において、複数配設される
シール間に形成された潤滑剤室26a(潤滑油室)に供
給される潤滑剤を、その潤滑剤室26aの圧力状態を保
って注入口17から供給するとともに、排出口18から
外部に取出し、潤滑剤の循環供給ポンプ20に接続して
再供給し、その取出し側に設けたフィルタ33によって
排出された潤滑剤中の異物混入をその濾材への付着の有
無で検出するとともに、除去して循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、主としてトンネル
掘進機におけるカッタヘッド回転支持部のシール方法と
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネル掘進機においては、掘進
機本体とカッタヘッドを支持する回転部との環状相対回
転域に複数のシールを軸線方向に所定の間隔で配置し
て、これら互いに隣接する各シール間に形成される油潤
滑室に潤滑剤を供給して各油潤滑室に潤滑剤を常時充満
するようにされ、カッタヘッドの回転を円滑に行える潤
滑機能を維持させるとともに、切羽側からの土砂や泥水
の侵入を防止するようにされている。
【0003】このような環状相対回転域(カッタヘッド
の回転支持部)におけるシール部は、トンネル掘進機の
構造上外部から見えにくい位置に組込まれている。その
ために、カッタヘッドとその支持部との間には、例え
ば、図3にカッタヘッドの回転支持部におけるシール部
の構成概要図で示されるように、カッタヘッド100の
背面部101と掘進機本体側の前端部102との間に1
段目のシール103を配して外部からの土砂や泥水の侵
入を阻止する機構を配し、さらに回転支持部であるベア
リング室(メインベアリング)104の前方位置に設け
られたシール保持部材105に、複数段にシール10
6,107,108を配するとともに、それら各シール
106,107,108間に油潤滑室109,110を
設けて、それら油潤滑室109〜110に掘進機本体内
部に設置された潤滑剤供給ポンプ(図示せず)から供給
管112によって潤滑剤を圧送して充満させるように構
成されている。図中符号113はシール押えプレートで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにカッタヘッ
ドの回転支持部におけるシール構造は、シール機能を高
めて安全性を図っているが、外部から見えない位置に設
けられるために、異常が発生することがあってもチェッ
クすることができない。トンネル掘進機は、運転中常時
回転するカッタヘッドと固定側(掘進機本体)との境界
部に切羽側からの土砂や泥水が侵入し得る状態にあり、
そのために、前記シール構造部に土砂などが万一侵入す
るようなことが発生すると、その侵入異物が回転部と接
触することになれば、シールが損傷するのみならず機械
部分の重要なベアリングに損傷を来すという重大な事故
を招くことになる。
【0005】このような事態となることを防止する手段
として、例えば特開平8−105292号公報に開示さ
れるように、カッタヘッドと掘進機本体との間に設けら
れるカッタヘッド回転体の環状相対回転域に配された複
数のシール間における油潤滑室への潤滑剤供給系統に、
元圧検出器を設けるとともに、各油潤滑室における潤滑
剤の封入圧を検出する封入圧検出器を設けられ、これら
検出器によって検出される供給潤滑剤の元圧と封入圧と
の差圧を信号記憶処理部で演算し、各検出値と各演算値
とに基づいて各油潤滑室への潤滑剤を供給するカッタシ
ール部潤滑回路の異常状態を判定し、潤滑剤の供給系統
で異常に備え得るようにするものが記載されている。
【0006】また、特開平11−62482号公報に開
示されるように、掘進機本体側とカッタヘッド側とにわ
たり前段土砂シールおよび後段土砂シールを設けて、両
シール間に潤滑油室を形成し、この潤滑油室に油圧タン
クから油圧ポンプによって潤滑油を送り込む潤滑油配管
に電磁リリーフ弁およびアキュムレータと圧力発信器を
配置して、圧力発信器による計測圧力に応じて電磁リリ
ーフ弁およびアキュムレータの作動を制御することで、
潤滑油室内の圧力制御を容易に行い、潤滑油室内の圧力
を所定の圧力に設定保持し、前段土砂シールおよび後段
土砂シールでの止水圧を分散させて止水効率を向上させ
ること、すなわち土砂や泥水が機械部(シール部)に侵
入するのを阻止することが記載されている。
【0007】このように、従来は、カッタヘッドの回転
支持部におけるシール部分に潤滑剤の油潤滑室を形成し
て、潤滑とシール効果を高めるためには、潤滑剤を一方
的に供給するようにして、その潤滑剤の供給圧力の変化
を検知して、あるいは圧力状態を設定値で保持させて防
御する試みに留まっている。そのために、何らかの事情
で、図3に併記されるように、第一段目のシール103
を潜りぬけて土砂が侵入すると、第2段目のシール10
6で一応それ以上の侵入を阻止できるようにされている
が、もしもこのシール106を潜りぬけると第1の油潤
滑室109内に侵入した異物が存在して封入されている
潤滑剤に混じってカッタヘッド側の回転によって油潤滑
室内で移動することになる。特に、第一段目のシール1
03は、直接的に外部からの土砂などの侵入を阻止する
役目を担っているので、この第一段目のシール103が
土砂などの侵入を阻止できなくなるとシールの破損が激
しくなってそれ以降のシール部に重大な影響を及ぼすこ
とになる。
【0008】このような事態となると、当然のことなが
ら混入された異物(土砂粒子)は外部に出ることはなく
なり、その移動の状態は全く確認することができないの
で、第2段目のシール106を傷付けて第1の油潤滑室
109内に異物の侵入を容易にする危険性が増大する恐
れがある。そして、シール部での異物侵入が発生すると
回転部分に傷を付け、損傷する危険度が高まり、潤滑が
円滑に行われないと運転に支障が生じることになるの
で、一旦運転を停止して故障個所の修理・部品の交換作
業を行わねばならなくなる。このような作業には多大な
費用を必要とし、掘進作業に多大な損失を与えることに
なる。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、カッタヘッドの回転支持部におけ
るシール構造部分に供給される潤滑剤の一部を、潤滑剤
室内で所定圧に保って供給ポンプによって外部から循環
させ、外部で異物の侵入を検出できるようにするととも
に、侵入した異物を取除いて安全運転が行えるようにす
る、トンネル掘進機におけるカッタヘッド回転支持部の
シール方法とそのシール構造を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第1の発明によるトンネル
掘進機におけるカッタヘッド回転支持部のシール方法
は、トンネル掘進機のカッタヘッド回転支持部に設けら
れるシール構造部において、複数配設されるシール間に
形成された潤滑剤室に供給される潤滑剤を、その潤滑剤
室の圧力状態を保って注入口から供給するとともに、排
出口から外部に取出して直接あるいは間接に潤滑剤供給
ポンプに接続して再供給し、その取出し側に設けたフィ
ルタによって排出された潤滑剤中の異物混入を検出する
ことを特徴とする。
【0011】本発明においては、トンネル掘進機を運転
するに際して、カッタヘッド回転支持部に設けられるシ
ール構造部の潤滑剤室に潤滑剤を供給すると同時に、そ
の潤滑剤室から外部に供給量と等量排出させるようにし
て、掘進機本体の適所に設置される潤滑剤供給ポンプで
潤滑剤を循環あるいは一旦貯留して再供給させるように
する。そして、その潤滑剤室から排出される戻りの潤滑
剤は、直接潤滑剤供給ポンプに吸入させる前位置あるい
は貯留槽に戻る前位置にフィルタを設置するようにし
て、このフィルタによって潤滑剤室からの戻り潤滑剤を
濾過することにより、潤滑剤中に異物(侵入した土砂な
ど)の混入があるか否かを検出するのである。
【0012】本発明によれば、シール構造部における潤
滑剤室を所定の圧力に保持して潤滑剤を循環させると同
時にその循環経路中に設けられるフィルタによって、あ
るいは戻り潤滑剤が貯留槽に戻される前に設けられるフ
ィルタによって、異物の侵入を検出できるようにするこ
とで、従来のように一旦土砂などの異物が侵入すると、
その状態がいつまでも保たれていたのを、潤滑剤の流れ
に載せて排出することができ、しかも異物の侵入の有無
を、フィルタにおける濾材の取出しによって目視できる
ので、定期的にフィルタの濾材を取出して検知するよう
にしておけば、異物の取出し除去と併せて異物混入のチ
ェックができることになり、シールの状態を間接的に把
握できるという効果を奏するのである。また、潤滑剤を
循環させることでシール部での潤滑剤の温度上昇を抑え
ることができる。
【0013】前記潤滑剤室への潤滑剤の注入口は上部に
設けられ、排出口は下部に設けるようにして、前記フィ
ルタを掘進機本体における運転管理個所に配置して点検
できるようにするのがよい。こうすると、シールを潜っ
て潤滑剤室に異物が侵入しても、異物は下側に移動し易
いので排出口から外部への移動が早くなり、潤滑剤室で
の滞留を短くして障害の発生を予防できる利点がある。
そして、フィルタを運転管理個所に配置しておけば、定
期的な点検が容易になり、管理を円滑に行える利点があ
る。
【0014】前記第1発明のトンネル掘進機におけるカ
ッタヘッド回転支持部のシール方法を実施するのに適用
される第2発明のトンネル掘進機におけるカッタヘッド
回転支持部のシール構造は、トンネル掘進機のカッタヘ
ッド回転支持部に設けられるシール構造部において、軸
線方向に複数配設されるシール間に形成される環状の潤
滑剤室には、適宜位置をずらせて注入口と排出口が設け
られ、掘進機本体に設置の潤滑剤供給ポンプからの供給
配管を前記注入口に、前記排出口からの戻り配管は前記
潤滑剤供給ポンプのサクション側に直接あるいは貯留槽
を介してそれぞれ接続され、その戻り配管中にフィルタ
が設けられ、そのフィルタによって潤滑剤中に混入され
る異物をチェックできる構成とされることを特徴とする
ものである。
【0015】このように構成される第2発明によれば、
前記第1発明における作用効果と同一の効果を得ること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に,第1発明によるトンネル掘
進機におけるカッタヘッド回転支持部のシール方法を、
その実施に適用される第2発明のトンネル掘進機におけ
るカッタヘッド回転支持部のシール構造の具体的な実施
の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0017】図1に本実施例装置が用いられるトンネル
掘進機の一例を示す断面図が、図2に本実施例の構成を
模式的に表わす概要図が、それぞれ示されている。
【0018】図1に示されるように、トンネル掘進機1
においては、掘進機本体2の前部にバルクヘッド3が固
着され、このバルクヘッド3の前部にカッタヘッド4が
水平軸線周りに回転可能に設けられている。このカッタ
ヘッド4は、バルクヘッド3の機内側に取付けられる油
圧モータ5によって駆動される。
【0019】カッタヘッド4が掘進機本体2側に支持さ
れる部分には、カッタヘッド4を回転自在に支持するベ
アリング6が設けられ、そのベアリング6の配設位置の
前部に機内と切羽側(カッタヘッド4側)とを遮断する
シール部10(本発明のシール構造部に相当)が形成さ
れている。
【0020】前記シール部10は、カッタヘッド4に連
結されて掘進機本体2側に設けられたベアリンク6によ
り支持され、かつ駆動用の油圧モータ5に取付くピニオ
ン7と噛合って駆動されるリングギア8を備える環状部
材9に、その外周側に接触するシールを備えて掘進機本
体2の前部に取付けられるシール支持部材11と、前記
環状部材9の内周側に接触するシールを備えてバルクヘ
ッド3に取付けられるシール支持部材12とで、それぞ
れ第1段目のシール13,15と軸線方向に所要の間隔
で配される複数のシール14a,14b,14c,16
a〜16dとをカッタヘッド4に取付く環状部材9の内
外周面に接触してシールするように構成されている。
【0021】このようなシール部10は、さらに詳しく
説明すると、図2によって示されるように、カッタヘッ
ド4に連結された環状部材9の外側に位置するシール支
持部材11には、その前端部に第一段目のシール13が
カッタヘッド支持構造体4aの背面部に設けられるシー
ル座4bに対して接触するように設けられ、前記環状部
材9の外周面に対して複数の周面接触するシール14
a,14b,14cが所要の間隔で形成された環状の内
向き溝部に嵌め込まれて配設されている。また、前記環
状部材9の内側に位置するシール支持部材12には、そ
の最前部に第1段目のシール15がカッタヘッド支持構
造体4aの内周面に対して接触するように設けられ、前
記環状部材9の内周面に対して複数のシール16a,1
6b,16c,16dが所要の間隔で形成された環状外
向き溝部に嵌め込まれて配設されている。
【0022】前述のシール部10における各シール1
3,14a,14b,14cおよび15,16a,16
b,16c,16dの配設部間に形成される空間部に
は、機内側に設置された潤滑油(本発明における潤滑剤
に相当)の供給ポンプ20,21,22から潤滑油が供
給されて、前記空間部が潤滑油の充満された潤滑油室2
5,26a,26bおよび27,28a,28b,28
cとなるようにされている。
【0023】前記潤滑油室に対する潤滑油の供給は、環
状部材9に対する少なくとも第1のシール14aと第2
のシール14b(16aと16b)との間に形成される
第1の潤滑油室26a(28a)に対して注入口17
(17′)と排出口18(18′)をそれぞれ設け、機
内に設置される潤滑油の循環供給ポンプ20の吐出側を
前記注入口17(17′)と給油配管30によって接続
され、前記排出口18(18′)から戻り油配管31を
前記循環供給ポンプ20の吸入側に接続して循環できる
ようにされる。その潤滑油循環管路30,31中にはポ
ンプの吸入側においてフィルタ33を設置される。ま
た、必要に応じて途中にオイルタンク34を設けるよう
にしてもよい。なお、前記注入口17(17′)は環状
に形成されている潤滑油室26a(28a)の上半部
に、排出口は下半部にそれぞれ設けられる。また、それ
らの配置数は同数として複数個所に設けられるのがよ
い。もちろん、必要に応じてそれぞれ一箇所とすること
もできる。
【0024】前記循環供給ポンプ20の吸入側に設けら
れるフィルタ33については、好ましくは、機内の運転
管理部に近い位置に設けるようにするのがよい。こうし
ておくと、フィルタ33の濾材を定期的に取出して濾過
面に対する異物の付着の有無を検知でき、戻り油中に混
在した異物の付着が生じているとシール個所における土
砂などの侵入を早期に発見することができる。
【0025】この実施例では、内外両方の第1段目のシ
ール13(15)と環状部材9における第1のシール1
4a(16a)との間における空間部に形成される潤滑
油室25(27)に対しては、別途潤滑油の供給ポンプ
21から潤滑油を供給する給油配管35が複数個所でそ
れぞれ接続されて、潤滑油が供給される。また、外周部
における第2と第3のシール14bと14c間に形成さ
れる潤滑油室26b並びに内周部における第2と第3の
シール16bと16cおよび第3と第4のシール16c
と16d間に形成される潤滑油室28b,28cに対し
ても、供給ポンプ21からの給油配管36が複数個所で
それぞれ接続されている。
【0026】このように構成される本実施例のカッタヘ
ッド回転支持部におけるシール部10にあっては、所要
の潤滑油が各供給ポンプ20,21によってそれぞれの
シール配置個所に隣接して設けられる潤滑油室25,2
6a,26b,27,28a,28b,28cに圧送さ
れ、それら潤滑油室内に潤滑油が充満され、油圧モータ
5によるカッタヘッド4の回転駆動によるシール部10
での回転時における潤滑機能を発揮できるようにされ
る。
【0027】シール部10における潤滑油室に対する潤
滑油の供給は、第1段目のシール13(15)後段に対
する潤滑油室25(27)には供給ポンプ21によって
潤滑油が供給されるので、シール13とシール座4b
(シール15とカッタヘッド支持構造体4aの内周面)
との接触部での漏出がない限り所定の圧力を保って保持
され、シール13および15によるシール効果とその背
後からの潤滑油の圧力で切羽側からの土砂や泥水の侵入
を阻止する働きをする。
【0028】カッタヘッド4に連結する環状部材9に対
するシール構造部で、第1のシール14a(16a)の
背後に位置する潤滑油室26a(28a)は、注入口1
7(17′)と排出口18(18′)が設けられて、循
環供給ポンプ20から潤滑油が上半部の注入口17(1
7′)から供給され、下半部の排出口18(18′)か
ら取出されて循環供給ポンプ20に戻されて、循環する
ようにされている。したがって、潤滑油室26a(28
a)の内部に充満される潤滑油が徐々に入れ替わって配
管途中に設けられるフィルタ33により濾過され、清浄
にされて再び供給される。
【0029】このように構成されるシール構造部にあっ
ては、原則的には第1段目のシール13(15)によっ
て切羽側からの土砂など異物の侵入を阻止するようにな
っている。しかしながら、トンネル掘進に伴ない常時切
羽側からは土砂などが機内に侵入する危険に直面してい
るので、第1段目のシール13(15)によるシール部
分で土砂が内部に侵入する事態になって、さらに次の第
1のシール部分(シール14a,16a)に、万一土砂
などの侵入が発生した場合、当該位置にある潤滑油室2
6a(28a)は常時潤滑油が循環するようにされてい
るので、その潤滑油室26a(28a)内に異物が停滞
することなく循環する流れによって外部に排出されるこ
とになる。
【0030】本実施例では、潤滑油室26a(28a)
が潤滑油の循環系にされているとともに、その管路中に
フィルタ33が設けられているので、そのフィルタ33
における濾材(図示せず)を外部に取出す構造にしてお
くことにより、定期的に濾材を取出して濾過面を確認す
ることで、第1のシール14a,16aの状態(例えば
取出された濾材に異物が付着しているとシールが損耗し
てシール効果が低下していると判断される)を機内にお
いて確認することができるのである。したがって、その
状況を継続的に定期観察することで、シール部10にお
ける異常の有無を間接的に管理することが可能になるの
である。
【0031】このようなことから、もしもフィルタ33
の個所で異物の侵入(潤滑油に土砂などの異物が混入)
していることが判明されたならば、第1段目のシール1
3または15が損傷していることになり、かつ第1のシ
ール14aまたは16aも損傷している可能性を早期に
発見出来ることになり、それに基づき対処すれば後段の
シール構造部に移動することを防止できて、回転支持部
において異物による損傷の発生を確実に防止することが
できるのである。
【0032】なお、環状部材9に対する第2,第3のシ
ールに隣接の潤滑油室26b,28b,28cに対する
給油は、供給ポンプ21によって供給され、所要の圧力
が保てる状態にしてそれら潤滑油室26b,28b,2
8c内の潤滑油が充満して潤滑機能を発揮できるように
される。
【0033】以上は潤滑剤として潤滑油をシール部10
に形成される各シール配設部間の空間部(潤滑油室)に
供給して潤滑機能を発揮できるようにされたものである
が、潤滑剤としてグリースを供給するようにしてもよ
い。この場合は、前記実施例と同様の構成にして、各供
給ポンプにはグリースを圧送できるポンプを用いるよう
にされ、前記循環系の戻り配管を貯留タンクに繋いで潤
滑剤室(前記実施例の潤滑油室26a,28aに相当)
に送り込まれるグリースの一部を排出口から取出して貯
留タンクに戻すようにすることで、万一第1のシール1
4a,16aを潜って潤滑剤室26aあるいは28aに
異物が侵入することが発生しても、上部から下部に移動
するグリースの流動により排出口から外部に排出され
て、粘性の高いグリース中に巻込まれて滞留すること、
あるいはより後段のシール構造部に移動することがな
い。したがって、従来のような一旦異物が侵入すると留
まって重要部であるベアリング部分に移動して回転支持
部に障害を起すようなことが確実に防止できるのであ
る。
【0034】上述のように、本発明によれば従来知るこ
とができないとされたきたトンネル掘進機におけるカッ
タヘッドの回転支持部におけるシール部での異物侵入の
有無を機内(回転支持部の外)で検知することが可能に
なり、しかもその検知手段として潤滑剤を外部に取出し
て、直接的に視認できることになるので、より確実に状
況把握が可能となり、初期の対応を行うことができると
いう効果が得られるのである。
【0035】上記実施例においては、シール部における
第1段目のシールの次のシール部分における潤滑油室
(潤滑剤室)のみに潤滑油(潤滑剤)を循環供給するも
ので説明したが、必要に応じて他の潤滑油室に対しても
同様に潤滑油(潤滑剤)を循環供給することができる。
また、その場合、注入口および排出口を各1箇所のみに
することもできる。また、本発明のカッタヘッド回転支
持部のシール方法を実施するトンネル掘進機としては、
シールド掘進機のみならずTBMにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例装置が用いられるトンネル掘
進機の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本実施例の構成を模式的に表わす概要
図である。
【図3】図3は、従来のカッタヘッドの回転支持部にお
けるシール部の構成概要図である。
【符号の説明】
1 トンネル掘進機 2 掘進機本体 3 バルクヘッド 4 カッタヘッド 4a カッタヘッド支持構造体 5 油圧モータ 6 ベアリング 9 環状部材 10 シール部 11,12 シール支持部材 13,15 第1段目のシール 14a〜14c 外周側のシール 16a〜16d 内周側のシール 17,17′ 循環潤滑油の注入口 18,18′ 循環潤滑油の排出口 20 循環供給ポンプ 21 供給ポンプ 25,27 潤滑油室 26a,26b 潤滑油室 28a〜28c 潤滑油室 30,35,36 給油配管 31 戻り油配管 33 フィルタ 34 オイルタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 浩 石川県小松市八日市町地方5 小松製作所 小松工場内 Fターム(参考) 2D054 BA06 BB10 GA17 GA61 GA92 3J043 AA16 BA02 BA06 CA02 DA01 DA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル掘進機のカッタヘッド回転支持
    部に設けられるシール構造部において、複数配設される
    シール間に形成された潤滑剤室に供給される潤滑剤を、
    その潤滑剤室の圧力状態を保って注入口から供給すると
    ともに、排出口から外部に取出して直接あるいは間接に
    潤滑剤供給ポンプに接続して再供給し、その取出し側に
    設けたフィルタによって排出された潤滑剤中の異物混入
    を検出することを特徴とするトンネル掘進機におけるカ
    ッタヘッド回転支持部のシール方法。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤室への潤滑剤の注入口は上部
    に設けられ、排出口は下部に設けるようにして、前記フ
    ィルタを掘進機本体における運転管理個所に配置して点
    検できるようにする請求項1に記載のトンネル掘進機に
    おけるカッタヘッド回転支持部のシール方法。
  3. 【請求項3】 トンネル掘進機のカッタヘッド回転支持
    部に設けられるシール構造部において、軸線方向に複数
    配設されるシール間に形成される環状の潤滑剤室には、
    適宜位置をずらせて注入口と排出口が設けられ、掘進機
    本体に設置の潤滑剤供給ポンプからの供給配管を前記注
    入口に、前記排出口からの戻り配管は前記潤滑剤供給ポ
    ンプのサクション側に直接あるいは貯留槽を介してそれ
    ぞれ接続され、その戻り配管中にフィルタが設けられ、
    そのフィルタによって潤滑剤中に混入される異物をチェ
    ックできる構成とされることを特徴とするトンネル掘進
    機におけるカッタヘッド回転支持部のシール構造。
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