JP2012102227A - エポキシ樹脂前駆体組成物、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によるエポキシ樹脂前駆体組成物は、明細書記載の特定のエポキシ化合物の混合物と、ビスマレイミド化合物と、無機充填剤と、塩基性有機溶媒とを含んでなる。
【選択図】なし
Description
[1]下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物と、下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物と、下記一般式(3)で表されるエポキシ化合物と、ビスマレイミド化合物と、無機充填剤と、塩基性有機溶媒とを含んでなる、エポキシ樹脂前駆体組成物。
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは各々独立に0〜6の整数である。)
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは0〜6の整数である。)
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは各々独立に0〜5の整数である。)
[3]熱硬化後のエポキシ樹脂のTg未満における線熱膨張係数が40ppm/℃未満である、[1]項または[2]項に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
[4]熱硬化後のエポキシ樹脂の25℃における弾性率(ヤング率)が1〜10GPaの範囲内にある、[1]〜[3]項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
[5]上記無機充填剤が平均粒子径10nm〜150nmのシリカナノ粒子を含む、[1]〜[4]項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
[6]上記無機充填剤が平均粒子径1μm〜10μmのシリコーンゴム微粒子を含む、[1]〜[5]項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
[7][1]〜[6]項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
[8][7]項に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる、積層板。
[9]上記プリプレグが2枚以上のプリプレグ積層体からなる、[8]項に記載の積層板。
[10][1]〜[6]項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる樹脂シート。
[11][7]項に記載のプリプレグ、[8]項もしくは[9]項に記載の積層板、または[10]項に記載の樹脂シートから形成されたプリント配線板。
[12][11]項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは各々独立に0〜6の整数である。)
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは0〜6の整数である。)
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは各々独立に0〜5の整数である。)
(その式中、R1〜R4は水素又は炭素数1〜4の置換若しくは無置換の炭化水素基であり、R5は−CH2−、−O−又は2価の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基である。)
[1]樹脂ワニスの調製
上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物として1,1−ビス(2−グリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンと、上記一般式(2)で表されるエポキシ化合物として1−(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)−1−(2−グリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンと、上記一般式(3)で表されるエポキシ化合物として1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンとを質量部で100:80:20の比率で含むエポキシ混合物(DIC製、HP−4770 エポキシ当量204)13.2質量部;ビスマレイミド化合物として2,2‘−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成製、BMI−80)14.9質量部;ポリフェノール系硬化剤としてフェノールノボラック(DIC製、TD−2090、水酸基当量105)6.8質量部;硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(四国化成製2PZ)0.1質量部;無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス製、SO−25R、平均粒径0.5μm)65.0質量部に、塩基性有機溶媒としてN−メチルピロリドンを固形分が65質量%となるように加えて混合し、エポキシ樹脂前駆体組成物からなる樹脂ワニス(500グラム)を調製した。
上記樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(長さ530mm、幅530mm、厚さ0.18mm、日東紡績社製)100質量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80質量部含浸させて、190℃の乾燥炉で7分間乾燥させ、樹脂含有量44.4質量%のプリプレグを作製した。
上記樹脂ワニスを、剥離可能なキャリア箔層と電解銅箔層とを張り合わせた銅箔(三井金属鉱山社製、マイクロシンEx−3、キャリア箔層:銅箔(18μm)、電解銅箔層(3μm))の電解銅箔層に、コンマコーターを用いて乾燥後の樹脂層が40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾燥装置で10分間乾燥して、樹脂シートを製造した。
上記プリプレグを2枚重ねたプリプレグ積層体の表裏に、長さ560mm、幅560mm、厚さ18μmの電解銅箔(日本電解製YGP−18)を重ねて、圧力4MPa、温度220℃で180分間加熱加圧成形を行い、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得た。
上記積層板に、0.1mmのドリルビットを用いてスルーホール加工を行った後、メッキによりスルーホールを充填した。さらに、両面をエッチングにより回路形成し、内層回路基板として用いた。上記内層回路基板の表裏に、上記プリプレグを重ね合わせ、これを、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。これを、熱風乾燥装置にて170℃で60分間加熱し硬化させて、積層体を得た。
プリント配線板は、上記プリント配線板であって、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
ビスマレイミド化合物としてビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(ケイ・アイ化成製、BMI−70)14.9質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ポリフェノール系硬化剤としてビスフェノールAノボラック(DIC製、VH−4240、水酸基当量110)6.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を10.8質量部とし、かつ、ポリフェノール系硬化剤としてビフェニルアラルキル(明和化成製、MEH7851H、水酸基当量205)9.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770 エポキシ当量204)15.4質量部;ビスマレイミド化合物として2,2‘−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成製、BMI−80)14.9質量部;芳香族ジアミン系硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン製、4,4‘−DAS)4.6質量部;硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(四国化成製2PZ)0.1質量部;無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス製、SO−25R、平均粒径0.5μm)65.0質量部に、塩基性有機溶媒としてN−メチルピロリドンを固形分が65質量%となるように加えて混合し、エポキシ樹脂前駆体組成物からなる樹脂ワニス(500グラム)を調製した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を16.1質量部とし、かつ、芳香族ジアミン系硬化剤を4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(東京化成製)3.9質量部とした以外は、実施例5と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を15.3質量部とし、かつ、芳香族ジアミン系硬化剤を3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬製カヤハードA−A)3.9質量部とした以外は、実施例5と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
無機充填剤を溶融シリカ粒子(アドマテックス製、SO−25R、平均粒径0.5μm)35質量部とシリカナノ粒子(トクヤマ(株)製、NSS−5N、平均粒子径70nm)2質量部とシリコーンゴム微粒子(信越化学工業(株)製、KMP−600、平均粒子径5μm)30質量部との組合せとした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を12.9質量部とし、ビスマレイミド化合物として2,2‘−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成製、BMI−80)23.5質量部かつ、芳香族ジアミン系硬化剤を4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(東京化成製)3.1質量部とした以外は、実施例6と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を19.7質量部とし、ビスマレイミド化合物として2,2‘−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成製、BMI−80)15.0質量部かつ、芳香族ジアミン系硬化剤を4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(東京化成製)4.8質量部とした以外は、実施例6と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)に代えて、その一成分である1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタン(DIC製、HP−4700)を12.5質量部とし、かつ、ポリフェノール系硬化剤としてフェノールノボラック(DIC製、TD−2090、水酸基当量105)7.5質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製しプリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンに代えて、1,6−ジグリシジルオキシナフタレン(DIC製 HP−4032)を11.4質量部とし、かつ、ポリフェノール系硬化剤としてフェノールノボラック(DIC製、TD−2090、水酸基当量105)8.6質量部とした以外は、比較例1と同様にして樹脂ワニスを調製しプリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)に代えて1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタン(DIC製、HP−4700)を14.7質量部とし、かつ、芳香族ジアミン系硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン製、4,4‘−DAS)5.3質量部とした以外は、実施例5と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンに代えて、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタン(DIC製、HP−4700)を12.5質量部とし、ポリフェノール系硬化剤としてフェノールノボラック(DIC製、TD−2090、水酸基当量105)7.5質量部とした以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ビスマレイミド化合物を用いず、エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を23.1質量部とし、かつポリフェノール系硬化剤としてフェノールノボラック(DIC製、TD−2090、水酸基当量105)11.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ビスマレイミド化合物を用いず、エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)を26.8質量部とし、かつ、芳香族ジアミン系硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン製、4,4‘−DAS)8.1質量部とした以外はとした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)に代えて1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタン(DIC製、HP−4700)を8.8質量部とし、ビスマレイミド化合物として2,2‘−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成製、BMI−80)23.5質量部かつ、芳香族ジアミン系硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルメタン(東京化成製)2.6質量部とした以外は、実施例6と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
(1)ガラス転移温度
上記実施例及び比較例で得られた厚さ40μmの樹脂シートを2枚重ね、220℃で180分プレスを行い、銅箔付き樹脂板を得た。この銅箔付き樹脂板を全面エッチングし、6mm×25mmの試験片を作製し、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度(℃)とした。
上記実施例及び比較例で得られた厚さ40μmの樹脂シートを2枚重ね、220℃で180分プレスを行い、銅箔付き樹脂板を得た。この銅箔付き樹脂板を全面エッチングし、5mm×20mmの試験片を作製し、TMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて5℃/分の条件で、厚み方向(Z方向)のガラス転移温度以下の領域の線膨張係数を測定した。
上記実施例及び比較例で得られた厚さ40μmの樹脂シートを2枚重ね、220℃で180分プレスを行い、銅箔付き樹脂板を得た。この銅箔付き樹脂板を全面エッチングし、6mm×25mmの試験片を作製し、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分で昇温し、25℃での引っ張り弾性率をガラ測定した。
得られた積層板を50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後、エッチングにより銅箔を1/4だけ残した試料を作製し、JIS C 6481に準拠して評価した。評価は、121℃、100%、2時間、PCT吸湿処理を行った後に、288℃の半田槽に30秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
上記実施例及び比較例で得られた厚さ0.4mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から5mm×20mmの試験片を作製し、TMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて5℃/分の条件で、面方向(X方向)の線膨張係数を測定した。
反り評価は、上記で得られた半導体装置を、温度30℃、湿度70%の雰囲気下で196時間放置後、260℃リフローを3回行い、基板の反りを評価した。リフロー条件は、プレヒート(160〜200℃、50〜60秒で昇温)、加熱(200〜260℃、65〜75秒で昇温)、リフロー(260〜262℃、5〜10秒)および冷却(262〜30℃、15分)を1サイクルとした。温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製 形式LS220-MT100MT50)を用い、上記測定機のサンプルチャンバーに上記で得られた半導体装置の半導体素子面を下にして設置し、多層プリント配線板の高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。反り量に関しては、150μmを超えるとマザーボード実装時に接続不良を起こす可能性が高くなる。
表1から明らかなように、実施例1〜10は、本発明によるエポキシ樹脂前駆体組成物を用いた積層板であり、その高いガラス転移温度、低い線熱膨張係数及び弾性率の相乗効果として、基板の反りが抑制されていることが分かる。また、いずれの実施例も半田耐熱性に問題はなかった。一方、表2から明らかなように、エポキシ混合物(DIC製、HP−4770)の一成分である1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンのみを使用した比較例1、3、4は、ガラス転移温度は高くなるが、樹脂の線熱膨張係数及び弾性率並びに積層板の線熱膨張係数も高くなり、全体として基板の反りが顕著に大きくなった。また、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタンのみを使用し、ビスマレイミドを多量に用いた比較例7では、基板の反りは良好であったが、半田耐熱性が悪化した。反対に、エポキシ化合物として1,6−ジグリシジルオキシナフタレンのみを使用した比較例2は、樹脂の線熱膨張係数及び弾性率並びに積層板の線熱膨張係数については実施例1〜10と同等であるものの、ガラス転移温度が低く、全体として基板の反りを抑制することができなかった。また、ビスマレイミド化合物を用いなかった比較例5、6は樹脂の線熱膨張係数及び積層板の線膨張係数が低くならず、全体として基板の反りを抑制することができなかった。
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物と、下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物と、下記一般式(3)で表されるエポキシ化合物と、ビスマレイミド化合物と、無機充填剤と、塩基性有機溶媒とを含んでなる、エポキシ樹脂前駆体組成物。
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは各々独立に0〜6の整数である。)
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは0〜6の整数である。)
(上記式中、R1は、各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基であり、R2は、各々独立に、水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、そしてnは各々独立に0〜5の整数である。) - 熱硬化後のエポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)が160℃以上である、請求項1に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
- 熱硬化後のエポキシ樹脂のTg未満における線熱膨張係数が40ppm/℃未満である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
- 熱硬化後のエポキシ樹脂の25℃における弾性率(ヤング率)が1〜10GPaの範囲内にある、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
- 上記無機充填剤が平均粒子径10nm〜150nmのシリカナノ粒子を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
- 上記無機充填剤が平均粒子径1μm〜10μmのシリコーンゴム微粒子を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂前駆体組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂前駆体組成物を基材に含浸させてなる、プリプレグ。
- 請求項7に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる積層板。
- 上記プリプレグが2枚以上のプリプレグ積層体からなる、請求項8に記載の積層板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂前駆体組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる樹脂シート。
- 請求項7に記載のプリプレグ、請求項8もしくは9に記載の積層板、または請求項10に記載の樹脂シートから形成されたプリント配線板。
- 請求項11に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
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