JP2012102311A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂粉体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、前記の問題点が改善された、粒度分布がシャープであり、かつ表面が凹凸状であるウレタン樹脂粒子の製造方法を提供することである。
【解決手段】両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とジアミン(B)のジケチミン化物(B1)の混合物(C)と、誘電率が5〜25である有機溶剤(E)と水又は分散剤を含有する水溶液(F)の混合物(G)であって(E)を(G)に対して5〜30重量%含有する混合物(G)とを、混合攪拌して重合反応を行い粒子表面に凹凸を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子(H)を得る、熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な熱可塑性ポリウレタン樹脂粉体の製造方法に関する。さらに詳しくは主にスラッシュ成形法に好適な熱可塑性ポリウレタン樹脂粉体の製造方法に関する。
スラッシュ成形法は、複雑な形状(アンダーカット、深絞り等)の製品が容易に成形できること、肉厚が均一にできること、材料の歩留まり率が良いこと等の利点から、近年、自動車の内装材等を中心にした用途に広く利用されている。
スラッシュ成形法には主に軟質のポリ塩化ビニル粉末が使用されていたが、近年ポリウレタン樹脂も使用されている。ポリウレタン樹脂は有機溶媒中で合成するため高コストで、環境的にも問題があったが、水性媒体中で真球状のウレタン樹脂粉末を作る方法が提案されている。(特許文献1〜3を参照)。また、熱で溶融することで造粒させ、粒子表面が凸凹状の樹脂粒子を製造する方法が提案されている。(特許文献4を参照)。
特開平3−97712号公報 特開平8−120041号公報 特開平12−313733号公報 WO98−51748号公報
しかし特許文献1の方法は、ウレタン樹脂粉体形成成分を水中に分散するときに、分散媒の水中に乳化剤を含有させかつ高剪断力の分散機で分散するため、生成した分散体の粒子径が数μmの微小粒子から数mm程度の粗大粒子まで生成する。この分散体から得られる樹脂粉体をそのままスラッシュ成形用途に使用すると、粉体流動性が悪く成形物表面にピンホール等が発生するため、スラッシュ成形用途に適した粒度分布に分級する必要があり、非常にロスが大きく収率が低く、また手間のかかる方法であった。
また、特許文献2、および3の方法は、前記特許文献1と比べて、粒度分布は狭く、粉体流動性は改善されているが、少量ではあるが、数μmの微小粒子と数百μmの粗大粒子は発生し、スラッシュ成形用途に適した粒度分布に分級する必要がある。
特許文献1〜3の熱可塑性ウレタン樹脂からなるスラッシュ成形用材料は、着色を行う場合は無着色の粒子を合成した後、無機顔料、有機顔料等の着色剤を表面にまぶすことにより着色を行っている。しかしこの着色方法の場合、着色工程やその後の工程における攪拌混合時のシアにより、樹脂粒子表面に付着した顔料粒子が、表面から滑落したり、粒子表面で顔料粒子同士で凝集したりするため、本来の色が発現しない、また顔料の塊が製品中に混在するなどといった課題があった。一方表面が凸凹状であれば着色剤が表面の凸凹で留まり、上記の課題が発生しない。 特許文献1〜3で製造される樹脂粒子は真球状であるのに対して、特許文献4の方法は樹脂粒子を熱で溶融することで造粒させ、粒子表面が凸凹状の樹脂粒子を製造している。しかし、樹脂粒子の熱軟化温度の影響をうけるので、粒度分布の制御が難しく、スラッシュ成形用途に適した粒度分布に分級する必要がある。また、造粒する際にパラフインワックス等のバインダーを添加しているので、樹脂粒子の電気的特性、熱的特性、化学的安定製等の性能を損ねるという欠点がある。
本発明の課題は、前記の問題点が改善された、粒度分布がシャープであり、かつ表面が凹凸状であるウレタン樹脂粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とジアミン(B)のジケチミン化物(B1)の混合物(C)と、誘電率が5〜25である有機溶剤(E)と水又は分散剤を含有する水溶液(F)の混合物(G)であって(E)を(G)に対して5〜30重量%含有する混合物(G)とを、混合攪拌して重合反応を行い粒子表面に凹凸を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子(H)を得る、熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の製造方法である。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の製造方法により得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子は、表面が凹凸状であり、かつ粒度分布がシャープであり収率も高い。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の製造方法は、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とジアミン(B)を重合反応させて熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子を得る方法である。下記の工程(1)〜(3)の操作を行うことにより粒子表面に凹凸を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子(H)を得ることができ、該粒子(H)は粒度分布がシャープであるという特徴を有する。
工程(1)ジアミン(B)はジケチミン化物(B1)とし、ウレタンプレポリマー(A)とジケチミン化物(B1)の混合物(C)を作成する。
工程(2)水、又は分散剤を含有する水溶液(F)と誘電率が5〜25である有機溶剤(E)の混合物(G)を作成する。(E)を(G)に対して5〜30重量%含有させる。
工程(3)混合物(C)と混合物(G)を混合攪拌して重合反応を行い(H)を得る。
工程(1)について
ジアミン(B)としては、炭素数6〜18の脂環式ジアミン[4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等];炭素数2〜12の脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン[キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂環式ジアミンおよび脂肪族ジアミンであり、特に好ましいものはイソホロンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。
ジケチミン化物(B1)はジアミン(B)とケトン化合物との反応化合物である。ケトン化合物としては炭素数3〜9の脂肪族または脂環式ケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)が挙げられる。これらのうち好ましいのはアセトンおよびメチルエチルケトンである。
ジケチミン化物(B1)を合成する方法としては特に限定されず公知の方法を用いてよく、例えば、ジアミンと過剰量のケトン化合物の混合物を加熱し、必要により生成した水を除去する方法が例示できる。
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)は、脂肪族系ジイソシアネート(a1)と、数平均分子量500〜10,000の高分子ジオール(a3)および必要によりモノオール(a2)、低分子ジオール(a4)とを反応させることにより得られるものが挙げられる。
上記(A)を構成する脂肪族系ジイソシアネート(a1)としては、(i)炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等];(ii)炭素数4〜15の脂環式ジイソシアート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等];(iii)炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート[m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];(iv)これらのジイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基等を有するジイソシアネート変性物);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族ジイソシアネートまたは脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましいものはHDI、IPDI、水添MDIである。
上記モノオール(a2)としては、炭素数1〜8の脂肪族モノオール類[直鎖モノオール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールなど)、分岐鎖を有するモノオール(イソプロピルアルコール、ネオペンチルアルコール、3−メチル−ペンタノール、2−エチルヘキサノール)など];炭素数6〜10の環状基を有するモノオール類[脂環基含有モノオール(シクロヘキサノールなど)、芳香環含有モノオール(ベンジルアルコールなど)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族モノオールである。また高分子モノオールとしては、ポリエステルモノオール、ポリエーテルモノオール、ポリエーテルエステルモノオールおよびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
数平均分子量500〜10,000の高分子ジオール(a3)としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオールおよびこれら2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルジオールとしては、例えば(i)低分子ジオールとジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸ハライド等]またはジアルキルカーボネート(アルキル基の炭素数1〜4)との縮合重合によるもの;(ii)低分子ジオールを開始剤としてラクトンモノマーを開環重合したもの;(iii)低分子ジオールを開始剤としてジカルボン酸無水物およびアルキレンオキサイドを反応させたもの;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記(i)、(ii)または(iii)の低分子ジオールの具体例としては炭素数2〜8の脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)など];環状基を有するジオール類[炭素数6〜15の脂環基含有ジオール〔1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、水添ビスフェノールAなど〕、炭素数8〜20の芳香環含有ジオール(m−もしくはp−キシリレングリコールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど)のオキシアルキレンエーテル、多核フェノール類(ジヒドロキシナフタレンなど)のオキシアルキレンエーテル、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど];これらのアルキレンオキサイド付加物(分子量500未満)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。低分子ジオールのうち好ましいものは脂肪族ジオールおよび脂環基含有ジオールである。
上記および以下において、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−、1,3−、1,4−もしくは2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜10またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンおよびこれらの2種以上の併用系(ブロックまたはランダム付加)が挙げられる。
上記(i)のジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の具体例としては、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物(無水フタル酸、無水マレイン酸など)、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記(ii)のラクトンモノマーとしては、炭素数4〜12のラクトン、たとえばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、2個の水酸基含有化合物(たとえば前記低分子ジオール、2価のフェノール類など)の脱水反応によりポリエーテルジオールとしたもの、2個の水酸基含有化合物にアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物があげられる。上記2価のフェノール類としてはビスフェノール類[ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど]、単環フェノール類[カテコール、ハイドロキノンなど]などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリテトラメチレングリコール、2価フェノール類にアルキレンオキサイドが付加したものであり、さらに好ましいものは2価フェノール類にEOが付加したものである。
また、ポリエーテルエステルジオールとしては、前記ポリエステルジオールにおいて原料の低分子ジオールに代えて上記ポリエーテルジオールを用いたもの、例えば上記ポリエーテルジオールの1種以上と前記ポリエステルジオールの原料として例示したジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。これら高分子ジオール(a3)のうちで好ましいものはポリエステルジオールであり、更に好ましいものは低分子ジオールとジカルボン酸との重縮合物である。
該(a2)および(a3)と共に必要により使用される低分子ジオール(a4)としては、前記ポエステルジオールの出発物質として例示した低分子ジオールが使用できる。該(a4)として好ましいものは脂肪族ジオールである。また該(a4)の使用量は(a3)の重量に基づいて通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
該ウレタンプレポリマー(A)を製造する際の反応温度は、ウレタン化を行う際に通常採用される温度と同じでよく、溶剤を使用する場合は通常20℃〜100℃であり、溶剤を使用しない場合は通常20℃〜220℃、好ましくは80℃〜200℃である。上記プレポリマー化反応において、反応を促進するために必要によりポリウレタンに通常用いられる触媒を使用することができる。該触媒としては、例えばアミン系触媒[トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなど]、錫系触媒[トリメチルチンラウレート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマレートなど]などが挙げられる。
(A)を製造する際、(a2)、(a3)及び(a4)の末端ヒドロキシル基の合計モルに対し、過剰モルのイソシアネート基となるように(a1)を使用することでイソシアネート基末端にすることができる。
混合物(C)は上記記載のウレタンプレポリマー(A)と(A)のイソシアネート基1当量に対し、通常0.5〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.2当量のジケチミン化物(B1)を混合することにより得られるものが挙げられる。この範囲外では良好な機械的物性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂が得られない。
混合時の温度としては、ウレタンプレポリマー(A)の温度が50℃〜80℃が好ましく、攪拌時間は30秒〜60秒が好ましい。
工程(2)について
分散剤を含有する水溶液(F)に使用する分散剤としては、水溶性高分子(メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩類、ポリビニルピロリドン、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩など)、無機粉末(炭酸カルシウム粉末、リン酸カルシウム粉末、ハイドロキシアパタイト粉末、シリカ粉末など)、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)などが挙げられる。分散剤の使用量は、(F)の重量基準で、好ましくは10重量%以下、より好ましくは0.001〜8重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。上記範囲であると樹脂物性に影響を及ぼさない。
有機溶剤(E)は誘電率が5〜25の有機溶剤である。好ましくは6〜24さらに好ましくは7〜23である。なお誘電率εは、真空中で電気容量C0をもつ平行板コンデンサーの電極間に試料物質を満たしたとき、電気容量がCになったとすると、次式で表すことができる。
ε=C/C0
なお、実際には、真空中ではなく空気中で測定された電気容量をC0として用いても、空気の誘電率は1.0006であり、その差はほとんど無視できる。
主な溶媒の誘電率の値は下記に示す。
アセトンは21.45、メチルエチルケトンは15.5、テトラヒドロフランは8.2、酢酸メチルは6.7である。
有機溶剤(E)の誘電率が5未満となると、(E)と分散剤を含有する水溶液(F)が混ざりにくくなるため、粒子の造粒が起こらず、表面が凹凸状の粒子が得られない。25を超えると、混合物(G)の誘電率が高くなり、粒子の造粒が起こらず、表面が凸凹状の粒子が得られない。
誘電率が5〜25である有機溶剤(E)としては例えば、ケトン類、アルコール類、エーテル、エステル類およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。好ましくは、炭素数3〜9のケトン、炭素数が4〜8のエーテル、及び炭素数3〜6のエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種およびこれらの2種以上の併用である。
炭素数3〜9のケトンは、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下MEK)、メチルイソブチルケトン(以下MIBK)、ジエチルケトン等が挙げられる。炭素数が4〜8のエーテルは、例えば、テトラヒドロフラン(以下THF)等が挙げられる。炭素数3〜6のエステルは、例えば酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチルである。
混合物(G)中の(E)の使用量は(G)に対して5〜30重量%であり、好ましくは7〜28重量%、さらに好ましくは10〜25重量%含有することが好ましい。(E)の含有量が5重量%未満であると、粒子の造粒が起こらず、表面が凸凹状の粒子が得られない。また(E)の含有量が30重量%を超える場合、粒子の造粒が制御できずに、目的とする体積平均粒子径の粒子が得られない。
(E)と(F)の混合時の温度は、10℃〜40℃が好ましく、周速は0.05〜5.0m/sが好ましく、混合時間は1分〜5分が好ましく、工程3の直前に混合することが好ましい。
工程3について
混合物(C)と混合物(G)を混合攪拌して重合反応を行うときの周速は10〜40m/s、好ましくは15〜25m/sで攪拌する。混合物(C)と混合物(G)の混合時間は30秒〜5分が好ましい。混合物(C)の温度は、50℃〜80℃が好ましく、混合物(G)の温度は、10℃〜40℃が好ましい。上記範囲であると重合反応中に粒子のせん断と凝集が繰り返され、粒子表面に凹凸を有する粒度分布がシャープな粒子を得ることができる。
粒子化装置としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(プライミクス社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(プライミクス社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径分布の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
固液分離の方法としては、公知の遠心分離、ベルトプレス、フィルタープレスなどが適用できる。
さらに公知の方法で乾燥させることにより、粒子表面に凹凸を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子(H)を得ることができる。
本発明の製造方法で得られるウレタン樹脂粒子(H)は粒子表面に凹凸を有している。その形状係数SF2は好ましくは120〜240、より好ましくは125〜230、さらに好ましくは130〜220である。形状係数SF2が120未満の場合、粒子に着色剤を添加し、表面に顔料粒子を定着させても、後工程の攪拌時のシアにより、表面の顔料粒子が滑落し、さらに顔料粒子が凝集することで、本来の色が発色しなくなる。また顔料粒子の凝集体が大きくなると異物となり製品の品質を落としてしまう。一方SF2が240を超える粒子は、表面の凹凸が微細すぎて、顔料が凹凸の隙間に入りにくくなり、顔料分散安定性が悪化する。
形状係数SF2は、粒子の形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(1)で表される、ウレタン粒子を2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF2={(PERI)/(AREA)}×(100/4π) (1)
SF2の値が100の場合ウレタン粒子表面に凹凸が存在しなくなり、SF2の値が大きくなるほどウレタン粒子表面の凹凸が顕著になる。
ウレタン樹脂粒子(C)は粉体流動性の観点から形状係数SF1が101〜200であることが好ましい。
形状係数SF1は、粒子の形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(2)で表される、ウレタン粒子を2次元平面に投影してできる図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF1={(MXLNG)/(AREA)}×(100π/4) (2)
SF1の値が100の場合ウレタン粒子の形状が真球状となり、SF1の値が大きくなるほど粒子は不定形になる。
形状係数SF2、SF1の測定は、例えば走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)、マイクロスコープ(USBデジタルスケール:スカラ(株)製)等でウレタン粒子の写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析する方法、フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000:シスメックス社製)を用いて測定する方法などが挙げられる。
例えば、走査型電子顕微鏡を用いて、300倍に拡大したウレタン粒子の写真画像を得、これより最大長が平均径±10μm内のウレタン粒子を100個無作為にサンプリングする。その画像情報をインターフェイスを介して画像解析ソフトウェア(Mac−View:MOUNTECH社製)に導入し、解析を行い、「PERI」、「MXLNG」および「AREA」を得、SF2、SF1の値を算出することができる。
本発明の製造方法で得られるウレタン樹脂粒子(H)は体積平均粒子径が、好ましくは20〜500μmであって、より好ましくは30〜400μm、さらに好ましくは50〜300μmである。(H)の体積平均粒子径が20μm以上である場合には、粉体流動性が良好で、スラッシュ成形時の成形性が良好である。また粉塵の発生が抑制されるため、作業環境の悪化につながらない。(H)の体積平均粒子径が500μm以下の場合は、スラッシュ成形後にレベリング性が良好であり、金型面にピンホールは発生しにくい。
ここで体積平均粒子径とは、レーザー式光散乱法で測定した篩い下50%の粒子径の値である。測定機器としては、例えばマイクロトラックHRA粒度分析計9320−X100(日機装株式会社製)を挙げることができる。
また、ウレタン樹脂粒子(H)の粒度分布を示す90%粒子径/10%粒子径が好ましくは3以下であって、スラッシュ成形用途に使用する場合、好ましくは2.0〜3.0である。ここで90%粒子径/10%粒子径とは90%粒子径を10%粒子径で除したものをいう。この範囲であると、スラッシュ成形用途に適し、スラッシュ成形後の金型面上ピンホールが少なくなり、また、粉体流動性がよく、分級工程が不要となる。
ウレタン樹脂粒子(H)を構成するウレタン樹脂(D)は、ウレア基濃度が0.5〜10重量%であり、かつウレタン基濃度とウレア基濃度の合計が4〜20重量%であり、かつ融点が160〜260℃であり、かつガラス転移点温度が−65〜0℃であることが好ましい。
ウレア基はウレタン樹脂(D)の強度、耐溶剤性、耐摩耗性を著しく向上させるため、ウレア基を含有する場合、ウレタン樹脂粒子(H)の性能を大きく向上させることができる。ウレア基が0.5〜10重量%の範囲であると、ウレア基による強度、耐溶剤性、耐摩耗性の向上の効果が著しく、またウレタン樹脂粒子(H)を成形加工させる際には、融点、溶融粘度を低く抑えられるため、成形時に必要な熱エネルギーを低減することができる。ウレア基濃度は0.5〜10重量%が好ましく、1.0〜7.0重量%がより好ましく、1.5〜5.0重量%が最も好ましい。
また同時にウレタン基もウレア基同様にウレタン樹脂(H)の性能を向上させており、ウレタン基濃度とウレア基濃度の合計が4〜20重量%であることが好ましく、6〜15重量%がさらに好ましく、8〜12重量%が最も好ましい。本発明におけるウレタン基濃度、ウレア基濃度はウレタン樹脂(H)に対するウレタン基とウレア基の重量%濃度である。
ウレタン樹脂粒子(H)を構成するウレタン樹脂(D)の融点は160〜260℃であることが好ましく、210〜250℃であることがさらに好ましい。融点が160〜260℃であれば、一般的な保存環境において、粒子のブロッキング性に優れ、かつ成形時の熱エネルギーを低減することができる。(D)のガラス転移点温度は−65〜0℃であることが好ましく、−50〜−10℃であることがさらに好ましい。ガラス転移点温度が−65〜0℃であれば、より低温でも耐衝撃性を有することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において部は重量部、%は重量%を示す。
製造例1
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンアジペート(575部)、Mnが900のポリヘキサメチレンイソフタレート(383部)、1−オクタノール(16.8部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート(242部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(217部)、及び安定剤(2.5部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 イルガノックス1010]を加え、均一に混合してプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、2.2%であった。
製造例2
ジアミンのMEKケチミン化物の製造
ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(メチルエチルケトン;ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物を得た。
製造例3
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、Mnが1000のポリブチレンアジペート(1214部)、Mnが900のポリエチレンフタレート(テレフタル酸/イソフタル酸=50/50(重量比))(304部)、1−オクタノール(27.6部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート(313.2部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(425部)、及び安定剤(2.7部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 イルガノックス1010]を加え、均一に混合してプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、1.6%であった。
実施例1
ウレタン樹脂粒子(H−1)の製造
反応容器に、製造例1で得た60℃のプレポリマー溶液(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))を水238.7部に溶解した水溶液240部とメチルエチルケトン(60部)の20℃の混合物300部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速17m/s(回転数:10000rpm)で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂粒子(H−1)を製造した。(H−1)のMnは2.5万、体積平均粒子径は160μm、90%粒子径/10%粒子径は2.7であった。
実施例2
ウレタン樹脂粒子(H−2)の製造
水溶液に加えるメチルエチルケトンを27部に変えた以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−2)を製造した。(H−2)のMnは2.5万、体積平均粒子径は135μm、90%粒子径/10%粒子径は3.0であった。
実施例3
ウレタン樹脂粒子(H−3)の製造
水溶液にメチルエチルケトンの代わりにテトラヒドロフラン60部加える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−3)を製造した。(H−3)のMnは2.5万、体積平均粒子径は155μm、90%粒子径/10%粒子径は2.8であった。
実施例4
ウレタン樹脂粒子(H−4)の製造
水溶液に加えるテトラヒドロフランを103部加える以外は実施例3と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−4)を製造した。(H−4)のMnは2.5万、体積平均粒子径は400μm、90%粒子径/10%粒子径は3.0であった。
実施例5
ウレタン樹脂粒子(H−5)の製造
反応容器に、製造例3で得た55℃のプレポリマー溶液(100部)とMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))を水238.7部に溶解した水溶液240部とメチルエチルケトン(103部)の25℃の混合物300部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速17m/s(回転数:10000rpm)で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂粒子(H−5)を製造した。(H−5)のMnは2.5万、体積平均粒子径は310μm、90%粒子径/10%粒子径は2.9であった。
実施例6
ウレタン樹脂粒子(H−6)の製造
水溶液にメチルエチルケトンの代わりに酢酸メチル60部加える以外は実施例5と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−6)を製造した。(H−6)のMnは2.5万、体積平均粒子径は250μm、90%粒子径/10%粒子径は3.0であった。
実施例7
ウレタン樹脂粒子(H−7)の製造
水溶液にメチルエチルケトンの代わりにアセトン60部加える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−7)を製造した。(H−7)のMnは2.5万、体積平均粒子径は280μm、90%粒子径/10%粒子径は2.9であった。
実施例8
ウレタン樹脂粒子(H−8)の製造
ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーの回転数を周速を17m/s(回転数:10000rpm)から20m/s(回転数:12000rpm)に変える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−8)を製造した。(H−8)のMnは2.5万、体積平均粒子径は120μm、90%粒子径/10%粒子径は2.9であった。
実施例9
ウレタン樹脂粒子(H−9)の製造
分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))を水238.7部に溶解した水溶液のかわりに水240部を用いる以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−9)を製造した。(H−9)のMnは2.5万、体積平均粒子径は550μm、90%粒子径/10%粒子径は3.0であった。
実施例10
ウレタン樹脂粒子(H−10)の製造
ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーの周速を17m/s(回転数:10000rpm)から10m/s(回転数:6000rpm)に変える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−10)を製造した。(H−10)のMnは2.5万、体積平均粒子径は350μm、90%粒子径/10%粒子径は3.0であった。
実施例11
ウレタン樹脂粒子(H−11)の製造
ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーの周速を17m/s(回転数:10000rpm)から25m/s(回転数:15000rpm)に変える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−11)を製造した。(H−11)のMnは2.5万、体積平均粒子径は110μm、90%粒子径/10%粒子径は2.7であった。
実施例12
反応容器に、製造例1で得た60℃のプレポリマー溶液(100部)とMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))を水238.7部に溶解した水溶液240部とメチルエチルケトン(60部)の20℃の混合物300部を加え、プライミクス(株)社製ホモミクサーを用いて周速22m/s(回転数:16000rpm)で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂粒子(H−12)を製造した。(H−12)のMnは2.5万、体積平均粒子径は155μm、90%粒子径/10%粒子径は2.9であった。
実施例13
水溶液に加えるメチルエチルケトンの量を12.6部に変える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子(H−13)を製造した。粒子のMnは2.5万、体積平均粒子径は130μm、90%粒子径/10%粒子径は3.0であった。
比較例1
反応容器に、製造例1で得た50℃のプレポリマー溶液(100部)とMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))を水238.7部に溶解した25℃の水溶液240部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速17m/s(回転数:10000rpm)1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂粒子を製造した。粒子のMnは2.5万、体積平均粒子径は135μm、90%粒子径/10%粒子径は3.4であった。
比較例2
反応容器に、製造例3で得た55℃のプレポリマー溶液(100部)とMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))を水238.7部に溶解した水溶液240部とメチルエチルケトン(160部)の25℃の混合物300部、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速17m/s(回転数:10000rpm)1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂粒子を製造した。ウレタン樹脂粒子のMnは2.5万、体積平均粒子径は500μm、90%粒子径/10%粒子径は4.5であった。
比較例3
反応容器に、製造例1で得た50℃のプレポリマー溶液(100部)とMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))と水238.7部に溶解した水溶液240部とヘキサン(60部)の25℃の混合物300部を、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速17m/s(回転数:10000rpm)1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂粒子を製造した。粒子のMnは2.5万、体積平均粒子径は200μm、90%粒子径/10%粒子径は4.2であった。
比較例4
反応容器に、製造例1で得た50℃のプレポリマー溶液(100部)とテトラヒドロフラン(70部)とMEKケチミン化合物(5.6部)を投入混合し、そこに分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(1.3部))240部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速17m/s(回転数:10000rpm)1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ウレタン樹脂の微粒子を製造した。
この微粒子の体積平均粒子径は50μmであった。ヘンシェルミキサー(三井三池化工器(株)製)に入れ、アクリル樹脂エマルション(「ヨドゾールAD81」、日本エヌエスシー株式会社製、商品名、固形分45%、アクリル共重合樹脂融点=20℃)10部を加え、40m/secで攪拌を行うことにより、微粒子(C−7)の造粒を行った。攪拌開始から15分後に140℃に到達した時点で運転停止させ、ウレタン樹脂粒子を得た。粒子のMnは2.5万、体積平均粒子径は350μm、90%粒子径/10%粒子径は3.5であった。
比較例5
水溶液に加えるメチルエチルケトンを6.2部に変える以外は実施例1と同様の操作を行うことで、ウレタン樹脂粒子を製造した。粒子のMnは2.5万、体積平均粒子径は120μm、90%粒子径/10%粒子径は3.8であった。
実施例1〜13、比較例1〜5の樹脂粒子について、下記の方法で測定される形状係数SF2、形状係数SF1、体積平均粒子径、90%粒子径/10%粒子径の測定結果を表1に示した。
Figure 2012102311
Figure 2012102311
<形状係数SF1、SF2>
形状係数SF1、SF2の測定は、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)で、中心粒径20μm以上40μm未満は300倍、40μm以上75μm未満の粒子は160倍、75μm以上150μm未満の粒子は80倍、150μm以上300μm未満の粒子は倍率40倍で、300μm以上の粒子は25倍でそれぞれ撮影し、得られた画像(解像度:128q0×1024ピクセル)から80個の粒子を無作為に選択し、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析を行い、平均のSF1、SF2の値を算出した。
<体積平均粒子径>
マイクロトラックHRA粒度分析計9320−X100(日機装株式会社製)を用いて、レーザー式光散乱法で篩い下50%の粒子径を測定し、体積平均粒子径とした。
<90%粒子径/10%粒子径>
マイクロトラックHRA粒度分析計9320−X100(日機装株式会社製)を用いて、レーザー式光散乱法で篩い下90%の粒子径と篩い下10%の粒子径を測定し、90%粒子径/10%粒子径を求めた。
<収率>
目開き850μmと75μmの篩いを連続的に通過させた後、75μmの篩い上に残った樹脂組成物の重量を、篩いを通過させる前の樹脂組成物の重量で除することで収率とした。
表1に示したように、本発明の製造方法によると、粒子表面が凸凹状の樹脂粒子が得られ、該樹脂粒子の粒子径分布がシャープで、かつ収率も高い。また、比較例4のように、有機溶剤(E)は、あらじめ、ウレタンプレポリマー(A)とジアミン(B)のジケチミン化物(B1)の混合物(C)に混合しても効果を発揮しない。
本発明の製造方法で得られるウレタン樹脂粒子は、スラッシュ成形や粉体塗料、成形材料等に有用な材料として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とジアミン(B)のジケチミン化物(B1)の混合物(C)と、誘電率が5〜25である有機溶剤(E)と水又は分散剤を含有する水溶液(F)の混合物(G)であって(E)を(G)に対して5〜30重量%含有する混合物(G)とを、混合攪拌して重合反応を行い粒子表面に凹凸を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子(H)を得る、熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の製造方法。
  2. 混合物(C)と混合物(G)とを周速10〜40m/sで混合攪拌する請求項1に記載の製造方法。
  3. 有機溶剤(E)が、炭素数3〜9のケトン、炭素数4〜8のエーテル、及び炭素数3〜6のエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 有機溶剤(E)がアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、及び酢酸メチルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子(H)の形状係数SF2が120〜240であり、かつ形状係数SF1が101〜200である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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